JPH06108132A - 筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法 - Google Patents
筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法Info
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- JPH06108132A JPH06108132A JP25924492A JP25924492A JPH06108132A JP H06108132 A JPH06108132 A JP H06108132A JP 25924492 A JP25924492 A JP 25924492A JP 25924492 A JP25924492 A JP 25924492A JP H06108132 A JPH06108132 A JP H06108132A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】筒型炉およびその炉を用いて鉄スクラップと鉱
石から溶銑を製造する方法の提供。 【構成】 (1) 上部に開口1Aを、下部側壁に一次羽口3を、その上
部側壁に二次羽口4を、炉底および/または炉底近傍下
部側壁に溶銑および/または溶滓の排出口11を有し、更
に、上記一次羽口と二次羽口との中間高さレベルにあっ
て炉内部を上部炉室と下部炉室とに分割する水冷ロスト
ル8、およびこの水冷ロストル直下に開口した下部炉室
装入口2Bを有する筒型炉。 (2) 下部炉室装入口からの装入によって下部炉室に炉底
から一次羽口を含むレベルまでコークスの充填層5を形
成させ、上部開口からの装入によって上部炉室の水冷ロ
ストル上にセラミック充填材の充填層7を、その上層と
して二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充填層6を形
成させ、一次羽口からは支燃性ガスまたは支燃性ガスと
燃料を、二次羽口からは支燃性ガスまたは支燃性ガスと
粉鉱石を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造方法。
石から溶銑を製造する方法の提供。 【構成】 (1) 上部に開口1Aを、下部側壁に一次羽口3を、その上
部側壁に二次羽口4を、炉底および/または炉底近傍下
部側壁に溶銑および/または溶滓の排出口11を有し、更
に、上記一次羽口と二次羽口との中間高さレベルにあっ
て炉内部を上部炉室と下部炉室とに分割する水冷ロスト
ル8、およびこの水冷ロストル直下に開口した下部炉室
装入口2Bを有する筒型炉。 (2) 下部炉室装入口からの装入によって下部炉室に炉底
から一次羽口を含むレベルまでコークスの充填層5を形
成させ、上部開口からの装入によって上部炉室の水冷ロ
ストル上にセラミック充填材の充填層7を、その上層と
して二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充填層6を形
成させ、一次羽口からは支燃性ガスまたは支燃性ガスと
燃料を、二次羽口からは支燃性ガスまたは支燃性ガスと
粉鉱石を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、炉内が上部炉室と下
部炉室とに二分されている筒型炉、およびその炉を使用
し、鉄スクラップおよび鉱石を鉄源として溶鉄を製造す
る方法であって、生産速度の向上または調整が容易に行
え、しかも燃料消費量を低くでき、溶解操作の制御性も
高い溶銑製造方法に関する。
部炉室とに二分されている筒型炉、およびその炉を使用
し、鉄スクラップおよび鉱石を鉄源として溶鉄を製造す
る方法であって、生産速度の向上または調整が容易に行
え、しかも燃料消費量を低くでき、溶解操作の制御性も
高い溶銑製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から銑鉄はその大部分が鉄鉱石を鉄
源として高炉によって製造されてきた。高炉製銑法その
ものは、永年にわたる改良が積み重ねられて銑鉄の大量
生産技術として極めて優れたものとなっている。しか
し、高炉製銑法は鉄源として高品位の焼結鉱やペレット
を、燃料および還元剤としては高品位のコークスを使用
するものであり、利用できる原燃料の制約がある。ま
た、近年の高炉は巨大化し、しかも一旦火入れした後
は、吹止め、再火入れが簡単にできないため、鋼材需要
の変動に応じる柔軟性に乏しい。さらに高炉を建設する
設備費は年々高騰する状況にある。
源として高炉によって製造されてきた。高炉製銑法その
ものは、永年にわたる改良が積み重ねられて銑鉄の大量
生産技術として極めて優れたものとなっている。しか
し、高炉製銑法は鉄源として高品位の焼結鉱やペレット
を、燃料および還元剤としては高品位のコークスを使用
するものであり、利用できる原燃料の制約がある。ま
た、近年の高炉は巨大化し、しかも一旦火入れした後
は、吹止め、再火入れが簡単にできないため、鋼材需要
の変動に応じる柔軟性に乏しい。さらに高炉を建設する
設備費は年々高騰する状況にある。
【0003】そこで最近では高炉によらない溶銑製造方
法、あるいは金属溶解方法が種々提案されている。本出
願人も製鋼用転炉に類似した筒型炉を使用し、鉱石とス
クラップを鉄源として用いる溶銑の製造方法(以下、従
来法(A)と言う)を先に提案した(特開平1−290711
号公報、参照)。
法、あるいは金属溶解方法が種々提案されている。本出
願人も製鋼用転炉に類似した筒型炉を使用し、鉱石とス
クラップを鉄源として用いる溶銑の製造方法(以下、従
来法(A)と言う)を先に提案した(特開平1−290711
号公報、参照)。
【0004】上記従来法(A)では図2に示すような転
炉型式の筒型炉21を用いる。同図に示すように、この筒
型炉21は、炉上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開口
部22、炉壁下部に一次羽口23、その上部炉壁に二次羽口
24、炉底または炉底近傍下部側壁に出銑口27を備えてい
る。この炉を用いる溶銑製造工程は下記a〜cからな
る。
