JPH0814329A - 防振マウント - Google Patents

防振マウント

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JPH0814329A
JPH0814329A JP14595794A JP14595794A JPH0814329A JP H0814329 A JPH0814329 A JP H0814329A JP 14595794 A JP14595794 A JP 14595794A JP 14595794 A JP14595794 A JP 14595794A JP H0814329 A JPH0814329 A JP H0814329A
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JP
Japan
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spring ring
displacement
vibration
input direction
vibration input
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Withdrawn
Application number
JP14595794A
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English (en)
Inventor
Yoichi Kawamoto
洋一 河本
Kazuhiro Ogawara
一浩 小河原
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Kurashiki Kako Co Ltd
Original Assignee
Kurashiki Kako Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板状のばね体を用いた防振マウントにおい
て、引張側変位を確実に所定の規制変位に制限する。 【構成】 無端環状のばねリング1の振動入力方向に離
れた上下部1a,1bの各内面に、それぞれ相対向する
側に突出する圧縮側ゴムストッパー2,2を固着する。
引張側変位規制手段を構成する一対の変位規制片4,4
の各基端側フランジ部41を上下部1a,1bの各内面
に固定し、相対向する側に突出させた各ウェブ部42の
先端から屈曲する各先端側フランジ部43を両内面43
b,43bが上下に相対向するように配設する。この
他、ばねリングの内方に固定した小径ばねリングもしく
は突張り部材等によって、または、ばねリングを囲むよ
うに配設した剛性枠体によって引張側変位規制手段を構
成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエンジンマウ
ントや自動車部品を吊り下げ支持するハンガーラバー等
に適用されるものであって、板状の環状ばねリングを用
いた防振マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ばねリングを用いたエンジン
マウント用の防振マウントとして、楕円形状の帯状ばね
リングと、その上下両位置のばねリングを上下両面から
挟む一対の連結片からなりその上面もしくは下面にボル
トが一体に突出形成された取付部材とから構成されたも
のが知られている(特開平2−46331号公報参
照)。このものでは、上記の上下両側の取付部材が連結
されたばねリングの両連結部位にそれぞれ振動入力方向
に相対向するゴムストッパーが固着されてばねリングの
圧縮側変位を所定量に規制するようになっている。
【0003】また、ハンガーラバーとして用いられる防
振マウントとしては、一般的にゴム成形体より構成され
ており、このようなハンガーラバーとして、従来より、
ゴム成形によりθ形状のものを形成しゴム自体の剛性に
より防振を行うように構成したものが知られている(例
えば特開平3−66953号参照)。このものでは、上
記のθ形状のゴム成形体の上下各位置に貫通孔を形成
し、この各貫通孔に挿通した軸体により車体と、自動車
部品としてのマフラー等とにそれぞれ連結して、そのマ
フラーを車体の下方位置に吊り下げ支持するようにして
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ばねリ
ングを用いた従来のエンジンマウント用の防振マウント
においては、ばねリングの内部に圧縮側変位を規制する
ためのゴムストッパーが形成されているものの、上記ば
ねリングの引張側変位を規制する手段が設けられていな
いため、エンジン自重がばねリングを引張る側に作用す
る吊り下げ支持形態で使用する場合には、衝撃的な荷重
の作用によりばねリングに過度の引張側変位が生じてば
ねリングの本来のばね特性の変質やばねリング自体の耐
久性を損なう原因にもなる。このような問題は、エンジ
ン自重がばねリングを圧縮する側に作用する支持形態に
おいても衝撃的な荷重が圧縮側に作用した際の揺り返し
により、上記ばねリングに対して引張側に過大な荷重が
作用することが考えられ、上記の場合と同様にばね特性
の変質やばねリングの耐久性の悪化の原因となる。
【0005】一方、上記従来のハンガーラバーにおいて
は、ゴム自体の剛性に基いて防振特性を発揮させるよう
になっているため、静動比が比較的高くこもり音発生等
の要因ともなり、このため、ばねリングを用いてそのば
ね特性に基き静動比の低い防振特性を発揮させることが
考えられる。ところが、この場合、吊り下げ支持形態で
あるため、ばねリングの引張側にマフラー等の自重が作
用するため、その引張側変位の規制手段を設ける必要が
ある。
【0006】そして、上記の如くばねリングを用いたエ
ンジンマウントやハンガーラバー用の防振マウントに引
張側変位規制手段を設ける場合、ばねリングの外方では
なく内方に設けることができればコンパクト化等の観点
から望ましいが、ばねリングの内方に設ける場合、圧縮
側変位の支障になって圧縮側の防振効果を得ることがで
きなくなるおそれがあり、また、ゴムストッパー等の圧
縮側変位の規制手段に加えて引張側変位の規制手段を別
個に設けなけれはならないとすると、ばねリングの内部
構造が複雑化するおそれもある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、板状のばね体
を用いた防振マウントにおいて、引張側変位を確実に所
定の規制変位に制限することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、振動入力方向に直交する方
向に両開口を向けて配置された無端の環状ばねリング
と、このばねリングの振動入力方向に互いに離れた各部
位を振動発生源もしくは振動受部に連結する一対の取付
部とを備えたものを前提とする。このものにおいて、上
記ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位の振
動入力方向引張側への相対変位を所定の規制変位量に制
限する引張側変位規制手段を上記ばねリングに連結する
構成とするものである。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、引張側変位規制手段をばねリングの内方に
配設する。そして、上記変位規制手段を、上記ばねリン
グの振動入力方向に互いに離れた両部位にそれぞれ基端
部を取付け、この各部位から相対向する側に突出しかつ
互いの先端部内面が振動入力方向に相対向するよう振動
入力方向に直交する方向に屈曲したL字状の一対の変位
規制片を有するものとし、この一対の変位規制片の両先
端部の相対向面間隔を上記両部位の振動入力方向引張側
への規制変位量に対応する寸法に設定する構成とするも
のである。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、ばねリングの振動入力方向に互いに離れた
両部位の少なくとも一方の内面に固着し、この内面から
振動入力方向に所定寸法突出させたゴムストッパーを備
える。そして、上記ゴムストッパーと一対の変位規制片
とを、上記ばねリングの一方の部位からのゴムストッパ
ーの突出端面と、他方の部位からの変位規制片の先端部
外面とが振動入力方向に相対向するように配置し、か
つ、上記突出端面と上記先端部外面との間隔を上記両部
位の振動入力方向圧縮側の規制変位量に対応する寸法に
設定する構成とするものである。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、引張側変位規制手段をばねリングの内方に
配設する。そして、上記変位規制手段を、上記ばねリン
グの振動入力方向に互いに離れた両部位でそれぞれ固定
し、上記ばねリングの振動入力方向に直交する方向の径
より小さい径を有し、かつ、上記ばねリングより小さい
ばね定数を有するように設定された小径ばねリングによ
って構成するものである。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、ばねリングの振動入力方向に互いに離れた
両部位に固定された部分の小径ばねリングの少なくとも
一側の内面に固着し、この内面から振動入力方向に突出
されて振動入力方向圧縮側の変位を規制変位量に制限す
るゴムストッパーを備える構成とするものである。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、引張側変位規制手段をばねリングの内方に
配設し、この変位規制手段を、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位の振動入力方向引張側変位に伴
い発生する、上記ばねリングの振動入力方向に直交する
方向に互いに離れた両直交部位の互いに近付く側への変
位の増大を制限する突張り部材を備えるものとする。そ
して、上記突張り部材を、上記ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位の内の一方の部位に支持させて
上記両部位の振動入力方向中間位置において上記振動入
