JPH08148663A - 赤外線吸収層の形成方法 - Google Patents

赤外線吸収層の形成方法

Info

Publication number
JPH08148663A
JPH08148663A JP6284905A JP28490594A JPH08148663A JP H08148663 A JPH08148663 A JP H08148663A JP 6284905 A JP6284905 A JP 6284905A JP 28490594 A JP28490594 A JP 28490594A JP H08148663 A JPH08148663 A JP H08148663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
infrared
sacrificial layer
infrared absorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6284905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3252626B2 (ja
Inventor
Shinichi Morita
信一 森田
Masaki Hirota
正樹 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP28490594A priority Critical patent/JP3252626B2/ja
Publication of JPH08148663A publication Critical patent/JPH08148663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252626B2 publication Critical patent/JP3252626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微細加工技術が確立されている半導体を基体と
して赤外線吸収効率の良い正確に所望パターン形状をな
す赤外線吸収層を半導体基体から熱的に良好に分離され
たダイアフラム構造に形成させる方法を提供することに
ある。 【構成】半導体基板1の一主面の全面に直接または下地
膜2を介して犠牲層3を形成させ、次に犠牲層が部分的
に除去された開口部4を所望パターン形状に形成させた
後、微視的に樹枝状多孔質でエッチング液を下方へ浸透
させ易い赤外線吸収層5により全面を被覆させ、その後
更にウェットエッチングにより下の犠牲層3ごと赤外線
吸収層5をリフトオフ除去することにより赤外線吸収層
を上記所望パターン形状に残留させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトリソグラフィに
よる微細加工技術が確立されている半導体を基体とし
て、赤外線吸収効率の良い赤外線吸収層を、半導体基体
から熱的に良好に分離されたダイアフラム構造に形成さ
せる赤外線吸収層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】赤外線検知素子には、冷却を必要とする
量子形と、冷却を必要としない熱形の2種類がある。入
射した赤外線を検出する熱形赤外線検知素子には、焦電
形やサーモパイル形、ボロメータ形がある。また、入射
赤外線を有効利用するために、熱分離構造、すなわち、
半導体基板から熱的に分離されたダイアフラム構造を用
いている。赤外線吸収効率の非常に優れた材料として、
金属黒膜とくに金黒膜がある。高い赤外線吸収効率を有
する金属黒膜は、低い真空度のもとで薄膜形成技術によ
り形成されるが、その特徴は下記の如くである。 (A)状態が微視的に樹枝状である。 (B)赤外線吸収が非常に良い。 (C)段差被覆性が良い。 (D)下地との密着性が悪い。 (E)膜強度が弱い。 (F)膜密度が低い。 これらの特徴を有する金属黒膜の赤外線吸収機能を確保
するには、ある程度の厚さが必要である。例えば金黒膜
の場合、90%以上の赤外線吸収効率を得るためには約
3μm以上の厚さが必要である。
【0003】従来からの赤外線吸収層の形成方法として
は、前記金属黒膜の場合、金属マスクを用いてパターン
化する方法が、また、赤外線吸収性の比較的良いNiC
