JP3556299B2 - リン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は手、顔、身体等の洗浄基剤として有用なリン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法に関し、詳細には長期間の保存又は輸送に際し、低温による形態安定性の優れたリン酸エステル塩水溶液及び該水溶液の低温安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特公平3−27558 号公報記載の方法等で得られた特定のアルキル又はアルケニルリン酸エステル塩(以下単に「リン酸エステル塩」という)は、中性から弱アルカリ性領域において洗浄剤として使用した場合、洗浄力及び起泡力に優れ、生分解性良好であり、一般の洗浄基剤(例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等)に比べて、皮膚刺激性が小さく、更にクラフト点等の界面化学的な諸物性に優れていることが知られており(フレグランスジャーナル, No.68, 第2項(1984))、現在、家庭用洗浄基剤として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のリン酸エステル塩水溶液は低温安定性が悪く長期間の保存や輸送をする場合、分離又は固形(ゲルを含む)化が起こるという欠点があった。
そのため、保存タンクや輸送コンテナ等では加温等の措置が施されているが、高温下ではこれらリン酸エステル塩の加水分解等による品質上の劣化が併発するために温度コントロールを厳密に行う必要がある。また、酸化防止剤等の添加を余儀なくされるばかりでなく、長期間に渡る貯蔵や輸送を難しくしており、設備等のハード面やユーティリティーの面で負荷が大きく、経済的にも不利であった。
【0004】
従って、本発明の目的は、長期間の保存や輸送に際し、低温下でも分離又は固形化を起こさない低温安定性に優れたリン酸エステル塩水溶液、及びリン酸エステル塩水溶液の低温安定化方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、リン酸エステル塩水溶液のpHを特定の範囲にすること及びその組成を特定することにより長期間保存しても、長期間の輸送をしても低温下でも分離又は固形化を起こさない低温安定性に優れたリン酸エステル塩水溶液が得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化5】
【0007】
(式中、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、M1及びM2は同一又は異なってもよい水素原子又はアルカリ金属イオンを示す。但し、 M 1 及び M 2 が共に水素原子である場合を除く。)
で表されるリン酸モノエステル塩1〜60重量%を含有するpH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液、及び前記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩1〜60重量%と、一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】
(式中、R2及びR3は同一又は異なってもよい炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、M3は水素原子又はアルカリ金属イオンを示す。)
で表されるリン酸ジエステル塩1〜15重量%とを含有するpH 8.1〜10のリン酸エステル塩水溶液を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、一般式(3)
【0011】
【化7】
【0012】
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
で表されるリン酸モノエステル1〜60重量%を含有する水溶液をアルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10に調整することを特徴とするリン酸エステル塩水溶液の低温安定化方法、及び前記一般式(3)で表されるリン酸モノエステル1〜60重量%と、一般式(4)
【0013】
【化8】
【0014】
(式中、R2及びR3は前記と同じ意味を示す。)
で表されるリン酸ジエステル1〜15重量%とを含有する水溶液をアルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10に調整することを特徴とするリン酸エステル塩水溶液の低温安定化方法を提供するものである。
【0015】
本発明で用いられる一般式(3)で表されるリン酸モノエステルは、アルキル部位として、炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を1個有するもので、例えばモノオクチルリン酸、モノノニルリン酸、モノデシルリン酸、モノウンデシルリン酸、モノドデシルリン酸、モノトリデシルリン酸、モノテトラデシルリン酸、モノペンタデシルリン酸、モノヘキサデシルリン酸、モノオクタデシルリン酸、モノ−2−エチルヘキシルリン酸、モノオクテニルリン酸、モノオクタデセニルリン酸、モノ−2−ヘプチルウンデシルリン酸、モノ−2−ヘキシルデシルリン酸、モノ−2−ペンチルデシルリン酸、モノ−2−ブチルウンデシルリン酸、モノ−2−プロピルデシルリン酸、モノ−2−エチルノニルリン酸、モノ−2−メチルオクチルリン酸等が挙げられる。
中でも泡立ちがよく、かつ低温安定性改善の理由で炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の85重量%未満である混合アルキル基を有するリン酸モノエステルが好ましく、特に直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の60重量%未満である混合アルキル基を有するリン酸モノエステルが好ましい。
【0016】
一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩は、上記一般式(3)で表されるリン酸モノエステルの塩であり、例えばナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。中でもカリウム塩が好ましい。尚、アンモニウム塩又は総炭素数2〜9のアルキルアンモニウム塩もしくはアルカノールアンモニウム塩やアルカリ土類金属塩を本発明の目的を害しない程度含有してもよいが、これらの塩単独では本発明の低温安定性を得ることは出来ない。
【0017】