力方向に直交する方向の両側に延びるよう配設し、その
各端部と上記各直交部位との間の間隔を上記両部位の振
動入力方向引張側への規制変位量に対応する寸法に設定
する構成とするものである。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、上記ばねリングの両部位の少なくとも一方
の部位の内面に固着され、この内面から振動入力方向に
突出されて上記両部位の振動入力方向圧縮側の変位を規
制変位量に制限するゴムストッパーを備える。そして、
突張り部材を、上記両部位の内の一方の部位に固着され
たゴムストッパーの突出端側位置に固着させてこのゴム
ストッパーを介して上記一方の部位に弾性支持する構成
とするものである。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発
明において、引張側変位規制手段をばねリングの内方に
配設する。この上記変位規制手段を、ばねリングの振動
入力方向に互いに離れた両部位の振動入力方向引張側変
位に伴い発生する、上記ばねリングの振動入力方向に直
交する方向に互いに離れた両直交部位の互いに近付く側
への変位の増大を規制する一対の変位規制部材を備える
ものとする。そして、上記各変位規制部材を、基端部が
上記ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位の
内の一方の部位の内面に支持され、先端部が上記一方の
部位の振動入力方向に直交する方向に互いに所定寸法離
れた両内面位置からほぼ振動入力方向に少なくとも振動
入力方向中央位置まで延びるよう配設する。加えて、上
記各変位規制部材の先端部と、この先端部と上記直交す
る方向に相対向する上記各直交部位の内面との間隔を、
上記両部位の振動入力方向引張側への規制変位量に対応
する寸法に設定する構成とするものである。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、少なくとも、一対の変位規制部材が支持さ
れた一方の部位とは異なる他方の部位の内面に固着し
て、振動入力方向圧縮側の変位を規制変位量に制限する
ゴムストッパーを備える。そして、上記他方の部位に固
着されたゴムストッパーを、上記他方の部位の内面から
振動入力方向に上記一対の変位規制部材の両先端部間ま
で突出させる構成とするものである。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項3,請求
項5,請求項7または請求項9のいずれかに記載の発明
において、少なくとも1つのゴムストッパーに、ばね体
と交差しない方向であって、振動入力方向に直交する一
方向に貫通して振動発生源もしくは振動受部と連結する
軸体を挿通する取付孔を形成し、この取付孔によって取
付部を構成するものである。
【0018】請求項11記載の発明は、請求項1記載の
発明において、引張側変位規制手段をばねリングの外方
に配設する。そして、上記規制手段を、ばねリングの外
周面と互いに離れた状態でそのばねリングの周囲を囲む
剛性枠体と、上記ばねリングの振動入力方向に対するば
ね定数より小さいばね定数を有し、上記剛性筒体とばね
リングとの間で振動入力方向とは異なる方向に延びて両
者を互いに連結する2以上のゴム連結片と、上記ばねリ
ングの振動入力方向に互いに離れた両部位の各外面から
振動入力方向引張側に突出する一対の引張側ゴムストッ
パーとを備える構成とするものである。
【0019】請求項12記載の発明は、請求項1記載の
発明において、引張側変位規制手段をばねリングの外方
に配設する。そして、上記規制手段を、ばねリングの振
動入力方向に互いに離れた両部位の一方に連結され他方
と振動入力方向に互いに離れた状態で上記ばねリングを
囲む剛性枠体と、上記ばねリングの他方の部位の外面か
ら振動入力方向引張側に突出する引張側ゴムストッパー
とを備える構成とするものである。
【0020】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ばねリングに引張側変位規制手段が設けられて、そのば
ねリングの引張側変位が確実に所定の規制変位量に制限
される。これにより、上記ばねリングの本来のばね特性
が変質することなく維持され、ばねリングを用いた防振
マウントの耐久性の向上が図られる。また、エンジンマ
ウントはもとより、ハンガーラバーにも適用が可能とな
り、静動比の低い防振特性を有するハンガーラバーが実
現する。
【0021】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位に基端部が取付けられて振動入
力方向に相対向する側にそれぞれ突出された一対のL字
状変位規制片の両先端部内面が振動入力方向に相対向す
るように配設されているため、上記ばねリングの両部位
が引張側へ相対変位すると、それに伴い上記両先端部内
面が互いに近付く側に変位し、ついには互いに当接して
それ以上の上記両部位の引張側変位が阻止される。この
ため、上記ばねリングの両部位の引張側相対変位量が上
記両先端部内面間の当初の間隔(相対向面間隔)に対応
する所定の規制変位量に制限される。
【0022】請求項3記載の発明では、上記請求項2記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が、上記と逆に圧縮側へ相対変
位すると、それに伴い、一側部位のゴムストッパーの突
出端面と、他側部位の変位規制片の先端部外面とが互い
に近付く側に変位し、ついには互いに当接してそれ以上
の上記両部位の圧縮側変位が阻止される。このため、ば
ねリングの両部位の圧縮側相対変位量が、上記一側部位
のゴムストッパーの突出端面と他側部位の変位規制片の
先端部外面との当初の相対向面間隔に対応する所定の規
制変位量に制限される。
【0023】請求項4記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が引張側に相対変位していく
と、それに伴い上記両部位に固定された小径ばねリング
も引張側に同じだけ相対変位していく。ところが、上記
小径ばねリングの振動入力方向に直交する方向の径が上
記ばねリングのそれより小さいため、上記の引張側の変
形に対して小径ばねリングの方がばねリンクより先に弾
性限界に到達し、それ以上の引張側変位の増大に要する
引張荷重の増分が急増する。このため、その時点で上記
ばねリングの引張側変位の増大が制限され、引張側変位
の規制が図られる。一方、小径ばねリングのばね定数が
上記ばねリングのそれよりも極めて小さく設定されてい
るため、ばねリングの上記両部位を圧縮側もしくは引張
側に相対変位させる振動外力が作用した場合におけるば
ねリングに基く防振特性を発揮する上で障害となること
はなく、そのばねリングのばね特性に基く低静動比の防
振特性が得られる。
【0024】請求項5記載の発明では、上記請求項4記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が圧縮側に相対変位していく
と、その両部位で固定された小径ばねリングの両部分の
少なくとも一方の内面に固着されたゴムストッパーが他
方の内面に近付き、その内面に当接することによりそれ
以上の圧縮側変位の増大が制限される。両内面にそれぞ
れゴムストッパーが固着されている場合では、両ゴムス
トッパーの相対向面が互いに当接することによりそれ以
上の圧縮側変位の増大が制限される。
【0025】請求項6記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が引張側に相対変位していく
と、それに伴い上記両部位に直交する方向の両直交部位
がその直交する方向に互いに近付く側に相対変位してい
く。そして、上記両部位の振動入力方向引張側への変位
量が規制変位量に到達すると、上記両直交部位が突張り
部材の端部に当接して両直交部位の上記近付く側へのそ
れ以上の変位増大が阻止される。これにより、上記両部
位の振動入力方向引張側への変位増大が急減して抑制さ
れる。この場合、振動入力方向引張側の変位が規制変位
量に到達しても、その変位増大が機械的、直接的に止め
られるのではなく、上記突張り部材により変形拘束され
た両直交部位を挟む両側の半円状のばねリング部分での
ばね力によって緩衝効果が得られるため、請求項2記載
の発明による場合と比べ、上記規制変位量に到達時の衝
撃伝達、および、応力集中の緩和が図られる。
【0026】請求項7記載の発明では、上記請求項6記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が圧縮側に相対変位していく
と、少なくとも一方の部位の内面に固着されたゴムスト
ッパーが他方の内面に近付き、その内面に当接すること
によりそれ以上の圧縮側変位の増大が制限される。そし
て、上記ゴムストッパーにより上記突張り部材が弾性支
持されているため、その突張り部材が上記ばねリングの
部位に剛に支持されている場合と比べ、衝撃伝達の分散
や応力集中等の発生が防止される。
【0027】請求項8記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が引張側に相対変位していく
と、それに伴い上記両部位に直交する方向の両直交部位
がその直交する方向に互いに近付く側に相対変位してい
く。そして、上記両部位の振動入力方向引張側への変位
量が規制変位量に到達すると、上記両直交部位が一対の
変位規制部材の先端部に当接して両直交部位の上記近付
く側へのそれ以上の変位増大が阻止される。これによ
り、上記両部位の振動入力方向引張側への変位増大が急
減して抑制される。この場合、上記各変位規制部材には
その突出方向に直交する方向に上記各直交部位からの力
が作用するため、振動入力方向引張側の変位が規制変位
量に到達しても、その変位増大が機械的、直接的に止め
られるのではなく、上記一対の変位規制部材の弾性特性
に基く緩衝効果と、上記両直交部位で変位拘束された上
半部もしくは下半部のばねリング部分に基く緩衝効果と
が伴った状態で変位増大の抑止が行われるため、請求項
