JPH08150723A - インクジェット装置及び該装置に用いられるインク供給装置 - Google Patents

インクジェット装置及び該装置に用いられるインク供給装置

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JPH08150723A
JPH08150723A JP29666194A JP29666194A JPH08150723A JP H08150723 A JPH08150723 A JP H08150723A JP 29666194 A JP29666194 A JP 29666194A JP 29666194 A JP29666194 A JP 29666194A JP H08150723 A JPH08150723 A JP H08150723A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク流路を備えた記録ヘッドカートリッジ
の大型化等に起因するインクジェット装置の大型化およ
び複雑化を招かないインクジェット装置及びインク供給
装置を提供すること、及び、フィルター部への気泡の付
着による吐出の不安定化に起因する記録画像品位の低下
防止を目的としている。 【構成】 インクを収容するインク収容部1とインクを
吐出するための吐出部3とを連通させるインク流路4
と、を備え、前記インク収容部1は前記吐出部3よりも
上方に位置するものであって、前記インク流路4は、少
なくとも2つの曲部を有し、該曲部間のインク流路7は
重力方向に対して直交する方向に対して交差する方向に
延在しており、該曲部間のインク流路中には該延在方向
に沿ってフィルター6が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出して記録
を行うインクジェット装置及び該インクが流れるインク
供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録手段から被記録媒体へインクを吐出
して記録を行うインクジェット記録方式は、静粛性、低
コスト性等の理由から広く用いられている。なかでも、
被記録媒体に対して記録走査を行うために記録手段を搭
載するキャリッジ上に、インク収容部も備えた構成は、
上述の利点に加えさらに装置の小型化が可能なために主
流となっている。
【0003】この小型化を可能としている一つの理由
は、記録手段に対してインク収容部からインクを供給す
るためのインクチューブ等の長い液体供給路を設ける必
要がないため、装置の構成を簡単にできることである。
従って、インクチューブ等からの気体の侵入がないた
め、装置自体の信頼性が長期にわたって保証される。
【0004】そして現在では、上述した記録手段とイン
ク収容部とを、装置に装着した場合には一体型となるが
個々に取り外しが可能な記録ヘッドカートリッジやイン
クカートリッジのようなカートリッジ形態としている。
【0005】これは、記録手段からのインク吐出ができ
なくなった場合に、インク収容部のみを交換することに
より再度記録を可能とすることができるため、ランニン
グコストを低減することができるという利点がある。
【0006】また、記録手段とインク収容部とが一体構
成となっている形態に比べ部品点数も少ないため、使用
済みとなったインク収容部等の交換部の処理も容易であ
り、環境への影響も軽減できるなどの利点がある。
【0007】そして、上述した装置の小型化に加え、現
在では画像の高精細化による高画質化及び高速化も要求
されている。この高精細化のためには、通常記録手段に
設けられるインク吐出用ノズルをより微細にする方法が
よく用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した高精細化のた
めにノズルを微細にした場合には、インク収容部から記
録手段へのインク供給経路中に設けられたゴミ除去用の
フィルターのメッシュサイズをより細かくする必要が生
じる。一方、高速化のためには、インク収容部から記録
手段への単位時間当たりのインク供給量を増加させる必
要が生じる。結果として、高精細及び高速化を両立させ
るためには、フィルタ前後での圧力差が増大する傾向を