炉型式の筒型炉21を用いる。同図に示すように、この筒
型炉21は、炉上部に炉内ガスの排出と原料装入用の開口
部22、炉壁下部に一次羽口23、その上部炉壁に二次羽口
24、炉底または炉底近傍下部側壁に出銑口27を備えてい
る。この炉を用いる溶銑製造工程は下記a〜cからな
る。
【0005】a.操業開始に当たって装入するか、また
は前回の操作から引継いだコークス充填層25の上部に二
次羽口24を含むレベルまでスクラップと鉄鉱石の充填層
26を形成させる装入工程。
は前回の操作から引継いだコークス充填層25の上部に二
次羽口24を含むレベルまでスクラップと鉄鉱石の充填層
26を形成させる装入工程。
【0006】b.一次羽口23から支燃性ガスと、必要に
応じて炭化水素系燃料を吹込み、二次羽口24から支燃性
ガスを吹込んでスクラップと鉱石を溶融させ、溶融酸化
物を還元して溶銑を製造する溶解・還元工程。この工程
で生じた炉内上部空間には、次回の操作で消費が予測さ
れる所定量のコークスと所要の副原料を装入して、スク
ラップと鉄鉱石充填層26の上部にコークス充填層25-2を
形成させる。
応じて炭化水素系燃料を吹込み、二次羽口24から支燃性
ガスを吹込んでスクラップと鉱石を溶融させ、溶融酸化
物を還元して溶銑を製造する溶解・還元工程。この工程
で生じた炉内上部空間には、次回の操作で消費が予測さ
れる所定量のコークスと所要の副原料を装入して、スク
ラップと鉄鉱石充填層26の上部にコークス充填層25-2を
形成させる。
【0007】c.一次羽口23を含む所定のレベルにbで
装入したコークス充填層25-2の層高が到達した時点にお
いてbの溶解操作を終了し、コークスを含む固形の内容
物を炉内に残存させ、生成した溶銑とスラグ28だけを出
銑口27から排出する出銑工程。
装入したコークス充填層25-2の層高が到達した時点にお
いてbの溶解操作を終了し、コークスを含む固形の内容
物を炉内に残存させ、生成した溶銑とスラグ28だけを出
銑口27から排出する出銑工程。
【0008】ここでaおよびbの操作を行うのは次のよ
うな作用効果を狙うからである。即ち、一次羽口23から
下部のコークス充填層25内に支燃性ガスと、必要に応じ
て燃料とを吹込んで下記 (1)式に示す部分酸化燃焼を生
じさせ、その燃焼発熱によってコークス充填層を高温に
保持する。
うな作用効果を狙うからである。即ち、一次羽口23から
下部のコークス充填層25内に支燃性ガスと、必要に応じ
て燃料とを吹込んで下記 (1)式に示す部分酸化燃焼を生
じさせ、その燃焼発熱によってコークス充填層を高温に
保持する。
【0009】 C+1/2O2 → CO + 29400 kcal/kmol・C ・・・ (1) 上記 (1)式で発生したCOは、上部のスクラップと鉄鉱石
の充填層26内で二次羽口24から吹込まれる支燃性ガスに
より下記 (2)式に示す二次燃焼を起こす。
の充填層26内で二次羽口24から吹込まれる支燃性ガスに
より下記 (2)式に示す二次燃焼を起こす。
【0010】 CO+1/2O2 → CO2+ 67590 kcal/kmol・CO ・・・ (2) このようにすれば、上部で二次燃焼の発熱によりスクラ
ップと鉄鉱石を加熱溶融し、溶鉄とともに溶融酸化鉄
(主にFe2O3)を生成させ、重力で下部のコークス充填層2
5に滴下させることができる。下部のコークス充填層25
は上記 (1)式の部分酸化反応により高温に加熱されてい
るため、滴下してきた溶融酸化鉄は、下記(3) 式により
還元され溶鉄が生成する。
ップと鉄鉱石を加熱溶融し、溶鉄とともに溶融酸化鉄
(主にFe2O3)を生成させ、重力で下部のコークス充填層2
5に滴下させることができる。下部のコークス充填層25
は上記 (1)式の部分酸化反応により高温に加熱されてい
るため、滴下してきた溶融酸化鉄は、下記(3) 式により
還元され溶鉄が生成する。
【0011】 Fe2O3+3C→2Fe+3CO−108090 kcal/kmol・Fe2O3 ・・・ (3) さらに、生成した溶鉄を高温のコークスにより浸炭させ
て溶銑とすることができる。
て溶銑とすることができる。
【0012】生成した溶銑とスラグ28は、前記cの操作
により炉底部に設けた出銑口27から炉外に排出される。
により炉底部に設けた出銑口27から炉外に排出される。
【0013】上記溶解操作を繰り返しつづける溶銑の製
造プロセスは、燃料利用効率(熱効率)が高く、経済
性、生産性に優れたものである。
造プロセスは、燃料利用効率(熱効率)が高く、経済
性、生産性に優れたものである。
【0014】一方、キュポラに類似した筒型炉を用い、
炉外で燃焼ガスを生成させて金属を溶解する方法が特公
昭51−29481 号公報に開示されている(以下、この方法
を従来法(B)と記す)。図3は従来法(B)を実施す
るための装置の断面図 (上記公報から転記) である。
炉外で燃焼ガスを生成させて金属を溶解する方法が特公
昭51−29481 号公報に開示されている(以下、この方法
を従来法(B)と記す)。図3は従来法(B)を実施す
るための装置の断面図 (上記公報から転記) である。
【0015】図3に示すように、このキュポラ型筒型炉
は、耐火材32を内張りした炉上部に材料を投入する投入
口33を、炉中部に中空棒鋼を耐火材で被覆した支持火格
子34を、この火格子34の上部に球状耐火材を使用した熱
交換ベッド35を、上記火格子34の下部側壁に燃焼室36を
有するガスバーナー37を、炉下部に湯溜り38と出銑口39
を備えている。
は、耐火材32を内張りした炉上部に材料を投入する投入
口33を、炉中部に中空棒鋼を耐火材で被覆した支持火格
子34を、この火格子34の上部に球状耐火材を使用した熱
交換ベッド35を、上記火格子34の下部側壁に燃焼室36を
有するガスバーナー37を、炉下部に湯溜り38と出銑口39
を備えている。
【0016】この炉を用いる金属の溶解方法は、熱交換
ベッド35の上部に金属31を装入し、天然ガス、都市ガ
ス、液化プロパンガスなどの燃料と空気の混合ガスをガ
スバーナー37から供給し、燃焼室36で燃焼させて発生し
た高温ガス生成物を熱交換ベッド35を通して上方へ通過
させて装入金属31を溶解するという方法である。溶解金
属は熱交換ベッド35を下方に通過する際に、再熱されて
