JPH08148835A - 多層フレックスリジッド配線板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の多層フレックスリジッド配線板の製
造方法は、フレキシブル配線板(1) に層間接着シート
(4) およびリジッド配線板(2) を重ね合わせて一体に成
形し、リジッド配線板の不要部（スリット(7,7) の間）
を引き剥がし除去して、リジッド配線部がフレキシブル
配線部を介して連結された多層フレックスリジッド配線
板の製造方法において、前記フレキシブル配線部の側辺
近傍部に対応するフレキシブル配線板(1) の位置に開口
部(20)を設け、該開口部(20)を設けたフレキシブル配線
板を前記一体に成形した後、その開口部(20)を利用して
前記リジッド配線板の不要部を引き剥がし除去するもの
である。 【効果】 本発明によれば、リジッド配線板の不要部の
引剥がし作業が容易に行うことができ、フレキシブル配
線板の外形切断部をきれいにできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リジッド配線板の不要
部分が容易に除去でき、フレキシブル配線板を損傷させ
ることのない、リジッド配線部がフレキシブル配線部を
介して連結された構造の多層フレックスリジッド配線板
の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の多層フレックスリジッド配線板の
外形を図４に示す。同図において、１はフレキシブル配
線板、２は導体パターン３を有するリジッド配線板であ
り、フレキシブル配線板１の 2つ以上の端部で、それぞ
れ2 枚のリジッド配線板２が、フレキシブル配線板１を
両面側から挟み保持し、スルーホールメッキ１１などが
施され、折曲げ可能なフレキシブル配線部と部品実装可
能なリジッド配線部とを一体にした多層フレックスリジ
ッド配線板が製造されていた。

【０００３】従来の多層フレックスリジッド配線板の製
造方法は、図５に示すように、まず、フレキシブル銅張
板に導体パターン３を形成し、その上にカバーレイフィ
ルムをラミネートしてフレキシブル配線板１を製作し、
その両面にそれぞれ層間接着シート４を重ね、さらにそ
の表面それぞれに、層間接着シート４側の面にのみ導体
パターン３が形成された 2枚のリジッド板２を、パター
ン不形成の銅箔５を外側にして重ね合わせた後、加熱加
圧一体に成形する。

【０００４】この層間接着シート４には、フレキシブル
配線板１の露出される部分に接する中央部分に、それぞ
れ透窓部６が設けられている。また、リジッド板２に
は、引剥がし除去される不要部と最終的に残留してリジ
ッド配線部を形成する必要部との境界線に沿って、スリ
ット状の溝７がそれぞれ形成されている。さらに、層間
接着シート４は、後述するメッキやエッチングのような
リジッド板２の加工時に、スリット状の溝７から薬液が
内部に流入し、フレキシブル配線板１に付着することが
ないように、溝７に跨がりこれを下側から塞ぐように接
着をしている。

【０００５】熱圧着して一体に成形したリジッド配線部
には、穴明けとスルホールメッキ１１及び外層銅箔５に
導体パターン３を形成して、図６のような積層プリント
配線板が得られる。次に、リジッド配線部を固定保持し
ている周辺外枠部８を不要部分として切断線９から切断
除去し、最後に図７に示したようにフレキシブル配線板
１とリジッド配線板との間に、引剥がし用治具１０を挿
入し、矢印方向に持ち上げリジッド配線板の中央不要部
分を引き剥がし除去して、多層フレックスリジッド配線
板が製造されていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の多層フレックスリジッド配線板の製造方法において
は、リジッド板の中央不要部分の引剥しに際して、次の
ような問題があった。すなわち、リジッド板と中層のフ
レキシブル配線板との間に殆ど隙間がなく、また、層間
接着シートがリジッド板のスリット状の溝に跨がりこれ
を下側から塞ぐように接着されているため、引剥がしが
大変困難である。この隙間に引剥がし用治具を挿入する
ことは難しく、無理に挿入しようとするとフレキシブル
配線板の端部や表面に傷や凹み、或いは破損を生じさせ
易い欠点があった。また、軟質のフレキシブル配線板と
硬質のリジッド配線板とを同時に加工するため、露出さ
れた外形切断面にフレキシブル配線板のバリ等が発生す
るという欠点があった。

