JP2672046B2 - 自動二輪車用ラジアルタイヤ - Google Patents

自動二輪車用ラジアルタイヤ

Info

Publication number
JP2672046B2
JP2672046B2 JP3175966A JP17596691A JP2672046B2 JP 2672046 B2 JP2672046 B2 JP 2672046B2 JP 3175966 A JP3175966 A JP 3175966A JP 17596691 A JP17596691 A JP 17596691A JP 2672046 B2 JP2672046 B2 JP 2672046B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
carcass
filament
bead
cord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3175966A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0592702A (ja
Inventor
栄治 中崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP3175966A priority Critical patent/JP2672046B2/ja
Publication of JPH0592702A publication Critical patent/JPH0592702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2672046B2 publication Critical patent/JP2672046B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C9/00Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
    • B60C9/005Reinforcements made of different materials, e.g. hybrid or composite cords

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速走行時における直
進安定性と耐久性とを向上しうると共に旋回性能を高め
うる自動二輪車用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速道路網が整備されるに伴い、
自動二輪車にあっても高速走行の要望が高まりつつあ
る。
【0003】このような自動二輪車用のラジアルタイヤ
にあっては、従来、四輪車用のラジアルタイヤをベース
として設計されかつ製作されていたため、二輪車特有の
旋回性能、直進性能には追従し得ず、特に高速走行にお
いては操縦安定性に劣る。
【0004】その理由としては、従来、トレッド部を補
強するために設けられたベルト層aは、四輪車と同様、
図8(a)に示すごとくそのコードbをタイヤ赤道に対
して15〜30度傾けて配される。このようにコードb
を傾けたベルト層aは、例えば図8(b)に示すよう
に、コードbが長手方向にのびる帯体dを前記ベルト層
aのコードbの傾き角度αに合わせて切断し、平行四辺
形状のブロックeを形成するとともに、ブロックeの端
縁f、fを衝合させ一連に連ねることにより帯状に形成
していた。
【0005】このように形成されたベルト層aは、前記
端縁f、fがなす衝合部がタイヤ回転方向に対し
て斜めに通ることにより、走行時には、衝合部が同時
に着地しないため、ハンドリング操作が不安定となり、
直進性を阻害するとともに、旋回時においてもハンドリ
ング性が劣り、特に高速走行する際にはこれらの影響が
大きく現れる。
【0006】前記問題点の一端を解決すべく、例えば実
開昭58−160805号公報において、ベルトコード
をタイヤ赤道方向に螺旋回させることによりタイヤの走
行方向に対して交わる方向に継ぎ部分が現れることなく
ベルト層を形成しうることが提案されている。
【0007】しかし前記提案のものでは、ベルトコード
の巻き始め、巻き終わりにおいてほぐれが生じることに
より耐久性に劣るという問題があり、巻き付けをより確
実にするため例えば弾性率が600kgf/ mm2以上のレ
ーヨン、芳香族ポリアミド等の高弾性のベルトコードが
用いられることが提案されている。
【0008】又四輪車用タイヤでは操縦性能を高く維持
する必要から、カーカスの半径方向外側に、高弾性コー
ドを用いた複数のベルトプライよりなるベルト層と、更
にその半径方向外側にバンドコードを螺旋巻したバンド
層とを形成し、操縦安定性能及び高速耐久性の向上を計
った構造のものも提案されている。しかしこの構造をそ
のまま自動二輪車用タイヤに置換した場合、トレッド部
の剛性が高くなりキャンバースティフネスが低下して、
高速時の旋回安定性が低下すると共に、車体振動である
ウイーブ現象が発生するという問題がある。従って二輪
