JPH08149967A - カフェイン強化飲料 - Google Patents
カフェイン強化飲料Info
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- JPH08149967A JPH08149967A JP6294155A JP29415594A JPH08149967A JP H08149967 A JPH08149967 A JP H08149967A JP 6294155 A JP6294155 A JP 6294155A JP 29415594 A JP29415594 A JP 29415594A JP H08149967 A JPH08149967 A JP H08149967A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カフェインの苦みが抑制され、味が良く飲み
易いカフェイン強化飲料を提供する。 【構成】 カフェイン25〜175mg%及びナリンジン
5〜70mg%を含む、ブリックス6〜20のカフェイン
強化飲料。
易いカフェイン強化飲料を提供する。 【構成】 カフェイン25〜175mg%及びナリンジン
5〜70mg%を含む、ブリックス6〜20のカフェイン
強化飲料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カフェインを添加した
飲料に関する。詳細に述べると、本発明は、カフェイン
の苦みが抑制され、味が良く飲み易いカフェイン強化飲
料に関するものである。
飲料に関する。詳細に述べると、本発明は、カフェイン
の苦みが抑制され、味が良く飲み易いカフェイン強化飲
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、コーヒー、緑茶、紅茶、ウー
ロン茶等の茶類に含まれるカフェインが、眠気をなく
し、爽快感を与えることが知られている。そのため、こ
れらの飲料は味覚を楽しむだけでなく、仕事、スポー
ツ、自動車の運転などの疲れを解消するために飲まれて
いる。しかし、仕事などの疲れを速やかに解消したり、
眠気を覚まして勉強や自動車の運転を続けるために、カ
フェインを多く摂取しようとすると、コーヒーや緑茶な
どの飲料を多量に飲む必要がある。そこで、カフェイン
を効率よく摂取するために、カフェインを添加した食
品、スポーツ飲料、健康飲料などが開発されてきた。例
えば、特開昭62-259548 号公報に開示されている、コー
ラ、ジュース、スープなどにカフェインを添加したカフ
ェイン添加食品、特開平3-143377号公報に開示されてい
る、1回量あたり10mg〜500 mgのカフェインを含むカフ
ェイン添加運動用飲料、さらにカフェインを多量に添加
した内服液などである。しかし、カフェインは本来強い
苦みを持つ物質であり、効率よく摂取できる程多くのカ
フェインをそのまま食品や飲料に添加すると苦みが強く
なって、喫食するのが困難であり、また、内服液に見ら
れるようにカフェインの強い苦みを抑えるためには多量
の糖分を例えば、ブリックスが30〜50程度になるま
で加えなければならず、そのため、甘苦いシロップ薬の
ような味になり、飲料としての味覚が全く損なわれると
いう問題があった。
ロン茶等の茶類に含まれるカフェインが、眠気をなく
し、爽快感を与えることが知られている。そのため、こ
れらの飲料は味覚を楽しむだけでなく、仕事、スポー
ツ、自動車の運転などの疲れを解消するために飲まれて
いる。しかし、仕事などの疲れを速やかに解消したり、
眠気を覚まして勉強や自動車の運転を続けるために、カ
フェインを多く摂取しようとすると、コーヒーや緑茶な
どの飲料を多量に飲む必要がある。そこで、カフェイン
を効率よく摂取するために、カフェインを添加した食
品、スポーツ飲料、健康飲料などが開発されてきた。例
えば、特開昭62-259548 号公報に開示されている、コー
ラ、ジュース、スープなどにカフェインを添加したカフ
ェイン添加食品、特開平3-143377号公報に開示されてい
る、1回量あたり10mg〜500 mgのカフェインを含むカフ
ェイン添加運動用飲料、さらにカフェインを多量に添加
