JPH08156521A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH08156521A
JPH08156521A JP6306250A JP30625094A JPH08156521A JP H08156521 A JPH08156521 A JP H08156521A JP 6306250 A JP6306250 A JP 6306250A JP 30625094 A JP30625094 A JP 30625094A JP H08156521 A JPH08156521 A JP H08156521A
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JP
Japan
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cord
layer
wire
tire
lug groove
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JP6306250A
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Yoshihide Kono
好秀 河野
Hisanobu Kobayashi
寿延 小林
Eiji Yamanaka
英司 山中
Takayuki Sato
隆之 佐藤
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ赤道面に対する平行コード層及び傾斜
コード層の組合せベルトとラグ溝とを備えるラジアルタ
イヤのJIS強度向上及び石咬みパンク防止を図る。 【構成】トレッド部がその踏面の幅中央領域にラグ溝
と、タイヤ赤道面に関し傾斜するスチールコード層又は
スチールワイヤ層及びほぼ平行に延びるコード層からな
るベルトとを備え、傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層をカ
ーカスとそれに最も近い平行コード層との間に配置し、
かつ傾斜配列コード又は傾斜配列ワイヤがラグ溝を横切
るように傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層を形成して成る
空気入りラジアルタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一対のビード部及び
一対のサイドウォール部とトレッド部とからなり、これ
ら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわた
って補強するラジアルプライのカーカスと、カーカスの
外周にてトレッド部を強化するベルトとを備え、ベルト
はトレッド部の中央円周を含む平面に対しスチールコー
ド又はスチールワイヤの傾斜配列になる1層のゴム被覆
傾斜コード層又はゴム被覆傾斜ワイヤ層と、上記平面と
実質上平行なコード配列になる少なくとも1層のゴム被
覆平行コード層とを有する空気入りラジアルタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤ、なかでもとり
わけ市場にて最も多用されている乗用車用空気入りラジ
アルタイヤに適用するベルトは2層のコード交差層から
なり、このコード交差層は、トレッド部の中央円周を含
む平面、換言すればタイヤ赤道面を挟んで2層のスチー
ルコードが互いに交差する傾斜配列になる。
【0003】しかし上記2層のコード交差層からなるベ
ルトでは所望する諸性能及び耐久性が得られないとし
て、ベルトを内側の1層のゴム被覆傾斜コード層とその
外側のゴム被覆平行コード層(いわゆるキャップ層)と
の異種コード層の積層体により構成することが下記文献
(1)〜(3)にて提案されている。なお平行コード層
はそのコードがタイヤ赤道面に対し実質上平行な配列に
なり、ここにいう実質上とは、この平行コード層は、傾
斜コード層の外周に狭幅層を螺旋状に複数回又は多数回
巻回して形成するか、又は1本以上のコードを同様に螺
旋状に巻回して形成するか、もしくは1層の縦並びコー
ド層を一回以上巻回して得るかのいずれかであり、よっ
て前二者の場合は僅少な傾斜角度が付くことを前提とす
ることを意味し、また後者の場合でも製造上の僅少誤差
(バラツキ)を考慮に入れることを意味する。
【0004】(1)電車やモノレール車両の使途に供す
る重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用する上記2層
