JPH08156359A - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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JPH08156359A
JPH08156359A JP30798894A JP30798894A JPH08156359A JP H08156359 A JPH08156359 A JP H08156359A JP 30798894 A JP30798894 A JP 30798894A JP 30798894 A JP30798894 A JP 30798894A JP H08156359 A JPH08156359 A JP H08156359A
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JP
Japan
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pressing member
paper
head
sheet
thermal
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP30798894A
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English (en)
Inventor
Kohei Osawa
光平 大沢
Hiroki Kanbe
浩樹 神戸
Noboru Otsuki
昇 大月
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印刷用紙が給紙ローラと押圧部材の間に挿入
された状態で放置された場合に、印刷用紙に前記押圧部
材による凹み跡が付かない構成にすることおよび、前記
押圧部材の物質成分による感熱用紙の発色機能低下を防
止すること。 【構成】 押圧部材10は、給紙ローラ9よりゴム硬度
が10°以上低い弾性材で形成され、押圧部材10に線
バネ11によって付勢すると、押圧部材10側が積極的
に弾性変形し、給紙ローラ9の変形が抑えられ、印刷用
紙が押圧部材10と給紙ローラ9の間に挿入された状態
で長時間放置されたときにも用紙に凹み跡が付かない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給紙ローラと対向して
印刷用紙を押圧する押圧部材を有し、前記給紙ローラの
回転により用紙送りを行い、その下流に発熱体素子アレ
イが形成されたサーマルヘッドが配置されたサーマルプ
リンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリンタにおいては、そのサー
マルヘッドを適切な状態でプラテン上の用紙に接触させ
て印字を行う必要がある。例えば、給紙ローラがゴム状
の弾性をもち押圧部材が給紙ローラより硬度の高い材質
で、印字動作がサーマルヘッドをプラテン上の用紙に対
して横方向に移動させながら行われる構成の場合、給紙
ローラが押圧部材により弾性的につぶされるため、用紙
が給紙ローラと押圧部材の間に挿入された状態で長時間
放置されると、用紙に凹み跡が付き、給紙ローラの回転
により用紙が送られ印字が行われたとき、用紙の凹み跡
にヘッドが適切に接触せず、ドット抜けやドット薄にな
ることがあった。特に押圧部材による押圧を高くすると
上記の弊害は顕著であった。このような機構は、例え
ば、実開昭57−111560号公報に開示されている
ものと同様である。
【0003】また、感熱用紙は発色層中に存在する無色
染料(ロイコ染料)とフェノール系酸性物質(顕色剤)
が加熱により溶融し、両者が接触して発色画像を得るメ
カニズムであるが、前記押圧部材がゴム状の弾性材(例
えばNBRゴム)からなり用紙がプリンタに挿入された
状態で長時間放置された場合、弾性材に含まれる可塑剤
等の配合成分が感熱用紙に付着浸透してロイコ染料と顕
色剤の接触を妨げ、発色機能を低下させ、印字ヘッドが
用紙に接触しても発色せずドット抜け等の印字不良が特
に高温環境下の放置で発生する問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、印刷
用紙が給紙ローラと押圧部材の間に挿入された状態で放
置された場合に 印刷用紙に前記押圧部材による凹み跡を付かなくす