r膜(通常の特性を有する金属膜)などの場合、公知の
感光性樹脂膜(以下、フォトレジストとよぶ)を用いる
フォトリソグラフィ技術によりパターン化する技術が利
用されている。後者の場合のフォトリソグラフィ技術の
一例として、リフトオフ法の従来の工程を、図8に示し
てある。図(a)に示すように酸化膜(例えばSiO2
膜)またはシリコン窒化膜80が形成された半導体基板
1の上に、図(b)に示すようにフォトレジスト81を
塗布し、フォトリソグラフィ技術により図(c)に示す
ようにフォトレジストパターン(又はフォトレジスト開
口部)82を形成する。次に、図(d)に示すようにN
iCr膜83を真空蒸着法などの薄膜形成技術で全面に
形成させ、図(e)に示すようにフォトレジスト剥離液
でフォトレジストパターンを除去し、NiCr膜のパタ
ーンを形成させる。
【0004】しかし、上記のようなリフトオフ法による
赤外線吸収層のパターン形成法は、図(d)に示すよう
に、NiCr膜83の厚さがフォトレジスト膜81の厚
さより薄く、段差部においてフォトレジスト膜へレジス
ト剥離液(エッチング液)が浸透できる開口部84が存
在することが必要である。例えばNiCr膜の場合、そ
の赤外線吸収率は、60nm以下の厚さで約70%で、
60nm以上では反射が多くなり約50%と低くなるた
め、薄い膜で赤外線吸収が可能であり、赤外線吸収層厚
とフォトレジスト膜厚の差が著しく異なり、リフトオフ
法による赤外線吸収層のパターン化を可能にする。なお
上記以外に、フォトレジストパターンを利用して金属膜
をエッチングして除去する赤外線吸収層のパターン化法
もある。
【0005】しかし、通常の金属膜は、前述のように表
面での赤外線反射が多く、赤外線吸収率が高い金属黒膜
(例えば金黒膜の場合90%以上である)と比較すると
赤外線吸収効率が低い。このため、赤外線吸収層として
赤外線吸収性に優れた金属黒膜(例えば金黒膜)のパタ
ーン形成が重要であるが、従来は金属マスクを利用する
パターン形成法が用いられているだけであった。しか
し、この方法では、精度確保が難しく、赤外線吸収層の
微細パターン形成は困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線吸収層を
形成する方法には、下記の問題があった。 (A)NiCr膜などのような黒色をした通常の強度と
密度を有する金属膜の場合、表面状態が滑らかで、表面
での赤外線反射が大きく、赤外線吸収効率を約70%以
上にすることができない。 (B)赤外線吸収効率の最も優れた金属黒膜たとえば金
黒膜のような特性の膜を赤外線吸収層として用いる場
合、必要な膜厚を確保することは、露光条件等の制約か
ら困難であり、赤外線吸収層のパターン形成が難しい。 (C)金属マスクを用いて金属黒膜をパターン化する従
来の方法では精度の確保や微細化が困難である。 これらのことから、従来技術による赤外線吸収効率の優
れた金属黒膜たとえば金黒膜のパターン形成は技術的に
困難であった。
【0007】本発明は上記のような従来の問題を解消
し、赤外線吸収効率が良好な赤外線吸収層たとえば金属
黒膜を、所望パターン形状に高精度で形成させることが
できる赤外線吸収層の形成方法を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、半導体基板の一主面の全面に直接
または下地膜を介して犠牲層を形成させ、次に犠牲層が
部分的に除去された開口部を所望パターン形状に形成さ
せた後、微視的に樹枝状多孔質でエッチング液を下方へ
浸透させ易い赤外線吸収層により全面を被覆させ、その
後さらに、ウェットエッチングにより下の犠牲層ごと赤
外線吸収層をリフトオフ除去することにより赤外線吸収
層が上記所望パターン形状に上記半導体基板の一主面に
直接または下地膜を介して残留して被覆するようにし
た。
【0009】
【作用】上記のような手段を採れば、たとえ赤外線吸収
層の厚さが犠牲層のパターン形成段差部よりも大きく、
もし赤外線吸収層が通常の金属膜たとえばNiCr膜で
あったならばエッチング液が開口部周縁の段差部から赤
外線吸収層の所望パターン外の部分の赤外線吸収層の下
の犠牲層まで浸透するのが困難な場合であっても、本発
明に係る赤外線吸収層は微視的に樹枝状多孔質であるか
ら、本発明によれば赤外線吸収層自体をエッチング液が
