JPH11177107A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法

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JPH11177107A
JPH11177107A JP9335861A JP33586197A JPH11177107A JP H11177107 A JPH11177107 A JP H11177107A JP 9335861 A JP9335861 A JP 9335861A JP 33586197 A JP33586197 A JP 33586197A JP H11177107 A JPH11177107 A JP H11177107A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな強度を発揮することができる半導体装
置およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体基板1上に犠牲層11を形成する
犠牲層形成工程と、犠牲層11を被覆する窒化膜4を形
成するメンブレン形成工程と、窒化膜4を貫通する開口
40を形成するエッチング孔形成工程と、開口40を介
して犠牲層11の一部を酸化して酸化層5を形成する酸
化工程と、開口40と連通し酸化層5を貫通して少なく
とも犠牲層11に到達するエッチング孔12を形成する
エッチング孔形成工程と、エッチング孔12を介して犠
牲層11および半導体基板1をエッチングし窒化膜4と
半導体基板1との間に空間1Aを形成する空間形成工程
とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料を加工
することにより作製される半導体装置、および半導体材
料を加工して構造体を作製する半導体装置の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−285680号公報にシリコ
ン基板上に製造される赤外線検出装置が開示されてい
る。このような赤外線検出装置をマトリクス状に配列し
て被写体からの赤外線を捉えることにより、被写体像を
撮像することができる。図9に示すように、赤外線検出
装置はシリコン基板101と、赤外線による温度上昇を
検出する赤外線検知部102と、赤外線検知部102を
支持するとともに赤外線検知部102への電気的な接続
を確保する橋部103とを備える。また、赤外線検出部
102および橋部103の下方にはシリコン基板101
をエッチングして形成された空洞101Aを設けること
により、赤外線検出部102をシリコン基板101から
熱的に分離するように構成されている。赤外線検出部1
02を熱的に分離するのは、赤外線検出部102から熱
がすぐに流出しないように構成して赤外線検出感度を高
めるためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように高感度の赤
外線センサを得るためには赤外線検出部102とシリコ
ン基板101との間に空間を設ける必要があるので、赤
外線検出部102および橋部103をメンブレン(膜)
構造とする必要がある。しかし、メンブレン構造はそれ
自体強度が弱くなりやすいうえに、赤外線検出部102
の下方に空洞101Aを形成するためには、製造工程に
おいてシリコン基板に向けてエッチング液を十分に供給
するための開口を設ける必要があり、ますます強度が小
さくなるという問題がある。このような問題に対処する
ため、特開平8−285680号公報では、検出部10
2および橋部103の端部に梁102aおよび梁103
aを設け、検出部102および橋部103の断面形状を
コの字型に形成することで強度を補う構成が開示されて
いる。
【0004】しかし、検出部102および橋部103を
コの字型に形成すると、直角に折れ曲った部分に応力が
集中するため破壊されやすい。そのうえ、製造上、直角
に折れ曲った梁102a、103aの付根部分、すなわ
ち応力が集中する部分は膜厚が薄くなるため、ますます
破壊されやすくなり、メンブレンの強度を大きく増加さ
せることは困難である。
【0005】本発明の目的は、大きな強度を発揮するこ
とができる半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
〜図2に対応づけて説明すると、請求項1に記載の発明
は、半導体基板1上に犠牲層11を形成する犠牲層形成
工程と、犠牲層11を被覆するメンブレン4を形成する
メンブレン形成工程と、メンブレン4を貫通する開口4
0を形成するエッチング孔形成工程と、開口40を介し
て犠牲層11の一部を酸化して酸化層5を形成する酸化
工程と、開口40と連通し酸化層5を貫通して少なくと
も犠牲層11に到達するエッチング孔12を形成するエ
