JP4047422B2 - 竪型炉の操業方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄を含有するダストおよび/または鉄屑類および/または還元鉄(還元鉄粉を含む)等を鉄源とし、固体燃料の性状によらず、熱効率よく、低燃料比で銑鉄を連続的に溶製可能とする竪型炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
未還元鉱石から銑鉄を製造する方法としては、これまでに種々開発されてきたが、今日でも高炉法がその主流となっている。この高炉法では、炉頂から装入された原料は降下していく間に、下から上に向かって流れる高温ガスによって十分に予熱されるとともに、酸化鉄は一酸化炭素(CO)により、60%以上の比率で間接還元される。高炉法では、このような間接還元率を確保するために、羽口前にレースウエイ空間を設け、ここで、ηCO(=CO2 /(CO+CO2 ))=0の還元ガスを製造するようにしている。また、上記の高温ガスとなる燃焼ガスの温度を高めるために、送風温度は1000℃以上としている。
【0003】
しかしながら、鉄を含有するダストおよび/または鉄屑等の鉄源を主原料とする溶解炉では、羽口部で還元ガスを製造する必要性が薄れ、したがって、羽口前でのコークスの燃焼は、原燃料の昇熱あるいは溶解のための熱源を確保する手段として活用することが効率的とされている。
例えば、鉄屑、鋳物屑、銑鉄等の鉄源を溶解することが主目的で、還元機能を必要としないキュポラ法では、通常、原燃料を混合して装入し、ηCO=40〜50%の条件下で、鉄源の溶解を実施している。このようなガス組成とするために、キュポラ法では、粒度100〜150mmの鋳物用大径コークスを使用しており、これによって、コークス燃焼後のソルーションロス反応を抑制している。しかし、鋳物用大径コークスは高価なことから、燃料コストの削減のため、小粒度のコークスを使用することが有効と考えられる。ところがこの場合には、吸熱反応であるソルーションロス反応速度が大きくなり、コークスの燃焼効率ηCOが低下する結果、溶融熱量が低下して安定した操業は困難になる。
一方、自己還元性鉱塊、鉄屑を主原料として、溶解まで行う還元機能を必要とする竪型炉の操業例は少ない。このような竪型炉では、高炉とは異なって、レースウエイを設けることはせず、送風温度を600℃以下と低くして操業を行っている。
【0004】
Gokselら(Transactions of the American Foundrymen's Society Vol 85 AFS Des Plaines. III. (1977). p.327-332)によれば、送風温度を450℃とした熱風キュポラで、含Cペレットを5重量%用いて行った試験の報告はあるが、常温送風キュポラあるいは含炭ペレットの多量配合時の操業についての従来例は見当たらない。
【0005】
特表平1−501401号公報には、2次羽口を有する高炉と、高炉の直径より大きな直径を備え、かつ1次羽口が存在する炉床とからなる溶銑製造装置が開示されている。この炉では、炉頂部から鉄源のみを装入し、燃料は高炉と炉床の結合部に存在する燃料ベッド上に直接添加する構造となっている。したがって、高炉内部は燃料の存在しない鉱石層となっていることから、固体燃料によるソルーションロス反応は進行せず、排ガス組成はCO2 /(CO+CO2 )の値が高い、効率の良い操業が期待できる。この炉においては、主原料となる自己還元性鉄塊が、炉床部において、コークスベッド内のコークスと接触反応し、吸熱反応である溶融還元を生じる。しかし、2次羽口部では、下記(2)式のような発熱反応を生じるため、この熱が鉱石の予熱、加熱、あるいは溶解に向けられて溶銑が得られると考えられている。
CO+1/2 O2 → CO2 +67590kcal /kmolt ・CO ・・・ (2)
しかしながら、この場合には、高炉炉頂部から燃料は装入せずに鉱石のみを装入するため、長時間にわたって連続操業を行う場合、操業時間の経過とともに、コークスベッド内のコークスが溶銑に対する浸炭に消費されるようになり、好ましくない。また、Fe−C−O平衡状態図から明らかなように、ηCO≧30%の酸化度の高いガス組成で、かつ温度1000℃以上の環境下では、Cを内装する自己還元性鉱塊であっても、FeOからFeへのガス還元は進行し難く、そのため炉下部において溶融還元が不可避となり、コークスベッド内のコークス消費の量増大、炉熱の低下、あるいは融液量増大による通気不良を招来する可能性がある。さらに、鉱石は、高温帯で溶着・溶融する際に炉壁と接触して付着物となり、棚吊りの原因となる。
【0006】
これらの問題に加え、炉の形状が複雑となるため、スケールアップの際には、炉体冷却の面で問題があり、大型化は難しいと考えられる。
一方、高炉と炉床の結合部から燃料を添加する際の添加位置と1次羽口との相互関係については、前記特表平1−501401号公報に、具体的に明記されていない。しかし、同公報の図2から判断すると、隣り合う燃料添加位置の中間に1次羽口が設置されている。
炉床平均径D≧1.00mの炉においては、このように隣り合う燃料添加位置の中間に1次羽口が存在する場合、1次羽口部で燃焼したコークスの補充は、直上にある装入物で行われる。したがって、この場合には、炉上方から降下してきた鉱石が燃焼したコークスと置き代わる状況にあり、添加した燃料がスムーズに降下するとは考えられず、操業不能に陥る可能性が大きい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
鉄源に対する従来の溶解炉操業では、高価な大径コークスの使用を余儀なくされてきた。それに対して、特表平1−501401号公報では、複雑な炉体構造を有する溶解炉を案出し、小粒コークスの使用、並びに自己還元性鉱塊の多量使用下で、高い燃焼効率ηCOによる操業を目指し、燃料比低減を指向した技術を考案した。しかしながら、炉内で棚吊りが発生しやすいという問題や、炉内下部のコークスベッドの消耗の問題など、長期安定操業に支障となる問題が残されている。また、スケールアップにおける設備的な問題もある。
このように、自己還元性鉱塊や鉄屑等を溶解する従来の技術では、小粒固体燃料の多量使用を前提とした場合、低燃料比を指向する長期安定操業は困難と考えられてきた。
また、5mm以下の細粒の還元鉄粉は比較的安価に輸入でき、鉄屑等よりも安いにもかかわらず、製銑原料としては有効利用されていなかった。
