JP3840768B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体材料を加工することにより作製される半導体装置、および半導体材料を加工して構造体を作製する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平8−285680号公報にシリコン基板上に製造される赤外線検出装置が開示されている。このような赤外線検出装置をマトリクス状に配列して被写体からの赤外線を捉えることにより、被写体像を撮像することができる。図9に示すように、赤外線検出装置はシリコン基板101と、赤外線による温度上昇を検出する赤外線検知部102と、赤外線検知部102を支持するとともに赤外線検知部102への電気的な接続を確保する橋部103とを備える。また、赤外線検出部102および橋部103の下方にはシリコン基板101をエッチングして形成された空洞101Aを設けることにより、赤外線検出部102をシリコン基板101から熱的に分離するように構成されている。赤外線検出部102を熱的に分離するのは、赤外線検出部102から熱がすぐに流出しないように構成して赤外線検出感度を高めるためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように高感度の赤外線センサを得るためには赤外線検出部102とシリコン基板101との間に空間を設ける必要があるので、赤外線検出部102および橋部103をメンブレン(膜)構造とする必要がある。しかし、メンブレン構造はそれ自体強度が弱くなりやすいうえに、赤外線検出部102の下方に空洞101Aを形成するためには、製造工程においてシリコン基板に向けてエッチング液を十分に供給するための開口を設ける必要があり、ますます強度が小さくなるという問題がある。このような問題に対処するため、特開平8−285680号公報では、検出部102および橋部103の端部に梁102aおよび梁103aを設け、検出部102および橋部103の断面形状をコの字型に形成することで強度を補う構成が開示されている。
【0004】
しかし、検出部102および橋部103をコの字型に形成すると、直角に折れ曲った部分に応力が集中するため破壊されやすい。そのうえ、製造上、直角に折れ曲った梁102a、103aの付根部分、すなわち応力が集中する部分は膜厚が薄くなるため、ますます破壊されやすくなり、メンブレンの強度を大きく増加させることは困難である。
【0005】
本発明の目的は、大きな強度を発揮することができる半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図1〜図2に対応づけて説明すると、請求項1に記載の発明は、半導体基板1上に犠牲層11を形成する犠牲層形成工程と、犠牲層11を被覆する窒化膜4を形成する窒化膜形成工程と、窒化膜4を貫通する開口40を形成するエッチング孔形成工程と、開口40を介して犠牲層11の一部を酸化して酸化層5を形成する酸化工程と、開口40と連通し酸化層5を貫通して少なくとも犠牲層11に到達するエッチング孔12を酸化層5の端部が残るように形成するエッチング孔形成工程と、エッチング孔12を介して犠牲層11および半導体基板1をエッチングし窒化膜4と半導体基板1との間に空間1Aを形成する空間形成工程とを備えることにより上述の目的が達成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、エッチング孔形成工程におけるエッチング孔を前記開口と同軸上で前記開口と同じ寸法にしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法において、空間形成工程における半導体基板1のエッチングを異方性エッチングとしたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、半導体基板は基板表面を(100)面とするシリコン基板1であり、犠牲層11は多結晶シリコンからなるものである。
請求項5に記載の発明の赤外線センサの製造方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、さらに赤外線検出機能要素を作製する工程を備えるものである。
請求項6に記載の発明の半導体装置は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法によって製造したものである。
請求項7に記載の発明の赤外線センサは、請求項5に記載の赤外線センサの製造方法によって製造したものである。
【0007】
【発明の効果】
