JPH08156401A - 極性可逆媒体及び極性可逆媒体を用いた印写方法 - Google Patents

極性可逆媒体及び極性可逆媒体を用いた印写方法

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JPH08156401A
JPH08156401A JP29847194A JP29847194A JPH08156401A JP H08156401 A JPH08156401 A JP H08156401A JP 29847194 A JP29847194 A JP 29847194A JP 29847194 A JP29847194 A JP 29847194A JP H08156401 A JPH08156401 A JP H08156401A
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昌人 南
Hiroyuki Matsuo
浩之 松尾
Nobuyoshi Taguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、極性可逆媒体上の親水性、疎水性
を可逆変換できる極性可逆媒体を利用して、現像手段と
して液体インクを用いる新規印写方法であり、小型化、
高速化、低価格化、低消費電力化が可能で信頼性の高い
優れた印写技術を提供するものである。 【構成】 (化1)で示される2、3-エポキシインダノン
誘導体を光応答基として高分子側鎖に導入、または高分
子へ分散した極性可逆媒体に、前記極性可逆媒体に記
録、消去するための手段と、液体インクを用いて前記極
性可逆媒体を現像する手段と、前記極性可逆媒体上の現
像されたインクを転写体に転写する手段とを備えたもの
である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンター、複写機、
ファクシミリ等に利用できる新規な印写技術であり、さ
らに詳しくは光そして又は熱により親水性‐疎水性の可
逆変換を制御できる極性可逆媒体を用い、親水性インク
または疎水性インクを転写体に転写させ、文字・画像を
得ることができる印写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンターは普通紙対応、高速
性、高画質、低価格化等のニーズが求められており、様
々なプリンターが提案され商品化されている。その中で
代表的なものに、熱記録、インクジェット、電子写真法
などがあるが、電子写真法を用いたレーザープリンター
は、高速、高画質、低騒音等の優れた機能を持ち、従来
のインパクトプリンターに代わって、汎用大型コンピュ
ーターの出力装置として発展し、現在ではレーザープリ
ンターは、転写型感熱プリンター、インクジェットプリ
ンターと並んで代表的なノンインパクトプリンターとし
て使用されている。しかしながら、電子写真法は帯電や
定着の為の複雑なプロセスを有し、それに伴って多くの
消耗品材料が必要であり、また消費電力が高いことや装
置が高価格であるといった欠点がある。またコロナ放電
を用いて帯電したり、帯電プロセスにおけるオゾンの発
生や感光体にセレンなどの有害物質を使用することか
ら、対環境性の面からも問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、従来の電子写真装置に必要とされていた感光体およ
びその周辺の電子部品の排除による低価格化、更には電
子写真プロセスの簡素化ができる印写方法を提供するも
のである。本発明の第二の目的は、コロナ放電を用いた
帯電や帯電プロセスにおけるオゾンの発生がないといっ
た対環境性を克服した印写方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、光応答基を高
分子側鎖に導入、または高分子に分散した極性可逆媒体
に、光照射そして又は熱を印加することによって、前記
光応答基の原子価異性化による前記極性可逆媒体上の親
水性-疎水性を可逆変換する記録及び消去手段と、液体
インクを用いて前記極性可逆媒体を現像する現像手段
と、前記極性可逆媒体上の現像されたインクを転写体に
転写する手段とを有することを特徴とする印写方法であ
る。
【0005】
【作用】本発明は上記構成により、極性可逆媒体上に画
像信号に応じた光照射によって潜像が形成され、発現し
た親水部のみに親水インクが付着し、またはその逆に疎
水部のみに疎水インクが付着し潜像が可視画像化され、
インクが転写体に転写して印字画像を得ることから、電
子写真法の構成より簡素化され、対環境性を克服した新
規印写方法を提供することができる。
【0006】
【実施例】以下本発明の一実施例について説明する。
【0007】図1は、この発明の方法を採用した記録装
置の一実施例を示す構成図である。この記録装置は、光