本発明の目的は、上記課題に鑑みて、鋳物コークスよりも小粒度の固体燃料を使用する場合でも、固体燃料の燃焼効率ηCOを低下させることなく、また棚吊りを回避して、効率の良い操業を可能とし、さらに5mm以下の還元鉄を利用して溶銑品質を向上させることができる竪型炉の操業方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明に係る竪型炉の操業方法は、ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、金属化率の低い還元鉄塊および還元鉄粉の還元が必要な金属化率が低い鉄源と、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑、金属化率の高い還元鉄塊のうち少なくとも一種を含む溶解のみが必要な金属化率が高い鉄源と、固体燃料を竪型炉に装入し、竪型炉の壁面に設けた羽口から常温または600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解する操業方法において、前記金属化率が高い鉄源を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉中心部に装入するとともに、金属化率が低い鉄源および5mm以下の細粒の還元鉄粉を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉周辺部に装入し、かつ前記5mm以下の細粒の還元鉄粉を全鉄粉に対して最大で60重量%混合装入し、前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから、該鉄源の平均金属化率及び鉄源中の含C量と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるη CO 範囲との関係に基づいて最適η CO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、コークスベッドの高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節することによって、前記範囲に竪型炉の排ガスη CO を制御するものである。
または、ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、金属化率の低い還元鉄塊および還元鉄粉の還元が必要な金属化率が低い鉄源と、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑、金属化率の高い還元鉄塊のうち少なくとも一種を含む溶解のみが必要な金属化率が高い鉄源と、固体燃料を竪型炉に装入し、竪型炉の壁面に設けた羽口から常温または600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解する操業方法において、前記ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、還元鉄塊、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑の還元または溶解が必要な鉄源のうち少なくとも一種を含む粒度の大きな鉄源を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して炉中心部に装入するとともに、5mm以下の細粒の還元鉄粉を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉周辺部に装入し、かつ前記5mm以下の細粒の還元鉄粉を全鉄粉に対して最大で60重量%混合装入し、前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから、該鉄源の平均金属化率及び鉄源中の含C量と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるη CO 範囲との関係に基づいて最適η CO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、コークスベッドの高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節することによって、前記範囲に竪型炉の排ガスη CO を制御するものである。
【0010】
また、好ましくは、前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから下記(1)式に基づいて鉄源の還元・溶解が支障なく行える最適η CO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節するものである。
1.5×C%≦ηCO−0.7×(平均M.Fe/T.Fe )≦3.0×C%・・・(1)
但し、C : 鉄源中に含まれるC%であって、0%≦C%≦20%
ηCO : ガス利用率(%)(平均M.Fe/T.Fe) : 平均金属化率(%)
金属化率 : 鉄源中の金属鉄(M.Fe)/鉄源中のトータル鉄(T.Fe)
平均金属化率 : 数種の鉄源を加重平均した金属化率
【0013】
本発明は、鋳物コークスよりも小粒度の固体燃料を使用する場合でも、連続操業が可能で、しかも燃焼効率ηCOを向上させることができ、また棚吊りを回避して、効率の良い操業を可能とする。さらに、安価な小粒固体燃料を使用するだけでなく、比較的安価に輸入でき、鉄屑等よりも安い5mm以下の細粒の還元鉄を鉄源として積極的に使用しているので、生産性が高く、燃料比の低い操業が可能であり、経済的に溶銑品質を向上させることができるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明に用いる装置および操業方法について説明する。
本発明に用いる反応装置を図1(a)〜(c)に示す。なお、図1(b)と図1(c)は、図1(a)の上部装入装置を示したものである。
本発明に用いる反応装置は、図1(a)〜(c)に示すように、装入装置としてバケット1、ベル2、可動アーマー3および装入ガイド4を有し、炉体5には、上部に排ガス管6、下部に羽口7が設けられている。装入物は、中心部9と周辺部8に区分けされて装入可能である。なお、コークスベッド10は、炉体下部に高さ調整して形成される。
また、反応装置は高さ方向に2段以上の羽口7を形成し、炉頂部には半径方向に区分け装入が可能な装入装置を有する(図1(b)、(c))。送風条件は常温送風または600℃以下の熱風送風で、酸素富化を考慮し、羽口径については、羽口先でレースウエイを作らないように羽口径を設定する。また、2次羽口は、装入原料によって炉内突き出し位置を変更する。
【0015】
原料は、鉄屑、銑鉄(型銑)、鋳物屑(戻り屑)、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、金属化率の高い還元鉄(還元鉄粉を含む)のような溶解のみが必要な鉄源と、ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊(含C塊成鉱)、酸化した還元鉄塊・粉等のような還元が必要な金属化率の低い鉄源を主体とし、燃料は、コークスや無煙炭等の固体燃料を主体とする。
装入方法は、コークスベッド層を形成するためにコークスを装入した後、原燃料を完全混合または層状装入する通常の装入方法と、原燃料を半径方向で区分け装入する新装入方法を採用した。
【0016】
図2(a)は、中心部を鉄屑類のみとし、周辺部をコークス+ダスト類(還元鉄粉を含む)とし、コークスベッド10の高さは中心部で13a、周辺部で14aとした装入を示す。図2(b)は、中心部をコークス、鉄屑、ダストとし、周辺部をコークス+ダスト類(還元鉄粉を含む)とし、コークスベッド10の高さは中心部で13b、周辺部で14bとした装入を示す。これらの図で、1次羽口および2次羽口から酸素等のガスが供給され、炉内ガス流を形成して還元・溶解する。図2(c)は、図2(a)における炉内ガス利用率ηCO及び酸素濃度変化と1次羽口からの距離との関係を、中心部と周辺部について示したものである。
【0017】
新装入方法は、反応効率の良い操業を狙う方法と、細粒鉄源の多量使用を狙う方法に大別される。前者については、図2(a)(b)に示すように、装入原料の各金属化率を加重平均した平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )で場合分けし、平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )の高い原料を中心側に、平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )の低い原料を細粒コークスと混合して周辺側に装入することで、反応効率の高い操業を指向する。後者については、図2(a)(b)において、周辺部に細粒鉄源(5mm以下の細粒の還元鉄粉)と細粒固体燃料を混合装入し、中心部に粒度の大きな鉄源を装入することにより、ガス流れを安定させた条件で、細粒鉄源の多量使用を指向する。
