JPH08145156A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH08145156A
JPH08145156A JP6283618A JP28361894A JPH08145156A JP H08145156 A JPH08145156 A JP H08145156A JP 6283618 A JP6283618 A JP 6283618A JP 28361894 A JP28361894 A JP 28361894A JP H08145156 A JPH08145156 A JP H08145156A
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JP
Japan
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turbine
torque
shift
clutch
hydraulic pressure
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Withdrawn
Application number
JP6283618A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikuo Maruyama
育男 圓山
Masahide Ito
昌秀 伊藤
Yoichi Furuichi
曜一 古市
Nobuyuki Katayama
信行 片山
Hiroshi Takuma
寛 宅間
Yoshimasa Nagayoshi
由昌 永吉
Kazuo Ao
和夫 粟生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP6283618A priority Critical patent/JPH08145156A/ja
Publication of JPH08145156A publication Critical patent/JPH08145156A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結合側の第二摩擦係合要素への供給油圧をフ
ィードバック制御する自動変速機において、アップシフ
トがいかなる車速において実施された場合であっても、
フィードバック制御を安定させ、シフトフィーリングを
悪化させることなく迅速かつスムースに変速が達成され
るように図る。 【構成】 フィードバック制御開始時の開始供給油圧を
変速時の運転状態に応じて学習補正する学習補正手段
と、タービントルクとタービンの慣性トルクとの和の大
きさに基づいて分割した複数の領域毎に学習結果を保持
する学習結果分割保持手段とを備え、開始供給油圧は、
フィードバック制御開始直前においてタービントルク算
出手段(S48) により算出される実タービントルクと、慣
性トルク算出手段(S49) により算出される実慣性トルク
との和に対応する領域の学習結果に基づいて補正される
(S50,S51,S53,S54) 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に用いられる
自動変速機の変速制御装置に係り、特に、結合側の摩擦
係合要素の油圧制御に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用の自動変速機では、一般にプラ
ネタリギヤによる変速機構が用いられ、油圧式の湿式多
板クラッチ等の油圧摩擦係合要素の係合あるいは解放に
よりサンギヤやプラネタリキャリヤ等の連結あるいは固
定を行って所望の変速段を得るようにしている。また、
エンジンと変速機構との間には流体継手であるトルクコ
ンバータが介装されており、このトルクコンバータは入
力側のポンプと出力側のタービンとからなり、発進時等
においてエンジンのトルクを増大させて変速機構に伝達
したり、変速時や急加減速時等におけるショックを吸収
するようになっている。
【0003】近年の自動変速機の変速機構では、ECU
(電子制御ユニット)により油圧制御用のソレノイド弁
をデューティ駆動制御するようにして、油圧摩擦係合要
素の解放と結合とを行う電子制御式のものが多くなって
いる。このような自動変速機は、変速制御がスロットル
開度と車速とをパラメータとするシフトマップに基づい
て行われる。すなわち、運転状態がシフトマップ上のダ
ウンシフトタイミングやアップシフトタイミングとなっ
た時点で変速指令が出力され、この変速指令に応じて結
合側摩擦係合要素に供給される作動油圧、あるいは解放
側摩擦係合要素から排出される作動油圧を制御してギヤ
の掴み換えを行うことになる。
【0004】この変速制御では、結合側摩擦係合要素に
供給する作動油圧の初期値、すなわち開始供給油圧をエ
ンジントルクから求められるタービントルク( TT ) に
応じて設定するようにしており、変速中にはデューティ
駆動するソレノイド弁のデューティ率を最適値にフィー
ドバック制御するようにし、速やかにその変速が達成さ
れるよう作動油圧の適正化が図られている。このフィー
ドバック制御では、予め設定された変速時間と、予想さ
れるタービン回転速度差とに基づいて目標タービン回転
速度変化率を求め、実測により求まる実タービン回転速
度変化率がこの目標タービン回転速度変化率に近づくよ
うに作動油圧を増減させるようにしている。これによ
り、結合側と解放側の摩擦係合要素が同時に結合したり
同時に解放されたりすることなく変速が達成される。
【0005】さらに、このフィードバック制御では、フ
ィードバック制御の安定化を図るため、変速開始初期の
目標タービン回転速度変化率と運転状態に応じて変化す
る実タービン回転速度変化率との偏差に応じて開始供給
油圧を学習補正するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、変速
はシフトマップに基づきスロットル開度あるいは車速の
変化によって実施されるが、スロットル開度の開閉度合
いによって変速が実施される車速が異なる。従って、車
速が高速でも低速でも同一シフトモードの変速が実施さ
れ得ることになる。しかしながら、車速が高速の場合に
はタービン回転速度も速く、低速のときに比べて変速前
後におけるタービン回転速度差が大きくなっている。
【0007】特に、変速後にタービン回転速度が遅くな
るパワーオンアップシフト時においてこのタービン回転
速度差が大きくなると、タービンや変速機構はそれぞれ
慣性モーメントを有するため、これらの慣性モーメント
による慣性トルク( TI ) が結合側摩擦係合要素の係合
に大きく関わることになる。従って、上述のようにエン
ジントルクに基づいたタービントルク( TT ) のみによ
って設定される開始供給油圧だけでは結合側摩擦係合要
素においてこの慣性トルク分の抑制を良好に行うことが
できず、実タービン回転速度変化率が目標タービン回転
速度変化率から外れてしまうことになる。
【0008】さらに、ポンプとタービンとを断接するロ
ックアップクラッチを備えたトルクコンバータでは、ロ
ックアップクラッチの接続時つまり直結時にはタービン
とポンプとを含むトルクコンバータ全体の慣性モーメン
トによる慣性トルク( TI )が作用することになり、タ
ービンだけの慣性モーメントによる慣性トルク( TI)
に比べてその値は大きなものとなる。このロックアップ
クラッチの直結状態は、変速開始後には一旦解除される
ものであるが、変速開始時点では半クラッチ状態が継続
されているため、ロックアップクラッチが直結した状態
のもとで変速が実施されるときには、トルクコンバータ
全体の慣性モーメントによる大きな慣性トルク( TI )
が作用することとなり、上述のようにエンジントルクに
基づいたタービントルクのみによって設定される開始供
給油圧だけでは結合側摩擦係合要素を速やかに係合させ
ることができないことになる。従って、このような場合
には、やはり、実タービン回転速度変化率は目標タービ
ン回転速度変化率から外れてしまうことになる。
【0009】また、通常、自動変速機には、上述のよう
なシフトマップに基づいて変速が実施される自動変速モ
ードの他に、スロットル開度あるいは車速にかかわらず
運転者の意思で変速可能な手動変速モード(マニュアル
シフトモード)が設けられている。このマニュアルシフ
トモードでは、変速が行われる車速の制限はなく、上記
の自動変速モードの場合に比べてその範囲は広いものと
なっている。従って、同一シフト内容の変速であっても
通常の自動変速モードでの変速時の車速よりも高車速で
変速を行うことも考えられ、この場合には、タービンの
回転速度がかなり大きくなり、これに応じて慣性トルク
( TI ) も大きくなり、エンジントルクに基づいたター
ビントルクのみによって設定される開始供給油圧だけで
は、実タービン回転速度変化率は上記の自動変速モード
のときよりもさらに大きく目標タービン回転速度変化率
から外れてしまう。
【0010】このように、車速に応じてタービンの回転
速度が大きくなり実タービン回転速度変化率が目標ター
ビン回転速度変化率から大きく外れると、解放側摩擦係
合要素の解放に対し結合側摩擦係合要素の係合が遅れる
ことになる。このような係合遅れが起こると、タービン
回転速度が急激に上昇して吹き上がる所謂ランナップが
発生し、シフトフィーリングが悪化することになる。
【0011】そこで、ロックアップクラッチの断接やシ
フトモードの選択にかかわらず、アップシフトがいかな
る車速において実施された場合でも、ランナップが発生
せず、良好かつ速やかな変速が達成されるように、ター
ビントルク( TT ) と慣性トルク( TI ) とに基づいて
フィードバック制御開始時のデューティ率、すなわち開
始供給油圧を設定することが考えられる。
【0012】この場合においても、その作動油圧の初期
値である開始供給油圧は、上述したように、学習によっ
て補正されることになる。しかしながら、この学習は、
目標タービン回転速度変化率と実タービン回転速度変化
率との偏差のみに基づいて各シフトモード(1−2シフ
ト、2−3シフト等)毎に実施しているため、上述のよ
うに、タービントルク( TT ) と慣性トルク( TI ) に
