JPH08145343A - 燃焼制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気ダンパーが閉状態から開状態に至るまで
の時間をなくして、熱要求による燃焼装置の起動から着
火までの時間および昇温時間を短縮化する。 【構成】 燃焼装置の給気系に設けられて、燃焼室への
給気量を調整する空気ダンパーと、上記燃焼装置の燃料
系に上記空気ダンパー２２とは独立して作動するように
設けられて、上記燃焼室への燃料供給量を調整する燃料
ダンパー２４ｂとを備えて、マイクロプロセッサ９に、
燃焼シーケンス終了時に、上記燃料ダンパー２４ｂを閉
状態に制御保持させ、一方、上記空気ダンパー２２を開
状態に制御保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、燃焼装置におけるプ
レパージモードにおいて、空気を燃焼室に供給するよう
に空気ダンパーを開放制御する燃焼制御装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、燃焼装置の燃焼室に給気する
給気系には、燃焼シーケンスに最適な給気量とするため
に開閉量が調整自在な空気ダンパーが設けられている。
かかる空気ダンパーは、燃料系を通過するガスなどの燃
料の供給量を調整する燃料ダンパーに対して、リンケー
ジを介して連結され、これらを１つのダンパーモータな
どの駆動手段を用いて同時に開閉制御するように構成さ
れている。

【０００３】従って、かかる燃焼装置の作動停止中にあ
っては、空気ダンパーおよび燃料ダンパーの両方が共に
閉位置とされ、一方、作動中にあっては、共に開位置と
されるように制御されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のダンパー制御では、プレパージモードに入ってか
ら、空気ダンパーが閉状態から開動作をはじめるため、
完全に開状態となるには、通常、数１０秒以上の時間が
掛かり、結果的に、燃焼装置の起動からメインバーナの
着火に至るまでの時間が長くなり、燃焼に関する温度制
御などの制御性が悪くなるなどの問題点があった。

【０００５】この発明は上記のような従来の問題点に着
目してなされたものであり、空気ダンパーが閉状態から
開状態に至るまでの時間をなくして、熱要求による燃焼
装置の起動から着火までの時間および昇温時間を短縮で
き、これにより、燃焼に関する温度制御などの各種制御
を能率的かつ容易に実現できる燃焼制御装置を得ること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明に係る燃焼制御
装置は、燃焼装置の給気系に設けられて、燃焼室への給
気量を調整する空気ダンパーと、上記燃焼装置の燃料系
に上記空気ダンパーとは独立して作動するように設けら
れて、上記燃焼室への燃料供給量を調整する燃料ダンパ
ーとを備えて、マイクロプロセッサに、燃焼シーケンス
終了時に、上記燃料ダンパーを閉状態に制御保持させ、
一方、上記空気ダンパーを開状態に制御保持させるよう
にしたものである。

【０００７】

【作用】この発明における燃焼制御装置は、空気ダンパ
ーおよび燃料ダンパーをそれぞれ独立して動作可能にし
て、燃焼シーケンスの終了時には、マイクロプロセッサ
の制御下で上記空気ダンパーを開状態に維持させ、一
方、燃料ダンパーは閉状態に維持させる。

【０００８】こうすることで、プレパージ開始時に直ち
に上記空気ダンパーを介して、燃焼室のプレパージを実
施可能にし、従来のような空気ダンパーの開状態への立
上りの遅れによる燃焼制御全体の遅延を容易に回避可能
にする。

【０００９】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図について説
明する。図１はこの発明の燃焼制御装置を示すブロック
図であり、図において、１は燃焼制御装置用の電源電圧
を検出する電源電圧検出部、２は図示しない火炎検出器
をドライブする火炎検出器駆動回路である。

【００１０】また、３は火炎検出器の出力にもとづいて
フレーム電流を検出するフレーム電流検出部、４はこの
フレーム電流検出部３や上記電源電圧検出部１などの各
検出出力をディジタル信号に変換するアナログ／ディジ
タル変換部である。

【００１１】さらに、５は燃焼制御部であり、フレーム
電流検出部３にて変換された着火／断火信号を受けて、
リレー出力部６に燃焼シーケンスごとの制御信号を出力
する。なお、このリレー出力部６は各リレーによりファ
ンブロア，点火トランス，パイロット弁，メイン弁，燃
料制御および空気制御のアクチュエータとしての各ダン
パーモータなどの燃焼制御用負荷をオン，オフ制御す
る。

【００１２】７はリレー出力部６からの出力により後述
の点火トランスの１次電流を検出する点火トランス１次
電流検出部で、この検出出力も上記アナログ／ディジタ
ル変換部４に入力されてディジタル変換される。８は上
記リレー出力部６からのフィードバック信号を、後述の
マイクロプロセッサに入力する信号入力部である。

