JPH08156109A - 光造形法 - Google Patents

光造形法

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JPH08156109A
JPH08156109A JP6317731A JP31773194A JPH08156109A JP H08156109 A JPH08156109 A JP H08156109A JP 6317731 A JP6317731 A JP 6317731A JP 31773194 A JP31773194 A JP 31773194A JP H08156109 A JPH08156109 A JP H08156109A
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光 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光硬化性樹脂に光エネルギーを照射して、3
次元造形物を形成する規制液面方式による光造形法であ
り、造形ベースプレート又は該プレートに付着させた既
設樹脂硬化物層の表面に次の樹脂硬化物層を成形する際
に、層間に気泡が介在することをを抑制して、ベースプ
レートと樹脂硬化物層との間および各樹脂硬化物層間の
接着が確実に行える規制液面方式による光造形法を提供
する。 【構成】 造形ベースプレート又は該プレートに付着さ
せた既設樹脂硬化物層の表面に次の樹脂硬化物層を成形
するための前処理として、前記ベースプレート又は既設
樹脂硬化物層を予め樹脂槽内の樹脂液中に傾斜状に配置
したあと、該ベースプレート又は既設樹脂硬化物層を水
平状態に戻して、樹脂液に対し正しい水平面で接液させ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光硬化性の樹脂に所望
する任意形状に光エネルギーを照射して、得られた層状
の平面硬化物を積層し、3次元造形物を形成する光造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、光硬化性の樹脂に光エネルギ
ーを照射して3次元造形物を形成する光造形法は、各種
のものが知られており、特に、最近では日刊工業新聞社
発行の「光造形法」(1990年10月30日発行・著
者:丸谷洋二,大川和夫,早野誠治,斉藤直一郎,中井
孝)により広く理解されるようになっている。
【0003】従来における光造形法として、特に一般的
なものは、光硬化性樹脂を貯留した上面開放形樹脂槽内
の樹脂液面近くに液中に造形テーブルとしてのベースプ
レートを設けて、このベースプレート上の樹脂自由液面
に上方から光を照射することで、プレート上に第1層目
の樹脂硬化物層を形成し、次いで、プレートを前記樹脂
硬化物層の厚さ程度だけ槽内下方へ降下させて、第1層
目樹脂硬化物層の上の樹脂に光を照射して第2層目の樹
脂硬化物層を形成するという方法を繰り返し、スライス
状の樹脂硬化物層を連続的に積層することで所望の立体
形状を成形する方法であり、この方法は槽内のテーブル
を樹脂の自由液面から順次沈下させて硬化物を積層しな
がら造形物を成形するので、自由液面法と呼ばれる。
【0004】また、別の方法としては、底面を透明プレ
ートとした樹脂槽内に造形テーブルとしてのベースプレ
ートを設けて、樹脂槽の下方から透明プレートを通して
光をベースプレート方向へ照射してベースプレートと底
面の透明プレートとの間の樹脂を第1層目の樹脂硬化物
層として硬化させ、次いで、ベースプレートを上方へ引
き上げて第1層目樹脂硬化物層を底面の透明プレートか
ら剥がし、この第1層目樹脂硬化物層と底面との間に樹
脂槽下方からの光により、第2層目の樹脂硬化物層を形
成するという方法を繰り返すもので、この方法は光の照
射によって硬化される樹脂の量がベースプレート又は既
設硬化物層と樹脂槽の底面透明プレートとの間に規制さ
れるので、規制液面法と呼ばれる。
【0005】この規制液面法にも、樹脂槽を底面が透明
プレートにより構成した多量の光硬化性樹脂を貯留でき
るタンク型として、ベースプレートを樹脂槽内の底面の
透明プレートの近くにまで沈めて、このベースプレート
と透明プレートとの間の樹脂に槽の下方から透明プレー
トを通して光を照射し、両プレート間の樹脂を硬化させ
る下方露光法と、樹脂槽を底面が透明プレートにより構
成した積層樹脂硬化物層の厚さに相当する少量の樹脂を
貯留する薄い皿型として、ベースプレートを樹脂槽内の
液面上に接液させて、このベースプレートと透明プレー
トとの間の樹脂に槽の下方から透明プレートを通して光
を照射し、両プレート間の樹脂を硬化させる薄液層法と
がある。
【0006】規制液面法としては、更に前記の外にも、
樹脂槽を底面が不透明なベースプレートにより構成した
多量の光硬化性樹脂を貯留できるタンク型として、樹脂
槽内に下面を透明とした容器状の透明プレートを、樹脂
槽底面のベースプレート近くにまで沈めて、この透明プ
レートとベースプレートとの間の樹脂に槽の上方から透
明プレートを通して光を照射し、両プレート間の樹脂を
硬化させたる上方露光法がある(前記丸谷洋二外4名著
「光造形法」第78頁乃至第83頁)。
【0007】
【発明が解決すべき課題】前述の自由液面法は、上面開
放形樹脂槽内の樹脂液面近くにベースプレートを配置
し、このベースプレート上の樹脂自由液面に上方から直
接的に光を照射してこのベースプレート上に樹脂硬化物
層を成形するので、ベースプレート上の樹脂に光を照射
して樹脂硬化物層を成形する工程を繰り返すうちに樹脂
が熱により膨張し、その結果、樹脂の液面位が変動して
光照射装置から照射される光の焦点にズレを生じたり、
樹脂の表面張力によって成形される樹脂硬化物層の積層
ピッチにムラが生じて、造形不良の原因が発生し易いと
いう問題を有している。
【0008】一方、規制液面法では、ベースプレートと
透明プレートとの間に挟まれた限られた量の樹脂を光の
照射により硬化させるので、樹脂が熱による影響を受け
ることがなく、従って、樹脂の自由液面の性情や樹脂の
粘性に変化を生じさせることなく造形物を成形すること
ができるという利点を有し、自由液面法の欠点を補うこ
とができる。
【0009】しかしながら、このような利点をもつ規制
液面法においても、次のような未だ解決されるべき課題
が残されている。すなわち、規制液面法では、ベースプ
レートと透明プレートとの間に介在する槽内の限られた
量の樹脂を硬化させるので、下方露光法と薄液層法にお
いては、ベースプレート又はベースプレートに付設され
た既設樹脂硬化物層の下面(次の硬化物層が成形される
面、次層成形面)、を樹脂槽の底面透明プレートに正し
く対応させないと、また上方露光法においては、上方の
透明プレート又はこの透明プレートに付設された既設樹
脂硬化物層の下面(次層成形面)を、槽の底面となるベ
ースプレートに正しく対応させないと、いずれもこの次
層成形面に対する次の樹脂硬化物層の成形が適切に行わ
れないという問題が発生する。
【0010】つまり、従来より知られる上記の規制液面
法のうち、例えば、薄液層法あるいは下方露光法では、
図6aに示すように、樹脂槽1内の樹脂2に対して配置
されるベースプレート3が、昇降装置(図示せず)によ
り水平状態を保持したままで上下動するだけなので、ベ
ースプレート3の次層成形面3aを樹脂2の外部上方か
ら水平状態で樹脂面に接液させたときとか、あるいは樹
脂液中に予め気泡4が混入していて、ベースプレート3
の次層成形面3aを樹脂面に接液したときに、この気泡
4がたまたま次層成形面3aの下面に位置してしまった
ような場合に、これらの気泡4を次層成形面3aの下面
から除去する方法がない。
【0011】そのため、気泡4を残したままで図6bの
ように、次層成形面3aの下面の樹脂2に光照射を行っ
て樹脂硬化物層5を成形すると、ベースプレート3と樹
脂硬化物層5との間に介在する気泡4が接着部を減少さ
せて接着不良の原因となり、以後同様にして既設樹脂硬
化物層の下面に気泡4が介在した場合には、成形される
夫々の樹脂硬化物層の積層間に接着不良の原因が数多く
介在することになり、成形作業の終了後において、造形
物の落下、層間剥離、積層方向の寸法精度不良等の欠陥
を生ずることになる。
【0012】上記の気泡による問題点は、下方露光法と
薄液層法の場合であるが、ここでは図示しなとしても、
上方露光法においても、上方の透明プレートを槽の底面
となるベースプレートに対応させるので、透明プレート
の下面に樹脂液中の気泡が位置してしまった場合には同
様な問題が生ずることになる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
従来の光造形法のうち、特に規制液面法による光造形法
の問題点を解消することを目的として開発されたもので
あり、請求項1の発明では、規制液面法による光造形法
において、前記ベースプレート又は該プレートに付着さ
せた既設樹脂硬化物層の表面に次の樹脂硬化物層を成形
するための前処理として、前記ベースプレート又は既設
樹脂硬化物層もしくは透明プレートを、予め樹脂液中に
傾斜状に配置したあと、該ベースプレート又は既設樹脂
硬化物層もしくは透明プレートを、水平状態に戻して樹
脂液に対し正しい水平面で接液させることを特徴とす
る。
【0014】請求項2の発明は、規制液面方式における
薄液層法に係るものであり、樹脂槽が底面を透明プレー
トとした樹脂硬化物層の厚さに相当する薄い皿型であ
り、樹脂槽内の樹脂液面上に配置したベースプレート又
は該プレートに付着させた既設樹脂硬化物層を、予め樹
脂液中に傾斜状に配置したあと、該ベースプレート又は
既設樹脂硬化物層を水平状態に戻して接液させることを
特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、規制液面方式における
下方露光法に係るものであり、樹脂槽が底面を透明プレ
ートとした多量の光硬化性樹脂を貯留できるタンク型で
あり、樹脂槽内の樹脂液中に配置したベースプレート又
は該プレートに付着させた既設樹脂硬化物層を、予め底
面の透明プレートと対応して積層樹脂硬化物層のピッチ
に相当する樹脂の厚さを挟む位置に傾斜状に配置したあ
と、該ベースプレート又は既設樹脂硬化物層を水平状態
に戻して接液させることを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、規制液面方式における
上方露光法に係るものであり、樹脂槽が底面をベースプ
レートとした多量の光硬化性樹脂を貯留できるタンク型
であり、樹脂槽内の樹脂液中に配置した透明プレート
を、予め底面のベースレートと対応して積層樹脂硬化物
層のピッチに相当する樹脂の厚さを挟む位置に傾斜状に
配置したあと、該透明プレートを水平状態に戻して接液
させることを特徴とするものである。
【0017】請求項5および6の発明は、いずれも規制
液面法におけるベースプレートもしくは透明プレートを
Z軸方向に上下動するための昇降装置を、回転軸を中心
に回動傾斜することで、ベースプレート又は既設樹脂硬
化物層、もしくは透明プレートを樹脂液中で傾斜させる
ことを特徴とするものである。
【0018】
【作用】本発明によれば、樹脂槽内で樹脂硬化物層を成
形するための処理工程として、薄液層法および下方露光
法の場合にはベースプレート又は該プレートに付着させ
た既設樹脂硬化物層の下面の次層成形面、また上方露光
法の場合には透明プレートの下面の次層成形面を、いず
れも樹脂液中に傾斜状に配置するので、前記次層成形面
と樹脂液との間に気泡が介在していると、傾斜した次層
成形面が液中で水平状態に復帰する過程で、この気泡を
傾斜面に沿って最後に水平に沈下する次層成形面の他端
側から液中に押し出すことができ、その結果、樹脂液中
の次層成形面と樹脂液との間に気泡が介在することを抑
制して、常に次層成形面と樹脂との間に気泡の介在しな
い状態で成形作業を進めることができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る規制液面方式による光造
形法を、図1に示す薄液層法の造形装置により説明する
と、10は樹脂造形槽であり、この樹脂造形槽10は底
面を透明プレート12により形成した所定量の光硬化性
樹脂13を貯留する薄い皿型の樹脂槽11と、この樹脂
槽11の周囲に溝状に周設された樹脂補給槽14とから
なっており、皿型の樹脂槽11内における光硬化性樹脂
13の液面上には、上下動可能な造形ベースプレート1
5が配置される。
【0020】前記樹脂造形槽10は、図2に示すよう
に、槽外にポンプ16が設けられており、樹脂の成形の
都度、周囲の樹脂補給槽14内に貯留された所定量の光
硬化性樹脂13が、前記ポンプ16によって皿型の樹脂
槽11内に供給されたのち、樹脂補給槽14の上に設け
られたスキーマー装置17が樹脂槽11の上縁に沿って
水平に移動することで、樹脂槽11内に供給された余剰
分の樹脂13を樹脂補給槽14内へ戻し、樹脂槽11内
に目的とする積層樹脂硬化物層の積層スライスピッチに
相当する分量の樹脂13を供給する。
【0021】皿型の樹脂槽11内に供給される光硬化性
樹脂13の液面上には、前記造形ベースプレート15が
水平に配置されており、このベースプレート15は、図
3に示すように、アーム18を介して槽外の側方に設け
た昇降装置19に支持され、この昇降装置19により樹
脂13の液面に対して上下動するようになっており、ま
た、樹脂槽11の下方には縦横方向に自由に移動するX
−Yプロッタ21によって、光照射部22よりレーザー
光を底面透明プレート12を通して樹脂槽11内の光硬
化性樹脂13に照射するためのコンピュータユニット2
3と接続された光照射装置20が設けられている。
【0022】前記光照射装置20としては、気体、固
体、半導体レーザーなどの各種レーザー光を照射するレ
ーザー装置が使用される。また、光照射装置20および
X−Yプロッタ21は、前記コンピュータユニット23
により制御されるが、このコンピュータユニット23
は、造形ベースプレート15の上下動を行う昇降装置1
9やポンプ16、スキーマー装置17なども制御するほ
か、3次元形状の積層造形物における積層スライス毎の
平面形状を演算し、更にこれに光照射装置20が所望す
る平面形状を描画するように、レーザーのスキャンスピ
ードや走査ピッチなどの属性データの計算も同時に行
う。
【0023】また、造形ベースプレート15の昇降装置
19は、図3に示すように、プレート15を支持するア
ーム18が流体シリンダ又は螺杆等により上下動する
が、この昇降装置19の下端が水平回転軸24により左
右方向に回動するように軸着されており、ベースプレー
ト15を所望の高さ位置に保持した状態で、昇降装置1
9を回転軸24を中心にして回動することにより、ベー
スプレート15を樹脂槽11内における樹脂13の液面
に対して所定の角度に傾斜させることができるようにな
っている。
【0024】前記の造形装置による造形方法の手順を説
明すると、図1及び図3aに示すように、薄い皿型の樹
脂槽11内に所定量の光硬化性樹脂13を供給したあ
と、昇降装置19により造形ベースプレート15を樹脂
13の液面上に降下させる。その際、ベースプレート1
5の下面における次層成形面25の全域を樹脂13の液
面に接触する前に、昇降装置19を回転軸24を中心に
いずれか一方、例えば右側へ回動して、ベースプレート
15を水平な樹脂13の液面に対して若干傾斜させて、
まずプレートの一端15a側の次層成形面25が先に樹
脂13の液面中に沈下するようにして降下する。
【0025】ベースプレート15を一端15a側が先に
樹脂13の液面中に沈下するように接液させたのち、図
3bのように、その位置で昇降装置19の回動姿勢を徐
々に垂直位置へ戻して、最後にプレートの他端15bが
樹脂液面中に沈下するように、ベースプレート15を水
平状態とすることにより、最終的にベースプレート15
における次層成形面25の全域を確実に樹脂13の液面
中に沈下させる。
【0026】次に、図3cのように、水平状態としたプ
レート15を昇降装置19により、プレート15の次層
成形面25が樹脂13の液面と接液する位置まで引き上
げて、プレート15の下面に目的とする樹脂硬化物層の
積層スライスピッチAに相当する樹脂13のスペースを
形成する。
【0027】プレート15は、手順として図3bのよう
に、プレート15の次層成形面25の全域をいったん樹
脂13の液中に沈ませたあとで、図3cのように、次層
成形面25を樹脂13の液面と接液する位置まで引き上
るが、このようにプレート15の次層成形面25全域を
いったん樹脂3の液中に沈ませてから、次にプレート1
5をその次層成形面25が樹脂13の液面と接液する位
置まで引き上げることは、プレート15の次層成形面2
5と樹脂13の液面との間に介在する気泡を排除するた
めの方法として重要な意味をもつ。
【0028】なお、図3bから図3cにかけての工程で
は、図3bのプレートの一端15a側が先に樹脂13の
液面下に沈んだ状態から、昇降装置19を回動してベー
スプレート15を水平状態とすることで、最終的にベー
スプレート15の次層成形面25全域を確実に樹脂13
の液面下に沈下させたが、別の方法として、プレートの
一端15a側を先に樹脂13の液面下に沈ませた状態か
ら、プレート15を更に傾斜状態のまま昇降装置19に
より底面と接する深さまで降下することで、次層成形面
25の全域を確実に樹脂13の液面下に沈下してから、
先に接液させた一端15a側を液内における所定の高さ
まで上方に引き上げることで、プレート15を液面に対
して水平に戻すようにしてもよい。
【0029】しかし、この方法は、プレート15の次層
成形面25全域を液面下に沈下させた後に、先に接液さ
せた一端15a側を上方に引き上げるための昇降装置1
9によるプレート15の引き上げと、回転軸24による
回動角の戻し操作を同時に行わなければならないので、
操作が複雑になるという問題がある。
【0030】図3cのように、プレート15の次層成形
面25を樹脂13の液面と接液する位置まで引き上げた
のち、図3dのように、樹脂槽11の下方の光照射部2
2より光エネルギーを底面の透明プレート12を通して
槽11内の光硬化性樹脂13に照射し、所望の樹脂硬化
物層26aを得る。
【0031】ベースプレート15の次層成形面25に樹
脂硬化物層26aが成形されたのち、図3eのように、
昇降装置19を回動するか、もしくは昇降装置19を上
昇することにより樹脂硬化物層26aを樹脂槽11の液
面上方へ引き離すと共に、前記と同様に、樹脂硬化物層
26aの成形により減少した樹脂槽11内に周囲の樹脂
補給槽14から樹脂13を補給して、スキーマー装置1
7により樹脂槽11内の樹脂13の量を調整する。その
とき樹脂硬化物層26aがスキーマー装置17の動作に
障害とならないように、昇降装置19によりベースプレ
ート15を樹脂槽11の上方の充分な高さ位置まで移動
させておく。
【0032】次に、図3fのように、昇降装置19によ
りベースプレート15を樹脂13の補給された樹脂槽1
1の液面に向けて降下させると共に、図3aの場合と同
じように昇降装置19を回転軸24により回動してベー
スプレート15を傾斜させ、傾斜した既設樹脂硬化物層
26aの一端を樹脂13の液面中に没入させる。
【0033】以後は、図3bで示した既設樹脂硬化物層
26aを成形した場合と同様に、ベースプレート15を
水平に戻すことで、いったん既設樹脂硬化物層26aの
次層成形面25全域を液面中に沈下させてから上方へ引
き上げて、既設樹脂硬化物層26aの次層成形面25を
液面と接液させ、下方の光照射部22より光エネルギー
を底面透明プレート12を通して槽11内の光硬化性樹
脂13に照射し、次の樹脂硬化物層を成形するというよ
うな手順により、最終的に図2に示したような目的とす
る積層造形物27を成形する。
【0034】図4は、規制液面方式における下方露光法
の実施例であり、この場合は図4aのように、多量の樹
脂33を貯留できる樹脂槽31内の液中に、ベースプレ
ート35を予め底面透明プレート32との間に積層樹脂
硬化物層のピッチに相当する樹脂の厚さを挟む位置に傾
斜状に配置したあと、図4bのように該ベースプレート
35を水平状態に戻し、次いで樹脂槽31の下方から光
エネルギーを照射して樹脂硬化物層46を成形する。
【0035】図5は、規制液面方式における上方露光法
の実施例であり、この場合は図5aのように、底面をベ
ースプレート45とした多量の樹脂43を貯留できる樹
脂槽41内の液中に、下面を透明とした容器状の透明プ
レート42を底面のベースレート45と対応して樹脂硬
化物層のピッチに相当する樹脂の厚さを挟む位置に傾斜
状に配置したあと、該透明プレート42を水平状態に戻
し、次いで上方の透明プレート42を通して光エネルギ
ーを照射することにより樹脂硬化物層56を成形する。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では樹脂
槽内で樹脂硬化物層を成形するための処理工程として、
薄液層法および下方露光法の場合にはベースプレート又
は該プレートに付着させた既設樹脂硬化物層の次層成形
面、また上方露光法の場合には透明プレートの次層成形
面を、いずれも樹脂液中に傾斜状に配置してから水平状
態に戻すことで、前記次層成形面と樹脂液との間に介在
している気泡を最後に水平に沈下する次層成形面の他端
側から液中に押し出して、気泡の介在を抑制できるの
で、常に気泡の介在を気に掛けることなく成形作業を能
率的に進めることができる。
【0037】また、成形の第一段階としての、ベースプ
レートもしくは透明プレートの次層成形面に樹脂硬化物
層を付着成形する過程で、次層成形面と樹脂との間に気
泡が介在することを抑制できるので、ベースプレートも
しくは透明プレートの次層成形面と樹脂硬化物層との間
を有効にして確実な接着状態とすることができ、造形作
業を進行する過程で、ベースプレートもしくは透明プレ
ートの下面から折角時間をかけてある程度まで成形した
樹脂硬化物層が途中で落下脱落するという問題点を確実
に解消することができる。
【0038】更に、ベースプレートもしくは透明プレー
トの次層成形面に第一段階としての樹脂硬化物層が成形
された後の、既設樹脂硬化物層の下面に次の樹脂硬化物
層を順次成形する第二段階以降の過程でも、同様な方法
により気泡の介在を解消して樹脂硬化物層間の接着を確
実なものとすることができるので、夫々の樹脂硬化物層
間の接着強度の向上と、積層方向の寸法精度の向上を期
待でき、最終的に樹脂硬化物層の層間剥離を確実に防止
でき、規制液面方式による光造形法の実用性を飛躍的に
改善できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の規制液面方式による光造形法の基本的
な態様を示す断面図である。
【図2】本発明の規制液面方式による薄液層法を実施す
る光造形装置の斜視図。
【図3】本発明の光造形法を薄液層法により実施した場
合の手順を示す断面図。
【図4】本発明の光造形法を下方露光法により実施した
場合の断面図。
【図5】本発明の光造形法を上方露光法により実施した
場合の断面図。
【図6】従来の規制液面方式による薄液層法を説明する
断面図。
【符号の説明】
10,30,40:樹脂造形槽 11,31,41:樹脂槽 12,32,42:透明プレート 13、33,43:光硬化性樹脂 14:樹脂補給槽 15,35,45:造形ベースプレート 16:ポンプ 17:スキーマー装置 18:アーム 19:ポンプ 20:光照射装置 21:X−Yプロッタ 22:光照射部 23:コンピュータユニット 24:回転軸 25:次層成形面 26a,26b,46,56:樹脂硬化物層 27:積層造形物

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造形ベースプレートと透明プレートとの
    間に介在する樹脂槽内の光硬化性樹脂に透明プレートを
    通して光エネルギーを照射することにより、前記ベース
    プレートの表面に樹脂硬化物層を成形し、同様にして順
    次該樹脂硬化物層の表面に樹脂硬化物層を積層すること
    により、3次元形状物を成形する規制液面方式による光
    造形法であり、 前記ベースプレート又は該プレートに付着させた既設樹
    脂硬化物層の表面に次の樹脂硬化物層を成形するための
    前処理として、前記ベースプレート又は既設樹脂硬化物
    層もしくは透明プレートを、予め樹脂液中に傾斜状に配
    置したあと、該ベースプレート又は既設樹脂硬化物層も
    しくは透明プレートを、水平状態に戻して樹脂液に対し
    正しい水平面で接液させることを特徴とする光造形法。
  2. 【請求項2】 樹脂槽が底面を透明プレートとした樹脂
    硬化物層の厚さに相当する薄い皿型であり、樹脂槽内の
    樹脂液面上に配置したベースプレート又は該プレートに
    付着させた既設樹脂硬化物層を、予め樹脂液中に傾斜状
    に配置したあと、該ベースプレート又は既設樹脂硬化物
    層を水平状態に戻して接液させる請求項1の光造形法。
  3. 【請求項3】 樹脂槽が底面を透明プレートとした多量
    の光硬化性樹脂を貯留できるタンク型であり、樹脂槽内
    の樹脂液中に配置したベースプレート又は該プレートに
    付着させた既設樹脂硬化物層を、予め底面の透明プレー
    トと対応して積層樹脂硬化物層のピッチに相当する樹脂
    の厚さを挟む位置に傾斜状に配置したあと、該ベースプ
    レート又は既設樹脂硬化物層を水平状態に戻して接液さ
    せる請求項1の光造形法。
  4. 【請求項4】 樹脂槽が底面をベースプレートとした多
    量の光硬化性樹脂を貯留できるタンク型であり、樹脂槽
    内の樹脂液中に配置した透明プレートを、予め底面のベ
    ースレートと対応して積層樹脂硬化物層のピッチに相当
    する樹脂の厚さを挟む位置に傾斜状に配置したあと、該
    透明プレートを水平状態に戻して接液させる請求項1の
    光造形法。
  5. 【請求項5】 ベースプレートをZ軸方向に移動する昇
    降装置を回転軸を中心に回動傾斜させて、ベースプレー
    ト又は既設樹脂硬化物層を樹脂液面に対し傾斜させる請
    求項1乃至3のいずれかの光造形法。
  6. 【請求項6】 透明プレートをZ軸方向に移動する昇降
    装置を回転軸を中心に回動傾斜させて、透明プレートを
    樹脂液面に対し傾斜させる請求項4の光造形法。
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