JP2010021184A - 赤外線センサ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層膜の剥離の発生を防止ししつつ所望の中空構造を容易に形成することができる赤外線センサ素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
SOI基板準備工程と、SOI基板に熱検出部及びこれ電気的に接続される配線を形成する熱検出構造形成工程と、少なくとも窒化シリコン膜を含む絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、絶縁層上にガス流入開口を含む赤外線受光部形成する受光部形成工程と、SOI基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、貫通孔を介してエッチングを施すことによって半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有し、貫通孔形成工程において窒化シリコン膜を露出することなく貫通孔を形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、赤外線センサ素子の製造方法に関し、特に、断熱性に優れる非冷却赤外線検出装置用の赤外線センサ素子の製造方法に関するものである。
地球上に存在する物体は基本的に温度に依存した赤外線(波長:0.75〜1000μm)を発しており、種々の装置によってかかる赤外線を検出することが可能である。例えば、赤外線カメラでは、上述した波長のなかでも特に大気の透過率の高いMWIR(Middle Wavelength Infrared:3〜5μm)、LWIR(Long Wavelength Infrared:8〜14μm)の波長領域を検出することができる。かかる赤外線の検出により暗闇の中でも対象物を認識して熱画像を表示し、又は対象物の温度を計測することができる故、赤外線カメラは防犯及び火災のための監視用、夜間における自動車の安全運転を確保するための車載用並びにプロセス監視及び電気保守等の温度異常モニタリング用等の幅広分野において利用されている。
上述した赤外線カメラには赤外線センサ素子を含む赤外線センサが内蔵されており、かかる赤外線センサは量子型又は熱型に分類することができる。半導体基板上にPN接合領域からなる熱検出部を有する熱型赤外線センサは、狭バンドキャップ半導体を用いた量子型赤外線センサよりも価格、大きさ及び消費電力の観点において優れている。一方で、赤外線受光部に入射した赤外線を熱に変換し、赤外線受光部と接続した熱検出部の温度変化を測定する熱型赤外線センサは、その性能面において量子型赤外線センサよりも劣っている。
赤外線センサの性能の1つを表わす感度Rは、一般に次式によって定義されている。
Figure 2010021184
数式1において、ΔTdは入射エネルギーによる熱検出部の温度変化を示し、Pinは入射エネルギー総量を示し、Vsは熱検出部の出力電圧を示す。数式1より感度Rを向上させるためには、入射エネルギーに対する熱検出部の温度変化率を大きくする観点から熱検出部とその周囲の熱抵抗(ケルビン/ワット)を増大させること、熱検出部の温度係数(ボルト/ケルビン)を大きくすること等が必要である。熱検出部とその周囲の熱抵抗を増大させるための具体例としては、熱検出部を半導体基板の上方の中空に浮かせ、且つ細長い支持脚で支持する断熱構造を構築するものがある。かかる断熱構造を構築するための技術には、マイクロマシン技術が必須となる。
熱検出部を中空に浮かせるための中空構造を形成するためには、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ溶液によるウエットエッチング技術を利用する方法がある。また、二フッ化キセノン(XeF2)によるドライエッチング技術を利用する方法もある。KOH又はTMAHを利用したウエットエッチングにおいては、結晶方位によるエッチングレートの差異を生じることから半導体基板の底面に向かって進行する(すなわち、鉛直方向)エッチングは速く進行するが、鉛直方向に直交する方向(すなわち、水平方向)へのエッチングの進行は遅くなる。かかるエッチングレートの差異により半導体基板が斜めにエッチングされ、中空構造の自由度が制限される問題点があった。一方で、XeF2を利用したドライエッチングにおいては、かかる問題点を解消することができ等方的にエッチングを施すことができる。また、XeF2を利用したドライエッチングにおいては、半導体基板よりも酸化シリコン、窒化シリコン、レジスト、アルミニウム及び窒化チタン等におけるエッチング速度が遅いという高い選択性がある。これにより、例えば酸化シリコン被覆が被覆されたトレンチ及び熱検出部下方の酸化シリコン膜をエッチングストッパとして機能させ、半導体基板の所定領域のみをエッチングすることが可能となる。このようなエッチングストッパとして機能する酸化シリコンを有する構造及びXeF2を利用したドライエッチングにより、所望の中空構造が形成される。
上述した中空構造を備える熱型赤外線センサについては特許文献1によってその代表的な構造が開示されている。また、エッチングの選択性を利用することにより、深さの異なる位置に形成された配線層又はゲート電極等に接続されるコンタクトプラグ用の深さの異なるビアホールを形成する方法が特許文献2乃至4に開示されている。
特開2000−88640 特開平9−153545 特開平9−172067 特開平9−306988