る。
【0005】前記押圧部材がゴム状の弾性材からなる
場合、用紙の発色機能を低下させない。
【0006】の2点を実現させ明瞭な印字が行えるサー
マルプリンタを提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、回転駆動される給紙ローラと、その給紙
ローラと対向して印刷用紙を給紙ローラに押圧する押圧
部材を具備し、給紙ローラの回転により用紙送りを行
い、その下流に記録ヘッドが配置されたサーマルプリン
タにおいて、押圧部材は、給紙ローラより硬度が10°
以上低い弾性材よりなることを特徴としている。
【0008】又、押圧部材がゴム状弾性材の表面を塩素
化させてなることを特徴としている。
【0009】更に、押圧部材がゴム状弾性材にパーフル
オロカーボンシラン化合物をインテグラルブレンドまた
はコーティングしてなることを特徴としている。
【0010】更に、押圧部材が感熱用紙の発色機能を低
下させる物質を含まない弾性材からなることを特徴とし
ている。
【0011】また前述の発色機能を低下させる物質を含
まない弾性材の材質としてフッ素ゴム、EPDMゴム、
シリコンゴム、熱可塑性エラストマーのいづれかを使用
したことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明の上記の構成によれば、押圧部材が給紙
ローラよりも硬度が低いので、押圧部材が変形するので
給紙ローラに巻装されている印刷用紙は変形することな
いので、サーマルヘッドと均一に接触できる。
【0013】又、押圧部材がゴム状弾性材の表面を塩素
化されているので、感熱用紙の発色機能を低下させる物
質が押圧部材から表出することが防止される。
【0014】更に、押圧部材がゴム状弾性材にパーフル
オロカーボンシラン化合物をインテグラルブレンドまた
はコーティングしているので、感熱用紙の発色機能を低
下させる物質が押圧部材から表出することが防止され
る。
【0015】更に、押圧部材が感熱用紙の発色機能を低
下させる物質を含まないので、明瞭な印字が行える。
【0016】また、押圧部材が、フッ素ゴム、EPDM
ゴム、シリコンゴム、熱可塑性エラストマーらは、感熱
用紙の発色機能を低下させる物質を含んでいない。
【0017】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0018】図1および図2には、本発明を適用したサ
ーマルプリンタの全体構成を示してある。本例のサーマ
ルプリンタは、そのサーマルヘッドに縦に多数の発熱体
素子が形成されたシリアルプリンタであり、往復印字を
行うように構成されたものである。
【0019】これらの図を参照して説明すると、本例の
サーマルプリンタ1は、基本的な構成は一般的なサーマ
ルプリンタと同様であり、プラテン2と、これに対峙し
た状態でヘッドキャリッジ3に担持されたサーマルヘッ
ド4とを有し、これらの間を介して搬送される感熱用紙
に対してサーマルヘッド4を接触させると共に、用紙幅
方向に移動させて印字を行うようになっている。
【0020】詳細に説明すると、サーマルプリンタ1の
装置フレーム5は底壁51と、その両側から垂直に立ち
上がっている側壁52、側壁53を備えている。これら
の左右の側壁52、53の間には、図においてフレーム
後端側の位置に、プラテン2が架け渡されている。この
プラテン2の前側には、プラテン2と平行となるよう
に、円筒カム軸6およびキャリッジガイド軸7が、それ
ぞれ側壁52、53の間に架け渡されている。
【0021】この円筒カム軸6の回転により、ヘッドキ
ャリッジ3はガイド軸7に案内されて、プラテン2と平
行に左右(印字方向)に往復移動可能となっている。こ
れらの軸6、7の前方側における側壁52寄りの側に
は、底壁51上に各部分の駆動源であるモータ8が軸
6、7と平行となる姿勢で搭載されている。一方、プラ
テン2の背面側の下方中央には、図2から良く分かるよ
うに、給紙ローラ9が配置されており、このローラ軸9
1は、左右の側壁52、53の間に架け渡されている。
【0022】(ヘッドキャリッジ)次に、図3、図4を
主として参照して、本例のヘッドキャッリジ3の構成を
説明する。本例のヘッドキャリッジ3は、サーマルヘッ
ド4が取付けられたヘッド支持部材31、このヘッド支
持部材31を保持している保持部材33と、これらの部
