JPH08144121A - 改質セルロース再生繊維 - Google Patents
改質セルロース再生繊維Info
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- JPH08144121A JPH08144121A JP30810994A JP30810994A JPH08144121A JP H08144121 A JPH08144121 A JP H08144121A JP 30810994 A JP30810994 A JP 30810994A JP 30810994 A JP30810994 A JP 30810994A JP H08144121 A JPH08144121 A JP H08144121A
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Abstract
たしかも、幅広い抗菌スペクトルと高い抗菌性能及び脱
臭性能を有する改質セルロース再生繊維を提供する。 【構成】 四級化キトサンをセルロース再生繊維中に含
有させるにあたり、予め低分子量キトサンを酸性水溶液
中に溶解して得た溶解液を塩基性溶液中で凝固再生し、
生成した多孔性凝固物に、分子中に少なくとも2個の第
四級アンモニウム塩型の窒素と、少なくとも2個のグル
コサミンに対する反応性基を有する化合物を反応させた
該反応物を微小粒状体に成形した後、該四級化キトサン
微小粒状体を紡糸前にセルロースビスコースに混合し紡
糸して得た繊維。
Description
し、染色性に優れ脱臭性能に加え幅広い抗菌スペクトル
を具備したセルロース再生繊維に関し、これらの性能を
発揮する糸,編織物,不織布,製紙等の分野に広く利用
される繊維を提供するものである。
の増加という社会的要因によって、繊維製品に抗菌・防
臭性能や脱臭・消臭性能を具備させたものが求められる
ようになってきた。
号公報に記載の発明として、セルロース再生繊維中に粒
子径10μm以下の微小粒状再生キトサン又は、微小粒
状再生アセチル化キトサンを繊維素に対して0.5重量
%以上2.0重量%以下混合させることによって、再生
繊維本来の強度を損うこと無く、染色性を向上させると
共に耐久性に富む抗菌・脱臭性能を具備した改質セルロ
ース再生繊維を提案した。
サンを酸性水溶液に溶解してキトサン酸性水溶液とし、
該水溶液を塩基性溶液中に落下等の手段で加え凝固再生
させた再生キトサンを、又は、該再生キトサンをメタノ
ール,エタノール等の極性溶媒中で無水酢酸等でアセチ
ル化した再生アセチル化キトサンを微小粒化し、これを
セルロースビスコースに混合し、該ビスコースを紡糸し
セルロース再生繊維とする。従って再生キトサン又は再
生アセチル化キトサンの微粒化物が該繊維中に分散し含
有されているため、繊維自体が有する吸湿性等本来の性
質を損うことなく、染色性の向上、抗菌・脱臭性能を併
せ具備させるものである。しかしながら、抗菌・脱臭性
能や染色性の向上は、キトサン分子内に存在する第一級
アミノ基によるものであるため、必ずしも充分なもので
はない。例えば皮膚常在菌である黄色ぶどう状球菌等に
対しては充分な効果が得られるが、衛生的な衣生活環境
を維持するためには、その繁殖や発生を防止することが
必要な大腸菌や緑膿菌に対しては充分でなかった。
性が少なく安全性の高い殺菌力の強い抗菌剤として知ら
れていることから、第四級アンモニウム塩化合物を使用
した抗菌性繊維は数多く提案されているが、繊維の強
力,吸湿性及び風合といった本来の性質を損うことなく
目的を達成したものはない。例えば、特公平3−451
42号公報には、繊維を予め有機溶剤或いは水系溶剤に
より膨潤させ繊維が本来有する微細穴の穴径を大きくし
た後、セラミックス微細粒子と共に加熱・加圧された処
理溶液中に浸漬することで該微細穴内にセラミックスを
注入し、次いで第四級アンモニウム塩やキトサン酢酸塩
