JPH08150800A - 画像形成体及び印刷物並びにこれらの真偽判定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、複写に対する対策を施した画像形成
体を貼り付けてその偽造を容易に真偽判定する。 【構成】商品券１０にオパール効果を有する画像形成体
１１を設け、この画像形成体１１の微細な万線状凹凸パ
ターン中に光の正反射する平坦化部１２を形成し、この
商品券１０をカラーコピーした場合、平坦化部１２が黒
色の符合「×」として現れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、微細な凹凸パターンを
形成した画像形成体及びこの画像形成体を貼り付けた商
品券等の印刷物並びにこれら画像形成体及び印刷物の真
偽判定方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】表面が微細な凹凸形状をなすパターンを
有する画像形成体として、金属光沢を有するシート状支
持体の表面に微細な万線状凹凸パターンを各画素ごとに
万線を少しづつ変えて複数群賦形してある画像形成体
（オパール効果を有する画像形成体）がある。

【０００３】この画像形成体は、例えば図８に示すよう
に支持体１にワックスラミネート２した金属箔３、例え
ばアルミ箔等のアルミニウムを蒸着し、必要ならばこの
金属箔３の表面に絵柄を施し、この後、微細な万線状凹
凸パターンをその万線方向を少しづつ変えて種々組み合
わせたエンボスパターンを設けたプレス版を押圧して作
製されている。

【０００４】このような画像形成体は、その表面の万線
状凹凸パターンにおける万線方向がそれぞれ異なるの
で、表面での反射光の反射方向が様々に変化し、見る角
度や方向を様々に変化させると各万線状凹凸パターンの
濃淡や輝きが動的に変化し、極めて華麗な効果（オパー
ル効果）を醸し出す。

【０００５】このオパール効果を有する画像形成体は、
作製時に使用されるエンボスパターンの製造が非常に難
しく、しかも支持体１上に予め形成されている絵柄との
見当合わせも難しいため、第三者が容易に偽造すること
は困難である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このオ
パール効果を有する画像形成体を複写、例えばカラーコ
ピーすると、そのカラーコピー画像は、金属光沢感は無
くなるものの、絵柄はそのまま再現される。

【０００７】このため、オパール効果を有する画像形成
体を見ずに、カラーコピーされた画像のみを単独で見た
場合には、オパール効果を有する画像形成体であるか偽
造されたものかを真偽判定することは困難である。

【０００８】そこで本発明は、複写に対する対策を施し
て偽造されたものかを容易に真偽判定できる画像形成体
を提供することを目的とする。又、本発明は、複写に対
する対策を施した画像形成体を貼り付けてその偽造を容
易に真偽判定できる印刷物を提供することを目的とす
る。

【０００９】又、本発明は、複写した偽造の画像形成体
であるかを容易に真偽判定できる画像形成体の真偽判定
方法を提供することを目的とする。又、本発明は、複写
した偽造の印刷物であるかを容易に真偽判定できる印刷
物の真偽判定方法を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１によれば、支持
体に絵柄の施された金属箔を設け、この金属箔に微細な
凹凸パターンを形成した画像形成体において、微細な凹
凸パターン中に、光の正反射する平坦化部を形成して上
記目的を達成しようとする画像形成体である。

【００１１】請求項２によれば、平坦化部は、偽造を示
す少なくとも符号で形成された画像形成体である。請求
項３によれば、平坦化部は、少なくとも「×」の符号又
は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形成された画像形成
体である。

【００１２】請求項４によれば、印刷の施された基板
に、少なくとも絵柄の施された金属箔を設け、この金属
箔に微細な凹凸パターンを形成した画像形成体を貼り付
けた印刷物において、微細な凹凸パターン中に、偽造判
定用として光の正反射する平坦化部を形成した印刷物で
ある。

【００１３】請求項５によれば、偽造を示す少なくとも
符号で形成された平坦化部を有する印刷物である。請求
項６によれば、平坦化部は、少なくとも「×」の符号又
は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形成された印刷物で
ある。

【００１４】請求項７によれば、支持体に絵柄の施され
た金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸パターンを形
成した画像形成体の真偽判定方法において、微細な凹凸
パターン中に光の正反射する平坦化部を形成し、この平
坦化部の形成された画像形成体を複写した場合、平坦化
部が黒色となる複写画像として得られることから偽造と
して判定して上記目的を達成しようとする画像形成体の
真偽判定方法である。

