JPH08143812A - 焼成鉛筆芯とその製造方法 - Google Patents
焼成鉛筆芯とその製造方法Info
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- JPH08143812A JPH08143812A JP28306094A JP28306094A JPH08143812A JP H08143812 A JPH08143812 A JP H08143812A JP 28306094 A JP28306094 A JP 28306094A JP 28306094 A JP28306094 A JP 28306094A JP H08143812 A JPH08143812 A JP H08143812A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 開気孔を持つ焼成鉛筆芯の該開気孔内におい
て、染料を沈殿剤によりレーキ化して顔料化した顔料を
少なくとも着色剤として含む鉛筆芯及びその製造方法。 【効果】 着色剤が顔料であるので彩度が高く、鮮やか
な色が得られ、しかも描線の耐光性、耐候性に優れる。
また消しゴム消去性に優れる。開気孔形成後に、その気
孔中に顔料を形成させるので高温焼成が可能で、高強度
の色鉛筆芯が得られる。
て、染料を沈殿剤によりレーキ化して顔料化した顔料を
少なくとも着色剤として含む鉛筆芯及びその製造方法。 【効果】 着色剤が顔料であるので彩度が高く、鮮やか
な色が得られ、しかも描線の耐光性、耐候性に優れる。
また消しゴム消去性に優れる。開気孔形成後に、その気
孔中に顔料を形成させるので高温焼成が可能で、高強度
の色鉛筆芯が得られる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は主としてシャープペンシ
ル用鉛筆芯、木軸鉛筆芯に関する。更に詳しくは優れた
耐光性、耐候性、鮮やかな色を有し、かつ消しゴムで容
易に消去できる焼成色鉛筆芯とその製造方法に関する。
ル用鉛筆芯、木軸鉛筆芯に関する。更に詳しくは優れた
耐光性、耐候性、鮮やかな色を有し、かつ消しゴムで容
易に消去できる焼成色鉛筆芯とその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の鉛筆芯は大きく分けて以下の４種
類の製造方法に分類できるが、いずれも欠点を有する。
類の製造方法に分類できるが、いずれも欠点を有する。
【０００３】（１）着色剤として黒鉛、結合材として有
機物質、粘土等を主材とし、混練、成形後焼成して得ら
れる鉛筆芯。この製法により得られた鉛筆芯は最近はシ
ャープペンシル用芯においても十分な実用強度に達し、
消しゴムによる消去も可能な鉛筆芯として知られてい
る。しかし、黒鉛、焼成された炭素物質の色から黒以外
の芯は製造不可能である。
機物質、粘土等を主材とし、混練、成形後焼成して得ら
れる鉛筆芯。この製法により得られた鉛筆芯は最近はシ
ャープペンシル用芯においても十分な実用強度に達し、
消しゴムによる消去も可能な鉛筆芯として知られてい
る。しかし、黒鉛、焼成された炭素物質の色から黒以外
の芯は製造不可能である。
【０００４】（２）ワックス類、結合材、体質材、顔料
等を混練、成形して得られる非焼成鉛筆芯。この製法は
多種類の有機顔料が使用可能で耐光性、耐候性が良く、
鮮やかな色相の色鉛筆芯が得られる。しかし、シャープ
ペンシル用芯とした場合十分な強度が得られず、またワ
ックス類を含むため消しゴムでは消去できない。
等を混練、成形して得られる非焼成鉛筆芯。この製法は
多種類の有機顔料が使用可能で耐光性、耐候性が良く、
鮮やかな色相の色鉛筆芯が得られる。しかし、シャープ
ペンシル用芯とした場合十分な強度が得られず、またワ
ックス類を含むため消しゴムでは消去できない。
【０００５】（３）撥水撥油性物質、結合材、体質材、
顔料等を混練、成形し、更に撥水撥油物質周辺にできる
開気孔に油脂類等を含浸して得られる非焼成鉛筆芯。こ
の製法は含浸する油脂類に常温で液体のオイル等を選択
した場合、（１）と同レベルに消しゴムで容易に消去で
きる色鉛筆芯の製造が可能である。しかし、有機顔料を
使用して鮮やかな色相の色鉛筆芯とする場合、顔料の耐