のベルトの端部における耐セパレーション性向上を目的
として、特開昭61−9314号公報はタイヤ周方向と
平行に近い僅少リード角でスパイラル状に配列したコー
ドよりなる主ベルト層のコードの弾性率を3000kg
f/mm2 以上とすること、そして特開昭62−152
904号公報では主ベルト層のコードを芳香族ポリアミ
ドのような有機繊維コ─ドとし、その弾性率を2000
kgf/mm2 以上とすることを開示している。
【0005】(2)特開平4−163212号公報は、
乗用車用空気入りラジアルタイヤの高速耐久性向上とユ
ニフォーミティ向上及び軽量化を目指し、傾斜コード層
は1層のスチールコード層とし、その外側のキャップ層
は中央部で1層、両側部では2層の芳香族ポリアミドコ
ードの螺旋状巻回とする旨を開示している。
【0006】(3)また米国特許第3973612号明
細書では、乗用車用空気入りラジアルタイヤの乗り心地
性及び耐摩耗性の両性能向上を図るため、1層の傾斜コ
ード層をフォールドしコード傾斜角度を10〜30°の
範囲内に収め、1層のキャップ層を傾斜角度が0°のテ
キスタイルコードにより構成することを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれまでの2層
のコード交差層からなるベルトを備えるタイヤと、上記
(1)〜(3)に例示した異種コード層の積層体を備え
るタイヤとを、JISD 4230(1986)が定め
るタイヤ強度(破壊エネルギー)の試験方法に従いプラ
ンジャー試験を比較実施すると、後者のタイヤ強度は前
者のタイヤ強度に比し著しく低いレベルに止まることが
判った。
【0008】特にトレッド部踏面の幅中央領域にラグ溝
を備え、ベルトの傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層におけ
るコード又はワイヤの配列方向とラグ溝が延びる方向と
がほぼ同一方向であるタイヤの場合は、JISが規定す
る最小破壊エネルギー値を下回ることも稀ではなく、実
用に供し得ない。またこのような低破壊エネルギを示す
タイヤを実際に走行させとき、しばしばラグ溝が咬み込
んだ小石がタイヤ内部を貫通してパンク故障を引き起こ
すことを確かめた。
【0009】ここに上記JISが定める試験方法の概要
を下記する。まずJISが規定する標準リムにタイヤを
装着し、同様に規定する空気圧を充てんしたタイヤ及び
リム組立体を準備し、この組立体の強度試験装置に用い
るプランジャーの直径は、乗用車用タイヤ〜小型トラッ
ク用タイヤは19mm、トラック及びバス用タイヤでは
12PR(プライレーティング)以下が32mm、14
PR以上が38mmと定めている。
【0010】次に操作として、先端が半球状のプランジ
ャーをタイヤ軸に垂直に、できるだけタイヤ中央部のト
レッド(踏面)パターンの突出部に、1分間に50.0
mmの速さで押し付ける。測定箇所は、タイヤの外周を
リム径の呼びが10以下のタイヤでは約3等分、その他
のタイヤでは5等分したそれぞれの位置とし、タイヤが
破壊する直前の押し込み力とプランジャーの移動量を測
定する。
【0011】最後にタイヤ破壊エネルギーの計算は、各
測定位置における破壊エネルギーを次の式によって算出
し、その平均値とする。 W=F×P/2、ここに、 W:破壊エネルギー(j){kgf ・cm} F:破壊時の押込み力(N){kgf } P:プランジャーの移動量(m){cm}
【0012】従ってこの発明の目的は、踏面の幅中央領
域にラグ溝を設けたトレッド部を有し、優れた各種諸性
能の発揮及び十分な耐久性の確保に有利である傾斜コー
ド層と平行コード層とからなるベルトを備えるタイヤに
つき、十分なJISタイヤ強度を有し、たとえラグ溝に
石咬み現象が生じたとしてもパンク故障を有効に回避し
得る空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明の空気入りラジアルタイヤは、冒頭にて述べた
タイヤにおいて、トレッド部がその踏面の幅中央領域に
ラグ溝を備え、上記傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層をカ
ーカスとそれに最も近い平行コード層との間に配置し、
かつ傾斜配列コード又は傾斜配列ワイヤがラグ溝を横切
るように傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層を形成して成る
ことを特徴とする。
【0014】この発明を実施するにあたり、平行コード
層を螺旋状巻回コード層により形成すること、傾斜コー