【００１５】請求項８によれば、印刷の施された基板
に、少なくとも絵柄の施された金属箔を設け、この金属
箔に微細な凹凸パターンを形成した印刷物の真偽判定方
法において、微細な凹凸パターン中に光の正反射する平
坦化部を形成し、この平坦化部の形成された印刷物を複
写した場合、平坦化部が黒色となる複写画像として得ら
れることから偽造として判定して上記目的を達成しよう
とする印刷物の真偽判定方法である。

【００１６】

【作用】請求項１によれば、支持体に絵柄の施された金
属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸パターンを形成
し、かつこの微細な凹凸パターン中に光の正反射する平
坦化部を形成していることから、複写した場合、平坦化
部において光の正反射が生じ、この平坦化部は黒色の複
写画像として得られ、偽造が容易に判別できる。

【００１７】請求項２によれば、平坦化部は偽造を示す
少なくとも符号に形成されているので、複写した場合、
偽造を示す黒色の符号が現れ、偽造が容易に判別でき
る。請求項３によれば、平坦化部は、少なくとも「×」
の符号又は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形成されて
いるので、複写した場合、少なくとも偽造を示す黒色の
符号「×」又は文字「ＣＯＰＹ」が現れ、偽造が容易に
判別できる。

【００１８】請求項４によれば、印刷の施された基板に
絵柄の施された金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸
パターンを形成し、かつこの微細な凹凸パターン中に光
の正反射する平坦化部を形成していることから、複写し
た場合、平坦化部において光の正反射が生じ、この平坦
化部は黒色の複写画像として得られ、印刷物の偽造が容
易に判別できる。

【００１９】請求項５によれば、平坦化部は偽造を示す
少なくとも符号に形成されているので、複写した場合、
偽造を示す黒色の符号が現れ、印刷物の偽造が容易に判
別できる。

【００２０】請求項６によれば、平坦化部は、少なくと
も「×」の符号又は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形
成されているので、複写した場合、少なくとも偽造を示
す黒色の符号「×」又は文字「ＣＯＰＹ」が現れ、印刷
物の偽造が容易に判別できる。

【００２１】請求項７によれば、支持体に絵柄の施され
た金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸パターンを形
成し、かつこの凹凸パターン中に光の正反射する平坦化
部を形成た画像形成体を複写すると、平坦化部が黒色と
なる複写画像として得られることから、この黒色を見て
画像形成体の偽造として判定する。

【００２２】請求項８によれば、印刷の施された基板に
絵柄の施された金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸
パターンを形成し、かつこの凹凸パターン中に光の正反
射する平坦化部を形成た印刷物を複写すると、平坦化部
が黒色となる複写画像として得られることから、この黒
色を見て印刷物の偽造として判定する。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。図１はオパール効果を有する画像形成体
を貼り付けた印刷物としての商品券の構成図である。

【００２４】この商品券１０には、商品券に必要な絵
柄、文字、数字等が印刷されている。この商品券１０の
左側下部には、オパール効果を有する画像形成体１１が
貼り付けられている。

【００２５】この画像形成体１１は、図８に示す画像形
成体と同様に、支持体１にワックスラミネート２した金
属箔３、例えばアルミ箔等のアルミニウムを蒸着し、必
要ならばこの金属箔３の表面に絵柄を施し、この後、微
細な万線状凹凸パターンをその万線方向を少しづつ変え
て種々組み合わせたエンボスパターンを設けたプレス版
を押圧して作製されている。

【００２６】このうち万線状凹凸パターンは、例えば３
００線／インチ、版深３０μｍの微細なエンボスに形成
されている。なお、この場合、支持体１に代えて紙等の
商品券１０に対しワックスラミネート２を介して金属箔
３を蒸着してもよい。

【００２７】この画像形成体１１には、偽造を示す少な
くとも符号の形状に形成された平坦化部１２が設けられ
ている。この平坦化部１２は、図２の断面図に示すよう
にその表面が平坦化されており、その形状は符号「×」
の形状に形成されている。

【００２８】平坦化部１２の形状は、符号「×」に限ら
ず種々の偽造を示す符号又は文字に形成してよい。例え
ば、偽造を示す符号又は文字は、図３に示すように「×
ＣＯＰＹ」又は「ＶＯＩＤ」、さらには図４(a) 〜(f)
に示す各種符号に形成してもよい。