熱性から使用できる結合材が有機高分子等に限定される
ため、シャープペンシル用等の細芯とした場合十分な強
度が得られない。
顔料等を混練、成形し、更に撥水撥油物質周辺にできる
開気孔に油脂類等を含浸して得られる非焼成鉛筆芯。こ
の製法は含浸する油脂類に常温で液体のオイル等を選択
した場合、（１）と同レベルに消しゴムで容易に消去で
きる色鉛筆芯の製造が可能である。しかし、有機顔料を
使用して鮮やかな色相の色鉛筆芯とする場合、顔料の耐
熱性から使用できる結合材が有機高分子等に限定される
ため、シャープペンシル用等の細芯とした場合十分な強
度が得られない。
【０００６】（４）窒化ホウ素、粘土、有機物質等を混
練、成形、焼成して得られた淡色もしくは白色多孔質鉛
筆芯に更に染料インクを含浸して得られる鉛筆芯。この
製法で得られた鉛筆芯は消しゴムで消去できる。しか
し、鮮やかな色相で耐熱温度が高く、かつ人体に無害で
鉛筆芯に使用可能な顔料が存在しないため、着色剤とし
ては染料が使用されており、（２）、（３）の顔料芯と
比較して染料の状態では耐光性、耐候性が大きく劣る。
また、大きな気孔の芯とすれば顔料分散インクを含浸す
ることも可能ではあるが、この場合には強度が低下する
ためシャープペンシル用鉛筆芯に用いることができな
い。
練、成形、焼成して得られた淡色もしくは白色多孔質鉛
筆芯に更に染料インクを含浸して得られる鉛筆芯。この
製法で得られた鉛筆芯は消しゴムで消去できる。しか
し、鮮やかな色相で耐熱温度が高く、かつ人体に無害で
鉛筆芯に使用可能な顔料が存在しないため、着色剤とし
ては染料が使用されており、（２）、（３）の顔料芯と
比較して染料の状態では耐光性、耐候性が大きく劣る。
また、大きな気孔の芯とすれば顔料分散インクを含浸す
ることも可能ではあるが、この場合には強度が低下する
ためシャープペンシル用鉛筆芯に用いることができな
い。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の鉛筆芯の欠点を解消することであり、更に詳しく
は強度を強く保ち、しかも鮮やかな色を出させて、優れ
た耐光性、耐候性を有する描線を描かせ、更に消しゴム
による消去性を有する等の特性をすべて同時に有する焼
成色鉛筆芯を提供することである。
従来の鉛筆芯の欠点を解消することであり、更に詳しく
は強度を強く保ち、しかも鮮やかな色を出させて、優れ
た耐光性、耐候性を有する描線を描かせ、更に消しゴム
による消去性を有する等の特性をすべて同時に有する焼
成色鉛筆芯を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するために鋭意研究を行った結果、焼成白色多孔質鉛
筆芯を作成し、芯の開気孔に染料溶液、沈殿剤溶液を含
浸して開気孔内でレーキ化反応させることにより解決し
得ることを見いだし本発明を完成させた。
決するために鋭意研究を行った結果、焼成白色多孔質鉛
筆芯を作成し、芯の開気孔に染料溶液、沈殿剤溶液を含
浸して開気孔内でレーキ化反応させることにより解決し
得ることを見いだし本発明を完成させた。
【０００９】すなわち本発明は開気孔を持つ焼成鉛筆芯
の該開気孔内において染料を沈殿剤によりレーキ化して
得られた顔料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯
であり、
の該開気孔内において染料を沈殿剤によりレーキ化して
得られた顔料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯
であり、
【００１０】特に開気孔を持つシャープペンシル用高強
度焼成鉛筆芯の該開気孔内において、染料を沈澱剤によ
りレーキ化して得られた顔料を少なくとも着色剤として
含む焼成鉛筆芯であり、その製造方法としては開気孔を
持つ焼成鉛筆芯を製造した後、該開気孔内に染料溶液、
又は染料分散液、及び沈殿剤溶液を含浸して該開気孔内
でレーキ化反応させて顔料化した物質を少なくとも着色
剤として含むことを特徴とする焼成鉛筆芯の製造方法で
ある。
度焼成鉛筆芯の該開気孔内において、染料を沈澱剤によ
りレーキ化して得られた顔料を少なくとも着色剤として
含む焼成鉛筆芯であり、その製造方法としては開気孔を
持つ焼成鉛筆芯を製造した後、該開気孔内に染料溶液、
