JPH08143811A - 焼成鉛筆芯とその製造方法 - Google Patents

焼成鉛筆芯とその製造方法

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JPH08143811A
JPH08143811A JP28305994A JP28305994A JPH08143811A JP H08143811 A JPH08143811 A JP H08143811A JP 28305994 A JP28305994 A JP 28305994A JP 28305994 A JP28305994 A JP 28305994A JP H08143811 A JPH08143811 A JP H08143811A
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lead
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JP28305994A
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Katsunori Kitazawa
勝徳 北澤
Kazutaka Aoki
和孝 青木
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐光性、耐候性、鮮やかな色を有し、
かつ消しゴムで容易に消去できる焼成鉛筆芯とその製造
方法を提供する。 【構成】 開気孔を有する焼成鉛筆芯の該開気孔内にお
いて、顔料前駆体を顔料化反応により反応させて得た顔
料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯。開気孔を
有する焼成鉛筆芯を製造した後、該開気孔内に顔料前駆
体を含む液を含浸せしめ、さらに該顔料前駆体を開気孔
内で反応させて顔料化した物質を少なくとも着色剤とし
て含む焼成鉛筆芯の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてシャープペン
シル用鉛筆芯、木軸鉛筆芯等に関し、更に詳しくは、焼
成鉛筆芯としての強度を保持しながら、優れた耐光性、
耐候性、鮮やかな色を有し、かつ消しゴムで容易に消去
できる焼成鉛筆芯とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉛筆芯は、大きく分けて以下の4
種類の製造方法に分類できるが、いずれも欠点を有して
いる。すなわち、
【0003】(1)着色剤として黒鉛、結合材として有
機物質、粘土等を主材とし、これらを混練、成形後、焼
成して得られる焼成鉛筆芯。この製法により得られた鉛
筆芯は最近はシャープペンシル用芯においても十分な実
用強度に達し、消しゴムによる消去も可能な鉛筆芯とし
て知られている。しかしながら、使用する黒鉛及び焼成
された炭素物質の色から黒以外の鉛筆芯は、製造不可能
である点に欠点を有する。
【0004】(2)ワックス類、結合材、体質材、顔料
等を混練、成形して得られる非焼成鉛筆芯。この製法に
よると多種類の有機顔料が使用可能で耐光性、耐候性が
良く、鮮やかな色相の色鉛筆芯が得られる点に特徴を有
する。しかしながら、この色鉛筆芯は、非焼成で、主に
有機結合材による結合に頼っているので、シャープペン
シル用芯とした場合には、十分な強度が得られず、ま
た、ワックス類を含むため消しゴムでは消去できない点
に欠点を有する。
【0005】(3)撥水撥油性物質、結合材、体質材、
顔料等を混練、成形し、更に撥水撥油性物質周辺にでき
る開気孔に油脂類等を含浸して得られる非焼成鉛筆芯。
この製法によると、含浸する油脂類として常温で液体の
オイル等を選択した場合には、上記(1)と同じ程度に
消しゴムで容易に消去できる色鉛筆芯の製造が可能であ
る。しかしながら、有機顔料を使用して鮮やかな色相の