ッチング孔形成工程と、エッチング孔12を介して犠牲
層11および半導体基板1をエッチングしメンブレン4
と半導体基板1との間に空間1Aを形成する空間形成工
程とを備えることにより上述の目的が達成される。請求
項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体の製造方
法において、空間形成工程における半導体基板1のエッ
チングを異方性エッチングとしたものである。請求項3
に記載の発明は、請求項1または2に記載の半導体の製
造方法において、半導体基板は基板表面を(100)面
とするシリコン基板1であり、犠牲層11は多結晶シリ
コンからなるものである。請求項4に記載の発明は、凹
部1Aが形成された半導体基板1と、凹部1Aの一部を
覆う略平面状のメンブレン4とを備える半導体装置に適
用される。そして、メンブレン4はその端部4aにおい
て滑らかな断面形状となるように屈曲して形成されてい
ることにより上述の目的が達成される。請求項5に記載
の発明は、凹部1Aが形成された半導体基板1と、凹部
1Aの一部を覆う略平面状のメンブレンMBとを備える
半導体装置に適用される。そして、メンブレンMBはそ
の端部の近傍において端部に向けて滑らかに膜厚が増加
する形状とされていることにより上述の目的が達成され
る。請求項6に記載の発明は、エッチングによって凹部
1Aが形成される半導体基板1と、凹部1Aを覆う略平
面状のメンブレン4とを備える半導体装置に適用され
る。そして、メンブレン4には凹部1Aを形成する際に
エッチング媒体を半導体基板1に向けて供給するための
エッチング孔12が貫通され、メンブレン4はエッチン
グ孔12の周端部4aにおいて滑らかな断面形状となる
ように屈曲して形成されていることにより上述の目的が
達成される。請求項7に記載の発明は、エッチングによ
って凹部1Aが形成される半導体基板1と、凹部1Aを
覆う略平面状のメンブレンMBとを備える半導体装置に
適用される。そして、メンブレンMBには凹部1Aを形
成する際にエッチング媒体を半導体基板1に向けて供給
するためのエッチング孔12が貫通され、メンブレンM
Bはエッチング孔12の近傍においてエッチング孔12
の周端面に向けて滑らかに膜厚が増加する形状とされて
いることにより上述の目的が達成される。
【0007】
【発明の効果】請求項1〜3に記載の発明によれば、メ
ンブレンを貫通する開口を介して犠牲層の一部を酸化し
て酸化層を形成する酸化工程と、開口と連通し酸化層を
貫通して少なくとも犠牲層に到達するエッチング孔を形
成するエッチング孔形成工程と、エッチング孔を介して
犠牲層および半導体基板をエッチングしメンブレンと半
導体基板との間に空間を形成する空間形成工程とを備え
るので、メンブレンの強度を大きなものとすることがで
きるとともに、空間形成工程の時間を短縮できる。請求
項4に記載の発明によれば、メンブレンはその端部にお
いて滑らかな断面形状となるように屈曲して形成されて
いるので、メンブレンの強度を大きなものとすることが
できる。請求項5に記載の発明によれば、メンブレンは
その端部の近傍において端部に向けて滑らかに膜厚が増
加する形状とされているので、メンブレンの強度を大き
なものとすることができる。請求項6に記載の発明によ
れば、メンブレンはエッチング孔の周端部において滑ら
かな断面形状となるように屈曲して形成されているの
で、メンブレンの強度を大きなものとすることができ
る。請求項7に記載の発明によれば、メンブレンはエッ
チング孔の近傍においてエッチング孔の周端面に向けて
滑らかに膜厚が増加する形状とされているので、メンブ
レンの強度を大きなものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図8を用いて、本発
明による半導体装置の一実施の形態について説明する。
本実施の形態の半導体装置は熱型赤外線センサへの本発
明の適用について示したものである。例えば、図1およ
び図2に示す熱型赤外線センサを1つのシリコン基板1
上にマトリクス状に配列することにより、被写体から放
射される赤外線を捉えて被写体を撮像することができ
る。
【0009】図1は本実施の形態の装置の熱型赤外線セ
ンサの断面を、図2は図1におけるII−II方向から見た
熱型赤外線センサの各層の配置を、図3はシリコン基板
1を図1のIII−III方向から見た状態をそれぞれ示して
いる。図1において、1は各センサがマトリクス状に配
置されるシリコン基板であり、図1および図3に示すよ
うに、点T(図1および図3)を頂点とする四角錐の一
部形状を呈する凹部1Aが形成されている。この凹部1
Aは後述するメンブレンMBをシリコン基板1から熱的
に分離することにより、センサの感度を高めるためのも
のである。
【0010】図1において、2はシリコン基板1のすぐ