材31、33を相互に連結している連結機構35から構
成されている。ヘッド支持部材31は、U字形をしたア
ルミニウム製のヘッド取付け板311と、この背面に嵌
め込まれたプラスチック製の嵌め込み板312から構成
されている。ヘッド取付け板311の前面313は、プ
ラテン2の表面21とほぼ平行となるように配置され、
この面313上にサーマルヘッド4が接着されている。
サーマルヘッド4は、セラミック基板41の表面に発熱
体素子のアレイ42が形成された構成となっており、例
えば、縦方向(用紙送り方向)に向けて複数の発熱体素
子のアレイ42が形成されたシリアルヘッドである。セ
ラミック基板41の下端側には、各発熱体素子の駆動回
路が形成されたフレキシブルケーブル43が接続されて
いる。
【0023】ヘッド取付け板311の背面314と、こ
こに嵌め込まれた嵌め込み板312の前面315との間
には、この前面315の角に形成された突起316によ
って僅かの隙間が形成されるようになっており、この隙
間が、フレキシブルケーブル43の引回し用に利用され
る。また、ヘッド取付け板311と嵌め込み板312と
の結合は、ヘッド取付け板311の側壁部分に形成され
た溝317に対して、対応する位置に形成された嵌め込
み板312の側の係合突起318を嵌め込むことにより
形成されるようになっている。
【0024】次に、保持部材33は、ヘッド支持部材3
1を保持するための水平な保持板部分331を有し、こ
の保持板部分の背面側には、前述のキャリッジガイド軸
7が摺動自在に貫通している一対のガイド孔332が形
成されている。また、保持板部分の裏面側には、上記の
円筒カム軸6の外周のほぼ半分を覆うような半円形内周
面を備えた溝333が形成されており、この溝333の
内周面にはピン334の頭部335が露出しており、こ
の頭部335には、円筒カム軸6のカム溝61に嵌まり
込むカム突起336が形成されている。さらには、この
溝333の背面側には、下方に向けて垂直に突出した検
出片337が形成されている。この検出片337を後述
するセンサにより検出して各部分の駆動制御用の信号を
得るようになっている。
【0025】次に、このような構成のヘッド支持部材3
1と保持部材33の連結機構35を説明する。連結機構
35は、保持部材の側に取り付けた一本の円柱状のピン
軸351と、ヘッド支持部材31の側に形成されたこの
ピン軸351の装着孔361と、ピン軸351が装着孔
361から抜けることを防止するための抜け止め部材3
71から構成されている。ピン軸351は、保持部材3
3の側の水平な保持板部分331にその下端352が埋
設固定され、垂直に延びている。このピン軸351の根
元の外周には、保持板部分331の表面を突出させるこ
とにより形成した円形突起338が形成されており、こ
の突起の上面は球状面339とされている。
【0026】これに対して、装着孔361は、ヘッド支
持部材31の側の嵌め込み板312の中央において上下
に貫通した状態に形成されている。この装着孔361の
断面形状は次のように設定されている。図4に示すよう
に、装着孔361は、サーマルヘッドの送り方向(印字
行方向)Aの幅が、ピン軸351の外径寸法とほぼ同一
の寸法L1に設定されている。これに対して、この送り
方向に直交するプラテン方向Cの幅は、中央部分を除
き、ピン軸351の外形寸法よりも大きな寸法L2に設
定されている。また、図4(A)から分かるように、装
着孔361の軸線方向のほぼ中央位置においては、内周
面の両側部分が内側に向けて突出して、ピン軸の外形寸
法よりも僅かに大きな幅寸法L3とされた括れ部分36
2が形成されている。したがって、この装着孔361に
装着したピン軸351は、この括れ部分362を中心と
して、前後に揺動可能である。
【0027】次に、装着孔361に装着されたピン軸3
51の上端は、装着孔361の上端から突出しており、
この突出部分353が抜け止め部材371に形成した嵌
め込み孔372に嵌め込まれている。この抜け止め部材
371は、孔372が形成されている水平板部分373
と、この後端から下方に垂直に折れ曲がった垂壁部分3
74から構成されている。
【0028】なお、本例においては、ヘッド支持板の側
の嵌め込み板312の背面の中程には水平方向に向けて
一条の突起321が形成されている。この突起に対峙す
る状態に、保持部材33の側には、垂直な規制板部分3
41が形成されている。