呈することになる。従って、圧力損失が増加し、応答周
波数が低下するおそれが生じる。
【0009】これを抑制するための有効な手段として
は、フィルター部におけるフィルター面積を大きくして
インクが通過する際の有効面積を増加させることが挙げ
られる。フィルター部については、記録手段のインク吐
出部とインク収容部とを結ぶインク供給経路の間にフィ
ルター室を設ける構成が一般的であるが、装置自体の小
型化のために記録手段とインク収容部とをカートリッジ
形式とした場合には、フィルター面積を大きくするにも
限界がある。
【0010】また、フィルター室を大きくして流路を構
成する壁面の総面積が増加した場合には、カートリッジ
形式のインク収容部(以下インクカートリッジとも言
う)や記録ヘッド等の記録手段(以下記録ヘッドカート
リッジとも言う)を用いたとしても、長期間の使用中に
は、前述した記録手段とインク収容部をチューブ等によ
って接続する場合によく見られるインク供給路への気体
の侵入と同様の現象が生じて、それぞれの外壁を構成す
る部材を通して気体が内部に侵入し、インク流路中に気
泡を形成する可能性が高くなる。
【0011】この気泡が前述したフィルターに付着した
状態が維持され、フィルターの有効面積を減少させた場
合には、応答周波数が低下し、吐出が不安定となる。従
って、単にフィルター部のフィルター面積を増加させる
だけでは安定した吐出を維持することは困難であるとい
える。
【0012】通常、フィルターに付着した気泡の除去
は、記録手段の吐出口部からの吸引回復処理等により行
われるが、気泡を完全に除去するためには大容量の吸引
装置が必要となり、装置の小型化の流れに逆行すること
になってしまう。
【0013】特にこの現象は図9に示した、装置の幅方
向の小型化を図るために重力方向に対して上方にインク
収容部、下方にインク吐出手段を配する構成とした場合
のフィルター部のように、重力方向に沿ってインク流路
4が設けられている場合において上述の課題が顕著にな
る。これは、フィルターより下側のインク流路中の気泡
は浮力によりフィルターに付着し易いため、フィルター
部における気泡は有効断面積を減少させるように成長す
る可能性が高くなるためである。
【0014】一方、フィルターのインク収容部側に位置
する気泡30は、その浮力(図中矢印C)が吸引回復処
理によりフィルターを通過させるように働く力(図中矢
印D)に抗じるように働くため、残留する可能性が高く
なる。
【0015】本発明では、上記点に鑑み、インク流路を
備えた記録ヘッドカートリッジの大型化等に起因するイ
ンクジェット装置の大型化および複雑化を招かないイン
クジェット装置及びインク供給装置を提供することを目
的としている。
【0016】また、フィルター部への気泡の付着による
吐出の不安定化に起因する記録画像品位の低下防止を目
的としている。
【0017】さらに、フィルターに重力方向に対して上
方にインク収容部、下方にインク吐出手段を配する構成
によって装置の幅方向の小型化を図る場合においても、
気泡の除去をより確実に行うことが可能なインクジェッ
ト装置やインク供給装置を提供することを目的としてい
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明は、インクを収容するインク収容
部とインクを吐出するための吐出部とを連通させるイン
ク流路と、を備えたインクジェット装置において、前記
インク収容部は前記吐出部よりも上方に位置するもので
あって、前記インク流路は、少なくとも2つの曲部を有
し、該曲部間のインク流路は重力方向に対して直交する
方向に対して交差する方向に延在しており、該曲部間の
インク流路中には該延在方向に沿ってフィルターが設け
られている構成を提供するものである。
【0019】そして、上記構成に加え、前記曲部間のイ
ンク流路は重力方向に対しても交差する構成も提案する
ものである。
【0020】また、前記インク流路が、前記フィルター
を備えた室と、該室と前記インク収容部とを連通させる
第1のインク流路と、該室と前記吐出部とを連通させる
第2のインク流路と、からなり、前記第1のインク流路
が前記室の下方に開口し、前記第2のインク流路が前記