又は染料分散液、及び沈殿剤溶液を含浸して該開気孔内
でレーキ化反応させて顔料化した物質を少なくとも着色
剤として含むことを特徴とする焼成鉛筆芯の製造方法で
ある。
【００１１】本発明に用いられる焼成多孔質鉛筆芯はそ
の開気孔内で沈殿剤による染料のレーキ化反応を行うの
が可能な大きさの開気孔を持つものならば製造方法を問
わずいずれも使用できる。開気孔径の最小値としては概
ね０．１μｍと考えられるため、全て０．１μｍ以上の
開気孔を持つものを使用することが望ましいが、開気孔
の分布を考えた場合０．１μｍより小さい範囲にも開気
孔が分布されていると、不完全な顔料を含むことにな
り、発色性が悪くなったり、耐光性、耐候性が劣る結果
となるため、０．１μｍより小さい開気孔は容積で４０
％以下に、より好ましくは２０％以下に抑えるべきであ
る。開気孔径の最大値としては０．５μｍ以下が好まし
い。０．５μｍより大きな開気孔でも勿論顔料化は可能
であるが、必要以上に開気孔を大きくしても、筆記に必
要な強度に達しにくいし、強度を向上させると硬く、筆
記感触がガリガリの芯しか得られない。
の開気孔内で沈殿剤による染料のレーキ化反応を行うの
が可能な大きさの開気孔を持つものならば製造方法を問
わずいずれも使用できる。開気孔径の最小値としては概
ね０．１μｍと考えられるため、全て０．１μｍ以上の
開気孔を持つものを使用することが望ましいが、開気孔
の分布を考えた場合０．１μｍより小さい範囲にも開気
孔が分布されていると、不完全な顔料を含むことにな
り、発色性が悪くなったり、耐光性、耐候性が劣る結果
となるため、０．１μｍより小さい開気孔は容積で４０
％以下に、より好ましくは２０％以下に抑えるべきであ
る。開気孔径の最大値としては０．５μｍ以下が好まし
い。０．５μｍより大きな開気孔でも勿論顔料化は可能
であるが、必要以上に開気孔を大きくしても、筆記に必
要な強度に達しにくいし、強度を向上させると硬く、筆
記感触がガリガリの芯しか得られない。
【００１２】また、紙面に対する着色性を考慮すると多
孔質鉛筆芯は、０．１μｍ以上０．５μｍ以下の開気孔
率が７％以上、より好ましくは１２％以上であることが
望ましい。
孔質鉛筆芯は、０．１μｍ以上０．５μｍ以下の開気孔
率が７％以上、より好ましくは１２％以上であることが
望ましい。
【００１３】とくにこの製造方法によれば芯基体を焼成
して製造後に開気孔内で顔料を作らせるので、顔料の耐
熱温度と無関係に焼成温度を高くして高強度にできるこ
とが特徴であり、この方法を１番必要とするのはシャー
プペンシル用色鉛筆芯である。この場合強度を考慮する
と容積で０．１μｍ以上０．３μｍ以下の範囲に７５％
以上、より好ましくは９０％以上開気孔が分布している
多孔質鉛筆芯を使用することが好ましい。
して製造後に開気孔内で顔料を作らせるので、顔料の耐
熱温度と無関係に焼成温度を高くして高強度にできるこ
とが特徴であり、この方法を１番必要とするのはシャー
プペンシル用色鉛筆芯である。この場合強度を考慮する
と容積で０．１μｍ以上０．３μｍ以下の範囲に７５％
以上、より好ましくは９０％以上開気孔が分布している
多孔質鉛筆芯を使用することが好ましい。
【００１４】多孔質鉛筆芯の色については彩度が高い鮮
やかな色鉛筆芯を製造する場合は、白色芯を使用しなけ
ればならないが、彩度が低いディープトーンの色を製造
する場合は、弁柄等の人体に無害な耐熱性無機顔料が配
合された多孔芯を使用しても構わない。
やかな色鉛筆芯を製造する場合は、白色芯を使用しなけ
ればならないが、彩度が低いディープトーンの色を製造
する場合は、弁柄等の人体に無害な耐熱性無機顔料が配
合された多孔芯を使用しても構わない。
【００１５】本発明に用いられる染料は、従来公知の酸
性染料、塩基性染料又は直接染料等であり、開気孔内に
含浸でき金属塩等の沈殿剤でレーキ化できるものであれ
ばいずれも使用可能である。染料の具体例としては、エ
オシン、アシッドフロキシン、タートラジンエロー、キ
ノリンエロー、ローダミンＢ、ローダミン６ＧＣＰ、オ
ーラミン、ベーシックフラビオン、マラカイトグリー
ン、ダイアモンドグリーン、ビクトリアブルー、メチル
バイオレット、スルホン化銅フタロシアニンブルー、ピ
ーコックブルー等が上げられ、またアゾレーキ顔料の前