自動車用タイヤではこの点からトレッド部の剛性をバイ
アスタイヤ並みに低く下げ、キャンバースティフネスを
高くして高速における直進安定性と旋回安定性を上げる
ことが必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑み
本発明者は種々研究を行った。その結果、四輪車用タイ
ヤにおいて不可欠である配列角度が15〜30度の高弾
性コードからなる従来のベルト層にかえて、カーカスの
半径方向外側にコードを螺旋巻回することによりなるス
パイラルバンド層を直接形成することにより、バイアス
タイヤに相当する高いキャンバースティフネスが得られ
ることを見出し、本発明に至ったのである。しかし、こ
の螺旋巻のスパイラルバンド層を形成するコードとし
て、前述の如き高弾性を有しかつ単一材からなるものを
用いた場合には、加硫時において、生タイヤを加硫金型
に装着しかつ内圧を充填したときに、スパイラルバンド
層の弾性率が過大であることに原因して、生タイヤの内
圧による膨出量が減じる。その結果該生タイヤを金型
内面に押しつける力が不足し、生タイヤを必要な寸法に
膨張させ難いことが判明した。その結果、完成されたタ
イヤに歪が生じ高速旋回時における安定性の低下のみな
らず直進時の走行安定性、耐久性、乗心地及びタイヤ外
観を阻害するという新たな問題が発生する。
【0010】本発明は、耐久性、乗心地を低下すること
なく高速旋回時における安定性を向上でき、かつ直進時
の安定性を確保しうる自動二輪車用ラジアルタイヤの提
供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤ最大巾
まで延在しかつ弧状をなすトレッド部からサイドウォー
ル部を通りビード部にのびる本体部及び該本体部に連な
りビード部のビードコアの周りを折返す巻上げ部を有し
かつタイヤ赤道に対して85〜90度の角度で傾斜させ
た有機繊維からなるカーカスコードを具える1枚以上の
カーカスプライを用いたカーカスと、前記ビードコアか
ら本体部と巻上げ部との間を通りタイヤ半径方向外側に
のびるビードエーペックスとを具え、かつトレッド部の
内部かつカーカスの半径方向外側に1層以上のスパイ
ラルバンドのみからなる補強層を設けるとともに、前記
スパイラルバンドは高弾性フィラメントと低弾性フィラ
メントとを撚り合わせた1本以上の複合バンドコードが
トッピングゴム中に埋設される長尺かつ小巾の帯状プラ
イ片をタイヤ赤道に対して0〜5°の小角度で傾けて螺
旋巻きすることにより形成され、かつ前記ビードエーペ
ックスは、JISA硬度が50〜65度のゴムからな
り、かつ前記本体部と補強層との間で終端するととも
に、この終端位置のタイヤ赤道からのタイヤ軸方向の距
離Jを、前記タイヤ最大巾の0.125倍以上かつ0.
375倍以下としたことを特徴とする自動二輪車用ラジ
アルタイヤである。
【0012】
【作用】カーカスコードをタイヤ赤道に対して85〜9
0゜の角度で配列させたカーカスの外側に設けたスパイ
ラルバンドのバンドコードはタイヤ赤道に対して5度以
下の小角度で傾けて巻回している。このことにより従来
のラジアルタイヤの如き剛性の高いトラス構造となら
ず、トレッド部剛性は低下してキャンバースティフネ
スをバイアスタイヤ並みに向上しうる。
【0013】又スパイラルバンドは、バンドコードをト
ッピングゴムに埋設した帯状プライ片を巻回することに
より形成しているため、図8(a)に示す従来のベルト
層のようなタイヤ赤道に対して傾斜する向きの継ぎ目が
なく、直進、旋回時における操縦の安定性を高めること
ができる。又帯状プライ片を形成する複合バンドコード
は、高弾性フィラメントと低弾性フィラメントとの撚り
合わせにより形成されており、又このようにフィラメン
トを撚り合わせることによって複合バンドコードは、高
弾性フィラメントのみによって形成されたバンドコード
に比して弾性率が低下する結果、生タイヤの加硫金型に
おける加硫、成形に際して、生タイヤ内部の圧力により
その外周面を加硫金型内面に、複合バンドコードの伸び
とともに押し付けることが出来る高い膨張率となる。従
って高弾性フィラメントを用いたにもかかわらずタイヤ
の加硫成形が容易となりかつ、完成タイヤの精度を高
め、高速旋回の安定を図るとともに、直進走行性をも高
めうる。
【0014】加うるに高弾性フィラメントは、高速走行
時における遠心力によってトレッド部がせり上がる現
象、即ちリフティング現象の発生を防止し、前記車体振
動の発生を抑制すると共にスパイラルバンドの剥離を防
止し、高速走行における耐久性を高めうる。又高い遠心
力が働かない走行速度のもとでは低弾性域のコードの性
能が発揮され、トレッド部の剛性は低くなりキャンバー
スティフネスが向上して旋回性能を高める。
【0015】又カーカスの半径方向外側に、前記スパイ
ラルバンドのみからなる補強層を設けるため、トレッド
部の剛性は低くなるが、ビードエーペックスのJISA
硬度 を50〜65度とし、かつ補強層下に配される終端
位置のタイヤ赤道からの距離Jを、タイヤ最大巾の0.