請求項1〜7に記載の発明によれば、窒化膜を貫通する開口を介して犠牲層の一部を酸化して酸化層を形成する酸化工程と、開口と連通し酸化層を貫通して少なくとも犠牲層に到達するエッチング孔を酸化層の端部が残るように形成するエッチング孔形成工程と、エッチング孔を介して犠牲層および半導体基板をエッチングし窒化膜と半導体基板との間に空間を形成する空間形成工程とを備えるので、メンブレンの強度を大きなものとすることができるとともに、空間形成工程の時間を短縮できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて、本発明による半導体装置の一実施の形態について説明する。本実施の形態の半導体装置は熱型赤外線センサへの本発明の適用について示したものである。例えば、図1および図2に示す熱型赤外線センサを1つのシリコン基板1上にマトリクス状に配列することにより、被写体から放射される赤外線を捉えて被写体を撮像することができる。
【0009】
図1は本実施の形態の装置の熱型赤外線センサの断面を、図2は図1におけるII−II方向から見た熱型赤外線センサの各層の配置を、図3はシリコン基板1を図1のIII−III方向から見た状態をそれぞれ示している。図1において、1は各センサがマトリクス状に配置されるシリコン基板であり、図1および図3に示すように、点T(図1および図3)を頂点とする四角錐の一部形状を呈する凹部1Aが形成されている。この凹部1Aは後述するメンブレンMBをシリコン基板1から熱的に分離することにより、センサの感度を高めるためのものである。
【0010】
図1において、2はシリコン基板1のすぐ上層に設けられた酸化膜(SiO2 膜)であり、シリコン基板1の一部をLOCOS(選択酸化法)により酸化し、あるいはシリコン基板1の全面に被覆酸化膜を設けた後、部分的に酸化膜を除去することにより形成される。後述するように、酸化膜2は凹部1Aの領域を規定するという製造上の目的で設けられたものである。
【0011】
図1においてMBはメンブレン(膜)であり、酸化膜2の上層に設けられる。図1および図2に示すように、メンブレンMBは酸化膜2を介してシリコン基板1に対して固定されるとともに、酸化膜2が形成された領域からほぼ面一に延設されて凹部1Aを覆っている。メンブレンMBには矩形のエッチング孔12が4つ開口され(図2)、メンブレンMBで仕切られる凹部1Aの内部空間と、図1における上方の外部空間とがエッチング孔12を介して互いに連通している。後述するように、エッチング孔12は凹部1Aを形成するためのシリコン基板1のエッチング工程において、エッチング液をシリコン基板1に到達させるためのものである。
【0012】
図1および図2に示すように、メンブレンMBは窒化膜4、酸化膜5、酸化膜6、アルミニウム配線7a〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8b、n型ポリシリコン配線9a,9bおよび吸収層10から構成される。
【0013】
図1および図2に示すように、窒化膜4は酸化膜2のすぐ上層においてメンブレンMBの全面にわたり形成され、図1に示すように、窒化膜4にはエッチング孔12の全周にわたり上方に屈曲された端部4aが形成されている。この端部4aは後述する製造方法に起因して、その断面形状は滑らかな曲線を描いて屈曲している。また端部4aの下面側には、エッチング孔12の全周にわたり酸化膜5が固着されている。
【0014】
窒化膜4の上面にはアルミニウム配線7a〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン配線9a,9bが形成され、図2に示すように、順に、アルミニウム配線7a、n型ポリシリコン配線9a、アルミニウム配線7b、p型ポリシリコン8a、アルミニウム配線7c、n型ポリシリコン9b、アルミニウム配線7d、p型ポリシリコン8bおよびアルミニウム配線7eが直列に接続されている。これにより、n型ポリシリコンとp型ポリシリコンとを組合せてなる熱電対を2対直列接続した回路が形成される。
【0015】
窒化膜4の上層には窒化膜4の全面にわたり酸化膜6が設けられており、この酸化膜6はエッチング孔12の全周にわたる端部6aにおいて、窒化膜4(端部4a)の形状に即して滑らかな形状に屈曲されている。
【0016】
図1および図2に示すように、メンブレンの中央部には酸化層6の上に赤外線を吸収する吸収層10が形成されている。吸収層10の材料としては、例えば金黒が用いられ、図2に示すように、吸収層10をp型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン配線9a,9bの一部に掛かるように設けることにより熱起電力の発生に必要な温度差を作り出すことができる。
【0017】