下方の犠牲層まで浸透してエッチングを行ない、犠牲層
を下方の半導体基板またはその上に形成させた下地膜か
ら剥離させ、犠牲層はその上に形成された赤外線吸収層
もろともリフトオフされ除去される。このように本発明
に係る赤外線吸収層は微視的に樹枝状多孔質で赤外線を
殆ど反射しないから赤外線吸収効率は極めて良好であ
り、しかも上記のように赤外線吸収膜自体がエッチング
液を下方へ浸透させ易いという性質を利用してリフトオ
フ法により所望パターン部以外の個所の赤外線吸収層を
除去するのであるから、赤外線吸収層を赤外線吸収効率
が高くなるように十分厚くしたために、赤外線吸収層の
厚さが、たとえ犠牲層の膜厚より厚くなったとしても、
ウェットエッチングにより正確なパターン形状を有する
赤外線吸収層を形成させることができる。以上のように
本発明によれば、極めて良好な赤外線吸収効率を有する
赤外線吸収層を、高精度で所望パターン形状に形成させ
ることが可能になるので、赤外線検知素子の感度向上に
寄与することができる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の工程手順を説明
するための図である。図(a)に示すように半導体基板
1の一主面上全面に、アモルファスシリコン膜またはポ
リシリコン膜またはシリコン酸化膜またはシリコン窒化
膜または金属膜を下地膜2として薄膜形成技術により形
成させる。下地膜2の不必要な領域はフォトリソグラフ
ィ技術によりエッチングして除去しても良い。次に図
(b)に示すように厚さ2μm程度の犠牲層3を形成さ
せる。犠牲層としては、例えばフォトレジスト膜または
ポリシリコン膜または高濃度のP23を含有するフォス
フォラスシリケートグラス(PSG)膜などを用いる。
適切な犠牲層の厚さは、犠牲層エッチング液が犠牲層と
赤外線吸収層の下地をエッチングする速度の選択比に関
係し、犠牲層エッチング除去時間から考慮する。たとえ
ば、7.6モル%の高濃度のP23を含むPSG膜とプ
ラズマCVD法で成膜されたシリコン窒化膜の組合せの
場合、NH4F:CH3COOH:H2O=1:1:1の
容積比で混合したエッチング液を用いると、PSG膜と
シリコン窒化膜とのエッチング速度の選択比は約80で
ある。PSG膜の厚さを厚くするとエッチングで除去す
る時間が長くなり、赤外線吸収層のパターン形成に支障
を来す。この組合せの場合、PSG膜の厚さとして2μ
m程度を用いている。
【0011】次に、犠牲層に、フォトリソグラフィ技術
およびエッチングにより、図(c)に示すように開口部
4を設ける。半導体基板1の全面に図2に示すような、
犠牲層エッチング液が浸透し易い赤外線吸収層5例えば
金黒膜を、図(d)に示すように真空蒸着法により形成
する。金黒膜を形成する際には、真空度1.2〜3.0T
orr程度の低い真空度の不活性ガス例えば窒素雰囲気
中で成膜すると赤外線吸収率の良い膜が得られる。真空
度2Torr前後で重量が1平方センチメートル当り2
00μg以上である赤外線吸収層たとえば金黒膜である
ことが好ましい。次に犠牲層エッチング液に浸漬して、
エッチング液が赤外線吸収層の下部まで浸透し、犠牲層
の上面から均一にエッチングされ、不要領域の赤外線吸
収層をエッチング除去し、図(e)に示すように赤外線
吸収層のパターン形成を行う。
【0012】ここで、赤外線吸収層のパターン形成の機
構について説明する。図2(a)は赤外線吸収層の一例
として用いる金黒膜表面のSEM(走査電子顕微鏡)写
真を、図2(b)は金黒膜断面のSEM写真を、それぞ
れ2値画像として示す図である。この場合の金黒膜は真
空度2Torrの窒素雰囲気中で真空蒸着法により形成
されたもので、両写真とも倍率10,000倍で撮影さ
れている。表面写真を見ると、ミクロ的な金黒樹枝が1
μm前後の間隔で形成され、金黒樹枝の隙間から犠牲層
エッチング液が浸透できる構造となっている。また、断
面写真から、金黒樹枝は半導体基板の上方に成長してお
り、立体的にも隙間の多い構造になっていることが判
る。このように、金黒膜は到る所で犠牲層エッチング液
が下部まで浸透できる形状になっている。このため、犠
牲層エッチングは其の開口部側から開始されるよりは、
犠牲層全体の上面から均一に開始され、金黒膜のような
構造の赤外線吸収層のパターン形成を可能にしている。
赤外線吸収層の厚さが犠牲層より厚い場合でも犠牲層の