【００２９】このような構成であれば、通常、商品券１
０の画像形成体１１は、施された絵柄を見ることができ
る。そして、画像形成体１１の表面の万線状凹凸パター
ンにおける万線方向がそれぞれ異なるので、表面での反
射光の反射方向が様々に変化し、見る角度や方向を様々
に変化させると各万線状凹凸パターンの濃淡や輝きが動
的に変化し、極めて華麗な効果つまりオパール効果を醸
し出す。

【００３０】ところが、この商品券１０が複写、例えば
カラーコピーされると、画像形成体１１の平坦化部１２
は、図５に示すように黒色のカラーコピー画像として現
れる。

【００３１】すなわち、カラーコピーする場合、商品券
１０に対して光を照射し、その反射像を受光してカラー
コピー画像を得るものとなる。このとき、商品券１０の
画像形成体１１に光が照射されると、図２に示すように
万線状凹凸パターンの部分では散乱光となり、平坦化部
１２では正反射光となる。

【００３２】この平坦化部１２における正反射光によ
り、カラーコピー装置において受光される光量が所定光
量よりも大きくなり、カラーコピー画像を作成すると、
平坦化部１２は、黒色として現れる。

【００３３】従って、カラーコピーされた商品券は、画
像形成体１１に黒色の符号「×」が現れることから、カ
ラーコピーされた商品券であることの真偽が容易に判定
される。

【００３４】このように上記一実施例においては、商品
券１０にオパール効果を有する画像形成体１１を設け、
この画像形成体１１の微細な万線状凹凸パターン中に光
の正反射する平坦化部１２を形成したので、この商品券
１０をカラーコピーした場合、平坦化部１２が黒色の符
合「×」として現れることから、本物の商品券１０と偽
造した商品券とを比べなくても、商品券１０を偽造つま
り複製したものであることが容易に判定できる。

【００３５】そのうえ、通常、平坦化部１２には、予め
施された絵柄が見られるので、ただ単に商品券１０を見
ただけでは、画像形成体１１にカラーコピーによる偽造
の対策が施されていることは分からない。

【００３６】又、画像形成体１１を単体で使用した場
合、例えばテレホンカードとして使用した場合、この画
像形成体１１をカラーコピーした場合、平坦化部１２が
黒色の符合「×」として現れることから、画像形成体１
１を偽造したものであることが容易に判定できる。

【００３７】又、画像形成体１１を適用するものとして
例えば入出室管理カードがある。この入出室管理カード
に平坦化部１２を形成した画像形成体１１を設ければ、
入出室管理カードをカラーコピーした場合、平坦化部１
２が黒色の符合「×」として現れることから、入出室管
理カードを偽造したものであることが容易に判定でき、
所定の管理区域に対する外部者の侵入を防止できる。

【００３８】次に本発明の他の実施例について説明す
る。図６はオパール効果を有する画像形成体を貼り付け
た商品券の構成図である。この商品券２０には、商品券
に必要な絵柄、文字、数字等が印刷され、かつその左側
下部には、オパール効果を有する画像形成体２１が貼り
付けられている。

【００３９】この画像形成体２１は、上記同様に、支持
体１にワックスラミネート２した金属箔３、例えばアル
ミ箔等のアルミニウムを蒸着し、必要ならばこの金属箔
３の表面に絵柄を施し、この後、微細な万線状凹凸パタ
ーンをその万線方向を少しづつ変えて種々組み合わせた
エンボスパターンを設けたプレス版を押圧して作製され
ている。

【００４０】この画像形成体２１には、偽造を示すため
の平坦化部２２が設けられている。この平坦化部２２
は、その表面が平坦化されており、その形状は楕円形状
に形成されている。そして、この平坦化部２２には、文
字「ＡＢＣ」が印刷ロゴとして印刷されている。

【００４１】このような構成であれば、通常、商品券２
０の画像形成体１１は、施された絵柄及び文字「ＡＢ
Ｃ」を見ることができる。この絵柄は、表面の万線状凹
凸パターンにおける万線方向がそれぞれ異なるので、濃
淡や輝きが動的に変化し、極めて華麗な効果つまりオパ
ール効果を醸し出す。