次に、本実施の形態の装置の動作について説明する。図1において上方から吸収層10に赤外線が照射されると、吸収層10の部分の温度が上昇し、p型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン配線9a,9bで構成される熱電対によってアルミニウム配線7aおよびアルミニウム配線7eの間に温度変化に応じた電圧が発生する。したがってこの電圧に基づき、入射した赤外線の強度を測定することができる。例えば、1つのシリコン基板1にマトリクス上に赤外線センサを設けるとともに、被写体をシリコン基板1上に結像させる結像光学系を組合せることにより、被写体から到達する赤外線の被写体像を得ることができる。この場合、通常は、各センサを走査する走査回路を用いて各センサで生じる電圧を順次読み出すように構成される。
【0018】
本実施の形態では、シリコン基板1に凹部1Aを形成することによって、熱電対が形成されたメンブレンMBをシリコン基板1から熱的に分離しているので、吸収層10に入射した赤外線に基づく熱がシリコン基板1に逃げず、赤外線の照射に基づくメンブレンMBの温度上昇の温度幅を大きくすることができる。このため高感度の赤外線センサを得ることができる。
【0019】
また、本実施の形態ではメンブレンMBにはエッチング孔12が設けられているので、メンブレンMBに力が加えられるとエッチング孔12の周囲に応力が集中する。しかし、上述のようにエッチング孔12の周囲では窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断面形状で折り曲げられており、さらに窒化膜4のエッチング孔12の周囲には酸化膜5が付着しているので、この部分での折り曲げ強度が大きく、メンブレンMBが壊れにくい。したがって、振動を受けた場合、あるいは例えば液体中での測定に際して液体からの力を受けた場合等に破損しにくいセンサを得ることができる。
【0020】
<製造方法>
次に、図4〜図8を用いて、本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。まず、半導体基板、例えば図4(a)に示すシリコン基板1を用意する。この半導体基板(シリコン基板1)の基板表面の主たる面方向は(100)である。次に、図4(b)に示すように、シリコン基板1の上面に部分的に酸化膜(SiO2 膜)2を形成する。図4(b)はLOCOS(選択酸化法)により酸化膜2を形成した場合を示しているが、被覆酸化膜をシリコン基板1に全面に形成した後、その酸化膜を部分的にエッチングにより除去することにより同様のパターンの酸化膜を形成してもよい。LOCOS(選択酸化法)は、例えば、窒化シリコン膜のマスクを予め形成しておき、窒化シリコン膜のない部分からシリコン基板1を酸化させる方法であり公知の技術である。LOCOS(選択酸化法)によれば、バーズビークの現象により酸化膜2の端部の急激な段差が発生しないので、後工程との関係で有利となる。
【0021】
次に、図5(a)に示すように、シリコン基板1が露出している部分に、全体として固有の面方位を有しない材料、例えば多結晶シリコン等による犠牲層11を形成する。犠牲層11は全面に層を形成した後、不要な部分をエッチングで除去することにより形成できる。図5(a)に示すように、犠牲層11はシリコン基板1の露出部分の全面を覆うとともに、その端部が酸化膜2にかかるようにエッチングされる。
【0022】
次に、図5(b)に示すように、犠牲層11および酸化膜2の上面全体に窒化膜4を形成する。本実施の形態では窒化膜4としたが、窒化膜に代えて、アルカリ系のシリコン異方性エッチング液、例えばヒドラジン、KOHあるいはTMAH等に対して対腐食性があり、後述の酸化工程において酸化種を拡散させない他の材料を用いてもよい。なお、アルカリ系のエッチング液は後工程におけるシリコン基板1のエッチングに用いられる。
【0023】
続いて、図6(a)に示すように、窒化膜4にシリコン基板1のエッチングのための開口40を形成する。開口40はエッチング孔12に相当する形状とされる。
【0024】
開口40を形成した後、シリコン基板1を酸化炉に入れて、所定時間、高温の酸化雰囲気中で酸化する。窒化膜4がマスクとして機能し、LOCOS(選択酸化法)による酸化が行われる。窒化膜4は酸化種を拡散させないため、上層に窒化膜4が形成された部分の犠牲層11には変化が生じないが、開口40の部分からは犠牲層11に酸化種が拡散し、犠牲層11が酸化されて酸化膜5が形成される。図6(b)に示すように、犠牲層11は酸化によって約2倍に体積が増加するため、酸化膜5は開口40の部分で盛り上がる。酸化種は開口40の領域よりもさらに横方向に拡散するが、開口40から横方向に離れるにつれて酸化種の濃度が低下するため、体積の増加が徐々に小さくなる、いわゆるバーズビークの現象を生ずる。このため酸化種の拡散にともなって窒化膜4の端部4aは開口40の周囲に向けて反り上がるように変形するが、その断面形状は急激に折れ曲る部分がなく滑らかな形状を描く。なお、酸化膜5の厚みは最大でも犠牲層11の約2倍よりも大きくならないので、端部4aの断面形状の曲率半径を大きくするためには犠牲層11の膜厚を大きくする必要がある。