特許文献2乃至4には、窒化シリコン膜をエッチングストッパ膜として利用し、酸化シリコン膜の所望の領域をエッチングすることが開示されている。具体的には、酸化シリコン膜上に形成された窒化シリコン膜の一部分(後に、ビアとなる部分)を予め除去して開口を形成し、かかる窒化シリコン膜上に更に追加酸化シリコンを堆積させる。その後、所定のレジスト膜を形成してエッチングを施すことで、不要な追加酸化シリコン膜を除去し、且つ窒化シリコン膜の開口から酸化シリコン膜に所望のビアホールが形成される。
一方で、中空構造を形成するためのXeF2を利用したドライエッチングにおいては、半導体基板に比べてエッチング速度は大幅に低下するものの、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との間にもエッチング速度差があり、酸化シリコンに比べて窒化シリコンにおけるエッチング速度が速いことが知られている。すなわち、窒化シリコン膜は酸化シリコン膜のエッチング時においてはエッチングストッパ膜として機能するが、半導体基板のエッチング時においては酸化シリコン膜よりもエッチングが進行しやすくなる。
また、上述した熱型の赤外線センサ素子の構造においては、中空構造を形成するためのXeF2を流入する流入口は窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜をエッチングするため、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜がかかる流入口において露出する。従って、流入口における窒化シリコン膜の露出がある状態でのXeF2による半導体基板のエッチングは、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との間における積層膜の剥離の発生原因となる。
また、窒化シリコンの選択性は成膜方法に依存し、例えばプラズマCVDで形成した窒化シリコンは、熱CVDで形成した窒化シリコンよりも2桁エッチング速度が速くなる。すなわち、窒化シリコンの成膜方法によって積層膜の剥離の発生率が高くなる場合もある。
本発明は、以上の如き事情に鑑みてなされたものであり、赤外線センサ素子の中空構造形成のために施す半導体基板へのエッチング工程において、積層膜の剥離の発生を防止ししつつ所望の中空構造を容易に形成することができる赤外線センサ素子の製造方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本願発明の赤外線センサ素子の製造方法は、半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備し、SOI層に熱検出部及びこれに電気的に接続される配線を形成し、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層によって熱検出部及び配線を覆い、絶縁層上にガス流入開口を含む赤外線受光部形成し、ガス流入開口の鉛直下方に半導体基板に到達する貫通孔を形成し、貫通孔を介してエッチングを施すことによって半導体基板に空隙を形成する工程を有して、貫通孔を形成する工程において窒化シリコン膜を露出することなく貫通孔を形成する。
また、上述した課題を解決するために、本願発明の赤外線センサ素子の製造方法は、半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、SOI層にエッチングを施して熱検出領域及び配線領域を形成し、熱検出領域にイオン注入によりダイオードを形成するとともに配線領域に金属を堆積し、入射赤外線に応じた熱を検出する熱検出部と、熱検出部に電気的に接続されて熱検出部により生成される熱検出信号を外部に供給する配線と、を形成する熱検出構造形成工程と、熱検出部及び配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、絶縁層上に受光絶縁膜及び金属膜を堆積することによって積層構造を有する赤外線受光部を形成する赤外線受光部形成工程と、赤外線受光部にエッチングを施すことによってガス流入開口を形成するガス流入開口形成工程と、ガス流入開口の鉛直下方に半導体基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、貫通孔を介しエッチングガスを流入し、ドライエッチングを施すことによって半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有し、絶縁層形成工程は、窒化シリコン膜にガス流入開口に対向し且つ貫通孔の幅よりも広い幅の断続部を形成する断続部形成工程と、断続部を覆う保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程とを有することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本願発明の赤外線センサ素子の製造方法は、半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、SOI層にエッチングを施して熱検出領域及び配線領域を形成し、熱検出領域にイオン注入によりダイオードを形成するとともに配線領域に金属を堆積し、入射赤外線に応じた熱を検出する熱検出部と、熱検出部に電気的に接続されて熱検出部により生成される熱検出信号を外部に供給する配線と、を形成する熱検出構造形成工程と、熱検出部及び配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、熱検出部及び配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、絶縁層上に受光絶縁膜及び金属膜を堆積することによって積層構造を有する赤外線受光部を形成する赤外線受光部形成工程と、赤外線受光部にエッチングを施すことによってガス流入開口を形成するガス流入開口形成工程と、ガス流入開口の鉛直下方に半導体基