【0029】このように構成した本例のヘッドキャリッ
ジ3においては、サーマルヘッド4が取付けられている
ヘッド支持板31は、保持板33の側に取り付けたピン
軸351を中心として左右に揺動可能な状態で、保持板
33の側の球状面339の上に支持されている。また、
装着孔361の括れ部分362を中心として前後に揺動
可能な状態となっている。このように本例では、サーマ
ルヘッド4は左右および前後に揺動可能な状態で、ヘッ
ドキャリッジ3の側に支持されている。ここに、左右の
揺動量は、図4から分かるように、ヘッド支持板31の
背面側に形成された一条の突起321が、保持板33の
側に形成された規制板部分341の表面に当たることに
より規制されている。また、前後の揺動量は、装着孔3
61の幅L2の寸法、および装着孔の軸線方向の長さ等
によって規制される。
【0030】(プラテンの構造)次に、図1、5および
6を参照してプラテン2の構造を説明する。プラテン2
は、平板からなる金属製のプラテン本体板21と、サー
マルヘッドに対峙しているこのプラテン本体21の表面
に張り付けたラバー板22を備えている。本体板21の
両端は、背面側に向けて直角に折れ曲がり、側壁部分2
11、212が形成されており、これらの側壁部分21
1、212の下端が、それぞれ、回転軸23、24を介
して、回動可能な状態で、装置フレーム5の側に連結さ
れている。これらの側壁部分211、212の上端に
は、それぞれ、ばね受け213、214が形成されてい
る。また、装置フレーム5の側壁52、53の上端に
も、これらのばね受けに対して所定の距離だけ前方側の
位置に、それぞれ、ばね受け521、531が形成され
ている。対応するばね受け213、521の間、および
ばね受け214、531の間には、それぞれ、引っ張り
状態でコイルばね25、26が架け渡されている。した
がって、本例では、プラテン2は、その両側の下端の回
転軸23、24を中心として前後に回動可能であり、通
常は、すなわち、印字状態においては、図5に示すよう
に、ヘッドキャリジ3に支持されたサーマルヘッド4の
側にコイルばね25、26の弾性引っ張り力によって押
しつけられた状態となっている。これらのばね力に抗し
て、プラテン2をサーマルヘッド4の側から退避させる
ことが可能である。
【0031】図5には、プラテン2がヘッドキャリッジ
3に取り付けられたサーマルヘッド4の側にばね力によ
って押しつけられた状態(印字状態)を示してある。本
例においては、ヘッドキャリッジ3は、そのピン軸35
1が、装置フレーム5の底壁51に対して垂直に延びた
状態となるように、円筒カム軸6およびガイド軸7によ
って支持されている。すなわち、図5におけるピン軸3
51の軸線が垂線Vと一致している。この垂直に配置し
たピン軸351によって支持されているヘッド支持板3
1に取付けられているサーマルヘッド4に対して、プラ
テン2のラバー板22の表面がばね力によって押しつけ
られている。
【0032】本例においては、プラテンのラバー板22
の表面が垂直状態よりも僅かにサーマルヘッド4の側に
傾斜した状態でサーマルヘッド4に密接するように、こ
れらの間隔が設定されている。このため、ばね力によっ
て、プラテン2がその下端の軸23、24を中心として
サーマルヘッド4の側に回動して、それに押しつけられ
た状態においては、それらの圧接面V1は垂線Vに対し
て僅かに傾斜した状態となる。この結果、ピン軸351
によって支持されているヘッド支持板311には、全体
として圧接面V1に対して直交する方向から力が作用す
る。すなわち、上方から下方にむけて僅かに傾斜した方
向に力が作用する。
【0033】この力により、ヘッド支持板311は上下
方向にがたつかない状態で、保持部材312の側に押さ
え付けられた保持された状態とされる。よって、印字状
態において、ヘッド支持板311が上下にがたついて、
そこに取付けられているサーマルヘッド4も上下に移動
して、印字位置が変動してしまい、印字品位が低下して
しまうという弊害を回避できる。
【0034】なお、このような押しつけ力の方向は、逆
に、下方向から上方向に向かう傾斜した方向となるよう
に作用させてもよい。
【0035】(ヘッドキャリッジの移動機構)次に、図
1、2および7を参照して、モータ8の回転力によりヘ
ッドキャリッジ3をガイド軸7に沿って左右(印字行方
向)に往復移動させる移動機構について説明する。モー