6記載の発明による場合と比べ、より高い緩衝効果を得
つつ変位増大の抑止が図られて上記規制変位量に到達時
の衝撃伝達、および、応力集中の緩和がより一層図られ
る。
【0028】請求項9記載の発明では、上記請求項8記
載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力方
向に互いに離れた両部位が圧縮側に相対変位していく
と、他方の部位の内面に固着されたゴムストッパーが一
方の内面に近付き、その内面に当接することによりそれ
以上の圧縮側変位の増大が制限される。加えて、上記ゴ
ムストッパーが上記他方の部位の内面から一対の変位規
制部材の両先端部間まで突出されているため、上記両部
位が振動入力方向に直交する方向であって互いに相反す
る側に相対変位するような外力を受けた場合にも、上記
ゴムストッパーがその変位方向の変位規制部材の先端部
に当接することにより、それ以上の上記直交する方向へ
の変位増大が規制される。このため、上記各変位規制部
材によって、ばねリングの振動入力方向引張側への変位
規制に加えて、上記振動入力方向に直交する方向への変
位規制が行われる。そして、この直交する方向への変位
規制に際しても、各変位規制部材の弾性に基き緩衝効果
が付与される。
【0029】請求項10記載の発明では、上記請求項
3,請求項5,請求項7または請求項9のいずれかに記
載の発明による作用に加えて、ゴムストッパーに取付孔
が貫通して形成され、この取付孔によって振動発生源も
しくは振動受部への取付部が構成されているため、本防
振マウントをエンジンマウントに適用する場合の取付部
の構成の簡略化が図られる一方、ハンガーラバーに適用
する上で被取付部に適した取付部になる。
【0030】請求項11記載の発明では、上記請求項1
記載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力
方向に互いに離れた両部位が引張側に相対変位していく
と、各引張側ゴムストッパーが剛性枠体の内周面に近付
いていきこれに当接するため、上記両部位のそれ以上の
引張側変位が制限される。この際、上記剛性枠体はばね
リングと互いに離れた状態で囲むように配置され、加え
て、上記剛性枠体とばねリングとは振動入力方向以外の
方向に延びるゴム連結片によって互いに連結されている
ため、ばねリングの変形に基く防振特性を発揮する上の
障害になることはない。
【0031】請求項12記載の発明では、上記請求項1
記載の発明による作用に加えて、ばねリングの振動入力
方向に互いに離れた両部位の内、剛性枠体に固定された
一方の部位に対して他方の部位が引張側に変位していく
と、その他方の部位の外面に固着された引張側ゴムスト
ッパーが上記剛性枠体の内周面に近付いていきこれに当
接するため、上記他方の部位のそれ以上の引張側変位が
制限される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。
【0033】<第1実施例>図1および図2は、本発明
の第1実施例に係る防振マウントを示し、請求項1,
2,3,10に係るものに対応する。同図において、1
は両開口が略水平方向(図1の紙面に直交する方向;以
下、前後方向という)に向けられて振動入力方向である
上下方向にばね特性を発揮するように配置された無端環
状のばねリングである筒状ばねリング、2,2はこのば
ねリング1の上下方向に互いに離れた両部位である上下
部1a,1bの各内面から上下方向に相対向するよう突
出されて上記ばねリング1の圧縮側変位を所定量に制限
する一対の圧縮側ゴムストッパー、3,3はこの各ゴム
ストッパー2を上記前後方向に貫通する一対の取付孔、
4,4は上記ばねリング1の上下部1a,1bの各内面
に固定された引張側変位規制手段としての一対の引張側
変位規制片である。
【0034】上記ばねリング1は、横断面形状が長円形
もしくは楕円形等になるように金属もしくは合成樹脂等
により形成された板状ばねである。このばねリング1を
金属により形成する場合、例えばばね鋼やステンレス鋼
等を用いればよいが、特にステンレス鋼を用いることに
より耐熱性に優れたものにすることができ、例えば12
0℃の高温雰囲気下での使用でもへたり等の発生を防止
することができる。また、上記ばねリング1を合成樹脂
により形成する場合、例えば繊維強化プラスチック(F
RP)を用いればよい。そして、上記ばねリング1の内
外周面の全面がそれぞれ所定厚さのゴム被覆層5,5に
よりその各周面に密着した状態で覆われている。
【0035】上記各ゴムストッパー2およびゴム被覆層
5と、上記各変位規制片4が固定されたばねリング1と
は、そのばねリング1等を成形型にインサートすること
により一体に加硫成形され、加硫接着もしくは接着剤を
介した接着により互いに密着状態で固着されている。上
記各ゴムストッパー2は、上記ばねリング1の左右方向
の対称軸となる上下方向軸Xと交わる位置の上下部1
a,1bの各内面から横断面形状が台形状のものが相対
向する側にそれぞれ後述の如く所定寸法突出するように
形成されている。また、上記各ゴムストッパー2は、ば
ねリング1との間で弾性変形して左右方向への相対変位
を許容することによりその振動を減衰し得るようにその
左右方向の剛性(弾性係数)が設定されている。従っ
て、上記各ゴムストッパー2は、上記の左右方向相対変
位を可能とする役割、後述の如き圧縮側変位に対するス
トッパーの役割、および、同様に後述の如く振動発生源
もしくは振動受部との取付部である取付孔3を形成する
役割をそれぞれ兼ね備えるようになっている。さらに、
上記ゴム被覆層5は天然ゴムもしくは合成ゴム等を用い
て形成され、耐熱性を有する合成ゴム、例えばエチレン
・プロピレンゴム(EPDM)を用いることが耐熱性の
観点から好ましい。
【0036】上記各取付孔3は上記軸Xに沿って互いに
離れた上下各位置において上記各ゴムストッパー2を上
記軸Xに対して直交する方向に貫通されており、その内
径は振動発生源側もしくは振動受部側との取付けに用い
られる図示省略の軸体(例えば取付ボルトの軸部)の外
径とほぼ同じに形成されている。この両取付孔3,3に
よって振動発生源もしくは振動受部に連結するための2
つの取付部が構成されている。そして、上記各取付孔3
から上下方向に振動が入力すると、ばねリング1が弾性
変形してその上下部1a,1bを上下方向に圧縮側(互
いに近付ける側)もしくは引張側(より離れる側)に相
対変位するようになっている。
【0037】上記各変位規制片4は、上記上下各部1
a,1bの内面側に沿って溶着等の手段により固定され
た基端部としての基端側フランジ部41と、この基端側
フランジ部41の一端から上下方向に延びるウェブ部4
2と、このウェブ部42の先端から左右方向に屈曲する
先端部としての先端側フランジ部43とから横断面形状
がコ字状に形成されている。そして、上側変位規制片4
と下側変位規制片4との両ウェブ部42,42が上下方
向軸Xを挟んで左右両側位置に位置付けられ、かつ、両
先端側フランジ部43,43が上下方向軸Xに沿って互
いに重複しかつ両内面43a,43aが上下方向に相対
向するように配設されている。加えて、一方(図例では
上側)の変位規制片4の先端側フランジ部43の内面4
3aにはゴム緩衝部6が形成されており、このゴム緩衝
部6と、他方(下側)の変位規制片4の先端側フランジ
部4cの内面43aとの間の上下方向間隔L1 がばねリ
ング1の上下部1a,1bの引張側の規制変位量に相当
する寸法になるように設定されている。
【0038】また、上側ゴムストッパー2の突出端面2
a、および、下側変位規制片4の先端側フランジ部43
の外面43bの両者間の上下方向間隔L2 と、下側ゴム
ストッパー2の突出端面2a、および、上側変位規制片
4の先端側フランジ部43の外面43bの両者間の上下
方向間隔L2 とが、それぞれ上記ばねリング1の上下各
部1a,1bの圧縮側の規制変位量に相当する寸法にな
るように設定されている。
【0039】次に、上記構成の第1実施例の作用,効果
について説明する。
【0040】本防振マウントを例えば自動車のエンジン
マウントとして用いる場合、上記両取付孔3,3の内、
例えば上側取付孔3に挿通した軸体によって振動発生源
としてのエンジン側に取付け、下側取付孔3に挿通した
軸体によって振動受部としての車体側に取付ける。そし
て、上記上側もしくは下側取付孔3から上下方向に入力
するエンジン側もしくは車体側の振動が主としてばねリ
ング1のばね特性に基き静動比の低い防振特性によって
防振される。そして、上記ばねリング1の上下各部1
a,1bを上下方向圧縮側に大きく変形させるような大
振幅の振動や衝撃的外力が入力した場合、上下のゴムス
トッパー2,2および上下の変位規制片4,4が上下方
向圧縮側に相対変位し、その相対変位量が圧縮側規制変
位量に相当する上記の間隔L2 に到達すると、上側ゴム
ストッパー2の突出端面2aと下側変位規制4の先端側
フランジ部43の外面43bとが当接するとともに、下
側ゴムストッパー2の突出端面2aと上側変位規制4の
先端側フランジ部43の外面43bとが当接することに
なる。これにより、それ以上の圧縮側変位の増大が確実
に制限されるため、ばねリング1の過度の圧縮側への変
形を阻止してその耐久性の向上を図ることができる。
【0041】一方、上記とは逆に、ばねリング1の上下
各部1a,1bを上下方向引張側に大きく変形させるよ
うな大振幅の振動等による荷重が作用した場合、上下の
変位規制片4,4が上下方向引張側に相対変位して、上
記両変位規制片4,4の両先端側フランジ部43,43
の各内面43a同士、詳しくは、下側変位規制片4の先
端側フランジ部43の内面43aとゴム緩衝部6とが互
いに近付く。そして、上記の相対変位の量が引張側規制
変位量に相当する上記の間隔L1 に到達すると、下側変
位規制片4の上記内面43aと上側変位規制片4のゴム
緩衝部6とが互いに当接し、それ以上の引張側変位の増
大が制限されることになる。これにより、ばねリング1
の過度の引張側への変形を阻止することができ、そのば
ねリング1の耐久性の向上を図ることができる。
【0042】従って、上下方向圧縮側,引張側のいずれ