色鉛筆芯とする場合には、顔料の耐熱性から使用できる
結合材が有機高分子物質等に限定されるため、シャープ
ペンシル用等の細芯とした場合に十分な強度が得られな
い点に欠点を有する。
【0006】(4)窒化ホウ素、粘土、有機物質等を混
練、成形、焼成して得られた淡色若しくは白色焼成多孔
質鉛筆芯に更に染料インクを含浸して得られる鉛筆芯。
この製法によって得られた鉛筆芯による描線は消しゴム
で消去できる。しかしながら、鮮やかな色相で耐熱温度
が高く、かつ人体に無害で鉛筆芯に使用可能な顔料が存
在しないため、着色剤としては焼成後に含浸できる染料
が使用されており、上記(2)及び、(3)の顔料芯と
比較すると耐光性、耐候性が大きく劣る点に欠点を有す
る。また、大きな気孔を有する芯体とすれば顔料分散イ
ンクを含浸することも可能ではあるが、強度が低下する
ためシャープペンシル用鉛筆芯に用いることができない
点に欠点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の鉛筆芯とその製造方法の欠点を解決することであ
り、更に詳しくは焼成鉛筆芯にして強度を強く保ち、し
かも鮮やかな色を出させて耐光性、耐候性に優れた描線
を描かせ、消しゴムによる消去性を有するなどの特性を
同時に満足する鉛筆芯とその製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、白色多孔質焼成
鉛筆芯を作製し、この鉛筆芯の開気孔に顔料前駆体を含
む液等を含浸させ、更に開気孔内で顔料化反応させるこ
とにより目的の鉛筆芯を得ることに成功し、本発明を完
成するに至ったのである。すなわち、
【0009】本発明は、開気孔を持つ焼成鉛筆芯の該開
気孔内において、顔料前駆体を顔料化反応により反応さ
せて得た顔料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯
であり、また、開気孔を持つシャープペンシル用高強度
焼成鉛筆芯の該開気孔内において、顔料前駆体を顔料化
反応により反応させて得た顔料を少なくとも着色剤とし
て含む焼成鉛筆芯であり、更に、本発明の焼成鉛筆芯の
製造方法は、開気孔を持つ焼成鉛筆芯を製造した後、該
開気孔内に顔料前駆体を含む液を含浸せしめ、さらに該
顔料前駆体を開気孔内で反応させて顔料化した物質を少
なくとも着色剤として含むことを特徴とする。
【0010】本発明に用いられる多孔質鉛筆芯は、強度
を問題にしなければ、製造方法を問わず、何れも使用可
能であるが、強度が低くてよければ前記の(2)又は
(3)の製造方法でも顔料を着色剤とし得るので、本発
明の特徴を発揮させるには、強度を高く保持できる焼成
多孔質鉛筆芯が望ましい。
【0011】以下に、本発明の内容を説明する。本発明
に用いられる多孔質鉛筆芯の開気孔は、その開気孔内で
顔料化反応を行うことが可能な大きさの開気孔を有する
ものならば特に、その形状、構造及びその製造方法は限
定されず、いずれも使用することができる。好ましく
は、強度を高く保持できる焼成多孔質鉛筆芯が望まし
く、この焼成多孔質鉛筆芯(後述する実施例1〜4の鉛
筆芯など)を用いた場合は、特に、シャープペンシル用
などの細径、直径1.0mm以下の鉛筆芯に有用である。
この焼成多孔質鉛筆芯の製法としては、例えば、窒化ホ
ウ素、粘土、有機物質等を混練、成形、焼成して得られ
た淡色若しくは白色多孔質鉛筆芯が挙げられる。
【0012】開気孔内で顔料化反応を行うことが可能な
開気孔径の最小値としては、概ね0.1μmと考えられ
るため、全て0.1μm以上の開気孔を有するものを使
用することが望ましいが、開気孔の分布を考慮した場
合、0.1μmより小さい範囲にも開気孔が分布されて
いると、有機顔料を含まない開気孔や、顔料前駆体が含
まれていても、顔料化反応不完全な顔料を含むことにな
り、発色性が悪くなったり、耐光性、耐候性が劣る結果
となるため、0.1μmより小さい開気孔は容積で40