により選択的に極性が可逆変換する極性可逆媒体1をド
ラム2の表面上にコートしてある。ドラム2は印字情報に
同期して回転する。ドラム2の上部には、画像信号に応
じて光照射させることにより、潜像を形成する記録手段
3が設置してある。インク4はインクリザーバー5に貯め
られ、現像ローラー6を経て潜像が形成された極性可逆
媒体1上に転写される。ドラム2と転写ローラー7の間に
転写体8が搬送される。さらにドラム2の左部には、クリ
ーニング手段9、極性可逆媒体1上の親水部から疎水部へ
の変換用の消去手段10が設けられている。以上のように
構成された記録装置について以下にその動作について説
明する。形成する潜像は画像信号に応じて波長λ1の光
を記録手段3から、2、3-エポキシインダノンを光応答基
とする極性可逆媒体1上に照射させ、表面に親水部を形
成させることにより得られる。インクリザーバー5に浸
した現像ローラー6においてインク4により潜像を可視画
像化する。可視画像にされたドラム2上の極性可逆媒体1
はドラム2の回転により転写ローラー7の位置まで搬送さ
れ、同期して搬送された転写体8に転写される。そし
て、極性可逆媒体1上の残留インクは、クリーニング手
段9により除去される。印字が終了した潜像は、波長λ2
の光または熱の印加による消去手段10により消去され、
次の画像形成に備えられる。
【0008】図2を用いて詳しく印写プロセスについて
説明する。極性可逆媒体1は、光応答基である2、3ーエポ
キシインダノン誘導体を高分子側鎖に導入、または高分
子へ分散させることにより得られるが、光応答基は2、3ー
エポキシインダノン誘導体以外でも、原子価異性化によ
り親水性と疎水性を可逆変換するフォトクロミック分子
であってもよい。極性可逆媒体1を支持体11にコーテ
グする(2.1)。極性可逆媒体上に画像信号に応じて光照
射12(波長254〜370nm)すると、極性可逆媒体1上は光
照射された部分が選択的に疎水部から親水部に変換され
る(2.2)。次に親水性インク13または疎水性インク14を
極性可逆媒体上の親水部または疎水部に付着させ、転写
体に転写することにより文字・画像が得られる(2.3)。
【0009】その後、極性可逆媒体1上に波長510〜600n
mの光照射15による親水部の一括変換(2.4)により、疎水
性が再現する(2.5)。
【0010】図3は、この発明の方法を採用した記録装
置の一実施例を示す構成図である。この記録装置は、光
により選択的に極性が可逆変換する極性可逆媒体1を表
面にコートしたベルト部材16は、一対の搬送ローラ17、1
8に張った状態にあり印字情報に同期して回転する。ベ
ルト部材16の下側に画像信号に応じて光照射させること
により、潜像を形成する記録手段3が設置してある。イ
ンク4はインクリザーバー5に貯められ、現像ローラー6
を経て潜像が形成された極性可逆媒体1上に転写され
る。搬送ローラー18側と転写ローラー7の間に転写体8が
搬送される。さらにベルト部材16の上部には、クリーニ
ング手段9、極性可逆媒体1上の親水部から疎水部への変
換用の消去手段10が設けられている。以上のように構成
された記録装置について以下にその動作について説明す
る。形成する潜像は画像信号に応じて波長λ1の光を記
録手段3から、2、3-エポキシインダノンを光応答基とす
る極性可逆媒体1上に照射させ、表面に親水部を形成さ
せることにより得られる。インクリザーバー5に浸した
現像ローラー7においてインク4により潜像を可視画像化
する。可視画像にされたベルト部材16上の極性可逆媒体
1は搬送ローラー17、18により転写ローラー7の位置まで
搬送され、同期して搬送された転写体8に転写される。
そして、極性可逆媒体1上の残留インクは、クリーニン
グ手段9により除去される。印字が終了した潜像は、波
長λ2の光または熱の印加による消去手段10により消去
され、次の画像形成に備えられる。
【0011】図4は、この発明の方法を採用した印写プ
ロセスの一実施例である。フォトクロミック分子を光応
答基として高分子側鎖に導入、または高分子に分散した
極性可逆媒体19を支持体14にコーテングする(4.1)。極
性可逆媒体19上に紫外光照射して極性を疎水性から親水
性に一括変換した後(4.2)、記録手段20としてLEDプリン
トヘッド、又は液晶シャッター、そして又はポリゴンミ
ラー等を用いて可視光照射すると、極性可逆媒体19上は
選択的に親水性と疎水性が発現することによって潜像が
形成される(4.4)。次に親水性インク13または疎水性イ
ンク14を極性可逆媒体19上の親水部または疎水部に付着
させ(4.5)、転写体に転写することにより文字・画像が
得られる。その後、極性可逆媒体19上に紫外光照射して
(4.6)、極性可逆媒体19上を親水性に変換して次の画像
形成に備えられる(4.7)。
【0012】次に、極性可逆媒体について詳しく説明す
