JPH08143675A - シリコーンレジンおよびその製造方法 - Google Patents

シリコーンレジンおよびその製造方法

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JPH08143675A
JPH08143675A JP6314183A JP31418394A JPH08143675A JP H08143675 A JPH08143675 A JP H08143675A JP 6314183 A JP6314183 A JP 6314183A JP 31418394 A JP31418394 A JP 31418394A JP H08143675 A JPH08143675 A JP H08143675A
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JP
Japan
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group
formula
silicone resin
monovalent hydrocarbon
sio
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Application number
JP6314183A
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English (en)
Inventor
Makoto Yoshitake
誠 吉武
Toshio Saruyama
俊夫 猿山
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アルコキシ基およびアクリロキシ基もしくは
メタクリロキシ基含有有機基を有する新規なフェニル基
含有シリコーンレジンおよびその製造方法。 【構成】 平均組成式: (R1SiO3/2x(R12SiO2/2y(R123SiO1/2z {式中、R1は同種もしくは異種の一価炭化水素基また
は式(1) (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、aは1
〜3の整数である。)で示されるアクリロキシ基もしく
はメタクリロキシ基含有有機基であり、R2は同種もし
くは異種の一価炭化水素基またはアルコキシ基であり、
3はアルコキシ基である。xおよびyは正数であり、
zは0または正数である。}で示され、ポリスチレン換
算での数平均分子量が500〜50,000であるシリ
コーンレジン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシリコーンレジン
およびその製造方法に関し、詳しくは、アルコキシ基お
よびアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機
基を有する新規なフェニル基含有シリコーンレジンおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フェニル基含有シリコーンレジン
(フェニルシリコーンレジン)は優れた耐熱性と電気絶
縁性を有することから、高温下に晒される絶縁材料や塗
料として利用されている。このようなフェニルシリコー
ンレジンとしては、反応性官能基を有するものが多数提
案されており、例えば、シラノール基を有するフェニル
シリコーンレジンは、縮合反応促進触媒の存在下または
高温に加熱することにより高分子量化して硬い皮膜を形
成することが知られている[日刊工業新聞社発行「シリ
コーンハンドブック」(1990年8月31日発行),P468〜P
470参照]。また、アルコキシ基含有シリコーンレジン
は、縮合反応促進触媒の存在下、空気中の水分により加
水分解して高分子量化するという性質を有し、かつ、硬
化後、各種基材に対して高い接着性を有することが知ら
れている(特開平5ー239214号公報、特開昭50
ー77500号公報参照)。しかし、このアルコキシ基
含有シリコーンレジンは硬化に要する時間が長いという
問題点があった。アクリロキシ基もしくはメタクリロキ
シ基含有有機基を有するシリコーンレジンは、ラジカル
重合開始剤の存在下での加熱や、紫外線などの高エネル
ギー線を照射することによって生成する遊離ラジカルに
より容易に重合して高分子量化することが知られている
(特開平1−299827号公報、特開昭63−196
629号公報、特開昭61−181835号公報参
照)。しかし、これらのシリコーンレジンは各種基材に
対する接着性に劣るという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解消するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。本発明の目的は、アルコキシ基およびアクリロキシ
基もしくはメタクリロキシ基含有有機基を有する新規な
フェニル基含有シリコーンレジンおよびその製造方法、
すなわち、ラジカル重合開始剤の存在下での加熱や、紫
外線、電子線などの高エネルギー線照射下でのラジカル
重合反応による高分子量化が容易であり、硬化に要する
時間が短く、かつ、硬化後、各種基材に対して優れた接
着性を有する硬化皮膜となり得る新規なシリコーンレジ
ンおよびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、平均組成式: (R1SiO3/2x(R12SiO2/2y(R123SiO1/2z {式中、R1は同種もしくは異種の一価炭化水素基また
は式:
【化3】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、aは1
〜3の整数である。)で示されるアクリロキシ基もしく
はメタクリロキシ基含有有機基であり、R2は同種もし
くは異種の一価炭化水素基または式:R5O−(式中、
5は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアル
キル基である。)で示されるアルコキシ基であり、R3
は式:R5O−(式中、R5は前記と同様である。)で示
されるアルコキシ基である。xおよびyは正数であり、
zは0または正数である。}で示され、ポリスチレン換
算での数平均分子量が500〜50,000であるシリ
コーンレジン(ただし、該シリコーンレジンにおいて、
全シロキサン単位の10〜40モル%はアクリロキシ基
もしくはメタクリロキシ基含有有機基を有するシロキサ
ン単位であり、全一価炭化水素基の20モル%以上はフ
ェニル基であり、総アルコキシ基量はアクリロキシ基も
しくはメタクリロキシ基含有有機基の総量の1.0〜3.