に対する変位量をも、それぞれの規制変位量に確実に制
限することができ、これにより、上記ばねリング1の本
来のばね特性の維持を図ることができ、ひいては、ばね
リング1を用いた防振マウントの耐久性,信頼性の向上
を図ることができる。この場合、引張側変位規制手段
を、ばねリング1の内部に配設した一対の変位規制片
4,4によって簡易に構成することができる上、引張側
変位規制手段をばねリング1の外部に配設する場合と比
べ、防振マウントのコンパクト化を図ることができる。
さらに、上記の引張側規制手段(4,4)をばねリング
1の内部に配設しても、そのばねリング1による防振の
支障にならないばかりか、各ゴムストッパー2との組み
合わせにより圧縮側の変位規制を効果的に達成すること
ができる。
【0043】また、上記の第1実施例の場合、上記の他
に以下の作用,効果を得ることができる。
【0044】すなわち、上記ばねリング1の内外周面に
ゴム被覆層5,5が密着してその各周面を被覆している
ため、振動の入力の際、上記ばねリング1自体のばね特
性にゴム被覆層5,5による減衰特性が付加され、各ゴ
ム被覆層5の厚み等を調整することにより所望の性能の
減衰特性をも加味した防振特性によって上記振動の防振
を図ることができる。その上、上記ばねリング1をステ
ンレス鋼により形成し、または、これに加えて上記ゴム
被覆層5,5を耐熱性のゴム素材により形成することに
より、エンジンルーム内で120℃を超える極めて高温
の雰囲気下にさらされても、上記ばねリング1のへたり
等の発生を防止して所定の防振特性を確実に発揮させる
ことができる。
【0045】また、上記上側もしくは下側取付孔3から
左右方向の振動が入力した場合、各ゴムストッパー2の
弾性変形により上記各取付孔3とばねリング1との間の
左右方向への相対変位が可能となり、これにより、上記
左右方向の振動に対する減衰を図ることができる。従っ
て、上記ばねリング1による上下方向の防振特性とは別
に、左右方向の防振特性をも互いに独立して設定するこ
とが可能になる。
【0046】さらに、振動発生源もしくは振動受部に対
する取付部が上記各ゴムストッパー2を貫通する取付孔
3,3によって構成されているため、ばねリングを用い
た従来の防振マウントで必要とされる取付部用のボルト
付きプレート材等の特別な取付部材を省略することがで
き、ばねリングを用いた防振マウントにおいて取付部の
構成の簡略化を図ることができる上、上記各取付孔3を
圧縮側のストッパーの役割を果たす各ゴムストッパー2
に併設することにより、より一層の簡略化を達成するこ
とができる。
【0047】なお、上記の作用,効果は本防振マウント
をエンジンマウントとして使用した場合について説明し
たが、これ以外に、本防振マウントを例えば自動車の排
気管を車体に対して吊り下げ支持するハンガーラバーと
しても使用することができ、上記と同様の作用,効果を
得ることができる。そして、ハンガーラバーとして用い
た場合、ばねリング1のばね特性により従来のゴム成形
体の剛性により防振するものと比べ、静動比をより低く
してこもり音の抑制等より効果的に達成することができ
る。以下、各実施例においてエンジンマウントもしくは
ハンガーラバーの一方の用途のみについて説明する場合
にも、上記と同様に他方の用途にも使用することがで
き、同様の作用,効果を得ることができる。
【0048】<第2実施例>図3は、本発明の第2実施
例に係る防振マウントを示し、請求項1,4,5,10
に係るものに対応する。同図において、7は両開口が略
水平方向(図3の紙面に直交する方向;以下、前後方向
という)に向けられて振動入力方向である上下方向にば
ね特性を発揮するように配置された無端環状のばねリン
グである筒状ばねリング、8このばねリング7の上下方
向に互いに離れた両部位である上下部7a,7aの各内
面に溶着等の手段により上下部8a,8aが固定された
引張側変位規制手段としての小径ばねリング、9,9は
この小径ばねリング8の上下部8a,8aの各内面から
上下方向に相対向するよう突出されて上記ばねリング7
の圧縮側変位を所定量に制限する一対の圧縮側ゴムスト
ッパー、10,10はこの各ゴムストッパー9を上記前
後方向に貫通する一対の取付孔である。
【0049】上記ばねリング7は、横断面形状が長円形
もしくは楕円形等になるように、第1実施例と同様に、
金属もしくは合成樹脂等により形成された板状ばねであ
って、その内外周面の全面がそれぞれ所定厚さの第1実
施例と同様構成のゴム被覆層5,5によりその各周面に
密着した状態で覆われたものである。
【0050】上記小径ばねリング8は、上記の各取付孔
10を介して振動発生源および振動受部に取付けられて
静止した静止状態(図3に示す状態)での上下方向径が
上記ばねリング7の上下部7a,7aに内接するものに
設定され、左右方向径が上記ばねリング7より所定径小
さく設定されたものであり、かつ、上下方向のばね定数
が上記ばねリング7のそれより極めて小さい値を有する
ように形成されたものである。上記小径ばねリング8の
静止状態での左右方向径は、ばねリング7に固定された
上下部8a,8aを除く両側部8b,8bの上記静止状
態での円弧状態における上下方向寸法E1 と、図4に示
す引張側最大変位状態での直線状態における上下方向寸
法E2 との差(E2 −E1 )が、上記ばねリング7の上
下方向引張側の規制変位量に相当する値になるように定
められている。
【0051】そして、この径寸法の設定に加えて上記の
ばね定数の設定により、図5に示す引張側荷重と引張側
変位量との関係において、小径ばねリング8とばねリン
グ7とは次のような特性を有するようになっている。す
なわち、図5に二点鎖線で示す小径ばねリング8は、単
独の状態で、荷重のわずかな増加により大きく変位し上
記最大引張側変位状態で両側部8b,8bが直線状態に
なるとそれ以上の荷重の増加に対して上記両側部8b,
8bの材自体の引張強度に基いて抵抗するようになり、
変位量の増加がほぼ停止する。この直線状態になる引張
側変位量δ1 が上記の上下方向寸法の差(E2 −E1 )
に対応し、これが引張側規制変位量に相当する。一方、
同図に一点鎖線で示すばねリング7は、単独の状態で、
上下方向に入力する振動に対して主としてこのばねリン
グ7によって防振し得るようにばね定数が設定されて、
変位の増加に対する荷重の増分が上記小径ばねリング8
の場合よりかなり大きくなるようになっており、上記の
変位量δ1 より大きい所定の値で、変位量の増加がほぼ
停止するようになっている。そして、上記小径ばねリン
グ8とばねリング7とが一体化された合成状態では、同
図に実線で示すように、上記規制変位量δ1 まではばね
リング7とほぼ同じばね特性で移行し、その規制変位量
δ1 で小径ばねリング8によって引張側変位の増大が制
限されるような特性を備えたものとなる。つまり、上記
小径ばねリング8は、ばねリング7の引張側変位の際に
上記の径設定による引張側変位規制の役割をのみ果た
し、ばねリング7のばね特性による上下方向入力振動の
防振の際に上記のばね定数の設定により上記ばねリング
7の防振特性にはほとんど影響を与えないようにされて
いる。なお、上記のような小径ばねリング8は原則とし
て金属により形成されるが、所定の引張破断応力を発揮
するものであれば金属以外の素材を用いて形成してもよ
い。
【0052】上記各ゴムストッパー9およびゴム被覆層
5と、上記小径ばねリング8が固定されたばねリング7
とは、そのばねリング7等を成形型にインサートするこ
とにより一体に加硫成形され、加硫接着もしくは接着剤
を介した接着により互いに密着状態で固着されている。
上記各ゴムストッパー9の基端側両側面はなだらかな凸
カーブの曲面9a,9aとなるように形成されており、
上記小径ばねリング8の引張側最大変位状態で上下部8
a,8a近傍が上記曲面9a,9aに沿ってなだらかに
曲がり急激に折れ曲がらないようになっている。また、
上記各ゴムストッパー9には、第1実施例と同様に、左
右方向振動の入力に伴いばねリング7との間で弾性変形
してその振動を減衰し得るように左右方向の剛性が付与
されている。
【0053】上記各取付孔10は、第1実施例と同方向
で同外径を有するように上記各ゴムストッパー9を貫通
して形成されており、この両取付孔10,10によって
振動発生源もしくは振動受部に連結するための2つの取
付部が構成されている。
【0054】上記の構成の第2実施例の場合、両取付孔
10,10によって第1実施例と同様にエンジン側およ
び車体側に取付けられ、上下方向振動の入力に対して主
としてばねリング7のばね特性に基いて防振される。そ
して、上記ばねリング7の上下各部7a,7aを上下方
向圧縮側に大きく変形させるような大振幅の振動や衝撃
的外力が入力した場合、上下のゴムストッパー9,9が
上下方向圧縮側に相対変位して両者9,9が当接するこ
とにより、それ以上の圧縮側変位の増大が確実に制限さ
れ、これにより、ばねリング1の過度の圧縮側への変形
が阻止される。一方、上記とは逆に、ばねリング7の上
下各部7a,7aを上下方向引張側に大きく変形させる
ような大振幅の振動等による荷重が作用した場合、引張
側規制変位量δ1 に到達するまで上記上下各部7a,7
aが相対変位し、小径ばねリング8の両側部8b,8b
が直線状態になる上記規制変位量δ1 に到達すると、そ
れ以上の変位量の増大が上記両側部8b,8bの引張強
度に基いて制限される。これにより、ばねリング7の過
度の引張側への変形を阻止することができる。
【0055】従って、本第2実施例においても、第1実
施例と同様に、上下方向圧縮側,引張側のいずれに対す
る変位量をも、それぞれ所定の規制変位量に確実に制限
することができ、これにより、上記ばねリング7の本来
のばね特性の維持を図ることができ、ひいては、ばねリ
ング7を用いた防振マウントの耐久性,信頼性の向上を
図ることができる。そして、引張側変位規制手段を、ば
ねリング1の内部に配設した小径ばねリング8によって
簡易に構成することができる上、引張側変位規制手段を
ばねリング7の外部に配設する場合と比べ、防振マウン
トのコンパクト化を図ることができる。さらに、上記の