【0018】
反応炉の操業は、コークスベッド高さ、ストックレベル位置の調節と原燃料品種に応じた装入区分け法、2次羽口突き出し位置等で制御する。コークスベッドの最適高さは、鉄源の溶解が主か、鉄源の還元が主かによって異なり、目標ηCOに対応する位置にコークスベッド上端位置を設定する。なお、コークスベッド内では、コークスの燃焼反応と、燃焼後のソルーションロス反応が進行するが、両反応の反応速度を、固体燃料粒度、ガス流速、送風温度により調整する。
また、ストックレベル位置については、原燃料の昇温速度と関係し、特に、固体燃料のソルーションロス反応速度に影響するため、反応効率を低下させないための制御手段として使用する。半径方向の区分け装入方法については、金属化率の高い部分と金属化率の低い部分を区分けして、前者については溶解重視の操業を指向し、2次燃焼率ηCOの上限を狙い、後者については還元重視で、原料の平均金属化率や含C量に応じて、還元に必要な2次燃料率を制御することにより、全体として最も効率の良い操業を指向することができる。金属化率の高い溶解重視部分は、2次羽口を有効利用し、2次送風により2次燃焼率の上限を狙う。半径方向区分け装入で、溶解重視部分を中心側に設定する場合、2次羽口の突き出し位置は、炉の中心と周辺の境界位置に設定すると最も効果がある。
【0019】
つぎに、2次燃料率ηCOを制御する方法を説明する。本発明のηCO制御法の一例は下記の通りである。
本発明の炉内ηCOの制御フローの概要について説明する。本発明の制御は次の▲1▼〜▲5▼のようにまとめられる。
【0020】
▲1▼竪型炉への装入鉄源の成分および配合量(使用量)から、平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )を求める。
より効率の良い操業を指向する場合に、半径方向区分け装入を実施するが、この装入法を適用する場合、中心部、周辺部に装入する鉄源に対し、それぞれ平均金属化率を求める。
【0021】
▲2▼この装入鉄源の平均金属化率(平均M.Fe/T.Fe )と、鉄源中の含C量とから下記(1)式(図3参照)をもとに、操業に適したηCOレベル範囲を特定する。半径方向区分け装入法を適用する場合、中心部、周辺部それぞれに適正ηCOを特定する。
1.5×C%≦ηCO−0.7×(平均M.Fe/T.Fe )≦3.0×C%・・・(1)
但し、
C : 鉄源中に含まれるC%であって、0%≦C%≦20%
ηCO : ガス利用率(%)
(平均M.Fe/T.Fe) : 平均金属化率(%)
金属化率 : 鉄源中の金属鉄(M.Fe)/鉄源中のトータル鉄(T.Fe)
平均金属化率 : 数種の鉄源を加重平均した金属化率
【0022】
▲3▼溶解炉の操業条件(出銑量の目安)により、炉内平均ガス流速(Nm/s)が決まるため、使用する固体燃料粒度により、図4のデータから1次羽口からのコークスベッド高さを設定する。
【0023】
▲4▼ストックレベルについては、下記(3)式(図5参照)をもとに、目標ηCOに対応したストックレベル(1次羽口からの装入面高さ)H(m)を特定し、設定する。
(3)式は、最小自乗法による近似線で、鉄源種類、金属化率によって、多少異なると思われるが、目標ηCOをもとに、ストックレベルH(m)を設定する。
H=−0.02775ηCO+4.775 ・・・(3)
半径区分け装入法を採用する場合、中心部、周辺部にそれぞれ別々に、ストックレベルを設定するのが好ましい。
【0024】
▲5▼燃料比については、炉の特性である炉体放散熱(kcal/h)と、目標出銑量(t/d)ならびに鉄源種類、品質等を含む操業条件に加え、上記に示す目標ηCOが決まれば、熱・物質バランスから燃料比(kg/t)レベルが求まることから、最終的には、2次送風量の微調整、ストックレベルの微調整を実施して、目標ηCOレベルを維持するようにして操業する。
半径区分け装入法を採用する場合、中心部、周辺部それぞれ別々に、燃料比を設定して装入する。
【0025】
以下に、本発明についてさらに詳述する。
前記鉄源を還元・溶解する際に、鉄源に含まれる鉄の平均金属化率(M.Fe/T.Fe )に応じて、炉内ηCOを調節制御する必要がある理由を説明する。
鉄屑、銑鉄、鋳物屑、HBI、DRI、還元鉄のように金属化率が、例えば90%以上と高い鉄源を溶解する操業では、還元機能を必要としないため、ηCOの高い条件が低燃料比操業を指向する上で好ましく、ηCO>80%の操業が目標となる。
一方、ダスト塊成鉱や自己還元性鉱塊あるいは一部酸化した還元鉄、還元鉄粉等、金属化率の低い鉄源を還元・溶解するケースでは、固気反応で還元を進行させて、固体鉄を多く製造して、その後溶解させるのが操業の安定性、溶銑品質面において好ましく、そのためには、純粋ウスタイト(FeO)を鉄に還元するための熱力学的(平衡論的)条件として、例えば1000℃以上の温度領域では、ηCO<約30%のガス条件が必要である。
この条件が必要な鉄源は、金属化率0%のウスタイト(FeO)や、高炉装入物である焼結鉱、ペレット、塊鉱石等である。
【0026】
一方、Cを内装した塊成鉱、例えば本発明で使用するCを内装する自己還元性鉱塊やCを含むダスト塊成鉱等では、塊成鉱外部のガス雰囲気はηCO>約30%で、平衡論的にはFeOから鉄への還元が進まない条件でも、塊成鉱内部に存在するCの存在によって、塊成鉱内部においてηCO<約30%の条件が形成され、還元鉄への還元が進行することが確認されている。
例えば、C=12%を内装する自己還元性鉱塊を50%配合し、鉄屑を50%配合した操業では、炉頂ηCO=50%程度のガス条件でも、操業は良好に推移しており、炉内では適度に還元が進行していることを示唆する。
このように、鉄源の還元プロセスが重視される金属化率の低いダスト類の多量使用条件では、高ηCOは望めないが、鉄源の溶解がメインである鉄屑類の溶解操業や、金属化率の高い鉄源の多量使用操業、あるいは金属化率の低いダストの少量使用条件では、高ηCO操業が指向できる。
つまり、鉄源の種類、M.Fe/T.Fe の割合に応じて、還元反応に支障のない範囲で、ηCOレベルを管理し、制御することが望ましい。
【0027】
つぎに、ηCOを制御する方法について述べる。
ηCOを制御する方法として、本発明では、▲1▼装入物の装入高さ位置(ストックレベル)の制御、▲2▼コークスベッド高さ等の制御、▲3▼多段羽口の使用、▲4▼装入物の半径方向区分け装入法を提案した。以下に核技術に関し、順を追って説明する。
まず最初に、鉄源と固体燃料からなる装入物の縦型炉内の装入高さ(ストックレベル)を変更することが、ηCO制御に有効なことを説明する。
ストックレベルについては、例えば、大径の鋳物用コークスを使用し、鉄屑、鋳物屑を溶解処理するキュポラ操業では、通常、下段羽口からストックレベルまでの高さ(H)/炉径(D)=4〜5に設定されているが、高炉用コークスなどの細粒コークスを使用し、かつダスト還元などの還元機能を必要とする竪型炉に関しては、ストックレベルに関する検討結果が見当たらない。そこで、鉄屑多量使用条件下で、ストックレベル変更試験を実施し、排ガスηCOとの関係を図5に整理した。
【0028】
