JPH0814364B2 - ごみ焼却装置の制御方法 - Google Patents

ごみ焼却装置の制御方法

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JPH0814364B2
JPH0814364B2 JP2189742A JP18974290A JPH0814364B2 JP H0814364 B2 JPH0814364 B2 JP H0814364B2 JP 2189742 A JP2189742 A JP 2189742A JP 18974290 A JP18974290 A JP 18974290A JP H0814364 B2 JPH0814364 B2 JP H0814364B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ごみ燃焼装置の自動燃焼制御に適用される
ごみ焼却装置の制御方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、ごみ焼却装置の炉はほぼ第4図に示すように構
成され、ごみピットからクレーンで搬送された燃料とし
てのごみは焼却炉1の投入ホッパ2に投入される。
そして、投入されたごみは図中の斜線に示すように堆
積した状態で下方の乾燥火格子3に送られ、この火格子
3により、下方の風箱4からの熱風で乾燥される。
さらに、火格子3の乾燥されたごみは、燃焼火格子5
に送られて燃焼される。
なお、火格子3は前段格子5aと後段格子5bとからな
り、両格子5a,5bにそれぞれの下方の風箱6a,6bからの燃
焼用の熱風が送られる。
そして、火格子5で燃焼されたごみは、完全に燃焼す
るため、後燃焼火格子7で送られてさらに燃焼される。
なお、火格子7にも下方の風箱8からの燃焼用の熱風
が送られる。
また、火格子7の燃焼により生じた灰は、炉内の灰ピ
ット9に堆積する。
そして、炉内の熱によりボイラ10で蒸気が発生し、こ
の蒸気が蒸気管路11を介して外部に送られ、利用され
る。
ところで、各風箱4,6a,6b,8に適当な熱風を供給する
ため、空気管路12の1次空気がエアヒータ13により加熱
され、エアヒータダンパ14及び風箱4,6a,6b,8の下部に
乾燥火格子ダンパ15,燃焼空気ダンパ16a,燃焼火格子ダ
ンパ16b,17により分配調整されて火箱4,6a,6b,8それぞ
れに送られる。
また、炉内には空気管路18の2次空気が送風ダンパ19
を介して直接供給される。
一方、火格子5へのごみ供給及び空気量の供給等を制
御するため、炉内の温度,圧力が温度センサ20,圧力セ
ンサ21により検出され、風箱4,6aの圧力が圧力センサ2
2,23それぞれにより検出される。
また、ボイラ10の発生蒸気量が流量センサ24により検
出され、1次空気,2次空気の量が流量センサ25a,25bに
より検出される。
なお、第4図において、1′は炉内の仕切壁、26はボ
イラ10に接続された水管群を示す。
そして、焼却炉1の各センサ20〜25b等の検出信号
(センサ出力)は、図外の自動燃焼の制御装置に供給さ
れる。
この制御装置は前記ごみ供給,空気量供給及び発生蒸
気量等の装置運転をフィードバック制御するため、通
常、各センサ出力に基づくPID処理により、ダンパ14,1
5,…等の種々のアクチュエータの帰還制御の信号を形成
する。
そして、各アクチュエータの制御により各格子3,5,7
のごみ送りの火格子速度及び風箱4,6a,6b,8の1次空気
量,炉内の2次空気量で決まる燃焼空気量等が調整され
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来のごみ焼却装置の制御方法の場合、比例ゲイ
ンと積分定数とからなる装置運転の各フィードバック制
御利得は、例えば試運転時に決定された値に固定されて
運転中に変更されることはない。
そして、ごみの投入量,質等の何らかの変化によって
炉内の燃焼状態等が変動しても各フィードバック制御の
比例ゲイン,積分定数が常に一定に保持され、各制御利
得が変わらないため、例えば燃焼空気量の調整に基づく
発生蒸気量の制御において、燃焼状態の変動に基づき、
制御利得の過大によるハンチング運転,過小による制御
遅れ等の不安定な状態が発生する。
したがって、制御の安定性が悪く、装置運転の安定化
が図れない問題点がある。
しかも、装置運転をフィードバック制御するとみであ
るため、炉内の燃焼状態等が実際に変動してから装置運
転が制御され、制御遅れ等が生じる問題点もある。
本発明は、炉内の燃焼状態等の変動に応じてフィード