エッチング除去が可能である。赤外線吸収層の材料の一
例として金黒について述べたが、Bi黒またはNi黒ま
たはNiP黒またはPt黒などの、赤外線吸収効率が良
く、ミクロ的に樹枝状の形状の膜で、犠牲層のエッチン
グ液に耐性のある材料であれば、との材料でも差支えな
い。
【0013】図3は本発明の第2実施例の工程手順を示
す図である。図3(a)に示すように、半導体基板1の
一主面上全面にアモルファスシリコン膜またはポリシリ
コン膜またはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜また
は金属膜を下地膜2として薄膜形成技術により形成させ
る。下地膜2の不必要な領域はフォトリソグラフィ技術
によりエッチングにより除去してもよい。次に、全面に
厚さ1μm以下の犠牲層を薄膜形成技術により形成させ
る。次に赤外線吸収層を所望のパターンに形成する周辺
端部近辺以外の犠牲層をフォトリソグラフィ技術により
エッチングして除去し、図3(b)に示すように、犠牲
層30を形成する。犠牲層30としては、例えば下地膜
2がシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜
のときはアモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜
または金属膜(例えばアルミニウム膜)を用い、下地膜
2がアモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜のと
きは金属膜、例えばアルミニウム膜を用いる。
【0014】次に、第1実施例の厚さ2μm程度の犠牲
層3を形成させ、フォトリソグラフィ技術およびエッチ
ングにより、図3(c)に示すように、開口部を設け
る。次に犠牲層30をウエットエッチング除去し、犠牲
層30の開口部近辺をオーバハングの形状31にする。
次に図3(d)に示すように、オーバハングの形状31
の犠牲層3が形成されている半導体基板全面に赤外線吸
収層5を薄膜形成技術により形成する。最後に犠牲層エ
ッチング液に浸漬して、図3(e)に示すように、犠牲
層3の上面から均一にエッチングすることにより、赤外
線吸収層のパターン形成が行なわれる。
【0015】図4は本発明の第3実施例の工程手順を示
す図である。半導体基板1の一主面上に図(a)に示す
ように下地膜2としてアモルファスシリコン膜またはポ
リシリコン膜またはシリコン酸化膜またはシリコン窒化
膜または金属膜を薄膜形成技術により全面に形成させ
る。アモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜また
はシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜な
どの下地膜2の不必要な領域はフォトリソグラフィ技術
およびエッチングで除去しても良い。次に、図(b)に
示すように犠牲層エッチング液で除去される速度の速い
犠牲層40と除去される速度の遅い犠牲層41を形成さ
せて、エッチング速度の異なる複数層の犠牲層とする。
次に、犠牲層をフォトリソグラフィ技術およびエッチン
グにより除去し、開口部を設ける。この犠牲層のエッチ
ング除去時、下部の犠牲層が速く、上部の犠牲層が遅く
エッチングされるため、図(c)に示すように赤外線吸
収層を形成させる領域、すなわち犠牲層の開口部の段差
形状をオーバハング42にすることができる。更に赤外
線吸収層5例えば金黒膜を、真空蒸着法で図(d)に示
すように全面に形成させる。最後に犠牲層エッチング液
に浸漬して、図(e)に示すように犠牲層の上面から均
一にエッチングが開始され、赤外線吸収層のパターン形
成が行なわれる。このように犠牲層を複数層にすること
により、パターン形成のための犠牲層開口部での赤外線
吸収層5の段切れが良くなっている。
【0016】例えば、犠牲層がポリシリコン膜の場合、
下部犠牲層にはノンドープ又はドープしたポリシリコン
膜、上部犠牲層には高濃度のボロンをドープしたポリシ
リコン膜を組合せた犠牲層として、シリコンエッチング
液でエッチング除去し、犠牲層がシリケート膜の場合、
下部犠牲層には高濃度のP23を含むPSG膜またはノ
ンドープシリケートグラス(NSG)膜またはボロンフ
ォスフォシリケートグラス(BPSG)膜などの薄膜を