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、貫通孔の側面に窒化シリコン膜を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程と、当該保護膜が形成された貫通孔を介しエッチングガスを流入し、ドライエッチングを施すことによって半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明の赤外線センサ素子の製造方法によれば、赤外線センサ素子の中空構造形成のために流入するエッチングガスの流入口の側面におけるエッチング選択性の低い保護膜の露出を防止することによって、積層膜の剥離の発生を防止しつつ所望の中空構造を容易に形成することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施例によって製造される赤外線センサ素子の構造について詳細に説明する。
図1(a)は赤外線センサ素子10の正面図を示し、図1(b)は赤外線センサ素子10の平面図を示している。図1(a)から判るように、半導体基板であるシリコン基板11上に埋め込み酸化膜12が形成されている。また、シリコン基板11の内部には埋め込み酸化膜12からシリコン基板11の底面に向かって伸びたエッチングストッパ壁13が埋め込まれている。埋め込み酸化膜12上には、埋め込み酸化膜12よりも厚い第1酸化シリコン膜14が形成されている。また、第1酸化シリコン膜14上には、第1酸化シリコン膜14よりも薄い窒化シリコン膜15が形成されている。更に、窒化シリコン膜上15には、窒化シリコン膜15よりも厚い第2酸化シリコン膜16が形成されている。すなわち、保護絶縁膜である第2酸化シリコン膜16と追加保護絶縁膜である第1酸化シリコン膜14とによって、窒化シリコン膜15を挟んだ3層構造の絶縁層(中空絶縁層)20が形成されている。第2酸化シリコン膜16には、後述する赤外線受光部を透過した赤外線を反射する反射膜17が形成されている。例えば、反射膜17は、チタン又はアルミニウム等の薄膜であっても良い。反射膜17上には、赤外線を受光するための赤外線受光部18が反射膜17に対して部分的に接続されている。赤外線受光部18は、反射膜17と平行な平面部18aを有し、平面部18aの略中央部には反射膜17と接続するために下方に向かって伸びる接続部18bを有している。また図1(b)から判るように、赤外線受光部18の略中央部分には2つのガス流入開口19a、19bが設けられている。このガス流入開口19a、19bは後述するシリコン基板11の中空構造の形成時に流入するエッチングガスの流入口として用いられる。なお、赤外線受光部18は、第1受光絶縁膜(図示せず)と、かかる第1受光絶縁膜上に形成される金属膜(図示せず)と、かかる金属膜上に形成される第2受光絶縁膜(図示せず)と、から構成される3層構造であっても良い。例えば、第1及び第2受光絶縁膜は、酸化シリコン又は窒化シリコンからなる薄膜を含んでいても良い。また、金属膜はチタン、クロム若しくはバナジウムからなる薄膜を含んでいても良い。更に、チタン、クロム若しくはバナジウムからなる薄膜に代えて、金属膜はチタン、クロム又はバナジウムの窒化物、酸化物又は炭化物からな薄膜を含んでいても良い。なお、第2受光絶縁膜を堆積せずに、第1受光絶縁膜及び金属膜からなる2層構造でも良い。図1(b)において、ガス流入開口19a、19bはその長辺方向に対してずれているが、赤外線センサ素子の構造に応じて長辺方向において並列して形成しても良い。更に、ガス流入開口19a、19bは、赤外線センサ素子の構造に応じて正方形又は円状の形状であっても良い。
図2は、図1(a)における線2−2(一点鎖線で示す)における断面図を示している。図2から判るように、第2酸化シリコン膜16には2つの開口(絶縁層開口)21、22が形成されている。開口21、22は図2の左右方向に広がる開口部(絶縁層開口部)21a、22aをそれぞれ有している。また、開口部21は開口部21aから開口部22aに向かって伸長する開口部21b乃至21eを有し、開口部22は開口部22aから開口部21bに向かって伸長する開口部22b乃至22eを有している。第2酸化シリコン膜16は、開口部21a、21b、22a、22eの外側に位置する縁部16aと、開口部21a、21d、22a、22cによって囲まれた中央部16bと、縁部16aと中央部16bを接続する2つの梁部16cと、から構成されている。更に、開口部21dは赤外線受光部18のガス流入開口19bに対向し、開口部22cは赤外線受光部18のガス流入開口19aに対向している。
図3は、図1(a)における線3−3(一点鎖線で示す)における断面図を示している。図3から判るように、線3−3における断面においても開口21、22が形成されている。第2酸化シリコン膜16の中央部16bに対応する部分(すなわち、中央部16bの下層に位置する部分)の中央部には、高濃度P型領域31、低濃度N型領域32及び高濃度N型領域33から構成されるダイオード34が2つ並んでいる。ダイオード34同士は接続電極(ダイオード接続電極)35によって電気的に接続されている。ダイオード34及び接続電極35によって矩形状の熱検出部36が構成される。熱検出部36の両端(短辺部分)には、第2酸化シリコン膜16の梁部16cに対応する部分(すなわち、梁部16cの下層に位置する部分)に沿って第1酸化シリコン膜14まで伸びる配線37が電気的に接続されている。熱検出部36及び配線37によって熱検出構造38が形成される。かかる構造によって、熱検出部36から得られる熱検出信号を配線37を介して外部に供給することができる。なお、ダイオード34は、高濃度N型領域、低濃度P型領域及び高濃度P型領域によって構成されていても良い。また、熱検出部36は、上述したような2つのダイオード34及び接続電極35からなる構造に限られず、1つのダイオード又は3以上のダイオードから構成されても良い。なお、第1酸化シリコン膜14は、図3に示された縁部分だけでなく、開口部21b、21d、22c、22eに沿っても形成されている。