【００１３】また、９はマイクロプロセッサであり、こ
れがフレーム電流検出部３からの各燃焼シーケンスごと
の各フレーム電流の平均値および偏差値の実測データ
と、バーナ最適状態での各フレーム電流の平均値および
偏差値である学習データとを比較して、これらの各デー
タの偏差からバーナ故障またはバーナ故障予知の診断を
実施する。

【００１４】また、マイクロプロセッサ９は燃焼シーケ
ンスの終了時に、後述の燃料ダンパーを閉状態とし、か
つこれと並行して空気ダンパーを全開状態にするような
制御データを燃焼制御部５に入力する。

【００１５】さらに、上記マイクロプロセッサ９は燃焼
シーケンス制御用のリレーからのフィードバック信号を
受けて、不着火原因または燃焼の不具合原因を判定する
機能を持つ。

【００１６】１０はマイクロプロセッサ９に入力される
データや上記学習データなどを格納するメモリ、１１は
上記データの処理結果や診断結果などを表示する表示
部、１２はデータの処理結果や診断結果を外部へ出力す
る通信インターフェース部である。

【００１７】図２はこの発明の燃焼制御装置の診断対象
となる燃焼装置を示し、同図において、２１は送風用
（給気用）のファン、２２は給気通路２１ａを通じてフ
ァン２１により燃焼室へ供給される送風量を調節するダ
ンパーである。

【００１８】また、２３はこのダンパー２２を開閉制御
するアクチュエータとしてのダンパーモータ、２４ａは
ガス通路２６を通じてメインバーナ２５に供給するガス
をオン，オフする開閉用のメイン弁、２４ｂはガス通路
２６を通じてメインバーナ２５に供給するガスの流量を
調節する燃料ダンパーとしてのメイン弁（燃焼弁）であ
る。

【００１９】一方、２７ａはガス通路２８を通じてパイ
ロットバーナ２９に供給するガスをオン，オフする開閉
用のパイロット弁、２７ｂはガス通路２８を通じてパイ
ロットバーナ２９に供給するガスの流量を調節するパイ
ロット側燃料ダンパーとしてのパイロット弁（燃料弁）
である。

【００２０】また、４１，４２は各メイン弁２４ａ，２
４ｂをそれぞれ開閉制御するアクチュエータとしてのダ
ンパーモータ、４３，４４は各パイロット弁２７ａ，２
７ｂをそれぞれ開閉制御するアクチュエータとしてのダ
ンパーモータである。

【００２１】さらに、３０はパイロットバーナ２９の近
傍に配置されたスパークロッド、３１はスパークロッド
３０へ点火電流を供給する点火トランス、３２はメイン
バーナ２５付近に配置されて、火炎を検出する火炎検出
器である。

【００２２】次に動作について説明する。この発明の燃
焼制御装置の制御フローの全体は、図３の制御シーケン
ス図に示す通りであり、吸収式運転，起動信号，ダンパ
ー側の風圧スイッチ，ハイリミットおよびローリミット
などの入力側、ダンパー動作、ダンパーハイ，ダンパー
ロー，ブロアモータ，点火トランス，パイロット弁，メ
イン弁，警報，警報待機およびメイン弁待機などの出力
側、表示動作のそれぞれについて、プレパージ，点火待
ち，イグニッショントライアル，パイロットオンリ，メ
イントライアル，メイン安定，定常燃焼，ポストパージ
などの開始タイミングおよび終了タイミングが与えられ
ており、これらの各制御フローの中で、この発明では、
次の燃焼制御を実行する。

【００２３】すなわち、電源電圧検出部１では電源の電
圧検出を行い、その検出出力をアナログ／ディジタル変
換部４にてディジタル信号に変換し、マイクロプロセッ
サ９に入力する。マイクロプロセッサ９ではこのディジ
タル信号にもとづき、フレーム電流の補正を行う。

【００２４】一方、火炎検出器３２は火炎検出器駆動回
路２によりドライブされ、その火炎検出器３２が出力す
る検出信号にもとづき、フレーム電流検出部３がフレー
ム電流を検出し、この検出出力もまたアナログ／ディジ
タル変換部４にてディジタル信号に変換され、マイクロ
プロセッサ９に入力される。

【００２５】上記フレーム電流検出部３は、また上記火
炎の検出信号にもとづき着火／断火信号を変換出力し、
これを燃料制御部５に入力している。この燃料制御部５
では燃料シーケンスを制御し、その制御出力がリレー出
力部６に入力されて、各リレーにより燃料制御用の負荷
をオン，オフ制御させる。