上層に設けられた酸化膜(SiO2膜)であり、シリコ
ン基板1の一部をLOCOS(選択酸化法)により酸化
し、あるいはシリコン基板1の全面に被覆酸化膜を設け
た後、部分的に酸化膜を除去することにより形成され
る。後述するように、酸化膜2は凹部1Aの領域を規定
するという製造上の目的で設けられたものである。
【0011】図1においてMBはメンブレン(膜)であ
り、酸化膜2の上層に設けられる。図1および図2に示
すように、メンブレンMBは酸化膜2を介してシリコン
基板1に対して固定されるとともに、酸化膜2が形成さ
れた領域からほぼ面一に延設されて凹部1Aを覆ってい
る。メンブレンMBには矩形のエッチング孔12が4つ
開口され(図2)、メンブレンMBで仕切られる凹部1
Aの内部空間と、図1における上方の外部空間とがエッ
チング孔12を介して互いに連通している。後述するよ
うに、エッチング孔12は凹部1Aを形成するためのシ
リコン基板1のエッチング工程において、エッチング液
をシリコン基板1に到達させるためのものである。
【0012】図1および図2に示すように、メンブレン
MBは窒化膜4、酸化膜5、酸化膜6、アルミニウム配
線7a〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8b、n型
ポリシリコン配線9a,9bおよび吸収層10から構成
される。
【0013】図1および図2に示すように、窒化膜4は
酸化膜2のすぐ上層においてメンブレンMBの全面にわ
たり形成され、図1に示すように、窒化膜4にはエッチ
ング孔12の全周にわたり上方に屈曲された端部4aが
形成されている。この端部4aは後述する製造方法に起
因して、その断面形状は滑らかな曲線を描いて屈曲して
いる。また端部4aの下面側には、エッチング孔12の
全周にわたり酸化膜5が固着されている。
【0014】窒化膜4の上面にはアルミニウム配線7a
〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポ
リシリコン配線9a,9bが形成され、図2に示すよう
に、順に、アルミニウム配線7a、n型ポリシリコン配
線9a、アルミニウム配線7b、p型ポリシリコン8
a、アルミニウム配線7c、n型ポリシリコン9b、ア
ルミニウム配線7d、p型ポリシリコン8bおよびアル
ミニウム配線7eが直列に接続されている。これによ
り、n型ポリシリコンとp型ポリシリコンとを組合せて
なる熱電対を2対直列接続した回路が形成される。
【0015】窒化膜4の上層には窒化膜4の全面にわた
り酸化膜6が設けられており、この酸化膜6はエッチン
グ孔12の全周にわたる端部6aにおいて、窒化膜4
(端部4a)の形状に即して滑らかな形状に屈曲されて
いる。
【0016】図1および図2に示すように、メンブレン
の中央部には酸化層6の上に赤外線を吸収する吸収層1
0が形成されている。吸収層10の材料としては、例え
ば金黒が用いられ、図2に示すように、吸収層10をp
型ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン
配線9a,9bの一部に掛かるように設けることにより
熱起電力の発生に必要な温度差を作り出すことができ
る。
【0017】次に、本実施の形態の装置の動作について
説明する。図1において上方から吸収層10に赤外線が
照射されると、吸収層10の部分の温度が上昇し、p型
ポリシリコン配線8a,8bおよびn型ポリシリコン配
線9a,9bで構成される熱電対によってアルミニウム
配線7aおよびアルミニウム配線7eの間に温度変化に
応じた電圧が発生する。したがってこの電圧に基づき、
入射した赤外線の強度を測定することができる。例え
ば、1つのシリコン基板1にマトリクス上に赤外線セン
サを設けるとともに、被写体をシリコン基板1上に結像
させる結像光学系を組合せることにより、被写体から到
達する赤外線の被写体像を得ることができる。この場
合、通常は、各センサを走査する走査回路を用いて各セ
ンサで生じる電圧を順次読み出すように構成される。
【0018】本実施の形態では、シリコン基板1に凹部
1Aを形成することによって、熱電対が形成されたメン
ブレンMBをシリコン基板1から熱的に分離しているの
で、吸収層10に入射した赤外線に基づく熱がシリコン
基板1に逃げず、赤外線の照射に基づくメンブレンMB
の温度上昇の温度幅を大きくすることができる。このた
め高感度の赤外線センサを得ることができる。
【0019】また、本実施の形態ではメンブレンMBに
はエッチング孔12が設けられているので、メンブレン
MBに力が加えられるとエッチング孔12の周囲に応力
が集中する。しかし、上述のようにエッチング孔12の
周囲では窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断面形状で