タ8の出力軸81は装置フレーム5の側壁52から横方
向に突出しており、ここに駆動歯車801が固着されて
いる。一方、円筒カム軸6の同一側の端部も側壁52か
ら横方向に突出しており、ここに従動歯車802が固着
されている。これらの駆動歯車801および従動歯車8
02は、同軸状態に一体的に形成された小歯車804お
よび大歯車803からなる複合歯車805を介して連結
されている。この複合歯車805も側壁52に対して回
転自在に支持されてり、この複合歯車805を介して、
モータ回転力が、所定の速比で減速されて、円筒カム軸
6に伝達される。
【0036】円筒カム軸6の外周面は、両端において相
互に連続している一条の逆向きの螺旋状カム溝61が刻
まれている。そして、このカム溝61に対して、前述し
たように、ヘッドキャリッジ3の保持部材33の裏面に
取り付けたピンの頭部に形成したカム突起336が嵌合
している。ヘッドキャリッジ3はさらに、ガイド軸7に
よって印字方向に向けて移動自在に支持されている。よ
って、円筒カム軸6を回転させると、ここに形成されて
いるカム溝61の回転によって、ヘッドキャリッジ3は
ガイド軸7に案内されて、印字行方向(左右方向)に移
動する。本例では、両端で連続している逆向きの螺旋状
のカム溝が形成されているので、ヘッドキャリッジ3
は、モータ8を同一方向に回転することにより、連続し
て左右に往復移動する。
【0037】(プラテン回動機構)円筒カム軸6の端に
固着された従動歯車802の内側面には、同軸状態で小
径歯車806が一体形成されており、歯車802と一体
回転する。この小径歯車806にかみ合った状態で、側
壁52には、大径歯車807が回転自在に支持されてい
る。この歯車807の内側面には、カム板808が一体
形成されている。このカム板808は、一定の半径の円
形外周面808aと、この外周面の一部分を一定の角度
範囲に渡って半径方向の外側に突出させた突出面808
bを有している。
【0038】一方、このカム板808の内側には、プラ
テン2の側壁部分211の外面が対峙している。この側
壁部分211には、カム板808の円形外周面808a
よりも半径方向の外側の位置においてカム板808の側
に向けて突出した円柱状突起809が形成されている。
この突起809は、カム板の突出面808bに係合可能
な位置に取付けられている。したがって、カム板808
が回転すると、1回転毎に、一定の角度範囲に渡って、
その突出面808bにより、円柱状突起809が半径方
向の外側に向けて押された状態になる。ここに、突起8
09が形成されているプラテン側壁部分211の下端は
軸23を中心に回動可能である。よって、プラテン2
は、それをサーマルヘッド4の側に押しつけているばね
力に抗して、カム板808によって、サーマルヘッド4
から離れる方向に回動される。図6(A)には、プラテ
ン2がサーマルヘッド4の側に押しつけられた状態(印
字状態)を示してあり、同図(B)には、カム板808
によって退避位置に回動させられた状態を示してある。
【0039】ここに、本例においては、モータ8からカ
ム板808までの歯車列における減速比を適切に設定す
ると共に、カム板における突出面808bの形成角度位
置等を適切に設定して、円筒カム軸6の回転により、ヘ
ッドキャリッジ3がその両端位置に至った時に、カム板
808によって、プラテン2が後方に回動するように設
定されている。
【0040】(用紙の送り機構)次に、図2、8および
9を参照して、給紙ローラ9を回転させて用紙を一定量
ずつ搬送するための送り機構について説明する。
【0041】円筒カム軸6の他方の端、すなわち、装置
フレーム5の他方の側壁53から横方向の突出している
端部には、小径歯車810が固着されており、円筒カム
軸6と一体回転する。側壁53には、この小径歯車81
0にかみ合った状態で、内歯歯車811が回転自在に取
付けられている。この内歯歯車811の外周面はカム歯
車になっている。すなわち、大径の外周面812と、外
側面側に同軸状態に形成され、これよりも径の小さな外
周面813とが形成されており、径の小さな外周面81
3には2個の歯814、815が形成されている。これ
らの歯の間の歯溝816は内側の径の大きな外周面81
2の側に向けて延びている。
【0042】一方、給紙ローラ9の軸91の同一側の端
には、上記構成のカム歯に係合可能な状態でカム歯車9
01が固着されている。このカム歯車901は、内側の
歯車902と外側の歯車903から構成された複合歯車
であり、図8から分かるように、それぞれ90度間隔で
4枚の歯が形成されており、それぞれの歯車は、45度
位相をずらした状態で一体化されている。
【0043】円筒カム軸6と一体回転する内歯歯車81
1の外周面に形成されたカム歯車は、1回転毎に給紙ロ
ーラ軸91のカム歯車901に対して1回だけかみ合
い、かみ合い状態において、給紙ローラ軸91は所定の
量だけ回転される。この結果、この軸91に取付けられ
ている給紙ローラ9も同一量だけ回転して、その分、用
紙(図示せず)を用紙送り方向に向けて搬送する。この
際、押圧部材10にはホルダ101が圧入により組み込
まれており、押圧部材10はホルダ101を介して給紙
ローラ9側に線バネ11により付勢され、用紙を給紙ロ
ーラ9に押し付けている。用紙送り時には給紙ローラ9
の回転により押圧部材10も回転し、押圧部材10は常
に用紙と圧接状態にある。用紙の送り動作は、ヘッドキ
ャリッジ3がその移動方向の両端に至り、プラテン2が
後方に退避させられた状態において行われる。このよう
な時期に用紙送りを行うことができるように、本例にお
いては、用紙送りのためのカム歯車901とプラテン移
動のためのカム板808との同期合わせ等が適切に設定
されている。
【0044】ここに本例において給紙ローラ9は外径
9.4mm、長さ17.4mmで硬度90°のゴムを用
い、押圧部材10は外径5.6mm、長さ15.5mm
で硬度70°のゴムを用い、線バネ11による付勢荷重
を1〜1.5kgとしている。この場合、押圧部材10
側が積極的に弾性変形し、給紙ローラ9の弾性変形が抑
えられ、用紙が挿入された状態で長時間放置されたとき
にも、用紙に凹み跡が付かないため、用紙とサーマルヘ
ッド4が適切な状態で接触して良好な印字が行える。な
お、給紙ローラ9と押圧部材10の硬度に10°以上の
差があれば、押圧部材10側の弾性変形により用紙の凹
みが抑えられ、良好な印字が行われることが弊社の実験
において確認されている。
【0045】さらに、ゴム状の弾性材よりなる押圧部材
10から表出する物質、例えば可塑剤が感熱用紙へ付着
浸透することによる発色機能の低下を防止するために、
押圧部材10の表面を塩素化させた実施例として図10
に示すように、押圧部材10にアフトリート(ゼオン化
成(株)製、商品名)液を浸漬、スプレー、刷毛塗り等
することにより分子構造中の二重結合に反応し表面物性
を塩素化させている。この表面処理により、感熱用紙の
発色メカニズムであるロイコ染料と顕色剤の接触を妨げ
発色機能を低下させる物質が押圧部材10から表出する
ことを防止でき、感熱用紙の発色機能を損なわず良好な
印字を行うことができる。上記アフトリート液による塩
素化処理は簡単かつ短時間に行え、化学的な反応を利用
しているため、均一な表面処理ができるといった製造上
の効果もある。また図11に示される実施例では、押圧
部材10にパーフルオロカーボンシラン化合物をインテ
グラルブレンドあるいはコーティングして、発色機能を
低下させる物質が押圧部材10から表出することを防止
している。このパーフルオロカーボンシラン化合物のイ
ンテグラルブレンドは、一般的なゴム混練装置を用いて
ゴムコンパウンド中に練り込み加工することにより行わ
れる。また、この化合物のコーティングは、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒にこの化
合物を溶かした後、押圧部材10の表面に浸漬、スプレ
ー、刷毛塗り等の手段によりコーティングし、100℃
前後の温度で5〜30分間加熱乾燥することにより行わ
れる。上記パーフルオロカーボンシラン化合物のインテ
グラルブレンドあるいはコーティングは特公平6−43
118号公報に開示されているものと同等である。
【0046】また、図12に示される実施例では、感熱
用紙の発色機能を損なわせる物質を含まない材質として
フッ素ゴム、EPDMゴム、シリコンゴム、熱可塑性エ
ラストマーの一種であるサントプレーン(MONSAN
TO社(米国)製、商品名)の内いづれかを押圧部材1
0の材質として使用している。これによると、前記の実
施例、図10、11に示した押圧部材10の表面処理を
行うといった二次工程が必要ないため、加工に要する時
間を短縮できる利点がある。また前記の処理を施すこと
における処理ムラの発生を全く考慮する必要なく、容易
に感熱用紙の発色機能の低下を防止できる。また表面処
理を行った場合は、押圧部材10の処理面が摩耗して弾
性基材102が露出してしまうことも考えられるが、図
12の実施例ではこのような問題も無く、常に良好な印
字が行える。
【0047】(検出機構)なお、本例においては、図1
3に示すように、ヘッドキャリッジ3の両端位置を検出
するために、ガイド軸7の両端位置には、光学式センサ
121、122が取付けられている。また、モータ出力
軸81の後端側の突出部分には、スリット付き回転板1
23が取付けられている。この回転板123に形成され
たスリットの通過を検出するための光学式センサ124
が装置フレーム5の底壁51上に取付けられている。こ
のスリット付き回転板123の回転に伴い、センサ12
4からはスリットの検出信号が出力される。各センサか
らの検出信号は、不図示の駆動制御回路の側に供給さ
れ、駆動制御回路においては、これらの信号に基づき、
サーマルヘッド4に形成されている各発熱体素子を駆動
して、プラテン上を搬送される用紙に対する印字を行わ
せる。このような駆動制御は一般的に行われるサーマル
プリンタと同様である。
【0048】以上説明したように、本例のサーマルプリ
ンタ1においては、押圧部材10に給紙ローラ9よりも
10°以上低硬度の弾性材を用いることにより、紙挿入
状態で長時間放置されたときにも用紙に凹み跡がつか
ず、印字のときサーマルヘッド4と用紙が適切な状態で
接触して良好な印字を行うことができる。さらに押圧部
材10の表面をアフトリート処理により塩素化させて、
押圧部材10から発生する物質成分による感熱用紙の発
色機能の低下を防止し、ドット抜けやドット薄といった
印字不良を回避することができる。また、押圧部材10
にパーフルオロカーボンシラン化合物をインテグラルブ
レンドあるいはコーティングしても押圧部材10から発
生する物質成分による感熱用紙の発色機能の低下を防止
し、ドット抜けやドット薄といった印字不良を回避する
ことができる。さらに、押圧部材10に感熱用紙の発色
機能を損なわせる物質成分を含まない材質を用いること
により、押圧部材10に表面処理を行わずに上記の印字
不良を回避でき、また押圧部材10が摩耗して弾性基材
102が露出し発色機能を損なうといったこともなく常
に良好な印字品質を確保できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサーマル
プリンタにおいては、押圧部材が給紙ローラよりも10
°以上低硬度なゴム状の弾性材で構成されているため、
押圧部材側が積極的に弾性変形し、用紙がプリンタに挿
入された状態で長時間放置されても用紙に凹み跡が付か
ず、サーマルヘッドと用紙が適切な状態で接触して、ド
ット抜け、ドット薄といった印字不良を回避できる。ま
た用紙の送り速度を高速化する場合に、給紙ローラの回
転速度を上げ、さらに押圧部材の押圧も上げる必要が生
じる。このとき押圧部材が給紙ローラよりも10°以上
低硬度でない場合、押圧部材の押圧を上げる程、給紙ロ
ーラ側の弾性変形が大きくなり、用紙に対する凹みは増
すが、本発明のサーマルプリンタによれば、用紙送りを
高速化する場合における上記の弊害を回避できる効果も
ある。
【0050】さらに、押圧部材の表面を塩素化させて感
熱用紙の発色機能を損なう物質成分が押圧部材から表出
することを防止し、感熱用紙の発色機能を低下させず良
好な印字を行うことができる。上記の塩素化処理として
アフトリート液を使用した表面処理は簡単かつ短時間に
行え、ムラの無い均一な処理表面ができるといった製造
上の効果もある。
【0051】また押圧部材にパーフルオロカーボンシラ
ン化合物をインテグラルブレンドまたはコーティングす
ることによっても感熱用紙の発色機能を損なう物質成分
が押圧部材から表出することを防止でき、感熱紙の発色
機能を損なわず良好な印字が行える。
【0052】また、押圧部材を、感熱用紙の発色機能を
損なわせる物質成分を含まないフッ素ゴム、EPDMゴ
ム、シリコンゴム、熱可塑性エラストマーといった材質
で構成することにより、前記の表面処理あるいは前記化
合物のブレンドまたはコーティングを行う必要なく、ま
た押圧部材の表面が摩耗して弾性基材が露出し感熱用紙
の発色機能を低下させることなく常に良好な印字品質を