基づいて開始供給油圧の初期値を設定しても、慣性トル
ク( TI ) の変化と無関係にその学習が行われてしま
い、適正な補正が実施されず、フィードバック制御の安
定化が図れないことになる。
【0013】本発明は、上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、ロックアップクラ
ッチの断接やシフトモードの選択にかかわらず、アップ
シフトがいかなる車速において実施された場合でも、そ
の変速が、安定したフィードバック制御のもとにシフト
フィーリングを悪化させることなく迅速かつスムースに
達成可能な自動変速機の変速制御装置を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】上述の目的を達
成するため、請求項1の発明では、内燃エンジンの駆動
力を受ける入力側のポンプ及び出力側のタービンとから
なる流体継手と、前記流体継手のタービン側に連結され
る歯車変速機構とを備えた自動変速機にあって、前記歯
車変速機構の第一摩擦係合要素への油圧を解放してその
係合を解除する一方、第二摩擦係合要素に油圧を供給し
てこれを係合させることにより第一変速段から第二変速
段への変速を達成可能とし、変速中、前記第二摩擦係合
要素への供給油圧をフィードバック制御する自動変速機
の変速制御装置において、前記フィードバック制御開始
時の開始供給油圧を前記変速中の運転状態に応じて学習
補正する学習補正手段と、前記タービンのタービントル
クと前記タービンの慣性トルクとの和の大きさに基づい
て分割した複数の領域毎に前記学習補正の実施結果を保
持する学習結果分割保持手段と、前記フィードバック制
御開始直前の実タービントルクを算出するタービントル
ク算出手段と、前記フィードバック制御開始直前の前記
タービンの実慣性トルクを算出する慣性トルク算出手段
とを備え、前記学習補正手段は、算出された前記実ター
ビントルクと前記実慣性トルクとの和に対応した領域の
学習補正の実施結果に基づき、前記開始供給油圧を補正
することを特徴とする。
【0015】これにより、フィードバック制御開始時の
開始供給油圧の学習結果はタービントルクと慣性トルク
との和の大きさに基づいて分割した領域毎に記憶保持さ
れる。そして、フィードバック制御開始直前の実タービ
ントルクと実慣性トルクとの和が算出されると、このト
ルク和に対応する領域毎に記憶保持された学習結果に基
づいて開始供給油圧の補正が実施される。従って、学習
補正値のばらつきが小さく抑えられ、フィードバック制
御の安定化が図られることになり、結合側の第二摩擦係
合要素には常に適正な油圧が供給されて変速が速やかに
達成される。
【0016】また、請求項2の発明では、前記慣性トル
ク算出手段は、前記タービンの回転速度変化率と前記流
体継手の慣性モーメントとから前記慣性トルクを算出す
ることを特徴とする。これにより、流体継手の出力側の
回転速度変化率と流体継手の慣性モーメントとから慣性
トルクが容易かつ良好に算出される。
【0017】また、請求項3の発明では、前記流体継手
は、前記流体継手の入力側と出力側とを結合可能なクラ
ッチを有し、前記学習補正手段は、前記クラッチの結合
により入力側と出力側とが直結した状態と前記クラッチ
が結合していない非直結の状態とでそれぞれ区別して学
習補正を実施することを特徴とする。これにより、開始
供給油圧は、流体継手の入力側と出力側とを結合するク
ラッチが直結状態であって慣性モーメントの大きいとき
と、非直結状態であって慣性モーメントの小さいときと
で別々にして学習が行われ、その補正がより正確なもの
となる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例を
詳細に説明する。図1には、本発明に係る変速制御装置
を適用した乗用車のパワープラントの概略構成を示して
ある。同図において、エンジン1の後端には自動変速機
2が接続されており、エンジン1の出力は自動変速機2
を介して駆動輪(図示せず)に伝達される。自動変速機
2は、トルクコンバータ3、変速機本体4、油圧コント
ローラ5から構成されており、車室内等に設置された自
動変速機制御用のECU(電子制御ユニット)6により
駆動制御される。変速機本体4は複数組のプラネタリギ
ヤの他、油圧クラッチや油圧ブレーキ等の油圧摩擦係合
要素を内蔵している。また、油圧コントローラ5には、
一体に形成された油圧回路の他、ECU6によってデュ
ーティ駆動される複数のソレノイド弁(後述の図4には
第2ソレノイド弁71だけを例示してある)が収納され
ている。尚、このソレノイド弁は、後述する複数の摩擦
係合要素毎にそれぞれ設けられている。
【0019】また、自動変速機2には運転モードを切り
換える切換レバー(図示せず)が装着されており、運転
者がこの切換レバーを操作することにより、パーキング
レンジ、走行レンジ(例えば、1速段〜4速段)、ニュ
ートラルレンジおよび後退レンジ等の変速レンジの選択
を手動で行えるようになっている。この走行レンジには
自動変速モードと複数段からなる手動変速モード(マニ
ュアルシフトモード)の2つの変速モードがあり、自動
変速モードが選択された場合には、変速は、後述するス
ロットル開度θTHと車速Vとに基づき予め設定されたシ
フトマップ(図示せず)に従って自動的に実施される一
方、マニュアルシフトモードが選択された場合には、変
速段はこのシフトマップにかかわらず選択された変速段
に固定される。
【0020】ECU6は、図示しない入出力装置、多数
の制御プログラムを内蔵した記憶装置(不揮発性RA
M,ROM,等)、中央処理装置(CPU)、タイマカ
ウンタ等を備えており、その入力側には、トルクコンバ
ータ3のタービン30のタービン回転速度NT を検出す
るNT センサ7、車速Vを検出する車速センサ8、図示
しないスロットルバルブの開度θTHを検出するスロット
ルセンサ9、エンジン1の吸入空気量を検出するエアフ
ローセンサ9a、フライホイールのリングギヤ38の回
転からエンジン回転速度NE を検出する電磁ピックアッ
プ式のNE センサ39等が接続されている。一方、出力
側には、前述の油圧コントローラ5に収納された複数の
ソレノイド弁が接続されている。尚、ECU6にはこれ
らのセンサの他、変速レンジの切換え位置を検出するイ
ンヒビタスイッチ、スロットルバルブの閉鎖状態を検出
するアイドルスイッチ等、種々のセンサやスイッチ類が
接続されている。
【0021】トルクコンバータ3は、ハウジング37、
ケーシング34、ポンプ31、ステータ32、タービン
30等を含む流体継手から構成されており、ポンプ31
はケーシング34を介して入力軸たる駆動軸36に連結
されている。また、ステータ32はワンウェイクラッチ
33を介してハウジング37に連結され、タービン30
は出力軸たる変速機本体4のインプットシャフト11に
連結されている。更に、トルクコンバータ3内には、ケ
ーシング34とタービン30との間に湿式単板型のダン
パクラッチ(ロックアップクラッチ)35が介装され、
このダンパクラッチ35の係合により駆動軸36とイン
プットシャフト11とが直結可能となっている。ダンパ
クラッチ35は、油路65、66を介して、油圧コント
ローラ5内のダンパクラッチ油圧制御回路40から供給
される作動油により駆動される。
【0022】ダンパクラッチ油圧制御回路40の中心を
なすダンパクラッチコントロールバルブ41は、ダンパ
クラッチ35への供給油圧を制御するスプール弁43、
該スプール弁43の両端に位置する左端室44と右端室
45、両室44、45にパイロット圧を導入する油路4
6、47、スプール弁43を図中右方向に付勢するスプ
リング48及び常閉型のダンパクラッチソレノイド弁4
2等から構成されている。左端室44側への油路46は
分岐油路49を介してソレノイド弁42に接続されてお
り、ソレノイド弁42が閉鎖状態(すなわちOFF位
置)の場合には、左端室44と右端室45とのパイロッ
ト圧が均衡して、スプリング48に付勢されたスプール
弁43が図中右方向に移動する。また、ソレノイド弁4
2が開放状態(すなわちON位置)の場合には、左端室
44内のパイロット圧が抜かれ、右端室45側のパイロ
ット圧に付勢されることによりスプール弁43が図中左
方向に移動する。尚、油路46、分岐油路49にはそれ
ぞれオリフィス46a、49aが形成されており、パイ
ロット圧の急激な変動が防止される。
【0023】スプール弁43が右方向に移動すると、油
路65を介してケーシング34とダンパクラッチ35と
の間にトルクコンバータ潤滑油圧(リリース圧)が供給
され、同時に油路66を介してケーシング34から作動
油が排出される。すると、後述する図14のトルクコン
バータ3の模式図で示すように、ダンパクラッチ35が
解放状態(非直結状態)となり、駆動軸36の回転はポ
ンプ31の吐出圧でタービン30が回転させられること
によってインプットシャフト11に伝達される。一方、
スプール弁43が左方向に移動すると、油路65を介し
てケーシング34とダンパクラッチ35との間の作動油
が排出され、同時に油路66を介してケーシング34内
にコントロールバルブ41の調圧に基づくアプライ圧が
供給される。すると、後述する図15の模式図で示すよ
うに、ダンパクラッチ35が結合状態(完全直結状態)
となり、駆動軸36の回転は直接インプットシャフト1
1に伝達されるようになる。
【0024】このように、ダンパクラッチ35の断接
は、スプール弁43の位置すなわち左端室44と右端室
45とに供給されるパイロット圧の圧力差より決定さ
れ、この圧力差はソレノイド弁42をデューティ駆動す
ることにより制御される。例えば、ECU6がソレノイ
ド弁42を100%のデューティ率で駆動すると、左端
室44内のパイロット圧が分岐油路49、ソレノイド弁
42を介してほぼ完全に排出され、スプール弁43は左
端に移動し、上述したアプライ圧の作用によりダンパク
ラッチ35が完全直結状態となる。また、ソレノイド弁
42を0%のデューティ率で駆動すると(すなわち、全
く駆動させなければ)、左端室44と右端室45内のパ
イロット圧が均衡するためスプリング48に付勢されて
スプール43は右端に移動し、上述したリリース圧の作
用によりダンパクラッチ35が非直結状態となる。そし
て、所定のデューティ率(例えば、25〜35%)で駆
動すれば、低いアプライ圧状態を作り出すことができ、
ダンパクラッチ35は半クラッチ状態となる。尚、コン
トロールバルブ41の出力圧であるリリース圧およびア
プライ圧の入力圧には、後述するレギュレータ弁により
調圧されたライン圧が使用される。
【0025】通常、ECU6は変速制御中である場合を
除き、図2に示したマップに基づいて、ダンパクラッチ
35の駆動制御を行う。このマップにおいて、横軸はタ
ービン回転速度NT であり、縦軸はスロットル開度θTH
である。同図に示したように、タービン回転速度NT が
比較的高く、かつスロットル開度θTHがパワーオンライ
ンLPOより大きいパワーオン状態の場合は、殆どの領域
が完全直結域となり、ダンパクラッチ35は完全直結制
御される。すなわち、前述したようにコントロールバル
ブ41からケーシング34内にアプライ圧が供給される
一方、ダンパクラッチ35とケーシング34との間から
リリース圧が排出され、ダンパクラッチ35が結合す
る。尚、パワーオンラインLPO上では、理論的にはエン
ジン回転速度NE とタービン回転速度NT とが一致し、
加速も減速も行われない。但し、実際にはエンジン出力
のばらつきにより、若干は加速されたり、減速されたり
することがある。
【0026】また、スロットル開度θTHがパワーオンラ
インLPOより小さいパワーオフ状態の場合は、タービン
回転速度NT がアイドル回転速度より若干高い領域(本
実施例では、1200rpm )以上で全て減速直結域とな
る。減速直結域においては、ダンパクラッチ35には必
要最小限のアプライ圧が供給され半クラッチ状態とな
り、エンジン1と変速機本体4とが所定のスリップ量を
もってダンパクラッチ35を介して直結される。そし
て、急制動時等にはダンパクラッチ35がすばやく解除
されエンジンストールが回避できる。尚、この減速直結
時には、エンジン1の回転を維持しながら燃料供給を停
止することもできるため、燃費の向上には多大な効果を
奏する。
【0027】図3は、前進4段、後進1段が達成可能な
自動変速機本体4内のギヤトレーンを示した概略図であ
る。この図において、タービン30にはインプットシャ
フト11が接続されており、このインプットシャフト1
1には、変速機構10として、第1、第2プラネタリギ
ヤ12、13の他、第1プラネタリギヤ12のサンギヤ
14をインプットシャフト11に結合する第1クラッチ
15、第2プラネタリギヤ13のピニオンキャリア16
をインプットシャフト11に結合する第2クラッチ1
7、第2プラネタリギヤ13のサンギヤ18をインプッ
トシャフト11に結合する第3クラッチ19が保持され
ている。また、変速機本体4のケーシング20には、第
1プラネタリギヤ12のインターナルギヤ21を固定
し、反力要素となる第1ブレーキ22と、第2プラネタ
リギヤ13のサンギヤ18を固定し、反力要素となる第
2ブレーキ23とが取り付けられている。インプットシ
ャフト11の回転は、第1プラネタリギヤ12のピニオ
ンキャリア24、ピニオンキャリア24に連結されたド
ライブギヤ26及びドリブンギヤ27を介してカウンタ
ーシャフト28に伝達され、更にデファレンシャルキャ
リア29に伝達される。
【0028】尚、第1プラネタリギヤ12のインターナ
ルギヤ21と第2プラネタリギヤ13のピニオンキャリ
ア16、第1プラネタリギヤ12のピニオンキャリア2
4と第2プラネタリギヤ13のインターナルギヤ25は
それぞれ結合されており、それらは一体に回転する。図
4は摩擦係合要素の油圧制御回路の一部を示し、該油圧
回路は、摩擦係合要素、例えば第2クラッチ17への油
圧の給排を制御するソレノイド弁、例えば第2ソレノイ
ド弁71を備えている。この第2ソレノイド弁71は、
常閉型の2位置切換弁で、3箇所にポート71a、71
b、71cを有している。
【0029】第1ポート71aには、オイルパン68か
ら作動油を汲み上げるオイルポンプ69に延びる第1油
路60が接続されており、この第1油路60には、調圧
弁(レギュレータ弁)70が介在され、所定圧に調圧さ
れた作動油圧(ライン圧)がソレノイド弁や前述したコ
ントロールバルブ41等に供給されている。また、第2
ポート71bには、第2クラッチ17に延びる第2油路
61が、第3ポート71cには、オイルパン68へ作動
油を排出する第3油路62がそれぞれ接続されており、
第2油路61には、アキュムレータ73が介在されてい
る。
【0030】第2ソレノイド弁71は、ECU6に電気
的に接続されており、ECU6からの駆動信号により、
デューティ制御が実行される。そして、ソレノイド71
eが消勢されている場合には、弁体71fは、リターン
スプリング71gに押圧されて第1ポート71aと第2
ポート71bの連通を遮断するとともに、第2ポート7
1bと第3ポート71cを連通させる。一方、ソレノイ
ド71eが付勢されている場合には、弁体71fは、リ
ターンスプリング71gに抗してリフトし、第1ポート
71aと第2ポート71bを連通させるとともに、第2
ポート71bと第3ポート71cとの連通を遮断する。
【0031】ECU6からソレノイド弁、例えば第2ソ
レノイド弁71に供給されるデューティ率が100%の
場合には、摩擦係合要素、例えば第2クラッチ17に供
給される作動油圧は調圧弁70により調圧されたライン
圧となる。一方、デューティ率が減少するのに応じて第
2クラッチ17に供給される油圧は小になり、デューテ
ィ率0%の場合には、弁体71fはリターンスプリング
71gにより第1ポート71aと第2ポート71bとの
連通を遮断するとともに、第2ポート71bと第3ポー
ト71cとを連通させ、第2クラッチ17から作動油を
排出することになる。
【0032】図5は、第2クラッチ17の断面詳細を示
している。この第2クラッチ17は、多数の摩擦係合板
50を備えている。これら摩擦係合板50は、インプッ
トシャフト11と一体に回転するクラッチプレート50
aと、ピニオンキャリア16と一体に回転するクラッチ
ディスク50bとから構成されている。この第2クラッ
チ17の結合時には、第2ソレノイド弁71によって油
圧制御された作動油が、第1油路61からポート51を
介して第2クラッチ17に供給され、ピストン52が往
動して各摩擦係合板50のクラッチプレート50aとク
ラッチディスク50bとが結合する。一方、解放時に
は、リターンスプリング53によりピストン52が押し
戻されることにより、作動油がポート51、第一油路6
1、第2ソレノイド弁71、第2油路62を介して排出
され、クラッチプレート50aとクラッチディスク50
bとの摩擦係合は解放される。
【0033】この第2クラッチ17のクラッチプレート
50aとクラッチディスク50bとの間には、解放時に
おいて引きずり現象が発生することなく、完全に解放状
態になるように、充分なクリアランス(ガタ)が設けら
れている。従って、結合時にあっては、クラッチプレー
ト50aとクラッチディスク50bとが結合状態に入る
前に、先ず、該クリアランス(ガタ)を略ゼロにし、無
効ストロークを解消するための所謂ガタ詰め操作が実施
される。
【0034】尚、第1クラッチ15、第2ブレーキ23
等については、第2クラッチ17と略同一の構成である
から、それらの説明は省略する。以上のような構成の変
速機本体4を持つ自動変速機2では、切換レバーが走行
レンジの自動変速モードに選択されて走行していると
き、前述したように車速センサ7で検出される車速Vお
よびスロットルセンサ8で検出されるスロットル開度θ
THに応じて上述の第1〜第3クラッチ15、17、19
および第1〜第2ブレーキ22、23等の摩擦係合要素
が、各々に設定されたソレノイド弁によってデューティ
駆動制御され、表1に示すような結合あるいは解放の組
み合わせにより、自動的に各変速段が確立されるように
なっている。表1の○印が各クラッチあるいは各ブレー
キの結合を示している。
【0035】
【表1】
【0036】変速時においては、所定のデューティ率に
設定された駆動信号が所定の出力パターンで油圧コント
ローラ5の各ソレノイド弁に供給され、最適な変速制御
が実行される。図6乃至図12は、パワーオンアップシ
フト時にECU6が実行するアップシフト変速制御を示
すフローチャートであり、また、図13は、これらのフ
ローチャートの解放側制御および結合側制御に基づく、
タービン回転速度NT 、解放側摩擦係合要素のソレノイ
ド弁への供給信号デューティ率DR 、結合側摩擦係合要
素のソレノイド弁への供給信号デューティ率DC および
解放側と結合側の摩擦係合要素に供給される油圧の時間
変化を示したグラフであり、以下アップシフト変速制御
を図6乃至図13に基づいて説明する。
【0037】尚、アップシフト時の結合側摩擦係合要素
(第二摩擦係合要素)とは、表1から明らかなように、
1速段から2速段への1−2アップシフトに関しては第
2ブレーキ23を、2速段から3速段への2−3アップ
シフトに関しては第2クラッチ17を、3速段から4速
段への3−4アップシフトに関しては第2ブレーキ23
をそれぞれ示し、解放側摩擦係合要素(第一摩擦係合要
素)とは、1−2アップシフトに関しては第1ブレーキ
22を、2−3アップシフトに関しては第2ブレーキ2
3を、3−4アップシフトに関しては第1クラッチ15
をそれぞれ示す。
【0038】図6は、例えば2速段(第一変速段)から
3速段(第二変速段)へのパワーオンアップシフト時の
主制御であるアップシフト制御ルーチンを示しており、
以下この2−3アップシフトを例に説明する。先ず、ス
テップS10において、2速段から3速段への変速指令
(SS)が出力されたとき(以下、SS時点という)に
ダンパクラッチ35が直結状態にあるか否かを、ECU
6からダンパクラッチソレノイド弁42に供給されるデ
ューティ率が所定の値DDC(例えば、60%)以上であ
るか否かによって判別する。判別結果がYes(肯定)
であり、デューティ率がDDC(60%)以上でダンパク
ラッチ35が直結状態と判定された場合には、次にステ
ップS12に進み、ダンパクラッチ35が直結状態にあ
ることをフラグF(DC)に値1を設定して記憶する。一