図4(a)は、図1(b)における線4a−4a(一点鎖線で示す)における断面図を示している。また、図4(b)は図4(a)の線4b(一点鎖線で示す)で囲まれた部分の拡大図を示している。図4(a)から判るように、シリコン基板11内部にはエッチングストッパ壁13に囲まれる領域に空隙41が形成されている。空隙41によって、シリコン基板11上に熱検出部36及び配線37を含む所望の中空構造が形成されている。赤外線センサ素子10には、埋め込み酸化膜12、第1酸化シリコン膜14、窒化シリコン膜15、第2酸化シリコン膜16及び反射膜17を貫通する開口部21b乃至21e及び開口部22b乃至22eが形成されている。図4(a)、(b)から判るように、開口部21d、22cが形成される部分においては、第1酸化シリコン膜14が凹型形状を有している。また、窒化シリコン膜15は第1酸化シリコン膜14の凹型形状に沿って所定の膜厚で形成されており、かかる凹型形状の底面において開口部21d、22cの幅よりも広い幅で離間している。すなわち、窒化シリコン膜15は開口部21d、22cにおいては露出しておらず、第2酸化シリコン膜16によって覆われている。開口部21d、22cはシリコン基板11にドライエッチングを施すためのXeF2の流入口でもあるため、かかる窒化シリコン膜15が露出しない構造によってドライエッチング時における窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜の剥離の発生を防止することができる。なお、図4(a)、(b)に図示されていないが、開口部21a、22aについても埋め込み酸化膜12、第1酸化シリコン膜14、窒化シリコン膜15、第2酸化シリコン膜16及び反射膜17を貫通し空隙41に到達している。
次に、本発明の実施例としての赤外線センサ素子の製造方法を図5乃至15を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、半導体基板11、埋め込み酸化膜12及びSOI(Silicon On Insulator)層51からなるSOI基板52を準備する(図5(a))。SOI基板52は、貼り合わせ法又はSIMOX(Silicon Implanted Oxide)法等の方法で形成されていても良い。なお、SIMOX法で、プライムウエハ表面から高エネルギー且つ高濃度の酸素をイオン注入し、その後熱処理で注入酸素とシリコンを反応させ、ウエハ表面近傍の内部に酸化シリコンからなる絶縁層を形成する。一方、貼り合わせ法では、表面に酸化シリコン膜を形成したウエハと、かかるウエハとは別のウエハを熱と圧力で接着し、片側のウエハを途中まで研削除去することによってSOI基板を形成する。なお、SOI層51はP型及びN型のいずれの半導体基板であっても良く、本実施例においてはN型の半導体基板を使用している場合について説明する。
次に、準備したSOI基板52上にレジストを塗布する。続いて、リソグラフィによってかかるレジストをパターンニングする。更に、パターンニングしたレジストをマスクとしてエッチングを行い、エッチングストッパ壁13用の開口溝を形成する。かかるレジストを除去した後に、CVD法によってかかる開口溝に酸化シリコンを堆積する。その後、開口溝以外の部分(すなわち、SOI層51上)に堆積した酸化シリコンをドライエッチングやCMP(Chemical Mechanical Polishing)法によって除去し、SOI基板52内にエッチングストッパ壁13を形成する(図5(b)、(c))。また、図5(c)に示されているように、赤外線センサ素子10の側面への空隙41(図4(a)参照)の到達を防止するために、エッチングストッパ壁13を赤外線センサ素子10の上記側面から所定の間隔を置き且つ上記側面に沿って形成する。なお、開口溝内部に埋め込まれる酸化シリコンを酸化シリコン膜/多結晶シリコン膜等の積層構造としても良い。
次に、SOI基板52上にレジストを再度塗布する。続いて、リソグラフィによってかかるレジストをパターンニングする。更に、パターンニングしたレジストをマスクとしてエッチングを行い、SOI層51を所望の形状に加工して下地部を形成する。具体的には図6((a)、(b))に示されるように、埋め込み酸化膜12の中央部分に位置する矩形状の熱検出領域51aと、熱検出領域51aの短辺部分からエッチングストッパ壁13に伸びる配線領域51bと、からなる形状(すなわち、下地部)に加工する。エッチングによる加工後にかかるレジストを除去する。続いて、熱検出領域51aの破線によって区切られた矩形領域61にボロンを、矩形領域62、63にリンをイオン注入する。かかるイオン注入によって、熱検出領域51aに高濃度P型領域31、低濃度N型領域32及び高濃度N型領域33が形成される。また、高濃度P型領域31、低濃度N型領域32及び高濃度N型領域によってダイオード34が構成される(図7(b))。更に、配線領域51b及び熱検出領域51aの矩形領域64にチタン又はコバルト等の金属を堆積し、熱処理を施す。かかる熱処理によって配線領域51bに熱検出部36から電気信号を取り出すための配線37が形成され、矩形領域64にダイオード34同士を接続する接続電極35が形成される(図7(a)、(b))。なお、ダイオード34及び接続電極35によって入射赤外線に応じた熱を検出する熱検出部36が構成される。更に、熱検出部36及び配線37から熱検出構造38が構成される。
