JPH08151391A - リン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法 - Google Patents

リン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法

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JPH08151391A
JPH08151391A JP29117094A JP29117094A JPH08151391A JP H08151391 A JPH08151391 A JP H08151391A JP 29117094 A JP29117094 A JP 29117094A JP 29117094 A JP29117094 A JP 29117094A JP H08151391 A JPH08151391 A JP H08151391A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間の保存や輸送に際し、低温下でも分離
又は固形化を起こさない低温安定性に優れたリン酸エス
テル塩水溶液及びリン酸エステル塩水溶液の低温安定化
方法の提供。 【構成】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基又はアルケニル基を示し、M1及びM2は同一又は異なっ
てもよい水素原子又はアルカリ金属イオンを示す。)で
表されるリン酸モノエステル塩1〜60重量%を含有する
pH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は手、顔、身体等の洗浄基
剤として有用なリン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の
低温安定化方法に関し、詳細には長期間の保存又は輸送
に際し、低温による形態安定性の優れたリン酸エステル
塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】特公平
3−27558 号公報記載の方法等で得られた特定のアルキ
ル又はアルケニルリン酸エステル塩(以下単に「リン酸
エステル塩」という)は、中性から弱アルカリ性領域に
おいて洗浄剤として使用した場合、洗浄力及び起泡力に
優れ、生分解性良好であり、一般の洗浄基剤(例えばア
ルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩等)に比べて、皮膚刺激性
が小さく、更にクラフト点等の界面化学的な諸物性に優
れていることが知られており(フレグランスジャーナ
ル, No.68, 第2項(1984))、現在、家庭用洗浄基剤と
して広く使用されている。
【0003】しかしながら、従来のリン酸エステル塩水
溶液は低温安定性が悪く長期間の保存や輸送をする場
合、分離又は固形(ゲルを含む)化が起こるという欠点
があった。そのため、保存タンクや輸送コンテナ等では
加温等の措置が施されているが、高温下ではこれらリン
酸エステル塩の加水分解等による品質上の劣化が併発す
るために温度コントロールを厳密に行う必要がある。ま
た、酸化防止剤等の添加を余儀なくされるばかりでな
く、長期間に渡る貯蔵や輸送を難しくしており、設備等
のハード面やユーティリティーの面で負荷が大きく、経
済的にも不利であった。
【0004】従って、本発明の目的は、長期間の保存や
輸送に際し、低温下でも分離又は固形化を起こさない低
温安定性に優れたリン酸エステル塩水溶液、及びリン酸
エステル塩水溶液の低温安定化方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、リン酸エステル塩水
溶液のpHを特定の範囲にすること及びその組成を特定す
ることにより長期間保存しても、長期間の輸送をしても
低温下でも分離又は固形化を起こさない低温安定性に優
れたリン酸エステル塩水溶液が得られることを見出し本
発明を完成した。すなわち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐
鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、M1及びM2は同
一又は異なってもよい水素原子又はアルカリ金属イオン
を示す。)で表されるリン酸モノエステル塩1〜60重量
%を含有するpH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液、及
び前記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩1
〜60重量%と、一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R2及びR3は同一又は異なってもよ
い炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアル
ケニル基を示し、M3は水素原子又はアルカリ金属イオン
を示す。)で表されるリン酸ジエステル塩1〜15重量%
とを含有するpH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液を提
供するものである。
【0010】また、本発明は、一般式(3)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)で
表されるリン酸モノエステル1〜60重量%を含有する水
溶液をアルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10に調整す
ることを特徴とするリン酸エステル塩水溶液の低温安定
化方法、及び前記一般式(3)で表されるリン酸モノエ
ステル1〜60重量%と、一般式(4)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R2及びR3は前記と同じ意味を示
す。)で表されるリン酸ジエステル1〜15重量%とを含
有する水溶液をアルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10
に調整することを特徴とするリン酸エステル塩水溶液の
低温安定化方法を提供するものである。
【0015】本発明で用いられる一般式(3)で表され
るリン酸モノエステルは、アルキル部位として、炭素数