組合せた犠牲層として、シリケート膜エッチング液たと
えばHF:HNO3:H2O=3:2:60の容積比で混
合したPエッチ液またはNH4F:CH3COOH:H2
O=1:1:1の容積比で混合したエッチング液に浸漬
してエッチング除去し、犠牲層の開口部の段差形状をオ
ーバハングにする。
【0017】図5は本発明の第4実施例の工程手順を示
す図である。第1〜第3実施例で、アモルファスシリコ
ン膜またはポリシリコン膜またはシリコン酸化膜または
シリコン窒化膜または金属膜よりなる赤外線吸収層下地
膜50を形成させる工程に、下地膜に部分的に穴またな
溝を設ける工程を加える。工程について説明する。ま
ず、半導体基板1の一主面上に形成された下地膜50を
フォトリソグラフィ技術およびエッチングにより部分的
に開口し、図5(a)に示すように穴または溝51を作
る。次に、犠牲層エッチング液で除去される速度の速い
犠牲層40と除去される速度の遅い犠牲層41を形成し
て、図5(b)に示すようにエッチング速度の異なる複
数層よりなる犠牲層とする。次に、犠牲層開口部をフォ
トリソグラフィ技術およびエッチングにより除去し、図
5(c)に示すように開口部の段差形状をオーバハング
42にした犠牲層を設ける。さらに赤外線吸収層5例え
ば金黒膜を図5(d)に示すように真空蒸着法で全面に
形成させる。最後に犠牲層エッチング液に浸漬して、上
面から均一に犠牲層がエッチングされ、図5(e)に示
すように赤外線吸収層のパターン形成を行なう。
【0018】図6は本発明の第5実施例の工程手順を示
す図である。第1〜第4実施例の赤外線吸収層下地のア
モルファスシリコン膜またはポリシリコン膜またはシリ
コン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜を形成す
る工程で、第4実施例で用いた犠牲層エッチング液で除
去される速度の速い層60を形成させ、次にその上に、
アモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜またはシ
リコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜よりな
る下地膜61を形成させ、この膜をフォトリソグラフィ
技術およびエッチングにより部分的に除去して穴または
溝62を設けている。
【0019】工程について説明する。まず、半導体基板
1の一主面上に犠牲層エッチング液で除去される速度の
速い層60を、次にこの層の上にアモルファスシリコン
膜またはポリシリコン膜またはシリコン酸化膜またはシ
リコン窒化膜または金属膜よりなる下地膜61を形成さ
せる。この下地膜61をフォトリソグラフィ技術および
エッチングにより部分的に除去して、図6(a)に示す
ように複数個の穴または複数本の溝62を作る。次に、
第4実施例で示したように、犠牲層除去液で除去される
速度の速い犠牲層40と犠牲層除去液で除去される速度
の遅い犠牲層41を形成して、図6(b)に示すよう
に、エッチング速度の異なる複数層よりなる犠牲層を作
る。次に、図6(c)に示すように、犠牲層の開口部を
フォトリソグラフィ技術およびエッチングにより除去
し、犠牲層の段差42と、アモルファスシリコン膜また
はポリシリコン膜またはシリコン酸化膜またはシリコン
窒化膜または金属膜よりなる下地膜61の穴または溝6
2の下部段差をオーバハング62にする。さらに図6
(d)に示すように赤外線吸収層5例えば金黒膜を真空
蒸着法により全面に形成させる。最後に犠牲層エッチン
グ液に浸漬して、図6(e)に示すように、上面から均
一に犠牲層40、41と、アモルファスシリコン膜また
はポリシリコン膜またはシリコン酸化膜またはシリコン
窒化膜または金属膜よりなる下地膜61の下部の層がエ
ッチング除去され、赤外線吸収層5のパターン形成が行
なわれる。
【0020】図7は赤外線吸収層のパターン化のための
犠牲層のエッチング除去の方法を説明する図である。全
面に赤外線吸収層が成膜されている実施例1〜5の構造
の半導体基板71を犠牲層エッチング液のゆっくりした
流れ73の中に浸漬し、赤外線吸収層のパターン形成を
行なっている。なお、図7中、70はエッチング槽、7
2は犠牲層エッチング液である。犠牲層エッチング液の
流れの速度は、例えばスターラを用いる場合には毎分3
00回転程度の流れの速度である。犠牲層エッチング液
が静止していても赤外線吸収層のパターン形成はできる
が、犠牲層エッチング液が流れている方がエッチング除
去が容易になる。しかし、流れが速すぎると残したい領
域の赤外線吸収層も除去されてしまう。
【0021】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、微視的に樹枝状で赤外線吸収が非常に良く、密着性
が悪く密度が低く強度が弱いなどの特性を有する赤外線
吸収層たとえば金黒膜のパターン形成を、その微視的に
樹枝状多孔質な構造を利用して犠牲層エッチング液を赤
外線吸収層から下部まで浸透させ、犠牲層の全面を均一
にエッチング除去することにより行なうので、赤外線吸
収層の厚さを犠牲層の厚さより厚くしても正確なパター
ン形成ができる。赤外線吸収層の下地としてアモルファ
スシリコン膜またはポリシリコン膜またはシリコン窒化
膜または金属膜を用いると犠牲層とのエッチング速度の
選択比を確保できる。さらに、金属膜の場合、赤外線吸
収層との密着性を向上できる。このような赤外線吸収層
を用いると、赤外線検知素子の感度を著しく向上でき
る。
【0022】第2実施例特有の効果は、犠牲層のオーバ
ハング部を寸法で大きくすることが出来る。このため、
真空蒸着法で金属黒膜を形成するときの蒸気の回り込み
を少なくし、パターン形成のための赤外線吸収層の断切
れを良くすると共に、パターンの精度を高め、パターン
形成を容易にする。
【0023】第3実施例特有の効果は、犠牲層開口部の
段差形状をオーバハングにすることができ、パターン形
成に際し赤外線吸収層の段切れを良くし、パターンの精
度を高め、その形成を容易にする。また、エッチング除
去される速度の異なる複数層の犠牲層、すなわち下部犠
牲層のエッチング速度が上部犠牲層のエッチング速度よ
りも速い犠牲層を用いると、犠牲層のパターン形成が1
回で済み、しかも犠牲層開口部の段差を逆テーパにする
ことが出来、パターン形成のための赤外線吸収層の断切
れを良くし、パターン形成が容易になる。なお、第2の
実施例と共に用いると、さらに効果が上がる。
【0024】第4実施例特有の効果は、赤外線吸収層の
下地のアモルファスシリコン膜またはポリシリコン膜ま
たはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜
に複数個の部分的な穴または複数本の溝を形成させたこ
とにより赤外線吸収層の機械的密着性が向上し、赤外線
吸収層のパターン形成工程の歩留まりを高めることがで
きる。
【0025】第5実施例特有の効果は、第4実施例特有
の効果に加え、赤外線吸収層の下地のアモルファスシリ
コン膜またはポリシリコン膜またはシリコン酸化膜また
はシリコン窒化膜または金属膜に設けた複数個の部分的
な穴または複数本の溝の下部をエッチング除去し、其処
の段差をオーバハングさせることにより赤外線吸収層の
機械的密着性を更に向上させ、機械的剥がれを防止し、
赤外線吸収層のパターン形成工程の歩留まりを更に高め
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の工程手順を説明するため
の断面図である。
【図2】(a)は赤外線吸収層として用いる金黒膜の表
面の電子顕微鏡写真を、(b)は金黒膜断面の電子顕微
鏡写真を、それぞれ2値画像にして示す図である。
【図3】本発明の第2実施例の工程手順を説明するため
の断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の工程手順を説明するため
の断面図である。
【図5】本発明の第4実施例の工程手順を説明するため
の断面図である。
【図6】本発明の第5実施例の工程手順を説明するため
の断面図である。
【図7】赤外線吸収層のパターン化のために、エッチン
グ液の流れの中で、犠牲層をエッチング除去する本発明
に係るエッチング方法を説明する断面図である。
【図8】赤外線吸収性が比較的よくて薄いNiCr膜な
どを、フォトリソグラフィ技術のリフトオフ法によりパ
ターン化する、従来からの工程手順を説明するための断
面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板 2…アモルファスシリコン膜またはシリコン窒化膜また
はシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜よ
りなる下地膜 3…犠牲層 4…犠牲層の開口部 5…微視的に樹枝状多孔質の赤外線吸収層 30…犠牲層 31…犠牲層のオーバハング 40…エッチング除去される速度が速い犠牲層 41…エッチング除去される速度が遅い犠牲層 42…犠牲層開口部の段差形状のオーバハング 50…アモルファスシリコン膜またはシリコン窒化膜ま
たはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜
よりなる下地膜 51…アモルファスシリコン膜またはシリコン窒化膜ま
たはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜
よりなる下地膜に設けられた複数の穴または溝 60…エッチング除去される速度が速い犠牲層 61…アモルファスシリコン膜またはシリコン窒化膜ま
たはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜または金属膜
よりなる下地膜 62…犠牲層開口部の段差形状のオーバハング 70…エッチング槽 71…半導体基板 72…犠牲層エッチング液 73…犠牲層エッチング液の流れ 80…アモルファスシリコン膜またはシリコン窒化膜ま
たはシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜 81…フォトレジスト 82…フォトレジストパターン又はフォトレジスト開口
部 83…赤外線吸収用NiCr膜 84…フォトレジストとNiCr膜との開口部段差

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細加工技術が確立された半導体を基体と
    する赤外線検知素子を製作するために、半導体基板の一
    主面の全面に直接または下地膜を介して犠牲層を形成さ
    せ、次に犠牲層が部分的に除去された開口部を所望パタ
    ーン形状に形成させた後、微視的に樹枝状多孔質でエッ
    チング液を下方へ浸透させ易い赤外線吸収層により全面
    を被覆させ、その後さらに、ウェットエッチングにより
    下の犠牲層ごと赤外線吸収層をリフトオフ除去すること
    により赤外線吸収層が上記所望パターン形状に上記半導
    体基板の一主面に直接または下地膜を介して残留被覆す
    るようにしたことを特徴とする赤外線吸収層の形成方
    法。
  2. 【請求項2】下地膜の少なくとも上表面部はアモルファ
    スシリコン膜またはポリシリコン膜またはシリコン酸化
    膜またはシリコン窒化膜または金属膜よりなることを特
    徴とする請求項1記載の赤外線吸収層の形成方法。
  3. 【請求項3】犠牲層の開口部周辺がオーバハングである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の赤外線
    吸収層の形成方法。
  4. 【請求項4】犠牲層に形成された開口部内の下地膜が部
    分的に除去されていることを特徴とする請求項2記載の
    赤外線吸収層の形成方法。
  5. 【請求項5】犠牲層は、半導体基板側から上方へ順次、
    ウェットエッチングにより除去される速度が、早い層
    と、遅い層の、複数層よりなりことを特徴とする請求項
    1〜請求項4のいずれか1項に記載の赤外線吸収層の形
    成方法。
  6. 【請求項6】犠牲層がシリケート膜であることを特徴と
    する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の赤外線
    吸収層の形成方法。
  7. 【請求項7】エッチング液を流動させながら犠牲層をウ
    ェットエッチングして所望パターン形状の赤外線吸収層
    を形成させることを特徴とする請求項1〜請求項6のい
    ずれか1項に記載の赤外線吸収層の形成方法。
  8. 【請求項8】赤外線吸収層が金黒膜であることを特徴と
    する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の赤外線
    吸収層の形成方法。
  9. 【請求項9】赤外線吸収層の金黒膜を真空度1.2〜3.