ド層又は傾斜ワイヤ層の配列コード方向又は配列ワイヤ
方向と直交する向きに測った総幅D(mm)と、この総
幅D(mm)に含まれるスチールコードの素線又はスチ
ールワイヤの総断面積A(mm2 )との比の反比A/D
の値H(mm)が0.07mm以上であること、傾斜コ
ード層又は傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの上記平面
に対する傾斜角度が15〜45°の範囲内であること、
そしてラグ溝の幅中心を連ねる線と、傾斜コード層又は
傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの中点を連ねる線との
交角が40°以上であることが望ましい。
【0015】この発明を図1及び図2に基づき以下詳細
に説明する。図1はタイヤの回転軸心を含む平面による
断面図であり、図2は踏面の一部展開図であり、図2は
図1に示すタイヤの踏面のうち主として中央領域を示
す。図1において、1は一対のビード部、2は一対のサ
イドウォール部、3はトレッド部であり、カーカス4は
ビード部1内に埋設した一対のビードコア5相互間にわ
たってビード部1、サイドウォール部2及びトレッド部
3を補強する。カーカス4はタイヤ赤道面Eに対するコ
ード交角が70〜90°の範囲内のトロイド状ラジアル
プライからなる。
【0016】符号6にて示すベルトは、トレッド部3の
中央円周を含む平面、すなわちタイヤ赤道面Eに対しス
チールコードの傾斜配列になる1層のゴム被覆傾斜コー
ド層6a(実線で示す)と、先に述べたタイヤ赤道面E
と実質上平行なコ─ド配列になる少なくとも1層のゴム
被覆平行コード層6b(一連なりの点・・・・・にて示
す)とを有する。
【0017】ここに上記の少なくとも1層とは、平行コ
ード層6bの他に、その外周に付加配置した、ベルト6
の幅方向中央部分の同様平行コード層6b−1を図1に
示すように、又は平行コード層6bの両側端部外周に付
加配置した同様平行コード層(図示省略)を設けること
を可とすることを意味する。複数平行コード層のうち層
6bは図示のようにカーカス4に最も近く位置し、傾斜
コード層6aをこの平行コード層6bとカーカス4との
間に配置する。
【0018】図1にてトレッド部3の踏面3tの幅TW
の1/2をタイヤ赤道面Eの両側に等分に振り分けた領
域をここでは中央領域と名付け、その両側を側辺領域と
呼び、両領域のうち少なくとも中央領域にラグ溝10を
設けるものとする。図1では中央領域に設けたラグ溝1
0の底部を破線にて示す。また図示を省略したが側辺領
域にもラグ溝を設けることを可とする。なお踏面幅TW
は図示例のようにラウンドショルダの場合はタイヤ断面
にてショルダの延長と踏面3tの延長との交点を基準に
測る。
【0019】図2はタイヤ赤道面Eの両側に踏面幅TW
×1/2を等分に振り分けた境界Tc間の幅Acで区画
する踏面3tの中央領域に多数本の左上がりラグ溝10
を配列した例を示し、このラグ溝以外の溝の図示を省略
した。図中破線は傾斜コード層6aにおけるスチールコ
ード16acの配列状態を示し、その他のコード層のコ
ード配列についての図示を省略した。なおここでラグ溝
とは踏面3tの一方側縁から他方側縁に向かう方向に延
びる溝を指す。
【0020】図から明らかなように傾斜配列のスチール
コード16acがラグ溝10を横切るように傾斜コード
層6aを形成することが必要である。このことはラグ溝
10の配列状態が予め定められている場合には、傾斜コ
ード層6aはその傾斜配列コード16acが図示のよう
にラグ溝10を横切る相対配置関係を満たすように形成
するものとし、反面傾斜コード層6aのコード16ac
の配列方向を予め定める必要があるとき、このコード配
列を横切るようにラグ溝10の配列方向を決めるものと
する。
【0021】ここにスチールコード16acがラグ溝1
0を横切るとは、ラグ溝10がタイヤ赤道面Eに対して
傾斜しているとき、ラグ溝10の幅中心を連ねる線と傾
斜コード層6aのコード中心を連ねる線とがタイヤ赤道
面Eを挟んで互いに交差することを意味する。例えば図
2に示すラグ溝10は左上がりの配列であるから傾斜コ
ード層6aのコード16acを右上がり配列とし、これ
とは逆にラグ溝が右上がり配列であればコード16ac
を左上がり配列とすることを要するとの意である。
【0022】特別な例として図示を省略したがラグ溝1
0の幅中心を連ねる線がタイヤ赤道面Eに直交する直状
ラグ溝である場合はコード16acは右上がり、左上が
り何れの配列でも適合し、何れを選択するかはラグ溝1
0を除く他の溝との上記同様の関連にて定めるのが望ま