等の抗菌剤をセラミックス微細穴に含浸せしめた後、こ
れを水洗し定常環境下に放置することによって繊維に膨
潤した微細穴を収縮させることが開示されているが、操
作そのものが煩雑であるばかりでなく、有機溶媒等で膨
潤させた微細穴に注入するため、繊維自体の強力が低下
すると共に、風合を著しく損う欠点や有効成分の含有量
を正確に制御しにくい欠点がある。
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。即ち、本発明は、第四級アンモニウム塩化キ
トサン微小粒状体を紡糸前にセルロースビスコースに混
合し、該ビスコースを紡糸し、セルロース再生繊維とし
て該繊維中に第四級アンモニウム塩化キトサン微小粒状
体を含有せしめることによって、繊維自体が有する吸湿
性等本来の性質を損うことなく、幅広い抗菌スペクトル
と染色性の向上及び脱臭性能を併せ具備する改質セルロ
ース再生繊維を提供するものである。
が有する吸水性等本来の性質を損うことなく、幅広い抗
菌スペクトルと染色性の向上及び脱臭性能を併せ持つと
同時に、実用に耐える強度を有し、安全性にも優れた抗
菌性繊維を得ることを目的として鋭意検討した結果、不
溶性の第四級アンモニウム塩化キトサン(以後第四級化
キトサンと記す)を繊維中に含有させるにあたり、予め
これを10μm以下の微小粒状体に成形した後、該微小
粒状体を、紡糸前にセルロースビスコースに混合し、紡
糸することによって本発明を完成させた。
下のようにして得ることが出来る。先ず、粒子径が10
μm以下の四級化キトサンを得るのには、通常のフレー
ク状キトサンに分子中に少なくとも2個の第四級アンモ
ニウム塩型の窒素と、少なくとも2個のグルコサミンに
対する反応性基を有する化合物を反応させて得た四級化
キトサンを、水洗後乾燥してそのまま粉砕機にかけ微粉
砕し微粒子化することも考えられるが、フレーク状キト
サンではその内部にまで反応が均一に進行し難いこと、
また、四級化キトサンの特性上、微粒子化するには、粉
砕メディアに起因する汚染が避けられず、又、10μm
以下に微粒化することは難しい。
出願人が出願した方法に従って作ることが好ましい。即
ち、低分子量キトサンを酸性水溶液中に溶解して得た溶
解液を塩基性溶液中で凝固再生し、生成した多孔性キト
サン凝固物に、一般式
ム塩型の窒素と、少なくとも2個のグルコサミンに対す
る反応性基を有する化合物を反応させた後、充分洗浄し
粉砕機で液中に粉砕分散せしめ、該分散液を高温雰囲気
中に加圧空気と共に吐出乾燥することによって、四級化
キトサン微小粒状体が効率良く得られる。
(2,3−エポキシプロピルジアルキルアンモニウムハ
ライド)としては、特にクロライドが好ましく、例えば
ヘキサメチレンビス−(2,3−エポキシプロピルジメ
チルアンモニウムクロライド),ヘキサメチレンビス−
(2,3−エポキシプロピルジエチルアンモニウムクロ
ライド),プロピレンビス−(2,3−エポキシプロピ
ルジメチルアンモニウムクロライド),プロピレンビス
−(2,3−エポキシプロピルジエチルアンモニウムク
ロライド)等がある。
アルキレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピ
ルジアルキルアンモニウムハライド)があり、これもク
ロライドが好ましく、例えば、ヘキサメチレンビス−
(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモ
ニウムクロライド),ヘキサメチレンビス−(3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルジエチルアンモニウムクロ
ライド),プロピレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルジメチルアンモニウムクロライド),プロ
ピレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルジ
エチルアンモニウムクロライド)等が挙げられる。しか
し、これらを直接多孔質粒状キトサンに反応させること
は難しく、予め当量以上の水酸化ナトリウム或いは水酸
化カリウムで上述の一般式で示される化合物にして反応
させることが必要である。抗菌・脱臭性能や染色性の向
上には、グルコサミン分子内に導入される第四級アンモ
ニウム塩基が大きく寄与することから、第四級アンモニ
ウム塩基導入剤の使用量は、キトサン1重量部に対して
1〜3重量部が良い。更に、多孔性キトサン凝固物は、
取扱いの容易な点と第四級アンモニウム塩基導入剤を凝
固物の内部まで充分拡散させ均一にキトサンのグルコサ
ミンと反応させるために、粒子径1m/mφ程度の粒状
体が良く、又、湿潤状態で多孔性キトサン凝固物をメス
シリンダーで100ml正確に量り取り、これを絶乾し
た時の重量(g)を測定し、この絶乾重量(g)を湿潤
状態の液量(l)で除した値を嵩密度と定義すれば、嵩
密度は35〜65g/lが好ましい。また、反応温度及
び反応時間は、夫々25〜90℃、12〜24時間が良
く、反応は緩やかに攪拌しながら行うのが好ましい。
使用することが出来る。ホモジナイザー等通常の湿式粉
砕機で平均粒子径を10μm以下に粉砕分散せしめて、
そのまま用いることも出来るが、噴霧乾燥して微粒化す
るには、ホモジナイザー等通常の湿式粉砕機で予め液中
に粉砕分散せしめて、平均粒子径を50μm以下にした
乳状の分散液として用いるのが良い。
から吐出される加圧空気と共に高温雰囲気中に吐出乾燥
されるが、この際収縮により更に微粒化される。高温雰
囲気中の温度は、被乾燥物が乾燥されるに充分な温度で
あれば良く150〜220℃の範囲で自由に選択でき
る。得られる微粒体の粒子径は、高温雰囲気中に吐出す
る際の吐出量と加えた空気圧を適宜調節することによっ
て、任意に調整することが出来るが、確実に所望の粒子
径の粒子体を得るためには更に分級する。
下の四級化キトサン微小粒状体を、セルロース再生繊維
に含有させるが、本出願人が先に提案した特開平4−2
8921号公報の方法に従って作ることができる。即
ち、粒子径10μm以下の四級化キトサン微小粒状体
を、そのままか又は、予め水又はアルカリ水溶液あるい
は添加させる適量のセルロースビスコース中に分散させ
て添加液とし、紡糸前にセルロースビスコースと混合し
て紡糸すればよい。この時の紡糸条件等は、通常のセル
ロース再生繊維の製造条件が適用される。四級化キトサ
ン微小粒状体の粒子径が10μm以上になると、ノズル
孔径にもよるが、糸切れを引き起こす恐れがあり好まし
くない。又、本発明で用いられるセルロースビスコース
は、通常レーヨンビスコースやポリノジックビスコース
であり、本発明の改質セルロース再生繊維は、ステープ
ル,フィラメント等如何なる形状でもよく、又、ダル化
等のため酸化チタン等の無機顔料を用いることもでき
る。
変性することがなければ、例えばポリウレタン弾性繊維
等の合成繊維にも混入して適用できる。
ロース混合量は、0.3重量%以上が好ましい。混合量
が少ないと所望のレベルの抗菌性能や脱臭性能が得られ
ない。又、該四級化キトサンの混合量を2重量%以上に
多くするには、繊維強度の面で粒子径を更に小さくする
ことが必要である。従って、粒子径が10μm以下の四
級化キトサン微小粒状体の好ましい対セルロース混合量
は0.3〜1.5重量%である。
中に四級化キトサン微小粒状体が混合されているため、
染色性が向上され、脱臭性能があり、従来の改質再生セ
ルロース繊維には見られなかった幅広い抗菌スペクトル
を具備している。
するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。
又、繊度,乾強度,湿強度,結節強度,染着率,伸度,