る。2、3-エポキシインダノンを光応答基とした極性可逆
媒体の一般式は(化2)に示される。
【0013】
【化2】
【0014】1)波長λ1の光照射により、前記光応答
基の2、3-エポキシインダノンからベンゾピリリウム-4-
オキサイドへ原子価異性化し、親水性は双極イオン構造
による双極子モーメントの増加に由来する。 2)波長λ2の光照射そして又は熱を印加することによ
り、前記光応答基のベンゾピリリウム-4-オキサイドか
ら2、3-エポキシインダノンへ逆異性化し、疎水性は双極
子モーメントの減少に由来する。
【0015】本発明で極性可逆媒体の光応答基として使
用した2、3-エポキシインダノン誘導体は、一般式が(化
3)で示される。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】(化4)に示したようにジクロロジアリー
ルメタン誘導体と酸ハロゲン化物誘導体を反応させてイ
ンデノン誘導体とし、これをエポキシ化することによっ
て得られる。但し、R1からR14は、水素原子、電子供与
性置換基、電子吸引性置換基、アルキル基、アリール基
あるいは重合用のビニル基を示すが、これ以外の他の置
換基であってもよい。具体的には下記の化合物
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】(化5)、(化6)、(化7)、(化
8)、(化9)、(化10)、(化11)、(化1
2)、(化13)が例示される。
【0029】液体インクは、従来公知のインクが使用で
きる。例えば、親水性インクにはインクジェットプリン
ターで使用されているインクが採用できる。また疎水性
インクとしては、水なし平版で使用されているインクが
採用できる。
【0030】実施例1 (化5)の5−1で示される2、3-エポキシインダノン誘
導体の合成。
【0031】メシチレン25g(208mmol)を200mlの濃塩酸
に溶解させ、16.9mlのホルムアルデヒド溶液(37%)をゆ
っくり加えながら6時間55℃で撹はんした。室温に冷却
後、反応混合物を180mlのベンゼンで抽出した。これを
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を濃縮してα2-クロロイソドレン30.2g(収率8
6%)を得た。
【0032】次に、シアン化ナトリウム17.8g(362mmol)
を90mlの水と130mlのエタノールに溶解させ、α2-クロ
ロイソドレン30.2g(179mmol)のエタノール溶液(50ml)
をゆっくり加えながら、3時間加熱還流した。室温に冷
却後、反応混合物を200mlのベンゼンで抽出した。これ
を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を濃縮して、メシチルアセトニトリル25.7g
(収率90%)を得た。
【0033】次に、メシチルアセトニトリル25.7g(161m
mol)を140mlの水と120mlの濃硫酸に溶解させ、6時間加
熱還流した。室温に冷却後、反応混合物に400mlの水を
加えて希釈し、吸引ろ過した。数回水で洗浄した後、45
℃で真空乾燥してメシチル酢酸25.5g(収率89%)を得た。
【0034】次に、メシチル酢酸4.7g(26.4mmol)に2.5m
lの塩化チオニルをゆっくり加えながら、12時間加熱還
流した。反応混合物を減圧蒸留してメシチル酢酸塩化物
4.7g(収率90%)を得た。
【0035】このようにして得られたメシチル酢酸塩化
物4.7g(24.0mmol)とジフェニルジクロロメタン5.2ml(2
4.0mmol)を混合し、油浴上で12時間200℃に加熱した。5
0℃に冷却後、反応混合物をベンゼンで抽出した。これ
を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によって分離精製
し、黄色結晶の2-メシチル-3-フェニルインデノン1.9g
(収率24%)を得た。
【0036】次に、1.0gの2-メシチル-3-フェニルイン
デノンを60mlのエタノールと混合し加熱した。この溶液
に3.2mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加えた後、0.8
5mlの過酸化水素水(30%)をゆっくり加えて1時間加熱還
流した。室温に冷却後、50mlの水を加えて90mlのベンゼ
ンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によって
分離精製し、黄色結晶の2-メシチル-3-フェニル-2、3-エ
ポキシインダノン0.9g(収率85%)を得た。
【0037】融点116.7-117.6℃1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm1.79(s,3H),2.12(s,3H),2.