次に、CVD法によって埋め込み酸化膜12上に第1酸化シリコン膜14を堆積する。かかるシリコン酸化膜14の堆積により、熱検出部36及び配線37がシリコン酸化膜14によって覆われる。ここで、シリコン酸化膜14は、熱検出部36及び配線37の形状に沿って堆積する。従って、シリコン酸化膜14は、熱検出部36と配線37とが接続されていない熱検出部36の側面に沿い、且つ熱検出部36と配線37の間に2つの溝71を有している(図7(c))。
次に、CVD法によって第1酸化シリコン膜14上に所望の厚さの窒化シリコン膜15を堆積する。(図8(a))。ここでは、溝71上にも所定の膜厚の窒化シリコン膜15が形成され、溝81が形成される。その後、窒化シリコン膜15上にレジストを塗布する。続いて、リソグラフィによってかかるレジストをパターンニングする。更に、パターンニングしたレジストをマスクとしてエッチングを行う。かかるエッチングによって、窒化シリコン膜15の断続部である開口(断続開口)82が形成され、第1酸化シリコン膜14が部分的に露出される(図8(b))。
次に、CVD法によって窒化シリコン膜15上に第2酸化シリコン膜16を堆積する。第2酸化シリコン膜16の堆積により、溝81及び開口82が第2酸化シリコン膜16によって覆われる。続いて、堆積した第2酸化シリコン膜16をドライエッチング又はCMP法によって平坦化する(図8(c))。なお、第2酸化シリコン膜16の替わりに炭化シリコン膜、ボロン・リン添加酸化シリコン膜、又はリン添加酸化膜を堆積しても良い。続いて、スパッタリング等によって第2酸化シリコン膜16上に反射膜17を堆積する。反射膜17は、チタン又はアルミニウム等からなる薄膜であっても良い。反射膜17によって赤外線受光部18を透過した赤外線を反射することができるため、赤外線センサ素子10は赤外線受光部18における赤外線吸収効率を向上することができる。
次に、反射膜17上にレジストを塗布する。続いて、リソグラフィによってかかるレジストをパターンニングする。更に、パターンニングしたレジストをマスクとしてエッチングを行う。かかるエッチングによって、埋め込み酸化膜12、第1酸化シリコン膜14、窒化シリコン膜15、第2酸化シリコン膜16、反射膜17及び配線37を貫通する開口部21a、21b、21c、21e、22a、22b、22d、22eが形成される(図9(a)、(b))。かかる開口部を形成することによって、縁部16a及び梁部16c(図2参照)の一部分が形成される。また、かかる開口部を形成することによって、図3に示されるような配線37の形状が形成される。
次に、CVD法によって第2酸化シリコン膜16上に犠牲層101を形成する。かかる犠牲層101の形成により、開口部21a、21b、21c、21e、22a、22b、22d、22eが犠牲層101によって覆われる。その後、フォトリソグラフィによって、溝(犠牲層溝)102を犠牲層101に形成する(図10(a)、(b))。例えば、犠牲層101はポリイミド又はレジスト等であっても良い。
次に、CVD法によって犠牲層101及び溝102の表面上に第1受光絶縁膜(図示せず)を堆積する。続いて、スパッタ法等によって第1受光絶縁膜上に金属膜(図示せず)を堆積する。更に、CVD法によって金属膜上に第2受光絶縁膜(図示せず)を堆積する。これらの3つの膜(すなわち、第1受光絶縁膜、金属膜、第2受光絶縁膜)から赤外線受光部18が構成される(図11(a))。なお、第2受光絶縁膜を堆積せずに、第1受光絶縁膜及び金属膜からなる2層構造でも良い。ここで、第1及び第2受光絶縁膜は酸化シリコン又は窒化シリコンからなる薄膜を含んでいても良い。また、金属膜はチタン、クロム若しくはバナジウムからなる薄膜を含んでいても良い。更に、チタン、クロム若しくはバナジウムからなる薄膜に代えて、金属膜はチタン、クロム又はバナジウムの窒化物、酸化物又は炭化物からな薄膜を含んでいても良い。
次に、赤外線受光部18上にレジストを塗布する。続いて、リソグラフィによってかかるレジストをパターンニングする。更に、パターンニングしたレジストをマスクとしてエッチングを行う。かかるエッチングによって、赤外線受光部18に溝(受光溝)111及びガス流入開口19a、19bが形成される(図11(b)、図12(a))。ここで、溝111は赤外線受光部18の縁部に沿って形成される。縁部に沿って形成することにより、隣接して形成された赤外線センサ素子の赤外線受光部同士の接触を防止することができる。また、ガス流入開口19a、19bは窒化シリコン膜15の開口82(図8参照)の上方且つ対向する位置に形成される。但し、ガス流入開口19a、19bの幅は開口82の幅より小さいことが望ましい。これは、後述する貫通孔の形成時において窒化シリコン膜15の露出を防止するためである。
次に、赤外線受光部17上にレジスト121を塗布する。更に、リソグラフィによってレジスト121にマスク開口122を形成する(図12(b))。マスク開口122の幅は、開口82及びガス流入開口19a、19bの幅よりも小さく、且つ、開口82及びガス流入開口19a、19bに対向した上方に形成される。これは、後述する貫通孔の側面に窒化シリコン膜15及び赤外線受光部18を構成する窒化シリコンの露出を防止するためである。更に、レジスト121をマスクとしてエッチングを行う。かかるエッチングによって、犠牲層101から埋め込み酸化膜12までを貫通する貫通孔131が形成される(図13(a)、(b))。すなわち、貫通孔131は赤外線受光部18のガス流入開口19a、19bから鉛直下方に向かって伸び、シリコン基板11にまで到達する。また、図14から判るように、窒化シリコン膜15が第2酸化シリコン膜16によって覆われているため、貫通孔131の側面には窒化シリコン膜15が露出することはない。なお、貫通孔131の埋め込み酸化膜12、第1酸化シリコン膜14、窒化シリコン膜15、第2酸化シリコン膜16及び反射膜17を貫通する部分は、開口部21d、22c(図2、図4(a)、図15(b)参照)に対応する。