湯溜り38に溜められて出銑口39から溶融金属を排滓口31
0 からスラグを取り出す。これによりコークスを使用せ
ずにキュポラ法で製造される鋳鉄と同等の品位の鋳鉄を
製造でき、鉄以外の金属も溶解できると言う。
ベッド35の上部に金属31を装入し、天然ガス、都市ガ
ス、液化プロパンガスなどの燃料と空気の混合ガスをガ
スバーナー37から供給し、燃焼室36で燃焼させて発生し
た高温ガス生成物を熱交換ベッド35を通して上方へ通過
させて装入金属31を溶解するという方法である。溶解金
属は熱交換ベッド35を下方に通過する際に、再熱されて
湯溜り38に溜められて出銑口39から溶融金属を排滓口31
0 からスラグを取り出す。これによりコークスを使用せ
ずにキュポラ法で製造される鋳鉄と同等の品位の鋳鉄を
製造でき、鉄以外の金属も溶解できると言う。
【0017】上述したように従来法(A)の特徴は、炉
内の反応帯をコークスの充填層とスクラップおよび鉄鉱
石の充填層との二つに分け、前者では高温の強還元性雰
囲気を保たせて溶融酸化鉄の還元を速やかに起こさせる
とともに可燃性ガスを発生させ、後者では下部から供給
される高温可燃性ガスを燃焼させてスクラップと鉄鉱石
の加熱・溶融を高い熱効率で行わせるように、両者の役
割を明確に二分したところにある。
内の反応帯をコークスの充填層とスクラップおよび鉄鉱
石の充填層との二つに分け、前者では高温の強還元性雰
囲気を保たせて溶融酸化鉄の還元を速やかに起こさせる
とともに可燃性ガスを発生させ、後者では下部から供給
される高温可燃性ガスを燃焼させてスクラップと鉄鉱石
の加熱・溶融を高い熱効率で行わせるように、両者の役
割を明確に二分したところにある。
【0018】しかしながら、従来法(A)では溶解操作
中に次回の溶解で消費が予測される量のコークスをスク
ラップと鉄鉱石の充填層の上部に装入する必要がある。
従って、溶解操作完了時点まで二次羽口からの支燃性ガ
ス吹込みを継続させると、溶解操作末期において前記
(2)式に示す二次燃焼が、スクラップと鉄鉱石の層に上
部に装入されたコークス充填層内でも起こる。その発熱
によりコークスが加熱されてコークス温度が1000℃を超
えると、二次燃焼で生成した CO2ガスがコークスと反応
して下記(4) 式によりCOに逆戻りすることがある。
中に次回の溶解で消費が予測される量のコークスをスク
ラップと鉄鉱石の充填層の上部に装入する必要がある。
従って、溶解操作完了時点まで二次羽口からの支燃性ガ
ス吹込みを継続させると、溶解操作末期において前記
(2)式に示す二次燃焼が、スクラップと鉄鉱石の層に上
部に装入されたコークス充填層内でも起こる。その発熱
によりコークスが加熱されてコークス温度が1000℃を超
えると、二次燃焼で生成した CO2ガスがコークスと反応
して下記(4) 式によりCOに逆戻りすることがある。
【0019】 C+CO2 =2CO− 38200 kcal/kmol・C ・・・ (4) 上記 (4)式の反応は吸熱反応である。従って、コークス
が無駄に消費されるだけでなく、コークスの加熱はもと
よりスクラップ、鉄鉱石の加熱、溶融が阻害される。さ
らに連続操業を完了するときのコークス充填層の高さを
二次羽口レベル以下に設定した場合、二次羽口がコーク
ス充填層25-2の上部に露呈する事態も起こる。従って、
コークス充填層高さが二次羽口レベル以下になった時点
で二次羽口からの支燃性ガス吹込みを停止する必要があ
る等、溶解操作が複雑になる傾向がある。
が無駄に消費されるだけでなく、コークスの加熱はもと
よりスクラップ、鉄鉱石の加熱、溶融が阻害される。さ
らに連続操業を完了するときのコークス充填層の高さを
二次羽口レベル以下に設定した場合、二次羽口がコーク
ス充填層25-2の上部に露呈する事態も起こる。従って、
コークス充填層高さが二次羽口レベル以下になった時点
で二次羽口からの支燃性ガス吹込みを停止する必要があ
る等、溶解操作が複雑になる傾向がある。
【0020】また、鉄鉱石の使用比率を増してスクラッ
プ比率を下げたり、生産性をさらに高めようとするとコ
ークス比の増加が余儀なくされ、炉容一定の場合、スク
ラップと鉄鉱石の装入空間の余裕が取れなくなる事態が
発生する場合があり、炉上からのコークス装入量が律速
となって、生産性の調整機能が制約される。これに対処
するため一次羽口から支燃性ガスとともに燃料を吹込ん
でコークス装入量を減らすことはできるが、炉下部を高
温の強還元性雰囲気に保つためには、コークス量の低減
にも限度がある。 一方、従来法(B)の特徴は、炉中
間部に設けた支持火格子上に熱交換ベッドを備え、その
上部を金属充填層、下部を高温ガス供給帯に区切り、コ
ークス等の固体炭素系燃料を使用せずに、ガス系燃料を
燃焼させて発生する高温ガスを下部から上部の金属充填
層へ通過させて、金属の加熱、溶融を行うことにある。
プ比率を下げたり、生産性をさらに高めようとするとコ
ークス比の増加が余儀なくされ、炉容一定の場合、スク
ラップと鉄鉱石の装入空間の余裕が取れなくなる事態が
発生する場合があり、炉上からのコークス装入量が律速
となって、生産性の調整機能が制約される。これに対処
するため一次羽口から支燃性ガスとともに燃料を吹込ん
でコークス装入量を減らすことはできるが、炉下部を高
温の強還元性雰囲気に保つためには、コークス量の低減
にも限度がある。 一方、従来法(B)の特徴は、炉中
間部に設けた支持火格子上に熱交換ベッドを備え、その
上部を金属充填層、下部を高温ガス供給帯に区切り、コ
ークス等の固体炭素系燃料を使用せずに、ガス系燃料を
燃焼させて発生する高温ガスを下部から上部の金属充填
層へ通過させて、金属の加熱、溶融を行うことにある。
【0021】しかしながら従来法(B)ではコークスを
使用しないことを特徴としているため、炉下部を高温で
強還元性雰囲気に保持して、酸化物を還元することは困
難であり、例えば鉄源として鉄鉱石を使用することは不
可能である。
使用しないことを特徴としているため、炉下部を高温で
強還元性雰囲気に保持して、酸化物を還元することは困
難であり、例えば鉄源として鉄鉱石を使用することは不
可能である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決し、燃料消費量の低減、生産速度の向上お