また本発明で用いられる、一般式(4)で表されるリン酸ジエステルは、アルキル部位として、炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を2個有するもので、例えばジオクチルリン酸、ジノニルリン酸、ジデシルリン酸、ジウンデシルリン酸、ジドデシルリン酸、ジトリデシルリン酸、ジテトラデシルリン酸、ジペンタデシルリン酸、ジヘキサデシルリン酸、ジオクタデシルリン酸、ジ−2−エチルヘキシルリン酸、ジ−2−メチルオクチルリン酸、ジ−2−メチルデシルリン酸、ジ−2−メチル−ドデシルリン酸、ジオクタデセニルリン酸、ジ−2−ヘプチルウンデシルリン酸、ジ−2−ヘキシルデシルリン酸等の対称型リン酸ジエステル、また、オクチル・ノニルリン酸、オクチル・デシルリン酸、ノニル・ウンデシルリン酸、ノニル・トリデシルリン酸、デシル・ドデシルリン酸、デシル・ミリスチルリン酸、ウンデシル・ペンタデシルリン酸等の非対称型リン酸ジエステル等が挙げられる。
中でも炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の85重量%未満である混合アルキル基を有するリン酸ジエステルが好ましく、特に直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の60重量%未満である混合アルキル基を有するリン酸ジエステルが好ましい。
一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩は、上記一般式(4)で表されるリン酸ジエステルの塩であり、前記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩と同様な塩を例示する事ができる。特に好ましくはカリウム塩である。
【0018】
本発明のリン酸エステル塩水溶液は、上記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩を1〜60重量%、好ましくは10〜40重量%含有する。また、更に上記一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩を1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%含有することもできる。一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の含有量は、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩と一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩との重量の総和に対して80重量%以上であることが特に好ましい。
本発明のリン酸エステル塩水溶液中の一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の量が1重量%未満であると洗浄剤の製品化に際し、他の成分の配合量が制限されたり、使用量の増大を招き好ましくない。また、60重量%を超えると高粘度化が起こり、リン酸エステル塩水溶液の取り扱い性が悪くなり、好ましくない。
また一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩が、15重量%を超えると高粘度化による取り扱い性不良や保存安定時に形態変化が起こるなどから好ましくない。
更に、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の含有量が、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩と一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩との重量の総和に対して80重量%未満であると、高粘度化による取り扱い性不良や保存安定時に形態変化が起こることなどから好ましくない。
【0019】
上記一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩及び一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩は、例えば特公平3−27558 号公報記載の方法や特公昭41−14416 号、特公昭42−20460 号、特開昭50−64226 号等の公報記載の方法等により得た、一般式(3)で表されるリン酸モノエステル及び一般式(4)で表されるリン酸ジエステルを、アルカリ金属水酸化物によりpH 8.1〜10となるように調整することにより製造することができる。
なおその際、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩及び一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩の総重量に対し 0.1〜15重量%のリン酸塩、0.1 〜5重量%の未反応アルコールが含まれていてもよい。
またここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられるが、水酸化カリウムが好ましい。
【0020】
本発明においては、本発明のリン酸エステル塩水溶液の流動性改良等の目的のため該リン酸エステル塩水溶液中、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、また、エチレングリコール、プロピレングリコール等の低級アルキレングリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール等を含有してもよい。
中でも低級アルコールとしてはエタノール、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましい。
これらのアルコール類の含有量は本発明のリン酸エステル塩水溶液中、15重量%以下である。15重量%を超えると洗浄剤の製品化に際し、他成分の配合量が制限されたり、保存時に形態変化が起こるなど好ましくない。
【0021】
さらに低温安定性改良等の目的で、一般のアニオン性界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アシル化タウリン系界面活性剤、アシル化ザルコシン系界面活性剤、アシル化アラニン系界面活性剤、アシル化グリシン系界面活性剤、アシル化イセチオネート、N−アシル酸性アミノ酸系界面活性剤、高級脂肪酸塩、及びアシル化ポリペプチド等)、両性界面活性剤(アルキルベタイン型界面活性剤、アミドプロピルベタイン型界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型界面活性剤;ここでベタインとはカルボベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインを指す)、非イオン性界面活性剤(ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノグリセライド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルグリコシド、アシル化グルカミン等)、カチオン性界面活性剤(塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等)を含有してもよい。
【0022】