した内服液などである。しかし、カフェインは本来強い
苦みを持つ物質であり、効率よく摂取できる程多くのカ
フェインをそのまま食品や飲料に添加すると苦みが強く
なって、喫食するのが困難であり、また、内服液に見ら
れるようにカフェインの強い苦みを抑えるためには多量
の糖分を例えば、ブリックスが30〜50程度になるま
で加えなければならず、そのため、甘苦いシロップ薬の
ような味になり、飲料としての味覚が全く損なわれると
いう問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、飲料に適さ
ない強い甘味を付与することなくカフェインの苦みが抑
制され、味が良く飲み易いカフェイン強化飲料を提供す
ることを目的とする。
ない強い甘味を付与することなくカフェインの苦みが抑
制され、味が良く飲み易いカフェイン強化飲料を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らが上記課題を
解決するために研究した結果、柑橘類に含まれる苦み物
質ナリンジンが、カフェイン特有の後味に残る嫌な苦み
をマスキングすることを発見し、カフェイン含有量が多
いため苦みが強い飲料に、所定量のナリンジンを加える
ことにより、多量の甘味原料を加えることなくカフェイ
ンの苦みを大幅に抑制できるという知見を得た。したが
って、本発明はカフェイン25〜175mg%及びナリン
ジン5〜70mg%を含む、ブリックス6〜20のカフェ
イン強化飲料を提供するものである。なお、1mg%とは
溶媒100g中に溶質1mgが溶けていることを意味す
る。本発明で用いるナリンジンとは、柑橘類に多く含ま
れる苦み物質であって、グルコース、ラムノース及びナ
リンゲニンからなる、下記一般式(I)で表されるフラ
ボノ配糖体(4', 5, 7−トリヒドロキシフラボノン)で
ある。
解決するために研究した結果、柑橘類に含まれる苦み物
質ナリンジンが、カフェイン特有の後味に残る嫌な苦み
をマスキングすることを発見し、カフェイン含有量が多
いため苦みが強い飲料に、所定量のナリンジンを加える
ことにより、多量の甘味原料を加えることなくカフェイ
ンの苦みを大幅に抑制できるという知見を得た。したが
って、本発明はカフェイン25〜175mg%及びナリン
ジン5〜70mg%を含む、ブリックス6〜20のカフェ
イン強化飲料を提供するものである。なお、1mg%とは
溶媒100g中に溶質1mgが溶けていることを意味す
る。本発明で用いるナリンジンとは、柑橘類に多く含ま
れる苦み物質であって、グルコース、ラムノース及びナ
リンゲニンからなる、下記一般式(I)で表されるフラ
ボノ配糖体(4', 5, 7−トリヒドロキシフラボノン)で
ある。
【0005】
【化1】
【0006】このナリンジンは非常に苦く、キニーネよ
りも強い苦みがあり、水で50000倍に希釈しても苦
みを感じるが、柑橘類などに含まれている場合に食欲を
刺激する良質な苦みを呈する。このナリンジンはミカン
科のグレープフルーツ、夏みかん、ダイダイ、ザボンの
果実や果皮、特に未熟果に多く含まれており、通常、グ
レープフルーツ、夏みかん及びダイダイの果皮から抽出
して製造する。本発明のカフェイン強化飲料では、ナリ
ンジンの含有量を5〜70mg%、好ましくは10〜60
mg%、より好ましくは15〜45mg%とするのが適当で
ある。このようにナリンジンの量を限定するのは、5mg
%よりも小さいとナリンジンの苦みに比べて、カフェイ
ンの苦味の影響が強くナリンジンの効果が認められない
からであり、70mg%よりも大きいとナリンジンの苦み
が強くなりすぎて、ベースとなる飲料の味覚を損なうか
らである。
りも強い苦みがあり、水で50000倍に希釈しても苦
みを感じるが、柑橘類などに含まれている場合に食欲を
刺激する良質な苦みを呈する。このナリンジンはミカン
科のグレープフルーツ、夏みかん、ダイダイ、ザボンの
果実や果皮、特に未熟果に多く含まれており、通常、グ
レープフルーツ、夏みかん及びダイダイの果皮から抽出
して製造する。本発明のカフェイン強化飲料では、ナリ
ンジンの含有量を5〜70mg%、好ましくは10〜60
mg%、より好ましくは15〜45mg%とするのが適当で