【０００７】本発明は、上記の欠点を解消するためにな
されたもので、リジッド配線部の不要部分が容易に除去
でき、フレキシブル配線板の辺部や表面に傷や凹み、或
いは破損を生じさせることがなく、効率的に引剥がし除
去できるとともに、露出するフレキシブル配線板の外形
切断面をきれいに仕上げることができる多層フレックス
リジッド配線板の製造方法を提供しようとするものであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成しようと鋭意研究を重ねた結果、フレキシブル配線
板におけるフレキシブル配線部の側辺近傍部に対応する
位置に予め開口部を設けて成形することによって、上記
の目的を達成できることを見いだし、本発明を完成した
ものである。

【０００９】即ち、本発明は、カバーレイフィルムをラ
ミネートしたフレキシブル配線板の両面に層間接着シー
トおよびリジッド配線板を重ね合わせ加熱加圧一体に成
形し、リジッド配線板の不要部を引き剥がし除去してフ
レキシブル配線部を露出させ、複数のリジッド配線部が
フレキシブル配線部を介して連結された多層フレックス
リジッド配線板の製造方法において、前記フレキシブル
配線部の側辺近傍部に対応するフレキシブル配線板の位
置に開口部を設け、該開口部を設けたフレキシブル配線
板を前記重ね合わせ加熱加圧一体に成形した後、その開
口部を利用して前記リジッド配線板の不要部を引き剥が
し除去することを特徴とする多層フレックスリジッド配
線板の製造方法である。

【００１０】以下、本発明を詳細に説明する。

【００１１】本発明に用いるフレキシブル配線板として
は、フレックスリジッド配線板用として特性を満足する
ものであればよく、特に制限はない。例えば、ポリイミ
ドフィルムと銅箔からなるフレキシブル銅張板に導体パ
ターンを形成してなるものを使用することができる。

【００１２】フレキシブル配線板のポリイミドフィルム
およびカバーレイフィルムとしては、イミド系フィルム
を使用することができる。イミド系フィルムとしては、
例えば、ポリピロメリット酸イミド系フィルム、ポリビ
フェニルイミド系フィルム、ポリケトンイミド系フィル
ム、ポリアミドイミド系フィルム、ポリエーテルイミド
系フィルム等が挙げられる。

【００１３】本発明に用いる層間接着シートとしては、
フレックスリジッド配線板用として特性を満足するもの
であればよく、特に制限はない。例えば、変性アクリル
樹脂系、アクリロニトリルブタジエンゴム／エポキシ樹
脂系、カルボキシ基含有アクリロニトリルブタジエンゴ
ム／フェノール樹脂系等の層間接着シートが挙げられ
る。

【００１４】本発明に用いるリジッド配線板としては、
ガラス基材エポキシ銅張積層板、ガラス基材ポリイミド
銅張積層板等に導体パターンを形成して使用する。多層
フレックスリジッド配線板の最外層に用いる銅箔は予め
導体パターンを形成したものでなく、上述した銅張積層
板を用いてパターン不形成銅箔が最外層になるように積
層し、その後該銅箔に導体パターンを形成する。

【００１５】

【作用】本発明の多層フレックスリジッド配線板の製造
方法によれば、フレキシブル配線部の側辺近傍部に対応
するフレキシブル配線板の位置に開口部を設け成形する
ることによって、リジッド配線板の不要部を容易に除去
することができるし、フレキシブル配線板を損傷させる
ことがない。また、フレキシブル配線部の側辺に対応す
る切断加工面にバリ等の発生もなく外観、特性良好な多
層フレックスリジッド配線板を製造することができる。

【００１６】

【実施例】本発明を図面を用いて具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。

【００１７】実施例 図１〜図３は本発明の多層フレックスリジッド配線板の
製造方法の一実施例を説明する斜視図である。これらの
図面において、従来例の図４〜図７と同一の符号をつけ
て説明する。