中でも分子内に弱親水部位(アミド基、エステル基、ポリオキシアルキレン基、水酸基等)を有する界面活性剤が好ましい。例えば、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤、水酸基含有のイミダゾリン系活性剤やヒドロキシプロピルスルホン酸基を有する両性界面活性剤、アミンオキサイド類、ポリオキシアルキレン基や水酸基を含有する非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0023】
このような界面活性剤の含有量は本発明のリン酸エステル塩水溶液中、30重量%以下である。30重量%を超えると洗浄剤の製品化に際し、他成分の配合量が制限されたり、保存時に形態変化が起こるなど好ましくない。
【0024】
本発明においては、低温安定化のためにリン酸エステル塩水溶液のpHを 8.1〜10に調整することが必要であり、好ましくはpH 8.4〜9に調整する。リン酸エステル塩水溶液のpHが8.1 未満であると、低温安定性が著しく低下する。また、pHが10を超えてくると高粘度化が起こり、取り扱い性不良等からリン酸エステル塩の高濃度化が難しくなる。さらに、pHが10を超えた場合、強塩基性による人体や設備等への腐食が懸念されることは言うまでもない。
なお、本発明において、リン酸エステル塩水溶液のpHは、リン酸エステル塩濃度が10重量%となるようにイオン交換水で濃度調整後、市販のpHメーターにて30℃で測定した値である。
【0025】
本発明により長期間の保存や輸送に際し、低温による形態安定性の優れたリン酸エステル塩水溶液が得られる。その理由ははっきりしないが、一因として以下のことが考えられる。
即ち、リン酸エステル塩水溶液のpHを特定の領域とすることで、解離していない中性のミセルと解離しているイオン性ミセルの平衡がずれ、これがリン酸エステル塩のクラフト点を下げるとともに、リン酸エステル塩の特定な組成が系の結晶性や水和特性を変化させ、リン酸エステル塩の溶解性を向上させたものと考えられる。
【0026】
本発明のリン酸エステル塩水溶液は、上記成分を常法で混合、攪拌し、上記pH範囲に調整することにより製造することができ、シャンプー、ボディシャンプー、石鹸、洗顔料等の各種洗浄剤の配合原料として使用することができる。このような洗浄剤の基剤として本発明のリン酸エステル塩水溶液を使用する場合、使用量は通常洗浄剤中1〜90重量%(固形分換算)である。
本発明のリン酸エステル塩水溶液を洗浄剤の基剤として使用する場合、他の成分を併用する事ができる。このような併用可能物としては、一般にシャンプー、ボディシャンプー、石鹸、洗顔料等で使用されている、ポリマー(増粘剤)、酸化防止剤、防腐剤、殺菌剤、抗炎症剤、紫外線防止剤、パール化剤、溶剤、油剤、キレート剤、香料等が挙げられる。
これらの化合物を、本発明の効果を損なわない範囲において配合することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明により低温安定性に優れたリン酸エステル塩水溶液を得ることができ、本発明のリン酸エステル塩水溶液は長期間の保存や輸送に際し、低温においてもその形態が安定であり、保存や輸送時のコスト面や取り扱い性の面から、種々の洗浄剤の基剤として極めて有用である。
【0028】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
合成例1(ウンデシルリン酸エステルの合成)
ネオドール1(シェル社製商品名、C11H23OH、直鎖率(全アルコール重量中の直鎖アルコールの重量%, 以下同じ)84重量%)344 g、水18gを四つ口フラスコ(冷却管、温度計、攪拌装置付き)に仕込み、70℃にて無水リン酸(P2O5) 142gを添加後、80℃にて10時間反応を行った。次いで水25g添加後、85℃にて3時間反応を行った。反応終了後、反応物の水蒸気蒸留による精製を行い、ウンデシルリン酸エステル(モノウンデシルリン酸エステル:ジウンデシルリン酸エステル:リン酸:未反応アルコール=78:12:6:1 重量%、残部水分)522 gを得た。
【0030】
合成例2
ダイヤドール115L(三菱化学社製商品名、C11H23OH:C13H27OH:C15H31OH=47:31:22(重量比)の混合アルコール、直鎖率50%)を用い、合成例1の方法と同様にしてリン酸化反応を行い、リン酸エステル(リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸及び未反応アルコールを含む)を得た。
【0031】
実施例1〜5及び比較例1〜7
合成例1及び2と同様の方法にて得られた各種アルキルリン酸エステル(リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、リン酸及び未反応アルコールを含む)を使用し、表1に示す組成及びpHの各種リン酸エステル塩水溶液を調製した。尚、pH調整は水酸化カリウムにより行った。
得られたリン酸エステル塩水溶液を−10℃、−5℃、0℃、10℃、20℃に設定した恒温室に入れ、30日後にそれぞれの水溶液の状態変化を調査した。この結果を表1及び表2に示す。
尚、評価は次の基準によった。
○:透明液体
×:液状−液状又は液状−固体分離(浮遊、沈殿)又は固化(ゲル化)
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
注)
*1;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と同じアルキル鎖長、直鎖アルキル基率及び同じ対イオンのもの
*2;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と同じ対イオンのもの
*3;同一実施例又は比較例中のリン酸モノエステル塩と同じアルキル鎖長及び直鎖アルキル基率のもの
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明実施例のリン酸エステル塩水溶液は−5℃の温度にて30日の間、液状を保持していた。一方、比較例のリン酸エステル塩水溶液では、サンプルを調整後、1〜数日間は0℃程度で液状を示したものもあるが、30日後には0℃ではいずれも状態が変化していた。
Claims (5)
- 一般式(1)中のR1が炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、一般式(2)中のR2及びR3が炭素数8〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらR1, R2及びR3中の直鎖アルキル基の割合が全アルキル基の85重量%未満であり、一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩の含有量が一般式(1)で表されるリン酸モノエステル塩と一般式(2)で表されるリン酸ジエステル塩の重量の総和に対して80重量%以上である請求項2記載のリン酸エステル塩水溶液。
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