ある。このようにナリンジンの量を限定するのは、5mg
%よりも小さいとナリンジンの苦みに比べて、カフェイ
ンの苦味の影響が強くナリンジンの効果が認められない
からであり、70mg%よりも大きいとナリンジンの苦み
が強くなりすぎて、ベースとなる飲料の味覚を損なうか
らである。
【0007】本発明では、食品添加物である精製又は濃
縮されたナリンジンを使用することもできるが、ナリン
ジンを多く含む柑橘類の果実や果皮の搾汁を所望の含有
量となるように、ベースとなる飲料に加えてもよい。こ
のナリンジンは、カフェイン強化飲料を製造するどの段
階で加えてもよい。なお、本発明のカフェイン強化飲料
に炭酸を加えてもよく、これにより口内に刺激味を与
え、爽快感がプラスされることから、カフェインの眠気
抑制効果を助長することができる。しかし苦味抑制には
マイナス効果であり、炭酸の添加量を増すに従いカフェ
イン強化飲料の苦味は増大する。したがって、本発明の
カフェイン強化飲料に炭酸を加える場合、ナリンジンの
苦味抑制効果を阻害しないように、炭酸の添加量を調節
することが望ましい。本発明のカフェイン強化飲料で
は、カフェイン含有量が25〜175mg%、好ましくは
50〜150mg%、さらに好ましくは75〜125mg%
とするのが適当である。このようにカフェイン含有量を
限定するのは、25mg%よりも低いとカフェインの苦み
が小さく、特に苦みを抑制する必要がないからであり、
175mg%よりも大きいと苦みが強すぎ、ナリンジンで
その苦みを抑制できず、味の点から飲料として適切でな
いからである。
縮されたナリンジンを使用することもできるが、ナリン
ジンを多く含む柑橘類の果実や果皮の搾汁を所望の含有
量となるように、ベースとなる飲料に加えてもよい。こ
のナリンジンは、カフェイン強化飲料を製造するどの段
階で加えてもよい。なお、本発明のカフェイン強化飲料
に炭酸を加えてもよく、これにより口内に刺激味を与
え、爽快感がプラスされることから、カフェインの眠気
抑制効果を助長することができる。しかし苦味抑制には
マイナス効果であり、炭酸の添加量を増すに従いカフェ
イン強化飲料の苦味は増大する。したがって、本発明の
カフェイン強化飲料に炭酸を加える場合、ナリンジンの
苦味抑制効果を阻害しないように、炭酸の添加量を調節
することが望ましい。本発明のカフェイン強化飲料で
は、カフェイン含有量が25〜175mg%、好ましくは
50〜150mg%、さらに好ましくは75〜125mg%
とするのが適当である。このようにカフェイン含有量を
限定するのは、25mg%よりも低いとカフェインの苦み
が小さく、特に苦みを抑制する必要がないからであり、
175mg%よりも大きいと苦みが強すぎ、ナリンジンで
その苦みを抑制できず、味の点から飲料として適切でな
いからである。
【0008】なお、成人男性の眠気を防止するには、1
回あたりのカフェイン摂取必要量が150mgといわれて
おり、これを100mlの飲料でとる場合、カフェイン濃
度は150mg%となるが、この濃度では、苦い後味が残
り極めて飲み難いものになってしまう。本発明のカフェ
イン強化飲料ではこの苦みを十分緩和することができ
る。しかし、カフェイン含有量が175mg%を超えると
後味の苦味を緩和することが困難になる。本発明におけ
るカフェイン含有量の調整は、合成カフェイン、天然の
抽出カフェイン、及びカフェイン含有成分としてカフェ
イン含有量が高い食品濃縮物などを使用して行う。この
天然の抽出カフェインには、例えば、カフェインレスコ
ーヒーの残滓や規格外の茶などから抽出した、天然食品
添加物茶素(白鳥製薬製、純度98.5%以上)があ
る。
回あたりのカフェイン摂取必要量が150mgといわれて
おり、これを100mlの飲料でとる場合、カフェイン濃
度は150mg%となるが、この濃度では、苦い後味が残
り極めて飲み難いものになってしまう。本発明のカフェ
イン強化飲料ではこの苦みを十分緩和することができ
る。しかし、カフェイン含有量が175mg%を超えると
後味の苦味を緩和することが困難になる。本発明におけ
るカフェイン含有量の調整は、合成カフェイン、天然の
抽出カフェイン、及びカフェイン含有成分としてカフェ