方、判別結果がNo(否定)であり、デューティ率がD
DC(60%)より小さくダンパクラッチ35が非直結状
態と判定された場合には、次にステップS13に進み、
ダンパクラッチ35が直結状態になく非直結状態である
ことをフラグF(DC)に値0を設定して記憶する。ステッ
プS12またはステップS13においてフラグF(DC)に
それぞれ値を設定したら、次にステップS14に進む。
【0039】尚、ステップS10において、ダンパクラ
ッチ35が直結状態か否かを、タービン30とポンプ3
1とのスリップ量、つまりエンジン1側のポンプ31の
回転速度NE とタービン30の回転速度NT との回転速
度差(NE −NT )が所定値ΔNET(例えば、6rpm )
以下であるかで判別するようにしてもよい。ステップS
14では、摩擦係合要素の解放側のデューティ率DR を
制御する解放側制御を実施する。この解放側制御では、
図7のサブルーチンが実行される。
【0040】図7では、先ず、SS時点で2速段から3
速段への変速指令(SS)が出力され、2−3アップシ
フトが開始されてから、所定時間ts が経過したか否か
を判別する(ステップS30)。この所定時間ts は、
図13に示すように、結合側の第2クラッチ(第二摩擦
係合要素)17へ油圧を供給しガタ詰め操作を行うガタ
詰め時間tF およびガタ詰め時間tF が経過し後述する
油圧再供給が開始されるまでの時間tc の和(tF +t
c )と解放側の第2ブレーキ(第一摩擦係合要素)23
からの油圧解放時間tR との差(ts =tF +tc −t
R )として設定される。この所定時間ts の値は、油圧
解放時間tR 、ガタ詰め時間tF が後述する学習により
補正されることから、これらの補正に伴って変化する。
【0041】ステップS30の判別結果がNo(否定)
で未だ所定時間ts が経過していないと判定される場合
には、ステップS38に進んでデューティ率DR を10
0%に保持し、作動油圧をレギュレータ弁70からのラ
イン圧として、図6のステップS16に進む。一方、ス
テップS30の判別結果がYes(肯定)の場合には、
次のステップS32に進んで再結合制御を実行する。
【0042】ステップS32の再結合制御では、一旦解
放を開始した後、再び解放側の第2ブレーキ23に油圧
を供給する油圧再供給を実施する。アップシフトにおい
ては、図13に示すように、解放側の第2ブレーキ23
のソレノイド弁に供給されるデューティ率が0%にされ
て油圧が解放された後、解放側の第2ブレーキ23と結
合側の第2クラッチ17とが共に係合されずタービン3
0が空転状態となり、パワーオン状態ではエンジン1の
回転に呼応してこのタービン30が吹き上がることがあ
る(図13中にYで示す)。
【0043】このようにタービン30が吹き上がると、
結合側の第2クラッチ17が係合する際にショックを発
生し、シフトフィーリングが悪化する。そこで、タービ
ン30が吹き上がり、タービン回転速度NT が変速前の
2変段でのタービン30の同期回転速度NTIを越えたこ
とが確認されたら、第2ブレーキ23に100%のデュ
ーティ率の油圧を所定時間に亘り再び供給するようにし
ている。このように、再結合制御によりデューティ率D
R が制御され、油圧再供給が実施されると、第2ブレー
キ23が所定時間だけ再び係合し、図13に示すよう
に、解放側の作動油圧が所定時間に亘り増加し、タービ
ン30の吹き上がりが充分に抑止される。そして、ター
ビン30の吹き上がり量が小さくなり、タービン回転速
度差(NT−NTI)が所定値以下になると、最終的にデ
ューティ率DR は再び0%に戻されることになるが、こ
こでは、再結合制御の詳細については説明を省略する。
尚、上述の同期回転速度NTIは、自動変速機2の出力軸
回転速度No に変速前における変速段(ここでは2変
段)のギヤ比を乗算して演算されるものである。
【0044】ステップS34では、ステップS32の再
結合制御の実行により油圧再供給が実施されたか否か
を、油圧再供給の実施完了後に値1が設定されるフラグ
F(BB)の値によって判別する。解放制御開始直後におい
ては、タービン30の吹き上がりはなく、再結合制御に
よる油圧再供給がすぐに実施されるようなことはないた
め、この場合には、フラグF(BB)の値は1ではなく(値
0)判別結果はNo(否定)であり、次にステップS3
6に進むことになる。
【0045】ステップS36では、デューティ率DR を
0%に設定して第2ブレーキ23から油圧の解放を行
い、ステップS16に進む。ステップS30の判別によ
り所定時間ts が経過したと判定された直後において
は、このステップS36の実行によって油圧の解放が開
始されることになる。油圧の解放が開始されると、図1
3に示すように100%に設定されていたデューティ率
DR がECU6からの指令を受けて0%となりソレノイ
ド弁が消勢されることになるが、このとき、作動油圧は
同図に示す解放側の油圧線図のように減少し始める。
【0046】一方、ステップS34の判別結果がYes
(肯定)であり、フラグF(BB)が値1で上述の再結合制
御において油圧再供給が実施されたと判定された場合に
は、第2ブレーキ23のソレノイド弁に供給するデュー
ティ率DR は再結合制御に従うことになり、ここでは何
もせずに図6のステップS16に進む。尚、値1に設定
されたフラグF(BB)は、後述するようにこの2−3アッ
プシフトが終了すると再び値0にリセットされる。
【0047】図6のステップS16においては、結合側
のデューティ率DC を制御する結合側制御が実行され
る。結合側制御では、図8および図9のフローチャート
に基づいて制御が実施される。図8のステップS40で
は、図13に示すように、SS時点でECU6から変速
指令(SS)が出力されると、先ず、クラッチプレート
50aとクラッチディスク50b間のクリアランス(ガ
タ)を詰めるために、前述したように、所定のガタ詰め
時間tF だけガタ詰め操作を行う。このガタ詰め操作
は、第2クラッチ17の無効ストロークを解消するため
のものであることから、その動作が最も速くなるようデ
ューティ率DC は100%に設定され、第2クラッチ1
7には、ライン圧の作動油が供給される。これにより、
結合側の油圧は、同図の油圧線図に示すように徐々に増
加することになる。このガタ詰め時間tF は、学習によ
って補正されるものであり、その学習については後述す
る。ガタ詰め時間tF が経過したら、次にステップS4
2を実行する。
【0048】ステップS42では、エンジン1からター
ビン30に伝達されるタービントルクTT の演算を行う
(タービントルク算出手段)。このタービントルクTT
を求めることにより、ガタ詰め時間tF 経過後において
結合側の第2クラッチ17に供給すべき油圧を設定する
ことができる。このタービントルクTT の演算では、図
10のフローチャートで示すサブルーチンを実行する。
【0049】図10のステップS90では、先ず、現在
のA/N(一吸気行程当たりの吸気量)を読み込む。こ
のA/Nは、エアフローセンサ9aからの入力情報に基
づいて算出される。そして、次のステップS92におい
て、現在のタービン回転速度NT とエンジン回転速度N
E とをそれぞれNT センサ7とNE センサ39からの入
力情報に基づいて読み込む。
【0050】ステップS94では、ステップS90で読
み込んだ現在のA/Nからエンジン1が出力するエンジ
ントルクTE を算出する。このエンジントルクTE は次
式(A1)で示すようにA/Nの関数で表される。 TE =f(A/N) …(A1) 尚、ここでは、エンジントルクTE を求めるためにA/
Nを用いるようにしたが、A/Nの代わりにスロットル
センサ9によって検出されるスロットル開度θTHとエン
ジン回転速度NE 等を用い、これらの値に基づいてエン
ジントルクTEを求めるようにしてもよい。
【0051】次のステップS96では、ステップS92
で読み込んだ現在のタービン回転速度NT とエンジン回
転速度NE とからスリップ率eを次式(A2)から算出す
る。 e=NT /NE …(A2) そして、次のステップS98において、このスリップ率
eに基づき、次式(A3)からエンジントルクTE とタービ
ントルクTT とのトルク比tを算出する。
【0052】t=f(e) …(A3) 最後に、ステップS100において、トルク比tとエン
ジントルクTE とに基づいて次式(A4)からタービントル
クTT を算出する。 TT =t×TE …(A4) 以上のようにしてタービントルクTT を求めたら、次に
ステップS43に進む。
【0053】このステップS43は、ガタ詰め時間tF
経過後に第2クラッチ17の第2ソレノイド弁71に出
力するデューティ率DC を初期デューティ率DA1に設定
するステップである。この初期デューティ率DA1は、実
験等によって予めECU6に記憶された、タービントル
クTT と初期デューティ率DA1との関係を示すマップ
(図示せず)に基づいて設定される。このマップにより
タービントルクTT に応じた初期デューティ率DA1が設
定されたら、次にステップS44に進む。
【0054】ステップS44では、結合側の第2クラッ
チ17に供給する油圧のデューティ率DC を上述のよう
にして求めた初期デューティ率DA1とする。これによ
り、第2クラッチ17には、タービントルクTT に応じ
た油圧、つまり、第2クラッチ17のクラッチプレート
50aとクラッチディスク50bとの回転速度差を速や
かに低減させるのに充分な油圧が供給され始めることに
なる。そして、クラッチプレート50aとクラッチディ
スク50bとの係合が開始され、クラッチプレート50
aとクラッチディスク50bとの回転速度差が低減され
始めると、図13に示すように、タービン30の回転速
度NT が2速段での同期回転速度NTIから3速段での同
期回転速度NTJに向けて低下し始める。
【0055】ステップS46では、このように低下し始
めたタービン回転速度NT と2速段での同期回転速度N
TIとの偏差(NTI−NT )が所定値ΔNB (例えば、5
0rpm )以上になったか否かが判別される。判別結果が
No(否定)で偏差(NTI−NT )が所定値ΔNB に満
