JP2569313B2 - 偏波性光導波素子 - Google Patents

偏波性光導波素子

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JP2569313B2
JP2569313B2 JP61157017A JP15701786A JP2569313B2 JP 2569313 B2 JP2569313 B2 JP 2569313B2 JP 61157017 A JP61157017 A JP 61157017A JP 15701786 A JP15701786 A JP 15701786A JP 2569313 B2 JP2569313 B2 JP 2569313B2
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茂穂 西田
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Description

【発明の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本発明は光通信、光学機器等の分野において、光分岐
器、光偏波器、フイルタ、光スイッチなどの光回路部品
として適用することのできる偏波性光導波素子に関す
る。
『従来の技術』 一般に、光回路部品用の光導波素子を製造するとき、
ガラス、石英、半導体などの材料からなる基板上に、液
相化学反応法、気相化学反応法、あるいは物理的なデポ
ジション手段により、薄膜または厚膜からなるスラブ状
導波路を形成し、必要に応じてリソグラフィなどの技術
で二次元パターンを作製している。
その他、基板上にドープ材を付着させてパターンを作
製し、熱拡散する方法とか、不要部分をマスクしてイオ
ン交換によりパターンを作製する方法なども併用されて
いる。
『発明が解決しようとする問題点』 上述した従来例の場合、高価な基板を用いること、導
波膜の成長速度が遅いこと、製造設備が複雑高価である
ことなどに起因し、得られる光導波素子が必然的にコス
ト高となる。
一方、従来例の光導波素子を特性上から検討した場
合、基板に平行な偏光(TEモード)も、基板に垂直な偏
光(TMモード)も、伝送損失に大きな差がないので、偏
光モードが規制しがたい欠点がある。
本発明は上記の問題点に鑑み、低コスト、高速製造、
明確な偏波性等を満足させることのできる光導波素子を
提供しようとするものである。
『問題点を解決するための手段』 本発明に係る偏波性光導波素子は、所期の目的を達成
するために下記の手段を特徴とする。すなわち、アルミ
ニウム基板上に形成された光導波路が透明な多孔質酸化
膜からなり、当該多孔質酸化膜がその膜面に対して直交
する多数の細孔を有しており、光導波路による光の導波
方向が多孔質酸化膜の膜面と平行するものであることを
特徴とする。
『作用』 本発明の偏波性光導波素子は、アルミニウム製の基板
上に形成された光導波路が透明な多孔質酸化膜からなる
が、かかる多孔質酸化膜は、陽極酸化法による電気的/
化学的手段を介し、安価なアルミニウル基板上に成長さ
せることにより高速成膜でき、その光導波路形状もマス
キング手段により簡易に任意のものが得られるから、低
コスト、高速製造を満足させることができ、偏波性も良
好である。
『実 施 例』 以下、本発明に係る偏波性光導波素子の実施例につ
き、図面を参照して説明する。
第1図、第2図において、10はアルミニウム製の基
板、20は基板10の表面に陽極酸化法とパターンニング手
段とを介して形成された直線型の光導波路20であり、こ
の光導波路20は透明な多孔質酸化膜30からなる。
多孔質酸化膜30は、第2図のごとく、上位の多孔質層
31と下位のバリア層32とからなり、その多孔質層31は、
細孔33を有する六角柱状の各セル34が面状に連続した構
造となっている。
多孔質酸化膜30からなる光導波路20の形状としては、
第3図のごときY型、その他任意のパターンが採用でき
る。
光導波路20を構成している多孔質酸化膜30の細孔33
は、第2図に略示するごとく、必要に応じ封孔される
が、この際の封孔材40としては、金属、染料、誘電体な
ど、任意のものが光導波路20の特性に応じて採用され
る。
上記実施例のスラブ状偏波性光導波素子においては、
多孔質酸化膜30の膜面と平行する光を、第1図、第3図
のように光導波路20一端から入射し、その他端から出射
させる。すなわち、光導波路20を介して光を所定の方向
へ伝送する。
この際、多孔質酸化膜30に対して平行に偏光された光
RHは低損失となるが、多孔質酸化膜30に対して垂直に偏
光された光RVには、大きな減衰を与える。
つぎに、本発明偏波性光導波素子を製造する際の具体
例について説明する。
具体例1 アルミニウム製の基板10として、純度99.99%、10cm
角のAl板を電解研磨した後、これをエチルアルコールで
洗浄し乾燥したものを用いた。
その表面は完全な鏡面様を呈している。
つぎに、上記基板10に形成された多孔質酸化膜30の表
面に、耐酸性のレジストをY型、X型、直線型など、任
意形状に塗布して、光導波路20のパターンニングを行な
った。
しかる後、上記基板10を陽極とし、アルミニウム平板
を陰極とする陽極酸化法を、浴温22℃の15%H2SO4浴中
において下記の条件で実施した。
の場合 陽極電流密度:10mA/cm2、処理時間:120分。
この条件により膜厚約35μmの多孔質酸化膜30が得ら
れた。
の場合 陽極電流密度:40mA/cm2、処理時間:60分。
この条件により膜厚約70μmの多孔質酸化膜30が得ら
れた。
これら多孔質酸化膜30は、いずれも前記第2図に述べ
た通りの細孔33を多数有し、上記レジスト除去後、多孔
質酸化膜30からなる光導波路20に、水平成分、垂直成分
の偏光を通したところ、水平成分のみをよく通過させる
偏波特性を示した。
これにより、比較的短時間で光導波路として十分な厚
さと良好な偏波特性とを確保できることが確認された。
なお、光導波路20を構成している多孔質酸化膜30の細
孔33を、必要に応じて封孔するとき、バトリ氏浴による
ニッケル封孔例では、上記基板10、ニッケル板を電極と
する金属封孔法を実施すればよく、その例としては、沸
騰水による水和処理も採用できる。
前者の場合は、硫酸ニッケル100g/lとホウ酸50g/lと
の混合浴(浴温40〜45℃)中において印加電圧(交
流):10V、処理時間5分の条件で実施して多孔質酸化膜
30をニッケルにより封孔できる。
具体例2 具体例1と同様のアルミニウム基板10を用い、これを
パターンニングすることなく、具体例1と同様の陽極酸
化法を実施したところ、前記と同じ膜厚の多孔質酸化膜
30が基板10の上側表面に形成された。
つぎに、上記基板10上に形成された多孔質酸化膜30の
表面に、耐酸性のレジスタを前記と反転させて塗布する
ことにより、光導波路20のパターンニングを行ない、そ
の後、当該基板10をエッチング液中に浸漬し、レジスト
で覆われていない部分の多孔質酸化膜30をエッチング除
去したところ、所定のパターンを有する光導波路20が得
られた。
具体例2により得られた偏波性光導波素子も、生産
性、偏波特性が良好である。
具体例2の場合も、その後、光導波路20を構成してい
る多孔質酸化膜30の細孔33を前述した手段で封孔してよ
い。
『発明の効果』 以上説明した通り、本発明に係る偏波性光導波素子
は、アルミニウム製の基板上に形成された光導波路が、
透明な多孔質酸化膜、しかも、その膜面と直交する多数
の細孔を有する多孔質酸化膜からなるので、安価な材料
と簡易な製作手段とを介して偏波性の良好なものを構成
することができ、したがって、その素子の品質、価格、
製作易度等を満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る偏波性光導波素子の一実施例を略
示した斜視図、第2図はその偏端性光導波素子の要部拡
大図、第3図は本発明偏波性光偏波素子の他実施例を略
示した斜視図である。 10……基板 20……光導波路 30……多孔質酸化膜 31……多孔質層 32……バリア層 33……細孔 34……セル 40……封孔材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平谷 雄二 東京都品川区二葉2丁目9番15号 古河 電気工業株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−88493(JP,A) 特開 昭60−182689(JP,A) 特開 昭60−168121(JP,A) 特開 昭59−72663(JP,A) 特開 昭57−5077(JP,A) 特開 昭54−104463(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム基板上に形成された光導波路
    が透明な多孔質酸化膜からなり、当該多孔質酸化膜がそ
    の膜面に対して直交する多数の細孔を有しており、光導
    波路による光の導波方向が多孔質酸化膜の膜面と平行す
    るものであることを特徴とする偏波性光導波素子。
  2. 【請求項2】多孔質酸化膜の細孔が封孔されている特許
    請求の範囲第1項記載の偏波性光導波素子。
  3. 【請求項3】封孔材が金属、誘電体のいずれかからなる
    特許請求の範囲第1項記載の偏波性光導波素子。
JP61157017A 1986-07-03 1986-07-03 偏波性光導波素子 Expired - Lifetime JP2569313B2 (ja)

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