室の上方に開口することにより前記曲部を形成する構成
も提案するものである。
【0021】さらに、前記曲部間のインク流路が、重力
方向に対して上方の曲部近傍の断面積に比べ下方の曲部
近傍の断面積が大きい構成も提供するものである。
【0022】加えて、前記室のフィルターと前記第1の
流路の開口との間に、前記フィルターの総面積よりも小
さい総面積の弁が設けられている構成も提供するもので
ある。ここで、前記弁の前記フィルター側に溝が設けら
れている構成としても良い。
【0023】
【作用】上記構成を採用することにより、前記フィルタ
ーに付着した気泡を除去するために、回復処理等により
前記フィルターの前後に圧力差を生じさせた場合に、そ
の力を効率よく気泡に作用させ、フィルター部の気泡通
過を容易にすることができる。
【0024】また、気泡に起因するフィルター部の有効
面積の減少を抑制し、安定した記録品位を保つことがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、図面を用いて詳細に説明する。なお、
図において同一の番号を付したものは同等の機能を有す
るものとする。
【0026】まず、図1に 本発明に係わるインクジェ
ット装置IJRAの一例として装置の概略斜視図を示
す。図1において、1はインク収容部であるインクカー
トリッジであり、8はインクカートリッジ1と後述する
記録手段である記録ヘッドカートリッジ2を着脱可能に
搭載するキャリッジである。
【0027】9はキャリッジ8を記録紙やプラスチック
薄板等の被記録媒体11に対して走査させるためのリー
ドスクリューであり、10はキャリッジ8の走査を案内
するためのガイドレールである。ここで、リードスクリ
ュー9はギア13及び14を介して駆動モータ15の正
逆回転に連動し、さらに、リードスクリュー9に刻まれ
た螺旋溝12がキャリッジ8に設けられた不図示の係合
部と係合しているため、キャリッジ8の走査は駆動モー
タ15の駆動によって装置の長手方向に行われることに
なる。そして、被記録材11は、プラテンローラ16に
よって搬送される。
【0028】また、被記録材11の搬送領域に隣接し
て、後述する記録手段に設けられる吐出部の回復手段が
設けられる。この回復手段は、前記記録ヘッドカートリ
ッジの吐出口部(不図示)をキャッピングするためのキ
ャップ部材20と、このキャップ部材20に設けられた
内部開口(不図示)を介して吐出部を吸引回復する吸引
手段21からなる。この吸引手段には、ギア22及び切
り替えクラッチ等の公知の伝達手段により、駆動モータ
15から駆動力が伝達される。
【0029】そして、キャップ部材20の上下動等の移
動は、ギア23等を介して伝達される駆動力によりなさ
れ、吐出口が設けられた部分と密着させることにより吐
出口の吸引回復や乾燥等の低減を可能とする。
【0030】さらに、上述の吸引回復処理は吐出口の目
詰まり等の回復だけでなく、吸引量を変化させることに
より、インクカートリッジから吐出部までのインクを排
出させて微細なゴミや気泡等をフィルター部だけでなく
インク流路内から除去することも可能である。このイン
ク流路の回復処理は定期的に、またはユーザーが必要と
判断した場合に強制的に行われるものであり、良好な印
字品位を維持することが可能となる。
【0031】前述のキャッピング及び吸引回復の各処理
は、キャリッジ8がホームポジション側の領域に来たと
きに、それぞれの対応位置で行われることになる。そし
て、これらの各処理は周知のタイミング及びシーケンス
を利用して任意の態様で、単独または複合的に実施され
る。
【0032】(第1実施例)本発明に係わる第1の実施
例として、インクジェット装置のキャリッジ部の一例で
ある断面概略図を図2に示す。また、図3には、図2の
インク供給系(インク供給装置)としてのインク流路4
の拡大断面図を示す。ここで、図中矢印Aは重力方向を
示す。
【0033】図2において、1はインクを貯留するため
のインク収容部であるインクカートリッジ、2はインク
カートリッジ1から供給されるインクを用いて記録を行
う記録手段としての記録ヘッドカートリッジである。
【0034】3はインクを吐出するためのノズル(吐出