    0Torrの不活性ガス雰囲気中で真空蒸着法により形
    成させることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれ
    か1項に記載の赤外線吸収層の形成方法。
JP28490594A 1994-11-18 1994-11-18 赤外線吸収層の形成方法 Expired - Lifetime JP3252626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28490594A JP3252626B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 赤外線吸収層の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28490594A JP3252626B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 赤外線吸収層の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08148663A true JPH08148663A (ja) 1996-06-07
JP3252626B2 JP3252626B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=17684573

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28490594A Expired - Lifetime JP3252626B2 (ja) 1994-11-18 1994-11-18 赤外線吸収層の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252626B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002538974A (ja) * 1999-03-12 2002-11-19 カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー Ic共存性パリレンmems技法と集積センサにおけるその用途
JP2003065841A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Ihi Aerospace Co Ltd 赤外線吸収層の形成方法
DE10302518A1 (de) * 2003-01-23 2004-08-05 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur bereichsweisen Erzeugung einer Mikrostruktur auf einem Grundkörper
US7898085B2 (en) 2002-12-25 2011-03-01 Olympus Corporation Solid-state imaging device and manufacturing method thereof
CN109202297A (zh) * 2018-08-01 2019-01-15 南京理工大学 一种适用于任意曲面透明介电材料的激光湿法蚀刻方法
CN111392689A (zh) * 2020-03-05 2020-07-10 北京理工大学 一种金黑图形化的方法
CN112551479A (zh) * 2020-12-08 2021-03-26 江苏创芯海微科技有限公司 高性能mems红外传感器及其制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002538974A (ja) * 1999-03-12 2002-11-19 カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー Ic共存性パリレンmems技法と集積センサにおけるその用途
JP2003065841A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Ihi Aerospace Co Ltd 赤外線吸収層の形成方法
US7898085B2 (en) 2002-12-25 2011-03-01 Olympus Corporation Solid-state imaging device and manufacturing method thereof
DE10302518A1 (de) * 2003-01-23 2004-08-05 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur bereichsweisen Erzeugung einer Mikrostruktur auf einem Grundkörper
DE10302518B4 (de) * 2003-01-23 2005-07-21 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur bereichsweisen Erzeugung einer Mikrostruktur auf einem Grundkörper
CN109202297A (zh) * 2018-08-01 2019-01-15 南京理工大学 一种适用于任意曲面透明介电材料的激光湿法蚀刻方法
CN111392689A (zh) * 2020-03-05 2020-07-10 北京理工大学 一种金黑图形化的方法
CN111392689B (zh) * 2020-03-05 2022-09-20 北京理工大学 一种金黑图形化的方法
CN112551479A (zh) * 2020-12-08 2021-03-26 江苏创芯海微科技有限公司 高性能mems红外传感器及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3252626B2 (ja) 2002-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100311880B1 (ko) 관통구멍의제작방법,관통구멍을갖는실리콘기판,이기판을이용한디바이스,잉크제트헤드의제조방법및잉크제트헤드
US4354896A (en) Formation of submicron substrate element
JP5009505B2 (ja) ダイヤフラムを備えたマイクロマシニング型の構成エレメントおよびこのような構成エレメントを製作するための方法
JP4124726B2 (ja) マイクロメカニカルマスフローセンサおよびその製造方法
JP2013077853A (ja) 裏面紫外線照射を用いて半導体レーザの金属接触構造を作製する方法
JP3205103B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH08148663A (ja) 赤外線吸収層の形成方法
US20060057755A1 (en) Micromechanical component and suitable method for its manufacture
JP4368971B2 (ja) センサ膜基板の製造方法
JP4226115B2 (ja) 半導体素子のマスク製造方法
JP3132865B2 (ja) ダイアフラムを有する素子およびその製造方法
JPS59141222A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2682313B2 (ja) 半導体の微細加工方法
JPH10117026A (ja) シリコン微細機械素子の製造方法
JPS63299361A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3840768B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JPS5974682A (ja) 梁構造を有する半導体装置
JPH09237567A (ja) 冷陰極素子及びその製造方法
JPH04129226A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH09219535A (ja) 発光素子の製造方法
JPH11340189A (ja) マイクロマシン製造における凹部又は貫通孔の形成方法
JPH04148546A (ja) ビーム寸法測定用素子及びその製造方法
US20050029660A1 (en) Adhesions of structures formed from materials of poor adhesion
KR930006133B1 (ko) 모스소자의 콘택트홀 형성방법
JPH067573B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term