よび溶解操作の制御性の改善が可能な筒型炉を提供する
こと、およびその炉を用いて高い生産効率で溶銑を製造
する方法を提供することにある。
の問題を解決し、燃料消費量の低減、生産速度の向上お
よび溶解操作の制御性の改善が可能な筒型炉を提供する
こと、およびその炉を用いて高い生産効率で溶銑を製造
する方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1) の筒
型炉およびそれを用いる(2) の溶銑製造方法をその要旨
とする。
型炉およびそれを用いる(2) の溶銑製造方法をその要旨
とする。
【0024】(1) 上部に開口を、下部側壁に一次羽口
を、その上部側壁に二次羽口を、炉底および/または炉
底近傍下部側壁に溶銑および/または溶滓の排出口を有
し、更に、上記一次羽口と二次羽口との中間高さレベル
にあって炉内部を上部炉室と下部炉室とに分割する水冷
ロストル、およびこの水冷ロストル直下に開口した下部
炉室装入口を有する筒型炉。
を、その上部側壁に二次羽口を、炉底および/または炉
底近傍下部側壁に溶銑および/または溶滓の排出口を有
し、更に、上記一次羽口と二次羽口との中間高さレベル
にあって炉内部を上部炉室と下部炉室とに分割する水冷
ロストル、およびこの水冷ロストル直下に開口した下部
炉室装入口を有する筒型炉。
【0025】(2) 上記(1) の筒型炉を用いて溶銑を製造
する方法であって、下部炉室装入口からの装入によって
下部炉室に炉底から一次羽口を含むレベルまでコークス
の充填層を形成させ、上部開口からの装入によって上部
炉室の水冷ロストル上にセラミック充填材の充填層を、
その上層として二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充
填層を形成させ、一次羽口からは支燃性ガスまたは支燃
性ガスと燃料を、二次羽口からは支燃性ガスまたは支燃
性ガスと粉鉱石を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造
方法。
する方法であって、下部炉室装入口からの装入によって
下部炉室に炉底から一次羽口を含むレベルまでコークス
の充填層を形成させ、上部開口からの装入によって上部
炉室の水冷ロストル上にセラミック充填材の充填層を、
その上層として二次羽口を含むレベルまで鉄源原料の充
填層を形成させ、一次羽口からは支燃性ガスまたは支燃
性ガスと燃料を、二次羽口からは支燃性ガスまたは支燃
性ガスと粉鉱石を吹き込むことを特徴とする溶銑の製造
方法。
【0026】まず、本発明の筒型炉について説明する。
図1の (a)は、本発明の筒型炉(ただし、原料等を充填
した状態)の代表的な形状を示す縦断面図であり、同
(b) はそのA−A線水平断面図である。
図1の (a)は、本発明の筒型炉(ただし、原料等を充填
した状態)の代表的な形状を示す縦断面図であり、同
(b) はそのA−A線水平断面図である。
【0027】図示のように、この筒型炉1の上部には炉
内発生ガスの排出と鉄スクラップ、鉱石等の鉄源原料お
よびセラミック充填材の装入のための開口2Aがある。ま
た、下部炉壁に一次羽口3、上部側壁に二次羽口4があ
り、炉底にはスラグと溶銑を排出するための出銑口11が
ある。この出銑口11は、下部炉壁にあってもよく、また
出銑口とスラグ排出口 (出滓口) とを別個に設けてもよ
い。一次羽口と二次羽口は、炉の円周方向に複数本を等
間隔で配置するのがよい。
内発生ガスの排出と鉄スクラップ、鉱石等の鉄源原料お
よびセラミック充填材の装入のための開口2Aがある。ま
た、下部炉壁に一次羽口3、上部側壁に二次羽口4があ
り、炉底にはスラグと溶銑を排出するための出銑口11が
ある。この出銑口11は、下部炉壁にあってもよく、また
出銑口とスラグ排出口 (出滓口) とを別個に設けてもよ
い。一次羽口と二次羽口は、炉の円周方向に複数本を等
間隔で配置するのがよい。
【0028】一次羽口3と二次羽口4との中間高さレベ
ルには、所定の間隔で設置され、炉内部を上部炉室1Aと
下部炉室1Bとに分割する水冷ロストル8がある。そし
て、この水冷ロストル8の直下には、下部炉室1Bにコー
クス(および必要に応じて副原料)を装入するための装
入口2Bが開口している。図1(a) にはこの開口2Bが円周
方向で一次羽口3と同じ位置にあるように図示したが、
実際には(b) に示すように羽口3の間に開口2Bがあるの
が望ましい。上記の水冷ロストル8は、耐火材8-1で覆
われた鋼管8-2で作られたパイプなどの高い支持強度と
耐久性を有する材料で構成されている。
ルには、所定の間隔で設置され、炉内部を上部炉室1Aと
下部炉室1Bとに分割する水冷ロストル8がある。そし
て、この水冷ロストル8の直下には、下部炉室1Bにコー
クス(および必要に応じて副原料)を装入するための装
入口2Bが開口している。図1(a) にはこの開口2Bが円周
方向で一次羽口3と同じ位置にあるように図示したが、
実際には(b) に示すように羽口3の間に開口2Bがあるの
が望ましい。上記の水冷ロストル8は、耐火材8-1で覆
われた鋼管8-2で作られたパイプなどの高い支持強度と
耐久性を有する材料で構成されている。
【0029】以下、上記本発明の筒型炉の作用を、これ
を用いる本発明の溶銑製造方法の説明を兼ねて説明す
る。
を用いる本発明の溶銑製造方法の説明を兼ねて説明す
る。
【0030】
【作用】本発明の溶銑製造方法において使用する鉄源
は、主に鉄スクラップおよび鉱石である。鉄スクラップ
としては普通鋼スクラップ以外にステンレス鋼のような
高合金スクラップを使用してその中の有用元素を再利用
することが可能であり、その他の金属系材料の溶解も可
能である。鉱石としても通常の鉄鉱石のほかに、Mn、C
r、Mo、Niなどを多く含む鉱石、またはこれらの酸化物
を使用することができる。また下部炉室のコークス充填
層中には製銑用の副原料である蛇紋岩、ケイ石、蛍石な
どの造滓原料や生石灰などの脱硫剤を配合することがで
きる。
は、主に鉄スクラップおよび鉱石である。鉄スクラップ
としては普通鋼スクラップ以外にステンレス鋼のような
高合金スクラップを使用してその中の有用元素を再利用
することが可能であり、その他の金属系材料の溶解も可
能である。鉱石としても通常の鉄鉱石のほかに、Mn、C
r、Mo、Niなどを多く含む鉱石、またはこれらの酸化物
を使用することができる。また下部炉室のコークス充填
層中には製銑用の副原料である蛇紋岩、ケイ石、蛍石な
どの造滓原料や生石灰などの脱硫剤を配合することがで
きる。
【0031】前記の水冷ロストルの上に置くセラミック
充填材としては、水冷ロストルの隙間から落下しない大
きさの黒鉛や炭化珪素のような炭素を含んだセラミック
ボールあるいはSiO2とAl2O3 とを含む煉瓦屑等を用いる
ことができるが、酸性スラグ等の浸食に対しての耐久性
があれば他の材料でもよい。
充填材としては、水冷ロストルの隙間から落下しない大
きさの黒鉛や炭化珪素のような炭素を含んだセラミック
ボールあるいはSiO2とAl2O3 とを含む煉瓦屑等を用いる
ことができるが、酸性スラグ等の浸食に対しての耐久性
があれば他の材料でもよい。
【0032】一次羽口および二次羽口から吹き込む支燃
性ガスは酸素含有ガスである。一次羽口からは支燃性ガ
スとともに重油、灯油、天然ガスのような炭化水素系燃
料、または微粉炭、あるいはこれらの混合物を吹き込む
こともできる。また二次羽口からは支燃性ガスとともに
粉鉱石等の鉄源を吹き込むこともできる。
性ガスは酸素含有ガスである。一次羽口からは支燃性ガ
スとともに重油、灯油、天然ガスのような炭化水素系燃
料、または微粉炭、あるいはこれらの混合物を吹き込む
こともできる。また二次羽口からは支燃性ガスとともに
粉鉱石等の鉄源を吹き込むこともできる。
【0033】溶解操作は、下記に示す工程で構成され
る。
る。
【0034】 下部炉室装入口2Bからコークス(必要
に応じて副原料を混合)を下部炉室1Bに装入して炉底か
ら一次羽口3を含む所定の層高レベルまでコークス充填
層5を形成させる。一方、上部開口2Aからセラミック充
填材を装入し水冷ロストル8上に所定量のセラミック充
填層7を形成させる。
に応じて副原料を混合)を下部炉室1Bに装入して炉底か
ら一次羽口3を含む所定の層高レベルまでコークス充填
層5を形成させる。一方、上部開口2Aからセラミック充
填材を装入し水冷ロストル8上に所定量のセラミック充
填層7を形成させる。
【0035】 上部開口2Aから鉄スクラップおよび鉱
石を上部炉室1Aに装入して、二次羽口4を含む所定の層
高レベルまで鉄スクラップと鉱石の充填層6を形成させ
る。操業開始後は、コークスおよび鉄源原料の消費量に
見合う量を装入して各充填層の層高レベルを一定に制御
する。
石を上部炉室1Aに装入して、二次羽口4を含む所定の層
高レベルまで鉄スクラップと鉱石の充填層6を形成させ
る。操業開始後は、コークスおよび鉄源原料の消費量に
見合う量を装入して各充填層の層高レベルを一定に制御
する。
【0036】 一次羽口3から支燃性ガスと必要に応
じて燃料を吹込み、二次羽口4から支燃性ガスと必要に
応じて粉鉱石を吹込み、溶銑生産量に応じて支燃性ガス
流量を制御して鉄スクラップと鉱石を溶融還元して溶銑
を製造する。
じて燃料を吹込み、二次羽口4から支燃性ガスと必要に
応じて粉鉱石を吹込み、溶銑生産量に応じて支燃性ガス
流量を制御して鉄スクラップと鉱石を溶融還元して溶銑
を製造する。
【0037】 生成した溶銑およびスラグ10を出銑口
11から炉外へ排出する。
11から炉外へ排出する。
【0038】上記の操作を行えば、下部炉室1Bのコーク
ス充填層5内において、一次羽口3から吹込む支燃性ガ
スによりコークスと燃料が前記(1) 式の反応で部分的に
酸化燃焼してCOを主成分とするガスを生成し、その燃焼
発熱によりコークス充填層5が高温に保持される。そし
て、セラミック充填層7を加熱して上部炉室1Aに上昇し
てきたCOを主成分とするガスは、鉄スクラップと鉱石の
充填層6内で二次羽口4から吹込む支燃性ガスにより前
記 (2)式の二次燃焼を起こす。
ス充填層5内において、一次羽口3から吹込む支燃性ガ
スによりコークスと燃料が前記(1) 式の反応で部分的に
酸化燃焼してCOを主成分とするガスを生成し、その燃焼
発熱によりコークス充填層5が高温に保持される。そし
て、セラミック充填層7を加熱して上部炉室1Aに上昇し
てきたCOを主成分とするガスは、鉄スクラップと鉱石の
充填層6内で二次羽口4から吹込む支燃性ガスにより前
記 (2)式の二次燃焼を起こす。
【0039】上記の反応による二次燃焼の発熱によって
鉄スクラップと鉱石が加熱溶融され、生成した溶鉄と溶
融鉱石はセラミック充填層7および水冷ロストル8の間
隙を通過して液滴9となり、下部炉室1Bのコークス充填
層5に滴下する。このときコークス充填層5は前記 (1)
式の部分酸化燃焼熱によって高温に加熱されているた
め、滴下してきた溶融鉱石中の酸化鉄は前記 (3)式の反
応によって速やかに還元され溶鉄を生成する。さらに生
成した溶鉄は高温のコークスで浸炭され溶銑となる。生
成した溶銑とスラグは、前記の操作により炉外に排出
される。
鉄スクラップと鉱石が加熱溶融され、生成した溶鉄と溶
融鉱石はセラミック充填層7および水冷ロストル8の間
隙を通過して液滴9となり、下部炉室1Bのコークス充填
層5に滴下する。このときコークス充填層5は前記 (1)
式の部分酸化燃焼熱によって高温に加熱されているた
め、滴下してきた溶融鉱石中の酸化鉄は前記 (3)式の反
応によって速やかに還元され溶鉄を生成する。さらに生
成した溶鉄は高温のコークスで浸炭され溶銑となる。生
成した溶銑とスラグは、前記の操作により炉外に排出
される。
【0040】以上に述べた〜の操作は繰返し連続し
て行われる。
て行われる。
【0041】本発明方法において水冷ロストル8上にセ
ラミック充填層7を形成させるのは、下部炉室1Bの強還
元性雰囲気と上部炉室1Aの酸化性雰囲気とを分離し、上
部の加熱・溶融帯と下部の高温還元帯の区分を明確にす
るためである。また水冷ロストルの耐久性を向上させ、
生鉱下りやロストル上への半溶融状態の鉄や鉱石の付着
を防止し、下部炉室1Bから上昇してくるガスを整流化し
熱交換の効率を上げるためである。
ラミック充填層7を形成させるのは、下部炉室1Bの強還
元性雰囲気と上部炉室1Aの酸化性雰囲気とを分離し、上