バック制御の各制御利得を最適量にオートチューニング
するとともに、フィードバック制御に起因する制御の遅
れを防止するようにしたごみ焼却装置の制御方法を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前記の目的を達成するために、本発明のごみ焼却装置
の制御方法においては、各センサの検出信号に基づき、
炉内のごみ層厚,ごみ質及び空気量比,発生蒸気量偏差
等の現在の運転状態の種々の指標を求め、 各指標を選択的に用いたファジィ演算により、装置運
転のフィードバック制御利得としての各制御の比例ゲイ
ン,積分定数の燃焼状態の変化予測に応じた補正値をく
り返し求め、 最新の各補正値により各制御の比例ゲイン,積分定数
を燃焼状態に応じて可変調整し、 各センサの検出信号と各制御の比例ゲイン,積分定数
とに基づくフィードバック制御の演算により、装置運転
の各種フィードバック制御信号を形成し、 ファジィ演算により燃焼中のごみのごみ質傾向等を推
定して各フィードバック制御信号のごみ質傾向等の推定
に基づく制御量補正信号を形成し、 各フィードバック制御信号に各制御量補正信号を加算
して各フィードバック制御信号にフィードフォワード制
御の修正を施し、 フィードフォワード制御の修正が施された各フィード
バック制御信号により装置運転を制御する。
〔作用〕
前記のように構成された本発明のごみ焼却装置の制御
方法の場合、炉内に設けられた各種センサの検出信号か
ら現在の運転状態の種々の指標が求められ、各指標を選
択的に用いたファジィ演算により、装置運転のフィード
バック制御利得としての各制御の比例ゲイン,積分定数
を各時点の燃焼状態に応じた最適値に調整する補正値が
くり返し予測して求められる。
そして、求められた最新の各補正値に基づき、フィー
ドバック制御の各制御利得としての比例ゲイン,積分定
数が燃焼状態の変化予測にしたがって自動的に可変調整
され、最適燃焼状態の利得(最適量)にオートチューニ
ングされる。
このオートチューニングにより、各センサの検出信号
と各制御の比例ゲイン,積分定数とに基づいて、燃焼状
態の変動を予測した最適な各種フィードバック制御信号
が形成される。
さらに、ファジィ演算により燃焼中のごみのごみ質傾
向等を推定してこの推定に基づく制御量補正信号が形成
され、この信号により各フィードバック制御信号にフィ
ードフォワード制御の修正が施される。
そして、この修正が施された各フィードバック制御信
号により装置運転が制御されるため、炉内の燃焼状態の
変動を予測して装置運転が安定にフィードバック制御さ
れ、しかも、このフィードバック制御に、投入されたご
みのごみ質傾向の変化等の推定に基づくフィードフォワ
ード制御の修正が加味されて装置運転の制御精度が極め
て向上し、その上、フィードバック制御に起因する制御
の遅れも防止される。
〔実施例〕
1実施例について、第1図ないし第3図を参照して説
明する。
第1図は第4図のごみ焼却装置に適用した場合の制御
構成を示し、コンピュータ等で形成された自動燃焼の制
御装置27はPID演算部28,ファジィ制御部29,加算部30か
らなる。
そして、第4図の炉内の各センサ20〜25b等が形成す
るセンサ部31の各センサの検出信号は演算部28の入力処
理部28aで収集処理され、検出量演算部28bによりフィー
ドバック制御の信号の生成及び補正値決定のファジィ演
算等に必要な各検出値に加工されて制御量算出部28c及
びファジィ制御部29に供給される。
このとき、制御量算出部28cは各検出値と算出部28c内
の利得設定部28c′に設定された装置運転のフィードバ
ック制御の各制御利得とに基づくフィードバック制御の
演算により、従来と同様のPID処理で各種のフィードバ
ック制御の信号を形成する。
なお、フィードバック制御の各制御利得は、それぞれ
PID制御の比例ゲイン,積分定数からなる。
そして、制御量算出部28cの各信号は加算部30を介し
て第4図の各ダンパ14,15,…等が形成するアクチュエー
タ部32に供給され、この供給に基づき、各ダンパ14,…
の調整量等が制御されてごみ供給量,燃料状態等が調整
され、焼却炉1の燃焼がフィードバック制御される。
一方、ファジィ制御部29は演算部29a及び補正値出力
部29bを有し、装置運転のフィードバック制御の各制御
利得の補正値をくり返し求めて出力する。
すなわち、演算部29aは各センサ出力に基づき、ごみ
供給を示すごみ層厚,ごみ質及び1次,2次空気量比,発
生蒸気量偏差等の現在の運転状態の種々の指標を求めて
把握するとともに、各指標を選択的に用いた複数のファ