炉床径D=1.4mの竪型炉を用いた試験結果によると、H/D=2.0と小さく設定することで、排ガスηCO>70%と高く維持できること、ストックレベルを上昇することで、排ガスηCOを低下させることが可能なことが判明した。
これは、ストックレベルを高くすると、ガスから原燃料への伝熱が良好となり、固体燃料の予熱、昇温がより上部から進行する結果、下記(4)式のソルーションロス反応領域が炉上部に拡がるためで、この結果、Cの消費量が多くなり、ηCOが低下することを示唆している。
C+CO2 =2CO ・・・(4)
このように、ストックレベルの変更は、炉内の原燃料の昇温速度を制御する役割があり、排ガスηCOの制御手段となる。
【0029】
つぎに、竪型炉内下部のコークスベッド高さを変更すること、さらには、送風量、羽口径、羽口突き出し位置の変更が、ηCO制御に有効なことを説明する。
図4は、コークス粒度および送風量(ガス流速)を変化させて、羽口からのコークスベッド高さと、その部位のηCOの推移を調査したオフラインシミュレータによる実験結果である。図4によると、羽口から送風された空気中の酸素並びに富化酸素は、下記(5)式の反応で、コークスと燃焼してCO2 を生成し、O2 が消失した部位で完全燃焼に至る。この部位が、最もガス温度が高く、これより上部では、吸熱反応である(4)式のソルーション反応が進行して、ηCOが低下し、ガス温度も低下する。
C+O2 →CO2 ・・・(5)
コークス粒度が小さくなると、(5)式の燃焼速度が速くなるため、最高ガス温度(O2 =0%でηCO=100%)の部位は、羽口に近くなる。また、送風量を増量し、ガス流速を上げた場合、羽口から吹き込まれた酸素の炉内流速が上昇し、羽口近傍のCとの接触時間が短くなるため、(5)式の燃焼反応は炉上部に拡がる。そのため、同じコークス粒度で、流速を上げると、図4に見られるように、炉内におけるηCOは流速の低い場合に比べて、全体的に高くなる。1次羽口を炉内に突き出すこと、あるいは羽口径を絞り、羽口風速を上げることは、送風酸素とCとの接触時間を短縮することに相当し、炉内流速を上げるのと同様の効果がある。このように、竪型炉内下部のコークスベッド高さを変更すること、さらには、送風量、羽口径、羽口突き出し位置を変更することは、炉内ηCO制御に有効な手段となる。
【0030】
つぎに、装入物の半径方向区分け装入方法が、小粒の固体燃料使用時にも、竪型炉の燃焼効率を低下させず、ηCO制御に有効な手段となること、竪型炉のシャフト部壁面に、炉高さ方向に複数からなる多段羽口を設置することが、ηCO制御により有効となることを説明する。
1次羽口では、(5)式で表示される反応によって固体燃料が燃焼し、その後に(4)式で示されるソルーションロス反応により、COガスを生成する。一方、1次羽口より上に位置する2次羽口部では、下方から上昇してくるCOガスを(2)式で示される反応によって燃焼させ、この発熱反応を利用して、鉄源の予熱を行い、高ηCOを実現して、燃料比の低減を図る。実験によると、2次送風量/1次送風量=1/4の条件下で、ηCOは15%以上向上できることを確認しており、多段羽口使用による上段送風は、炉内ηCOを制御する手段となりうる。
【0031】
ただし、2次羽口部でも(4)式で示されるソルーションロス反応は生じており、このソルーションロス反応の比率を少しでも小さくすること、ならびに小粒の固体燃料を使用しても、竪型炉の燃焼効率低下させずに操業できることを狙った手段が、装入物の半径方向区分け装入法である。
この装入方法は、炉中心側と炉周辺側の鉄源と固体燃料の装入量を異なるように装入する方法である。例えば、炉中心部の鉄源/固体燃料の重量比を大きく、つまり固体燃料の割合を少なくし、炉周辺側の鉄源/固体燃料の重量比を小さく、かつ細粒固体燃料を周辺側に多量に装入する方法を例にとると、炉周辺部に通気抵抗の大なる細粒コークスを使用することにより、ガスの中心流化が指向できること、ガス流量の少なくなる炉周辺部は、炉体散水冷却の影響も含め、炉中心部に比べ温度が低下しており、炉周辺部コークスのソルーションロス反応量が抑制できる。また、炉中心部はガス量は多いが、装入コークス量が少ないため、通常の混合装入法あるいは層状装入法に比べ、(4)式のソルーションロス反応量を抑制できる。このように、装入物の半径方向区分け装入方法が、小粒の固体燃料使用時にも、縦型炉の燃焼効率を低下させずに、ηco制御に有効な手段となる。
【0032】
つぎに、半径方向の区分け装入法を採用した鉄源の還元溶解法が、操業の安定性、低燃料比操業に有効で、鉄源の種類、粒度によらず、効率の良い操業が指向できること、また、鉄源、固体燃料の性状に応じて、効率の良い操業を指向するための操業方法について、説明する。
半径方向の区分け装入法については、鉄源の種類によって、適正な装入法がある。
一つは、炉内のηCOを高くして、効率の良い操業を指向する例で、鉄源のM.Fe/T.Fe による分別法であり、一方は鉄源の粒度に応じた分別法である。
【0033】
まず、最初に、鉄源の金属化率(M.Fe/T.Fe)による分別法が、操業安定化に寄与し、効率の良い操業が指向できることを説明する。
還元溶解に使用する鉄源が、数種類に及び、M.Fe/T.Feの大小で分別できる場合、好ましくは、金属化率の高い鉄源、例えば銑鉄(型銑)、鉄屑、鋳物屑、還元鉄、HBI 、DRI等は炉中心部に装入し、金属化率の低い鉄源(ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、一部酸化した還元鉄、ペレット類)を炉周辺部に装入する。これは、炉中心部は溶解機能、炉周辺部は還元機能を持たせる装入方法であり、炉周辺部に金属化率の低い鉄源を装入し、炉中心部に金属化率の高い鉄源を装入する理由は、炉中心部のコークスベッドの高さ制御を容易にすること、中心ガス流を確保すること、低燃料比操業を指向することにある。
【0034】
この操業を指向する場合、2次羽口は、羽口先端が炉壁よりも炉内部に突き出した構造とし、基本的には、2次羽口の先端位置を、炉中心部と炉周辺部の境界に設けるのが理想的である。また、ガス流を中心流とし、炉周辺部に装入する鉄源の還元機能を重視すると、周辺部の固体燃料は細粒が好ましく、中心部の固体燃料は大粒が好ましい。
2次羽口を炉の中心部と周辺部の境界に設定する理由は、2次送風を周辺部に存在する固体燃料の燃焼に使用させないためで、2次送風は(2)式のCOガス燃焼用に作用させるためである。炉中心部は溶解機能を主体とするため、2次送風により、炉中心部のηCO>90%の操業を指向すれば最も効率的であり、炉中心部の固体燃料は最低燃料比である浸炭分程度とすることができる。そのため、急激なコークスベッド高さの変化を抑制できる上、粒径を維持したコークスがコークスベッドとなるため、通気・通液性を確保した低燃料比操業が可能となる。
【0035】
この操業においては、コークスベッド高さにより、適正2次送風量が決まる。コークスベッド高さは、前記したように、コークス粒度や炉内ガス流速等によって異なるが、最適位置にコークスベッド上端をセットした場合(ηCO>90%)には、2次送風は不要となる。コークスベッド上端位置のηCOが90%以下の場合には、2次送風により、ηCO>90%に設定可能であり、炉中心部に関しては理想的な操業が可能となる。
また、炉中心部のコークスに関し、細粒コークスを使用する操業でも、図4に示すように大粒コークス使用時に比べ、コークスベッド高さを低く設定することにより、もしくは、送風量の調節により、ηCOを変化せずに、効率の良い操業を理論的には指向できる。
【0036】