部の加熱・溶融帯と下部の高温還元帯の区分を明確にす
るためである。また水冷ロストルの耐久性を向上させ、
生鉱下りやロストル上への半溶融状態の鉄や鉱石の付着
を防止し、下部炉室1Bから上昇してくるガスを整流化し
熱交換の効率を上げるためである。
【0042】本発明方法では、コークスは下部炉室装入
口2Bから装入されるため、上部炉室1Aの鉄スクラップと
鉱石の充填層上にコークスは存在せず、前記 (4)式の反
応が起きることはない。したがってコークスの無駄な消
費を防止することができ、鉄スクラップ、鉱石の加熱・
溶融が阻害される恐れもまったくない。また、上部炉室
空間は、スクラップと鉄鉱石だけが装入されるので鉄ス
クラップと鉱石の充填層形成に最大限に活用できる。
口2Bから装入されるため、上部炉室1Aの鉄スクラップと
鉱石の充填層上にコークスは存在せず、前記 (4)式の反
応が起きることはない。したがってコークスの無駄な消
費を防止することができ、鉄スクラップ、鉱石の加熱・
溶融が阻害される恐れもまったくない。また、上部炉室
空間は、スクラップと鉄鉱石だけが装入されるので鉄ス
クラップと鉱石の充填層形成に最大限に活用できる。
【0043】操業中は上部開口2Aからは鉄源を、下部炉
室装入口2Bからはコークスを装入する方式であるため、
炉内充填層高さレベルの制御を別々に行うことができ
る。そして前記 (4)式の反応による羽口からの支燃性ガ
ス吹込を停止させねばならないような事態は生じないの
で、常に支燃性ガスの流量を制御し、それに応じて原料
の装入速度を個別に制御することにより、増、減産の要
請に対応した量の溶銑を製造することができる。
室装入口2Bからはコークスを装入する方式であるため、
炉内充填層高さレベルの制御を別々に行うことができ
る。そして前記 (4)式の反応による羽口からの支燃性ガ
ス吹込を停止させねばならないような事態は生じないの
で、常に支燃性ガスの流量を制御し、それに応じて原料
の装入速度を個別に制御することにより、増、減産の要
請に対応した量の溶銑を製造することができる。
【0044】操業中のセラミック充填材の消費速度は後
述するように10kg/溶銑t程度と極めて遅く、炉上から
装入される鉄源とともに上記量を添加することで操業中
所定の高さにセラミック充填層7が維持される。
述するように10kg/溶銑t程度と極めて遅く、炉上から
装入される鉄源とともに上記量を添加することで操業中
所定の高さにセラミック充填層7が維持される。
【0045】下部炉室1Bから装入されるコークスは一度
に多量装入すると炉下部温度が低下するので、連続的に
所定量ずつ装入して、コークス充填層高さを一定に制御
するのがよい。
に多量装入すると炉下部温度が低下するので、連続的に
所定量ずつ装入して、コークス充填層高さを一定に制御
するのがよい。
【0046】一方、コークス比は、一次羽口3から吹込
む燃料を増量して下げることができる。また、操業開始
時に装入したコークス充填層5の上に溶融還元、浸炭で
消費されるコークスだけを継続的に装入し、残りは一次
羽口3から吹込む燃料で代替させることも可能である。
む燃料を増量して下げることができる。また、操業開始
時に装入したコークス充填層5の上に溶融還元、浸炭で
消費されるコークスだけを継続的に装入し、残りは一次
羽口3から吹込む燃料で代替させることも可能である。
【0047】上述のように、本発明方法によれば燃料使
用量の低減、生産量変動に対応する柔軟性の向上および
溶解操作の制御性の改善を達成することができる。
用量の低減、生産量変動に対応する柔軟性の向上および
溶解操作の制御性の改善を達成することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0049】実施例では前記図1に示した基本構造で、
内径 1.5m、炉底から炉口までの高さ4m、内容積 7.1
m3の筒型炉1を使用した。一次羽口3は炉底から 1.0m
の高さ位置の炉側壁に円周方向に90度間隔で4本設置
し、二次羽口4は炉底から 2.5mの炉側壁に90度間隔で
4本設置した。炉底から 2.0mの高さ位置には耐火材8
-1で覆われた8本の鋼管8-2製の水冷ロストル8を互い
に平行に設けてある。また下部炉室装入口2Bは、炉底か
ら 1.8mの高さの炉側壁に90度間隔で一次羽口3の位置
から円周方向に45°の角度をなす位置に4口設けられて
いる。出銑口は炉底近傍側壁に1口設けた。
内径 1.5m、炉底から炉口までの高さ4m、内容積 7.1
m3の筒型炉1を使用した。一次羽口3は炉底から 1.0m
の高さ位置の炉側壁に円周方向に90度間隔で4本設置
し、二次羽口4は炉底から 2.5mの炉側壁に90度間隔で
4本設置した。炉底から 2.0mの高さ位置には耐火材8
-1で覆われた8本の鋼管8-2製の水冷ロストル8を互い
に平行に設けてある。また下部炉室装入口2Bは、炉底か
ら 1.8mの高さの炉側壁に90度間隔で一次羽口3の位置
から円周方向に45°の角度をなす位置に4口設けられて
いる。出銑口は炉底近傍側壁に1口設けた。
【0050】鉄源としては最大寸法 0.4m、かさ密度35
00kg/m3 の鉄スクラップ(鉄純度99重量%)および表1
に示す組成の塊鉱石を使用した。燃料としては表2に示
す組成のコークスと微粉炭を使用した。またセラミック
充填材は炭化珪素系セラミックボール(粒径60mm)を使
用した。
00kg/m3 の鉄スクラップ(鉄純度99重量%)および表1
に示す組成の塊鉱石を使用した。燃料としては表2に示
す組成のコークスと微粉炭を使用した。またセラミック
充填材は炭化珪素系セラミックボール(粒径60mm)を使
用した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】操業の基本条件としては、一次羽口3から
吹込む支燃性ガスとして酸素を使用し、送酸量は1000Nm
3/h とした。同時に微粉炭を800kg/h で吹込んだ。ま
た、二次羽口4から吹込む支燃性ガスとしても酸素を使
用し、流量は600Nm3/hとした。
吹込む支燃性ガスとして酸素を使用し、送酸量は1000Nm
3/h とした。同時に微粉炭を800kg/h で吹込んだ。ま
た、二次羽口4から吹込む支燃性ガスとしても酸素を使
用し、流量は600Nm3/hとした。
【0054】鉄源として鉄スクラップとともに使用する
鉱石の使用比率は、Fe換算で50%に設定した。
鉱石の使用比率は、Fe換算で50%に設定した。
【0055】操業手順としては、まず下部炉室1B内に炉
底から 1.4mの高さまでコークス充填層5を形成させる
とともに水冷ロストル8上にセラミック充填層7を30cm
厚に形成させ、コークス充填層5とセラミック充填層7
を充分に予熱した後、溶銑8トン相当の鉄源をセラミッ
ク充填層7上に装入し所定の送風を開始した。
底から 1.4mの高さまでコークス充填層5を形成させる
とともに水冷ロストル8上にセラミック充填層7を30cm
厚に形成させ、コークス充填層5とセラミック充填層7
を充分に予熱した後、溶銑8トン相当の鉄源をセラミッ
ク充填層7上に装入し所定の送風を開始した。
【0056】鉄源の層高が初期レベルの約1/2 に低下し
た時点で出銑口を開口して出銑を開始するとともに鉄源
を初期レベルまで装入し、以後層高が初期レベルを維持
するように鉄源の装入を行いながら連続出銑を行った。
そして出銑量が安定した時点から8トンごとに溶銑を受
銑する操業を10チャージ行った。
た時点で出銑口を開口して出銑を開始するとともに鉄源
を初期レベルまで装入し、以後層高が初期レベルを維持
するように鉄源の装入を行いながら連続出銑を行った。
そして出銑量が安定した時点から8トンごとに溶銑を受
銑する操業を10チャージ行った。
【0057】コークスは、下部炉室装入口2Bからその消
費速度に見合う量を連続的に装入した。副原料として生
石灰とケイ石を装入した。これは、生成するスラグの流
動性を確保し、かつ、溶銑の脱硫を促進させるための副
原料であり、スラグの塩基度が1.25、アルミナが12.5重
量%になるように配合した。
費速度に見合う量を連続的に装入した。副原料として生
石灰とケイ石を装入した。これは、生成するスラグの流
動性を確保し、かつ、溶銑の脱硫を促進させるための副
原料であり、スラグの塩基度が1.25、アルミナが12.5重
量%になるように配合した。
【0058】比較例として、図2に示した構造の筒型炉
を用い、従来法(A)の方法で操業を行った。炉の基本
寸法および送風条件は実施例1と同じであるが、二次羽
口24の位置は、比較例の操業が適切に行えるように炉底
から 2.0mの位置に設けられている。操業結果は、実施
例1と同様に1チャージ8トンの生産を10チャージ行っ
た平均値である。
を用い、従来法(A)の方法で操業を行った。炉の基本
寸法および送風条件は実施例1と同じであるが、二次羽
口24の位置は、比較例の操業が適切に行えるように炉底
から 2.0mの位置に設けられている。操業結果は、実施
例1と同様に1チャージ8トンの生産を10チャージ行っ
た平均値である。
【0059】実施例と比較例の操業結果を表3にまとめ
て示す。
て示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3に示すとおり、実施例1の燃料消費量
は363kg/溶銑t、生産速度は 7.95t/hであり、比較例の
それぞれ375kg/溶銑t、7.6t/hより向上している。これ
は実施例1では、原料装入、送風の制御性が向上して安
定した連続操業が行われ、比較例に較べて排ガス温度が
低くなるとともにヒートロスが低下すること、および比
較例で発生する前記 (4)式の反応によるコークスの無駄
な消費がないこととに起因する。このように本発明方法
によれば、従来法(A)よりもさらに高い燃料利用効率
が達成され、燃料消費量を下げ、生産性を向上させるこ
とができる。
は363kg/溶銑t、生産速度は 7.95t/hであり、比較例の
それぞれ375kg/溶銑t、7.6t/hより向上している。これ
は実施例1では、原料装入、送風の制御性が向上して安
定した連続操業が行われ、比較例に較べて排ガス温度が
低くなるとともにヒートロスが低下すること、および比
較例で発生する前記 (4)式の反応によるコークスの無駄
な消費がないこととに起因する。このように本発明方法
によれば、従来法(A)よりもさらに高い燃料利用効率
が達成され、燃料消費量を下げ、生産性を向上させるこ
とができる。
【0062】実施例2、3は増産、減産に対応する生産
の柔軟性を調査するために行った。
の柔軟性を調査するために行った。
【0063】実施例2は実施例1よりも生産速度を下げ
る目的で、実施例1の操業後、一次羽口送酸量は 1000N
m3/hから800Nm3/h、微粉炭吹込み量は 800kg/hから640k
g/h 、二次羽口送酸量は 600Nm3/h から 480Nm3/h に変
更して10チャージの操業を行った平均値である。全送酸
量は 1600Nm3/hから 1280Nm3/hに下げたことになる。た
だし、一次羽口吹込微粉炭量と一次羽口送酸量の比(以
後、PC/O2 と記す)は、0.8 と実施例1と同じであり、
かつ二次羽口送酸量と一次羽口送酸量の比(以後、PO2
と記す)も 0.6と実施例1と同じに設定した。
る目的で、実施例1の操業後、一次羽口送酸量は 1000N
m3/hから800Nm3/h、微粉炭吹込み量は 800kg/hから640k
g/h 、二次羽口送酸量は 600Nm3/h から 480Nm3/h に変
更して10チャージの操業を行った平均値である。全送酸
量は 1600Nm3/hから 1280Nm3/hに下げたことになる。た
だし、一次羽口吹込微粉炭量と一次羽口送酸量の比(以
後、PC/O2 と記す)は、0.8 と実施例1と同じであり、
かつ二次羽口送酸量と一次羽口送酸量の比(以後、PO2
と記す)も 0.6と実施例1と同じに設定した。
【0064】実施例3は生産速度を上げる目的で一次羽
口送酸量を 1200Nm3/h、二次羽口送酸量を720Nm3/hに増
加させて実施例2の操業後引き続き行った10チャージの
平均値である。ただし、PC/O2 、PO2は実施例2と同様
に実施例1に合わせている。
口送酸量を 1200Nm3/h、二次羽口送酸量を720Nm3/hに増
加させて実施例2の操業後引き続き行った10チャージの
平均値である。ただし、PC/O2 、PO2は実施例2と同様