【００４２】ところが、この商品券２０がカラーコピー
されると、画像形成体１１の平坦化部２２は、図７に示
すように黒色のカラーコピー画像として現れる。すなわ
ち、カラーコピーされた商品券は、画像形成体２１にお
ける平坦化部２２の文字「ＡＢＣ」が見えなくなり、平
坦化部２２の楕円形状全体が黒色として現れ、カラーコ
ピーされた商品券であることの真偽が容易に判定され
る。

【００４３】このように他の実施例によれば、上記一実
施例と同様の効果を奏することは言うまでもない。な
お、本発明は、上記各実施例に限定されるものでなく次
の通り変形してもよい。

【００４４】例えば、商品券に限らず、証券類、株券、
小切手、籤引き券などの印刷物全般に適用できる。又、
オパール効果を有する画像形成体に適用した場合につい
て説明したが、これに限らずホログラム中に平坦化部を
形成し、その偽造防止を図るようにしてもよい。

【００４５】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、複
写に対する対策を施して偽造されたものかを容易に真偽
判定できる画像形成体を提供できる。又、本発明は、複
写に対する対策を施した画像形成体を貼り付けてその偽
造を容易に真偽判定できる印刷物を提供できる。

【００４６】又、本発明は、複写した偽造の画像形成体
であるかを容易に真偽判定できる画像形成体の真偽判定
方法を提供できる。又、本発明は、複写した偽造の印刷
物であるかを容易に真偽判定できる印刷物の真偽判定方
法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる画像形成体を貼り付けた商品券
の一実施例を示す構成図。

【図２】平坦化部における光反射作用を示す模式図。

【図３】平坦化部の符号及び文字の形状を示す図。

【図４】平坦化部の符号の形状を示す図。

【図５】商品券のカラーコピー画像を示す図。

【図６】本発明に係わる画像形成体を貼り付けた印刷物
の他の実施例を示す構成図。

【図７】商品券のカラーコピー画像を示す図。

【図８】微細な万線状凹凸パターンの形成された画像形
成体の構成図。

【符号の説明】

１…支持体、２…ワックスラミネート、３…金属箔、１
０，２０…商品券、１１，２１…画像形成体、１２，２
２…平坦化部。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体に絵柄の施された金属箔を設け、
   この金属箔に微細な凹凸パターンを形成した画像形成体
   において、 前記微細な凹凸パターン中に、光の正反射する平坦化部
   を形成したことを特徴とする画像形成体。
2. 【請求項２】 平坦化部は、偽造を示す少なくとも符号
   で形成されたことを特徴とする請求項１記載の画像形成
   体。
3. 【請求項３】 平坦化部は、少なくとも「×」の符号又
   は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形成されたことを特
   徴とする請求項２記載の画像形成体。
4. 【請求項４】 印刷の施された基板に、少なくとも絵柄
   の施された金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸パタ
   ーンを形成した画像形成体を貼り付けた印刷物におい
   て、 前記微細な凹凸パターン中に、偽造判定用として光の正
   反射する平坦化部を形成したことを特徴とする印刷物。
5. 【請求項５】 偽造を示す少なくとも符号で形成された
   平坦化部を有することを特徴とする請求項４記載の印刷
   物。
6. 【請求項６】 平坦化部は、少なくとも「×」の符号又
   は少なくとも「ＣＯＰＹ」の文字に形成されたことを特
   徴とする請求項５記載の印刷物。
7. 【請求項７】 支持体に絵柄の施された金属箔を設け、
   この金属箔に微細な凹凸パターンを形成した画像形成体
   の真偽判定方法において、 前記微細な凹凸パターン中に光の正反射する平坦化部を
   形成し、この平坦化部の形成された画像形成体を複写し
   た場合、前記平坦化部が黒色となる複写画像として得ら
   れることから偽造として判定することを特徴とする画像
   形成体の真偽判定方法。
8. 【請求項８】 印刷の施された基板に、少なくとも絵柄
   の施された金属箔を設け、この金属箔に微細な凹凸パタ
   ーンを形成した印刷物の真偽判定方法において、 前記微細な凹凸パターン中に光の正反射する平坦化部を
   形成し、この平坦化部の形成された印刷物を複写した場
   合、前記平坦化部が黒色となる複写画像として得られる
   ことから偽造として判定することを特徴とする印刷物の
   真偽判定方法。