%以下に、より好ましくは20%以下に抑えるべきであ
る。また、開気孔径の最大値としては、0.5μm以下
が好ましい。0.5μmを越える大きな開気孔でも勿論
顔料前駆体含浸、顔料化反応を行わせることは可能であ
るが、必要以上に開気孔を大きくしても、筆記に必要な
強度に達しにくく、強度を向上させると硬く、筆記感触
がガリガリの芯しか得られないからである。
【0013】また、紙面に対する着色性を考慮すると開
気孔を有する鉛筆芯は、開気孔が0.1μm以上0.5
μm以下の開気孔率が7%以上、より好ましくは12%
以上であることが望ましい。特に、本発明の製造方法に
よれば、芯基体を焼成して、製造後に開気孔内で顔料を
作らせるので、顔料の耐熱温度と無関係に焼成温度を高
くして、高強度にできることが特徴であり、この方法を
1番必要とするのは、シャープペンシル用色鉛筆芯であ
る。この場合、強度を考慮すると容積が0.1μm以上
0.3μm以下の範囲に75%以上、より好ましくは9
0%以上の開気孔が分布している多孔質鉛筆芯を使用す
ることが好ましい。
【0014】多孔質鉛筆芯の色については、彩度が高い
鮮やかな色鉛筆芯を製造する場合には、白色芯を使用し
なければならないが、彩度が低いディープトーンの色を
製造する場合は、弁柄等の人体に無害な耐熱性無機顔料
が配合された多孔芯を使用しても構わない。また、従来
の黒鉛による黒い芯の開気孔内で顔料化を行い、赤味の
黒、青味の黒の鉛筆芯を製造することも可能である。
【0015】本発明に用いられる顔料前駆体は、アゾ顔
料の製造に用いられる従来公知のベース成分及びカップ
リング成分であり、鉛筆芯の開気孔内に含浸できるもの
ならば、特に限定されず、いずれも使用可能である。ベ
ース成分としては、例えば、アンスラニル酸、スルファ
ニル酸、2−クロル−5−トルイジン−4−スルホン
酸、p−トルイジン−m−スルホン酸、2−ナフチルア
ミン−1−スルホン酸、4−ニトロ−2−トルイジン、
3−ニトロ−4−トルイジン、4−クロル−2−ニトロ
アニリン、4−カルボイルアミノ−2−アニシジン、
2,4,5−トリクロルアニリン、3−アミノ−4−メ
トキシ−2′−メチル−3′−クロルベンズアニライ
ド、4−ベンゾイルアミノ−5−メチル−2−メトキシ
アニリン、3,3′−ジクロルベンジジン、ジアニシジ
ン等を用いることができる。これらのベース成分は、常
法に従ってジアゾ化しジアゾ液として調製した後開気孔
内に含浸せしめることが好ましい。
【0016】一方、カップリング成分としては、例え
ば、β−ナフトール、β−オキシナフトエ酸、2−ナフ
トール−6−スルホン酸、2−ヒドロキシナフタレン−
3−カルボイルアニライド、2−ヒドロキシナフタレン
−3−カルボイル−4′−クロルベンゼン、2−ヒドロ
キシナフタレン−3−カルボイル−2′−メチルアニラ
イド、2−ヒドロキシナフタレン−3−カルボイルアミ
ド、1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、アセ
トアセトアニライド、アセトアセトパラトルイダイド等
を用いることができる。これらのカップリング成分は、
常法に従って下漬液として調製した後開気孔内に含浸せ
しめる。
【0017】本発明において調製される顔料は、例え
ば、前記芳香族アミン等のベース成分を濃度1〜10%
程度の水性スラリーとし当モル以上の塩酸等の酸で酸性
化した後、亜硝酸ソーダ当モルを加えてジアゾ化してジ
アゾ液を調製し、別に調製した前記下漬液(カップリン
グ成分)とカップリング反応し顔料化することにより得
られる。
【0018】本発明の鉛筆芯は、前記顔料化を鉛筆芯の
開気孔内で行うことを特徴とし、好ましくは、該開気孔
内にジアゾ液又は下漬液のどちらか一方を含浸してお
き、次に下漬液又はジアゾ液を含浸させてカップリング
反応し、必要によりカップリング反応を金属塩の存在下
で行って製造される。
【0019】その際、カップリング反応助剤又は含浸の