引張側規制手段(8)をばねリング1の内部に配設して
も、そのばねリング7による防振の支障にならないばか
りか、圧縮側変位を制限する各ゴムストッパー9を配設
する上で支障にもならない。
【0056】また、上記の第2実施例においても、第1
実施例の場合と同様に、以下の作用,効果を併せて得る
ことができる(以下の各実施例において、同じ)。
【0057】すなわち、上記ばねリング7の内外周面に
被覆されたゴム被覆層5,5によって上記ばねリング7
自体のばね特性にゴム被覆層5,5による減衰特性を付
加した防振特性が得られる点、ばねリング7をステンレ
ス鋼により形成し、または、これに加えて上記ゴム被覆
層5,5を耐熱性のゴム素材により形成することにより
極めて高温(120℃以上)の雰囲気下での上記ばねリ
ング7のへたり等の発生を防止することができる点、各
圧縮側ゴムストッパー9によって、ばねリング7による
上下方向の防振特性とは別に、左右方向の防振特性をも
互いに独立して設定することが可能になる点、および、
上記各ゴムストッパー9に取付孔10を設ける構成によ
ってばねリングを用いた防振マウントにおいて取付部の
構成の簡略化を図ることができる点等の作用,効果をも
得ることができる。
【0058】なお、上記の第2実施例では、取付部とし
て各ゴムストッパー9に設けた取付孔10を示したが、
これに限らず、例えば図3に一点鎖線で示すように上下
各側に向けて配置した取付ボルト11,11をばねリン
グ7の上下部7a,7aの外面に溶着もしくは内面から
貫通配置して溶着する等により固定し、この取付ボルト
11,11によって取付部を構成してもよい。
【0059】<第3実施例>図6は、本発明の第3実施
例に係る防振マウントを示し、請求項1,6,7,10
に係るものに対応する。同図において、12は両開口が
略水平方向(図6の紙面に直交する方向;以下、前後方
向という)に向けられて振動入力方向である上下方向に
ばね特性を発揮するように配置された無端環状のばねリ
ングである筒状ばねリング、13はこのばねリング12
の上下方向に互いに離れた両部位である上下部12a,
12aの内の上部12aの内面から下方に突出されて上
記ばねリング12の圧縮側変位を所定量に制限するゴム
ストッパー、14はこのゴムストッパー13の下端部に
一体的に加硫接着された変位規制手段としての突張り部
材である。
【0060】上記ばねリング12は、横断面形状が長円
形もしくは楕円形等になるように、第1実施例と同様
に、金属もしくは合成樹脂等により形成された板状ばね
であって、その内外周面の全面がそれぞれ所定厚さの第
1実施例と同様構成のゴム被覆層5,5によりその各周
面に密着した状態で覆われたものである。
【0061】上記ゴムストッパー13の上下方向軸Xに
沿った所定の上下位置には前後方向に配置された筒体1
5が埋め込まれ、この筒体15により前後方向に貫通す
る取付孔16が構成されている。
【0062】上記突張り部材14は、上記上下方向軸X
に対称に左右方向に所定量延びるように配設されて左右
方向からの圧縮力に耐えるように構成された板材であ
る。一方、この突張り部材14の左右方向両側端14
a,14aと相対向する上記ばねリング12の両直交部
位である左右方向両側部12b,12bの内面側位置に
は、上記各側端14aに相対向する方向に突出するゴム
緩衝部17,17がゴム被覆層5と一体に形成されてい
る。そして、このゴム緩衝部17と上記突張り部材14
の各側端14aとが、上記ばねリング12の上下方向引
張側の規制変位量に対応する間隔を隔てて相対向するよ
うに設定されている。
【0063】上記取付孔16は、この取付孔16に挿通
される図示省略の軸体により例えばエンジン等の振動発
生源に取付けられる上下方向軸Xに沿った一側の取付部
を構成するものである。そして、自動車の車体等に取付
けられる他側の取付部は、上記ばねリング12の下部1
2aおよび下部12aの外面側に配設された取付座18
を貫通する取付ボルト19によって構成されている。
【0064】なお、図6中20は上記取付ボルト19の
頭部を覆い、かつ、ゴムストッパー13と相対向する側
に突出して第2のゴムストッパーを構成するゴム緩衝部
である。
【0065】上記構成の第3実施例の場合、上側の取付
孔16と下側の取付ボルト19とによって第1実施例と
同様にエンジン側および車体側に取付けられ、上下方向
振動の入力に対して主としてばねリング12のばね特性
に基いて防振される。そして、上記ばねリング12の上
下各部12a,12aを上下方向引張側に大きく変形さ
せるような大振幅の振動や衝撃的外力が入力した場合、
図7に示すように上記上下各部12a,12aの上下方
向引張側への相対変位に伴い左右各側部12bが互いに
近付くように左右方向圧縮側に相対変位し、上記上下部
12a,12a間の上下方向引張側の変位量が規制変位
量前の所定変位量δ2 (図8参照)に到達した時点で突
張り部材14の左右各端部14aと、上記左右各側部1
2bのゴム緩衝部17とが当接する。この当接によりば
ねリング12の左右各側部12bの左右方向圧縮側への
変位が制限された拘束状態になるため、以後の上下方向
引張側への荷重に対して図8に示すように引張荷重に対
する引張側変位の増大が急減し、ついには、ばねリング
12の上半部もしくは下半部の材自体の引張強度に基く
規制変位量でそれ以上の引張側変位の増大が確実に制限
される。
【0066】従って、本第3実施例においても、第1実
施例と同様に、上下方向圧縮側,引張側のいずれに対す
る変位量をも、それぞれ所定の規制変位量に確実に制限
することができ、これにより、上記ばねリング12の本
来のばね特性の維持を図ることができ、ひいては、ばね
リング12を用いた防振マウントの耐久性,信頼性の向
上を図ることができる。そして、引張側変位規制手段
を、ばねリング12の内部に配設した突張り部材14に
よって簡易に構成することができる上、第1実施例と同
様に防振マウントのコンパクト化を図ることができる。
さらに、上記の引張側規制手段(14)をばねリング1
2の内部に配設しても、そのばねリング12による防振
の支障にならないばかりか、圧縮側変位を制限する各ゴ
ムストッパー13,20を配設する上で支障にもならな
い。
【0067】その上、この第3実施例の場合、突張り部
材14によりばねリング12の左右各側部12bが拘束
状態になっても、上下方向引張側の変位増大が直接的に
止められるのではなく緩衝効果を付与しつつ変位規制を
行うことができ、エンジンおよび車体の間の衝撃伝達の
緩和,防止、および、応力集中の緩和を図ることができ
る。また、上記の突張り部材14を、ばねリング12に
対してゴムストッパー13を介して弾性支持させている
ため、その突張り部材14が上記ばねリング12に対し
て剛に支持させた場合と比べ、衝撃伝達の分散や応力集
中等の発生の防止を図ることができる。
【0068】また、上記の第3実施例においても、第1
実施例の場合と同様に、ゴム被覆層5,5による減衰特
性の付与、ばねリング12をステンレス鋼により形成す
ることによる耐熱性向上、ゴストッパー13に取付孔1
6を設けることによる左右方向の防振特性をも互いに独
立して設定することが可能等の作用,効果をも得ること
ができる。
【0069】なお、上記実施例では、突張り部材14の
各側端部14aがゴム緩衝部17に当接する時点の上下
部12a,12aの上下方向引張側変位量δ2 を規制変
位量より所定量小さい値としているが、これに限らず、
付与したい変位規制性能に応じて上記δ2 の値を変位規
制量に等しく設定してもよい。
【0070】<第4実施例>図9は、本発明の第4実施
例に係る防振マウントを示し、請求項1,8,9,10
に係るものに対応する。同図において、21は両開口が
前後方向(図9の紙面に直交する方向)に向けられて振
動入力方向である上下方向にばね特性を発揮するように
配置された無端環状のばねリングである筒状ばねリン
グ、22はこのばねリング21の上下方向に互いに離れ
た両部位である上下部21a,21aの内の上部21a
の内面から下方に突出されて上記ばねリング21の圧縮
側変位を所定量に制限するゴムストッパー、23は上記
ばねリング21の下部21aに固定された引張側変位規
制手段としての溝形部材である。
【0071】上記ばねリング21は、横断面形状が長円
形もしくは楕円形等になるように、第1実施例と同様
に、金属もしくは合成樹脂等により形成された板状ばね
であって、その内外周面の全面がそれぞれ所定厚さの第
1実施例と同様構成のゴム被覆層5,5によりその各周
面に密着した状態で覆われたものである。
【0072】上記ゴムストッパー22の上下方向軸Xに
沿った所定の上下位置には、第3実施例と同様に、前後
方向に配置された筒体15が埋め込まれ、この筒体15
により前後方向に貫通する取付孔16が形成されてい
る。また、上記ゴムストッパー22は、その左右各側面
と、上記溝形部材23の後述の各先端部25aとの左右
方向間隔が所定の寸法になるように形成されている。
【0073】上記溝形部材23は、上記上下方向軸Xに
対して左右対称に配置されたものであり、上記ばねリン
グ21の下部21aの内面に沿って左右に延びる底部2
4と、この底部24の上下方向軸Xを挟んで左右に所定
寸法離れた左右両側端から屈曲してほぼ上方に延びる一
対のフランジ部25,25とから構成されたものであ
り、上記一対のフランジ部25,25が一対の変位規制
部材を、上記底部24が各変位規制部材の基端部をそれ
ぞれ構成するものである。
【0074】上記底部24は、この底部24とばねリン
グ21の下部21aとこの下部21aの外面側に配設さ
れた取付座18とを貫通する取付ボルト19aによっ
て、上記ばねリング21の下部21aに固定されてお
り、上記底部24の内面側には上記取付ボルト19aの
頭部を覆い、かつ、ゴムストッパー22と相対向する側
に突出して第2のゴムストッパーを構成するゴム緩衝部
26が形成されている。
【0075】また、上記両フランジ部25,25は上記
ゴム緩衝部26と上記ゴムストッパー22との上下方向
での当接に支障にならないように上記底部24の左右方
向両側の所定位置から上方に立ち上げられている。そし