125倍〜0.375倍とすることで、トレッドショル
ダ部の剛性を適正に向上でき、高速走行性能等を高めう
る。
【0016】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図において自動二輪車用ラジアルタイヤ1は、トレ
ッド部2とその両端からタイヤ半径方向内側に向けての
びるサイドウォール部3と、該サイドウォール部3のタ
イヤ半径方向内端に位置しかつビードコア5によって補
強されたビード部4とを有する。又自動二輪車用ラジア
ルタイヤ1は、前記トレッド部2からサイドウォール部
3を通りビード部4にのびる本体部6a両端に、前記ビ
ードコア5をタイヤ軸方向内側から外側に向かって巻上
げる巻上げ部6bを設けたカーカス6と、トレッド部2
の内部かつカーカス6の半径方向外側に配される補強
7とを具えるとともに、ビードコア5のタイヤ半径方向
外側を起点として、カーカス6の巻上げ部6bと本体部
6aとの間を通ってタイヤ半径方向外側にのびかつ前記
本体部6aと補強層7との間で終端するビードエーペッ
クス9が配される。
【0017】なお前記トレッド部2は、タイヤ赤道から
タイヤ軸方向に向かって単一円弧状に湾曲してのび、そ
の外端となるトレッド端E1、E2間のタイヤ軸方向距
離であるトレッド巾WTは、タイヤ最大巾を構成する。
又該トレッド部2外面の曲率半径Rは、本例では、前記
トレッド巾WTの0.85倍以下かつ0.54倍以上と
している。
【0018】前記カーカスは、タイヤ赤道Cに対して
85〜90度の角度で傾斜させたラジアル配列のカーカ
スコードを具える1枚以上、本実施例では1枚のカーカ
スプライからなり、カーカスコードにはナイロン、レー
ヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コ
ードが用いられる。
【0019】前記巻上げ部6bは、ビード底面15から
のタイヤ半径方向の巻上げ高さHtを前記トレッド端E
1、E2のビード底面15からのトレッド高さHsよ
りも大としている。
【0020】前記巻上げ高さHtがトレッド高さHs
以下の高さであればビード部4に作用する曲げ応力を
吸収し得ずビード部4の剛性が不足するため、耐久性を
低下させる。
【0021】又補強層7は長尺の帯状プライ片10
前記カーカス6の外側に螺旋状に巻付けることにより
成される1層のスパイラルバンドのみからなる(以下、
補強層7と同じ意味でスパイラルバンド7と呼ぶことに
する)スパイラルバンド7は、本実施例ではそのタイ
ヤ軸方向の巾WBを前記トレッド巾WTの0.85倍以
上かつ0.95倍以下としている。0.85倍未満で
は、トレッド端E1、E2近傍のトレッドショルダ
おいて剛性が小となり、旋回性能が低下することがあ
る。逆に0.95倍をこえるとタイヤの横剛性が過大と
なり、乗心地が低下するとともに製造に手間を要しコス
ト高となる。
【0022】なお本例ではスパイラルバンド7の両外端
は、前記カーカス6の巻上げ部6b上端とはその半径方
向外側で互いに重なり合い、該重なり部16のスパイラ
ルバンド7に沿う重なり巾Lを2〜20mmとしている。
【0023】帯状プライ10は、図2に示すごとく1
本又は互いに平行に配した複数本、本実施例では2本の
複合バンドコード11をトッピングゴム12に埋設して
いる。複合バンドコード11は、高弾性フィラメント1
3と低弾性フィラメント14とを撚り合わせて形成され
る。
【0024】高弾性フィラメント13は、芳香族ポリア
ミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、又はモジュラス
200gr/d以上の有機繊維などであって、高い弾性
率を具える繊維を用いている。又その太さは、1000
〜3000デニール程度の比較的細い径のものが用いら
れる。
【0025】さらに、低弾性フィラメント14として、
ナイロン繊維、ポリエステル繊維又はビニロン繊維又は