たない場合には、ステップS42に戻ってタービントル
クTT の演算を行い、ステップS43を経てステップS
44においてデューティ率DC をデューティ率DA1に保
持し続ける。一方、ステップS46の判別結果がYes
(肯定)で偏差(NTI−NT )が所定値ΔNB 以上であ
る場合には、次にステップS48に進む。尚、この偏差
(NTI−NT )が所定値ΔNB に達した時点を図13に
示すように便宜上SB時点とする。
【0056】ステップS48乃至ステップS60はフィ
ードバック制御を実施するための準備期間である。先
ず、ステップS48では、改めてタービントルクTT
演算を実施する。この演算は前述した図10のフローチ
ャートに沿って行われ、その算出方法については前述し
た通りであり、ここでは説明を省略する。ステップS4
9では、タービン30等に作用する慣性トルク(以下、
イナーシャトルクという)TI を演算する(慣性トルク
算出手段)。このイナーシャトルクTI の演算では、図
11のフローチャートに示されるようなサブルーチンを
実行する。
【0057】図11のステップS110では、SB時点
でのタービン30の角速度ωT の変化率、つまりタービ
ン角速度変化率ωT ' を次式(B1)から算出する。 ωT ' =2π×NT'(VSB) …(B1) ここに、NT'(VSB) はSB時点での車速VSBの一次関数
で表される開始目標タービン回転速度変化率である。そ
の関係は実験等により設定され、ECU6に予めマップ
として記憶されている。従って、ここでは、車速センサ
8によって検出されたSB時点の車速VSBに対応する開
始目標タービン回転速度変化率NT'(VSB) をマップから
読み出して使用することになる。尚、アップシフトにお
いては、この開始目標タービン回転速度変化率NT'
(VSB) は負の値である。
【0058】ステップS112では、ダンパクラッチ3
5が非直結状態のときの自動変速機2の入力軸系、つま
り、図14に斜線で示すようなタービン30、ダンパク
ラッチ35およびインプットシャフト11の慣性モーメ
ントIT と式(B1)から求めたωT ' とからイナーシャト
ルクTI を次式(B2)により算出する。 TI =IT ×ωT ' …(B2) 以上のようにしてタービントルクTT とイナーシャトル
クTI とが算出されたら、次にステップS50におい
て、学習補正領域の選定を行う。
【0059】この学習補正領域は、表2に示すように、
タービントルクTT とイナーシャトルクTI とのトルク
和(TT +TI )の取り得る値の範囲をそれぞれ所定の
幅で領域#1,領域#2〜領域#Nのように複数に分割
設定したものであり、後述するデューティ率学習値DAL
の学習補正を行うときの実施区分となるものである。こ
れらの領域#1,領域#2〜領域#Nの幅は、タービン
トルクTT とイナーシャトルクTI とのトルク和(TT
+TI )に基づき予め実験結果等により好適に設定され
たものであり、表2に示すように、例えば、領域#1で
はそのトルク和(TT +TI )の対応範囲はXT0〜XT1
であり、領域#2ではXT1〜XT2、また領域#Nでは、
XT(N-1)〜XTNとなる。
【0060】
【表2】
【0061】このように、タービントルクTT とイナー
シャトルクTI とのトルク和(TT+TI )の領域、す
なわち学習補正を実施する領域を領域#1,#2〜#N
のように分割することにより、トルク和(TT
I )、つまり領域#1,#2〜#Nに応じたデューテ
ィ率学習値DALがそれぞれ定まる(表2中のXDa1,XDa
2 〜XDaN およびXDb1,XDb2 〜XDbN )。そして、後
述の学習時には、これらのデューティ率学習値DAL(X
Da1,XDa2 〜XDaN あるいはXDb1,XDb2 〜XDbN )に
ついての学習補正がそれぞれ個別に行われ、その学習結
果は学習結果分割保持手段として機能するECU6にそ
れぞれの領域毎に記憶保持される。これにより、デュー
ティ率学習値DALの学習は、個々の学習補正領域におい
てのみ実施されることになり、学習補正値のばらつきが
小さくなり、デューティ率学習値DALは、いずれの学習
補正領域に関しても微小変動はあるもののそれぞれ安定
した値を維持することになる。
【0062】従って、このステップS50では、ECU
6は、現在のタービントルクTT とイナーシャトルクT
I とのトルク和(TT +TI )が領域#1,#2〜#N
のどの学習補正領域にあるかを判断し、現在のトルク和
(TT +TI )に対応するデューティ率学習値DALの領
域を選定する。これにより、表2に示すような領域#
1,#2〜#Nに応じたデューティ率学習値DAL(XDa
1,XDa2 〜XDaN あるいはXDb1,XDb2 〜XDbN )が一
義的に選択されることになり、後述のデューティ率学習
値DALの学習時には、選択された領域のデューティ率学
習値DALについて学習補正が実施され記憶保持されるこ
とになる。
【0063】ステップS51では、フィードバック制御
開始時の基準デューティ率DA2を設定する。この基準デ
ューティ率DA2は、実験等により決定され、予めECU
6に記憶された、タービントルクTT およびイナーシャ
トルクTI とのトルク和(T T +TI )とデューティ率
DA2との関係を示すマップ(図示せず)に基づいて設定
される。実際には、このデューティ率DA2は、前述した
表2に示すように、領域#1,#2〜#N毎にその値が
設定されており(XD1, XD2〜XDN)、ステップS50
において領域#1,#2〜#Nが選定されると、デュー
ティ率DA2が一義的に選択されることになる。
【0064】次にステップS52において、ダンパクラ
ッチ35が直結状態であるか非直結状態であるかを、前
述したフラグF(DC)が値1であるか否かで判別する。判
別結果がNo(否定)でダンパクラッチ35が非直結状
態の場合には、次にステップS53に進む。一方、判別
結果がYes(肯定)でダンパクラッチ35が直結状態
の場合には、次にステップS54に進む。
【0065】図14は、前述したように、エンジン1に
駆動軸36を介して接続されたトルクコンバータ3を模
式的に示した図のうち、ステップS52の判別結果がN
o(否定)の場合、つまり、タービン30に取付けられ
たダンパクラッチ35がケーシング34から離れ、ター
ビン30とポンプ31とが流体継手となった非直結状態
の図を示している。この場合には、慣性モーメントは、
前記のステップS49で求めたように、図中斜線で示し
た部分、つまりタービン30、ダンパクラッチ35およ
びインプットシャフト11の慣性モーメントIT とな
る。従って、ステップS53では、デューティ率学習値
DALには、この慣性モーメントIT に応じた値DAL1 を
設定する。そして、この値DAL1 は、前述したように、
表2に示す領域#1,#2〜#N毎に個々の値(XDa1,
XDa2 〜XDaN )を取ることになる。
【0066】一方、図15は、ステップS52の判別結
果がYes(肯定)の場合、つまり、ダンパクラッチ3
5がケーシング34に圧接された直結状態の図を示して
いる。このように、直結状態では、慣性モーメントは、
非直結の場合とは異なり、同図に斜線で示したように、
駆動軸36、インプットシャフト11を含むトルクコン
バータ3全ての慣性モーメントIT ' となる。従って、
ステップS54では、デューティ率学習値DALには、こ
の慣性モーメントIT ' に応じた値DAL2 を設定し、上
記の値DAL1 とは区別する。この値DAL2 も、前述した
ように、表2に示す領域#1,#2〜#N毎に個々の値
(XDb1,XDb2 〜XDbN )を取ることになる。通常、こ
の値DAL2 は値DAL1 よりも大きな値である(DAL2 >
DAL1 )。
【0067】ステップS55では、基準デューティ率D
A2と上述したデューティ率学習値DAL(値DAL1 あるい
は値DAL2 )とに基づき、フィードバック制御デューテ
ィ率DU1を次式(C1) から算出する。 DU1=DA2+DAL …(C1) ここに、基準デューティ率DA2およびデューティ率学習
値DALは、上述したように、領域#1,#2〜#Nに応
じた値となる。
【0068】次のステップS56では、ECU6はSB
時点に達してからの経過時間を計時するタイマカウンタ
をスタートさせ、ステップS57では、結合側のデュー
ティ率DC を上記のように設定したフィードバック制御
デューティ率DU1とする(DC =DU1)。次のステップ
S58では、SB時点から、すなわちフィードバック制
御開始デューティ率DU1が出力されてから所定時間t1
が経過したか否かが判別される。後述するデューティ率
学習値DALの学習を行うにあたっては、このフィードバ
ック制御開始時のタービン回転速度変化率NT ’の実測
値であるタービン回転速度変化率NTA’を求める必要が
あるが、この所定時間t1 の間はタービン回転速度NT
が減少し始めた直後でありタービン回転速度変化率NT
A’が一定でない不安定期間とみなせるため、この間は
タービン回転速度変化率NT ’の実測を行わずに待機す
る。
【0069】ステップS58の判別結果がNo(否定)
で所定時間t1 が未だ経過していない場合には、ステッ
プS57に戻り、ステップS55で設定した当初のフィ
ードバック制御デューティ率DU1を出力し続ける。一
方、ステップS58の判別結果がYes(肯定)で所定
時間t1 が経過したと判定された場合には、図9のステ
ップS60に進む。
【0070】ステップS60では、所定時間t1 経過時
点からタイマカウンタにより計時される経過時間がさら
に所定時間t2 経過した時点までの間のタービン回転速
度NT の変化率、すなわち前述のタービン回転速度変化
率NTA’をNT センサ7により検出されるタービン回転
速度NT の実測値に基づいて算出する。このタービン回
転速度変化率NTA’は、例えば、所定時間t2 経過時点
のタービン回転速度NT2と所定時間t1 経過時点のター
ビン回転速度NT1の差を所定時間t2 と所定時間t1 と
の差で除して求める。そして、このようにして求められ
たタービン回転速度変化率NTA’は、後述するデューテ
ィ率学習値DALの学習時において使用される。