しい。
【0023】平行コード層6b、6b−1は螺旋状巻回
コード層により形成することが望ましく、各平行コード
層6b、6b−1にはスチールコード、1本のワイヤコ
ード及びモノフィラメントを含む有機繊維コ─ド、例え
ばポリエステルコードなどが適合する。
【0024】また図3にタイヤ正面(踏面3t)から傾
斜コード層6aのコード16acを透視した展開図の一
部を示す。図3に示す符号Dは傾斜コード層6aのコー
ド16acの配列方向に直交する向きに測った、断面幅
Dwをもつ傾斜コード層6aの総幅(mm)であり、こ
の総幅D(mm)に含まれる全スチールコードの素線の
総断面積A(mm2 )と総幅D(mm)との比A/D=
H(mm)につき、H≧0.07mmであることが望ま
しい。
【0025】さらに傾斜コード層6aのコード16ac
のタイヤ赤道面Eに対する傾斜角度は15〜45°の範
囲内にあることが望ましい。また図2に示すラグ溝10
の幅中心を連ねる線Lcと、コード16acの中点を連
ねる線との交角αは40°以上であることが望ましい。
なお図示のラグ溝は直状をなしているが勿論弧状とする
ことができる。
【0026】以上は傾斜コード層6aにスチールコード
16acを適用する場合につき述べたが、スチールワイ
ヤを適用することもでき、そのときも上述したところと
全く同一である。勿論このスチールワイヤにはタイヤ用
スチールコードの素線と同じゴムとの接着処理(真鍮メ
ッキ処理)を施したものを用いる。
【0027】
【作用】まず図2に示すようなラグ溝10をトレッド部
に備えるタイヤを用いて、先に述べたJIS D 42
30のタイヤ強度試験に従い、トレッド部中央部分の両
ラグ溝10に挟まれる陸部にプランジャーを押し込み続
けると、このトレッド部分はラグ溝10部分が陸部に比
しより折れ曲がり易いため、あたかも両ラグ溝部を折れ
曲がり基部とするような撓曲挙動を示すことになる。
【0028】そのとき、傾斜コード層のコード配列方向
がラグ溝の配列方向と同一であれば、すなわちラグ溝の
傾斜方向(タイヤを正面から見て右上がり方向、又は左
上がり方向)とコードの傾斜方向とが同じであり、しか
も傾斜角度に大きな開きがない場合には、プランジャー
の押圧力直下にある配列コードはあたかもプランジャー
を挟むように強制的に間隔が拡げられる。そのためトレ
ッド部の撓曲に対抗する抵抗力が低下すると共にプラン
ジャーの貫通に対する抵抗力も著しく低下するのは不可
避であり、比較的容易にプランジャーはトレッド部を貫
通することになる。
【0029】上述したタイヤのようにプランジャーの押
し込み力が小さいと、当然ながらタイヤの破壊エネルギ
ー(強度)も小さい値を示し、この値はこれまでのタイ
ヤ赤道面Eを挟んで互いに交差する2層のコード交差層
ベルトを有するタイヤに遙に及ばないばかりか、この種
のタイヤはしばしば上記JISが規定するタイヤ強度
(最小破壊エネルギー)の値を下回る結果に至る。例え
ばタイヤ強度のJIS規定値が、乗用車用タイヤでリム
径の呼びが12(12インチを指す)以上で4PRでは
3000kgf・cm、6PRでは4495kgf・c
mであるのに対し、この規定値に達しないタイヤが発生
し勝ちである。
【0030】これに対し、踏面3tの幅中央領域に設け
たラグ溝10を傾斜配列コード16acが横切るように
傾斜コード層6aを形成することにより、まず傾斜コー
ド層6aがトレッド部3の文字通りの強化層としての役
を果たして、ラグ溝10がプランジャーの押圧力に対し
より大きな抵抗力を発揮するため、トレッド部3の撓曲
変形に対するプランジャーの押圧力は一層増加する。
【0031】次にプランジャーの押し込みが続くと、い
ずれは外側の平行コード層6b(及び平行コード層6b
−1)が切断され、プランジャー先端が傾斜コード層6
aに達するものの、この層6aのスチールコード間隔は
それほど拡張されることはない。なぜなら上述したタイ
ヤの両ラグ溝部が折れ曲がり基部を形成する傾向が高い
のに対し、傾斜コード層6aはこの基部形成に対しても
著しい抵抗力を発揮するするので明確な基部形成を阻止
してトレッド部の撓曲変形挙動を広範囲に分散せしめる
役を果たすからである。よってプランジャー先端部は当
初の配列スチールコード本数に近い本数のコードを切断
することになり、ここでもプランジャ先端部にはより大
きな押圧力が作用する。
【0032】上述したところは要するに、傾斜配列コー
ド16acがラグ溝10を横切るように傾斜コード層6
aを形成することにより、プランジャーがトレッド部3
を破壊して貫通する直前の押込み力Fが格段に高まり、