モジュラス100gr/d以下の有機繊維が用いられ
る。
【0026】このような高弾性フィラメント13はその
一本又は複数本を同時に下撚りするとともに、同方向に
下撚りされた一本又は複数本の低弾性フィラメント14
とを、逆方向に撚り合わせることによって前記複合バン
ドコード11が形成される。なお複数本の高弾性フィラ
メント13、低弾性フィラメント14を用いる場合にお
いて、各一本ごとに下撚りしてもよく、又その複数本を
合わせて下撚りすることもできる。又複合バンドコード
11は、図3(a)に示すごとく、高弾性フィラメント
13、低弾性フィラメント14の各1本つづを撚り合わ
せてもよく、又一方を1本としかつ他方を複数本とする
ことも、ともに複数本を用いて撚り合わせることにより
複合バンドコード11を形成することもできる。
【0027】このような複合バンドコード11に引張力
を加えると、図3(b)に示すように、撚りを戻しつつ
伸長する。又伸長によって、複合バンドコード11の初
期の撚りピッチP1が伸長によりピッチP2に増大す
る。この伸長を、高弾性フィラメント13について図4
(a)、(b)に模式的に示すごとく、初期状態ではコ
イル状を呈していた該高弾性フィラメント13Aは所定
の伸びによって真直状のフィラメント13Bとなる。従
ってこのような状態からは、高弾性フィラメント13の
本来の高い弾性率を発揮する。このように、高弾性フィ
ラメント13を予め螺旋状に撚り込むことによって、螺
旋状態の図4(a)の状態から真直状態となった図4
(b)に至る間の比較的伸びが大なる低弾性域と、図4
(b)の状態からさらに荷重が付加されることによって
伸びの小さい高弾性域とを具えうるのは明らかであり、
又図4(b)に示す真直となった状態が伸び−応力カー
ブの変曲点Vを形成する。
【0028】複合バンドコード11においては、このよ
うに変曲点Vが、伸びの7〜11%の範囲に位置するよ
うに設定する。複合バンドコード11は、高弾性フィラ
メント13と低弾性フィラメント14との撚り合わせ体
であり、従って図3(b)に示すごとく、高弾性フィラ
メント13、低弾性フィラメント14は、荷重を付加し
たときにも捩れを有しており、従って、その変曲点Vは
図4(a)、(b)の模式的な場合に比しては顕著とは
ならない。複合バンドコード11の応力−伸び曲線を図
5に例示している。同図において、曲線aは、ナイロン
6.6 840dの低弾性フィラメント14の、又曲線
bは1000dの芳香族ポリアミドからなる高弾性フィ
ラメント13の伸び曲線を示している。又これらの高弾
性フィラメント13を1本、低弾性フィラメント14を
2本撚り合わせた複合バンドコード11の場合を曲線c
で示している。曲線cは、曲線aと曲線bとの間に位置
し、かつ変曲点Vが伸び7〜11%の範囲にあることが
わかる。なお複合バンドコード11において、前記変曲
点Vとは、伸び0の状態における曲線に接する接線S1
と、破断点において曲線cに引いた接線S2とが交わる
交点Xを通る垂直線との交わり点として定義している。
【0029】又複合バンドコード11は、前記変曲点V
から破断点に至る高弾性域と、伸び0である原点から変
曲点Vに至る低弾性域とを具えるとともに、高弾性域の
弾性率EHと低弾性域の弾性率ELとの比EH/ELを
8〜20の範囲としている。このような複合バンドコー
ド11は、高弾性フィラメントの太さ、本数、弾性率、
低弾性フィラメントの太さ、本数、弾性率等を適宜選定
するとともに、フィラメント角度等撚り合わせ条件の
調整によって、第5図に示すごとく、前記範囲を満たし
うる複合バンドコード11を形成できる。また複合バン
ドコード11、高弾性フィラメント13、低弾性フィラ
メント14に施す延伸処理の選択によっても調整でき
る。
【0030】本実施例では帯状プライ10は、偏平矩
形状断面をなし、側縁10aから最も外側に位置する複
合バンドコード11の中心までの距離Nは、複合バンド
コード11、11間のピッチPの1/2以下に設定して