ジィ演算をくり返し実行する。
この各ファジィ演算により、フィードバック制御の各
制御利得の補正値が求められる。
つぎに、各フィードバック制御の利得の補正値の1例
として、発生蒸気量制御用の燃焼空気量のダンパ制御の
補正値について説明する。
まず、発生蒸気量制御用の燃焼空気量のダンパ制御に
おいては、つぎの3種の不安定な状態が生じる。
(a)ハンチング状態: 蒸気量偏差が大きく、その変動周期が短い状態。
(b)制御遅れ状態: 蒸気量偏差が大きく、その変動周期が長い状態。
(c)過小運転状態: 燃焼空気の平均値が少ない状態。
そして、前記(a),(b),(c)の状態が発生し
たときは、燃焼空気量のフィードバック制御の比例ゲイ
ン,積分定数をつぎの(a)′,(b)′,(c)′そ
れぞれに示すように補正して安定な状態に戻す。
(a)′比例ゲイン,積分定数を共に小さくする。
(b)′比例ゲイン,積分定数を共に大きくする。
(c)′比例ゲイン,積分定数を状況に応じて共に小さ
くしたりする。
そのため、発生蒸気量制御用の燃焼空気量のダンパ制
御の補正値については、例えば、蒸気量偏差とこの偏差
の変動周期とに基づくつぎの表1の比例ゲイン,表2の
所積分定数のファジィ演算のマトリックスが演算に用い
られる。
なお、両表において、VB(Very Big)は非常に大き
い,LB(Little Big)はやや大きい,ME(Medium)は中
間,LS(Little Small)はやや小さい,VS(Very Small)
は非常に小さいを示し、( )は異常値(通常は使わな
い値)を示す。
そして、前記両表のファジィ演算により、現在の発生
蒸気の状態から燃焼空気量の最適制御利得が推定され、
この推定に基づく比例ゲイン,積分定数の補正値が求め
られる。
この両補正値の信号が補正値出力部29bの利得側出力
部29b′により形成され、この出力部29b′から算出部28
cの利得設定部28c′に供給される。
そして、利得設定部28c′の燃焼空気量のフィードバ
ック制御の既設定の比例ゲイン,積分定数が、最新の補
正値の加算により、自動的に可変調整されて補正され
る。
この補正により、前記(a),(b),(c)の不安
定な状態がファジィ演算の燃料変化の変化予測に基づく
予測制御で防止される。
そして、発生蒸気量だけでなく、ボイラ10の水量、炉
内圧力等の装置運転の諸条件のフィードバック制御の比
例ゲイン,積分定数についても、前記と同様の演算部29
aの各ファジィ演算に基づき、出力部29b′から設定部28
c′に補正値の信号が供給され、自動的に可変調整され
て補正される。
したがって、算出部28cのフィードバック制御の各制
御利得としての各制御の比例ゲイン,積分定数が、常
時、燃焼状態の塩化予測にしたがって、燃料状態に応じ
た最適値にオートチューニングされ、燃焼の安定化が図
られる。
ところで、前記のフィードバック制御の演算とファジ
ィ演算に基づくフィードバック制御の制御利得の調整と
は、第2図に示すように並行して実施される。
そして、発生蒸気量等が変動なく規定値に保持される
良好な運転状態のときは、フィードバック制御に基づく
装置運転の変化及びファジィ制御に基づく各制御利得の
変化がほとんど生じない。
一方、運転状態が不安定になると、フィードバック制
御により、安定な運転状態に戻すように装置運転が制御
されるとともに、ファジィ制御により、運転状態に応じ
て各制御利得が自動調整される。
なお、運転状態が大きく変動して前記ファジィ制御を
施しても安定にならないときは、自動制御から手動制御
に切換えられ、設定部28c′の各制御利得が初期設定値
と同様に手動操作で調整される。
つぎに、制御精度の一層の向上等を図るため、演算部
29aのファジィ演算により、比格子3のごみ質からの比
格子5の燃焼中のごみのごみ質傾向の推定等が行われ
る。
そして、推定されたごみ質傾向等に基づき、補正値出
力部29bの修正側出力部29b″により、算出部28cのフィ
ードバック制御の各信号に加減算される制御量補正用の
各信号が形成される。
この各信号が出力部29b″から加算部30に供給され、
この加算部30の加算補正に基づき、装置運転のフィード
バック制御にフィードフォワード制御の修正が施され
る。
したがって、炉内の燃焼状態の変動を予測して装置運
転が安定にフィードバック制御されるとともに、このフ
ィードバック制御に投入されたごみのごみ質変化傾向の
変化等の推定に基づくフィードフォワード制御の修正が
加味され、装置運転の制御精度が極めて向上し、燃焼状
態が極めて高精度に制御され、その上、フィードバック