次に、貫通孔131を介してXeF2を導入し、シリコン基板11にドライエッチングを行う。かかるドライエッチングによって、シリコン基板11に所望の空隙41が形成される(図15(a))。続いて、不用な犠牲層101及びレジスト121を除去する。かかる除去によって開口部21a乃至21d(開口部21aについては図2、図9を参照)からなる開口21、開口部22a乃至22d(開口部22aについては図2、図9を参照)からなる開口22及び空隙41から中空構造が形成され、赤外線センサ素子10が完成する(図15(b))。
以上のように、本実施例による赤外線センサ素子の製造方法によれば、赤外線センサ素子10の中空構造形成のために流入するエッチングガスの流入口である貫通孔の側面における選択性の低い窒化シリコン膜15の露出を防止することによって、積層膜の剥離の発生を防止ししつつ所望の中空構造を容易に形成することができる。
第1の実施例においては、窒化シリコン膜15の溝81の底部に第1酸化シリコン膜14を露出させる開口82を形成しているが、開口82を形成することなく第2酸化シリコン膜16を形成しても良い。但し、第2酸化シリコン膜16から埋め込み酸化膜12までを貫通する貫通孔を形成した場合に、窒化シリコン膜15が貫通孔の側面に露出することがないようにする必要がある。かかる赤外線センサ素子の構造及び製造方法について図16乃至21を参照しつつ詳細に説明する。なお、第1の実施例と同様の構造及び同様の製造工程についてはその説明を省略する。また、第1の実施例と同様の構造部分には同一符号を付する。
図16(a)は赤外線センサ素子100の断面図を示しており、図16(b)は、図16(a)における線400(一点鎖線で示す)によって囲まれた領域の拡大図である。図16(a)、(b)に示されているように、本実施例によって形成される赤外センサ素子100を構成する窒化シリコン膜15は、開口部21d、22cにおいて露出している。かかる構造によって、窒化シリコン膜15の溝81の底部に開口82を形成する工程が不用となり、製造工程数を減少することが可能となる。
次に、本実施例における赤外線センサ素子100の製造方法について図17乃至図21を参照しつつ詳細に説明する。なお、SOI基板52の準備(図5(a))から第1酸化シリコン膜14に溝71を形成する工程(図7(c))までは、同一であるため、その説明は省略する。
溝71を有する第1酸化シリコン膜14を形成した後、CVD法によって第1酸化シリコン膜14上に所望の厚さの窒化シリコン膜15を形成する。(図17(a))。ここでは、溝71上にも所定の膜厚の窒化シリコン膜15が形成され、溝171が形成される。続いて、CVD法によって窒化シリコン膜15上に第2酸化シリコン膜16を堆積させる。続いて、堆積した第2酸化シリコン膜16をドライエッチング又はCMP法によって平坦化する(図17(b))。なお、第1の実施例と同様に、第2酸化シリコン膜16に代えて炭化シリコン膜、ボロン・リン添加酸化シリコン膜、又はリン添加酸化膜を堆積しても良い。続いて、スパッタリング等によって第2酸化シリコン膜16上に反射膜17を堆積する(図17(c)。更に、第1の実施例と同様用にして開口部21a、21b、21c、21e、22a、22b、22d、22eを形成する(図17(c)、開口部21a、22bについては図2及び図9参照)
次に、第1の実施例と同様にして、犠牲層101及び溝102の形成し(図18(a)、溝111に囲まれ且つガス流入開口19a、19bを有する赤外線受光部18の形成(図18(b)、(c))する。続いて、ガス流入開口19a、19bを介してドライエッチングを施すことによって、犠牲層101から埋め込み酸化膜12までを貫通する貫通孔191を形成する。(図19(a))。なお、第1の実施例と同様に、貫通孔181の埋め込み酸化膜12、第1酸化シリコン膜14、窒化シリコン膜15、第2酸化シリコン膜16及び反射膜17を貫通する部分は、開口部21c、22d(図16(a)、図21(b)参照)に対応する。
次に、CVD法等を用いて貫通孔191の側面及び底面並びに赤外線受光部18及び犠牲層91の表面に所定の膜厚の保護膜であるカーボン保護膜192を形成する(図19(b))。なお、貫通孔191の側面及び底面並びに赤外線受光部18及び犠牲層91の表面に形成される保護膜はカーボン保護膜192に限られることなく、例えば、カーボンを含む有機膜であって良い。このカーボン保護膜192によって、窒化シリコン膜15及び赤外線受光部18を構成する窒化シリコンの露出を防止し、後述するXeF2によるドライエッチング時の窒化シリコン膜と酸化シリコン膜との積層膜の剥離の発生を防止することができる。続いて、周知のエッチング技術を用いて貫通孔191の側面並びに赤外線受光部18の接続部17bの側面及び底面に形成されたカーボン保護膜192以外を除去する(図19(c)、図20)。ここで、貫通孔191の底面に形成されたカーボン保護膜192が除去されることにより、上述するXeF2によるシリコン基板11のドライエッチングが可能となる。また、図20から判るように、窒化シリコン膜15が保護膜であるカーボン保護膜192によって覆われているため、貫通孔191の側面には窒化シリコン膜15が露出することはない。
次に、カーボン保護膜192によって側面を覆われた状態で貫通孔191を介してXeF2を導入し、シリコン基板11にドライエッチングを行う。かかるドライエッチングによって、シリコン基板11に所望の空隙41が形成される(図21(a))。続いて、不用な犠牲層101及びカーボン保護膜192を除去する。かかる除去によって中空構造を有する赤外線センサ素子100が完成する(図21(b))。
以上のように、第2の実施例による赤外センサ素子の製造方法によれば、第1の実施例と比較して窒化シリコン15に開口82を形成する工程が不用となり、製造工程数の減少を図ることが可能となる。