駆体として知られるアゾ染料類も使用できる。
性染料、塩基性染料又は直接染料等であり、開気孔内に
含浸でき金属塩等の沈殿剤でレーキ化できるものであれ
ばいずれも使用可能である。染料の具体例としては、エ
オシン、アシッドフロキシン、タートラジンエロー、キ
ノリンエロー、ローダミンＢ、ローダミン６ＧＣＰ、オ
ーラミン、ベーシックフラビオン、マラカイトグリー
ン、ダイアモンドグリーン、ビクトリアブルー、メチル
バイオレット、スルホン化銅フタロシアニンブルー、ピ
ーコックブルー等が上げられ、またアゾレーキ顔料の前
駆体として知られるアゾ染料類も使用できる。
【００１６】一方、本発明に用いられる沈殿剤の具体例
としては、アルカリ土類金属、アルミニウム、鉛等の塩
化物、硫酸塩、酢酸塩等、タンニン酸、カタノール、タ
モール等の合成タンニン類、燐タングステン酸、燐モリ
ブデン酸、燐タングステン・モリブデン酸等のコンプレ
ックスアシッド類、有機アミン類等が挙げられる。
としては、アルカリ土類金属、アルミニウム、鉛等の塩
化物、硫酸塩、酢酸塩等、タンニン酸、カタノール、タ
モール等の合成タンニン類、燐タングステン酸、燐モリ
ブデン酸、燐タングステン・モリブデン酸等のコンプレ
ックスアシッド類、有機アミン類等が挙げられる。
【００１７】本発明の色鉛筆芯は、焼成鉛筆芯の開気孔
内で染料をレーキ化して顔料化する事を特徴とし、該開
気孔内に染料又は沈殿剤のいずれか一方を含浸してお
き、次に沈殿剤又は染料を含浸させてレーキ化反応し、
顔料化する事により製造される。その際、レーキ化反応
助剤又は含浸の促進剤として界面活性剤やその他の添加
剤を使用する事が出来、また加熱、減圧、加圧により含
浸を促進させる事も出来る。
内で染料をレーキ化して顔料化する事を特徴とし、該開
気孔内に染料又は沈殿剤のいずれか一方を含浸してお
き、次に沈殿剤又は染料を含浸させてレーキ化反応し、
顔料化する事により製造される。その際、レーキ化反応
助剤又は含浸の促進剤として界面活性剤やその他の添加
剤を使用する事が出来、また加熱、減圧、加圧により含
浸を促進させる事も出来る。
【００１８】なお、レーキ化反応が終了した鉛筆芯の余
分の開気孔にさらに繰り返し染料溶液、沈殿剤溶液を含
浸してレーキ化を行い、より色調を濃くすることも可能
である。
分の開気孔にさらに繰り返し染料溶液、沈殿剤溶液を含
浸してレーキ化を行い、より色調を濃くすることも可能
である。
【００１９】また、余分の開気孔にレーキ化した顔料と
同一及び／又は異なる色の染料インクを含浸させて補
色、混色することも可能であるし、また染料の耐光性の
低さを逆に利用して、光で変色する鉛筆芯を製造するこ
とも可能である。
同一及び／又は異なる色の染料インクを含浸させて補
色、混色することも可能であるし、また染料の耐光性の
低さを逆に利用して、光で変色する鉛筆芯を製造するこ
とも可能である。
【００２０】さらに、余分の開気孔にオイル等を含浸さ
せて筆記時の潤滑性を向上させることも可能である。
せて筆記時の潤滑性を向上させることも可能である。
【００２１】
（１）焼成白色多孔質鉛筆芯の開気孔内に染料溶液、沈
殿剤溶液を含浸してレーキ化反応させて顔料化を行うこ
とにより、従来の非焼成色鉛筆芯の様に彩度が高く、鮮
やかな色の焼成鉛筆芯が得られる。
殿剤溶液を含浸してレーキ化反応させて顔料化を行うこ
とにより、従来の非焼成色鉛筆芯の様に彩度が高く、鮮
やかな色の焼成鉛筆芯が得られる。
【００２２】（２）染料を沈殿剤でレーキ化すると耐光
性、耐候性が大幅に向上するが、従来の淡色もしくは白
色多孔質鉛筆芯に染料インクを含浸させただけの芯と異
なり、染料をレーキ化した顔料を少なくとも着色剤とし
て含むため、耐光性、耐候性に優れた芯が得られる。
性、耐候性が大幅に向上するが、従来の淡色もしくは白
色多孔質鉛筆芯に染料インクを含浸させただけの芯と異
なり、染料をレーキ化した顔料を少なくとも着色剤とし
て含むため、耐光性、耐候性に優れた芯が得られる。
【００２３】（３）従来の非焼成色鉛筆芯の様に消しゴ
ムによる消去の妨害の原因となるワックスを含まないた
め、消去性に非常に優れた色鉛筆芯が得られる。
ムによる消去の妨害の原因となるワックスを含まないた
め、消去性に非常に優れた色鉛筆芯が得られる。