0倍モルである。)、および (A)平均組成式:(R6SiO3/2m(R6 2SiO2/2n (式中、R6は同種もしくは異種の一価炭化水素基であ
り、mは正数であり、nは0または正数である。)で示
されるシリコーンレジンと、 (B)一般式:
【化4】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、R5は炭
素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基で
あり、R6は同種もしくは異種の一価炭化水素基であ
る。aは1〜3の整数であり、bは0または1であ
る。)で示されるオルガノアルコキシシラン{ただし、
(A)成分および(B)成分中のR6で示される全一価
炭化水素基の内、20モル%以上はフェニル基であ
る。}を、無水条件下で塩基性触媒の存在下に平衡化反
応させることを特徴とする、上記シリコーンレジンの製
造方法に関するものである。
【0005】最初に、本発明のシリコーンレジンについ
て詳細に説明する。本発明のシリコーンレジンは、平均
組成式: (R1SiO3/2x(R12SiO2/2y(R123SiO1/2z で示され、ポリスチレン換算での数平均分子量が500
〜50,000のものである。上式中、R1は同種もしく
は異種の一価炭化水素基または式:
【化5】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、aは1
〜3の整数である。)で示されるアクリロキシ基もしく
はメタクリロキシ基含有有機基である。一価炭化水素基
として具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,
ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,イソプロピル基,
イソブチル基,2−エチルヘキシル基,シクロヘキシル
基等のアルキル基;ビニル基,アリル基,ブテニル基,
ペンテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニ
ル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等のアリール
基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;クロ
ロメチル基,3ークロロプロピル基,3,3,3ートリフ
ロロプロピル基,ノナフロロブチルエチル基等の置換ア
ルキル基が例示される。アクリロキシ基もしくはメタク
リロキシ基含有有機基として具体的には、3ーアクリロ
キシプロピル基,3ーメタクリロキシプロピル基,アク
リロキシメチル基,メタクリロキシメチル基が例示され
る。R2は同種もしくは異種の一価炭化水素基または
式:R5O−で示されるアルコキシ基である。一価炭化
水素基としては前記と同様な基が挙げられる。R5は炭
素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基で
あり、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,
ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,イソプロピル基,
イソブチル基,2−エチルヘキシル基,シクロヘキシル
基等の非置換のアルキル基;ベンジル基,クロロメチル
基,3−クロロプロピル基,2ーメトキシエチル基,2
−(2−メトキシエトキシ)エチル基等の置換アルキル
基が例示される。R3は式:R5O−で示されるアルコキ
シ基であり、R5は前記と同様である。xおよびyは正
数であり、zは0または正数である。本発明のシリコー
ンレジンにおいて、全シロキサン単位の10〜40モル
%はアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機
基を有するシロキサン単位である。これは、この範囲外
ではアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機
基によるラジカル重合反応での高分子量化が不十分とな
るためである。また、R1およびR2で示される全一価炭
化水素基の内、20モル%以上はフェニル基である。こ
れは、フェニル基が20モル%未満であると耐熱性が低
下するためである。本発明のシリコーンレジン中の総ア
ルコキシ基量は上記アクリロキシ基もしくはメタクリロ
キシ基含有有機基の総量の1.0〜3.0倍モルである。
これは、シリコーンレジン中のアルコキシ基が、アクリ
ロキシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機基を1個有
する3官能性もしくは2官能性のオルガノアルコキシシ
ランを原料として導入されるためである。
【0006】このような本発明のシリコーンレジンとし
ては、下記平均組成式で示されるようなシリコーンレジ
ンが例示される。下式中、Meはメチル基であり、Ph
はフェニル基であり、Aは3−アクリロキシプロピル基
または3−メタクリロキシプロピル基である。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0007】次に、本発明の製造方法について詳細に説
明する。本発明の製造方法は、(A)平均組成式:(R
6SiO3/2m(R6 2SiO2/2n(式中、R6は同種も
しくは異種の一価炭化水素基であり、mは正数であり、
nは0または正数である。)で示されるシリコーンレジ
ンと、 (B)一般式:
【化11】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、R5は炭
素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基で
あり、R6は同種もしくは異種の一価炭化水素基であ
る。aは1〜3の整数であり、bは0または1であ
る。)で示されるオルガノアルコキシシラン{ただし、
(A)成分および(B)成分中のR6で示される全一価
炭化水素基の内、20モル%以上はフェニル基であ
る。}を、無水条件下で塩基性触媒の存在下に平衡化反
応させることを特徴とする。
【0008】本発明の製造方法に使用される(A)成分
のシリコーンレジンは上式で示されるものであり、式
中、R6は同種もしくは異種の一価炭化水素基であり、
メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基,イソプロピル基,イソブチル基,2−
エチルヘキシル基,シクロヘキシル基等のアルキル基;
ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキ
セニル基等のアルケニル基;フェニル基,トリル基,キ
シリル基,ナフチル基等のアリール基;ベンジル基,フ
ェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基,3ーク
ロロプロピル基,3,3,3ートリフロロプロピル基,ノ
ナフロロブチルエチル基等の置換アルキル基が例示され
る。mは正数であり、nは0または正数である。このよ
うな本成分のシリコーンレジンとしては、例えば、式:
(PhSiO3/260(Me2SiO2/22 0(式中、P
hはフェニル基であり、Meはメチル基である。)で示
されるシリコーンレジンが挙げられる。
【0009】本発明の製造方法に使用される(B)成分
のオルガノアルコキシシランは上式で示されるものであ
り、式中、R4は水素原子またはメチル基である。R5
炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基
であり、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,イソプロピル
基,イソブチル基,2−エチルヘキシル基,シクロヘキ
シル基等の非置換のアルキル基;ベンジル基,クロロメ
チル基,3−クロロプロピル基,2ーメトキシエチル
基,2−(2−メトキシエトキシ)エチル基等の置換ア
ルキル基が例示される。R6は同種もしくは異種の一価
炭化水素基であり、前記と同様な基が挙げられる。aは
1〜3の整数であり、bは0または1である。このよう
な(B)成分のオルガノアルコキシシランとしては、例え
ば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン,3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,
3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3
−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられ
る。
【0010】本発明の製造方法において、(A)成分お
よび(B)成分中のR6で示される全1価炭化水素基の
内、20モル%以上はフェニル基であることが必要であ
る。
【0011】本発明の製造方法は(A)成分と(B)成
分を塩基性触媒の存在下に平衡化反応させることを特徴
とする。使用できる塩基性触媒として具体的には、水酸
化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化セシウム等のア
ルカリ金属の水酸化物;ナトリウム−t−ブトキシド,
カリウム−t−ブトキシド,セシウム−t−ブトキシド
等のアルカリ金属のアルコキシド;ナトリウムシラノレ
ート化合物,カリウムシラノレート化合物,セシウムシ
ラノレート化合物等のアルカリ金属のシラノレート化合
物が例示され、特に好ましくはカリウム系触媒およびセ
シウム系触媒である。このような塩基性触媒には、固形
状のものをそのまま使用してもよく、また溶剤に溶解さ
せたものを使用してもよい。塩基性触媒の使用量は
(A)成分と(B)成分の合計重量に対して10〜1
0,000ppmの範囲内であることが好ましく、さら
に100〜5,000ppmの範囲内であることがより
好ましい。
【0012】本発明の製造方法は無水条件下で行う必要
がある。これは、反応系に水分が存在すると(A)成分
と(B)成分がほとんど反応しないためである。原料や
触媒中に水分が存在する場合には、反応前に乾燥剤を加
えたり、有機溶剤を用いて共沸脱水したりして除去する
必要がある。
【0013】本発明の製造方法における反応温度は、反
応を円滑に進行させるために、通常、80〜200℃の
範囲内であり、好ましくは100〜150℃の範囲内で
ある。
【0014】本発明の製造方法では、反応系を均一に保
ち、粘性増大による反応速度低下を抑えるために、有機
溶剤を使用するのが好ましい。使用できる有機溶剤とし
ては、シリコーンレジンを溶解するものであればよく、
具体的には、トルエン,キシレン等の芳香族系有機溶
剤;アセトン,メチルイソブチルケトン等のケトン系有
機溶剤;ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族有機
溶剤が例示され、好ましくは芳香族系有機溶剤である。
また、沸点が80〜200℃の範囲内にある有機溶剤を
選択することにより、還流温度で容易に反応を行うこと
ができる。
【0015】本発明の製造方法において、平衡化反応が
進行するにつれて、(B)成分中のアクリロキシ基もし
くはメタクリロキシ基含有有機基を有するシロキサン単
位はレジン構造に取り込まれ、また、アルコキシ基は各
シロキサン単位に同濃度で分布する。このような反応挙
動は、ガスクロマトグラフィー分析による(B)成分の
定量,ゲル透過クロマトグラフィー分析によるアクリロ
キシ基もしくはメタクリロキシ基含有有機基の各分子量
領域における濃度分布観察,および核磁気共鳴スペクト
ル分析による各シロキサン単位中のアルコキシ基濃度の
測定などにより確認することができる。反応終了後に塩
基性触媒を中和するには、炭酸ガス,カルボン酸等の弱
酸を添加するのが好ましい。中和により生じた塩は、濾
過または水洗により容易に除去することができる。
【0016】以上のような本発明のシリコーンレジン
は、ラジカル重合開始剤の存在下での加熱や、紫外線、
電子線などの高エネルギー線照射下でのラジカル重合反
応による高分子量化が容易であり、硬化に要する時間が
短く、かつ、硬化後、各種基材に対して優れた接着性を
有する硬化皮膜となり得る。またこの硬化皮膜は、優れ
た耐熱性を有する。さらに本発明のシリコーンレジン
は、分子中のアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基
含有有機基およびケイ素原子結合アルコキシ基の反応性
を利用して、電気絶縁材料,耐熱材料,保護コーティン
グ材料等の硬化材料として利用することができる。ま
た、各種有機樹脂との共重合体を合成したり、硬化性有
機樹脂に添加したりすることにより、有機樹脂の物理特
性改質剤としても有用である。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、実施例中、数平均分子量および重量平均分子
量は、ゲル透過クロマトグラフィー分析による測定結果
から求めたポリスチレン換算での値である。Meはメチ
ル基であり、Phはフェニル基である。
【0018】
【実施例1】反応容器に、平均組成式:(PhSiO
3/260(Me2SiO2/220で示されるシリコーンレ
ジン46.2グラムを秤量し、これにトルエン69.4グ
ラムを加えて室温で混合して均一な溶液を得た。この溶
液に10%水酸化セシウム水溶液1.4グラムを加えて
加熱還流して、水分離管から溶液中の水分を除去した。
水分が留出しなくなったところで溶液を50℃まで冷却
し、次いで3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン23.2グラムを加えて10時間加熱還流し
た。反応液を室温まで冷却した後、酢酸0.12グラム
を加えて1時間攪拌した。攪拌後、反応液を濾過し、濾
液を減圧下で加熱しながらトルエンおよびその他の低沸
点物を除去して、無色透明な液体68.1グラムを得
た。得られた反応生成物の数平均分子量は1,701で
あり、重量平均分子量は2,677であった。得られた
反応生成物を、13C−核磁気共鳴スペクトル分析(以
下、13C−NMR)および29Si−核磁気共鳴スペクト
ル分析(以下、29Si−NMR)により分析したとこ
ろ、次の平均組成式で示されるシリコーンレジンである
ことが確認された。
【化12】 (式中、Aは3−メタクリロキシプロピル基である。)
【0019】
【実施例2】反応容器に、平均組成式:(PhSiO
3/265(Me2SiO2/220で示されるシリコーンレ
ジン49.4グラムを秤量し、これにトルエン22.7グ
ラムを加えて室温で混合して均一な溶液を得た。この溶
液に10%水酸化セシウム水溶液1.3グラムを加えて
加熱還流して、水分離管から溶液中の水分を除去した。
水分が留出しなくなったところで溶液を50℃まで冷却
し、次いで3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン18.6グラムを加えて7時間加熱還流した。反応
液を室温まで冷却した後、酢酸0.08グラムを加えて
1時間攪拌した。攪拌後、反応液を濾過し、濾液を減圧
下で加熱しながらトルエンおよびその他の低沸点物を除
去して、無色透明な液体65.3グラムを得た。得られ
た反応生成物の数平均分子量は1,624であり、重量
平均分子量は2,169であった。得られた反応生成物
を、13C−NMRおよび29Si−NMRにより分析した
ところ、次の平均組成式で示されるシリコーンレジンで
あることが確認された。
【化13】 (式中、Aは3−メタクリロキシプロピル基である。)
【0020】
【比較例1】実施例1において、3−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシランを加える前に水分除去操
作を行わなかった以外は実施例1と同様にして反応を行
ったところ、反応がほとんど進行しなかった。反応混合
物をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、仕込
み量の96%に相当するメタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシランが反応せずに残存していることが確認
された。
【0021】
【応用例】実施例1で得られたシリコーンレジン10グ
ラムと2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオフェノン
[メルク社製,商品名ダロキュアー1173]0.3グ