(a)は本発明の本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の製造方法によって製造される赤外線センサ素子の正面図あり、(b)は本発明の第1の実施例によって製造される赤外線センサ素子の平面図である。 図1(a)における線2−2における断面図である。 図1(a)における線3−3における断面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の製造方法によって製造される赤外線センサ素子の断面図であり、(b)は図4(a)の線4bによって囲まれた部分の拡大図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(c)は図5(b)に示された工程における平面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は図6(a)に示された工程における平面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は図7(a)に示された工程における平面図であり、(c)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は図9(a)に示された工程における平面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は図10(a)に示された工程における平面図である。 本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 (a)は図11(b)に示された工程における平面図であり、(b)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 (a)は本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図であり、(b)は図13(a)に示された工程における平面図である。 図13(a)の線300によって囲まれた部分の拡大図である。 本発明の第1の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 (a)は本発明の第2の実施例としての赤外線センサ素子の製造方法によって製造される赤外線センサ素子の断面図であり、(b)は図16(a)の線400によって囲まれた部分の拡大図である。 本発明の第2の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 本発明の第2の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 本発明の第2の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。 図19(a)の線500によって囲まれた部分の拡大図である。 本発明の第2の実施例としての赤外線センサ素子の各製造工程における断面図である。
符号の説明
10 赤外線センサ素子
11 シリコン基板
12 埋め込み酸化膜
13 エッチングストッパ壁
14 第1酸化シリコン膜
15 窒化シリコン膜
16 第2酸化シリコン膜
18 赤外線受光部
21、22 開口
36 熱検出部
37 配線

Claims (14)

  1. 赤外線センサ素子の製造方法であって、
    半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
    前記SOI層に熱検出部及び前記熱検出部に電気的に接続される配線を形成する熱検出構造形成工程と、
    前記熱検出部及び前記配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上にガス流入開口を含む赤外線受光部形成する受光部形成工程と、
    前記ガス流入開口の鉛直下方に前記半導体基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔を介してエッチングを施すことによって前記半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有し、
    前記貫通孔形成工程は、前記窒化シリコン膜を露出することなく前記貫通孔を形成することを特徴とする赤外線センサ素子の製造方法。
  2. 前記絶縁層形成工程は、前記窒化シリコン膜に前記ガス流入開口に対向し且つ前記貫通孔の幅よりも広い幅の断続部を形成する断続部形成工程と、前記断続部覆う保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程とを有することを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  3. 前記絶縁層形成工程は、前記絶縁層に少なくとも2つの溝を形成し、前記溝の底面に前記断続部を形成することを特徴とする請求項2記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  4. 前記貫通孔形成工程は、前記貫通孔の側面に前記窒化シリコン膜を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程を更に含むことを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  5. 前記絶縁層形成工程は、前記窒化シリコン膜と、前記保護絶縁膜と、前記窒化シリコン膜を前記保護絶縁膜と挟む追加保護絶縁膜と、からなる3層の絶縁層を形成することを特徴とする請求項1乃至4記載のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  6. 前記貫通孔形成工程は、前記貫通孔の側面に前記赤外線検出部を露出することなく前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  7. 赤外線センサ素子の製造方法であって、