制御に起因する制御の遅れも防止される。
そして、第1図の制御装置27を用いたときは、前記各
制御量のオートチューニングに基づき、第3図(a)の
運転特性が得られた。
この運転特性は、同図(b)の従来装置を用いた特性
との比較から明らかなように、極めて安定である。
なお、第3図(a),(b)において、実線i,ii,iii
は炉温(℃),蒸気量偏差(T/H),燃焼空気流量(KNm
3/H)を示す。
〔発明の効果〕
本発明は、以上説明したように構成されているため、
以下に記載する効果を奏する。
炉内に設けられた各種センサの検出信号から現在の運
転状態の種々の指標が求められ、各指標を選択的に用い
たファジィ演算により、装置運転のフィードバック制御
利得としての各制御の比例ゲイン,積分定数を各時点の
燃焼状態に応じた最適値に調整する補正値がくり返し予
測して求められ、最新の各補正値に基づき、各制御の制
御利得としての比例ゲイン,積分定数が燃焼状態の変化
予測にしたがって自動的に可変調整され、最適燃焼状態
の利得(最適量)にオートチューニングされるため、制
御の安定制が向上し、燃焼状態の変動を予測した最適な
各種フィードバック制御信号を形成することができる。
さらに、ファジィ演算により燃焼中のごみのごみ質傾
向等を推定してこの推定に基づく制御量補正信号が形成
され、この信号により各フィードバック制御信号にフィ
ードフォワード制御の修正が施され、この修正が施され
た各フィードバック制御信号により装置運転が制御され
るため、装置運転のフィードバック制御に投入されたご
みのごみ質傾向の変化等の推定に基づくフィードフォワ
ード制御の補正を加味することができ、装置運転の制御
精度を極めて向上することができる。
したがって、炉内の燃焼状態の変動を予測して装置運
転を安定にフィードバック制御することができ、しか
も、このフィードバック制御に投入されたごみのごみ質
傾向の変化等の推定に基づくフィードフォワード制御の
補正を加味して装置運転の制御精度を極めて向上するこ
とができ、その上、フィードバック制御に起因する制御
の遅れも防止され、フィードバック制御のみでは得られ
ない安定かつ高精度のごみ焼却装置の制御を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の1実施例を示し、第1図
は回路ブロック図、第2図は第1図1の処理説明用のフ
ローチャート、第3図(a),(b)は運転特性図、第
4図はごみ焼却装置のブロック図である。 1……燃焼炉、27……制御装置、28……PID演算部、28a
……入力処理部、28b……検出量算出部、28c……制御量
算出部、28c′……利得設定部、29……ファジィ制御
部、29a……ファジィ演算部、29b……補正値出力部、29
b′……利得側出力部、29b″……修正側出力部、30……
加算部、31……センサ部、32……アクチュエータ部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉内に設けられた種々のセンサの検出信号
    に基づき、ごみ,空気の供給及びボイラの発生蒸気等の
    装置運転をフィードバック制御するごみ焼却装置の制御
    方法において、 前記各センサの検出信号に基づき、炉内のごみ層厚,ご
    み質及び空気量比,発生蒸気量偏差等の現在の運転状態
    の種々の指標を求め、 前記各指標を選択的に用いたファジィ演算により、装置
    運転のフィードバック制御利得としての各制御の比例ゲ
    イン,積分定数の燃焼状態の変化予測に応じた補正値を
    くり返し求め、 最新の前記各補正値により前記各制御の比例ゲイン,積
    分定数を燃焼状態に応じて可変調整し、 前記各センサの検出信号と前記各制御の比例ゲイン,積
    分定数とに基づくフィードバック制御の演算により、装
    置運転の各種フィードバック制御信号を形成し、 前記ファジィ演算により燃焼中のごみのごみ質傾向等を
    推定して前記各フィードバック制御信号の前記ごみ質傾
    向等の推定に基づく制御量補正信号を形成し、 前記各フィードバック制御信号に前記各制御量補正信号
    を加算して前記各フィードバック制御信号にフィードフ
    ォワード制御の修正を施し、 前記フィードフォワード制御の修正が施された前記各フ
    ィードバック制御信号により装置運転を制御することを
    特徴とするごみ焼却装置の制御方法。
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