て、上記各フランジ部25の先端部25aは、ばねリン
グ21の上下方向中央位置よりやや上方位置まで突出し
て配置され、かつ、上記ばねリング21の両直交部位で
ある左右方向両側部21b,21bに対して上記ばねリ
ング21の上下方向引張側の規制変位量に対応する間隔
を隔てて相対向するように配置されている。詳しくは、
上記各フランジ部25の内外面を覆うようにゴム被覆層
5および上記ゴム緩衝部26と一体に加硫成形された被
覆層27と、上記左右方向各側部21bの内面側に上記
ゴム被覆層5と一体に加硫成形されたゴム緩衝部28と
の間の左右方向間隔が、上記規制変位量に対応する間隔
になるように設定されている。なお、図9中、25bは
折返し部であり、上記各先端部25aが上記の如き所定
位置に位置付けられるよう調整するものである。
【0076】なお、上記取付孔16に挿通される図示省
略の軸体により例えばエンジン等の振動発生源に取付け
られ、この取付孔16によって上下方向軸Xに沿った一
側の取付部が構成され、上記取付ボルト19aによって
自動車の車体等に取付けられる他側の取付部が構成され
ている。
【0077】上記構成の第4実施例の場合、上側の取付
孔16と下側の取付ボルト19aとによって第1実施例
と同様にエンジン側および車体側に取付けられ、上下方
向振動の入力に対して主としてばねリング21のばね特
性に基いて防振される。そして、上記ばねリング21の
上下各部21a,21aを上下方向引張側に大きく変形
させるような大振幅の振動や衝撃的外力が入力した場
合、図10に示すように上記上下各部21a,21aの
上下方向引張側への相対変位に伴い左右各側部21bが
互いに近付くように左右方向圧縮側に相対変位し、上記
上下部21a,22a間の上下方向引張側の変位量が規
制変位量前の第3実施例と同様の所定変位量δ2 (図8
参照)に到達した時点で両フランジ25の各先端部25
aと、上記左右各側部21bのゴム緩衝部28とが当接
する。この当接によりばねリング21の左右各側部21
bの左右方向圧縮側への変位が抑制されるため、以後の
上下方向引張側への変位増大が急減し、各フランジ部2
5の曲げ強度、および、ばねリング21の上半部もしく
は下半部の材自体の引張強度等に基く規制変位量でそれ
以上の引張側変位の増大が確実に制限される。
【0078】従って、本第4実施例においても、第1実
施例と同様に、上下方向圧縮側,引張側のいずれに対す
る変位量をも、それぞれ所定の規制変位量に確実に制限
することができ、これにより、上記ばねリング21の本
来のばね特性の維持を図ることができ、ひいては、ばね
リング21を用いた防振マウントの耐久性,信頼性の向
上を図ることができる。そして、引張側変位規制手段
を、ばねリング12の内部に配設した溝形部材23によ
って簡易に構成することができる上、第1実施例と同様
に防振マウントのコンパクト化を図ることができる。さ
らに、上記の引張側規制手段(23)をばねリング21
の内部に配設しても、そのばねリング21による防振の
支障にならないばかりか、圧縮側変位を制限する各ゴム
ストッパー22,26を配設する上で支障にもならな
い。
【0079】しかも、この第4実施例の場合、各フラン
ジ部25との当接によりばねリング21の左右各側部2
1bの内方側変位が規制された状態になっても、上下方
向引張側の変位増大が直接的に止められるのではなく、
上記のばねリング21の上半部もしくは下半部による緩
衝効果に加えて、各フランジ部25の曲げ弾性による緩
衝効果が付与されるため、突っ張り部材14(図6参
照)により左右両側部の内方側変位を直接拘束する第3
実施例の場合と比べ、より軟らかい緩衝効果を付与しつ
つ変位規制を行うことができ、エンジンおよび車体の間
の衝撃伝達の緩和,防止、および、応力集中の緩和をよ
り一層図った状態での振動入力方向引張側の変位規制を
行うことができる。
【0080】一方、上記ばねリング21の上下各部21
a,21aを左右方向の互い違いの側に大きく変形させ
るような大振幅の衝撃的外力等が取付孔16と取付ボル
ト19aとに入力した場合、例えば図11に示すよう
に、筒体15およびゴムストッパー22を介して上部2
1aが図面の右方に、取付ボルト19aを介して下部2
1aが左方にそれぞれ相対変位して、ついには、上記ゴ
ムストッパー22の図面の右側面が右側のフランジ25
の端部25aに当接してそれ以上の右方への変位が規制
されて変位増大が急減する。この際も、上記の当接によ
り変位増大が直接的に制限されるのではなく、上記フラ
ンジ部25の曲げ弾性に基く緩衝効果が得られるため、
緩衝効果を付与しつつ左右方向変位を所定値に規制する
ことができる。従って、上記各フランジ部25によっ
て、振動入力方向引張側変位の規制と、この振動入力方
向に直交する左右方向の変位の規制とを、共に緩衝効果
を付与しつつ行うことができる。
【0081】また、上記の第4実施例においても、第1
実施例の場合と同様に、ゴム被覆層5,5による減衰特
性の付与、ばねリング21をステンレス鋼により形成す
ることによる耐熱性向上、ゴストッパー22に取付孔1
6を設けることによる左右方向の防振特性をも互いに独
立して設定することが可能等の作用,効果をも得ること
ができる。
【0082】なお、上記第4実施例では、上下方向引張
側変位量δ2 を規制変位量より所定量小さい値としてい
るが、第3実施例と同様に、付与したい変位規制性能に
応じて上記δ2 の値を変位規制量に等しく設定してもよ
い。
【0083】<第5実施例>図12は、本発明の第5実
施例に係る防振マウントを示し、請求項11に係るもの
に対応する。同図において、31は両開口が前後方向
(図12の紙面に直交する方向)に向けられて振動入力
方向である上下方向にばね特性を発揮するように配置さ
れ横断面形状が長円形もしくは楕円形になるように金属
もしくは合成樹脂により形成された筒状ばねリング、3
2,32はこのばねリング31の上下方向に互いに離れ
た両部位である上下部31a,31aの各内面から上下
方向に相対向するよう突出されて上記ばねリング31の
圧縮側変位を所定量に制限する一対の圧縮側ゴムストッ
パーであり、上記ばねリング31の内外周面には所定厚
みのゴム被覆層5,5が密着状態で被覆形成され、上記
各ゴムストッパー32には第1実施例と同様に取付部と
しての取付孔3が貫通して形成されている。
【0084】また、33は上記ばねリング31の外周面
と互いに離された状態で上記ばねリング31を囲む筒状
の剛性枠体、34,34,…はこの剛性枠体34と上記
ばねリング31とを互いに連結する複数(図例では4
つ)のゴム連結片、35,35は上記ばねリング31の
上下部31a,31aの各外面から上下方向に互いに離
れる側に突出されて上記ばねリング31の引張側変位を
所定量に制限する一対の引張側ゴムストッパーであり、
これら剛性枠体33と、複数のゴム連結片34,34,
…と、一対の引張側ゴムストッパー35,35とによっ
て、ばねリング31の外方に配設された引張側変位規制
手段が構成されている。
【0085】上記4つのゴム連結片34,34,…は、
ばねリング31と剛性枠体33との間で、上下方向軸X
に対してほぼ45度の挟角をなす放射方向にそれぞれ外
周面側のゴム被覆層5から一体に延びるように配設され
ており、かつ、上下方向振動に対するばねリング31の
防振特性に影響を与えないように上記ばねリング31の
ばね定数よりも小さいばね定数を有するように設定され
ている。また、上記各引張側ゴムストッパー35の突出
端面と、剛性枠体33の内周面との間の上下方向間隔が
引張側規制変位量に相当する寸法に設定されている。
【0086】上記構成の第5実施例の場合、例えばハン
ガーラバーとして用いる場合、上側取付孔3に挿通させ
た軸体により車体側に、下側取付孔3に挿通させた他の
軸体によりマフラー側にそれぞれ取付けてマフラーを車
体の下方位置に支持する。そして、上記ばねリング31
の上下各部31a,31aを上下方向圧縮側に大きく変
形させるような大振幅の振動や衝撃的外力が入力した場
合、上下の圧縮側ゴムストッパー32,32が上下方向
圧縮側に相対変位して両者32,32が当接することに
より、それ以上の圧縮側変位の増大が確実に制限され
る。一方、上記とは逆に、ばねリング31の上下各部3
1a,31aを上下方向引張側に大きく変形させるよう
な大振幅の振動等による荷重が作用した場合、上下の引
張側ゴムストッパー35,35が上下方向引張側に相対
変位して各ゴムストッパー35と剛性枠体33の内周面
とが当接することにより、それ以上の引張側変位の増大
が確実に制限される。これにより、ばねリング31の圧
縮側および引張側の両側への過度の変形が確実に阻止さ
れて、上記ばねリング31の本来のばね特性の維持を図
ることができ、ひいては、ばねリング31を用いた防振
マウントの耐久性,信頼性の向上を図ることができる。
【0087】そして、この場合、上記各ゴム連結片34
が振動入力方向である上下方向とは異なる方向に配設さ
れて、かつ、上記ばねリング31による防振特性に影響
を与えないようなばね定数に設定されているため、上記
ばねリング31のばね特性にく防振に影響を与えること
なく、上記剛性枠体33による引張側変位の制限を実現
することができる。
【0088】<第6実施例>図13は、本発明の第6実
施例に係る防振マウントを示し、請求項12に係るもの
に対応する。同図において、36は両開口が前後方向
(図13の紙面に直交する方向)に向けられて振動入力
方向である上下方向にばね特性を発揮するように配置さ
れ横断面形状が長円形もしくは楕円形になるように金属
もしくは合成樹脂により形成された筒状ばねリング、3
7はこのばねリング36の上下方向に互いに離れた両部
位である上下部36a,36bの内の上部36aの内面
から下方に突出されて上記ばねリング36の圧縮側変位
を所定量に制限する圧縮側ゴムストッパーであり、上記
ばねリング36の内外周面にはそれぞれ所定厚みのゴム
被覆層38a,38bが密着状態で被覆形成されてい
る。
【0089】また、39は上記ばねリング36の下部3
6bとともに取付ボルト19bが貫通することにより上