一方プランジャーがトレッド部3に接して貫通するまで
のプランジャー移動量Pに変化はほとんど見られない結
果、F×P/2であらわす破壊エネルギーWは大幅に向
上するということである。
【0033】なお傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層の配列
コード方向又は配列ワイヤ方向と直交する向きに測った
総幅D(mm)と、この総幅D(mm)に含まれるスチ
ールコードの素線又はスチールワイヤの総断面積A(m
2 )との比の反比A/Dの値H(mm)が0.07m
m以上であれば上記破壊エネルギーWの大幅向上にさら
に寄与することを見出している。ここにスチールコード
16acの素線の直径をd(mm)、一本のスチールコ
ード16acを構成する素線の本数をn、傾斜コード層
6aの50mm当たりのコード打込本数をCとしたと
き、上記比H=(π/4)d2 ×n×C/50(mm)
であらわされる。
【0034】またタイヤ赤道面Eに対する傾斜コード層
6aのコードの傾斜角度を15〜45°の範囲内に設定
することにより優れたコーナリングパワ特性の確保に寄
与する効果がもたらされる。
【0035】このときラグ溝10の幅中心を連ねる線L
cと、傾斜コード層6aのスチールコード16acの中
点を連ねる線との交角αは90°が最良であるものの、
40°以上であればこれまでの2層の交差コード層ベル
トのコード層におけるコード打込数を60%まで粗打込
みにしたタイヤと同等な破壊エネルギーをもつことを見
出している。なおスチールコードを上記の粗打込みにし
たタイヤの実際上の耐パンク性は殆ど問題とはなってい
ない。
【0036】また平行コード層6bを螺旋状に巻回して
形成すること、平行コード層6bにベルト6の中央部分
で平行コード層6b−1を付加すること、又は平行コー
ド層6bにその両端部で平行コード層をそれぞれ付加す
ることは空気入りラジアルタイヤ、特に乗用車用タイヤ
の各種性能を高度に維持することに寄与する。
【0037】以上はスチールコードについて記述したが
スチールワイヤを適用した傾斜ワイヤ層の場合も全く同
一であることを確かめている。
【0038】
【実施例】実施例1〜7は乗用車用ラジアルプライタイ
ヤで、サイズが195/65R14であり、構成は図1
〜図3に従う。但しこの実施例では付加平行コード層6
b−1を除外した。ラグ溝10のタイヤ赤道面Eに対す
る傾斜角度は左上がりの40°とし、傾斜コード層6a
のコード16acの同上面Eに対する傾斜角度は右上が
りの35°とした。よって両者の交角αは75°であ
る。またコード16acの配列方向と直交する向きの総
幅Dは183mmであり、踏面幅TWは160mmであ
る。
【0039】上記の他の傾斜コード層6a及び平行コー
ド層6bの諸元を比較例タイヤの同様諸元と合せ表1に
示す。比較例は表1に示す実施例との差異を除く他は全
て実施例に合せた。なお比較例における傾斜コード層の
コード傾斜方向はラグ溝と同じ左上がりとし、傾斜角度
は35°とした。なお表1の項目のうち、「コード16
acとラグ溝10との方向」の項目は、タイヤ赤道面E
を挟んで交差するものは異方向、そうでないものは同方
向とあらわした。またA/D=H(mm)は紙面の都合
上「H×100(mm)」として示した。
【0040】各実施例及び比較例それぞれの供試タイヤ
に内圧1.8kgf/cm2 を充てんし、先に述べたJIS
D 4230に従うタイヤ強度試験を実施した。プラン
ジャーの直径は19mmで先端が半球状をなす。比較試
験結果は「プランジャーエネルギー」としていずれも指
数にてあらわし、JIS規格が定める規定値3000k
gf・cmを100とする指数表示にて表1の最下段に
示し、いずれも値が大なるほど良い。
【0041】
【表1】
【0042】表1から実施例1〜7のタイヤが全てJI
Sが定める規定値を上回っていることが判り、これに対
し比較例のタイヤはこの規定値を大幅に下回る結果を示
していて、この種のタイヤはまず規格面で不適合であ
り、実用上では石咬みによるパンク故障発生の可能性が
高い。さらに言えば、実施例3、7以外の各実施例タイ
ヤにおけるコード層6aのスチールコード打込数を比較
例タイヤのそれより大幅に減じてもJIS規定値を上回
る結果が得られていることは注目すべき点である。この
ことから実施例の各タイヤは石咬みによるパンク故障も
有利に阻止することが可能であることが示唆される。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、空気入りラジアルタ
イヤに求められる高度な諸性能と優れた耐久性との発揮