【００２６】一方、上記リレー出力部６からのフィード
バック信号が信号入力部８を通じてマイクロプロセッサ
９に入力される。

【００２７】このため、マイクロプロセッサ９は上記電
源電圧，フレーム電流，フィードバック信号をそれぞれ
入力として、バーナ故障データのデータ処理およびバー
ナの故障診断を実行し、その結果を、メモリ１０に格納
したり、表示部１１に表示したり、通信インターフェー
ス部１２を通じて外部出力可能にしている。

【００２８】一方、上記マイクロプロセッサ９は、燃焼
シーケンスの停止時に、図４のフローチャートに示す手
順に従って、ダンパー制御出力を燃焼制御部５に出力す
る。

【００２９】すなわち、まず、燃焼シーケンスの停止信
号があると（ステップＳＴ１）、空気ダンパー２２が開
状態で、かつ燃料ダンパーであるメイン弁２４ｂが閉状
態であるか否かを判定し（ステップＳＴ２）、この通り
であれば燃焼装置の動作を停止させる（ステップＳＴ
３）。

【００３０】一方、ステップＳＴ２でメイン弁２４ｂが
閉状態および空気ダンパー２２が開状態の両方を満足し
ない場合においては、続いてメイン弁２４ｂのみが閉状
態か否かを判定し（ステップＳＴ４）、この通りであれ
ばそのままメイン弁２４ｂの閉状態を保持させ（ステッ
プＳＴ５）、逆に閉状態でないと判定された場合には、
そのメイン弁２４ｂを閉動作させる制御信号を出力する
（ステップＳＴ６）。

【００３１】次に、上記メイン弁２４ｂの上記のような
動作制御に続いて、空気ダンパー２２が開状態か否かを
判定し（ステップＳＴ７）、開状態である場合には、そ
の空気ダンパー２２の開動作を保持させる制御信号を出
力させる（ステップＳＴ８）。

【００３２】一方、ステップＳＴ７において、空気ダン
パー２２が閉状態でないと判定された場合には、空気ダ
ンパー２２を開動作させる制御信号を出力して（ステッ
プＳＴ９）、再びステップＳＴ２以下の処理を繰り返さ
せる。

【００３３】従って、このような処理により燃焼装置の
停止状態において、空気ダンパー２２を開状態にし、か
つメイン弁２４ｂを閉じた状態にしておくことで、再び
燃焼装置を起動した際に、プレパージが図５（ａ）に示
すように直ちに立上り、図５（ｂ）の従来例のように、
空気ダンパーの閉から開への立上りの遅れ時間Ｔを生じ
ることが全くなくなる。

【００３４】つまり、この発明では、この遅れ時間Ｔが
なくなった分、プレパージ時間が短縮され、例えば、燃
焼動作に伴う温度上昇弁を検出してボイラ温度などを制
御する場合におけるような燃焼シーケンスでの制御性を
向上することができる。

【００３５】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、燃焼
装置の給気系に設けられて、燃焼室への給気量を調整す
る空気ダンパーと、上記燃焼装置の燃料系に上記空気ダ
ンパーとは独立して作動するように設けられて、上記燃
焼室への燃料供給量を調整する燃料ダンパーとを備え
て、マイクロプロセッサに、燃焼シーケンス終了時に、
上記燃料ダンパーを閉状態に制御保持させ、一方、上記
空気ダンパーを開状態に制御保持させるように構成した
ので、空気ダンパーが閉状態から開状態に至るまでの時
間をなくして、熱要求による燃焼装置の起動から着火ま
での時間および昇温時間を短縮でき、これにより、燃焼
に関する温度制御などの各種制御を能率的かつ容易に実
現できるものが得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例による燃焼制御装置を示す
ブロック図である。

【図２】この発明における燃焼装置の概略構成を示すブ
ロック図である。

【図３】この発明の燃焼制御装置の制御手順を示す制御
シーケンス図である。

【図４】この発明における空気ダンパーの開制御手順を
示すフローチャートである。

【図５】この発明における空気ダンパーの開閉動作時期
を示すタイミングチャートである。

【符号の説明】

９ マイクロプロセッサ ２２ 空気ダンパー ２４ｂ メイン弁（燃料ダンパー）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 伯一 大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 井口 信正 神奈川県藤沢市川名１丁目12番２号 山武 ハネウエル株式会社藤沢工場内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃焼装置の給気系に設けられて、燃焼室
   への給気量を調整する空気ダンパーと、上記燃焼装置の
   燃料系に上記空気ダンパーとは独立して作動するように
   設けられて、上記燃焼室への燃料供給量を調整する燃料
   ダンパーと、燃焼シーケンス終了時に、上記燃料ダンパ
   ーを閉状態に制御保持させ、一方、上記空気ダンパーを
   開状態に制御保持させるマイクロプロセッサとを備えた
   燃焼制御装置。