抗菌性能,脱臭率等は以下の方法で試験した。
着率 JIS L 1015「化学繊維のステープル試験法」
果試験マユアルの、菌数測定法に準じて抗菌性能を測定
した。その方法は次の通りである。
13168,緑膿菌IFO 3080を試験菌体とし、
これを予め普通ブイヨン培地で5〜30×105 個/m
lとなるよう培養調整し試験菌懸濁液とする。該懸濁液
0.2mlを滅菌処理をしたネジ付きバイアル瓶中の試
料0.2gに均一に接種し、35〜37℃,18時間静
置培養後、容器中に滅菌緩衝生理食塩液を20ml加
え、手で振幅約30cmで25〜30回強く振盪して試
験中の生菌を液中に分散させた後、滅菌緩衝生理食塩液
で適当な希釈系列を作り、各段階の希釈液1mlを各々
滅菌シャーレに入れ標準寒天培地の約15ml混釈平板
を同一希釈液に付き各2枚づつ作成した。これを35〜
37℃で24時間培養後、成育コロニー数を計測しその
希釈倍率を乗じて試料中の生菌数を算出した。そして効
果の判定は、微小粒状四級化キトサンの無添加試料3検
体と各混合試料3検体の平均菌数を基に次式で増減値差
を求め、1.6以上を抗菌効果有りとした。
0844「洗濯に対する染色堅牢度試験方法」のA法に
よる洗濯液、即ち石鹸5g/l、無水炭酸ナトリウム2
g/lの混合水溶液を用いて、70℃,45分間の洗濯
を5回繰り返し行い、この洗濯後の抗菌性能を上記2)
によって試験した。
能 図1に示す装置でアンモニア,硫化水素に対する脱臭性
能を試験し、次式より脱臭率を求めた。
(株)製試薬特級アンモニア水(25%)を1ml投入
し、蓋を閉めて2分間放置してアンモニアガスを発生さ
せた後、装置のコックをコック1,2,3,4の順に開
け、予め60℃で1時間乾燥調整しておいた試料2gを
入れたデシケーター6内に発生したアンモニアガスを適
量吸収し、コック1,2を閉めマグネチックスターラー
7を回転させながら1分間放置後のデシケーター内のア
ンモニアガス濃度が(株)ガステック製ガス検知管で1
00ppmになるように調整した。そして更に5分間放
置しガスの漏れが無いことを確認してから、そのまま1
時間試料にガスを接触させ、残留ガス濃度を測定した。
5ml,硫化鉄0.1gを加え20分間反応させ硫化水
素を発生させた後、装置のコックをコック1,2,3,
4の順に開け、予め60℃で1時間乾燥調整しておいた
試料2gを入れたデシケーター6内に発生したガスを適
量吸収し、コック1,2を閉めマグネチックスターラー
7を回転させながら1分間放置した後の硫化水素ガス濃
度が、(株)ガステック製ガス検知管で60ppmにな
るように調整した。そしてこのままの状態で5分間放置
し、ガスの漏れが無いことを確認した後更にこのまま1
時間試料にガスを接触させた後、再びガス検知管で残留
ガス濃度を測定した。
分子量46,000のキトサン500gを、酢酸250
gを含む水9,500gに溶解して、25℃における粘
度2,900cpsのキトサン酢酸溶液を得た。これを
6%苛性ソーダ,94%水からなる塩基性水溶液中に、
孔径0.25mmの孔より圧力下で一定量づつ落下させ
粒状に凝固再生させた。これを中性になるまで充分洗浄
し平均粒径約1mmの再生多孔性キトサン粒状物を得
た。該多孔性再生キトサン粒状物をメスシリンダーで1
00ml(湿潤状態)正確に量りとり、アスピレーター
で予め水を除いた後、真空乾燥機で絶乾にして重量を測
定したところ、5.0gであった。即ち、この多孔性再
生キトサン粒状物の嵩密度は50g/lであった。該多
孔性再生キトサン粒状物2.5リットル(湿潤状態)
に、水1.25リットルと第四級アンモニウム塩基導入
剤であるヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルジメチルアンモニウムクロライド)の4
0%水溶液2kgに水酸化ナトリウム55gを加えて充
分攪拌し溶解混合させた水溶液を加え、60℃で14時
間緩やかに攪拌させながら反応させた。反応終了後充分
水で洗浄し第四級アンモニウム塩基導入多孔性再生キト
サン粒状物を得た。該第四級アンモニウム塩基導入多孔
性再生キトサン粒状物2リットルに水1リットルを加え
て、ホモジナイザー(日本精機(株)製,AH−3型)
を用いて17,000rpmの回転数で5分間2回繰り
返し粉砕し、更に水を1.5リットル加えて噴霧乾燥用
の分散液とした。該分散液を120メッシュの篩で粗大
片を濾別した後、15ml/分の流速で4kg/cm2
の加圧空気と共に180〜190℃の高温雰囲気中に吐
出乾燥させ、乾燥物をサイクロンコレクターに捕集し、
該乾燥物を風力分級機(スペディック250,(株)セ
イシン企業製)を用いて、分級して粒子径5μm以下の
四級化キトサン微小粒状体180gを得た。
によって得られたレーヨンビスコース各15リットル
(セルロース9.0%,全アルカリ6.0%,全硫黄
2.5%)にセルロースに対し、0,0.1,0.3,
1.0,1.5,2.0重量%の混合量になるよう予め
水に分散させておいた四級化キトサン微小粒状体分散液
を夫々添加し、均一にレーヨンビスコースに混合し、脱
泡後、直ちに0.09mmφ×100Hのノズルを使用
し、紡糸速度55m/分で、硫酸110g/l,硫酸ナ
トリウム300g/l,硫酸亜鉛15g/l,温度50
℃の紡糸浴に紡糸し、通常の二浴緊張紡糸法により延伸
し38mmに切断後、通常の精練乾燥処理をして、3デ
ニールの改質セルロース再生繊維を夫々試料1〜6とし
て糸切れなく製造した。これら試料1〜6の繊度,乾強
度,湿強度,結節強度,染着率を測定した。その結果を
表1に示す。
下の四級化キトサン微小粒状体を混合したことによる強
度低下は見られず、混合量の増加に伴い染色性が向上し
ている。
分子量52,000のキトサン550gを、酢酸275
gを含む水9,450gに溶解して、25℃における粘
度3,600cpsのキトサン酢酸溶液を得た。これを
6%苛性ソーダ,94%水からなる塩基性水溶液中に、
孔径0.25mmの孔より圧力下で一定量づつ落下させ
粒状に凝固再生させた。これを中性になるまで充分洗浄
し平均粒径約1mmの多孔性再生キトサン粒状物を得
た。該多孔性再生キトサン粒状物をメスシリンダーで1
00ml(湿潤状態)正確に量りとり、アスピレーター
で予め水を除いた後、真空乾燥機で絶乾にして重量を測
定したところ、5.5gであった。即ちこの多孔性再生
キトサン粒状物の嵩密度は55g/lであった。該多孔
性再生キトサン粒状物2.5リットル(湿潤状態)に、
水1.25リットルと第四級アンモニウム塩基導入剤で
あるヘキサメチレンビス−(3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピルジエチルアンモニウムクロライド)の40%
水溶液1kgを加え、水酸化ナトリウム28gを加えて
充分攪拌し溶解混合させた水溶液を加え、60℃で16
時間緩やかに攪拌させながら反応させた。反応終了後充
分水で洗浄し第四級アンモニウム塩基導入多孔性再生キ
トサン粒状物を得た。該第四級アンモニウム塩基導入多
孔性再生キトサン粒状物2リットルに水1リットルを加
えて、ホモジナイザー(日本精機(株)製,AH−3
型)を用いて17,000rpmの回転数で5分間2回
繰り返し粉砕し、更に水を1リットル加えて噴霧乾燥用
の分散液とした。該分散液を120メッシュの篩で粗大
片を濾別した後、17ml/分の流速で4kg/cm2
の加圧空気と共に190〜200℃の高温雰囲気中に吐
出乾燥させ、乾燥物をサイクロンコレクターに捕集し
た。該乾燥物を実施例1と同様にして分級し、粒子径1
0μm以下の四級化キトサン微小粒状体200gを得
た。
方法で得られるポリノジックビスコース各15リットル
(セルロース5.0%,全アルカリ3.5%,全硫黄3
%)にセルロースに対し、0,0.1,0.3,1.
0,1.5,2.0重量%の混合量になるよう予め水に
分散させておいた四級化キトサン微小粒状体分散液を夫
々添加し、均一にポリノジックビスコースに混合し、脱
泡後、直ちに0.07mmφ×500Hのノズルを使用
し、紡糸速度30m/分で、硫酸22g/l,硫酸ナト
リウム65g/l,硫酸亜鉛0.5g/l,温度35℃
の紡糸浴に紡糸し、次いで硫酸2g/l,硫酸亜鉛0.
05g/l,温度25℃の浴中で2倍延伸し38mmに
切断した後、炭酸ナトリウム1g/l,硫酸ナトリウム
2g/l,温度60℃の条件で処理を行った後、再度硫
酸5g/l,温度65℃で処理し、次いで通常の精練乾
燥処理を行って、1.25デニールの改質セルロース再
生繊維を、糸切れなく夫々試料7〜12として製造し
た。実施例1と同様に、これら試料の繊度,乾強度,湿
強度,結節強度を測定した。染着率については、JIS
L 1015「化学繊維のステープル試験法」7.30
中の助剤の無水硫酸ナトリウムを1/3として測定し
た。これらの結果を表2に示す。
維の場合においても、実施例1のレーヨン繊維と同じ性
能を有していた。四級化キトサン微小粒状体の粒子径が
実施例1に較べて若干大きいために、混合量の増加に伴
い幾分強度に低下が見られるが、実用上問題になるもの
ではない。
mmの再生多孔性キトサン粒状物1リットルに、水50
mlを加え、ホモジナイザー(日本精機(株)製,AH
−3型)を用いて16,000rpmの回転数で5分間
ずつ2回繰り返して粉砕し分散させ、噴霧乾燥用分散液
を調整した。該分散液を実施例1と同様に、15ml/
分の流速で4kg/cm2 の加圧空気と共に180〜1
90℃の高温雰囲気中に吐出乾燥させ、乾燥物をサイク
ロンコレクターに捕集し、該乾燥物を分級して粒子径5
μm以下のキトサン微小粒状体38gを得た。該キトサ
ン微小粒状体と実施例1で得た四級化キトサン微小粒状
体を、実施例1のレーヨンビスコースと実施例2のポリ
ノジックビスコース15リットルにセルロースに対し、
1.0重量%になるようそれぞれ添加混合し、実施例1
と同様にして2種類の3デニールのセルロース再生繊維
を、糸切れなく製造した(試料13,14)。又、キト
サン微小粒状体と四級化キトサン微小粒状体を実施例2
のポリノジックビスコース15リットルにセルロースに
対し1.0重量%になるようそれぞれ添加混合し、実施
例2と同様にして2種類の1.25デニールのセルロー
ス再生繊維を糸切れなく製造した(試料15,16)。
これら試料13〜16の繊度,乾強度,湿強度,結節強
度,染着率を測定した。尚、普通レーヨンの場合は実施
例1と、また、ポリノジックの場合は実施例2と同様に
して測定した。この結果を表3に示す。
ノジックの何れとも、四級化キトサン微小粒状体を添加
含有させた再生セルロース繊維の染色性が優れていた。
例3で得た改質セルロース繊維試料1〜16について、
菌数測定法により抗菌性能を測定し、測定結果を表4に
示した。
四級化キトサン微小粒状体をセルロースに対し、0.3
重量%以上混合すれば、黄色ブドウ状球菌IFO 12
732,大腸菌IFO 13168,緑膿菌IFO 3
080の何れに対しても抗菌性能を具備した改質セルロ
ース繊維が得られる。キトサン微小粒状体を添加混合し
た改質セルロース再生繊維は、大腸菌IFO 1316
8,緑膿菌IFO 3080に対する抗菌性能の点で、
四級化キトサン微小粒状体を添加混合させた改質セルロ