51(s,3H),6.50(s,1H),6.82(s,1H),7.18-7.85(m,9H) 分子量測定(EI)m/z340.4(M+)、分子量340.42 元素分析値 C24H20O2として 計算値 C,84.68%H,5.92% 実測値 C,84.76%H,5.99% 図5は、上記した2-メシチル-3-フェニル-2、3-エポキシ
インダノンのアセトニトリル溶液に波長313nm(2mW)の光
を8分間照射した直後の電子スペクトル変化を示したも
のである。原子価異性体であるベンゾピリリウム-4-オ
キサイドの吸収極大波長(λmax)は500nmであり、溶液は
赤色に呈色した。ベンゾピリリウム-4-オキサイドから
2、3-エポキシインダノンへの戻り速度が、比較的遅く溶
液中においても安定なフォトクロミズムを示した。ま
た、ベンゾピリリウム-4-オキサイドへ波長546nm(3mW)
の光を8分間照射すると、元の2、3-エポキシインダノン
へ逆異性化し、このような光照射の繰り返しによる安定
なフォトクロミズムが溶液中で観測された。
【0038】上記した2-メシチル-3-フェニル-2、3-エポ
キシインダノンを光応答基として、高分子へ分散させる
ことにより極性可逆媒体を得ることができる。但し、光
応答基を分散する高分子の種類としては、例えば、ポリ
スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリビニルブチラール、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、及び上記樹脂の混合物または共重合体等を使用でき
るが、上記以外の樹脂であってもよい。この極性可逆媒
体の光照射に伴う親水性‐疎水性の変化をフィルム上で
のぬれ測定(接触角)から評価した。2-メシチル-3-フ
ェニル-2、3-エポキシインダノンとポリスチレンを塩化
メチレンに溶解させ、ガラス板上にフィルムを作成し、
風乾後十分に真空乾燥する。このフィルムの光照射前後
における純水の接触角θを接触角測定器で測定したとこ
ろ、接触角の変化は、2-メシチル-3-フェニル-2、3-エポ
キシインダノンのポリスチレン中における組成比に依存
し、95゜〜105゜程度の疎水性から50゜〜60゜程度の親
水性の可逆変化が得られた。また、ポリスチレン以外に
もポリエチレンやポリプロピレンといった疎水性ポリマ
ーを樹脂マトリックスとした極性可逆媒体を用いて接触
角を測定したところ、同程度の親水性、疎水性の可逆変
化が得られた。
【0039】上記した2-メシチル-3-フェニル-2、3-エポ
キシインダノンをポリスチレンに分散して得られた極性
可逆媒体と、上記した公知の親水性インクあるいは疎水
性インクを用いて、図1の構成の記録装置に装着して印
字を行った結果、普通紙に良好に記録することができ
た。
【0040】実施例2 (化7)の5−19で示される2、3-エポキシインダノン
誘導体の合成。
【0041】ナフタレン10g(78.0mmol)と安息香酸9.5g
(78.0mmol)を140mlのポリリン酸に溶解させ、70℃で8時
間撹はんした。反応混合物を水で分解、150mlのベンゼ
ンで抽出し、ベンゼン層を炭酸水素ナトリウム水溶液で
洗浄して未反応の安息香酸を除去した。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を濃縮して残査をカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサ
ン)によって分離精製し、α-ナフチルフェニルケトン1
5.0g(収率83%)を得た。
【0042】次に、α-ナフチルフェニルケトン7.3g(3
1.3mmol)と五塩化リン6.5g(31.3mmol)を混合し、2時間
加熱した。室温に冷却後、50mlのベンゼンを加えて溶媒
を減圧留去することの繰り返しを3回行って、粗結晶の
α-ナフチルフェニルジクロロメタン5.4g(収率60%)を得