折り曲げられており、さらに窒化膜4のエッチング孔1
2の周囲には酸化膜5が付着しているので、この部分で
の折り曲げ強度が大きく、メンブレンMBが壊れにく
い。したがって、振動を受けた場合、あるいは例えば液
体中での測定に際して液体からの力を受けた場合等に破
損しにくいセンサを得ることができる。
【0020】<製造方法>次に、図4〜図8を用いて、
本実施の形態の半導体装置の製造方法について説明す
る。まず、半導体基板、例えば図4(a)に示すシリコ
ン基板1を用意する。この半導体基板(シリコン基板
1)の基板表面の主たる面方向は(100)である。次
に、図4(b)に示すように、シリコン基板1の上面に
部分的に酸化膜(SiO2 膜)2を形成する。図4
(b)はLOCOS(選択酸化法)により酸化膜2を形
成した場合を示しているが、被覆酸化膜をシリコン基板
1に全面に形成した後、その酸化膜を部分的にエッチン
グにより除去することにより同様のパターンの酸化膜を
形成してもよい。LOCOS(選択酸化法)は、例え
ば、窒化シリコン膜のマスクを予め形成しておき、窒化
シリコン膜のない部分からシリコン基板1を酸化させる
方法であり公知の技術である。LOCOS(選択酸化
法)によれば、バーズビークの現象により酸化膜2の端
部の急激な段差が発生しないので、後工程との関係で有
利となる。
【0021】次に、図5(a)に示すように、シリコン
基板1が露出している部分に、全体として固有の面方位
を有しない材料、例えば多結晶シリコン等による犠牲層
11を形成する。犠牲層11は全面に層を形成した後、
不要な部分をエッチングで除去することにより形成でき
る。図5(a)に示すように、犠牲層11はシリコン基
板1の露出部分の全面を覆うとともに、その端部が酸化
膜2にかかるようにエッチングされる。
【0022】次に、図5(b)に示すように、犠牲層1
1および酸化膜2の上面全体に窒化膜4を形成する。本
実施の形態では窒化膜4としたが、窒化膜に代えて、ア
ルカリ系のシリコン異方性エッチング液、例えばヒドラ
ジン、KOHあるいはTMAH等に対して対腐食性があ
り、後述の酸化工程において酸化種を拡散させない他の
材料を用いてもよい。なお、アルカリ系のエッチング液
は後工程におけるシリコン基板1のエッチングに用いら
れる。
【0023】続いて、図6(a)に示すように、窒化膜
4にシリコン基板1のエッチングのための開口40を形
成する。開口40はエッチング孔12に相当する形状と
される。
【0024】開口40を形成した後、シリコン基板1を
酸化炉に入れて、所定時間、高温の酸化雰囲気中で酸化
する。窒化膜4がマスクとして機能し、LOCOS(選
択酸化法)による酸化が行われる。窒化膜4は酸化種を
拡散させないため、上層に窒化膜4が形成された部分の
犠牲層11には変化が生じないが、開口40の部分から
は犠牲層11に酸化種が拡散し、犠牲層11が酸化され
て酸化膜5が形成される。図6(b)に示すように、犠
牲層11は酸化によって約2倍に体積が増加するため、
酸化膜5は開口40の部分で盛り上がる。酸化種は開口
40の領域よりもさらに横方向に拡散するが、開口40
から横方向に離れるにつれて酸化種の濃度が低下するた
め、体積の増加が徐々に小さくなる、いわゆるバーズビ
ークの現象を生ずる。このため酸化種の拡散にともなっ
て窒化膜4の端部4aは開口40の周囲に向けて反り上
がるように変形するが、その断面形状は急激に折れ曲る
部分がなく滑らかな形状を描く。なお、酸化膜5の厚み
は最大でも犠牲層11の約2倍よりも大きくならないの
で、端部4aの断面形状の曲率半径を大きくするために
は犠牲層11の膜厚を大きくする必要がある。
【0025】次に、窒化膜4の上層にアルミニウム、p
型ポリシリコン、n型ポリシリコンの各層について成膜
およびエッチングを行い、図2に示すパターンのアルミ
ニウム配線7a〜7e、p型ポリシリコン配線8a,8
bおよびn型ポリシリコン配線9a,9bをそれぞれ形
成する。さらに、図7(a)に示すように全面に酸化膜
(SiO2 膜)6を形成する。
【0026】次に、開口40と同軸上に、開口40と可
能な限り同じ寸法のエッチング孔12を形成する。この
エッチング孔12は、後述する液相異方性エッチングに
おいてシリコン基板1を部分的に除去する際にエッチン
グ液を供給するためのものである。したがって、エッチ
ング孔12は酸化膜5を貫通して、少なくとも下層の犠
牲層11、あるいはさらに犠牲層11を貫通してシリコ
ン基板1に到達するものでなければならない。エッチン
グ孔12の形成には、例えば、異方性の高い気相異方性
エッチングを用いることができ、このような高い異方性
を有するエッチング方法を使用した場合には、図7
(b)に示すように、酸化種の横方向への拡散により生
じた酸化膜5の端部(バーズビークの先端部)がエッチ