【００１８】図１に示すように、フレキシブル銅張板に
導体パターン３を形成し、フレキシブル配線部として最
終的に露出される部分の切断線上に、適当な長方形の開
口部１２を設ける。この開口部は露出する場所や大きさ
等によって適当な形状、大きさを変えることができる。
切断線上の所定の位置に複数の開口部１２を設けたフレ
キシブル配線板１の両面に、中央部に透窓部６を有する
層間接着シート４をそれぞれ重ね、さらにその表面に 2
枚のリジッド板２を、それぞれ銅箔５を外側にして重ね
合わせた後、加熱加圧一体に成形する。また、リジッド
板２には、引剥がし除去される不要部と最終的に残留し
てリジッド配線部を形成する必要部との境界線に沿っ
て、スリット状の溝７がそれぞれ形成されている。成形
後、このリジッド板２に、穴明けとスルーホールメッキ
１１及び外層銅箔５に導体パターン３を形成して図２の
ようなプリント配線板が得られる。リジッド配線部を固
定保持している周辺外枠部８を切断線９から不要部分を
切断除去して、最後に図３に示したようにフレキシブル
配線板１の開口部１２とリジッド配線部との間に形成さ
れた隙間部から、リジッド配線部の不要部分を引剥がし
除去して、フレキシブル配線板１を露出させて多層フレ
ックスリジッド配線板を製造することができた。このよ
うにフレキシブル配線板１の開口部１２から、その真上
のリジッド配線部との間に形成された隙間部から、リジ
ッド配線部の不要部分を引剥がし除去する作業は極めて
容易であるうえに、フレキシブル配線板１には全く損傷
を生じさせることはなかった。また、フレキシブル配線
板の外形切断面にバリ等が発生しなかった。

【００１９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の多層フレックスリジッド配線板の製造方法によれば、
フレキシブル配線板に開口部を設けたことによって、リ
ジッド配線板の不要部の引剥がし作業を容易に行うこと
ができ、引剥がす際にフレキシブル配線板に損傷を与え
ることがなく、また、フレキシブル配線板の外形切断部
がきれいな多層フレックスリジッド配線板を製造するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る多層フレックスリジッド配線板の
製造工程を説明する分解斜視図である。

【図２】本発明に係る多層フレックスリジッド配線板の
製造工程中の積層プリント配線板の斜視図である。

【図３】本発明に係る多層フレックスリジッド配線板の
リジッド配線板の不要部の引剥がし除去する工程を説明
する斜視図である。

【図４】従来のフレックスリジッド配線板の外形を説明
する斜視図である。

【図５】従来のフレックスリジッド配線板の製造工程を
説明する分解斜視図である。

【図６】従来のフレックスリジッド配線板の製造工程中
の積層プリント配線板の斜視図である。

【図７】従来のフレックスリジッド配線板のリジッド配
線板の不要部の引剥がし除去する工程を説明する斜視図
である。

【符号の説明】

１ フレキシブルプリント配線板 ２ リジッド配線板 ３ 導体パターン ４ 層間接着シート ５ 銅箔 ６ 透窓部 ７ スリット状の溝 ８ 周辺外枠部 ９ 切断線 １０ 引剥がし用治具 １１ スルーホールメッキ層 １２ 開口部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カバーレイフィルムをラミネートしたフ
   レキシブル配線板の両面に層間接着シートおよびリジッ
   ド配線板を重ね合わせ加熱加圧一体に成形し、リジッド
   配線板の不要部を引き剥がし除去してフレキシブル配線
   部を露出させ、複数のリジッド配線部がフレキシブル配
   線部を介して連結された多層フレックスリジッド配線板
   の製造方法において、前記フレキシブル配線部の側辺近
   傍部に対応するフレキシブル配線板の位置に開口部を設
   け、該開口部を設けたフレキシブル配線板を前記重ね合
   わせ加熱加圧一体に成形した後、その開口部を利用して
   前記リジッド配線板の不要部を引き剥がし除去すること
   を特徴とする多層フレックスリジッド配線板の製造方
   法。