ース再生繊維に劣っており、本発明の改質セルロース再
生繊維は幅広い抗菌スペクトルを示している。
例3で得た試料1〜16を5回繰り返し洗濯し、抗菌性
能を試験例1と同様に行った。その結果を表5に示し
た。
に対して四級化キトサン微小粒状体を0.3重量%以上
混合した改質セルロース繊維は、洗濯後も抗菌性能を失
うことなく保持していた。
例3で得た試料1〜16の試料各30gを、過酸化水素
(35%)4.0g/l,水酸化ナトリウム(48°ボ
ーメ度)2.0g/l,ケイ酸ナトリウム(66%)
3.5g/l,浸透剤(ダイサーフ,第一工業製薬
(株)製)1.0g/l,トリポリリン酸ナトリウム
1.0g/lからなる精練・漂白液14リットルの中に
入れ、90℃で1時間処理後、60℃,10分間温湯で
湯洗した後、5分間水洗し、精練・漂白を行った。次に
反応性染料(住友化学(株)製スミフィックス−プラブ
ル−BRF)の0.9%液を作成し、各試料を硫酸ナト
リウム50g/l,炭酸ナトリウム20g/l存在下6
0℃で60分間,浴比1:19.5で反応させた後、5
分間水洗して試料1〜16を染色し試料1−A〜16−
Aを得た。これら染色した試料1−A〜16−Aを試験
例1,2と同様に抗菌性能試験をして得た結果を表6に
示した。
に対して四級化キトサン微小粒状体を0.3重量%以上
混合したものは、染色後もまた、これを洗濯した後も抗
菌性能が消失されず充分保持されている。又キトサン微
小粒状体を混合させたものと比較しても、より効果が高
い。
例3で得た試料1〜16及び試験例3で得た試料1−A
〜16−Aを用いて、アンモニア,硫化水素に対する脱
臭性能を試験した。
料1〜16とこれら試験例2と同様に洗濯して得た試料
の脱臭率測定結果を表7に示す。又、同様にして得た、
試料1−A〜16−Aの脱出率測定結果を表8に示す。
に対し四級化キトサン微小粒状体を0.3重量%以上混
合すれば、良好な脱臭性能を具備させることが出来る。
そして脱臭性能は染色加工後も、又洗濯後も消失するこ
となく保持されている。更に、キトサン微小粒状体を混
合させた場合より四級化キトサン微小粒状体を混合させ
たものが脱臭効果が高い。
うに、本発明によれば、セルロース再生繊維中に粒子径
10μm以下の四級化キトサン微小粒状体をセルロース
に対し、0.3重量%以上混合させることによって、こ
れら繊維の本来の強度を損うことなく、染色性を向上さ
せると共に脱臭性能及び幅広い抗菌スペクトルと同時に
高い抗菌性能を具備し、しかもこれらが洗濯等によって
失われることもなく、且つ充分実用に耐える強度を有す
る安全性の高い改質セルロース再生繊維を提供すること
ができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 粒子径が10μm以下の第四級アンモニ
ウム塩化キトサン微小粒状体を含有していることを特徴
とする改質セルロース再生繊維。 - 【請求項2】 第四級アンモニウム塩化キトサン微小粒
状体が、一般式 【化1】 で表される分子中に少くとも2個の第四級アンモニウム
塩型の窒素と、少なくとも2個の反応性基を有する化合
物をキトサン分子に架橋結合させて得た微小粒状体であ
る請求項1記載の改質セルロース再生繊維。
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1994
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