記下部36bと一体に固定された剛性枠体であり、この
剛性枠体39は上記ばねリング36の上部36aと上下
方向に所定寸法離れた状態で配設されている。さらに、
40は上記ばねリング36の上部36aの外面から上方
に突出された引張側ゴムストッパーであり、このゴムス
トッパー40の突出端面と上記剛性枠体39の内面との
間の上下方向間隔が上記ばねリング36の引張側の規制
変位量に相当する寸法に設定されている。そして、上記
引張側ゴムストッパー40には、上下方向軸Xに沿って
上記取付ボルト19bの上方位置に第1実施例と同様に
取付部としての取付孔3が貫通して形成されている。な
お、図中15は上記取付孔3を形成するために上記引張
側ゴムストッパー40に埋め込まれた筒体である。
【0090】上記構成の第6実施例の場合、例えばエン
ジンマウントとして用いる場合、上記取付孔3に挿通さ
せた軸体によりエンジン側に、取付ボルト19bにより
車体側にそれぞれ取付けて上記エンジンを車体に対して
支持する。そして、上記取付孔3側から上記ばねリング
36の上部36aを下方に大きく変形させるような大振
幅の振動や衝撃的外力が入力した場合、圧縮側ゴムスト
ッパー37が下方に相対変位して内側ゴム被覆層38b
に当接することにより、それ以上の圧縮側変位の増大が
確実に制限される。一方、上記とは逆に、ばねリング3
6の上部36aを上方に大きく変形させるような大振幅
の振動等による荷重が作用した場合、引張側ゴムストッ
パー40が上方に相対変位して剛性枠体39の内面に当
接することにより、それ以上の引張側変位の増大が確実
に制限される。これにより、ばねリング36の圧縮側お
よび引張側の両側への過度の変形が確実に阻止されて、
第3実施例と同様に、上記ばねリング36の本来のばね
特性の維持を図ることができ、ひいては、ばねリング3
6を用いた防振マウントの耐久性,信頼性の向上を図る
ことができる。
【0091】なお、本発明は上記第1〜第6実施例に限
定されるものではなく、その他種々の変形例を包含する
ものである。すなわち、上記第1実施例では、変位規制
片4として横断面形状がコ字状のものを用いているが、
これに限らず、基端部をばねリングに確実に固定するこ
とができれば横断面形状が例えばL字状等のものをもち
いてもよい。
【0092】また、上記第1,第2実施例では、圧縮側
ゴムストッパーを一対設けているが、これに限らず、い
ずれか一側のみに設けるだけでもよく、この場合でも圧
縮側の変位規制は可能である。
【0093】さらに、上記第4実施例では、一対の変位
規制部材を1つの溝形部材23の両フランジ部25,2
5によって構成しているが、これに限らず、例えば上記
の各フランジ部25に対応する部材を各別にばねリング
21に固定するようにして一対の変位規制部材を構成し
てもよい。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における防振マウントによれば、ばねリングに引張側
変位規制手段を設けて、そのばねリングの引張側変位を
所定の規制変位量に制限するようにしているため、過度
の引張側変位の発生に伴う上記ばねリングのばね特性の
変質を防止して本来のばね特性の維持を図ることがで
き、これにより、ばねリングを用いた防振マウントの耐
久性,信頼性の向上を図ることができる。また、エンジ
ンマウントはもとより、ハンガーラバーにも適用が可能
となり、ばねリングのばね特性に基き静動比の低い防振
特性を有するハンガーラバーの実現が可能となる。
【0095】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手段
を一対のL字状変位規制片によって簡易に構成すること
ができる上、その両先端部内面同士の当接により確実に
それ以上の引張側変位の増大を制限することができる。
そして、この際、上記ばねリングの両部位の引張側相対
変位量を上記両先端部内面間の当初の相対向面間隔に対
応する規制変位量に確実に規制することができる上、ば
ねリングによる防振に支障を与えることはない。また、
上記引張側変位規制手段をばねリングの内方に配設して
いるため、外方に配設する場合と比べ防振マウントのコ
ンパクト化を図ることができる。
【0096】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、引張規制手段である
一対の変位規制片に圧縮側ゴムストッパーを組み合わせ
ることにより、引張側変位規制に加えて、圧縮側の変位
規制をも効果的に行うことができ、その圧縮側変位を確
実に規制変位量に制限することができる。これにより、
ばねリングのばね特性維持の確実化により、防振マウン
トのより一層の耐久性等の向上を図ることができる。
【0097】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手段
をばねリングに固定した小径ばねリングによって簡易に
構成することができる上、上記小径ばねリングによって
引張側変位を所定の規制変位量に確実に制限することが
できる。しかも、上記小径ばねリングのばね定数がばね
リングより小さく設定されているため、ばねリングの有
する本来のばね特性を損ねることなく所定の防振特性を
発揮させることができる。また、引張側変位規制手段が
ばねリングの内方に配設されているため、請求項3の場
合と同様に防振マウントのコンパクト化を図ることがで
きる。
【0098】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、小径ばねリングに圧
縮側ゴムストッパーを組み合わせているため、引張側変
位規制に加えて、圧縮側の変位規制をも確実に行うこと
ができる。これにより、ばねリングのばね特性維持の確
実化により、防振マウントのより一層の耐久性等の向上
を図ることができる。
【0099】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手段
をばねリングに支持させた突張り部材によって簡易に構
成することができる上、ばねリングの引張側変位を所定
の規制変位量に確実に制限することができる。しかも、
規制変位量に到達した時点での変位増大規制を緩衝効果
を付与した状態で行うことができ、請求項2記載の発明
による場合と比べ、上記規制変位量に到達時の衝撃伝達
の緩和、および、応力集中の緩和を図ることができる。
さらに、引張側変位規制手段がばねリングの内方に配設
されているため、請求項2等の場合と同様に防振マウン
トのコンパクト化を図ることができる。
【0100】請求項7記載の発明によれば、上記請求項
6記載の発明による効果に加えて、圧縮側変位を規制す
るゴムストッパーを付加しているため、引張側変位規制
に加えて、圧縮側の変位規制をも確実に行うことができ
る。これにより、ばねリングのばね特性維持の確実化に
より、防振マウントのより一層の耐久性等の向上を図る
ことができる。しかも、上記ゴムストッパーにより突張
り部材をばねリングに対して弾性支持させることがで
き、突張り部材をばねリングに剛に支持させた場合と比
べ、衝撃伝達の分散や応力集中等の発生の防止を図るこ
とができる。
【0101】請求項8記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手段
をばねリングの一側の部位から両直交部位に相対向する
ように振動入力方向に延ばした一対の変位規制部材によ
って簡易に構成することができる上、ばねリングの引張
側変位を所定の規制変位量に確実に制限することができ
る。しかも、規制変位量に到達した時点での変位増大規
制を緩衝効果を付与した状態で行うことができる上、そ
の緩衝効果を請求項6記載の発明による場合と比べより
軟らかいものとすることができ、上記規制変位量に到達
時の衝撃伝達の緩和、および、応力集中の緩和をより一
層確実に図ることができる。さらに、引張側変位規制手
段がばねリングの内方に配設されているため、請求項2
等の場合と同様に防振マウントのコンパクト化を図るこ
とができる。
【0102】請求項9記載の発明によれば、上記請求項
8記載の発明による効果に加えて、圧縮側変位を規制す
るゴムストッパーを付加しているため、引張側変位規制
に加えて、圧縮側の変位規制をも確実に行うことができ
る。これにより、ばねリングのばね特性維持の確実化に
より、防振マウントのより一層の耐久性等の向上を図る
ことができる。加えて、上記ゴムストッパーと変位規制
部材との組み合わせにより、ばねリングの振動入力方向
に離れた両部位の振動入力方向に直交する方向への相対
変位をも緩衝効果を付与した状態で確実に所定値に規制
することができる。
【0103】請求項10記載の発明によれば、上記請求
項3,請求項5,請求項7または請求項9のいずれかに
記載の発明による効果に加えて、ゴムストッパーに貫通
形成した取付孔によって振動発生源もしくは振動受部へ
の取付部を構成しているため、エンジンマウントに適用
する場合の取付部の構成の簡略化を図ることができる。
この場合、ハンガーラバーに適用する上で被取付部に適
した取付部にすることができる。
【0104】請求項11記載の発明によれば、上記請求
項1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手
段をばねリングを囲む剛性枠体によって容易に構成する
ことができる上、その剛性枠体とばねリングとを振動入
力方向とは異なる方向に延びかつばねリングより小さい
ばね定数のゴム連結片で互いに連結しているため、ばね
リングの本来のばね特性に基く防振特性に支障を与える
こともない。
【0105】請求項12記載の発明によれば、上記請求
項1記載の発明による効果に加えて、引張側変位規制手
段を、請求項11の場合と同様に、ばねリングを囲む剛
性枠体によって容易に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断面図である。
【図2】第1実施例の斜視図である。
【図3】第2実施例の静止状態を示す横断面図である。
【図4】第2実施例の最大引張側変位状態を示す図3相
当図である。
【図5】第2実施例の各ばねリングの引張側変位量と引