【0071】次のステップS62以降は、フィードバッ
ク制御を実施するステップであり、先ず、ステップS6
2では、ステップS57の場合と同様にして結合側のデ
ューティ率DC を改めてフィードバック制御デューティ
率DU1に設定する。次のステップS64では、現在の車
速Vを車速センサ8からの入力信号に基づいて算出す
る。そして、ステップS66において、目標タービン速
度変化率NT'(V) を求める。この目標タービン速度変化
率NT'(V) は、前述した開始目標タービン回転速度変化
率NT'(VSB) と同様に、車速Vの一次関数で表されるも
のであり、この目標タービン速度変化率NT'(V) と車速
Vとの関係は、変速が所定の変速時間tSFT (例えば、
0.7sec )で完了すべく実験等により設定され、予め
ECU6にマップとして記憶されている。従って、ここ
では、このマップから現在の車速Vに対応する目標ター
ビン速度変化率NT'(V) を読み取る。アップシフト時に
おいては、目標タービン速度変化率NT'(V) は負の値で
示され、この値は車速Vが大きくなるほど負の方向に増
加し、その変化勾配が大きくなる。
【0072】次のステップS68は、変速が終了に近づ
いたか否かを判別するステップであり、タービン回転速
度NT と変速後の3速段での同期回転速度NTJとの差
(NT−NTJ)が所定値ΔNC 以下であるか否かが判別
される。判別結果がNo(否定)の場合には、未だ変速
は終了に近づいていないと判定でき、この場合には、次
にステップS69に進む。
【0073】ステップS69では、現在のタービン速度
変化率NT'をタービン速度NT の実測値に基づき算出す
る。この算出方法としては、前述のタービン速度変化率
NTA' の場合と同様にして、所定の時間内におけるター
ビン速度NT の変化量から求める。そして、ステップS
70において、その現在のタービン速度変化率NT'が、
ステップS66において求めた目標タービン速度変化率
NT'(V) の負側の所定の許容値X1 (例えば、3REV/
S2)以下であるか否かが判別される。ステップS70の
判別結果がYes(肯定)で現在のタービン速度変化率
NT'が目標タービン速度変化率NT'(V) の所定の許容値
X1 以下である場合には、第2クラッチ17に供給する
作動油圧が高く係合が速すぎると判定でき、このときに
は、次のステップS72において、フィードバック制御
デューティ率DU1を所定の修正値αだけ小さくする(D
U1=DU1−α)。これにより、第2クラッチ17に供給
される作動油圧が減少し、現在のタービン速度変化率N
T'が目標タービン速度変化率NT'(V) に近づくことにな
る。一方、ステップS70の判別結果がNo(否定)で
現在のタービン速度変化率NT'が目標タービン速度変化
率NT'(V) の負側の所定の許容値X1 より大きい場合に
は、次にステップS74に進む。
【0074】ステップS74では、今度は、現在のター
ビン速度変化率NT'が目標タービン速度変化率NT'(V)
の正側の所定の許容値X1 (例えば、3REV/S2)以上で
あるか否かが判別される。判別結果がYes(肯定)で
現在のタービン速度変化率NT'が目標タービン速度変化
率NT'(V) の所定の許容値X1 以上である場合には、第
2クラッチ17に供給する作動油圧が低く係合が遅いと
判定でき、次のステップS72において、フィードバッ
ク制御デューティ率DU1を所定の修正値αだけ大きくす
る(DU1=DU1+α)。一方、ステップS74の判別結
果がNo(否定)で現在のタービン速度変化率NT'が目
標タービン速度変化率NT'(V) の正側の所定の許容値X
1 より小さい場合には、次にステップS78に進む。
【0075】ステップS78では、ステップS70とス
テップS74の双方の判別結果により、現在のタービン
速度変化率NT'が、負側と正側の所定の許容値X1 の範
囲内にあり、目標タービン速度変化率NT'(V) にほぼ等
しい値と判定できることから、フィードバック制御デュ
ーティ率DU1を修正しない(DU1=DU1)。ステップS
72、ステップS76あるいはステップS78を実行し
たら、ステップS62に戻り、デューティ率DC を修正
したフィードバック制御デューティ率DU1とする。この
DU1の修正設定は、ステップS68での判別結果がNo
(否定)でタービン回転速度NT と変速後の3速段での
同期回転速度NTJとの差(NT −NTJ)が所定値ΔNC
より大きい値である限り繰り返し実施され、これにより
フィードバック制御が良好に行われる。
【0076】フィードバック制御が進行し、ステップS
68の判別結果がYes(肯定)でタービン回転速度N
T と変速後の3速段でのタービン回転速度NTJとの差
(NT−NTJ)が所定値ΔNC 以下となったら、変速が
終了に近づいたと判定でき、この場合には、次にステッ
プS80に進む。尚、このタービン回転速度NT と変速
後の3速段でのタービン回転速度NTJとの差(NT −N
TJ)が所定値ΔNC 以下となった時点を図13に示すよ
うにFF時点とする。
【0077】ステップS80では、FF時点以降におい
て出力するデューティ率DU2を次式(C2)から算出する。 DU2=DU1+ΔDE …(C2) ここに、ΔDE は予め設定された所定値であり、例えば
4.0%である。そして、次のステップS82におい
て、結合側のデューティ率DC を所定時間tH に亘りデ
ューティ率DU2とする。このように、変速の終了間際に
おいてフィードバック制御デューティ率DU1から所定値
ΔDE だけ高くしたデューティ率DU2にすることによ
り、第2クラッチ17に供給される作動油圧を殆ど最大
値とすることができ、所定時間tH が経過したSF時点
でデューティ率DC を100%にしたときに起こるショ
ックを削減することができる。
【0078】この所定時間tH が経過し変速終了時点
(SF時点)となったら、最後にステップS84におい
てデューティ率DC を上記のように100%にする。こ
れにより、第2クラッチ17は完全に係合することにな
り、一連の2−3アップシフトは終了する。以上のよう
に、結合側制御が実施され、デューティ率DC のフィー
ドバック制御が行われると、常時監視される現在のター
ビン速度変化率NT'が目標タービン速度変化率NT'(V)
から外れるような場合であっても、デューティ率DC を
決定するフィードバック制御デューティ率DU1が好適に
修正されることになり、結合側の第2クラッチ17に供
給される作動油圧が適正に加減制御されて良好かつ速や
かな変速が達成される。
【0079】結合側制御を実行したら、図6のアップシ
フト制御のルーチンに戻り、ステップS17を実行す
る。ステップS17では、2−3アップシフトが終了し
たか否か(タービン回転速度NT が3速段での同期回転
速度NTJに到達したか否か)を判別する。判別結果がN
o(否定)でアップシフトが未だ終了していない場合に
は、上述の解放側制御および結合側制御を継続する。一
方、判別結果がYes(肯定)でアップシフトが終了し
たと判定された場合には、次にステップS18に進む。
【0080】ステップS18乃至ステップS22は各種
の学習、つまりガタ詰め時間tF 、油圧解放時間tR
よびデューティ率学習値DALの学習を行うステップであ
る。前述したように、第2クラッチ17の結合遅れによ
りタービン30が吹き上がると、再結合制御により油圧
再供給が実施されることになるが、このとき、出力軸ト
ルクTが急激に上昇し、このトルクTが大きく変動する
ことがある。これは、回転速度の上昇したタービン30
とともに空転状態にあるプラネタリギヤ等が、第2ブレ
ーキ23の再係合によって急激に出力軸に連結されるこ
とによって起こるものであり、この変動によって乗員は
車両が急に前方に押されるようなショックを感じること
になる。
【0081】このようなショックを発生する油圧再供給
を極力実施しないようにするためには、結合側の第2ク
ラッチ17の結合と解放側の第2ブレーキの解放との掴
み換えのタイミングを最適にすればよい。そこで、この
最適タイミングを得るために、上述した結合側のガタ詰
め時間tF と解放側の油圧解放時間tR とを所定の学習
により最適値に補正するようにしている。以下、これら
のガタ詰め時間tF と油圧解放時間tR について説明す
る。
【0082】先ず、ステップS18において、ガタ詰め
時間tF の学習を実行する。油圧再供給は、油圧再供給
が実施されるか否か、すなわち、タービン30の回転速
度NT が同期回転速度NTIを越えて吹き上がるか否かの
タイミングで結合側の第2クラッチ17のガタ詰めが終
わるようにしてやれば、その発生を無くすことができ、
ひいてはこの油圧再供給によるシフトショックが抑止さ
れる。そこで、この学習では、第2クラッチ17の結合
開始タイミングを支配するガタ詰め時間tF の長さを最
適値に補正するようにしている。
【0083】このガタ詰め時間tF の補正では、例え
ば、本2−3アップシフトにおいて油圧再供給が実施さ
れたときにはガタ詰め時間tF を学習補正するが、油圧
再供給が実施されることなくシフトが終了したときに
は、以後の2−3アップシフトが所定回数終了するまで
ガタ詰め時間tF の学習を中止し、所定回数経過後は故
意に油圧再供給が実施されるべくガタ詰め時間tF を補
正する(tF 値を一旦短くする)ような方法を採用して
いる。これにより、油圧再供給が実施されるか否かの微
妙なところでガタ詰め時間tF の値が安定するため、上
述したタービン回転速度NT の吹き上がりの発生する時
間が略ゼロとなり、トルク変動が防止され、シフトフィ
ーリングが向上することになる。
【0084】尚、このガタ詰め時間tF の学習は、2−
3アップシフトの他に1−2、3−4アップシフト等の
シフトモード毎に実行され、学習値もそれぞれのシフト
モード毎に記憶されるようになっている。ガタ詰め時間
F 学習を終了したら、次に図6のステップS20にお
いて油圧解放時間tR 学習を実行する。この学習は、解
放側の第2ブレーキ23の油圧解放開始タイミングから
油圧再供給実施タイミングまでの油圧解放時間tR を、
ガタ詰め時間tF と照らしながら、補正しようというも
のである。これは、すなわち、SS時点から油圧解放開
始時点までの時間ts を補正することでもある。
【0085】この油圧解放時間tR の学習補正では、例
えば、油圧再供給が一旦実施された後、ガタ詰め時間t
F の学習が進行して時間tF が適正値になるまでの間に
おいて、第2ブレーキ23からの油圧解放開始タイミン
グが最適なタイミングとなるように油圧解放時間tR
長さが補正される。その後、油圧再供給が実施されなく
なれば、そのときのガタ詰め時間tF および油圧解放時
間tR が最適値であるということになるから、ガタ詰め
時間tF の学習中止に合わせて油圧解放時間tR もその
学習を中止する。そして、再び油圧再供給が実施され、
ガタ詰め時間tF の学習が再開されれば、同時に油圧解
放時間tR も学習を再開する。
【0086】これらのガタ詰め時間tF および油圧解放
時間tR の学習が終了したら、次にステップS22にお
いてデューティ率学習値DALの学習を実施する(学習補
正手段)。このデューティ率学習値DALの学習では、図
12のフローチャートに示すようなサブルーチンを実行
する。以下、このフローチャートに沿ってデューティ率
学習値DALの学習手順について説明する。
【0087】先ず、ステップS120では、ダンパクラ
ッチ35が直結状態にあるか否かをフラグF(DC)が値1
であるか否かで判別する。判別結果がNo(否定)でダ
ンパクラッチ35が非直結状態のときには、次にステッ
プS122に進むことになる。この判別結果により、学
習するデューティ率学習値DALとして値DAL1 が選択さ
れることになる。尚、前述したように、この値DAL1
は、先のステップS50において選択した学習補正領域
に対応する値(例えば、領域#1の場合には、値XDa1
)となっている。
【0088】ステップS122では、フィードバック制
御開始時において実測した前述のタービン回転速度変化
率NTA’が開始目標タービン回転速度変化率NT'(VSB)
の負側の所定の許容値X2 (例えば、3REV/S2)以下で
あるか否かを判別する。ここに、開始目標タービン回転
速度変化率NT'(VSB) は、前述したように、車速センサ
8によって検出されたSB時点の車速VSBに応じて、E
CU6に予め記憶されたマップから読み出された負の値
である。尚、この開始目標タービン回転速度変化率NT'
(VSB) は、車速VSBの変化に対してその変化量がそれほ
ど大きくないため、マップを用いずにその平均的な値N
T'av(例えば、−20REV/S2)に固定してもよい。
【0089】ステップS122の判別結果がYes(肯
定)でタービン回転速度変化率NTA’が開始目標タービ
ン回転速度変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2 以下で
ある場合には、第2クラッチ17に供給する作動油圧が
高く係合が速くなっていると判定でき、次のステップS
123において、デューティ率学習値DAL1 を所定の補
正値βだけ小さくする(DAL1 =DAL1 −β)。これに
より、第2クラッチ17に供給する作動油圧を減少さ
せ、タービン回転速度変化率NTA’を開始目標タービン
回転速度変化率NT'(VSB) に近づけることができる。一
方、ステップS122の判別結果がNo(否定)でター
ビン回転速度変化率NTA’が開始目標タービン回転速度
変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2 より大きくなって
いる場合には、次にステップS124に進む。
【0090】ステップS124では、今度は、タービン
回転速度変化率NTA’が開始目標タービン回転速度変化
率NT'(VSB) の正側の所定の許容値X2 (例えば、3RE
V/S2)以上であるか否かが判別される。判別結果がYe
s(肯定)でタービン回転速度変化率NTA’が開始目標
タービン回転速度変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2
以上である場合には、第2クラッチ17に供給する作動
油圧が低く係合が遅くなっていると判定でき、次のステ
ップS125において、デューティ率学習値DAL1 を所
定の補正値βだけ大きくする(DAL1 =DAL1 +β)。
一方、ステップS124の判別結果がNo(否定)でタ
ービン回転速度変化率NTA’が開始目標タービン回転速
度変化率NT'(VSB) の正側の所定の許容値X2 より小さ
い場合には、次にステップS126に進む。
【0091】ステップS126では、ステップS122
とステップS124の双方の判別結果により、タービン
回転速度変化率NTA’が、負側と正側の所定の許容値X
2 の範囲内にあり、開始目標タービン回転速度変化率N
T'(VSB) にほぼ等しい値と判定できることから、デュー
ティ率学習値DAL1 を補正せずに学習を終了する(DAL
1 =DAL1 )。
【0092】ステップS120の判別結果がYes(肯
定)でダンパクラッチ35が直結状態のときには、次に
ステップS130に進むことになる。この判別結果によ
り、学習するデューティ率学習値DALとして値DAL2 が
選択される。尚、この値DAL2 も値DAL1 と同様に、先
のステップS50において選択した学習補正領域に対応
する値(例えば、領域#1の場合には、値XDb1 )とな
っている。
【0093】ステップS130では、非直結状態での上
述のステップS122と同様にして、タービン回転速度
変化率NTA’が開始目標タービン回転速度変化率NT'(V
SB)の負側の所定の許容値X2 (例えば、3REV/S2)以
下であるか否かを判別する。判別結果がYes(肯定)
でタービン回転速度変化率NTA’が開始目標タービン回
転速度変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2 以下である
場合には、第2クラッチ17に供給する作動油圧が高く
係合が速くなっていると判定でき、次のステップS13
1において、デューティ率学習値DAL2 を所定の補正値
βだけ小さくする(DAL2 =DAL2 −β)。これによ
り、第2クラッチ17に供給する作動油圧を減少させ、
タービン回転速度変化率NTA’を開始目標タービン回転
速度変化率NT'(VSB) に近づけることができる。
【0094】一方、ステップS130の判別結果がNo
(否定)でタービン回転速度変化率NTA’が開始目標タ
ービン回転速度変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2 よ
り大きい場合には、次にステップS132に進む。ステ
ップS132では、今度は、タービン回転速度変化率N
TA’が開始目標タービン回転速度変化率NT'(VSB) の正
側の所定の許容値X2 (例えば、3REV/S2)以上である
か否かが判別される。判別結果がYes(肯定)でター
ビン回転速度変化率NTA’が開始目標タービン回転速度
変化率NT'(VSB) の所定の許容値X2 以上である場合に
は、第2クラッチ17に供給する作動油圧が低く係合が
遅くなっていると判定でき、次のステップS133にお
いて、デューティ率学習値DAL2 を所定の補正値βだけ
大きくする(DAL2 =DAL2 +β)。一方、ステップS
132の判別結果がNo(否定)でタービン回転速度変
化率NTA’が開始目標タービン回転速度変化率NT'
(VSB) の正側の所定の許容値X2 より小さい場合には、
次にステップS134に進む。
【0095】ステップS134では、ステップS130
とステップS132の双方の判別結果により、タービン
回転速度変化率NTA’が、負側と正側の所定の許容値X
2 の範囲内であり、開始目標タービン回転速度変化率N
T'(VSB) にほぼ等しい値と判定できることから、デュー
ティ率学習値DAL2 を補正せずに学習を終了する(DAL
2 =DAL2 )。
【0096】このように学習されたガタ詰め時間tF
油圧解放時間tR およびデューティ率学習値DALの補正
値は、次回実施される同一シフトモードのアップシフト
制御に反映される。尚、前述したように、特に、デュー
ティ率学習値DALの補正値については、その学習が、タ
ービントルクTT とイナーシャトルクTI とのトルク和
(TT +TI )に応じた学習補正領域毎に実施され、E
CU6に記憶保持されるものであるため、その補正値
は、次回実施される同一シフトモード、かつ、同一学習
補正領域でのアップシフト制御に良好に反映されること
になる。
【0097】最後に、図6のフローチャートに戻り、ス
テップS24において、ステップS14の解放側制御に
おける再結合制御の油圧再供給の実施毎に値1が設定さ
れるフラグF(BB)を値0にリセットし(F(BB)=0)、
一連の2−3アップシフト制御を終了する。以上のよう
に、本発明に係る結合側制御においては、フィードバッ
ク制御開始時のフィードバック制御デューティ率DU1の
学習補正値、つまりデューティ率学習値DALを、タービ
ントルクTT とイナーシャトルクTI とのトルク和(T
T +TI )の取り得る範囲を分割した学習補正領域毎に
学習し、記憶保持し、補正するようにしたので、車速V
とともにトルク和(TT +TI )が変化しても、そのト
ルク和(TT +TI )に対応する学習補正領域毎のデュ
ーティ率学習値DAL(XDa1,XDa2 〜XDaN あるいはX
Db1,XDb2 〜XDbN )の変動を小さくし、フィードバッ
ク制御デューティ率DU1を常に安定させたままに、デュ
ーティ率学習値DALの学習補正を良好に実施することが
できる。
【0098】さらに、このデューティ率学習値DALは、
慣性モーメントの値がそれぞれIT、IT ’のように異
なるダンパクラッチ35の直結、非直結とによって値D
AL1(XDa1,XDa2 〜XDaN )、値DAL2 (XDb1,XDb2
〜XDbN )とに区別されて学習補正が実施されるの
で、フィードバック制御デューティ率DU1は、ダンパク
ラッチ35が直結あるいは非直結のいずれであっても、
良好、かつ、変動の少ない安定したものとなる。
【0099】これにより、結合側の第2クラッチ17に
は、常に適正な開始供給油圧が供給されることになり、