コークスベッド上端位置については、この部位で鉄源が溶解するため、鉄屑類の溶解操業では、コークスベッド高さの最適位置は、最もガス温度が高い部位、すなわち、02 =0%でηCO=100%近傍とすることが望ましい。
2次送風量/1次送風量=1/4で多段送風を行った縦型炉の試験操業において、上段送風によって、ηCOは15%以上向上できており、これを参照すると、ηCO>80%の操業を指向する場合、コークスベッド上端位置ではηCO>65%となるコークスベッド高さに設定すればよい。
一方、平均金属化率の低い鉄源を装入した周辺部位では、コークスベッド上端部より上部位置で、還元を進める必要があり、O2 =0%でηCO=100%の部位を下限位置として、鉄源の種類やM.Fe/T.Fe 等に応じてコークスベッド高さを高く設定して、コークスベッド上端部のηCOを制御する必要がある。
【0037】
コークスベッド高さは、所定の位置に操業開始時点で設定する。操業中は、炉内でのコークス消費量に見合うコークスを炉上部から装入することにより、コークスベッド高さの維持が可能である。
80mmの大径コークスを使用する場合、炉内ガス流速1Nm/Sの操業時において、コークスベッド上端部でηCO>65%を狙う操業を指向する場合、図4より、コークスベッド高さは、下段羽口から60cm〜90cmの位置が適当である。
また、コークスベッド上端部でηCO<30%を狙う操業を指向する場合、80mmの大径コークス使用時には、1次羽口から130cm以上に、30mmの高炉小塊コークスを使用する場合、1次羽口から120cm以上に設定する。
【0038】
つぎに、金属化率の低い鉄源を炉周辺部に装入する場合に固体燃料と混合する装入法が効率的であることを説明する。
ηCOの高い操業を指向できれば、低燃料比の操業が可能となるが、還元機能を必要とする金属化率の低い鉄源をηCO>30%の条件で還元させる実験を実施したところ、コークスと混合しない条件では、鉄源中のウスタイトから鉄への還元反応は進行せず、高温部で操業に悪影響を及ぼす溶融還元を引き起こす。それに対し、金属化率の低い鉄源でも、コークスと混合して装入すると、コークスと混合しない場合に比べ、少なくとも20%以上の還元率改善効果があることが、図6(b)に示すようなオフラインシミュレータの検討結果で明かとなった。
このことは、金属化率の低い鉄源を装入する操業では、固体燃料(コークス)と混合する装入法が、固体燃料(コークス)と混合しない操業に比べると、鉄源の還元性改善に効果があり、その結果、溶融時のスラグ融液量を低減することができ、棚吊り回避にも寄与する。
【0039】
炉周辺部に装入する金属化率の低い鉄源の還元を促進し、溶融前の鉄源の還元率を高くする方法として、鉄を含有するダスト中にCを内装すること、内装C量を多くすることが有効である。内装C量の上限は、強度制約上20%程度である。
図3は、鉄源の平均金属化率と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるηCOレベルを検討した一例であり、鉄を含有するダストに内装するC量によって多少ηCOレベルは異なるが、装入鉄源の金属化率から、操業可能なηCOレベルを判定できる。
固体燃料としては、一般的に、コークスを使用するが、無煙炭のような炭材なども使用できる。
【0040】
つぎに、炉頂から装入する鉄源として、ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、塊還元鉄(HBI 、DRI)、鉄屑、鋳物屑、銑鉄(型銑)、鉱石、ペレットあるいは還元鉄等を装入するケースについて、装入方法の代表例を図7(a)〜(d)に示す。この中で図7(a)と図7(b)は、金属化率の高い鉄源、すなわち銑鉄、鉄屑、塊還元鉄とコークスベッド補給用かつ浸炭用の大粒コークスを炉中心部に装入し、金属化率の低い鉄源(ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、一部酸化した還元鉄、ペレット)を小粒コークスと混合して炉周辺部に装入する装入方法であり、燃焼効率の高い操業を可能とし、低燃料比を指向する上で、最も効率的である。なお、一部酸化した塊還元鉄については、図7(c)にもあるように、炉中心部に装入することも可能である。
また、例えば5mm以下の細粒の還元鉄粉を炉頂から多量に装入する場合には、炉内の反応効率を多少犠牲にしても、出銑比を高める操業を指向し、例えば還元鉄粉と細粒固体燃料を混合して炉周辺部に装入し、炉中心部には、粒度の大きいダスト塊成鉱や自己還元性鉱塊等、金属化率の低い鉄源類の装入も考えられる。この場合、還元に必要な固体燃料比を炉中心部に装入する必要があり、炉内反応効率的には劣るが、安価な細粒鉄源の多量使用を行えるという利点がある。
このように、半径方向の区分け装入法の採用により、鉄源の種類、性状に応じて多機能な操業が可能となった。
【0041】
つぎに、竪型炉の半径方向に装入する原燃料の装入部位に応じて、ストックラインを変更することが有効なことについて説明する。
例えば、還元が必要でない鉄屑、銑鉄、鋳物屑等を炉中心部に装入する場合においては、ηCOは極力高い方が望ましく、ηCO>70%以上を目標とすると、ストックレベルは(1次羽口からの装入高さH)/(炉床径D)<2.0が適当である。また、還元が必要なダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、還元鉄を還元・溶解する場合、ηCOを低下させることが必要で、この場合、例えばηCO=50%を目標とすると、ストックレベルは、H/D=約2.4に設定すればよい。このように、装入する鉄源の種類に応じて、半径方向でストックレベルの適正値が存在する。
半径方向で、ストックレベルを制御する方法としては、専用の装入装置が必要である。
例えば、図1に示す装入装置が挙げられる。これは、炉頂半径方向において、装入物の装入位置を、炉中心部と炉周辺部に区分できるもので、この装置に装入ガイドを設け、装入ガイド内で、各装入物のストックレベルを管理する方法である。
これにより、還元の必要のない鉄源の装入部位では、コークスベッドより上の部位でのコークスのソルーションロス反応を抑制できることになり、より効率の良い操業が可能となる。
【0042】
つぎに、コークスベッド高さを維持するための制御方法について述べる。
コークスベッド高さの制御が難しいのは、これが炉の中心下部にあり、コークス比が適当でなければ、未還元のFeO分が炉下部で溶融還元し、コークスベッドを消費することによって、コークスベッドの異常消耗が引き起こされるためである。特に、炉の中心下部で、このようなコークスの異常消耗が生じると、鉄源の溶解に支障となる上、スラグの固化等により、操業不能に陥る可能性もあり、問題となる。
そこで、前記したように、炉中心部には、主として金属化率の高い鉄源、すなわち型銑、鉄屑、鋳物屑類を装入することにより、炉中心部で溶融還元の生じ難い操業とし、炉中心部のコークスベッドの異常消耗を抑制する。
また、コークスのソルーションロス反応を極力抑制するために、炉中心部に装入する固体燃料を、炉周辺部に装入する固体燃料と区別し、大径コークスを使用する。これによって、炉中心部のコークスベッドの異常損耗を抑制でき、さらに、炉下部の燃焼効率ηCOを高めた操業が可能となる。
【0043】
上段羽口の設置位置は、コークス粒度、送風量等の操業諸元によって、適正位置が存在するが、基本的には、2次羽口部でのηCOレベルが、65%<ηCO<90数%程度が目安となる。