いる。
【0031】又帯状プライ片10は、本実施例では、図
6に示すごとく一方のトレッド端E1近傍のカーカス6
の半径方向外側に位置する点を起点F1としてタイヤ赤
道Cに向けてかつタイヤ赤道C近傍を終点Gとしてタイ
ヤ赤道Cに対して5度以下の小角度で傾け螺旋状に巻回
することにより、一方のプライ片7aが形成される。本
実施例では帯状プライ片10の巻付けに際して、図7に
示すごとく隣り合う側縁10a、10a近傍を上下にオ
ーバーラップさせて巻回している。従って、帯状プライ
片10の起点F1における緩みを防止でき、又走行時に
おいて大きな力が作用するスパイラルバンド7端縁にお
ける帯状プライ片10の剥離を防止することができる。
【0032】さらに帯状プライ片10は、本実施例では
他方のトレッド端E2近傍のカーカス6外側に位置する
点を起点F2としてタイヤ赤道Cに向かって巻回し、前
記一方のプライ片7aの終点G近傍にのびる他方のプラ
イ片7bを形成する。なお他方のプライ片7bは帯状プ
ライ片10をタイヤ赤道Cに対して前記一方のプライ片
7aと逆方向かつ該プライ片7aと同じ角度分傾けて、
すなわち該タイヤ赤道Cを中心に左右対称に巻回する。
【0033】又一方、他方の各プライ片7a、7bは
パイラルバンド7の両端縁F1、F2を起点として巻回
しているため、帯状プライ片10の巻回起点を強固に固
定しうるとともに、巻き終わり端がスパイラルバンド7
の端縁に位置することがないため、巻き終わり端から生
じる帯状プライ10の緩みを防止することができる。
【0034】なお一方、他方のプライ片7a、7bは、
帯状プライ片10の巻き方向を同じ向きに揃えてもよ
く、さらにスパイラルバンド7は、該スパイラルバンド
7の一端縁を起点とし他端縁を終点とする1本の帯状プ
ライ片10の巻回によっても形成することができる。
【0035】又複合バンドコード11の変曲点Vにおけ
る伸びが前記した如く7〜11%の範囲に存在すること
によって、タイヤ生産時において、生タイヤを加硫金型
に装着しかつ生タイヤ内に内圧を充填したとき、該内圧
によって、スパイラルバンド7は、複合バンドコード1
1の伸長によって膨出し、外周面を金型内面に押しつけ
ることにより、そのトレッド部2に、金型に形成された
溝形状を刻設できる。なお生タイヤへの内圧充填に伴う
膨出は、複合バンドコード11の低弾性域における伸長
によって行う。このため、変曲点Vを伸び7〜11%の
範囲に設定しているのである。なお内圧充填による金型
内の必要な複合バンドコード11の伸びを、前記変曲点
V付近に位置させるのがよい。これによって、成形され
たタイヤへのインフレット及び高速回転時に作用する遠
心力に基づくタイヤの膨出を高弾性フィラメントによっ
て抑制しうる。このため、高弾性域の弾性率EHと低弾
性域の弾性率ELとの比EH/ELを8〜20としてい
る。8以下のとき前記抑制効果に乏しく、又20をこえ
るのはタイヤバランス上からも不要である。
【0036】前記比EH/ELを8〜20とすることに
よって、遠心力に基づくタイヤの膨出を抑制しうる結
果、高速走行時における振動を効果的に減じスパイラル
バンド7の剥離を防止し、高速耐久性を一層向上しうる
のである。
【0037】前記ビードエーペックス9は、JISA硬
度が50〜65度の比較的軟らかいゴムによって形成さ
れるとともに、該ビードエーペックス9の終端位置Kの
タイヤ赤道Cからのタイヤ軸方向の距離Jは前記タイ
ヤ最大巾、即ち前記トレッド巾WTの0.125倍以上
かつ0.375倍以下の範囲に位置している。
【0038】前記ゴム硬度が50度未満であるとビー
ド部4、サイドウォール部3の剛性が不足し、ビード部
4において腰折れが生じるなど直進、旋回時における操
縦安定性が劣る一方、65度をこえると剛性が高く、ハ
ンドリング性が低下する。
【0039】又ビードエーペックス9の終端位置Kは、
そのタイヤ赤道Cからの距離Jがトレッド巾WTの0.