促進剤として界面活性剤やその他の添加剤を使用するこ
とができ、また、加熱、減圧、加圧により含浸を促進さ
せることもできる。
【0020】なお、顔料化反応が終了した鉛筆芯の余分
の開気孔にさらに繰り返し顔料前駆体を含む液を含浸し
て顔料化を行い、より色調を濃くすることも可能であ
る。
【0021】また、余分の開気孔に開気孔内で顔料化し
た色と同一及び/又は異なる色の染料インクを含浸させ
て補色、混色することも可能であるし、また、染料の耐
光性の低さを逆に利用して、光で変色する鉛筆芯を製造
することも可能である。さらに、余分の開気孔にオイル
等を含浸させて筆記時の潤滑性を向上させることも可能
である。
【0022】
【作用】白色多孔質鉛筆芯の開気孔内に顔料前駆体を含
む液を含浸し、更に、該顔料前駆体を反応させて顔料化
を行うので、従来の非焼成鉛筆芯のように彩度が高く、
鮮やかな色の鉛筆芯が得られる。従来の白色多孔質鉛筆
芯に染料インクを含浸させただけの芯と異なり、着色剤
として顔料を含むため、耐光性、耐候性に優れた鉛筆芯
が得られる。従来の非焼成鉛筆芯のようにワックスを含
まないため、消しゴムによる消去性に優れる。焼成後に
顔料を形成させるので、顔料の耐熱温度の制約がなく、
高温で焼成でき、高強度の色鉛筆芯を得る。
【0023】
【実施例】次に、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定
されるものではない。
【0024】〔実施例1〕 合成カオリナイト 35重量% 窒化ホウ素 40重量% ポリビニルアルコール 18重量% ポリエチレングリコール 7重量% 上記配合組成物に同重量に相当する水を加えてこれらを
ミキサーで混合、分散させた後に2本ロールで混練しな
がら水分調整し、この混練物をプランジャー型押出機に
て押出成形した後、100℃で10時間乾燥し、アルゴ
ンガス雰囲気中で1100℃まで昇温して1100℃で
1時間焼成した。さらに、空気中で700℃まで昇温し
て700℃で5時間焼成し、直径0.570mmの焼成白
色多孔質鉛筆芯を得た。
【0025】この多孔質鉛筆芯を、2−ヒドロキシナフ
タレン−3−カルボニルアニライドを苛性ソーダと共に
加熱溶解して得た5%濃度の水性液(下漬液)中に50
℃−3時間浸漬し、次に、4−カルボイルアミノ−2−
アニシジンを常法に従ってジアゾ化して得た3.5%濃
度の水性液(ジアゾ液)中に5℃−3時間浸漬して、開
気孔中にC.I.Pigment Red245を形成
させ、水中で90℃−30分加熱後、水洗、乾燥して直
径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0026】〔実施例2〕前記実施例1と同様に調製し
た焼成白色多孔質鉛筆芯に実施例1の含浸、顔料化工程
を3回繰り返して直径0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を
得た。
【0027】〔実施例3〕前記実施例1と同様の焼成白
色多孔質鉛筆芯を2−ヒドロキシナフタレン−3−カル
ボイルアニライドを苛性ソーダと共に加熱溶解して得た
5%濃度の水性液(下漬液)中に50℃−3時間浸漬
し、次に、4−ニトロ−2−トルイジンを常法に従って
ジアゾ化して得た3%濃度の水性液(ジアゾ液)中に5
℃−3時間浸漬して開気孔中にC.I.Pigment
Red22を形成させ、水中で90℃−30加熱後、
水洗、乾燥して直径0.570mmの焼成赤鉛筆芯を得
た。
【0028】〔実施例4〕前記実施例1と同様の焼成白
色多孔質鉛筆芯を3,3′−ジクロルベンジジンをテト
ラゾ化して得た5%濃度の水性液中に10℃−5時間浸
漬し、次に、アセトアセトアニライドを苛性ソーダと共
にメタノール/水混合液中に溶解し、酢酸を加えて酸性
化して得た10%濃度の下漬液(メタノール/水=重量
比8/2)中に20℃−3時間浸漬して開気孔中にC.