口)を有する吐出部であり、4はインクカートリッジ1
と吐出部3を連通させるインク流路である。そして5
は、インクカートリッジ装着時にはインクカートリッジ
内部とインク流路4とを水密的に連結し、取り外し時に
は閉状態にするためのジョイント部であり、本実施例で
はゴム等の弾性部材からなる。ここで、この弾性部材か
らなるジョイント部5に対して従来周知の方法にてイン
ク流路4の端部が接続される。
【0035】そして、インク流路4は、フィルター6を
備えた折り返し流路部7と、この折り返し流路部7とイ
ンク収容部と吐出部とをそれぞれ連通させるインク流路
とからなる。本実施例においては、この折り返し流路は
フィルター室により構成される。
【0036】なお、本実施例において詳述はしないが、
インクカートリッジ1は、メニスカスを形成する連通部
を有する複数室構造などの周知の圧力調整機構を備える
ことにより、ノズルからのインク漏れを生じないように
ノズル部の圧力を大気圧以下にしている。
【0037】上述したインクカートリッジ1及び記録ヘ
ッドカートリッジ2は、キャリッジ8に着脱可能に装着
される構成を採る。このキャリッジ8は、インクジェッ
ト装置に設けられたレールであるガイド軸9によって支
持され、記録時にはガイド軸上を走査する。本実施例で
は、被記録媒体10は重力方向に対して交差する方向に
配され、ノズル3から吐出されるインクは重力方向に沿
って飛翔することになる。
【0038】次に、本実施例におけるインク及び気泡の
流れを説明する。前述した回復処理装置等により吐出口
を介して吸引すると、吐出部3内のインクはノズルから
吸い出され、新しいインクがインクカートリッジ1から
吐出部3へと補給される。
【0039】このときのインクの流れを図3を用いて以
下に説明する。図3において、インク流路4aはインク
を収容しているインクカートリッジ1との連通路であ
り、インク流路4bの下方は吐出部を有する記録ヘッド
カートリッジ2との連通路である。そして、インク流路
の断面形状はフィルター室7の上部と下部で折り返さ
れ、屈曲した形状となっている。従って、インク流路4
はインク流路4aと折り返し流路7とが連通する箇所
と、折り返し流路7とインク流路4bとが連通する箇所
のそれぞれに曲部を有する構成となり、言い換えれば折
り返し流路は曲部と曲部の間に位置することになる。
【0040】インクはインクカートリッジ1側より重力
方向に沿って下方へインク流路4a内を流れ、フィルタ
ー6が配された折り返し流路7の最下部近傍にに流入
し、その後、折り返し流路7内では重力方向とは逆の方
向に、すなわち図中Bで示した浮力の働く方向にインク
は流れる。そして、折り返し流路の最上部近傍からイン
ク流路4bへとインクは流入し、再び重力方向に沿って
下方へ流れ、ノズルを有する吐出部3側にインクは到達
する。ここで、インクの流れに対する作用力は吸引手段
21とキャップ20の密着により形成された吐出部とイ
ンクカートリッジとに作用する圧力の差に起因するもの
である。
【0041】一方、ある程度の大きさを有する気泡は前
述のインクの流れに乗って移動するものであるが、これ
を促進するために、本実施例ではインク流路4a及び4
bを比較的細く、断面が一様な形状としている。このた
め、インク流路4a及び4b中では流速は速くなり、流
路壁に付着した気泡は容易に剥離し、回復処理時に吐出
部から排出されやすくなる。
【0042】そして、折り返し流路として設けられてい
るフィルター室7は、重力方向に沿って延在しており、
その下部と上部においてインク流路4a及び4bとそれ
ぞれ連通している。本実施例では、最下部と最上部にそ
れぞれ開口部が設けられている。これは、インク流路4
自体はインク滞留部が生じ難い連続的な流路構成とする
ためであり、回復系からの吸引力がインクに作用する場
合の損失を少ないものとして、気泡に作用する力をより
強いものとできる。
【0043】そして、フィルター室内において、気泡に
対して働く浮力の方向に沿ってインクが流れる構成を採
用しているので、回復処理時にフィルター6に付着した
気泡の剥離が容易になるだけでなく、インク流路4a中
の気泡もフィルター6を通過し易くなる。従って、吸引