ングされずに残留する。なお、図7(b)ではエッチン
グ孔12をシリコン基板1に到達するように形成してい
るが、上述のようにエッチング孔12が少なくとも犠牲
層11に到達していさえすれば、後工程におけるシリコ
ン基板1のエッチングが可能である。
【0027】続いて、酸化膜との選択比が高い液相エッ
チング液、例えばヒドラジン等を用いて犠牲層11およ
びシリコン基板1のエッチングを行い、図8に示すよう
に凹部1Aを形成する。シリコン基板1の異方性エッチ
ングにより凹部1Aの形状が四角錐の一部を構成するよ
うな形状(図3)となるのは、シリコン基板1の(10
0)面はエッチングされ易く、(111)面はエッチン
グされにくいため、酸化膜2によって規定される(11
1)面から先にエッチングがほとんど進行しないためで
ある。
【0028】一方、犠牲層11についてはエッチングの
異方性がないため、エッチング液によりその全体が除去
される。このため、犠牲層11が除去されたシリコン基
板1の上面側にもエッチング液が進入し、この部分から
もシリコン基板1のエッチングが進行する。このよう
に、本実施の形態では窒化膜4とシリコン基板1との間
にエッチング液により除去可能な犠牲層11を設けてい
るので、犠牲層11が除去された部位からエッチング液
が進入し、よってシリコン基板1のエッチング速度を早
めることができる。本実施の形態では犠牲層11とシリ
コン基板1とを同時にエッチングしているが、犠牲層1
1を構成する組成によっては、犠牲層11およびシリコ
ン基板1のエッチングをそれぞれ別工程で行うようにし
てもよい。この場合には、犠牲層11のみをエッチング
液により除去した後、別のエッチング液を用いてシリコ
ン基板1について異方性エッチングを行えばよい。
【0029】最後に、図1および図2に示すように、酸
化層6の上にp型ポリシリコン配線8a,8b、n型ポ
リシリコン配線9a,9bの一部、アルミニウム配線7
bおよび7dを覆うように金黒の吸収層10を形成する
ことで、本実施の形態の装置(赤外線センサ)が完成す
る。
【0030】本実施の形態では、エッチング孔12の周
囲において窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断面形状
となるように屈曲されており、厚みも均一であるから、
直角に折り曲げられた形状の場合のように一部に応力が
集中せず破壊しにくい。このためメンブレンMBの強度
を大きくすることができる。
【0031】また、本実施の形態では、エッチング孔1
2の周囲において窒化膜4および酸化膜6が滑らかな断
面形状となるように屈曲されており、また窒化膜4の下
面側に酸化膜5が残留している。したがって、仮に均一
の厚みであれば応力が集中するエッチング孔12に近い
部分ほどメンブレンMB全体の膜厚が大きくされている
ので、応力集中を防ぐことができる。このため、メンブ
レンMBの強度を大きくすることができる。
【0032】本実施の形態では、最終的に酸化膜5の一
部を残すようにしているが、酸化膜5に相当する部分を
最終的には除去するようにしてもよい。この部分がない
場合であっても、エッチング孔の周囲において滑らかな
断面形状となるようにメンブレンが屈曲していることに
より、メンブレンの強度を大きなものとすることが可能
である。なお、酸化膜5に相当する部分の除去はエッチ
ングにより行うことができる。この場合、酸化膜5に相
当する部分の組成は、他の部分の性質(耐エッチング
性)との関係を考慮して、適宜選択される。
【0033】本実施の形態では、犠牲層を凹部1Aの全
体にかかるように形成しているので、シリコン基板1の
エッチングに際してシリコン基板1の全面にエッチング
液が進入する。このため、エッチング時間を短縮するこ
とができる。また、犠牲層11を凹部1Aの全体にかか
るように形成しているために、エッチング孔12の位置
がどこであってもエッチングが短時間で終了し、製造上
の問題を生じない。このため、エッチング孔12を赤外
線センサの性能に大きな影響を与えない位置に設定でき
るので、高性能の赤外線センサが得られる。
【0034】本実施の形態では、犠牲層の一部を酸化す
ることによって体積を増大させ、その部分の厚みを増加
させるようにしている。このため、例えば蒸着工程とエ
ッチング工程とを組合せてその部分の厚みを増加させる
ような工程と比較した場合には、新たな追加マスクが不
要等、工程が単純化できるうえ、厚みの制御が容易とな
る利点がある。また、このような薄膜のエッチングによ
り犠牲層に凹凸を形成する場合には、なだらかな形状の
凹凸を形成することはできず、本実施の形態のように上
層(窒化膜4および酸化膜6に相当)を滑らかに屈曲し
た形状とすることは困難である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の半導体装置を示す断面図。
【図2】図1のII−II線方向から見た本実施の形態の半
導体装置の構成要素の配置を示す図。
【図3】図1のIII−III線方向から見た本実施の形態の
半導体装置のシリコン基板を示す平面図。
【図4】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断
面図であり、(a)はシリコン基板を示す図、(b)は
酸化膜2を形成した状態を示す図。
【図5】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断
面図であり、(a)は犠牲層を形成した状態を示す図、
(b)は窒化膜を形成した状態を示す図。
【図6】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断
面図であり、(a)は開口を形成した状態を示す図、
(b)は酸化膜5を形成した状態を示す図。
【図7】本実施の形態の半導体装置の製造工程を示す断
面図であり、(a)は酸化膜6を形成した状態を示す
図、(b)はエッチング孔を形成した状態を示す図。
【図8】本実施の形態の半導体装置の製造工程において
凹部を形成した状態を示す断面図。
【図9】従来の赤外線検出装置を示す図。
【符号の説明】
1 シリコン基板 1A 凹部 4 窒化膜 4a 端部 5 酸化膜 11 犠牲層 12 エッチング孔 40 開口 MB メンブレン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に犠牲層を形成する犠牲層
    形成工程と、 前記犠牲層を被覆するメンブレンを形成するメンブレン
    形成工程と、 前記メンブレンを貫通する開口を形成する開口形成工程
    と、 前記開口を介して前記犠牲層の一部を酸化して酸化層を
    形成する酸化工程と、 前記開口と連通し前記酸化層を貫通して少なくとも前記
    犠牲層に到達するエッチング孔を形成するエッチング孔
    形成工程と、 前記エッチング孔を介して前記犠牲層および前記半導体
    基板をエッチングし前記メンブレンと前記半導体基板と
    の間に空間を形成する空間形成工程とを備えることを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記空間形成工程における前記半導体基
    板のエッチングは異方性エッチングであることを特徴と
    する請求項1に記載の半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板は基板表面を(100)
    面とするシリコン基板であり、前記犠牲層は多結晶シリ
    コンからなることを特徴とする請求項1または2に記載
    の半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 凹部が形成された半導体基板と、 前記凹部の一部を覆う略平面状のメンブレンとを備える
    半導体装置において、 前記メンブレンはその端部において滑らかな断面形状と
    なるように屈曲して形成されていることを特徴とする半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 凹部が形成された半導体基板と、 前記凹部の一部を覆う略平面状のメンブレンとを備える
    半導体装置において、 前記メンブレンはその端部の近傍において前記端部に向
    けて滑らかに膜厚が増加する形状とされていることを特
    徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 エッチングによって凹部が形成される半
    導体基板と、 前記凹部を覆う略平面状のメンブレンとを備える半導体
    装置において、 前記メンブレンには前記凹部を形成する際にエッチング
    媒体を前記半導体基板に向けて供給するためのエッチン
    グ孔が貫通され、 前記メンブレンは前記エッチング孔の周端部において滑
    らかな断面形状となるように屈曲して形成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 エッチングによって凹部が形成される半
    導体基板と、 前記凹部を覆う略平面状のメンブレンとを備える半導体
    装置において、 前記メンブレンには前記凹部を形成する際にエッチング
    媒体を前記半導体基板に向けて供給するためのエッチン
    グ孔が貫通され、 前記メンブレンは前記エッチング孔の近傍において前記
    エッチング孔の周端面に向けて滑らかに膜厚が増加する
    形状とされていることを特徴とする半導体装置。
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