た。
【0043】次に、α-ナフチル酢酸3.9g(20.9mmol)に
3.1mlの塩化チオニルをゆっくり加えながら、12時間加
熱還流した。反応混合物を減圧蒸留してα-ナフチル酢
酸塩化物3.9g(収率91%)を得た。
【0044】このようにして得られたα-ナフチルフェ
ニルジクロロメタン5.4g(18.9mmol)とα-ナフチル酢酸
塩化物3.9g(18.9mmol)を混合し、油浴上で12時間200℃
に加熱した。50℃に冷却後、反応混合物をベンゼンで抽
出した。これを飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によ
って分離精製し、赤色結晶の2,3-ビス(α-ナフチル)イ
ンデノン1.5g(収率21%)を得た。
【0045】次に、1.0gの2,3-ビス(α-ナフチル)イン
デノンを50mlのエタノールと混合し加熱した。この溶液
に3.6mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加えた後、0.8
5mlの過酸化水素水(30%)をゆっくり加えて1時間加熱還
流した。室温に冷却後、50mlの水を加えて80mlのベンゼ
ンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によって
分離精製し、黄色結晶の2,3-ビス(α-ナフチル)-2、3-エ
ポキシインダノンを0.9g(収率85%)得た。
【0046】融点198.8-199.5℃1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm7.27-7.99(m,18H) 分子量測定(EI)m/z398.2(M+)、分子量398.46 元素分析値 C29H18O2として 計算値 C,87.41%H,4.55% 実測値 C,87.62%H,4.59% 実施例1と同様に、上記した2,3-ビス(α-ナフチル)-2、
3-エポキシインダノンをポリスチレンに分散して得られ
た極性可逆媒体と、上記した公知の親水性インクあるい
は疎水性インクを用いて、図1の構成の記録装置に装着
して印字を行った結果、普通紙に良好に記録することが
できた。
【0047】実施例3 (化8)の5−29で示される2、3-エポキシインダノン
誘導体の合成。
【0048】9-アントラセンメタノール12g(57.6mmol)
に4.8mlの塩化チオニルをゆっくり加えながら、3時間加
熱還流した。未反応の塩化チオニルを減圧留去して9-ク
ロロメチルアントラセン12g(収率92%)を得た。
【0049】次に、シアン化ナトリウム4.5g(91.8mmol)
を70mlのジメチルスルホキシド(DMSO)と30mlの水に溶解
させ、9-クロロメチルアントラセン12g(53.0mmol)のジ
メチルスルホキシド(DMSO,50ml)溶液をゆっくり加えな
がら、12時間室温で撹はんした。反応混合物に500mlの
水を加えて吸引濾過、数回水で洗浄して9-アントラセン
アセトニトリル11g(収率95%)を得た。
【0050】次に、9-アントラセンアセトニトリル11g
(50.3mmol)と水酸化ナトリウム4.9g(123mmol)を60mlの
セロソルブに溶解させ、2時間加熱還流した。室温に冷
却後、水を加えて希釈し6N塩酸で酸性化した。反応混合
物を吸引濾過、数回水で洗浄した。これを300mlの3%炭
酸ナトリウム水溶液に加熱して溶解させ、60℃に冷却
後、濾過した。濾液を氷冷し、6N塩酸で酸性化して9-ア
ントラセン酢酸9.6g(収率81%)を得た。
【0051】次に、9-アントラセン酢酸4.1g(17.3mmol)
に8.0mlの塩化チオニルをゆっくり加えながら、1時間室
温で撹はんした。未反応の塩化チオニルを減圧留去して
9-アントラセン酢酸塩化物4.0g(収率91%)を得た。
【0052】このようにして得られた9-アントラセン酢
酸塩化物4.0g(15.3mmol)とジフェニルジクロロメタン3.
3ml(15.3mmol)を混合し、油浴上で12時間200℃に加熱し
た。50℃に冷却後、反応混合物をベンゼンで抽出した。
これを飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマトグラフ
ィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によって分離
精製し、赤色結晶の2-アンスリル-3-フェニルインデノ
ン1.6g(収率28%)を得た。
【0053】次に、1.0gの2-アンスリル-3-フェニルイ
ンデノンを50mlのエタノールと混合し加熱した。この溶
液に3.8mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加えた後、
1.2mlの過酸化水素水(30%)をゆっくり加えて1時間加熱
還流した。室温に冷却後、50mlの水を加えて80mlのベン
ゼンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によっ
て分離精製し、黄色結晶の2-アンスリル-3-フェニル-2、
3-エポキシインダノンを0.9g(収率87%)得た。
【0054】融点196.3-197.2℃1 H-NMR(270MHz,CDCl3)δ/ppm7.44-7.61(m,11H),7.78-7.
81(m,7H) 分子量測定(EI)m/z398.1(M+)、分子量398.46 元素分析値 C29H18O2として 計算値 C,87.41%H,4.55% 実測値 C,87.55%H,4.59% 実施例1と同様に、上記した2-アンスリル-3-フェニル-
2、3-エポキシインダノンをポリスチレンに分散して得ら
れた極性可逆媒体と、上記した公知の親水性インクある
いは疎水性インクを用いて、図1の構成の記録装置に装
着して印字を行った結果、普通紙に良好に記録すること
ができた。
【0055】実施例4 (化8)の5−32で示される2、3-エポキシインダノン
誘導体の合成。
【0056】p-メトキシベンゾフェノン3.3g(15.3mmol)
に15mlの塩化チオニル、0.4mlのジメチルホルムアミド
(DMF)をゆっくり加えながら、16時間加熱還流した。塩
化チオニルとジメチルホルムアミド(DMF)を減圧留去し
てp-アニシルフェニルジクロロメタン4.0g(収率98%)を
得た。
【0057】このようにして得られたp-アニシルフェニ
ルジクロロメタン4.0g(15.2mmol)とフェニル酢酸塩化物
2.0ml(15.2mmol)を混合し、油浴上で12時間200℃に加熱
した。50℃に冷却後、反応混合物をベンゼンで抽出し
た。これを飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)によって
分離精製し、赤色結晶の2,3-ジフェニル-6-メトキシイ
ンデノン2.3g(収率48%)を得た。
【0058】次に、1.0gの2,3-ジフェニル-6-メトキシ
インデノンを50mlのエタノールと混合し加熱した。この
溶液に3.2mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加えた
後、0.9mlの過酸化水素水(30%)をゆっくり加えて1時間
加熱還流した。室温に冷却後、60mlの水を加えて90mlの
ベンゼンで抽出した後、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を濃縮して残査をカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル:ベンゼン−ヘキサン)に
よって分離精製し、淡黄色結晶の2,3-ジフェニル-2、3-
エポキシ-6-メトキシインダノンを0.95g(収率90%)得
た。
【0059】融点110.0-111.0℃ 分子量測定(EI)m/z328(M+)、分子量328.36 元素分析値 C22H16O2として 計算値 C,80.47%H,4.91% 実測値 C,80.61%H,4.98% 実施例1と同様に、上記した2,3-ジフェニル-2、3-エポ
キシ-6-メトキシインダノンをポリスチレンに分散して
得られた極性可逆媒体と、上記した公知の親水性インク
あるいは疎水性インクを用いて、図1の構成の記録装置
に装着して印字を行った結果、普通紙に良好に記録する
ことができた。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明では光応答基とし
て、原子価異性化により双極子モーメントが変化する2、
3-エポキシインダノンを高分子側鎖に導入、または高分
子へ分散した極性可逆媒体は、極性可逆媒体上の親水性
‐疎水性の可逆変換を制御でき、小型化、高速化、低価
格化、低消費電力化が可能で、信頼性の高い優れた印写
技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施例の概略構成図
【図2】本発明の印写プロセスの概略図
【図3】本発明における一実施例の概略構成図
【図4】本発明の印写プロセスの概略図
【図5】2-メシチル-3-フェニル-2、3-エポキシインダノ
ンをアセトニトリル中において光照射した場合の電子ス
ペクトル変化を示す図
【符号の説明】
1 極性可逆媒体 2 ドラム 3 記録手段 4 インク 5 インクリザーバー 6 現像ローラー 7 転写ローラー 8 転写体 9 クリーニング手段 10 消去手段 11 支持体 12 光照射(254〜370nm) 13 親水性インク 14 疎水性インク 15 光照射(510〜600nm) 16 ベルト部材 17 搬送ローラー 18 搬送ローラー 19 フォトクロミック分子を光応答基とした極性可逆
媒体 20 LEDプリントヘッド、又は液晶シャッター、そし
て又はポリゴンミラー等を用いた記録手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、光応答基を高分子側鎖に導
    入、または高分子に分散した極性可逆媒体に、光照射そ
    して又は熱を印加することによって、前記光応答基の原
    子価異性化による前記極性可逆媒体上の親水性-疎水性
    を可逆変換する記録及び消去手段と、液体インクを用い
    て前記極性可逆媒体を現像する現像手段と、前記極性可
    逆媒体上の現像されたインクを転写体に転写する手段と
    を有することを特徴とする印写方法。
  2. 【請求項2】一般式が 【化1】 で示される2、3-エポキシインダノン誘導体を光応答基と
    して高分子側鎖に導入、または高分子に分散した極性可
    逆媒体に画像信号に応じて波長λ1を光照射すると、前
    記光応答基の原子価異性化に基づき前記極性可逆媒体上
    に親水性が発現する過程と、波長λ2の光照射そして又
    は熱を印加することによって、前記光応答基の逆異性化
    に基づき前記極性可逆媒体上に疎水性が可逆的に再現す
    る過程から構成されると共に、液体インクを用いた現像
    手段と、前記転写手段とを有することを特徴とする請求
    項1記載の印写方法。
  3. 【請求項3】一般式が(化1)で示される2、3-エポキシ
    インダノン誘導体を光応答基として、高分子側鎖に導
    入、または高分子に分散した極性可逆媒体に画像信号に
    応じて波長λ1の光を照射すると、前記光応答基の原子
    価異性化に基づき前記極性可逆媒体上に親水性が発現す
    る過程と、波長λ2の光照射そして又は熱を印加するこ
    とによって、前記光応答基の逆異性化に基づき前記極性
    可逆媒体上に疎水性が可逆的に再現する過程の二つから
    構成されることを特徴とする請求項2記載の印写方法に
    供する極性可逆媒体。
  4. 【請求項4】フォトクロミック分子を光応答基として高
    分子側鎖に導入、または高分子に分散した極性可逆媒体
    に、紫外光照射して前記極性可逆媒体上の極性を疎水性
    から親水性に変換した後、可視光を照射する記録手段に
    より、前記極性可逆媒体上の極性を親水性から疎水性に
    変換させて潜像を形成し、液体インクを使用して潜像を
    可視画像化し、前記極性可逆媒体上の液体インクを転写
    体に転写して文字・画像を得ることを特徴とする印写方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5943534A (en) * 1996-11-21 1999-08-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming method and apparatus including a liquid developer capable of changing in surface tension
US6145976A (en) * 1996-06-13 2000-11-14 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Ink transfer printer

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