に実施例1に合わせている。
【0065】実施例2、3からわかるように、実施例1
と同様の燃料利用効率で生産速度を調整することができ
溶解操作の制御性が高まっている。
と同様の燃料利用効率で生産速度を調整することができ
溶解操作の制御性が高まっている。
【0066】なお、セラミック充填材は、溶銑1トン当
たり11kg〜12kg、即ち、高々 1.1〜1.2 %ときわめて遅
い速度で消耗することがわかり、セラミック充填材の耐
久性も確認された。
たり11kg〜12kg、即ち、高々 1.1〜1.2 %ときわめて遅
い速度で消耗することがわかり、セラミック充填材の耐
久性も確認された。
【0067】
【発明の効果】本発明の筒型炉は上下に区分されたそれ
ぞれの炉室に原燃料を装入することが可能で、しかもそ
れぞれの炉室に支燃性ガス等を吹き込むことができるも
のである。この炉は様々な冶金反応炉として応用できる
が、特に本発明の溶銑製造方法の実施に用いるのに好適
であることは前述のとおりである。その方法によれば、
鉄スクラップと鉱石を鉄源として、燃料利用効率が高く
生産量の調整が容易な操業を行うことができる。
ぞれの炉室に原燃料を装入することが可能で、しかもそ
れぞれの炉室に支燃性ガス等を吹き込むことができるも
のである。この炉は様々な冶金反応炉として応用できる
が、特に本発明の溶銑製造方法の実施に用いるのに好適
であることは前述のとおりである。その方法によれば、
鉄スクラップと鉱石を鉄源として、燃料利用効率が高く
生産量の調整が容易な操業を行うことができる。
【図1】本発明の筒型炉と溶銑製造方法を説明するため
の図で、 (a)は原料等を装入した状態の筒型炉の縦断面
図、(b) はそのA−A線水平断面図である。
の図で、 (a)は原料等を装入した状態の筒型炉の縦断面
図、(b) はそのA−A線水平断面図である。
【図2】筒型炉を用いてスクラップと鉄鉱石から溶銑を
製造する従来法を説明するための装置および原料等の装
入状態を示す図である。
製造する従来法を説明するための装置および原料等の装
入状態を示す図である。
【図3】燃焼ガスで金属を溶解する従来の装置の1例を
示す図である。
示す図である。
1: 筒型炉、 1A:上部炉室、 1B:下部炉室、
2A:上部開口、2B:下部炉室装入口、3: 一次羽口、
4: 二次羽口、5: コークス充填層、6: 鉄スクラッ
プ,鉱石充填層、 7: セラミック充填層、8: 水冷ロ
ストル、 9: 液滴、 10:溶銑,スラグ、 11:出銑
口
2A:上部開口、2B:下部炉室装入口、3: 一次羽口、
4: 二次羽口、5: コークス充填層、6: 鉄スクラッ
プ,鉱石充填層、 7: セラミック充填層、8: 水冷ロ
ストル、 9: 液滴、 10:溶銑,スラグ、 11:出銑
口
Claims (2)
- 【請求項1】上部に開口を、下部側壁に一次羽口を、そ
の上部側壁に二次羽口を、炉底および/または炉底近傍
下部側壁に溶銑および/または溶滓の排出口を有し、更
に、上記一次羽口と二次羽口との中間高さレベルにあっ
て炉内部を上部炉室と下部炉室とに分割する水冷ロスト
ル、およびこの水冷ロストル直下に開口した下部炉室装
入口を有する筒型炉。 - 【請求項2】請求項1に記載の筒型炉を用いて溶銑を製
造する方法であって、下部炉室装入口からの装入によっ
て下部炉室に炉底から一次羽口を含むレベルまでコーク
スの充填層を形成させ、上部開口からの装入によって上
部炉室の水冷ロストル上にセラミック充填材の充填層
を、その上層として二次羽口を含むレベルまで鉄源原料
の充填層を形成させ、一次羽口からは支燃性ガスまたは
支燃性ガスと燃料を、二次羽口からは支燃性ガスまたは
支燃性ガスと粉鉱石を吹き込むことを特徴とする溶銑の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25924492A JP2661478B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25924492A JP2661478B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06108132A true JPH06108132A (ja) | 1994-04-19 |
JP2661478B2 JP2661478B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=17331414
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25924492A Expired - Lifetime JP2661478B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 筒型炉およびこれを用いる溶銑の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2661478B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009052074A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Jfe Steel Kk | 竪型スクラップ溶解炉を用いた溶銑製造方法 |
WO2011078429A1 (ko) * | 2009-12-24 | 2011-06-30 | Son Ikbu | 함철부산물을 이용한 용융환원철의 제조방법 및 장치 |
CN102889780A (zh) * | 2012-10-16 | 2013-01-23 | 张耀文 | 无焦冲天炉水冷炉栅 |
CN104534861A (zh) * | 2015-01-13 | 2015-04-22 | 李明弟 | 一种燃气冲天炉用整体式蜂窝状耐火炉床 |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP25924492A patent/JP2661478B2/ja not_active Expired - Lifetime
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