イン含有量が高い食品濃縮物などを使用して行う。この
天然の抽出カフェインには、例えば、カフェインレスコ
ーヒーの残滓や規格外の茶などから抽出した、天然食品
添加物茶素(白鳥製薬製、純度98.5%以上)があ
る。
【0009】本発明でベースとなる飲料は、食欲を刺激
する苦み物質、すなわちナリンジンを含む飲料として適
した一般的な甘味飲料であれば特に制限する必要はな
く、例えば水、スポーツ飲料、りんご、パイナップルな
ど各種ジュース類などや、最初からナリンジンを含んで
いるグレープフルーツ、夏みかん、ダイダイ、ザボンな
どの果汁を含む清涼飲料などを使用することができる。
上記カフェイン強化飲料の殺菌処理は、通常飲料を殺菌
処理する条件に基づいて行えばよい。例えば、130℃
〜135℃、30〜40秒で殺菌した後、殺菌済みの
缶、PET、紙等の容器に無菌下で充填密封する方法、
飲料を缶等の容器に充填密封した後120℃〜122
℃、10〜20分間の条件で殺菌する方法などにより行
えばよい。また、飲料のpHが4.0未満の場合には、
その中心の温度を65℃、30分間加熱する方法、また
はこれと同等以上の効力を有する条件で殺菌処理を行え
ばよい。
する苦み物質、すなわちナリンジンを含む飲料として適
した一般的な甘味飲料であれば特に制限する必要はな
く、例えば水、スポーツ飲料、りんご、パイナップルな
ど各種ジュース類などや、最初からナリンジンを含んで
いるグレープフルーツ、夏みかん、ダイダイ、ザボンな
どの果汁を含む清涼飲料などを使用することができる。
上記カフェイン強化飲料の殺菌処理は、通常飲料を殺菌
処理する条件に基づいて行えばよい。例えば、130℃
〜135℃、30〜40秒で殺菌した後、殺菌済みの
缶、PET、紙等の容器に無菌下で充填密封する方法、
飲料を缶等の容器に充填密封した後120℃〜122
℃、10〜20分間の条件で殺菌する方法などにより行
えばよい。また、飲料のpHが4.0未満の場合には、
その中心の温度を65℃、30分間加熱する方法、また
はこれと同等以上の効力を有する条件で殺菌処理を行え
ばよい。
【0010】本発明のベースとなる飲料のブリックス
は、前記のように6〜20、好ましくは10〜18、よ
り好ましくは12〜16とするのが適当である。このよ
うにブリックスを限定するのは、6よりも小さいと嗜好
飲料として無味でおいしさに欠けるからであり、20よ
りも大きいと甘味が口内に残存し、くどい味覚となり飲
料として適さないからである。本発明の飲料に加えるこ
とができる糖類の例を挙げると、アスパルチーム、ステ
ビア、甘草エキス、果糖、麦芽糖、糖アルコール、はち
みつ、異性化糖、ブドウ糖などがある。なお、ここでい
うブリックスとは、添加された糖類を可溶性固形分とみ
なした場合の量的尺度であって、20℃における屈折率
を、純蔗糖溶液(サッカロース)の重量/重量%に換算
した値をいう。例えば、市販されている加糖飲料のブリ
ックスは、通常10〜12であり、無糖飲料は0.3〜2
程度である。これに対し、市販されている代表的な眠気
防止飲料のあるものは、カフェイン濃度1000mg%
(200mg/20ml)でブリックス43.9であり、またあるもの
はカフェイン濃度500mg%(150mg/30ml)でブリック
スが28.9と極めて糖分濃度が高く、甘苦いシロップ薬
のような味である。したがって、本発明のカフェイン強
化飲料が、カフェイン含有量が高いにもかかわらず、ブ
リックスが6〜20であり、通常の加糖飲料と同じよう
な味であることが理解できるであろう。
は、前記のように6〜20、好ましくは10〜18、よ
り好ましくは12〜16とするのが適当である。このよ
うにブリックスを限定するのは、6よりも小さいと嗜好
飲料として無味でおいしさに欠けるからであり、20よ
りも大きいと甘味が口内に残存し、くどい味覚となり飲
料として適さないからである。本発明の飲料に加えるこ
とができる糖類の例を挙げると、アスパルチーム、ステ
ビア、甘草エキス、果糖、麦芽糖、糖アルコール、はち
みつ、異性化糖、ブドウ糖などがある。なお、ここでい
うブリックスとは、添加された糖類を可溶性固形分とみ
なした場合の量的尺度であって、20℃における屈折率