375倍をこえてトレッド端E1、E2側に位置する場
合にはトレッドショルダ部の剛性が不充分となり、
高速走行時にあっては、ウィーブが発生し易く、又キャ
ンバー角を有して旋回する際にはコーナリングパワーが
不足し、グリップが低下しがちとなる。又前記距離Jが
トレッド巾WTの0.125倍未満となるとトレッド
クラウン中央部の剛性が高くなりすぎキャンバースティ
フネスが低下し、旋回性能が損なわれる。
【0040】
【具体例】タイヤサイズ170/60VR17のタイヤ
について図1に示す構成を有しかつ表1、表2に示す仕
様(具体例1〜9)のタイヤを試作し、テストを行っ
た。なお比較のため、本願構成外の仕様により製作した
従来のタイヤ(比較例1〜4)について併せてテストを
行った。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】テスト条件は下記の通り。 1) 操縦安定性、振動乗心地性及び振動発生速度 試作タイヤを自動二輪車の後輪に装着するとともに、該
自動二輪車を周回テストロードにおいて250〜280
km/Hrで夫々走行し、テストドライバーのフィーリング
により評価するとともに、比較例1を100とする指数
で表示した。数値が大きいほど良好である。
【0044】なおテストに際して前輪には、具体例、比
較例ともにタイヤサイズが120/70R17であり、
ベルト層は図8(a)に示す構造でありかつ表に示す
仕様のタイヤを装着した。
【0045】
【表3】
【0046】2) 高速耐久性 ドラム試験機を用いて試供タイヤに正規内圧と、規定の
最大荷重の80%の荷重を加えて初速度220km/Hrよ
りスタートし、10分毎に速度を10km/Hrづつ上昇さ
せるステップスピード方式で高速耐久テストを行ないト
レッド部にクラックが生じたときの速度で判定し比較例
1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど優
れていることを示す。テストの結果、具体例のものは比
較例のものに比べて優れていることが確認し得た。
【0047】3)タイヤにキャンバー角5°、8°、1
0°の3水準を与え各々のキャンバー角におけるキャン
バースラストを測定し、キャンバースティフネスを算出
して、これらの平均値を指数で比較している。大きい指
数が良好である。
【0048】
【発明の効果】叙上の如く本発明の自動二輪車用ラジア
タイヤは、補強層を、高弾性フィラメントと低弾性フ
ィラメントとを撚り合わせた1本以上の複合バンドコー
を具える帯状プライをラジアル配列のカーカスの外
側に直接螺旋巻きしてなるスパイラルバンドのみから
成することを要旨としているため、キャンバースティフ
ネスが高くなり高速旋回、高速直進時における操縦安定
性を向上でき、かつ高速における遠心力に対する抵抗力
が高くなりリフティングを防ぎ高速走行における耐久性
を向上しうるとともに、ビードエーペックスの終端位置
をスパイラルバンドの下で定めているため、剛性が低く
されたトレッド部であっても、そのトレッドショルダ部
の剛性を補強でき、キャンバースティフネスの向上を図
りつつ、高速旋回性能等を高めうる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】帯状プライの一例を示す部分斜視図である。
【図3】 (a)は、 複合バンドコードを例示する正面
、(b)は、その伸長状態を示す正面図である。
【図4】 (a)は、 高弾性フィラメントの初期状態を模
式的に示す正面図、(b)は高 弾性フィラメントの伸び
た状態を模式的に示す正面図である。
【図5】コードの伸び曲線の一例を示す線図である。
【図6】帯状プライの巻回を示す断面図である。
【図7】スパイラルバンドを示す断面図である。
【図8】(a)、(b)ともに、従来技術を示す平面図
である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a 本体部 6b 巻上げ部 7 スパイラルバンド(補強層) 9 ビードエーペックス 10 帯状プライ片 11 複合バンドコード 12 トッピングゴム 13 高弾性フィラメント 14 低弾性フィラメント C タイヤ赤道
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 15/06 B60C 15/06 J D02G 3/02 D02G 3/02 3/48 3/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ最大巾まで延在しかつ弧状をなすト
    レッド部からサイドウォール部を通りビード部にのびる
    本体部及び該本体部に連なりビード部のビードコアの周
    りを折返す巻上げ部を有しかつタイヤ赤道に対して85
    〜90度の角度で傾斜させた有機繊維からなるカーカス
    コードを具える1枚以上のカーカスプライを用いたカー
    カスと、前記ビードコアから本体部と巻上げ部との間を通りタイ
    ヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスとを具え、 かつ トレッド部の内部かつカーカスの半径方向外側に
    1層以上のスパイラルバンドのみからなる補強層を設け
    るとともに、 前記スパイラルバンドは高弾性フィラメントと低弾性フ
    ィラメントとを撚り合わせた1本以上の複合バンドコー
    ドがトッピングゴム中に埋設される長尺かつ小巾の帯状
    プライ片をタイヤ赤道に対して0〜5°の小角度で傾け
    て螺旋巻きすることにより形成され、 かつ前記ビードエーペックスは、JISA硬度が50〜
    65度のゴムからなり、かつ前記本体部と補強層との間
    で終端するとともに、この終端位置のタイヤ赤道からの
    タイヤ軸方向の距離Jを、前記タイヤ最大巾の0.12
    5倍以上かつ0.375倍以下としたことを特徴とする
    自動二輪車用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記複合バンドコードは、前記高弾性フィ
    ラメントの下撚り方向と、前記低弾性フィラメントの下
    撚り方向とが同方向、しかも該高弾性フィラメントと低
    弾性フィラメントとを下撚り方向とは逆方向に撚り合わ
    せることにより形成されたことを特徴とする請求項1記
    載の自動二輪車用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記複合バンドコードは、その応力−伸び