また、コークスベッド上端位置は、装入する鉄源の種類によって異なり、還元機能の不必要な鉄源の装入部位については、2次羽口より下の位置に制御して、極力コークス燃焼を抑制するのが好ましい。一方、還元機能が必要な鉄源の装入部位では、コークスベッド上端位置は、2次羽口より上部とすることが好ましい。これは、鉄源のM.Fe/T.Fe の割合により、コークスベッド上端位置でのηCOをコントロールすることが必要なためである。
コークスベッド高さを制御または監視する簡易法として、2次羽口部での肉眼観察、炉内圧損値による判定などがある。2次羽口部での観察は、少なくとも、鉄源の溶融部位が、2次羽口上部か下部のいずれかに存在することを判定できる。また、1次羽口と2次羽口の圧損差を検知することにより、コークスベッド上端位置の確認が可能である。操業例によると、コークスベッド上端部が2次羽口より下にある場合、1次羽口と2次羽口の圧損差が大きく検知される。これは、溶融部位の存在が圧損値を大きくするためである。
また、コークスベッド高さを、精度良く測定する方法としては、炉上部から装入した垂直ゾンデもしくは鉄線類の降下挙動を測定することによって、判定可能である。垂直ゾンデの場合、炉内温度が急に上昇し、1200℃以上となる部位に相当し、鉄線類を用いた場合、降下速度がストップした地点が、コークスベッドの上端部に相当する。
【0044】
つぎに、周辺部に装入する金属化率の低い鉄源を固体燃料と混合して装入すること、また炉周辺部に装入するコークスを小塊コークスとすること、さらには炉半径方向で鉄源/固体燃料の比を変えた装入法を指向することが、棚吊り回避に有効なことを説明する。
一般に、鉄を含有するダストを多量に使用する場合には、炉壁に付着物が生成しやすい。例えば、還元反応が遅くなり、その結果、FeOを多量に含有するスラグが生成し、このスラグが、吸熱反応である溶融還元により冷却されて、炉壁に付着するケース、多量のFeO含有スラグが、炉下部でフラッディング状態となり、このスラグが吹き上げられて炉壁に付着するケース、あるいは、上昇する高温ガスにより未還元のFeOが炉上部で溶融し、隣接する鉄源と結合ないしは融合して、炉壁に付着するケース等がある。いずれのケースも、炉壁近傍で、多量のスラグ融液が発生し、あるいは、隣接する鉄源と結合ないしは融合して液状化し、これが炉壁に付着して付着物となり、棚吊りの原因となる。
【0045】
そこで、この棚吊りを回避するために、炉周辺部の融液生成量を減らし、さらに、隣接する鉄源同士が極力、接触しないようにすることが必要である。
炉周辺部の融液量を減少させるためには、鉄源の還元率を高める必要があり、そのためには、前記したように、炉周辺部に装入する鉄源については固体燃料と混合して装入することが有効である。このときの固体燃料の粒度については、小粒の方が望ましい。これは、同じ重量のコークスを装入するならば、小粒の固体燃料の方が、装入個数が多く、鉄源同士の接触を十分に回避することが可能であるためである。尚、ここでいう小粒の固体燃料としては、例えば、高炉用コークス(粒度60mm以下)、あるいは粒度が30mm程度の高炉用小塊コークスが好ましい。
【0046】
また、炉周辺部に装入する固体燃料重量を炉中心部に装入する固体燃料重量より多くすることも有効である。このためには、鉄源/固体燃料の重量比を、炉中心部と炉周辺部とで分け、炉中心部には金属化率の高い鉄源を装入して、中心部に装入するコークス重量を減らし、極力周辺部に装入するコークス量を増大させる。
炉周辺部に装入する固体変量比率は、ダスト塊成鉱、自己還元性鉱塊、還元鉄等、装入する鉄源の金属化率によって多少異なる。例えば装入鉄源として、Cを12%内装する自己還元性鉱塊75%、還元鉄15%、鉄屑10%を使用したケースでは、還元を必要としない鉄屑を除いた鉄源と固体燃料との比率が、(自己還元性鉱塊+還元鉄)/(固体燃料)≦5の条件において、棚吊りが回避できることを操業によって確認している。
この条件は、(装入鉄源中の金属M.Fe重量)/固体燃料<1.24に相当する。
金属化率の低い鉄源を使用する場合には、炉周辺部に装入する固体燃料をさらに多くする必要がある。逆に、金属化率の高い鉄源を使用する場合には、炉周辺部に装入する固体燃料を低減できる。
【0047】
つぎに、炉周辺部に小粒の固体燃料、還元鉄、自己還元性鉱塊、ダスト塊成鉱等、金属化率の低い鉄源と固体燃料とを装入し、炉中心部に鉄屑、鋳物屑、銑鉄等の金属化率の高い鉄源と固体燃料とを装入するケースにおいて、炉中心部に装入する固体燃料に含まれるCと鉄源に含まれるFeの重量比を、0.01≦C/Fe≦0.05に設定することが有効なことを説明する。
炉中心部に装入する鉄源が、鉄屑、鋳物屑、銑鉄の場合、鉄屑以外はCを含有しているため、基本的には、鉄屑のみ、浸炭に要するC分を補給し、それに加えて、一部コークスベッドの燃焼で消費される分の固体燃料を補充すればよい。炉内での鉄屑に対する浸炭量は、鉄屑の2〜4重量%である。また、炉中心部のコークスベッド消費量は約10kg/t(割合としては0.01程度に相当)との試験結果を得た。
中心部に装入する鉄源として、鉄屑を用いる場合が、最も装入コークス量を多く必要とする。この場合、浸炭として、C/Fe=0.02〜0.04が必要となるため、コークスベッドの消費を加え合わせると、0.03≦C/Fe≦0.05となる。また、中心部に装入する鉄源として、鋳物屑、銑鉄を装入し、鉄屑を装入しない場合が、最も装入コークス量の少ないケースであり、この場合には浸炭に必要なコークスは必要ないため、炉中心部のコークスベッド消費量に相当するC/Fe=0.01の割合で、固体燃料を装入すればよい。したがって、炉中心部に装入する固体燃料に含まれるCと鉄源に含まれるFeの重量比を0.01≦C/Fe≦0.05として、固体燃料と鉄源の装入割合を決めればよい。
【0048】
装入方法については、例えば、ベル式装入装置で、アーマーを使用し、鉄源/固定燃料の重量比を装入チャージ毎に変更するようにして、1チャージ目を炉中心部に、2チャージ目を炉周辺部に装入することにより、所定の装入が可能となることを確認している。また、キュポラなどの溶融炉に多く見られる炉頂解放型の装入装置を使用する場合には、図1(a)〜(c)に示す装入装置により、炉中心部と炉周辺部とを区分けして装入する方法が有効である。
図1(b)および(c)に示す装入装置は、原料を輸送するバケット1と左右可動式アーマーおよび装入ガイド4からなる。原燃料を輸送するバケットは、上下に稼動するベル2により、原燃料の輸送および排出が行える構造としている。バケット1の上部からベル2を吊り上げることにより、原燃料はベル2の上部に固定され、輸送が可能となる。また、バケット1が着地し、ベル2の吊り上げをなくすと、原燃料の自重によりベル2が降下し、原燃料が排出される構造となっている。
左右可動式アーマー3は、左右に開閉することにより、原燃料輸送バケット1の着地地点を変更させ、かつ、原燃料の降下位置を制御するために設計されている。例えば、左右可動式アーマー3が閉じているときには、バケット1は竪型炉の上部に着地し、ベル2の降下に伴って、原燃料が炉の周辺部に落下する。半径方向での区分けを精度良く行う場合、装入ガイド4を設置することが有効である。装入ガイド4の内径は、ベル2と同等または小さくすることが望ましい。
【0049】
また、鉄源の金属化率に関係なく、棚吊りを回避する方法としては、図7(d)にもあるように、多少装入方法が複雑になるが、炉周辺部の装入に際して、炉壁に固体燃料のみを装入し、その内側に鉄源と固体燃料とを混合して装入する方法が挙げられる。
具体的には、1サイクルを3チャージ装入とし、1チャージ目は炉周辺部の炉際に固体燃料のみを装入し、2チャージ目に炉中心部へ装入し、3チャージ目に炉周辺部へ鉄源と固体燃料とを混合して装入することにより、所定の装入が可能となる。