を、純蔗糖溶液(サッカロース)の重量/重量%に換算
した値をいう。例えば、市販されている加糖飲料のブリ
ックスは、通常10〜12であり、無糖飲料は0.3〜2
程度である。これに対し、市販されている代表的な眠気
防止飲料のあるものは、カフェイン濃度1000mg%
(200mg/20ml)でブリックス43.9であり、またあるもの
はカフェイン濃度500mg%(150mg/30ml)でブリック
スが28.9と極めて糖分濃度が高く、甘苦いシロップ薬
のような味である。したがって、本発明のカフェイン強
化飲料が、カフェイン含有量が高いにもかかわらず、ブ
リックスが6〜20であり、通常の加糖飲料と同じよう
な味であることが理解できるであろう。
【0011】
【発明の効果】本発明により、効率的に摂取できる程度
カフェインを含有しているにもかかわらず、甘味原料を
多量に加えることなくカフェインによる苦味を抑制で
き、すっきりとした味とベースとなる飲料独自の風味を
有する清涼飲料が得られる。特にグレープフルーツ果
汁、夏みかん果汁、ダイダイ果汁、ザボン果汁を含むベ
ース飲料を用いると、優れた味と香りを有するカフェイ
ン強化飲料を得ることができる。
カフェインを含有しているにもかかわらず、甘味原料を
多量に加えることなくカフェインによる苦味を抑制で
き、すっきりとした味とベースとなる飲料独自の風味を
有する清涼飲料が得られる。特にグレープフルーツ果
汁、夏みかん果汁、ダイダイ果汁、ザボン果汁を含むベ
ース飲料を用いると、優れた味と香りを有するカフェイ
ン強化飲料を得ることができる。
【0012】
【実施例】まず、カフェインの濃度と苦みの関係を調べ
た。カフェイン濃度98.5%以上の天然食品添加物茶
素(白鳥製薬製)を、表1に示す濃度で水に溶解し、そ
の苦みを20人の判定者により検討した。カフェイン濃
度の上昇と共に、苦味は加速的に上昇し、50mg%を超
えると明らかに苦みが現れ、150mg%以上では強い苦
味が後味として残った。
た。カフェイン濃度98.5%以上の天然食品添加物茶
素(白鳥製薬製)を、表1に示す濃度で水に溶解し、そ
の苦みを20人の判定者により検討した。カフェイン濃
度の上昇と共に、苦味は加速的に上昇し、50mg%を超
えると明らかに苦みが現れ、150mg%以上では強い苦
味が後味として残った。
【0013】
【表1】 表 1 ───────────────────────── カフェイン濃度 (mg%) 苦さの程度 No. 1 25 ± No. 2 50 ± No. 3 75 + No. 4 100 + No. 5 125 ++ No. 6 150 ++ No. 7 175 +++ No. 8 200 ++++ No. 9 250 +++++ Control 0 − 〔実施例1〕グレープフルーツ果汁に含まれるナリンジ
ンによるカフェインの苦味改善効果を検討した。まず、
カフェイン濃度100mg%のカフェイン水溶液に、ナ
リンジンを含むグレープフルーツ果汁(冷凍1/6濃縮
果汁を解凍して使用)を加え、カフェイン強化飲料のナ
リンジン濃度を表2に示すように調整した。さらにハイ
フラクトース(固形分75.5%、果糖55%以上)及
び着香料を適宜添加し、これを殺菌処理済み瓶容器に内
容量が120gになるように充填し、中心部の品温が7
0℃10分となる条件で殺菌処理し、得られたカフェイ
ン強化飲料の風味を官能評価した。
ンによるカフェインの苦味改善効果を検討した。まず、
カフェイン濃度100mg%のカフェイン水溶液に、ナ
リンジンを含むグレープフルーツ果汁(冷凍1/6濃縮
果汁を解凍して使用)を加え、カフェイン強化飲料のナ
リンジン濃度を表2に示すように調整した。さらにハイ
フラクトース(固形分75.5%、果糖55%以上)及
び着香料を適宜添加し、これを殺菌処理済み瓶容器に内
容量が120gになるように充填し、中心部の品温が7
0℃10分となる条件で殺菌処理し、得られたカフェイ
ン強化飲料の風味を官能評価した。
【0014】