    曲線が原点から変曲点に至る低弾性域と、変曲点をこえ
    る高弾性域とを有しかつ前記変曲点は伸び7〜11%の
    範囲にありしかも高弾性域の弾性率EHと低弾性域の弾
    性率ELとの比EH/ELは8〜20であることを特徴
    とする請求項1記載の自動二輪車用ラジアルタイヤ。
JP3175966A 1990-07-11 1991-06-19 自動二輪車用ラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP2672046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3175966A JP2672046B2 (ja) 1990-07-11 1991-06-19 自動二輪車用ラジアルタイヤ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-184822 1990-07-11
JP18482290 1990-07-11
JP3175966A JP2672046B2 (ja) 1990-07-11 1991-06-19 自動二輪車用ラジアルタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0592702A JPH0592702A (ja) 1993-04-16
JP2672046B2 true JP2672046B2 (ja) 1997-11-05

Family

ID=26497052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3175966A Expired - Fee Related JP2672046B2 (ja) 1990-07-11 1991-06-19 自動二輪車用ラジアルタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2672046B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2531942B2 (ja) * 1986-04-14 1996-09-04 ティアツク株式会社 光学式デイスク記録装置
JP4584966B2 (ja) * 2007-08-27 2010-11-24 住友ゴム工業株式会社 自動二輪車用タイヤ対
US9254717B2 (en) * 2012-10-22 2016-02-09 The Goodyear Tire & Rubber Company Motorcycle tire having a hybrid construction
JP6346492B2 (ja) * 2014-05-12 2018-06-20 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60240506A (ja) * 1984-05-14 1985-11-29 Sumitomo Rubber Ind Ltd 自動二輪車用タイヤ
JPS6185203A (ja) * 1984-10-02 1986-04-30 Bridgestone Corp 二輪車用空気入りラジアルタイヤ
JP2757940B2 (ja) * 1988-03-28 1998-05-25 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0592702A (ja) 1993-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2757940B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP3113592B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2842558B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
EP0467585B1 (en) Radial tyre for a motorcycle
JP3003878B2 (ja) ラジアルタイヤ
JP3066332B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JP2648652B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
CN100420582C (zh) 双轮机车用充气轮胎
EP1698493A1 (en) Pneumatic tire
EP1097824A2 (en) Radial tyre for motorcycle
JP2935481B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP2672046B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP4349607B2 (ja) 自動二輪車用空気入りタイヤ
JP2764878B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JPH0596907A (ja) 空気入りタイヤ
JP3372347B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ
JPH05262104A (ja) ライトトラック用ラジアルタイヤ
JP2667763B2 (ja) ラリー用空気入りラジアルタイヤ
JP2733428B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4153127B2 (ja) 空気入りタイヤ
JPH05604A (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP2554218B2 (ja) 自動二輪車用ラジアルタイヤ
JP3108531B2 (ja) 自動二輪車用タイヤ
JPH0616005A (ja) ラジアルタイヤ
JP4865274B2 (ja) 空気入りラジアルタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080711

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090711

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees