JPH08143923A - 自己還元性鉱塊を主原料とする銑鉄製造装置および銑鉄製造方法 - Google Patents

自己還元性鉱塊を主原料とする銑鉄製造装置および銑鉄製造方法

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JPH08143923A
JPH08143923A JP28512694A JP28512694A JPH08143923A JP H08143923 A JPH08143923 A JP H08143923A JP 28512694 A JP28512694 A JP 28512694A JP 28512694 A JP28512694 A JP 28512694A JP H08143923 A JPH08143923 A JP H08143923A
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solid fuel
tuyere
iron
self
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JP28512694A
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Yasushi Obara
康司 小原
Teruhiko Kokubu
照彦 国分
Sunao Obara
直 小原
Atsushi Takeo
淳 武尾
Masayoshi Oikawa
正好 及川
Masaaki Naito
誠章 内藤
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IWATE SEITETSU KK
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IWATE SEITETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 竪型炉の炉床部およびシャフト部の周壁に、
炉高さ方向に2段または3段の羽口列を有し、下から1
段目の羽口列と2段目の羽口列との間および/または下
から2段目の羽口列と3段目の羽口列との間に固体燃料
の装入口を有し、シャフト上部には自己還元性鉱塊、還
元鉄、鉄屑、鋳物屑の装入口を有する銑鉄製造装置にお
いて、固体燃料の装入口を直下羽口列の各羽口の直上に
配設する。 【効果】 高生産性かつ低燃料比の下で、効率良い安定
操業を実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自己還元性鉱塊を主
原料とする銑鉄製造装置および銑鉄製造方法に関し、と
くに固体燃料さらには原料の装入方法に工夫を加えるこ
とによって、熱効率、燃料比を改善し、もって生産性さ
らには経済性の向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】未還元鉱から銑鉄を製造する方法は、こ
れまでに種々開発が進められ、今日では高炉法がその大
部分を占めている。この高炉法では、炉頂から装入され
た原料が降下する間に、対抗して流れる高温の上昇ガス
によって十分に予熱され、また炉内が還元性雰囲気に保
持されているため、COガスによる酸化鉄の間接還元率は
60%以上にも達している。しかしながら、この高炉法
は、高炉自体は勿論、その付帯設備が老朽化した場合
に、それらの修復や再建に莫大な費用がかかるだけでな
く、炉休止後の再立上げが極めて難しく、生産体制に柔
軟性を欠いていること、さらには高温高圧環境に耐え得
るコークスを生成するために良質な粘結炭を必要とする
こと等の問題を抱えていた。
【0003】また高炉法では、未還元鉱石の還元を行う
ために、羽口前でのコークスの燃焼は、原材料の昇熱、
溶解用の熱源であることに加え、ηCO=0(ηCO=CO2/
(CO+ CO2))の還元ガス生成を目的とする。しかしなが
ら、原料として、還元鉄や鉄屑さらには自己還元性鉱塊
等を使用する場合には、羽口部において還元ガスを生成
する必要性はほとんどなく、羽口前でのコークスの燃焼
熱は原材料の昇熱、溶解のために活用されることから極
めて効率的とされている。
【0004】そこで、高炉に代わる還元溶解炉として、
特開平1−501401号公報において、2段目の羽口列(2
次羽口)を有するシャフト部と、このシャフト部径より
も大きな直径になり、1段目の羽口列(1次羽口)を有
する炉床とからなる銑鉄製造装置が提案された。この炉
では、炉頂部からは燃料を添加せず鉱石類のみを装入
し、燃料はシャフト部と炉床部との結合部における装入
口から燃料ベッド上に直接添加する構造となっている。
したがって、シャフト部の充填層は燃料の存在しない鉱
石類であることから、ソルーションロス反応は進行せ
ず、排ガスηCOの高い優れた効率の操業が期待できる。
【0005】この炉において、主原料となる自己還元性
鉱塊は、炉床部においてベッドコークスとの接触反応に
より、吸熱反応である溶融還元を生起するが、2次羽口
燃焼による次式(2) の反応熱を装入鉱石類の予熱、加
熱、溶解に利用できると考えられている。 CO + 1/202 = CO2 + 67,590kcal/kmol・CO …(2)
【0006】しかしながら、発明者らが、その内容につ
いて詳細な解析と検討を行った結果、炉床平均径Dが0.
70m以上の炉を用いて長時間の連続操業を行った場合に
は、操業時間の経過とともにベッドコークスが溶銑への
浸炭により消費されて、ついには消失し、連続操業が不
可能になることが判明した。この点、炉床平均径Dが0.
70m未満の小型炉の操業では、シャフト部と炉床部との
結合部から燃料を別装入する場合に、その燃料が熱源と
して燃焼するだけでなくベッドコークス層を形成する可
能性があるので、連続操業をある程度期待できることが
実験により明らかとなったが、D≧0.70mの炉の場合に
は、シャフト部上部から装入される鉱石類の炉壁に向か
う応力の下で、別装入燃料が内部に移動してベッドコー
クスを補填することは、力学上不可能である。このこと
は、炉床径をパラメータとする数多くの実験から実際に
確認した。
【0007】また、予備還元率の低い鉱石類を使用する
場合、浸炭に加え、Fe−C−0平衡状態図から明らかな
ように、ηco≧40%の酸化度の高いガス組成でしかも温
度が1000℃以上の環境下では、FeO までの還元で反応が
停止し、 FeOからFeへの還元は溶融還元でなされるた
め、ベッドコークスの消費量はさらに増加する。従っ
て、D≧0.70mの炉の場合には、ベッドコークスの補給
がされないため、ベッドコークスが消失した場合、もは
や溶融還元は起こり得ず、融液が炉床とシャフトの結合
部の間の空隙部に充満する結果、ガスの通気不良を招い
て溶解不能に至り、ついには操業不能に陥る。
【0008】また、前掲特開平1-501401号公報に開示の
還元溶解炉では、シャフト部と炉床部の結合部に設けら
れた燃料の別装入口と1次羽口との相対位置は、該公報
の図2に示されているとおり、隣合う装入口間の中間位
置に1次羽口が設置される構造になっている。D<0.70
mの小型炉の場合には、1次羽口部で燃焼するコークス
消費により、炉中心から周辺部の原燃料の降下が生じる
ため、別装入燃料の装入位置と1次羽口部との相対位置
関係については、特にこだわる必要性はないと考えられ
るが、D≧0.70mの炉を使用して発明者らが試験操業を
行ったところ、隣合う別装入口間の中間位置に1次羽口
が設置されている場合には、別装入燃料がスムーズに降
下せず、降下不能となるケースが多発した。この原因
は、1次羽口部で燃焼したコークスの代わりに、炉上部
から降下してきた鉱石類が置き代わる状況に至ったため
であり、この場合には送風によって鉱石が冷却される結
果となり、鉱石の溶融は期待できず、操業不能に陥っ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、炉径
の大きな炉で操業を行う場合、特開平1-501401号公報に
開示の溶融還元法には、解決すべき多くの問題を残して
いた。この発明は、上記の問題を有利に解決するもの
で、大型炉での連続操業が可能なのは勿論のこと、効率
が良くさらには安価な細粒コークスを使用でき、高生産
性、低燃料比の操業が可能な銑鉄製造装置を、その製造
方法と共に提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
竪型炉の炉床部およびシャフト部の周壁に、炉高さ方向
に2段または3段の羽口列を有し、下から1段目の羽口
列と2段目の羽口列との間および/または下から2段目
の羽口列と3段目の羽口列との間に固体燃料の装入口を
有し、シャフト上部には自己還元性鉱塊、還元鉄、鉄
屑、鋳物屑の装入口を有する銑鉄製造装置において、固
体燃料の装入口を直下羽口列の各羽口の直上に配設した
ことを特徴とする自己還元性鉱塊を主原料とする銑鉄製
造装置である。
【0011】また、この発明は、シャフト部および炉床
部をそなえる竪型炉のシャフト部上部から自己還元性鉱
塊、還元鉄、鉄屑、鋳物屑を装入すると共に、該炉床部
およびシャフト部の周壁に炉高さ方向に設けた2段また