回復処理によるフィルター部の気泡除去をより確実なも
のにできる。
【0044】また、本願においては、折り返し流路部と
なるフィルター室7内のインク流れの方向に沿ってフィ
ルターを設ける構成となっているので、折り返し流路の
インク流れ方向における断面積を大きくすることなく、
フィルターの有効面積を大きくすることができる。これ
により、装置を大型化させることなくインクが記録時等
にフィルター6を通過する際に生じる圧力損失を低減す
ることができ、高速化のために単位時間当たりのインク
供給量を増加させたり、高精細化のためにフィルターの
メッシュサイズを小さくしても供給能力が低下すること
はない。
【0045】(第2実施例)本発明に係わる第2の実施
例の一例を図4及び図5に示す。図4はインクジェット
装置のキャリッジ部の断面概略図である。また、図5
は、図4におけるインク流路4の拡大断面図である。
【0046】本実施例においては、図4に示したように
前述の実施例に比べて、フィルタ室7bが重力方向(も
しくは重力方向に直交する水平方向)に対して傾斜して
いる構成が異なっている。
【0047】その他の構成は第1実施例と同様であり、
図5に示したようにインク流路4a及び4bは比較的細
く、断面が一様な形状であり、インク流路4a及び4b
中では流速は速くなり、折り返し流路として設けられて
いるフィルター室7bの最下部と最上部にインク流路4
a及び4bがそれぞれ開口している。
【0048】上述したようにフィルタ室7bを重力方向
及び重力方向に直交する水平方向にに対して傾斜させて
設けたことにより、断面形状として屈曲部の総数を減少
させるともに、インク流路の長さを短くすることができ
る。図3及び図5から明らかなように、それぞれの形態
のインク流路4を同一断面積内に設ける場合には、L2
+ L3+ L4> L2' +L3' +L4' であるから、第
1実施例における総流路長よりも本実施例の総流路長の
ほうが短くなる。従って、本実施例の構成を用いること
により、総流路抵抗がさらに減少し、記録の高速化や高
精細化がより実現しやすくなるとともに、回復時のフィ
ルター部の気泡に作用する力の損失を低減させることが
できる。従って、吸引回復処理による気泡除去をより確
実なものとできる。
【0049】さらに、総流路壁面積の減少により長期使
用時等によく見られる気体の浸透等によるインク流路中
への気体侵入確率をより低下させることができる。
【0050】また、本実施例のように傾斜流路7bに沿
ってフィルター6を設ける構成とすることにより、微細
な泡がフィルター6に付着し難くでき、インク流路から
の除去も行いやすくなることが見出された。上述した微
細な泡は、高画質を得るための手法としてインク中に界
面活性剤を含有させた場合に発生しやすくなる。このよ
うな泡は、断面積が小さいために、インク圧力が十分に
作用せず、フィルター部の通過が困難となる。特に、フ
ィルターのメッシュサイズと同程度の泡はフィルターに
付着した場合表面張力等により安定した状態で存在しや
すいため、除去が難しくフィルターの有効面積を減少さ
せてしまう。
【0051】しかしながら、本願の構成を採用すること
により、折り返しインク流路7bとフィルター6が重力
方向及び重力に直交する水平方向に対して角度を有する
ように配されているため、泡の浮力はフィルターから離
間する方向に作用する。
【0052】このため、インクが流れている状態でも泡
はフィルターへ付きにくく、剥離しやすくなるのと同時
に、泡が流路壁に沿って折り返しインク流路であるフィ
ルター室の上部空間に移動しやすくなり、微細な泡は互
いに連結、成長して大きな気泡30となる。この結果、
微細な泡も通常の気泡と同様に除去可能となり、泡によ
りフィルターの有効面積を減少させることを抑止でき、
高品位な画像を提供できる。
【0053】(その他の実施例)前述した第2実施例の
変形例を図6に示す。図6(a)はインク流路4の概略
断面図であり、図6(b)は図6(a)におけるP−P
断面を示す概略断面図である。本実施例では、インク流
路4のフィルター室の形状を上方に向かうにつれて流路
断面積が減少するように、図6(b)に示した台形形状
の折り返し流路を採用している。