【表2】 表 2 ─────────────────────────────────── ナリンジン ハイフラ ブリ いやな 含有量mg% クトース ック 添加量% ス 苦み 評価 コント 0 15.0 11.5 + カフェイン特有の苦味が ロール 後味に残る NO.1 3 15.0 11.7 + カフェイン特有の苦味が 後味に残る NO.2 5 15.0 11.9 ± カフェイン特有の苦味が 若干残る NO.3 10 15.0 12.8 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.4 15 15.0 13.5 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.5 30 15.0 15.6 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.6 45 15.0 17.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.7 60 15.0 18.4 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.8 70 15.0 19.6 ± ナリンジンの苦味を感じ る NO.9 80 15.0 21.7 + ナリンジンの苦味を非常 に強く感じる
【0015】〔実施例2〕次に、グレープフルーツの果
汁に代えて、夏みかん果汁(冷凍1/5濃縮果汁を解凍
したもの)を使用して、実施例1と同様にナリンジンに
よるカフェインの苦味改善効果を検討した。その結果、
夏みかん果汁に含まれているナリンジンについても実施
例1と同じ結果が得られた。 〔実施例3〕精製したナリンジン(商品名ナリンジンH
F6151、稲畑香料社製純度90%、グレープフルー
ツ内皮抽出物)によるカフェインの苦味抑制効果を検討
した。カフェイン濃度75mg%のカフェイン水溶液に
ナリンジンを5〜70mg%、ハイフラクトース10
%、酸味料及び着香料を適宜添加し、カフェインの苦味
抑制効果と風味改善効果を調べ、その結果を表3に示し
た。調整したカフェイン飲料のブリックスは7.6〜
7.8であった。
汁に代えて、夏みかん果汁(冷凍1/5濃縮果汁を解凍
したもの)を使用して、実施例1と同様にナリンジンに
よるカフェインの苦味改善効果を検討した。その結果、
夏みかん果汁に含まれているナリンジンについても実施
例1と同じ結果が得られた。 〔実施例3〕精製したナリンジン(商品名ナリンジンH
F6151、稲畑香料社製純度90%、グレープフルー
ツ内皮抽出物)によるカフェインの苦味抑制効果を検討
した。カフェイン濃度75mg%のカフェイン水溶液に
ナリンジンを5〜70mg%、ハイフラクトース10
%、酸味料及び着香料を適宜添加し、カフェインの苦味
抑制効果と風味改善効果を調べ、その結果を表3に示し
た。調整したカフェイン飲料のブリックスは7.6〜
7.8であった。
【0016】
【表3】 表 3 ─────────────────────────────────── ナリンジン ハイフラク いやな 含有量mg% トース添加量% 苦み 評価 NO.1 5 10.0 ± カフェイン特有の苦味が 若干残る NO.2 10 10.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.3 15 10.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.4 30 10.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.5 45 10.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.6 60 10.0 − カフェイン特有の苦味が マスキングされた NO.7 70 10.0 ± ナリンジンの苦味を感じ る 〔実施例4〕カフェインの濃度を上げて、精製したナリ
ンジンによるカフェインの苦味抑制効果を検討した。カ
フェイン濃度125mg%のカフェイン水溶液にナリン
ジン5〜70mg%、ハイフラクトース18%、その他
酸味料及び着香料を適宜添加し、カフェインの苦味抑制
効果と風味改善効果を調べ、その結果を表4に示した。
調整した飲料のブリックスは13.7〜13.9であっ