【００２４】（４）高強度の焼成白色多孔質鉛筆芯を使
用することにより、上記（１）〜（３）の長所を同時に
満たし、かつ高強度であるという従来にない鉛筆芯が得
られる。
用することにより、上記（１）〜（３）の長所を同時に
満たし、かつ高強度であるという従来にない鉛筆芯が得
られる。
【００２５】
【実施例】以下に実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例により何等限定され
るものではない。 （実施例１） 合成カオリナイト ３５重量％ 窒化ホウ素 ４０重量％ ポリビニルアルコール １８重量％ ポリエチレングリコール ７重量％ 上記配合組成物に同重量に相当する水を加えてこれらを
ミキサーで混合、分散させた後に２本ロールで混練しな
がら水分調整し、この混練物をプランジャー型押出機に
て押出成形した後、１００℃で１０時間乾燥し、アルゴ
ンガス雰囲気中で１１００℃まで昇温して１１００℃で
１時間焼成した。さらに、空気中で７００℃まで昇温し
て７００℃で５時間焼成し、直径０．５７０mmの焼成白
色多孔質鉛筆芯を得た。この多孔質鉛筆芯をジ・スルホ
ン化銅フタロシアニンブルーを苛性ソーダとともに溶解
して得た５％濃度の水性液中に３０℃−５時間浸漬して
開気孔内に染料溶液を含浸させた後、塩化バリウム水性
液中に５０℃−５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉ
ｇｍｅｎｔ Ｂｌｕｅ１７：１を形成させ、水中で８０
℃−３０分加熱後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの
焼成水色鉛筆芯を得た。
に説明するが、本発明はこの実施例により何等限定され
るものではない。 （実施例１） 合成カオリナイト ３５重量％ 窒化ホウ素 ４０重量％ ポリビニルアルコール １８重量％ ポリエチレングリコール ７重量％ 上記配合組成物に同重量に相当する水を加えてこれらを
ミキサーで混合、分散させた後に２本ロールで混練しな
がら水分調整し、この混練物をプランジャー型押出機に
て押出成形した後、１００℃で１０時間乾燥し、アルゴ
ンガス雰囲気中で１１００℃まで昇温して１１００℃で
１時間焼成した。さらに、空気中で７００℃まで昇温し
て７００℃で５時間焼成し、直径０．５７０mmの焼成白
色多孔質鉛筆芯を得た。この多孔質鉛筆芯をジ・スルホ
ン化銅フタロシアニンブルーを苛性ソーダとともに溶解
して得た５％濃度の水性液中に３０℃−５時間浸漬して
開気孔内に染料溶液を含浸させた後、塩化バリウム水性
液中に５０℃−５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉ
ｇｍｅｎｔ Ｂｌｕｅ１７：１を形成させ、水中で８０
℃−３０分加熱後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの
焼成水色鉛筆芯を得た。
【００２６】（実施例２）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯に実施例１の含浸、レーキ化工程を３回繰り
返して直径０．５７０mmの焼成水色鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯に実施例１の含浸、レーキ化工程を３回繰り
返して直径０．５７０mmの焼成水色鉛筆芯を得た。
【００２７】（実施例３）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯を、ローダミン６ＧＣＰを酢酸とともに加熱
溶解して得た８０℃、５％濃度の水性液中に３時間浸漬
して開気孔内に染料溶液を含浸させた後、硫酸酸性に調
製した６０℃の燐タングステン・モリブデン酸水溶液中
に５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ
Ｒｏｓｅ８１を形成させ、水中で８０℃−３０分加熱
後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの焼成桃色鉛筆芯
を得た。
孔質鉛筆芯を、ローダミン６ＧＣＰを酢酸とともに加熱
溶解して得た８０℃、５％濃度の水性液中に３時間浸漬