【0025】
次に、窒化膜4の上層にアルミニウム、p型ポリシリコン、n型ポリシリコンの各層について成膜およびエッチングを行い、図2に示すパターンのアルミニウム配線7a〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン配線9a,9bをそれぞれ形成する。さらに、図7(a)に示すように全面に酸化膜(SiO2 膜)6を形成する。
【0026】
次に、開口40と同軸上に、開口40と可能な限り同じ寸法のエッチング孔12を形成する。このエッチング孔12は、後述する液相異方性エッチングにおいてシリコン基板1を部分的に除去する際にエッチング液を供給するためのものである。したがって、エッチング孔12は酸化膜5を貫通して、少なくとも下層の犠牲層11、あるいはさらに犠牲層11を貫通してシリコン基板1に到達するものでなければならない。エッチング孔12の形成には、例えば、異方性の高い気相異方性エッチングを用いることができ、このような高い異方性を有するエッチング方法を使用した場合には、図7(b)に示すように、酸化種の横方向への拡散により生じた酸化膜5の端部(バーズビークの先端部)がエッチングされずに残留する。なお、図7(b)ではエッチング孔12をシリコン基板1に到達するように形成しているが、上述のようにエッチング孔12が少なくとも犠牲層11に到達していさえすれば、後工程におけるシリコン基板1のエッチングが可能である。
【0027】
続いて、酸化膜との選択比が高い液相エッチング液、例えばヒドラジン等を用いて犠牲層11およびシリコン基板1のエッチングを行い、図8に示すように凹部1Aを形成する。シリコン基板1の異方性エッチングにより凹部1Aの形状が四角錐の一部を構成するような形状(図3)となるのは、シリコン基板1の(100)面はエッチングされ易く、(111)面はエッチングされにくいため、酸化膜2によって規定される(111)面から先にエッチングがほとんど進行しないためである。
【0028】
一方、犠牲層11についてはエッチングの異方性がないため、エッチング液によりその全体が除去される。このため、犠牲層11が除去されたシリコン基板1の上面側にもエッチング液が進入し、この部分からもシリコン基板1のエッチングが進行する。このように、本実施の形態では窒化膜4とシリコン基板1との間にエッチング液により除去可能な犠牲層11を設けているので、犠牲層11が除去された部位からエッチング液が進入し、よってシリコン基板1のエッチング速度を早めることができる。本実施の形態では犠牲層11とシリコン基板1とを同時にエッチングしているが、犠牲層11を構成する組成によっては、犠牲層11およびシリコン基板1のエッチングをそれぞれ別工程で行うようにしてもよい。この場合には、犠牲層11のみをエッチング液により除去した後、別のエッチング液を用いてシリコン基板1について異方性エッチングを行えばよい。
【0029】
最後に、図1および図2に示すように、酸化層6の上にp型ポリシリコン配線8a,8b、n型ポリシリコン配線9a,9bの一部、アルミニウム配線7bおよび7dを覆うように金黒の吸収層10を形成することで、本実施の形態の装置(赤外線センサ)が完成する。
【0030】
本実施の形態では、エッチング孔12の周囲において窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断面形状となるように屈曲されており、厚みも均一であるから、直角に折り曲げられた形状の場合のように一部に応力が集中せず破壊しにくい。このためメンブレンMBの強度を大きくすることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、エッチング孔12の周囲において窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断面形状となるように屈曲されており、また窒化膜4の下面側に酸化膜5が残留している。したがって、仮に均一の厚みであれば応力が集中するエッチング孔12に近い部分ほどメンブレンMB全体の膜厚が大きくされているので、応力集中を防ぐことができる。このため、メンブレンMBの強度を大きくすることができる。
【0032】
本実施の形態では、最終的に酸化膜5の一部を残すようにしているが、酸化膜5に相当する部分を最終的には除去するようにしてもよい。この部分がない場合であっても、エッチング孔の周囲において滑らかな断面形状となるようにメンブレンが屈曲していることにより、メンブレンの強度を大きなものとすることが可能である。なお、酸化膜5に相当する部分の除去はエッチングにより行うことができる。この場合、酸化膜5に相当する部分の組成は、他の部分の性質(耐エッチング性)との関係を考慮して、適宜選択される。