8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基
を1個有するもので、例えばモノオクチルリン酸、モノ
ノニルリン酸、モノデシルリン酸、モノウンデシルリン
酸、モノドデシルリン酸、モノトリデシルリン酸、モノ
テトラデシルリン酸、モノペンタデシルリン酸、モノヘ
キサデシルリン酸、モノオクタデシルリン酸、モノ−2
−エチルヘキシルリン酸、モノオクテニルリン酸、モノ
オクタデセニルリン酸、モノ−2−ヘプチルウンデシル
リン酸、モノ−2−ヘキシルデシルリン酸、モノ−2−
ペンチルデシルリン酸、モノ−2−ブチルウンデシルリ
ン酸、モノ−2−プロピルデシルリン酸、モノ−2−エ
チルノニルリン酸、モノ−2−メチルオクチルリン酸等
が挙げられる。中でも泡立ちがよく、かつ低温安定性改
善の理由で炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
を有し、直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の85重量
%未満である混合アルキル基を有するリン酸モノエステ
ルが好ましく、特に直鎖アルキル基の割合が全アルキル
基の60重量%未満である混合アルキル基を有するリン酸
モノエステルが好ましい。
【0016】一般式(1)で表されるリン酸モノエステ
ル塩は、上記一般式(3)で表されるリン酸モノエステ
ルの塩であり、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙
げられる。中でもカリウム塩が好ましい。尚、アンモニ
ウム塩又は総炭素数2〜9のアルキルアンモニウム塩も
しくはアルカノールアンモニウム塩やアルカリ土類金属
塩を本発明の目的を害しない程度含有してもよいが、こ
れらの塩単独では本発明の低温安定性を得ることは出来
ない。
【0017】また本発明で用いられる、一般式(4)で
表されるリン酸ジエステルは、アルキル部位として、炭
素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニ
ル基を2個有するもので、例えばジオクチルリン酸、ジ
ノニルリン酸、ジデシルリン酸、ジウンデシルリン酸、
ジドデシルリン酸、ジトリデシルリン酸、ジテトラデシ
ルリン酸、ジペンタデシルリン酸、ジヘキサデシルリン
酸、ジオクタデシルリン酸、ジ−2−エチルヘキシルリ
ン酸、ジ−2−メチルオクチルリン酸、ジ−2−メチル
デシルリン酸、ジ−2−メチル−ドデシルリン酸、ジオ
クタデセニルリン酸、ジ−2−ヘプチルウンデシルリン
酸、ジ−2−ヘキシルデシルリン酸等の対称型リン酸ジ
エステル、また、オクチル・ノニルリン酸、オクチル・
デシルリン酸、ノニル・ウンデシルリン酸、ノニル・ト
リデシルリン酸、デシル・ドデシルリン酸、デシル・ミ
リスチルリン酸、ウンデシル・ペンタデシルリン酸等の
非対称型リン酸ジエステル等が挙げられる。中でも炭素
数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、直鎖ア
ルキル基の割合が全アルキル基の85重量%未満である混
合アルキル基を有するリン酸ジエステルが好ましく、特
に直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の60重量%未満
である混合アルキル基を有するリン酸ジエステルが好ま
しい。一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩は、
上記一般式(4)で表されるリン酸ジエステルの塩であ
り、前記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩
と同様な塩を例示する事ができる。特に好ましくはカリ
ウム塩である。
【0018】本発明のリン酸エステル塩水溶液は、上記
一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩を1〜60
重量%、好ましくは10〜40重量%含有する。また、更に
上記一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩を1〜
15重量%、好ましくは2〜10重量%含有することもでき
る。一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の含
有量は、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩
と一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩との重量
の総和に対して80重量%以上であることが特に好まし
い。本発明のリン酸エステル塩水溶液中の一般式(1)
で表されるリン酸モノエステル塩の量が1重量%未満で
あると洗浄剤の製品化に際し、他の成分の配合量が制限
されたり、使用量の増大を招き好ましくない。また、60
重量%を超えると高粘度化が起こり、リン酸エステル塩
水溶液の取り扱い性が悪くなり、好ましくない。また一
般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩が、15重量%
を超えると高粘度化による取り扱い性不良や保存安定時
に形態変化が起こるなどから好ましくない。更に、一般
式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の含有量が、
一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩と一般式
(2)で表されるリン酸ジエステル塩との重量の総和に
対して80重量%未満であると、高粘度化による取り扱い
性不良や保存安定時に形態変化が起こることなどから好
ましくない。
【0019】上記一般式(1)で表されるリン酸モノエ
ステル塩及び一般式(2)で表されるリン酸ジエステル
塩は、例えば特公平3−27558 号公報記載の方法や特公
昭41−14416 号、特公昭42−20460 号、特開昭50−6422
6 号等の公報記載の方法等により得た、一般式(3)で
表されるリン酸モノエステル及び一般式(4)で表され
るリン酸ジエステルを、アルカリ金属水酸化物によりpH
8.1〜10となるように調整することにより製造すること
ができる。なおその際、一般式(1)で表されるリン酸
モノエステル塩及び一般式(2)で表されるリン酸ジエ
ステル塩の総重量に対し 0.1〜15重量%のリン酸塩、0.
1〜5重量%の未反応アルコールが含まれていてもよ
い。またここで用いられるアルカリ金属水酸化物として
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる
が、水酸化カリウムが好ましい。
【0020】本発明においては、本発明のリン酸エステ
ル塩水溶液の流動性改良等の目的のため該リン酸エステ
ル塩水溶液中、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコール類、また、エ
チレングリコール、プロピレングリコール等の低級アル
キレングリコール類、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価ア
ルコール等を含有してもよい。中でも低級アルコールと
してはエタノール、多価アルコールとしてはエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリンが好まし
い。これらのアルコール類の含有量は本発明のリン酸エ
ステル塩水溶液中、15重量%以下である。15重量%を超
えると洗浄剤の製品化に際し、他成分の配合量が制限さ
れたり、保存時に形態変化が起こるなど好ましくない。
【0021】さらに低温安定性改良等の目的で、一般の
アニオン性界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、アル
キルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、
アルキルエーテルリン酸塩、アシル化タウリン系界面活
性剤、アシル化ザルコシン系界面活性剤、アシル化アラ
ニン系界面活性剤、アシル化グリシン系界面活性剤、ア
シル化イセチオネート、N−アシル酸性アミノ酸系界面
活性剤、高級脂肪酸塩、及びアシル化ポリペプチド
等)、両性界面活性剤(アルキルベタイン型界面活性
剤、アミドプロピルベタイン型界面活性剤、イミダゾリ
ニウムベタイン型界面活性剤;ここでベタインとはカル
ボベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインを指
す)、非イオン性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸ジエタノー
ルアミド、ステアリン酸モノグリセライド、ラウリルジ
メチルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸
ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビ
タンエステル、アルキルグリコシド、アシル化グルカミ
ン等)、カチオン性界面活性剤(塩化ステアリルトリメ
チルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニ
ウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチル
ジメチルアンモニウム等)を含有してもよい。
【0022】中でも分子内に弱親水部位(アミド基、エ
ステル基、ポリオキシアルキレン基、水酸基等)を有す
る界面活性剤が好ましい。例えば、アルキルエーテル硫
酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテ
ルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、水酸基含有のイ
ミダゾリン系活性剤やヒドロキシプロピルスルホン酸基
を有する両性界面活性剤、アミンオキサイド類、ポリオ
キシアルキレン基や水酸基を含有する非イオン性界面活
性剤が特に好ましい。
【0023】このような界面活性剤の含有量は本発明の
リン酸エステル塩水溶液中、30重量%以下である。30重
量%を超えると洗浄剤の製品化に際し、他成分の配合量
が制限されたり、保存時に形態変化が起こるなど好まし
くない。
【0024】本発明においては、低温安定化のためにリ
ン酸エステル塩水溶液のpHを 8.1〜10に調整することが
必要であり、好ましくはpH 8.4〜9に調整する。リン酸
エステル塩水溶液のpHが8.1 未満であると、低温安定性
が著しく低下する。また、pHが10を超えてくると高粘度
化が起こり、取り扱い性不良等からリン酸エステル塩の
高濃度化が難しくなる。さらに、pHが10を超えた場合、
強塩基性による人体や設備等への腐食が懸念されること
は言うまでもない。なお、本発明において、リン酸エス
テル塩水溶液のpHは、リン酸エステル塩濃度が10重量%
となるようにイオン交換水で濃度調整後、市販のpHメー
ターにて30℃で測定した値である。
【0025】本発明により長期間の保存や輸送に際し、
低温による形態安定性の優れたリン酸エステル塩水溶液
が得られる。その理由ははっきりしないが、一因として
以下のことが考えられる。即ち、リン酸エステル塩水溶
液のpHを特定の領域とすることで、解離していない中性
のミセルと解離しているイオン性ミセルの平衡がずれ、
これがリン酸エステル塩のクラフト点を下げるととも
に、リン酸エステル塩の特定な組成が系の結晶性や水和
特性を変化させ、リン酸エステル塩の溶解性を向上させ
たものと考えられる。
【0026】本発明のリン酸エステル塩水溶液は、上記
成分を常法で混合、攪拌し、上記pH範囲に調整すること
により製造することができ、シャンプー、ボディシャン
プー、石鹸、洗顔料等の各種洗浄剤の配合原料として使
用することができる。このような洗浄剤の基剤として本
発明のリン酸エステル塩水溶液を使用する場合、使用量
は通常洗浄剤中1〜90重量%(固形分換算)である。本
発明のリン酸エステル塩水溶液を洗浄剤の基剤として使
用する場合、他の成分を併用する事ができる。このよう
な併用可能物としては、一般にシャンプー、ボディシャ
ンプー、石鹸、洗顔料等で使用されている、ポリマー
(増粘剤)、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、抗炎症剤、
紫外線防止剤、パール化剤、溶剤、油剤、キレート剤、
香料等が挙げられる。これらの化合物を、本発明の効果
を損なわない範囲において配合することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明により低温安定性に優れたリン酸
エステル塩水溶液を得ることができ、本発明のリン酸エ
ステル塩水溶液は長期間の保存や輸送に際し、低温にお
いてもその形態が安定であり、保存や輸送時のコスト面
や取り扱い性の面から、種々の洗浄剤の基剤として極め
て有用である。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0029】合成例1(ウンデシルリン酸エステルの合
成) ネオドール1(シェル社製商品名、C11H23OH、直鎖率
(全アルコール重量中の直鎖アルコールの重量%, 以下
同じ)84重量%)344 g、水18gを四つ口フラスコ(冷
却管、温度計、攪拌装置付き)に仕込み、70℃にて無水
リン酸(P2O5) 142gを添加後、80℃にて10時間反応を
行った。次いで水25g添加後、85℃にて3時間反応を行
った。反応終了後、反応物の水蒸気蒸留による精製を行
い、ウンデシルリン酸エステル(モノウンデシルリン酸
エステル:ジウンデシルリン酸エステル:リン酸:未反
応アルコール=78:12:6:1 重量%、残部水分)522
gを得た。
【0030】合成例2 ダイヤドール115L(三菱化学社製商品名、C11H23OH:C
13H27OH:C15H31OH=47:31:22(重量比)の混合アル
コール、直鎖率50%)を用い、合成例1の方法と同様に
してリン酸化反応を行い、リン酸エステル(リン酸モノ
エステル、リン酸ジエステル、リン酸及び未反応アルコ
ールを含む)を得た。
【0031】実施例1〜5及び比較例1〜7 合成例1及び2と同様の方法にて得られた各種アルキル
リン酸エステル(リン酸モノエステル、リン酸ジエステ
ル、リン酸及び未反応アルコールを含む)を使用し、表
1に示す組成及びpHの各種リン酸エステル塩水溶液を調
製した。尚、pH調整は水酸化カリウムにより行った。得
られたリン酸エステル塩水溶液を−10℃、−5℃、0
℃、10℃、20℃に設定した恒温室に入れ、30日後にそれ
ぞれの水溶液の状態変化を調査した。この結果を表1及
び表2に示す。尚、評価は次の基準によった。 ○:透明液体 ×:液状−液状又は液状−固体分離(浮遊、沈殿)又は
固化(ゲル化)
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】注) *1;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と
同じアルキル鎖長、直鎖アルキル基率及び同じ対イオン
のもの *2;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と
同じ対イオンのもの *3;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と
同じアルキル鎖長及び直鎖アルキル基率のもの 表1及び表2の結果から明らかなように、本発明実施例
のリン酸エステル塩水溶液は−5℃の温度にて30日の
間、液状を保持していた。一方、比較例のリン酸エステ
ル塩水溶液では、サンプルを調整後、1〜数日間は0℃
程度で液状を示したものもあるが、30日後には0℃では
いずれも状態が変化していた。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル
    基又はアルケニル基を示し、M1及びM2は同一又は異なっ
    てもよい水素原子又はアルカリ金属イオンを示す。)で
    表されるリン酸モノエステル塩1〜60重量%を含有する
    pH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表されるリン酸モノ
    エステル塩1〜60重量%と、一般式(2) 【化2】 (式中、R2及びR3は同一又は異なってもよい炭素数8〜
    18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示
    し、M3は水素原子又はアルカリ金属イオンを示す。)で
    表されるリン酸ジエステル塩1〜15重量%とを含有する
    請求項1記載のリン酸エステル塩水溶液。
  3. 【請求項3】 一般式(1)中のR1が炭素数8〜15の直
    鎖又は分岐鎖のアルキル基、一般式(2)中のR2及びR3
    が炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、
    これらR1, R2及びR3中の直鎖アルキル基の割合が全アル
    キル基の85重量%未満であり、一般式(1)で表される
    リン酸モノエステル塩の含有量が一般式(1)で表され
    るリン酸モノエステル塩と一般式(2)で表されるリン
    酸ジエステル塩の重量の総和に対して80重量%以上であ
    る請求項2記載のリン酸エステル塩水溶液。
  4. 【請求項4】 一般式(3) 【化3】 (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)で表されるリン
    酸モノエステル1〜60重量%を含有する水溶液をアルカ
    リ金属水酸化物によりpH 8.1〜10に調整することを特徴
    とするリン酸エステル塩水溶液の低温安定化方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(3)で表されるリン酸モノ
    エステル1〜60重量%と、一般式(4) 【化4】 (式中、R2及びR3は前記と同じ意味を示す。)で表され
    るリン酸ジエステル1〜15重量%とを含有する水溶液を
    アルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10に調整すること
    を特徴とするリン酸エステル塩水溶液の低温安定化方
    法。
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