た。
ンジンによるカフェインの苦味抑制効果を検討した。カ
フェイン濃度125mg%のカフェイン水溶液にナリン
ジン5〜70mg%、ハイフラクトース18%、その他
酸味料及び着香料を適宜添加し、カフェインの苦味抑制
効果と風味改善効果を調べ、その結果を表4に示した。
調整した飲料のブリックスは13.7〜13.9であっ
た。
【0017】
【表4】 表 4 ─────────────────────────────────── ナリンジン ハイフラク いやな 含有量mg% トース添加量% 苦み 評価 NO.1 5 18.0 ± カフェイン特有の苦みが 若干残る NO.2 10 18.0 − カフェイン特有の苦みが マスキングされた NO.3 15 18.0 − カフェイン特有の苦みが マスキングされた NO.4 30 18.0 − カフェイン特有の苦みが マスキングされた NO.5 45 18.0 − カフェイン特有の苦みが マスキングされた NO.6 60 18.0 − カフェイン特有の苦みが マスキングされた NO.7 70 18.0 ± ナリンジンの苦みを感じ る
【0018】〔実施例5〕カフェイン強化飲料に炭酸を
加えた場合における、ナリンジンのカフェインの苦味抑
制効果を検討した。カフェイン濃度100mg%のカフ
ェイン水溶液にナリンジン量が20mg%となるようグ
レープフルーツ果汁を加え、次いでハイフラクトース1
5%及び着香料を適宜添加し、混合溶解した溶液に、炭
酸水(市販サントリー社製 500ml瓶入)を0〜7
5%添加した。これを殺菌処理済み瓶容器に内容量が1
20gになるよう充填し、中心部の品温が70℃10分
となる条件で殺菌処理し、得られたカフェイン強化飲料
の風味を官能評価した。
加えた場合における、ナリンジンのカフェインの苦味抑
制効果を検討した。カフェイン濃度100mg%のカフ
ェイン水溶液にナリンジン量が20mg%となるようグ
レープフルーツ果汁を加え、次いでハイフラクトース1
5%及び着香料を適宜添加し、混合溶解した溶液に、炭
酸水(市販サントリー社製 500ml瓶入)を0〜7
5%添加した。これを殺菌処理済み瓶容器に内容量が1
20gになるよう充填し、中心部の品温が70℃10分
となる条件で殺菌処理し、得られたカフェイン強化飲料
の風味を官能評価した。
【0019】
【表5】 表 5 ─────────────────────────────────── 炭酸水 添加量% 苦み 爽快感 評価 コントロール 0 − − 炭酸水の添加料を増すに従い、 NO.1 15.0 ± ± カフェイン強化飲料の苦みは NO.2 30.0 ± + 強くなった。 NO.3 45.0 ± ++ 一方、口内の爽快感は炭酸水 NO.4 60.0 + ++ の添加量を増すにしたがい増 NO.5 70.0 + +++ 加した。この刺激味はカフェ NO.6 75.0 ++ +++ インの眠気抑止効果を助長し た。
【0020】表5から明らかなように、炭酸水は、苦み
抑制にはマイナス効果であり、添加量が増すに従いカフ
ェイン強化飲料の苦みは増大した。炭酸水は、口内に刺
激味を与え、爽快感がプラスされることから、カフェイ
ンの眠気抑制効果を助長するが、苦み改善にはマイナス
効果であることが明確になった。したがって、本発明の
カフェイン強化飲料に炭酸水を加える場合、その添加量
を調整する必要がある。例えば、実施例5のようにカフ
ェイン濃度100mg%にする場合、炭酸水濃度を15
〜70%、好ましくは30〜45%以下にするのが適当
である。
抑制にはマイナス効果であり、添加量が増すに従いカフ
ェイン強化飲料の苦みは増大した。炭酸水は、口内に刺
激味を与え、爽快感がプラスされることから、カフェイ
ンの眠気抑制効果を助長するが、苦み改善にはマイナス
効果であることが明確になった。したがって、本発明の
カフェイン強化飲料に炭酸水を加える場合、その添加量
を調整する必要がある。例えば、実施例5のようにカフ
ェイン濃度100mg%にする場合、炭酸水濃度を15
〜70%、好ましくは30〜45%以下にするのが適当
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 カフェイン25〜175mg%及びナリン