【0033】
本実施の形態では、犠牲層を凹部1Aの全体にかかるように形成しているので、シリコン基板1のエッチングに際してシリコン基板1の全面にエッチング液が進入する。このため、エッチング時間を短縮することができる。また、犠牲層11を凹部1Aの全体にかかるように形成しているために、エッチング孔12の位置がどこであってもエッチングが短時間で終了し、製造上の問題を生じない。このため、エッチング孔12を赤外線センサの性能に大きな影響を与えない位置に設定できるので、高性能の赤外線センサが得られる。
【0034】
本実施の形態では、犠牲層の一部を酸化することによって体積を増大させ、その部分の厚みを増加させるようにしている。このため、例えば蒸着工程とエッチング工程とを組合せてその部分の厚みを増加させるような工程と比較した場合には、新たな追加マスクが不要等、工程が単純化できるうえ、厚みの制御が容易となる利点がある。また、このような薄膜のエッチングにより犠牲層に凹凸を形成する場合には、なだらかな形状の凹凸を形成することはできず、本実施の形態のように上層(窒化膜4および酸化膜6に相当)を滑らかに屈曲した形状とすることは困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の半導体装置を示す断面図。
【図2】図1のII−II線方向から見た本実施の形態の半導体装置の構成要素の配置を示す図。
【図3】図1のIII−III線方向から見た本実施の形態の半導体装置のシリコン基板を示す平面図。
【図4】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)はシリコン基板を示す図、(b)は酸化膜2を形成した状態を示す図。
【図5】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は犠牲層を形成した状態を示す図、(b)は窒化膜を形成した状態を示す図。
【図6】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は開口を形成した状態を示す図、(b)は酸化膜5を形成した状態を示す図。
【図7】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断面図であり、(a)は酸化膜6を形成した状態を示す図、(b)はエッチング孔を形成した状態を示す図。
【図8】本実施の形態の半導体装置の製造工程において凹部を形成した状態を示す断面図。
【図9】従来の赤外線検出装置を示す図。
【符号の説明】
1 シリコン基板
1A 凹部
4 窒化膜
4a 端部
5 酸化膜
11 犠牲層
12 エッチング孔
40 開口
MB メンブレン
Claims (7)
- 半導体基板上に犠牲層を形成する犠牲層形成工程と、
前記犠牲層を被覆する窒化膜を形成する窒化膜形成工程と、
前記窒化膜を貫通する開口を形成する開口形成工程と、
前記開口を介して前記犠牲層の一部を酸化して酸化層を形成する酸化工程と、
前記開口と連通し前記酸化層を貫通して少なくとも前記犠牲層に到達するエッチング孔を前記酸化層の端部が残るように形成するエッチング孔形成工程と、
前記エッチング孔を介して前記犠牲層および前記半導体基板をエッチングし前記窒化膜と前記半導体基板との間に空間を形成する空間形成工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記エッチング孔形成工程は、前記開口と同軸上で前記開口と同じ寸法のエッチング孔を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記空間形成工程における前記半導体基板のエッチングは異方性エッチングであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記半導体基板は基板表面を(100)面とするシリコン基板であり、前記犠牲層は多結晶シリコンからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
さらに赤外線検出機能要素を作製する工程を備えることを特徴とする赤外線センサの製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法によって製造したことを特徴とする半導体装置。
- 請求項5に記載の赤外線センサの製造方法によって製造したことを特徴とする赤外線センサ。
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-
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