張側荷重との関係図である。
【図6】第3実施例を示す横断面図である。
【図7】第3実施例に引張側荷重が作用した状態を示す
図6相当図である。
【図8】第3実施例の引張側変位量と引張側荷重との関
係図である。
【図9】第4実施例を示す横断面図である。
【図10】第4実施例に引張側荷重が作用した状態を示
す図9相当図である。
【図11】第4実施例に左右方向荷重が作用した状態を
示す図9相当図である。
【図12】第5実施例を示す横断面図である。
【図13】第6実施例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1,7,12,21,31,36
ばねリング 1a,1b,7a,12a,21a,31a,36a,
36b ばねリングの上下部(振動入力方向に互いに
離れた両部位) 2,9,13,22 圧縮側ゴムストッパー 2a ゴムストッパーの突出端面 4 引張側変位規制片(引張側変
位規制手段) 8 小径ばねリング(引張側変位
規制手段) 12b,21b ばねリングの左右各側部(直
交部位) 14 突張り部材(引張側変位規制
手段) 14b 突張り部材の端部 24 底部(変位規制部材の基端
部) 25 フランジ部(変位規制部材,
引張側変位規制手段) 25a 先端部 33,39 剛性枠体(引張側変位規制手
段) 34 ゴム連結片 35,40 引張側ゴムストッパー 43a 変位規制片の先端部内面 43b 変位規制片の先端部外面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動入力方向に直交する方向に両開口を
    向けて配置された無端の環状ばねリングと、このばねリ
    ングの振動入力方向に互いに離れた各部位を振動発生源
    もしくは振動受部に連結する一対の取付部とを備えた防
    振マウントにおいて、 上記ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位の
    振動入力方向引張側への相対変位を所定の規制変位量に
    制限する引張側変位規制手段が上記ばねリングに連結さ
    れていることを特徴とする防振マウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの内方に配設されてお
    り、 上記変位規制手段は、上記ばねリングの振動入力方向に
    互いに離れた両部位にそれぞれ基端部が取付けられ、こ
    の各部位から相対向する側に突出しかつ互いの先端部内
    面が振動入力方向に相対向するよう振動入力方向に直交
    する方向に屈曲されたL字状の一対の変位規制片を有し
    ており、この一対の変位規制片の両先端部の相対向面間
    隔が上記両部位の振動入力方向引張側への規制変位量に
    対応する寸法に設定されている防振マウント。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位の少な
    くとも一方の内面に固着され、この内面から振動入力方
    向に所定寸法突出されたゴムストッパーを備えており、 上記ゴムストッパーと一対の変位規制片とは、上記ばね
    リングの一方の部位からのゴムストッパーの突出端面
    と、他方の部位からの変位規制片の先端部外面とが振動
    入力方向に相対向するように配置され、かつ、上記突出
    端面と上記先端部外面との間隔が上記両部位の振動入力
    方向圧縮側の規制変位量に対応する寸法に設定されてい
    る防振マウント。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの内方に配設されてお
    り、 上記変位規制手段は、上記ばねリングの振動入力方向に
    互いに離れた両部位でそれぞれ固定され、上記ばねリン
    グの振動入力方向に直交する方向の径より小さい径を有
    し、かつ、上記ばねリングより小さいばね定数を有する
    ように設定された小径ばねリングによって構成されてい
    る防振マウント。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位に固定
    された部分の小径ばねリングの少なくとも一側の内面に
    固着され、この内面から振動入力方向に突出されて振動
    入力方向圧縮側の変位を規制変位量に制限するゴムスト
    ッパーを備えている防振マウント。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの内方に配設されてお
    り、 上記変位規制手段は、ばねリングの振動入力方向に互い
    に離れた両部位の振動入力方向引張側変位に伴い発生す
    る、上記ばねリングの振動入力方向に直交する方向に互
    いに離れた両直交部位の互いに近付く側への変位の増大
    を制限する突張り部材を備えており、 上記突張り部材は、上記ばねリングの両部位の内の一方
    の部位に支持されて上記両部位の振動入力方向中間位置
    において上記振動入力方向に直交する方向の両側に延び
    るよう配設され、その各端部と上記各直交部位との間の
    間隔が上記両部位の振動入力方向引張側への規制変位量
    に対応する寸法に設定されている防振マウント。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 ばねリングの振動入力方向に互いに離れた両部位の少な
    くとも一方の部位の内面に固着され、この内面から振動
    入力方向に突出されて上記両部位の振動入力方向圧縮側
    の変位を規制変位量に制限するゴムストッパーを備えて
    おり、 突張り部材が、上記両部位の内の一方の部位に固着され
    たゴムストッパーの突出端側位置に固着されてこのゴム
    ストッパーを介して上記一方の部位に弾性支持されてい
    る防振マウント。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの内方に配設されてお
    り、 上記変位規制手段は、ばねリングの振動入力方向に互い
    に離れた両部位の振動入力方向引張側変位に伴い発生す
    る、上記ばねリングの振動入力方向に直交する方向に互
    いに離れた両直交部位の互いに近付く側への変位の増大
    を規制する一対の変位規制部材を備えており、 上記各変位規制部材は、基端部が上記ばねリングの振動
    入力方向に互いに離れた両部位の内の一方の部位の内面
    に支持され、先端部が上記一方の部位の振動入力方向に
    直交する方向に互いに所定寸法離れた両内面位置からほ
    ぼ振動入力方向に少なくとも振動入力方向中央位置まで
    延びるよう配設され、 上記各変位規制部材の先端部と、この先端部と上記直交
    する方向に相対向する上記各直交部位の内面との間隔
    が、上記両部位の振動入力方向引張側への規制変位量に
    対応する寸法に設定されている防振マウント。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 少なくとも、一対の変位規制部材が支持された一方の部
    位とは異なる他方の部位の内面に固着されて、振動入力
    方向圧縮側の変位を規制変位量に制限するゴムストッパ
    ーを備えており、上記他方の部位に固着されたゴムスト
    ッパーは上記他方の部位の内面から振動入力方向に上記
    一対の変位規制部材の両先端部間まで突出されている防
    振マウント。
  10. 【請求項10】 請求項3,請求項5,請求項7または
    請求項9のいずれかにおいて、 少なくとも1つのゴムストッパーには、ばね体と交差し
    ない方向であって、振動入力方向に直交する一方向に貫
    通して振動発生源もしくは振動受部と連結する軸体を挿
    通する取付孔が形成されており、この取付孔によって取
    付部が構成されている防振マウント。
  11. 【請求項11】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの外方に配設されてお
    り、 上記規制手段は、ばねリングの外周面と互いに離れた状
    態でそのばねリングの周囲を囲む剛性枠体と、上記ばね
    リングの振動入力方向に対するばね定数より小さいばね
    定数を有し、上記剛性筒体とばねリングとの間で振動入
    力方向とは異なる方向に延びて両者を互いに連結する2
    以上のゴム連結片と、上記ばねリングの振動入力方向に
    互いに離れた両部位の各外面から振動入力方向引張側に
    突出する一対の引張側ゴムストッパーとを備えている防
    振マウント。
  12. 【請求項12】 請求項1において、 引張側変位規制手段がばねリングの外方に配設されてお
    り、 上記規制手段は、ばねリングの振動入力方向に互いに離
    れた両部位の一方に連結され他方と振動入力方向に互い
    に離れた状態で上記ばねリングを囲む剛性枠体と、上記
    ばねリングの他方の部位の外面から振動入力方向引張側
    に突出する引張側ゴムストッパーとを備えている防振マ
    ウント。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006001320A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Kurashiki Kako Co Ltd 防振マウント装置
JP2010071455A (ja) * 2008-09-22 2010-04-02 Yanmar Co Ltd 防振支持装置
JP2014533341A (ja) * 2011-11-02 2014-12-11 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh 自動車に構造ユニット、特にポンプを固定するホルダ

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