は3段の羽口列から酸化性ガスを吹き込む一方、下から
1段目の羽口列と2段目の羽口列との間および/または
下から2段目の羽口列と3段目の羽口列との間でかつ、
直下羽口列の各羽口の直上に設けた装入口から固体燃料
を装入することからなる銑鉄製造方法において、各羽口
の直上に設けた固体燃料装入口からの装入とは別に、シ
ャフト部の上部からも固体燃料を、溶銑1トン当たり4
0〜50kgの割合で装入することを特徴とする自己還元
性鉱塊を主原料とする銑鉄製造方法である。
【0012】この発明に従う銑鉄製造方法において、羽
口直上に設置した固体燃料装入口からの装入とは別にシ
ャフト上部からも固体燃料を装入する際、シャフト上部
から装入する原材料と別装入する燃料の降下速度を一定
とし、燃料比の制御が可能なように、別装入燃料の装入
断面積を調節することが好ましい。
【0013】また、より低コストの下で、効率の高い操
業を志向するため、高炉用コークスを別装入燃料として
使用し、シャフト上部から装入する固体燃料の粒度を 1
00〜150mm とする燃料の粒度別装入法の採用すること
や、別装入する固体燃料に直径:20mm以下の細粒鉄屑あ
るいは細粒還元鉄を混合すること、さらには自己還元性
鉱塊、還元鉄、鉄屑および鋳物屑類全体の予備還元率が
30%以上の鉱石類を使用する場合に、自己還元性鉱塊の
内装C量を25%以下に設定すること等は、いずれも有利
である。
【0014】
【作用】以下、この発明を具体的に説明する。図1およ
び図2に、この発明に従う好適銑鉄製造装置を模式的に
示した。図中の番号1はシャフト部、2は炉床部であ
り、3が炉床部2に設けられた下から1段目の羽口列
(1次羽口)、4,5がそれぞれシャフト部1に設けら
れた2段目の羽口列(2次羽口)および3段目の羽口列
(3次羽口)である。そして6がこの例で1段目と2段
目の羽口列の間に配設された固体燃料の装入口であり、
この装入口6はそれぞれ、1段目の羽口列の各羽口の直
上に設けられている。なお、図中の番号7は排ガス取出
口、8は出銑口、9は出滓口を示す。
【0015】上記のように、竪型炉の炉床部およびシャ
フト部の周壁に、炉高さ方向に多段の羽口を設け、1次
羽口と2次羽口との間および/または2次羽口と3次羽
口との間に固体燃料の装入口を設けることによって、炉
内反応効率を効果的に向上させることができる。という
のは、固体燃料を全量、シャフト上部から装入する場合
には、炉下部から上昇するガスによって固体燃料が予熱
され、また上昇ガス中のCO2 と吸熱反応である次式(3)
に示すソルーションロス反応が生じる結果、排ガスηCO
が低下するのに対し、1次羽口と2次羽口との間および
/または2次羽口と3次羽口との間から固体燃料を装入
する場合には、シャフト下部あるいは炉床部に直接、常
温の固体燃料が装入されることから、予熱時間が少な
く、反応距離が短いため (3)式のソルーションロス反応
量が低減できるからである。特に1次羽口と2次羽口の
間から固体燃料を装入する場合にこの効果は著しい。 C + CO2= 2CO - 38,200kcal/kmol・C … (3)
【0016】多段羽口は通常3段までと考えられてお
り、1次羽口部では固体燃料と酸素との燃焼反応によっ
て次式(4) の発熱反応と、引き続き生じる上掲式(3) の
吸熱反応が進行するのに対し、2次および3次羽口部で
は、1次羽口部で生成したCOガスを (2)式の反応によっ
て完全燃焼させ、その発生熱をシャフト上部から装入さ
れる鉱石類の予熱、加熱、溶解に利用できる。 C + O2 = CO2 + 97,000kcal/kmol・C … (4)
【0017】1次羽口と2次羽口の間から固体燃料を装
入する場合には、通常、3次羽口は使用しないが、2次
羽口と3次羽口の間から固体燃料を装入する場合には、
3次羽口を使用して、炉内反応効率を向上させる必要が
ある。2次羽口と3次羽口の間から固体燃料を装入する
場合は、1次羽口と2次羽口の間から固体燃料を装入す
る場合に比較して、ソルーションロス反応距離が長くな
るため、炉内の反応効率は落ちるが、炉床部へのベッド
コークス補給の一手段として有効である。
【0018】次に、固体燃料の装入口を各羽口の直上に
設置することの有用性について説明する。従来のよう
に、固体燃料用の装入口と羽口の位置が対応していない
場合、D≧0.70mの炉では、羽口部で燃焼し消費された
固体燃料部位へは主原料である鉱石類の降下が優先的に
生じ、このため別装入する固体燃料が降下せず、操業不
能に陥るケースが頻発する。これに対し、この発明のよ
うに、固体燃料の装入口を羽口の直上に配設した場合に
は、羽口部での燃焼量に応じた固体燃料の補給が行わ
れ、固体燃料はスムーズに降下する。従って、羽口前に
は必ず固体燃料が存在するため、連続して円滑な燃焼反
応が生じ、さらにはスムーズな固体燃料の降下により、
固体燃料の昇温速度が低く抑えられるので、 (3)式のよ
うなソルーションロス反応が低減し、羽口部での理論燃
焼温度が上昇する結果、鉱石類の溶解が効率的に行える
のである。
【0019】次に、シャフト上部から固体燃料を装入す
ることの有用性、およびそのときの好適装入量について
説明する。自己還元性鉱塊、還元鉄、鉄屑、鋳物屑類を
シャフト上部から装入する場合、溶融メタルの浸炭なら
びに溶融還元によってベッドコークスが消費される。ベ
ッドコークスの補給は、小型炉の場合、別装入する固体
燃料によってある程度カバーすることができるが、D≧
0.70mの大型炉の場合には、別装入する固体燃料だけで
は、ベッドコークスの補給は不十分である。従って、固
体燃料をシャフト上部から装入することは、極めて有用
である。例えば鋼スクラップを例にとると、浸炭によっ
て消費されるC量は約30kg/t程度と考えられるが、固体
燃料をシャフト上部から装入する場合、2次あるいは3
次羽口からの送風で、炭材の一部が (3)式のソルーショ
ンロス反応によって消費されるため、それを考慮して固
体燃料を装入する必要がある。実験によってソルーショ
ンロス反応量を測定した結果、10〜20kg/t程度であるこ
とが判明した。従って、シャフト上部から補給する固体
燃料は、溶銑1トン当たり40〜50kg程度とするのが好適
である。
【0020】次にシャフト上部から装入する原燃料と別
装入する燃料の降下速度を一定とし、燃料比の制御が可
能なように、別装入燃料の装入断面積を調節する方法に
ついて説明する。操業法として、シャフト上部から装入
する原燃料と別装入する燃料の降下速度を一定にするこ
とは、装入方法の煩雑さを回避できることに加え、適正
なコークス領域の設定を行い得るという利点がある。例
えば、コークスの燃焼よりも鉱石類の溶解が速い場合、
コークスの炉内滞留時間が長くなるため、コークスが昇
温され、ソルーションロス反応量が増大し、炉内反応効
率が低減する。また、降下速度が不一致の場合、炉床部
で不均一層が形成され、ガスの流れに支障をきたす場合
がある。従って、安定した操業を継続するためには、シ
ャフト上部から装入する原燃料と別装入する燃料の降下
速度を一定にすることが有効である。
【0021】降下速度を一定にするには、操業における
燃料比を確定する必要がある。通常、操業における燃料
比は、コークス粒度、送風条件、装入方法などによって
異なるが、炉頂排出ガスのηCOを測定することにより、
熱・物質バランスから適正燃料比が計算できるため、前
掲 (1)式によって、降下速度を一定に保つための適正な
別装入口の装入断面積を決定できる。別装入口の装入断
面積を調節する方法については種々考えられるが、例え
ば装入口直下に仕切り板を設ける方法がある。
【0022】次に、平均粒子径が60mm以下の高炉用コー
クスが使用する場合について説明する。通常、キュポラ
のようにスクラップ類の溶解を目的とする炉では、高炉
用コークスのような細粒コークスを使用すると、 (3)式
のソルーションロス反応の進行が速く、温度低下により
スクラップ溶融が阻害されると共に、小粒度のため炉内
の通気性が悪化し、安定した操業が困難になる等の問題
があった。しかしながら、この発明に従う銑鉄製造装置
においては、固体燃料の大部分は別装入されており、ガ
スと固体燃料との接触時間が短縮され、しかも別装入さ
れた固体燃料の予熱も十分ではないため、高炉用コーク
ス使用時でも、羽口奥における炉内反応効率ηCOは通常
のキュポラ操業に比べて高く維持できる。また、本装置
の場合、2次、3次羽口から送風することによって (2)
式の反応を生じさせ、反応効率を向上させることも可能
である。このように特殊な炉構造であるが故に、高炉用
コークスの使用が可能なのである。
【0023】次に、炉頂部から装入する固体燃料の粒度
を 100〜150mm とし、併せて別装入する固体燃料の粒度
を60mm以下とする固体燃料の粒度別装入が有効なことを
説明する。平均粒度が60mm以下の高炉用コークスを用い
ても、炉内反応効率の高い操業が可能であることは上述
したとおりであるが、この場合でもコークス温度が 700
℃以上になると、2次燃焼で生成した CO2ガスがコーク
スと反応して (3)式のソルーションロス反応が生じる。
この点、炉頂部から装入する固体燃料の粒度を大きく
し、通常使用されている鋳物用コークスに相当する 100
〜150mm の粒度の固体燃料を使用した場合には、(3) 式
のソルーションロス反応量は低減し、従って炉内反応効
率は向上する。また、大粒径の鋳物用コークスがベッド
コークスにもなるため、単に高炉用コークスを使用した
場合に比べて溶鉄・溶滓の滴下がスムーズになり、炉内
圧力を低下する効果もあるので、出銑量の増大にも寄与
する。このように、固体燃料の粒度別装入法は効率的な
銑鉄製造の観点から有効である。なお、固体燃料として
は、一般的には通常コークスを使用するが、無煙炭のよ
うな炭材などを使用することもできる。これら炭材の粒
度は好ましくは30mm以上である。粒度の上限について
は、価格の問題もあり、鋳物用コークスに相当する150m
m 以下程度が好適である。鉱石類の上下限粒度も固体燃
料とほぼ同様とすることが好ましい。
【0024】次に、別装入する固体燃料に粒度20mm以下
の細粒鉄屑あるいは細粒還元鉄を混合することの有用性
について説明する。別装入するコークス層内には、極
力、ガスを流さないように制御することが、羽口近傍の
燃焼効率の向上および理論ガス燃焼温度の上昇の面で有
効であり、かくして主原料の鉱石類の溶融性状を改善す
ることができる。別装入する固体燃料として、高炉用コ
ークスを使用する場合、コークス層の通気性を悪くする
ためには層の空隙率を低下させることが有効であり、ま
た層空隙率を低下させるためには粒度構成が重要であ
る。直径20mm以下の細粒鉄屑あるいは細粒還元鉄を別装
入コークス中に混合することにより、コークス層内の空
隙率の低減が可能である。ここに、細粒鉄屑や細粒還元
鉄の粒度の上限を20mmとしたのは、粒度がコークスの1/
3 以下の細粒を混合することが、空隙率の低下に寄与す
るという実験結果と、細粒鉄屑あるいは細粒還元鉄の溶
解をスムーズに行える最大粒径が20mm程度であることに
よる。
【0025】次に、主原料である自己還元性鉱塊、還元
鉄、鉄屑、鋳物屑類の全体の予備還元率が30%以上で、
かつ自己還元性鉱塊の内装C量が25%以下が適当なこと
を説明する。主原料の予備還元率が低い場合、溶融還元
によって、ベッドコークスが消費され、吸熱反応の進行
により、出銑不能に至るケースが考えられる。また、本
装置の場合、出銑比の高い操業 (出銑比:8〜30) が可
能であり、その場合、主原料の予熱時間が短縮される傾
向にある。従って予備還元率は高い方が好ましい。発明
者らの実験によれば、予備還元率が30%未満と低い場合
には、Cを内装しない自己還元性鉱塊の場合、ηCO≧40
%で1000℃以上の雰囲気内では FeO→Feへのガス還元は
進行せず、溶融還元が主体となるため、操業不能に陥っ
た。そこでCを内装した自己還元性鉱塊を製造し、同条
件で反応実験を行ったところ、FeO→Feへのガス還元は
生じない条件ではあるものの、内装Cの存在により還元
が進行することが確認された。
【0026】内装C量の増大に伴い、自己還元性鉱塊の
還元率は高くなる傾向にあり、特に内装C量が10%以上
の場合には、溶融段階の還元率が70%以上となることが
実験によって確かめられた。内装C量が20%の場合に
は、自己還元性鉱塊の還元率も80%以上となっており、
また計算上は溶融後も融液中に溶融還元および溶銑の浸
炭にも消費されなかった内装Cが存在し、さらに活用消
費されることが考えられる。この場合、前述したとお
り、シャフト上部から浸炭剤あるいは還元剤として必要
とされた固体燃料は不要となり、より効果的な操業が可
能となる。なお、内装C量の上限は25%であり、これは
自己還元性鉱塊の強度を保持しうる上限に相当する。
【0027】
【実施例】実験には、図1・図2に示したような構造に
なる溶解炉を用いた。 実施例1 1次羽口数:4本、2次羽口数:4本を有し、1次羽口
と2次羽口の間で各1次羽口の直上に固体燃料装入口を
有している炉床径1200mmの溶解炉を使用し、表1に示す
条件で72時間の連続操業を行った。 実施例2 実施例1と同じ溶解炉を用いて、表1に示す条件で還元
鉄と鋳物屑の溶解操業を48時間行った。
【0028】比較例1 実施例1と同じ溶解炉を使用し、シャフトには鋳物屑の
他は固体燃料を装入せず、かつ別装入口からコークス以
外に何も装入せず、操業を行った。断続的な出湯が短時
間行われたが、スラグ中の FeO割合の増加と共に、炉内
の通気性が低下し、送風圧が上昇してきたため、操業の
停止を余儀なくされた。 比較例2 実施例1の溶解炉と同型ではあるが、燃料別装入口を水
平面内で羽口部から45°回転させた位置の上部に設けた
溶解炉を用い、実施例2と同様に還元鉄、鋳物屑、コー
クス、細粒還元鉄を装入し操業を行ったが、別装入コー
クスの降下がスムーズに行えず、操業不能に陥った。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、自己還元
性鉱塊を主原料とする銑鉄製造方法において、効率良く
連続操業を行うことができ、しかも安価な細粒コークス
を使用できるので、高生産性で燃料比の低い安定操業が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う好適銑鉄製造装置の略線図であ
る。
【図2】上記銑鉄製造装置の平断面の略線図である。
【符号の説明】
1 シャフト部 2 炉床部 3 1段目の羽口列(1次羽口) 4 2段目の羽口列(2次羽口) 5 3段目の羽口列(3次羽口) 6 固体燃料の装入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 正好 岩手県江刺市岩谷堂字南八日市46−5 (72)発明者 内藤 誠章 千葉県木更津市清見台南4丁目15K1− 404

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 竪型炉の炉床部およびシャフト部の周壁
    に、炉高さ方向に2段または3段の羽口列を有し、下か
    ら1段目の羽口列と2段目の羽口列との間および/また
    は下から2段目の羽口列と3段目の羽口列との間に固体
    燃料の装入口を有し、シャフト上部には自己還元性鉱
    塊、還元鉄、鉄屑、鋳物屑の装入口を有する銑鉄製造装
    置において、固体燃料の装入口を直下羽口列の各羽口の
    直上に配設したことを特徴とする自己還元性鉱塊を主原
    料とする銑鉄製造装置。
  2. 【請求項2】 シャフト部および炉床部をそなえる竪型
    炉のシャフト部上部から自己還元性鉱塊、還元鉄、鉄
    屑、鋳物屑を装入すると共に、該炉床部およびシャフト
    部の周壁に炉高さ方向に設けた2段または3段の羽口列
    から酸化性ガスを吹き込む一方、下から1段目の羽口列
    と2段目の羽口列との間および/または下から2段目の
    羽口列と3段目の羽口列との間でかつ、直下羽口列の各
    羽口の直上に設けた装入口から固体燃料を装入すること
    からなる銑鉄製造方法において、各羽口の直上に設けた
    固体燃料装入口からの装入とは別に、シャフト部の上部
    からも固体燃料を、溶銑1トン当たり40〜50kgの割
    合で装入することを特徴とする自己還元性鉱塊を主原料
    とする銑鉄製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、シャフト部の上部か
    ら WCR C の固体燃料と WSCの自己還元性鉱塊、還元鉄、
    鉄屑、鋳物屑を装入する一方、各羽口直上に設けた固体
    燃料装入口からは各装入口毎に( WCR− WCR C )/nの
    コークスを装入するに際し、操業中の排ガスηCO( CO2
    /(CO + CO2))の値を測定し、その値から操業に必要な
    燃料比 WCRを求め、ついで次式(1) に基づいて羽口直上
    固体燃料装入口1本当たりの固体燃料装入面積 SCRを決
    定し、この決定値に従って操業することを特徴とする銑
    鉄製造方法。 【数1】 ここで SCR: 羽口直上固体燃料装入口1本当たりの固体
    燃料装入面積(m2) ST : シャフト上部の装入面積(m2) n : 羽口直上固体燃料装入口数 WCR: 固体燃料比(kg/t) WCR C : シャフト上部から装入する固体燃料比(kg/t) WSC: (自己還元性鉱塊+還元鉄+鉄屑+鋳物屑)比(k
    g/t) ρSC: (自己還元性鉱塊+還元鉄+鉄屑+鋳物屑)のか
    さ密度(kg/m3) ρCR: 固体燃料のかさ密度(kg/m3)
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、シャフト部
    の上部から装入する固体燃料の粒度を 100〜150mm にす
    ると共に、各羽口直上から装入する固体燃料の粒度を60
    mm以下とし、装入部位によって固体燃料粒度を変更する
    ことを特徴とする銑鉄製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2,3または4において、各羽口
    直上から装入する固体燃料中に、直径:20mm以下の細粒
    鉄屑もしくは細粒還元鉄を混合することを特徴とする銑
    鉄製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,4または5において、主
    原料である自己還元性鉱塊、還元鉄、鉄屑、鋳物屑全体
    の予備還元率が30%以上で、かつ自己還元性鉱塊の内装
    C量が25%以下であることを特徴とする銑鉄製造方法。
JP28512694A 1994-11-18 1994-11-18 自己還元性鉱塊を主原料とする銑鉄製造装置および銑鉄製造方法 Pending JPH08143923A (ja)

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