して開気孔内に染料溶液を含浸させた後、硫酸酸性に調
製した６０℃の燐タングステン・モリブデン酸水溶液中
に５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ
Ｒｏｓｅ８１を形成させ、水中で８０℃−３０分加熱
後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの焼成桃色鉛筆芯
を得た。
【００２８】（実施例４）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯を、８０℃、５％濃度のメチルバイオレット
水溶液中に３時間浸漬して開気孔内に染料溶液を含浸さ
せた後、硫酸酸性に調製した６０℃の燐モリブデン酸水
溶液中に５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅ
ｎｔ Ｖｉｏｌｅｔ３を形成させ、水中で８０℃−３０
分加熱後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの焼成紫色
鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯を、８０℃、５％濃度のメチルバイオレット
水溶液中に３時間浸漬して開気孔内に染料溶液を含浸さ
せた後、硫酸酸性に調製した６０℃の燐モリブデン酸水
溶液中に５時間浸漬して開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅ
ｎｔ Ｖｉｏｌｅｔ３を形成させ、水中で８０℃−３０
分加熱後、水洗、乾燥して直径０．５７０mmの焼成紫色
鉛筆芯を得た。
【００２９】（実施例５）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯を、８０℃、５％濃度のメチルバイオレット
水溶液中に３時間浸漬して開気孔内に染料溶液を含浸さ
せた後、８０℃のタンニン酸水溶液中に５時間浸漬して
開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ Ｖｉｏｌｅｔ３を
形成させ、水中で８０℃−３０分加熱後、水洗、乾燥し
て直径０．５７０mmの焼成紫色鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯を、８０℃、５％濃度のメチルバイオレット
水溶液中に３時間浸漬して開気孔内に染料溶液を含浸さ
せた後、８０℃のタンニン酸水溶液中に５時間浸漬して
開気孔中にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ Ｖｉｏｌｅｔ３を
形成させ、水中で８０℃−３０分加熱後、水洗、乾燥し
て直径０．５７０mmの焼成紫色鉛筆芯を得た。
【００３０】（実施例６）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯を、常法に従ってｐ‐トルイジン‐ｍ‐スル
ホン酸とβ‐オキシナフトエ酸をカップリング反応させ
て得た染料ソーダ塩にロジンソープ（染料に対し２５重
量％）を加えて調製した１％濃度の水性液中に５℃−６
時間浸漬した後、塩化カルシウム水溶液中に５℃−６時
間浸漬して、開気孔内にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ Ｒｅ
ｄ５７：１を形成させ、水中で８０℃−３０分加熱後、
水洗、乾燥した。更にこの工程を２回繰り返して直径
０．５７０mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯を、常法に従ってｐ‐トルイジン‐ｍ‐スル
ホン酸とβ‐オキシナフトエ酸をカップリング反応させ
て得た染料ソーダ塩にロジンソープ（染料に対し２５重
量％）を加えて調製した１％濃度の水性液中に５℃−６
時間浸漬した後、塩化カルシウム水溶液中に５℃−６時
間浸漬して、開気孔内にＣ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ Ｒｅ
ｄ５７：１を形成させ、水中で８０℃−３０分加熱後、
水洗、乾燥した。更にこの工程を２回繰り返して直径
０．５７０mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【００３１】（比較例１）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ａｃｉｄ Ｂｌｕｅ１による水性
インクを含浸させ、直径０．５７０mmの焼成青色鉛筆芯
を得た。
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ａｃｉｄ Ｂｌｕｅ１による水性
インクを含浸させ、直径０．５７０mmの焼成青色鉛筆芯
を得た。
【００３２】（比較例２）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｒｅｄ１（ローダミ
ン６ＧＣＰ）による水性インクを含浸させ、直径０．５
７０mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｒｅｄ１（ローダミ
ン６ＧＣＰ）による水性インクを含浸させ、直径０．５
７０mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【００３３】（比較例３）実施例１と同様の焼成白色多
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ１（メ
チルバイオレット）による水性インクを含浸させ、直径
０．５７０mmの焼成紫色鉛筆芯を得た。
孔質鉛筆芯にＣ．Ｉ．Ｂａｓｉｃ Ｖｉｏｌｅｔ１（メ
チルバイオレット）による水性インクを含浸させ、直径
０．５７０mmの焼成紫色鉛筆芯を得た。
【００３４】（比較例４） 硝酸セルロース ３０重量％ タルク ３０重量％ ステアリン酸カルシウム ２０重量％ モンタンワックス ５重量％ 溶性ジアゾ顔料 １５重量％ （Ｃ．Ｉ．Ｐｉｇｍｅｎｔ Ｒｅｄ５７：１） 上記配合組成物に同重量に相当するメチルエチルケトン
を加えてこれらをニーダーで混合、分散させた後に２本
ロールで混練しながら溶剤分を調整し、この混合物をペ
レット化してプランジャー型押出機にて押出成形した
後、５０℃で６０時間乾燥して直径０．５６８mmの非焼
成赤色鉛筆芯を得た。
を加えてこれらをニーダーで混合、分散させた後に２本
ロールで混練しながら溶剤分を調整し、この混合物をペ
レット化してプランジャー型押出機にて押出成形した
後、５０℃で６０時間乾燥して直径０．５６８mmの非焼
成赤色鉛筆芯を得た。
【００３５】前記実施例１〜６及び比較例１〜４より得
られた夫々の色鉛筆芯について、耐光性ΔＬ*及び消し
ゴムによる消去性の評価を行った。評価は次の様に行っ
た。その結果を下記表１に示す。 耐光性（ΔＬ*） ： 上質紙に描画後、キセノンランプ
にて６時間照射し、その照射前後の明度指数Ｌ*の差を
測定した。明度指数の差ΔＬ*が小さい程、耐光性が良
好である。 消去性 ： 上質紙に描画後、消しゴムにて容
易に消去可能なものを○とし、また消しゴムにて消去不
可能なものを×として評価した。
られた夫々の色鉛筆芯について、耐光性ΔＬ*及び消し
ゴムによる消去性の評価を行った。評価は次の様に行っ
た。その結果を下記表１に示す。 耐光性（ΔＬ*） ： 上質紙に描画後、キセノンランプ
にて６時間照射し、その照射前後の明度指数Ｌ*の差を
測定した。明度指数の差ΔＬ*が小さい程、耐光性が良
好である。 消去性 ： 上質紙に描画後、消しゴムにて容
易に消去可能なものを○とし、また消しゴムにて消去不
可能なものを×として評価した。
【００３６】
【表１】
【００３７】
【発明の効果】本発明の色鉛筆芯は、着色剤として、開
気孔内に含浸させた染料をレーキ化させた顔料を使用し
ているので、従来の非焼成色鉛筆芯と同様に彩度が高
く、鮮やかな色が得られて、しかも描線の耐光性、耐候
性に優れる。消しゴムによる消去の妨げとなるワックス
を含まないので、消しゴム消去性に優れる。開気孔を形
成後、その気孔中に固体顔料を形成させるので、高温焼
成が可能で、高強度の焼成多孔質鉛筆芯が使用でき、前
記の長所を発揮しながら、高強度にできる。
気孔内に含浸させた染料をレーキ化させた顔料を使用し
ているので、従来の非焼成色鉛筆芯と同様に彩度が高
く、鮮やかな色が得られて、しかも描線の耐光性、耐候
性に優れる。消しゴムによる消去の妨げとなるワックス