確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるサーマルプリンタの全
体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のサーマルプリンタの概略平面図である。
【図3】図1のサーマルプリンタに搭載されているヘッ
ドキャリッジを示す分解斜視図である。
【図4】ヘッドキャリッジを示す図であり、(A)はそ
の縦断面図、(B)はそれを上面側から見た状態を部分
的に示す部分上面図である。
【図5】ヘッドキャリッジに対してプラテンが押しつけ
られた印字時の状態を示す説明図である。
【図6】プラテンの動きを示す説明図であり、(A)は
サーマルヘッドに押しつけられた印字時の状態を示す図
であり、(B)はサーマルヘッドから離れた用紙送り時
の状態を示す図である。
【図7】図1のサーマルヘッドの一方の側壁に組付けら
れたヘッドキャリッジ移動用およびプラテン回動用の動
力伝達機構を示す説明図である。
【図8】図1のサーマルヘッドの他方の側壁に組付けら
れた用紙送り駆動用の動力伝達機構を示す説明図であ
る。
【図9】図1のサーマルプリンタにおける給紙ローラ、
押圧部材、サーマルヘッド、プラテンの位置関係を示す
部分側面図である。
【図10】押圧部材10の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図11】押圧部材10の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図12】押圧部材10の実施例を示す縦断面図であ
る。
【図13】図1のサーマルプリンタにおけるセンサの配
置場所を説明するための部分平面図である。
【符号の説明】
1・・・サーマルプリンタ 2・・・プラテン 3・・・ヘッドキャリッジ 4・・・サーマルヘッド 5・・・装置フレーム 6・・・円筒カム軸 7・・・キャリッジガイド軸 8・・・モータ 9・・・給紙ローラ 10・・・押圧部材 101・・・ホルダ 102・・・ゴム状弾性材 103・・・塩素化処理層 104・・・パーフルオロカーボンシラン化合物層 105・・・フッ素ゴム、EPDMゴム、シリコンゴ
ム、サントプレーンのいずれかの材質からなる弾性材 11・・・押圧部材押し付け用の線バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される給紙ローラと、その給紙
    ローラと対向して印刷用紙を前記給紙ローラに押圧する
    押圧部材を具備し、前記給紙ローラの回転により用紙送
    りを行い、その下流に記録ヘッドが配置されたサーマル
    プリンタにおいて、 前記押圧部材は、前記給紙ローラより硬度が10°以上
    低い弾性材よりなることを特徴とするサーマルプリン
    タ。
  2. 【請求項2】 前記押圧部材がゴム状弾性材の表面を塩
    素化させてなることを特徴とする請求項1記載のサーマ
    ルプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記押圧部材がゴム状弾性材にパーフル
    オロカーボンシラン化合物をインテグラルブレンドまた
    はコーティングしてなることを特徴とする請求項1記載
    のサーマルプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記押圧部材が感熱用紙の発色機能を低
    下させる物質を含まない弾性材からなることを特徴とす
    る請求項1記載のサーマルプリンタ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記押圧部材がフッ
    素ゴム、EPDMゴム、シリコンゴム、熱可塑性エラス
    トマーの内のいづれかの材質によりなることを特徴とす
    る請求項4記載のサーマルプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6305859B2 (en) 1998-11-18 2001-10-23 Alps Electric Co., Ltd. Pressure contact roller and printer using the same

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