【0050】
本発明でいう炉中心部と炉周辺部の境界位置は、鉄源の金属化率やコークス粒度、さらには、鉄を含有するダストの使用割合によって、多少は炉半径方向で移動する。
この炉中心部と炉周辺部の境界位置riは、各部に装入する鉄源と固体燃料の量が決まれば、下記式(6)によって求められる。
ri2 =(Wm(c)/ρm(c)+Wc(c)/ρc(c))/{(Wm(c)/ρm(c)+Wc(c)/ρc(c))+(Wm(p)/ρm(p)+Wc(p)/ρc(p))} ・・・(6)
ただし、
ri : 中心部と炉周辺部との無次元境界半径(−)
Wm(c) : 中心部に装入する鉄源重量(kg/チャージ)
Wc(c) : 中心部に装入する固体燃料重量(kg/チャージ)
Wm(p) : 周辺部に装入する鉄源重量(kg/チャージ)
Wc(p) : 周辺部に装入する固体燃料重量(kg/チャージ)
ρm(c) : 中心部に装入する鉄源の嵩密度(kg/m3 )
ρc(c) : 中心部に装入する固体燃料の嵩密度(kg/m3 )
ρm(p) : 周辺部の装入する鉄源の嵩密度(kg/m3 )
ρc(p) : 周辺部に装入する固体燃料の嵩密度(kg/m3 )
なお、このriは、無次元半径で表されており、炉中心部と炉周辺部の装入物の降下速度を一定とした場合の境界位置を示している。
このriで示される境界位置を調節するための装入方法については、種々考えられるが、ベル式の装入装置を使用する場合でも、アーマーを使用し、装入チャージ毎に中心装入、周辺装入を交互に繰り返して装入することにより、一部混合層が生成するものの、所定の境界設定は可能である。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明の特徴を更に具体的に説明する。
炉床径1.4m、1次羽口数6本、2次羽口数6本、ストックレベルの上限位置が、1次羽口上、5.0mの炉頂解放型で移動層型2段羽口構造の竪型炉を用いた。また、装入装置については、炉半径方向で装入位置の区分けが行える装入装置を使用した。
なお、炉頂排ガス組成は、
ηCO(TOP) =(CO2 (TOP) /(CO(TOP) +CO2 (TOP)))
で定義した。
さらに、操業諸元のうち、送風湿分は大気湿分である15g/Nm3 、炉頂から装入する石灰石原単位は、スラグ塩基度=1.0を目標として設定した。
装入する鉄源は、C(4〜20%)内装の自己還元性鉱塊(大きさが40mm×20mm×30mmで、粒度3mm以下の還元鉄粉に、高炉2次灰及びコークス粉を混合して製造した塊成鉱)、高炉2次灰を主体し、製鉄所内ダストを混合して塊成化したダスト塊成鉱、一般の市中屑であるカーシュレダー屑鉄、粒度5mm以下の細粒の還元鉄粉である。
固体燃料としては、粒度約30mmの高炉用小塊コークスと約最大粒度60mmの高炉用コークスを使用した。
表1および表2に検討状況の詳細を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
実施例1(a)および(b)、比較例1は,重量比で自己還元性鉱塊(T.Fe=59.5%,M.Fe/T.Fe=0.19):ダスト塊成鉱(T.Fe=50.81%,M.Fe/T.Fe=0.057):カーシュレッダー屑鉄(T.Fe=90%,M.Fe/T.Fe=0.99):還元鉄粉(T.Fe=87%,M.Fe/T.Fe=0.80)=50:10:30:10の場合の操業で、装入鉄源の平均金属化率は56%である。実施例1(a)および(b)は、周辺部に自己還元性鉱塊、ダスト塊成鉱、還元鉄粉および小塊コークスを混合装入し、中心部には、カーシュレッダー屑鉄および浸炭用高炉コークスを装入した。
比較例1は、上記鉄源と固体燃料を完全混合して装入したケースであるが、炉内燃焼効率はηCO=20%と低レベルで溶銑温度が低迷し、スラグ排出が困難であるのに対し、半径方向区分け装入法を採用した実施例1(a)および(b)では炉内燃焼効率ηCOは高くなり、溶銑温度も1500℃程度と上昇し、安定した操業が可能となった。実施例1(b)は実施例1(a)に対し、中心装入高炉コークスを一部小塊コークスに置換した操業で、ベッドコークスの高さレベルを、ガス燃焼温度が最高となる付近の位置、すなわち、下段羽口から50cmの位置に変更することにより、より効率の良い操業が可能となった例である。
【0055】
実施例2、比較例2は、ダスト塊成鉱20重量%、カーシュレッダー屑鉄60重量%、還元鉄粉20重量%の還元溶解試験例で、比較例2は原燃料を完全混合して装入したケースであるのに対し、実施例2(a)はストックレベルを調整した例である。また、実施例2(b)〜(d)は周辺部にダスト塊成鉱20重量%、還元鉄粉20重量%と小塊コークスを混合装入し、中心部にカーシュレッダー鉄屑60重量%と浸炭用高炉コークスを装入した例で、実施例2(b)に対し、大塊コークスを小塊コークスに置換する課程において、実施例2(c)は下段羽口を炉内側に約20cm突出し、羽口径を50mmから40mmに変更したケースであり、実施例2(d)は炉内ガス流速を0.8m/sに上昇させるため、増風したケースである。実施例2は比較例2に比べ、小塊コークスの多量使用が可能となり、また効率の良い操業が実施できている。また、ストックレベル、羽口構造変更、炉内ガス流速の適正化が有効で実施例1より効率が良くなっている。
【0056】
実施例3、比較例3は自己還元性鉱塊(C12%):ダスト塊成鉱(C4%):カーシュレッダー屑鉄:還元鉄粉(T.Fe=87%,M.Fe/T.Fe=0.80 )=50:10:30:10の場合の操業で、周辺部に自己還元性鉱塊、ダスト塊成鉱、還元鉄粉および小塊コークスを混合装入し、中心部には、カーシュレッダー屑鉄および浸炭用高炉コークスを装入した。装入鉄源の平均金属化率は56%であり、周辺部に装入した鉄源の金属化率は29.6%に相当する。
比較例3は通常操業状態で適用していたストックレベル、すなわち、1次羽口上4.2mにセットしたケースであるが、実施例3(a)は、式(1)、図3を参考例とし、ηCO=55%を目標として、ストックレベルを3.2mに設定した例であり、実施例3(b)は中心部、周辺部それぞれの金属化率から、式(1)、図3を参考に、ストックレベルを変更した例であり、実施例3(c)はさらに1次送風温度を200℃の熱風とし、酸素富化0%とした例であり、実施例3(d)は1段送風のみとし、送風温度を550℃の熱風とした例であり、実施例3(e)は自己還元性鉱塊として内装C=20%の鉄源を使用し、送風条件を変更した例であり、実施例3(f)は装入鉄源の種類を変更する時に、式(1)、図3によりηCOを変更した例である。比較例3に比べ、実施例3は操業が良好であり、半径方向の鉄源に応じたストックレベルの制御や送風温度の変更などによる効率化等が明らかとなった。
【0057】
実施例4は、鉄屑類を使用せず、細粒の還元鉄粉を多量に使用したケースである。
すなわち実施例4は、鉄源として、C=7%を含有する含Cダスト塊成鉱40重量%と粒度3mm〜5mmの細粒の還元鉄粉を60重量%装入したケースであり、炉内通気性を確保するため、図8(a)に示すように、炉中心部に含Cダスト塊成鉱を、炉周辺部に還元鉄粉をそれぞれ粒度30mmの細粒コークスと混合して装入した。
鉄源として使用した含Cダスト塊成鉱、還元鉄粉の金属化率(M.Fe/T.Fe)は57%であり、目標ηCO=50%での操業となるように、コークスベッド10は1次羽口上1.0mに、ストックレベルを1次羽口上3.0mに設定した。