を含まないので、消しゴム消去性に優れる。開気孔を形
成後、その気孔中に固体顔料を形成させるので、高温焼
成が可能で、高強度の焼成多孔質鉛筆芯が使用でき、前
記の長所を発揮しながら、高強度にできる。
Claims (3)
- 【請求項１】 開気孔を持つ焼成鉛筆芯の該開気孔内に
おいて染料を沈殿剤によりレーキ化して得られた顔料を
少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯。 - 【請求項２】 開気孔を持つシャープペンシル用高強度
焼成鉛筆芯の該開気孔内において、染料を沈澱剤により
レーキ化して得られた顔料を少なくとも着色剤として含
む焼成鉛筆芯。 - 【請求項３】 開気孔を持つ焼成鉛筆芯を製造した後、
該開気孔内に染料溶液又は染料分散液及び沈殿剤溶液を
含浸して、該開気孔内でレーキ化反応させて顔料化した
物質を少なくとも着色剤として含むことを特徴とする焼
成鉛筆芯の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28306094A JPH08143812A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 焼成鉛筆芯とその製造方法 |
| US08/554,479 US5645629A (en) | 1994-11-17 | 1995-11-07 | Calcined pencil leads and method of manufacturing the same |
| DE69514990T DE69514990T2 (de) | 1994-11-17 | 1995-11-16 | Kalzinierte Schreibstiftmine und Verfahren zu ihrer Herstellung |
| EP95118058A EP0712914B1 (en) | 1994-11-17 | 1995-11-16 | Calcined pencil leads and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28306094A JPH08143812A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 焼成鉛筆芯とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08143812A true JPH08143812A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17660689
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP28306094A Withdrawn JPH08143812A (ja) | 1994-11-17 | 1994-11-17 | 焼成鉛筆芯とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08143812A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6746524B1 (en) | 1999-05-28 | 2004-06-08 | Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha | Process for producing sintered color pencil lead |
-
1994
- 1994-11-17 JP JP28306094A patent/JPH08143812A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6746524B1 (en) | 1999-05-28 | 2004-06-08 | Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha | Process for producing sintered color pencil lead |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020205 |