に有効な平行コード層を傾斜コード層と共にベルトに適
用したラグ溝を備えるラジアルプライタイヤにつき、J
ISが定めるタイヤ強度の規定値に及ばず実用性に欠け
ていた点及びこの点からラグ溝に生じ勝ちな石咬みによ
りパンクが発生し勝ちであった点を、平行コード層と傾
斜コード層との組合せになるベルト構成を変えずして有
利に解決した空気入りラジアルタイヤを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による空気入りラジアルタイヤの断面
図である。
【図2】この発明によるタイヤの傾斜コード層のコード
配列とラグ溝との関係を説明する一部展開図である。
【図3】この発明によるタイヤの傾斜コード層の強度を
説明する正面透視図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 サイドウォール部 3 トレッド部 3t 踏面 4 カーカス 5 ビードコア 6 ベルト 6a 傾斜コード層 6b、6b−1 平行コード層 10 踏面中央領域のラグ溝 16ac 傾斜コード層のスチールコード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部とトレッド部とからなり、これら各部をビード部内
    に埋設したビードコア相互間にわたって補強するラジア
    ルプライのカーカスと、カーカスの外周にてトレッド部
    を強化するベルトとを備え、ベルトはトレッド部の中央
    円周を含む平面に対しスチールコード又はスチールワイ
    ヤの傾斜配列になる1層のゴム被覆傾斜コード層又はゴ
    ム被覆傾斜ワイヤ層と、上記平面と実質上平行なコード
    配列になる少なくとも1層のゴム被覆平行コード層とを
    有する空気入りラジアルタイヤにおいて、 トレッド部がその踏面の幅中央領域にラグ溝を備え、上
    記傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層をカーカスとそれに最
    も近い平行コード層との間に配置し、かつ傾斜配列コー
    ド又は傾斜配列ワイヤがラグ溝を横切るように傾斜コー
    ド層又は傾斜ワイヤ層を形成して成ることを特徴とする
    空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 平行コード層を螺旋状巻回コード層によ
    り形成してなる請求項1に記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層の配列コ
    ード方向又は配列ワイヤ方向と直交する向きに測った総
    幅(D(mm))と、この総幅(D(mm))に含まれ
    るスチールコードの素線又はスチールワイヤの総断面積
    (A(mm2))との比の反比(A/D)の値(H(m
    m))が0.07mm以上である請求項1又は2に記載
    したタイヤ。
  4. 【請求項4】 傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層のコード
    又はワイヤの上記平面に対する傾斜角度が15〜45°
    の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載した
    タイヤ。
  5. 【請求項5】 ラグ溝の幅中心を連ねる線と、傾斜コー
    ド層又は傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの中点を連ね
    る線との交角が40°以上である請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載したタイヤ。
JP6306250A 1994-12-09 1994-12-09 空気入りラジアルタイヤ Pending JPH08156521A (ja)

Priority Applications (1)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014223839A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP2014223833A (ja) * 2013-05-15 2014-12-04 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ

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