図8(b)に示すように、実施例4に先立ち、含Cダスト塊成鉱と還元鉄粉を完全に混合し、コークスベッド、ストックレベルを管理せずに操業を行った比較例4では、送風量50Nm3 /mmにおいて炉内圧力が2500mmAqをオーバーする操業となり、操業継続が難しい状況であったのに対し、実施例4では、送風量60Nm3 /mmにおいても炉内圧力は1800mmAq程度で推移でき、当初目標としたηCO=約50%の操業を安定して継続することができた。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、鉄を含有するダスト、還元鉄粉および/または鉄屑類を主原料とした銑鉄製造法における新しい原料装入方法を活用した操業において、より効率の良い操業を提示しており、その開発によって、鋳物コークスよりも小粒度の固体燃料を使用する場合でも、連続操業が可能で、しかも燃焼効率ηCOを向上させることができ、また棚吊りを回避して、効率の良い操業を可能とする。さらに、安価な小粒固体燃料および5mm以下の安価な細粒還元鉄を使用することができるので、生産性が高く、燃料比の低い操業が可能であり、経済的に溶銑品質を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は反応装置および装入装置の一例を示す説明図、図1(b)は、中心装入時の上部装入装置の説明図、図1(c)は、周辺部装入時の上部装入装置の説明図である。
【図2】図2(a)は、中心部に鉄屑類のみとし、周辺部にコークス+ダスト類とした装入を示す説明図、図2(b)は、中心部にコークス、鉄屑、ダストとし、周辺部にコークス+ダスト類とした装入を示す説明図、図2(c)は、図2(a)における炉内ガス利用率ηCO及び酸素濃度分布と1次羽口からの距離との関係を、中心部と周辺部について示した図である。
【図3】鉄源の平均金属化率と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるηCOレベルとの関係を示す説明図である。
【図4】図4(a)は、炉内ガス流速:0.35Nm/sで、コークス粒度が変化した時のコークスベッド高さとηCOの関係図、図4(b)は、コークス粒度:30mmで、炉内ガス流速が変化した時のコークスベッド高さとηCOの関係図、図4(c)は、炉内ガス流速が変化した時のコークスベッド高さとηCOの関係図である。
【図5】ストックレベルとηCOの関係図である。
【図6】図6(a)は、鉄を含有するダスト(自己還元性鉱塊)のコークス混合の時の炉内温度とηCOの関係図、図6(b)は、鉄を含有するダスト(自己還元性鉱塊)のコークス混合有無での炉内温度と還元率との関係図である。
【図7】図7(a)〜(c)は、それぞれ代表的な装入方法の一例を示す説明図である。
【図8】図8(a)は、実施例4の細粒の還元鉄粉を多量に使用した装入方法の説明図、図8(b)は、炉内圧力とηCOの関係図である。
【符号の説明】
1 バケット
2 ベル
3 可動アーマー
4 装入ガイド
5 炉体
6 排ガス管
7 羽口
8 周辺部
9 中心部
10 コークスベッド
Claims (3)
- ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、金属化率の低い還元鉄塊および還元鉄粉の還元が必要な金属化率が低い鉄源と、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑、金属化率の高い還元鉄塊のうち少なくとも一種を含む溶解のみが必要な金属化率が高い鉄源と、固体燃料を竪型炉に装入し、竪型炉の壁面に設けた羽口から常温または600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解する操業方法において、前記金属化率が高い鉄源を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉中心部に装入するとともに、金属化率が低い鉄源および5mm以下の細粒の還元鉄粉を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉周辺部に装入し、かつ前記5mm以下の細粒の還元鉄粉を全鉄粉に対して最大で60重量%混合装入し、前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから、該鉄源の平均金属化率及び鉄源中の含C量と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるη CO 範囲との関係に基づいて最適η CO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、コークスベッドの高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節することによって、前記範囲に竪型炉の排ガスη CO を制御することを特徴とする竪型炉の操業方法。
- ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、金属化率の低い還元鉄塊および還元鉄粉の還元が必要な金属化率が低い鉄源と、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑、金属化率の高い還元鉄塊のうち少なくとも一種を含む溶解のみが必要な金属化率が高い鉄源と、固体燃料を竪型炉に装入し、竪型炉の壁面に設けた羽口から常温または600℃以下の酸素含有ガスを送風して還元・溶解する操業方法において、前記ダスト塊成鉱、自己還元性塊成鉱(含C塊成鉱)、還元鉄塊、HBI(ホットブリケット還元鉄)、DRI(直接還元鉄)、鉄屑、型銑、戻り屑の還元または溶解が必要な鉄源のうち少なくとも一種を含む粒度の大きな鉄源を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して炉中心部に装入するとともに、5mm以下の細粒の還元鉄粉を粒度が60mm以下の固体燃料と混合して竪型炉の炉周辺部に装入し、かつ前記5mm以下の細粒の還元鉄粉を全鉄粉に対して最大で60重量%混合装入し、前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから、該鉄源の平均金属化率及び鉄源中の含C量と鉄源の還元・溶解が支障なく行えるη CO 範囲との関係に基づいて最適η CO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、コークスベッドの高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節することによって、前記範囲に竪型炉の排ガスη CO を制御することを特徴とする竪型炉の操業方法。
- 前記鉄源の平均金属化率(平均 Metallic Fe / Total Fe )と鉄源中の含C量とから下記(1)式に基づいて鉄源の還元・溶解が支障なく行える最適ηCO (ガス利用率)の範囲を求め、鉄源と固体燃料からなる装入物の竪型炉内の装入高さ、羽口径、および、羽口突出し位置のうちのいずれかを調節することを特徴とする請求項1または2に記載の竪型炉の操業方法。
1.5×C%≦ηCO−0.7×(平均M.Fe/T.Fe )≦3.0×C%・・・(1)
但し、C : 鉄源中に含まれるC%であって、0%≦C%≦20%
ηCO : ガス利用率(%)(平均M.Fe/T.Fe) : 平均金属化率(%)
金属化率 : 鉄源中の金属鉄(M.Fe)/鉄源中のトータル鉄(T.Fe)
平均金属化率 : 数種の鉄源を加重平均した金属化率
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