    半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
    前記SOI層にエッチングを施して熱検出領域及び配線領域を形成し、前記熱検出領域にイオン注入によりダイオードを形成するとともに前記配線領域に金属を堆積し、入射赤外線に応じた熱を検出する熱検出部と、前記熱検出部に電気的に接続されて前記熱検出部により生成される熱検出信号を外部に供給する配線と、を形成する熱検出構造形成工程と、
    前記熱検出部及び前記配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上に受光絶縁膜及び金属膜を堆積することによって積層構造を有する赤外線受光部を形成する赤外線受光部形成工程と、
    前記赤外線受光部にエッチングを施すことによってガス流入開口を形成するガス流入開口形成工程と、
    前記ガス流入開口の鉛直下方に前記半導体基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔を介しエッチングガスを流入し、ドライエッチングを施すことによって前記半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有し、
    前記絶縁層形成工程は、前記窒化シリコン膜に前記ガス流入開口に対向し且つ前記貫通孔の幅よりも広い幅の断続部を形成する断続部形成工程と、前記断続部を覆う保護絶縁膜を形成する保護絶縁膜形成工程とを有することを特徴とする赤外線センサ素子の製造方法。
  8. 前記絶縁層形成工程は、前記絶縁層に少なくとも2つの溝を形成し、前記溝の底面に前記断続部を形成することを特徴とする請求項7記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  9. 赤外線センサ素子の製造方法であって、
    半導体基板上に埋め込み酸化膜を挟んで積層されたSOI層を有するSOI基板を準備するSOI基板準備工程と、
    前記SOI層にエッチングを施して熱検出領域及び配線領域を形成し、前記熱検出領域にイオン注入によりダイオードを形成するとともに前記配線領域に金属を堆積し、入射赤外線に応じた熱を検出する熱検出部と、前記熱検出部に電気的に接続されて前記熱検出部により生成される熱検出信号を外部に供給する配線と、を形成する熱検出構造形成工程と、
    前記熱検出部及び前記配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記熱検出部及び前記配線を覆い、少なくとも窒化シリコン膜を含む複数の絶縁膜からなる絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層上に受光絶縁膜及び金属膜を堆積することによって積層構造を有する赤外線受光部を形成する赤外線受光部形成工程と、
    前記赤外線受光部にエッチングを施すことによってガス流入開口を形成するガス流入開口形成工程と、
    前記ガス流入開口の鉛直下方に前記半導体基板に到達する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記貫通孔の側面に前記窒化シリコン膜を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    当該保護膜が形成された貫通孔を介しエッチングガスを流入し、ドライエッチングを施すことによって前記半導体基板に空隙を形成する空隙形成工程と、を有することを特徴とする赤外線センサ素子の製造方法。
  10. 前記保護膜は、カーボン膜又はカーボンを含む有機膜であることを特徴とする請求項9記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  11. 前記熱検出部は、2つのダイオード及び前記2つのダイオードを接続する接続電極からなることを特徴とする請求項7乃至10記載のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  12. 前記絶縁層形成工程は、前記窒化シリコン膜と、前記保護絶縁膜と、前記窒化シリコン膜を前記保護絶縁膜と挟む追加保護絶縁膜と、からなる3層の絶縁層を形成することを特徴とする請求項7乃至11記載のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  13. 前記貫通孔形成工程は、前記貫通孔の側面に前記赤外線検出部を露出することなく前記貫通孔を形成することを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
  14. 前記エッチングガスは、二フッ化キセノン(XeF2)であることを特徴とする請求項7乃至13のいずれか1に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
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KR20150041535A (ko) * 2013-10-08 2015-04-16 삼성전자주식회사 적외선을 이용한 노광 시간 제어 방법 및 상기 방법을 기록한 컴퓨터 판독 가능 저장매체 및 디지털 촬영 장치.
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