ジン5〜70mg%を含む、ブリックス6〜20のカフェ
イン強化飲料。 - 【請求項2】 カフェイン50〜150mg%及びナリン
ジン10〜60mg%を含む請求項1記載のカフェイン強
化飲料。 - 【請求項3】 カフェイン75〜125mg%及びナリン
ジン15〜45mg%を含む請求項1記載のカフェイン強
化飲料。 - 【請求項4】 ベースとなる飲料に、カフェイン又はカ
フェイン含有成分を加えて、カフェイン含有量を25〜
175mg%とすると共に、ナリンジンを含有量が5〜7
0mg%になるように加えるカフェイン強化飲料の製造方
法。 - 【請求項5】 ベースとなる飲料のブリックスが6〜2
0である請求項4記載の製造方法。 - 【請求項6】 ベースとなる飲料が、グレープフルーツ
果汁、夏みかん果汁、ダイダイ果汁、ザボン果汁からな
る群より選ばれる、少なくとも1種の果汁を含む請求項
4又は5記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6294155A JP2933496B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | カフェイン強化飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6294155A JP2933496B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | カフェイン強化飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08149967A true JPH08149967A (ja) | 1996-06-11 |
JP2933496B2 JP2933496B2 (ja) | 1999-08-16 |
Family
ID=17804030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6294155A Expired - Fee Related JP2933496B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | カフェイン強化飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2933496B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006094817A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Mitsukan Group Honsha:Kk | 食酢飲料 |
JP2014117183A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Okunagaragawa-Meisui Inc | 密閉容器入り清涼飲料水の製造方法及び密閉容器入り清涼飲料水 |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP6294155A patent/JP2933496B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006094817A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Mitsukan Group Honsha:Kk | 食酢飲料 |
JP2014117183A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Okunagaragawa-Meisui Inc | 密閉容器入り清涼飲料水の製造方法及び密閉容器入り清涼飲料水 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2933496B2 (ja) | 1999-08-16 |
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