ラムを室温で均一になるまで混合した。この混合液を、
スピンコーターを用いてアルミニウム板上に膜厚が約
0.1mmとなるように塗布した。塗布後、コンベヤー
式紫外線照射装置により光量100mJ/cm2の紫外
線を照射して塗膜を硬化させた。このとき得られた硬化
被膜を試料1とした。この被膜をさらに200℃のオー
ブン中に1時間放置した後、冷却した。このようにして
得られた硬化被膜を試料2とした。これらの硬化被膜
(試料1および試料2)の鉛筆硬度を、JIS K54
00の8.4.2の方法に従って測定した。また、碁盤目
密着性試験を、JIS K5400の8.5.2の方法に
従って行った。それらの結果を表1に示した。比較のた
め、上記において、前記シリコーンレジンの代わりに平
均組成式: (Me3SiO1/210(ASiO3/25(SiO4/2
10 (式中、Aは3−メタクリロキシプロピル基である。)
で示されるシリコーンレジン10グラムを用いた以外は
上記と同様にして、2ーヒドロキシー2ーメチルプロピ
オフェノンとの混合液をアルミニウム板上に塗布し、光
量100mJ/cm2の紫外線を照射したが塗膜は硬化
しなかった。さらに紫外線の照射を継続したところ、合
計1,300mJ/cm2の紫外線を照射した後に硬化被
膜が得られた。この硬化被膜を試料3とした。この被膜
を200℃のオーブン中に1時間放置した後、冷却し
た。このようにして得られた硬化被膜を試料4とした。
これらの硬化被膜(試料3および試料4)の鉛筆硬度
を、JIS K5400の8.4.2の方法に従って測定
した。また、碁盤目密着性試験を、JIS K5400
の8.5.2の方法に従って行った。それらの結果を表1
に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明のシリコーンレジンは、アルコキ
シ基およびアクリロキシ基もしくはメタクリロキシ基含
有有機基を有する新規なフェニル基含有シリコーンレジ
ンであり、ラジカル重合開始剤の存在下での加熱や、紫
外線、電子線などの高エネルギー線照射下でのラジカル
重合反応による高分子量化が容易であり、硬化に要する
時間が短く、かつ、硬化後、各種基材に対して優れた接
着性を有する硬化皮膜となり得るという特徴を有する。
また、本発明の製造方法はこのようなシリコーンレジン
を効率よく製造できるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で得られたシリコーンレジ
ンの13C−核磁気共鳴NMRスペクトルチャートであ
る。
【図2】 図2は、実施例1で得られたシリコーンレジ
ンの29Si−核磁気共鳴NMRスペクトル分析チャート
である。
【図3】 図3は、実施例2で得られたシリコーンレジ
ンの13C−核磁気共鳴NMRスペクトルチャートであ
る。
【図4】 図4は、実施例2で得られたシリコーンレジ
ンの29Si−核磁気共鳴NMRスペクトル分析チャート
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均組成式: (R1SiO3/2x(R12SiO2/2y(R123SiO1/2z {式中、R1は同種もしくは異種の一価炭化水素基また
    は式: 【化1】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、aは1
    〜3の整数である。)で示されるアクリロキシ基もしく
    はメタクリロキシ基含有有機基であり、R2は同種もし
    くは異種の一価炭化水素基または式:R5O−(式中、
    5は炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアル
    キル基である。)で示されるアルコキシ基であり、R3
    は式:R5O−(式中、R5は前記と同様である。)で示
    されるアルコキシ基である。xおよびyは正数であり、
    zは0または正数である。}で示され、ポリスチレン換
    算での数平均分子量が500〜50,000であるシリ
    コーンレジン(ただし、該シリコーンレジンにおいて、
    全シロキサン単位の10〜40モル%はアクリロキシ基
    もしくはメタクリロキシ基含有有機基を有するシロキサ
    ン単位であり、全一価炭化水素基の20モル%以上はフ
    ェニル基であり、総アルコキシ基量はアクリロキシ基も
    しくはメタクリロキシ基含有有機基の総量の1.0〜3.
    0倍モルである。)。
  2. 【請求項2】 (A)平均組成式:(R6SiO3/2m
    (R6 2SiO2/2n(式中、R6は同種もしくは異種の
    一価炭化水素基であり、mは正数であり、nは0または
    正数である。)で示されるシリコーンレジンと、 (B)一般式: 【化2】 (式中、R4は水素原子またはメチル基であり、R5は炭
    素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基で
    あり、R6は同種もしくは異種の一価炭化水素基であ
    る。aは1〜3の整数であり、bは0または1であ
    る。)で示されるオルガノアルコキシシラン{ただし、
    (A)成分および(B)成分中のR6で示される全一価
    炭化水素基の内、20モル%以上はフェニル基であ
    る。}を、無水条件下で塩基性触媒の存在下に平衡化反
    応させることを特徴とする、請求項1記載のシリコーン
    レジンの製造方法。
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