JPH0814641B2 - 回折素子 - Google Patents
回折素子Info
- Publication number
- JPH0814641B2 JPH0814641B2 JP16059686A JP16059686A JPH0814641B2 JP H0814641 B2 JPH0814641 B2 JP H0814641B2 JP 16059686 A JP16059686 A JP 16059686A JP 16059686 A JP16059686 A JP 16059686A JP H0814641 B2 JPH0814641 B2 JP H0814641B2
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- Japan
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- oxide film
- porous oxide
- substrate
- diffractive element
- element according
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- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本発明は光通信、光情報処理、その他の分野で使用さ
れる回折素子(偏向素子)に関する。
れる回折素子(偏向素子)に関する。
『従来の技術』 周知の通り、回折格子を有する回折素子は、分光器、
合分波器等に広く利用されており、かかる回折格子の製
造手段として、マスターをつくり、そのマスターから複
製されたレプリカを用いる方法が知られている。
合分波器等に広く利用されており、かかる回折格子の製
造手段として、マスターをつくり、そのマスターから複
製されたレプリカを用いる方法が知られている。
上記方法では、研磨後のガラス面に形成されたAlメッ
キ層を、例えば、ダイヤモンドカッタによりカッティン
グして多数の平行溝(細溝)を形成し、これによりマス
ターを作製した後、そのマスターを原盤にしてレプリカ
を作製する。
キ層を、例えば、ダイヤモンドカッタによりカッティン
グして多数の平行溝(細溝)を形成し、これによりマス
ターを作製した後、そのマスターを原盤にしてレプリカ
を作製する。
この際の平行溝の間隔、すなわち格子間隔は、使用目
的に応じて変るが、通常は光の波長程度である。
的に応じて変るが、通常は光の波長程度である。
『発明が解決しようとする問題点』 上述した従来例の場合、格子間隔が波長単位と極微小
であるため、これの作製難度がきわめて高く、高度の技
術が要求される。
であるため、これの作製難度がきわめて高く、高度の技
術が要求される。
特に、溝の深い細溝をガッテングすること、しかも、
このような細溝を広範囲な面積にわたり多数カッティン
グすることが困難であり、したがって、高品質で安価な
回折格子を、容易かつ安定して得ることができない。
このような細溝を広範囲な面積にわたり多数カッティン
グすることが困難であり、したがって、高品質で安価な
回折格子を、容易かつ安定して得ることができない。
本発明は上記の問題点に鑑み、品質、価格、製作易
度、再現性等を満足させることのできる回折素子を提供
しようとするものである。
度、再現性等を満足させることのできる回折素子を提供
しようとするものである。
『問題点を解決するための手段』 本発明に係る回折素子は、所期の目的を達成するた
め、膜面と直交した多数の孔を有するアルミニウム製の
透明な多孔質酸化膜が、基板の任意表面に設けられ、そ
の多孔質酸化膜が局部封孔されて回折格子が形成されて
いることを特徴とする。
め、膜面と直交した多数の孔を有するアルミニウム製の
透明な多孔質酸化膜が、基板の任意表面に設けられ、そ
の多孔質酸化膜が局部封孔されて回折格子が形成されて
いることを特徴とする。
『作用』 本発明に係る回折素子の場合、基板表面への多孔質酸
化膜の形成、その多孔質酸化膜の封孔等がいずれも電気
的/化学的な手段により行なえるので、製作難度をとも
なう機械的な加工手段によらずとも、品質、特性のよい
回折格子が高精度かつ容易に得られる。
化膜の形成、その多孔質酸化膜の封孔等がいずれも電気
的/化学的な手段により行なえるので、製作難度をとも
なう機械的な加工手段によらずとも、品質、特性のよい
回折格子が高精度かつ容易に得られる。
『実施例』 以下、本発明回折素子の実施例につき、図面を参照し
て説明する。
て説明する。
第1図、第2図は振幅型、位相型、反射型などの平面
回折素子を示したものである。
回折素子を示したものである。
第1図、第2図において、1はアルミニウム製の基
板、2は基板1の表面に陽極酸化法を介して一体形成さ
れた透明な多孔質酸化膜である。
板、2は基板1の表面に陽極酸化法を介して一体形成さ
れた透明な多孔質酸化膜である。
多孔質酸化膜2は、第2図のごとく、上位の多孔質層
3と下位のバリア層4とからなり、その多孔質層3は、
細孔5を有する六角柱状の各セル6が面状に連続した構
造となっている。
3と下位のバリア層4とからなり、その多孔質層3は、
細孔5を有する六角柱状の各セル6が面状に連続した構