【0054】本構成を採用することにより、インク流路
4aからフィルタ室内に流入したインクの流速は、一旦
下がった後フィルター室7bの上方に向かうにつれて上
昇し、最も気泡30の位置しやすいフィルター室7bの
最上部で流速が一番高くなる。
【0055】これにより、前述の実施例における効果に
加えて、気泡30がフィルター6を通過させるために必
要とされる力をより小さいものとできるので、吸引手段
に対して要求されるフィルター部への作用力が軽減す
る。従って、装置のより一層の小型化もしくはノズルの
微細化による画像の高精細化、すなわちメッシュサイズ
の微細化に対応できる。なお、本構成では台形形状とし
たが、断面積を上方に向けて減少させる形状としては任
意であり、これに限るものではない。
【0056】また、折り返しインク流路7bの上方のイ
ンク流路4bとの連通開口部近傍のインク流速を上昇さ
せるための他の変形例として、上述の構成に弁機構を設
け、回復処理時の流速を速くする構成を図7に示す。図
7(a)はインク流路4の概略断面図であり、図7
(b)は図7(a)におけるQ−Q断面を示す概略断面
図である。
【0057】図7(a)に示したように、本構成では弁
17が記録停止時及び記録時にはフィルター6から離間
した位置に設けられている。なお、弁17はフィルター
室内のフィルター6よりもインク流路4a側、すなわち
インク収容部に近い側に設けられている。ここで、弁1
7は厚さ10〜100μmのシートであり、例えばPP
Sなどの樹脂で形成される。
【0058】弁17は、記録時等の緩やかなインク流れ
の場合にはフィルター部に接することなく、回復時等の
フィルター前後で圧力差の高い場合にはフィルターに密
着してフィルターの有効面積を減少させる弾性を持った
ものであれば上記形状及び材質に限られない。
【0059】本構成を採用することにより、回復時に確
実にフィルター6を気泡が通過できる圧力差及び圧力を
生じさせることが可能であり、一方、記録時の印字品位
を低下させることはない。
【0060】なお、図7に示した構成の場合、フィルタ
ー6と弁17の間に侵入し、フィルター6に付着した泡
は、通常の吸引回復時に除去が困難になる可能性が高
く、記録時のフィルターの有効面積を減少させたり、回
復時に弁が有効に機能しないおそれがあるので、以下に
示す弁の構成とすることが望ましい。
【0061】図8にその構成を示す。図8(a)は図7
においてQ方向から見た弁の形状を示す概略図であり、
図8(b)は図8(a)におけるR−R断面を示した断
面概略図である。本構成では、弁18に溝部19を設け
ている。特に、本構成はフィルターと弁との間に気泡が
表面張力等により付着、滞留している場合に有効であ
る。溝部19により気泡自体の浮力と表面張力により球
形に復帰しようとする作用力により、フィルター室上方
への移動を促進することができ、フィルターと弁との間
から気泡を排出することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成を用
いることにより、フィルター部において、気泡に対して
働く浮力の方向に沿ってインクが流れる構成を採用して
いるので、フィルターに付着した気泡の剥離が容易にな
るだけでなく、インク流路中の気泡もフィルターを通過
し易くなる。従って、吸引回復処理による気泡除去をよ
り確実なものとできる。
【0063】また、インク流路中に設けられた曲部と曲
部の間に位置する折り返し流路部である、重力方向に直
交する方向に対して交差するインク流路部を設け、この
曲部間のインク流路が延在する方向に、すなわちインク
流れの方向に沿ってフィルターを設ける構成となってい
るので、従来のフィルター部を設けた場合のように折り
返し流路のインク流れ方向における断面積を大きくする
ことなく、フィルターの有効面積を大きくとることがで
き、これにより記録に伴うインクのフィルター通過の際
に生じる圧力損失を低減することができ、高速化のため
に単位時間当たりのインク供給量を増加させたり、高精
細化のためにフィルターのメッシュサイズを小さくして
も供給能力が低下することはない。そしてまた、回復処
理時に気泡に対して働く作用力の損失も少ないものとで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるインクジェット装置の一例を示
す概略斜視図。
【図2】本発明の第1実施例であるインクジェット装置
のキャリッジ部の一例を示す概略断面図。
【図3】図2におけるインク流路の拡大断面図。
【図4】本発明の第2実施例であるインクジェット装置
のキャリッジ部の一例を示す概略断面図。
【図5】図4におけるインク流路の拡大断面図。
【図6】(a)(b)は第2実施例の変形例を示す概略
断面図。
【図7】(a)(b)は第2実施例の他の変形例を示す
概略断面図。
【図8】(a)(b)は図7の実施例の変形例を示す概
略断面図。
【図9】従来のインク流路を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ 2 記録ヘッドカートリッジ 3 吐出部 4 インク流路 5 ジョイント部 6 フィルター 7 折り返し流路(フィルター室) 8 キャリッジ 9 リードスクリュー 10 ガイドレール 11 被記録部材 12 螺旋溝 13 ギア 14 ギア 15 駆動モータ 16 プラテンローラ 17 弁 18 溝付弁 19 溝 20 キャップ部材 21 吸引装置 22 ギア 23 ギア

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容するインク収容部とインク
    を吐出するための吐出部とを連通させるインク流路を備
    えたインクジェット装置において、 前記インク収容部は前記吐出部よりも上方に位置するも
    のであって、 前記インク流路は、少なくとも2つの曲部を有し、該曲
    部間のインク流路は重力方向に対して直交する方向に対
    して交差する方向に延在しており、 該屈曲部間のインク流路中には該延在方向に沿ってフィ
    ルターが設けられていることを特徴とするインクジェッ
    ト装置。
  2. 【請求項2】 前記曲部間のインク流路は重力方向に対
    しても交差することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット装置。
  3. 【請求項3】 前記インク流路は、前記フィルターを備
    えた室と、該室と前記インク収容部とを連通させる第1
    のインク流路と、該室と前記吐出部とを連通させる第2
    のインク流路と、からなり、 前記第1のインク流路が前記室の下方に開口し、前記第
    2のインク流路が前記室の上方に開口することにより前
    記曲部を形成することを特徴とする請求項1に記載のイ
    ンクジェット装置。
  4. 【請求項4】 前記曲部間のインク流路は、重力方向に
    対して上方の曲部近傍の断面積に比べ下方の曲部近傍の
    断面積が大きいことを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット装置。
  5. 【請求項5】 前記室のフィルターと前記第1の流路の
    開口との間には、前記フィルターの総面積よりも小さい
    総面積の弁が設けられていることを特徴とする請求項3
    に記載のインクジェット装置。
  6. 【請求項6】 前記弁の前記フィルター側に溝が設けら
    れていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェ
    ット装置。
  7. 【請求項7】 インクを収容するインク収容部と該イン
    クを吐出するための吐出部とを連通させるインク流路を
    有するインク供給装置において、 少なくとも2つの曲部を有し、該曲部間のインク流路は
    重力方向に対して直交する方向に対して交差する方向に
    延在しており、 該曲部間のインク流路中には該延在方向に沿ってフィル
    ターが設けられていることを特徴とするインク供給装
    置。
  8. 【請求項8】 前記曲部間のインク流路は重力方向に対
    しても交差することを特徴とする請求項7に記載のイン
    ク供給装置。
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