I.Pigment Yellow12を形成させ、水
中で90℃−30分加熱後、水洗、乾燥して直径0.5
70mmの焼成黄色鉛筆芯を得た。
【0029】〔実施例5〕前記実施例1と同様の焼成白
色多孔質鉛筆芯をβ−オキシナフトエ酸及びロジン(β
−オキシナフトエ酸に対し40重量%)をメタノールに
溶解後苛性ソーダ水溶液を加えて調製した5%濃度の下
漬液(メタノール/水=重量比9/1)中に20℃−3
時間浸漬し、次に、p−トルイジン−m−スルホン酸を
常法に従ってジアゾ化後、塩化カルシウム(p−トルイ
ジン−m−スルホン酸に対し1.5倍モル量)、メタノ
ールを加えて調整した1%濃度のジアゾ液(メタノール
/水=重量比6/4)中に5℃−6時間浸漬して開気孔
中にC.I.PigmentRed57:1を形成さ
せ、水中で80℃−30分加熱後、水洗、乾燥して直径
0.570mmの焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0030】〔比較例1〕前記実施例1と同様の焼成白
色多孔質鉛筆芯にC.I.Solvent Red8に
よるボールペンインクを含浸させ、直径0.570mmの
焼成赤色鉛筆芯を得た。
【0031】〔比較例2〕前記実施例1と同様の焼成白
色多孔質鉛筆芯にC.I.Solvent Yello
w21によるボールペンインクを含浸させ、直径0.5
70mmの焼成黄色鉛筆芯を得た。
【0032】〔比較例3〕 硝酸セルロース 30重量% タルク 30重量% ステアリン酸カルシウム 20重量% モンタンワックス 5重量% 不溶性ジアゾ顔料 15重量% (C.I.Pigment Red22) 上記配合組成物に同重量に相当するメチルエチルケトン
を加えてこれらをニーダーで混合、分散させて後に2本
ロールで混練しながら溶剤分を調整し、この混練物をペ
レット化してプランジャー型押出機にて押出成形した
後、50℃で60時間乾燥して直径0.569mmの非焼
成赤色鉛筆芯を得た。
【0033】前記実施例1〜5及び比較例1〜3より得
られた夫々の色鉛筆芯について、耐光性ΔL*と消しゴ
ムによる消去性の評価を行った。評価は次の様に行っ
た。その結果を下記表1に示す。なお、耐光性ΔL*と
消去性の評価は下記のとおりである。 耐光性(ΔL*) : 上質紙に描画後、キセノンランプ
にて6時間照射し、その照射前後の明度指数L*の差を
測定した。明度指数の差ΔL*が小さい程、耐光性が良
好である。 消去性 : 上質紙に描画後、消しゴムにて容
易に消去可能なものを○とし、また、消しゴムにて消去
不可能なものを×として評価した。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から明らかなように、本発明と
なる実施例1〜5の開気孔内に少なくとも着色剤として
顔料化反応により合成された顔料を含む焼成色鉛筆芯
は、耐光性と消去性が共に良好であることが判明した。
これに対して、比較例1〜3をみると、比較例1及び比
較例2の染料を着色剤とする焼成色鉛筆芯は、耐光性が
悪く、また、比較例3の顔料を着色剤とする非焼成色鉛
筆芯は、耐光性は良好であるが、消去性が悪いことが判
り、これら比較例1〜3では耐光性及び消去性を共に満
足することができないことが判明した。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、開気孔を有する焼成鉛
筆芯の該開気孔内に少なくとも着色剤として、顔料化反
応により合成された顔料を含むため、優れた耐光性、耐
候性を有し、彩度が高く、鮮やかな色を有し、かつ消し
ゴムで容易に消去できる鉛筆芯が提供される。また、本
発明方法によれば、開気孔を有する焼成鉛筆芯を製造し
た後、該開気孔内に顔料前駆体を含む液を含浸せしめ、
さらに該顔料前駆体を開気孔内で反応させて顔料化した
物質を少なくとも着色剤として含むので、優れた耐光
性、耐候性を有し、彩度が高く、鮮やかな色を有し、か
つ消しゴムで容易に消去できる鉛筆芯の製造方法が提供
される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開気孔を持つ焼成鉛筆芯の該開気孔内に
    おいて、顔料前駆体を顔料化反応により反応させて得た
    顔料を少なくとも着色剤として含む焼成鉛筆芯。
  2. 【請求項2】 開気孔を持つシャープペンシル用高強度
    焼成鉛筆芯の該開気孔内において、顔料前駆体を顔料化
    反応により反応させて得た顔料を少なくとも着色剤とし
    て含む焼成鉛筆芯。
  3. 【請求項3】 開気孔を持つ焼成鉛筆芯を製造した後、
    該開気孔内に顔料前駆体を含む液を含浸せしめ、さらに
    該顔料前駆体を開気孔内で反応させて顔料化した物質を
    少なくとも着色剤として含むことを特徴とする焼成鉛筆
    芯の製造方法。
JP28305994A 1994-11-17 1994-11-17 焼成鉛筆芯とその製造方法 Withdrawn JPH08143811A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6746524B1 (en) 1999-05-28 2004-06-08 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Process for producing sintered color pencil lead

Cited By (1)

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US6746524B1 (en) 1999-05-28 2004-06-08 Mitsubishi Pencil Kabushiki Kaisha Process for producing sintered color pencil lead

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