造となっている。
多孔質酸化膜2には、平行間隔をおいて所定箇所の細
孔5を局部封孔することにより、回折格子7が形成され
ている。
孔5を局部封孔することにより、回折格子7が形成され
ている。
この際の封孔材8としては、金属製、染料製、誘電体
製など、任意のものが回折素子の特性に応じて採用され
る。
製など、任意のものが回折素子の特性に応じて採用され
る。
なお、局部封孔による回折格子7は、前記平行状、第
3図のごとき複数の同心円からなるものが採用できるほ
か、多数本の蛇行線状、多角形の多重リング状など、特
殊パターンが採用できる。
3図のごとき複数の同心円からなるものが採用できるほ
か、多数本の蛇行線状、多角形の多重リング状など、特
殊パターンが採用できる。
第4図は、局面回折素子を示したものであり、この回
折素子は、回折格子7を有する多孔質酸化膜2と基板1
とが互いに別体であり、多孔質酸化膜2が基板1の弯曲
した表面(反射面)に張りつけられたものである。
折素子は、回折格子7を有する多孔質酸化膜2と基板1
とが互いに別体であり、多孔質酸化膜2が基板1の弯曲
した表面(反射面)に張りつけられたものである。
この実施例の場合、基板1の反射面は平坦面でもよ
く、多孔質酸化膜2の回折格子7は前記平行状、同心円
状等を含めた任意のパターンでよく、基板1は金属、誘
電体、プラスチックなど、任意の材質が採用できる。
く、多孔質酸化膜2の回折格子7は前記平行状、同心円
状等を含めた任意のパターンでよく、基板1は金属、誘
電体、プラスチックなど、任意の材質が採用できる。
基板1の多孔質酸化膜2との相対的な固着は、接着剤
による接着,熱融着など、適宜の手段により行なわれ
る。
による接着,熱融着など、適宜の手段により行なわれ
る。
上述した各実施例において、必要に応じ多孔質酸化膜
2の表面がガラス、プラスチックなどのクラッド材で覆
われることがある。
2の表面がガラス、プラスチックなどのクラッド材で覆
われることがある。
つぎに、本発明回折素子の製造例を、第5図により具
体的に説明する。
体的に説明する。
第5図(イ)の基板1は、純度99.99%、10cm角のAl
板を電解研磨した後、これをエチルアルコールで洗浄し
乾燥して得たものであり、その表面は完全な鏡面様を呈
している。
板を電解研磨した後、これをエチルアルコールで洗浄し
乾燥して得たものであり、その表面は完全な鏡面様を呈
している。
かかる基板1は陽極とし、アルミニウム平板を陰極と
する陽極酸化法を、浴温22℃の15%H2SO4浴中において
印加電圧:60V、陽極電流密度:約1.3A/dm2、処理時間:3
0分の条件で実施し、基板1の表面に、第5図(ロ)の
ごとく、厚さ約10μmの透明な多孔質酸化膜2を生成し
た。
する陽極酸化法を、浴温22℃の15%H2SO4浴中において
印加電圧:60V、陽極電流密度:約1.3A/dm2、処理時間:3
0分の条件で実施し、基板1の表面に、第5図(ロ)の
ごとく、厚さ約10μmの透明な多孔質酸化膜2を生成し
た。
その多孔質酸化膜2は前記第2図の述べた通りであ
り、セル6のサイズが約0.15μm、細孔2の容積比が約
2%、屈折率が1.61程度である。
り、セル6のサイズが約0.15μm、細孔2の容積比が約
2%、屈折率が1.61程度である。
なお、細孔2=ポアーの径、セル6のサイズは上記印
加電圧により変えられ、細孔径はポアーワイドニングに
より拡げることができる。
加電圧により変えられ、細孔径はポアーワイドニングに
より拡げることができる。
つぎに、上記基板1に形成された多孔質酸化膜2の表
面に、第5図(ハ)のごとく、耐酸性のレジスト9を塗
布した後、その表面に二光束干渉法を用いて500本/mmの
回折用格子を書きこみ、回折格子のパターンニングを行
なった。
面に、第5図(ハ)のごとく、耐酸性のレジスト9を塗
布した後、その表面に二光束干渉法を用いて500本/mmの
回折用格子を書きこみ、回折格子のパターンニングを行
なった。
なお、回折格子の露光は、マスクパターンを利用する
露光法によっても行なえる。
露光法によっても行なえる。
その後、上記基板1、ニッケル板を電極とする金属封
孔法を、硫酸ニッケル100g/とホウ酸50g/との混合
浴(浴温40〜45℃)中において印加電圧(交流):10V、
処理時間5分の条件で実施して、多孔質酸化膜2をニッ
ケルにより局部封孔し、当該封孔後、レジスト9を除去
して、第5図(ニ)に示す反射型回折格子7を得た。
孔法を、硫酸ニッケル100g/とホウ酸50g/との混合
浴(浴温40〜45℃)中において印加電圧(交流):10V、
処理時間5分の条件で実施して、多孔質酸化膜2をニッ
ケルにより局部封孔し、当該封孔後、レジスト9を除去
して、第5図(ニ)に示す反射型回折格子7を得た。
第5図の方法によるとき、回折格子7は第1図のごと
き平行状となるが、パターンニングの態様を変えること
により、第3図のごとき回折格子7が得られ、さらに封
孔後の多孔質酸化膜2を基板1から剥離して別体の基板
へ張りつけることにより、第4図の回折素子が得られ
る。
き平行状となるが、パターンニングの態様を変えること
により、第3図のごとき回折格子7が得られ、さらに封
孔後の多孔質酸化膜2を基板1から剥離して別体の基板