変速はシフトフィーリング良く速やかに達成される。
尚、上記実施例では、2−3アップシフト変速制御につ
いて例示したが、1−2アップシフト、3−4アップシ
フト等についても上記変速制御は同様に実行される。
【0100】また、上記実施例では、自動変速モードで
の変速制御について説明したが、この変速制御をマニュ
アルシフトモードでの変速に適用することも可能であ
る。すなわち、マニュアルシフトモードにおいてタービ
ントルクTT とイナーシャトルクTI とのトルク和(T
T +TI )に応じた学習補正領域を選択できるようにす
れば、表2に示すように、基準デューティ率DA2とデュ
ーティ率学習値DALを求めフィードバック制御デューテ
ィ率DU1を好適に設定することができる。これにより、
マニュアルシフトモードでも手動変速がシフトショック
なく良好かつ速やかに達成される。変速終了後のデュー
ティ率学習値DALの学習についても、同様にして学習補
正領域毎に良好に実施することができる。
【0101】また、上記実施例では、前進4段が達成可
能な自動変速機2について説明したが、上記各制御は少
なくとも前進2段以上の変速段を有する自動変速機であ
れば同様に適用することが可能であり、また、ここでは
アップシフト制御を対象に説明したが、上記各制御をダ
ウンシフト制御に適用させることもできる。
【0102】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
請求項1の自動変速機の変速制御装置によれば、内燃エ
ンジンの駆動力を受ける入力側のポンプ及び出力側のタ
ービンとからなる流体継手と、流体継手のタービン側に
連結される歯車変速機構とを備えた自動変速機にあっ
て、歯車変速機構の第一摩擦係合要素への油圧を解放し
てその係合を解除する一方、第二摩擦係合要素に油圧を
供給してこれを係合させることにより第一変速段から第
二変速段への変速を達成可能とし、変速中、第二摩擦係
合要素への供給油圧をフィードバック制御する自動変速
機の変速制御装置において、フィードバック制御開始時
の開始供給油圧を変速中の運転状態に応じて学習補正す
る学習補正手段と、タービンのタービントルクとタービ
ンの慣性トルクとの和の大きさに基づいて分割した複数
の領域毎に学習補正の実施結果を保持する学習結果分割
保持手段と、フィードバック制御開始直前の実タービン
トルクを算出するタービントルク算出手段と、フィード
バック制御開始直前のタービンの実慣性トルクを算出す
る慣性トルク算出手段とを備え、学習補正手段は、算出
された実タービントルクと実慣性トルクとの和に対応し
た領域の学習補正の実施結果に基づき、開始供給油圧を
補正するようにしたので、フィードバック制御開始時の
開始供給油圧の学習結果を、タービントルクと慣性トル
クとの和の大きさに基づいて分割した領域毎に良好に記
憶保持でき、フィードバック制御開始直前の実タービン
トルクと実慣性トルクとの和が算出されたときには、こ
のトルク和に対応する領域毎に記憶保持された学習結果
に基づいて開始供給油圧の補正を実施することができ
る。従って、学習補正値のばらつきを小さくしてフィー
ドバック制御の安定化を図り、結合側の第二摩擦係合要
素に対して常に適正な油圧を供給し、変速を速やかに完
了させることが可能となる。
【0103】また、請求項2の自動変速機の変速制御装
置によれば、慣性トルク算出手段は、タービンの回転速
度変化率と流体継手の慣性モーメントとから慣性トルク
を算出するようにしたので、流体継手の出力側の回転速
度変化率と流体継手の慣性モーメントとから慣性トルク
を容易かつ良好に算出できる。また、請求項3の自動変
速機の変速制御装置によれば、流体継手は、流体継手の
入力側と出力側とを結合可能なクラッチを有し、学習補
正手段は、クラッチの結合により入力側と出力側とが直
結した状態とクラッチが結合していない非直結の状態と
でそれぞれ区別して学習補正を実施するようにしたの
で、流体継手の入力側と出力側とを結合するクラッチが
直結状態で慣性モーメントの大きいときと、非直結状態
で慣性モーメントの小さいときとで学習を別々に実施で
き、より正確な補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速制御装置が適用されるパワー
プラント及びトルクコンバータの油圧制御回路の概略構
成図である。
【図2】ダンパクラッチの制御領域を示したマップであ
る。
【図3】図1の変速機本体内のギヤトレーンの概略構成
図である。
【図4】図3のギヤトレーンの摩擦係合要素の油圧制御
回路の概略構成図である。
【図5】図3のギヤトレーンの摩擦係合要素であるクラ
ッチまたはブレーキを示す断面図である。
【図6】図1のECU(電子制御ユニット)が実行する
アップシフト制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図7】図6に示す解放側制御のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図8】図6に示す結合側制御のサブルーチンを示すフ
ローチャートの一部である。
【図9】図8のフローチャートに続く、結合側制御のサ
ブルーチンを示すフローチャートの残部である。
【図10】図8に示すタービントルクTT 演算のサブル
ーチンを示すフローチャートである。
【図11】図8に示すイナーシャトルクTI 演算のサブ
ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図6に示すデューティ率学習値DAL学習のサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】タービン回転速度NT 、解放側ソレノイド弁
のデューティ率DR 、結合側ソレノイド弁のデューティ
率DC 及び解放側と結合側のそれぞれの摩擦係合要素に
供給される油圧の時間的変化を示す図である。
【図14】図1に示すダンパクラッチ35が非直結の状
態を示すトルクコンバータ3の模式図である。
【図15】図1に示すダンパクラッチ35が直結された
状態を示すトルクコンバータ3の模式図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 トルクコンバータ(流体継手) 4 変速機本体 5 油圧コントローラ 6 ECU(電子制御ユニット) 7 NT センサ 8 車速センサ 9 スロットルセンサ 9a エアフローセンサ 10 変速機構 15 第1クラッチ 17 第2クラッチ(第二摩擦係合要素) 19 第3クラッチ 22 第1ブレーキ 23 第2ブレーキ(第一摩擦係合要素) 30 タービン 31 ポンプ 35 ダンパクラッチ(ロックアップクラッチ) 41 ダンパクラッチコントロールバルブ 42 ダンパクラッチソレノイド弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 信行 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 宅間 寛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 永吉 由昌 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 粟生 和夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンの駆動力を受ける入力側の
    ポンプ及び出力側のタービンとからなる流体継手と、前
    記流体継手のタービン側に連結される歯車変速機構とを
    備えた自動変速機にあって、 前記歯車変速機構の第一摩擦係合要素への油圧を解放し
    てその係合を解除する一方、第二摩擦係合要素に油圧を
    供給してこれを係合させることにより第一変速段から第
    二変速段への変速を達成可能とし、 変速中、前記第二摩擦係合要素への供給油圧をフィード
    バック制御する自動変速機の変速制御装置において、 前記フィードバック制御開始時の開始供給油圧を前記変
    速中の運転状態に応じて学習補正する学習補正手段と、 前記タービンのタービントルクと前記タービンの慣性ト
    ルクとの和の大きさに基づいて分割した複数の領域毎に
    前記学習補正の実施結果を保持する学習結果分割保持手
    段と、 前記フィードバック制御開始直前の実タービントルクを
    算出するタービントルク算出手段と、 前記フィードバック制御開始直前の前記タービンの実慣
    性トルクを算出する慣性トルク算出手段とを備え、 前記学習補正手段は、算出された前記実タービントルク
    と前記実慣性トルクとの和に対応した領域の学習補正の
    実施結果に基づき、前記開始供給油圧を補正することを
    特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記慣性トルク算出手段は、前記タービ
    ンの回転速度変化率と前記流体継手の慣性モーメントと
    から前記慣性トルクを算出することを特徴とする、請求
    項1記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記流体継手は、前記流体継手の入力側
    と出力側とを結合可能なクラッチを有し、 前記学習補正手段は、前記クラッチの結合により入力側
    と出力側とが直結した状態と前記クラッチが結合してい
    ない非直結の状態とでそれぞれ区別して学習補正を実施
    することを特徴とする、請求項1または2記載の自動変
    速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106438779A (zh) * 2016-09-22 2017-02-22 中国第汽车股份有限公司 商用车无同步器变速器中间轴制动器自适应控制方法
CN106438779B (zh) * 2016-09-22 2019-01-15 中国第一汽车股份有限公司 商用车无同步器变速器中间轴制动器自适应控制方法

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