へ張りつけることにより、第4図の回折素子が得られ
る。
『発明の効果』 以上説明した通り、本発明回折素子は、基板の表面
に、アルミニウム製の透明な多孔質酸化膜が設けられ、
その多孔質酸化膜が局部封孔されて回折格子が形成され
ているから、陽極酸化法、封孔法等を介して当該回折素
子が得られ、その素子の品質、価格、製作易度、再現性
等を満足させ得る。
に、アルミニウム製の透明な多孔質酸化膜が設けられ、
その多孔質酸化膜が局部封孔されて回折格子が形成され
ているから、陽極酸化法、封孔法等を介して当該回折素
子が得られ、その素子の品質、価格、製作易度、再現性
等を満足させ得る。
第1図は本発明回折素子の一実施例を略示した斜視図、
第2図はその回折素子の要部拡大図、第3図は回折格子
パターンの他例を示した説明図、第4図は本発明回折素
子の他実施例を略示した一部切欠状態の斜視図、第5図
は本発明回折素子の一製造例を工程順に略示した説明図
である。 1……基板 2……多孔質酸化膜 3……多孔質層 4……バリア層 5……細孔 6……セル 7……回折格子 8……封孔材
第2図はその回折素子の要部拡大図、第3図は回折格子
パターンの他例を示した説明図、第4図は本発明回折素
子の他実施例を略示した一部切欠状態の斜視図、第5図
は本発明回折素子の一製造例を工程順に略示した説明図
である。 1……基板 2……多孔質酸化膜 3……多孔質層 4……バリア層 5……細孔 6……セル 7……回折格子 8……封孔材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平谷 雄二 東京都品川区二葉2丁目9番15号 古河電 気工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特公 昭43−27920(JP,B1)
Claims (7)
- 【請求項1】膜面と直交した多数の孔を有するアルミニ
ウム製の透明な多孔質酸化膜が、基板の任意表面に設け
られ、その多孔質酸化膜が局部封孔されて回折格子が形
成されていることを特徴とする回折素子。 - 【請求項2】アルミニウム製からなる基板の任意表面
に、多孔質酸化膜が一体形成されている特許請求の範囲
第1項記載の回折素子。 - 【請求項3】基板と多孔質酸化膜とが別体からなり、そ
の基板の任意表面に多孔質酸化膜が張りつけられている
特許請求の範囲第1項記載の回折素子。 - 【請求項4】基板の任意表面の一部に、多孔質酸化膜が
設けられている特許請求の範囲第1項ないし第3項いず
れかに記載の回折素子。 - 【請求項5】基板の任意表面の全体に、多孔質酸化膜が
設けられている特許請求の範囲第1項ないし第3項いず
れかに記載の回折素子。 - 【請求項6】多孔質酸化膜が、平行間隔をおいて局部封
孔されている特許請求の範囲第1項ないし第5項いずれ
かに記載の回折素子。 - 【請求項7】多孔質酸化膜が、複数の円心円状に局部封
孔されている特許請求の範囲第1項ないし第5項いずれ
かに記載の回折素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16059686A JPH0814641B2 (ja) | 1986-07-08 | 1986-07-08 | 回折素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16059686A JPH0814641B2 (ja) | 1986-07-08 | 1986-07-08 | 回折素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6315202A JPS6315202A (ja) | 1988-01-22 |
JPH0814641B2 true JPH0814641B2 (ja) | 1996-02-14 |
Family
ID=15718366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16059686A Expired - Fee Related JPH0814641B2 (ja) | 1986-07-08 | 1986-07-08 | 回折素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0814641B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19638885C1 (de) * | 1996-09-21 | 1998-04-23 | Forschungszentrum Juelich Gmbh | Optisches Beugungsgitter auf der Basis eines porösen Materials |
-
1986
- 1986-07-08 JP JP16059686A patent/JPH0814641B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6315202A (ja) | 1988-01-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |