JPH0814307A - 周波数感応型緩衝器 - Google Patents

周波数感応型緩衝器

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JPH0814307A
JPH0814307A JP14901594A JP14901594A JPH0814307A JP H0814307 A JPH0814307 A JP H0814307A JP 14901594 A JP14901594 A JP 14901594A JP 14901594 A JP14901594 A JP 14901594A JP H0814307 A JPH0814307 A JP H0814307A
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JP
Japan
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annular
plate
disc plate
valve
pressure
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JP14901594A
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Inventor
Taketo Nakagawa
武人 中川
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低減衰力特性を伸側と圧側で独立して設定で
き、部品点数の削減と構造の簡略化が可能で、コストを
低減できる周波数感応型緩衝器の提供。 【構成】 伸・圧低減衰バルブが、外周側をスタッド2
2とカラー25との間に挟持されていて中間部には圧側
オリフィス孔26aを有する伸側オリフィスプレート2
6と、伸側オリフィスプレート26の内周側上面に重ね
ることで圧側オリフィス孔26aを塞いだ状態で設けら
れる両効きディスクプレート24とで構成され、スタッ
ド22の対向面には、その内周側に両効きディスクプレ
ート24の内周側上面が当接する伸側シート面22eと
両効きディスクプレート24の外周側の撓みを所定の範
囲で許容する環状溝22dが設けられ、カラー25の対
向面には両効きディスクプレート24および伸側オリフ
ィスプレート26の内周側の撓みを所定の範囲で許容す
る環状段部25cが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緩衝器のストローク周
波数に感応して減衰力特性を自動的に変化させる周波数
感応型緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、周波数感応型緩衝器として、例え
ば、特開平3−181633号公報に記載されているよ
うなものが知られている。
【0003】この従来の緩衝器は、シリンダ内を上部室
と下部室とに画成するピストンがピストンロッドの先端
に固定され、該ピストンには伸行程時に開弁して流体室
間を連通可能な伸側高減衰バルブおよび圧行程時に開弁
して流体室間を連通可能な圧側高減衰バルブが設けら
れ、前記ピストンの下部に、前記両高減衰バルブをバイ
パスして両室間を連通可能なバイパス流路の一部を構成
する円筒状のケースが形成され、該ケースの中空部内に
は、画成された室の流体圧差および周波数に感応してハ
ウジング内を摺動して前記バイパス流路の断面積を変更
するスプールを含む周波数感応部材と、両端面に伸行程
時に開弁して両室間を連通可能な伸側低減衰バルブおよ
び圧行程時に開弁して両室間を連通可能な圧側低減衰バ
ルブとがそれぞれ設けられたバルブボディを含む低減衰
力発生部材とが直列に組み込まれたもので、該バルブボ
ディ等はスタッドに装着された状態で組み込まれてい
る。
【0004】即ち、圧側リテーナ部を構成する大径円板
の下面中央部に、その軸心部に貫通孔を穿設した小径部
が一体に形成されたスタッドが用いられ、このスタッド
の小径部に対し、上部から順にリフト量規制用圧側リテ
ーナ,リフト支点決定用ワッシャ,圧側低減衰バルブ,
バルブボディ,伸側低減衰バルブ,リフト支点決定用ワ
ッシャ,リフト量規制用伸側リテーナが装着され、最後
にナットで締結されると共に、円筒状ケースの下端をバ
ルブボディの外周下面でかしめることによってこれら低
減衰力発生部材および前記周波数感応部材をケース内に
収容固定した構造となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の緩衝器にあっては、圧側低減衰バルブと伸
側低減衰バルブとをバルブボディの上下両端面にそれぞ
れ独立して設ける構造であったため、リフト支点決定用
ワッシャやリフト量規制用リテーナも圧側と伸側で独立
して設ける必要があり、このため、低減衰力発生部材の
部品点数が多くなり、また、スタッドおよびバルブボデ
ィの形状が複雑で加工に手間を要することから、コスト
が高くつくという問題点があった。
【0006】本発明は、上述のような従来の問題点に着
目して成されたもので、従来例と同様に低減衰力特性を
伸側と圧側で独立して設定することができると共に、部
品点数の削減と構造の簡略化が可能で、コストを低減す
ることができる周波数感応型緩衝器を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するために、本発明の周波数感応型緩衝器では、シリン
ダ内を上部室と下部室に画成するピストンがピストンロ
ッドの先端に固定され、該ピストンには伸行程時に開弁
して両流体室間を連通可能な伸側高減衰バルブおよび圧
行程時に開弁して両流体室間を連通可能な圧側高減衰バ
ルブが設けられ、前記ピストンの下部に設けられた筒状
ケース内には前記両高減衰バルブをバイパスして両流体
室間を連通可能なバイパス流路の一部を構成する中空部
が形成され、該中空部内には、両流体室間の流体圧差お
よび周波数に感応してハウジング内を摺動して前記バイ
パス流路の断面積を変更するスプールを含む周波数感応
部材と、伸行程時に開弁して両流体室間を連通可能な伸
側低減衰バルブおよび圧行程時に開弁して両流体室間を
連通可能な圧側低減衰バルブがそれぞれ設けられたバル
ブボディを含む低減衰力発生部材とが直列に組み込まれ
た周波数感応型緩衝器であって、前記バルブボディが、
軸方向に対向すると共に軸心部には下部室側に連通して
いて前記周波数感応部材に下部室側の流体圧を伝達する
ための軸心孔を有する上側環状部材と下側環状部材とで
構成され、上側環状部材の対向面には、外周側に挟持用
環状突起が形成され、内周側には挟持用環状突起より低
い環状シート面が形成され、環状突起と環状シート面と
の間には環状シート面よりさらに低い環状溝が形成さ
れ、上側環状部材の外周部には環状溝と前記バイパス流
路との間を連通する軸方向切欠き部が形成され、下側環
状部材の対向面には、外周側に挟持用環状突起が形成さ
れ、内周側には挟持用環状突起より低い環状段部が形成
され、前記伸側低減衰バルブおよび圧側低減衰バルブ
が、外周側を上側環状部材と下側環状部材の両挟持用環
状突起間に挟持固定されていて半径方向略中間部には軸
方向に貫通する貫通孔を有する環状の大径ディスクプレ
ートと、該大径ディスクプレートの内周側上面に重ねる
ことで貫通孔を塞いだ状態で設けられると共に内周側上
面が環状シート面に当接する環状の小径ディスクプレー
トとで構成されている手段とした。
【0008】
【作用】ピストンがストロークすると、上部室と下部室
との間で流体が流通し、その際に、圧側または伸側の高
減衰バルブを開弁する際の大きな流通抵抗や、バイパス
流路を流体が流通する際にスプールによる絞り部の流通
抵抗および小径ディスクプレートおよび大径ディスクプ
レートの内周側または小径ディスクプレートの外周側を
開弁する際の小さな流通抵抗によってその流通が制限さ
れ、これにより、流通抵抗に応じた減衰力が発生する。
【0009】そして、減衰力特性は、バイパス流路の流
体流通量により、即ち、上部室と下部室との流体圧差お
よび周波数に感応して摺動するスプールの位置により自
動的に変化させることができる。
【0010】即ち、バイパス流路が開いている低減衰力
特性時は、緩衝器の一方の行程では、小径ディスクプレ
ートおよび大径ディスクプレートの内周側を開弁する際
の流通抵抗による減衰力を発生させ、緩衝器のもう一方
の行程では、小径ディスクプレートの外周側を開弁する
際の流通抵抗による減衰力を発生させるもので、これに
より、低減衰力特性を伸側と圧側とで独立して設定する
ことができる。
【0011】また、バルブボディを構成する上側環状部
材と下側環状部材との対向面にそれぞれ形成された環状
溝と環状段部とにより、小径ディスクプレートおよびブ
大径ディスクプレートのリフト量の規制が行なわれるも
ので、このため、別にリフト支点決定用ワッシャやリフ
ト量規制用リテーナ等の部品を設ける必要がなく、ま
た、軸心孔,切欠き部,環状溝,環状段部,軸心孔路等
も面倒な加工を必要とすることなく容易に形成できるた
め、部品点数の削減および構造の簡略化によってコスト
が低減される。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。まず、実施例の構成について説明する。図1は、本
発明実施例の周波数感応型緩衝器を示す要部の断面図で
ある。図中1は円筒状のシリンダであって、ピストンロ
ッド2の下端小径部にナット8で締結されたピストン3
によって内部が上部室Aと下部室Bとに画成されてい
る。
【0013】そして、前記ピストン3の上面には圧行程
時に開弁して減衰力を発生する圧側減衰バルブ3aが設
けられ、一方、下面には伸行程時に開弁して減衰力を発
生する伸側減衰バルブ3bが設けられている。なお、前
記両減衰バルブ3a,3bはその内周側を固定したディ
スクバルブで構成されている。そして、前記ピストンロ
ッド2には、両減衰バルブ3a,3bを迂回して両室
A,Bを連通するバイパス孔2aが形成されている。
【0014】前記ナット8の下端には、後述する減衰力
特性を変更するための機構を収容する円筒状のケース1
1の上端部がプロジェクション溶接によって連結固定さ
れている。そして、このケース11の内部に前記バイパ
ス孔2aと連通した大径穴(中空部)11aが形成され
ていて、この大径穴11aの内部には上方から順に、リ
テーナ12,伸側チェックプレート14,伸側コンスタ
ントプレート15,伸側シートプレート16,スプール
ハウジング17,圧側シートプレート18,圧側コンス
タントプレート19,圧側チェックプレート20,リテ
ーナ21,スタッド(バルブボディを構成する上側環状
部材)22,伸圧兼用の両効きディスクプレート(小径
ディスクプレート)24,伸側オリフィスプレート(大
径ディスクプレート)26,カラー(バルブボディを構
成する下側環状部材)25が装着され、ケース11の下
端をカラー25の外周部下面側にかしめることにより、
上記全部材がナット8の下面とかしめ部11bとの間に
挟持された状態で組み付けられている。
【0015】さらに詳述すると、前記スプールハウジン
グ17は、その軸心部にスプール穴17aが形成された
円筒状に形成され、その外周面中途部には、大径穴11
aの内周面との間をシールするシールリング29を装着
した環状突出部17bが形成されている。
【0016】前記リテーナ12は、薄手の板素材の中央
部に中央孔12aが形成されると共に、その外周部に
は、周方向等間隔のもとに形成された切欠き部12bに
よってその中途部からそれぞれ下向きに折曲された複数
本の脚片部12cが形成されている。
【0017】前記伸側チェックプレート14は、図2に
示すように、可撓性を有する薄手の板素材にその一部を
残した切欠環状孔14aを形成することによって、環状
の外周固定部14bと、中央の円形弁部14cと、両者
間を連通する連結部14dとが形成されている。
【0018】前記伸側コンスタントプレート15は、図
3に示すように、薄手の板素材の中央部に、前記圧側チ
ェックプレート14の弁部14cより小径の中央孔15
aが形成され、該中央孔15aの外周で前記圧側チェッ
クプレート14の切欠環状孔14aと対向する位置には
その周方向に沿って円弧状の長穴15bが形成され、さ
らに、該長穴15bの中間部と中央孔15a間が細幅の
切欠き部15cで連結されている。
【0019】図1に戻り前記伸側シートプレート16
は、厚手の板素材の中央部に、前記圧側コンスタントプ
レート15の中央孔15aよりは小径の中央孔16aが
形成されている。また、伸側チェックプレート14と伸
側コンスタントプレート15と伸側シートプレート16
は、スプールハウジング17と同径に形成されると共
に、リテーナ12とスプールハウジング17の上部開口
端面との間でその外周部を挟持固定した状態で設けられ
ている。そして、リテーナ12は、その脚片部12cの
先端部がケース11とスプールハウジング17との間に
形成された上部環状空間17c内に挿入した状態で設け
られている。
【0020】即ち、図4に示すように、伸側コンスタン
トプレート15における中央孔15aの開口縁上面で弁
部14cが当接するシート面a1 を形成すると共に、切
欠き部15cの開口幅w(図3参照)と伸側コンスタン
トプレート15の厚みh1 とで形成される開口部で伸側
カット用絞りb1 を形成している。
【0021】次に、図1に戻り、前記リテーナ21、圧
側シートプレート18、圧側コンスタントプレート1
9、および、圧側チェックプレート20は、上述のリテ
ーナ12、伸側シートプレート16、伸側コンスタント
プレート15、および、伸側チェックプレート14とそ
れぞれ同一形状であって、リテーナ21だけは、リテー
ナ12と表裏逆方向に組み付けられているもので、前記
の場合と同様に圧側カット用絞りb2 を形成している。
なお、前記圧側コンスタントプレート19および圧側チ
ェックプレート20の詳細は、図2および図3に対応す
る符号を付記してその説明を省略する。
【0022】そして、上述の圧側シートプレート18、
圧側コンスタントプレート19、および、圧側チェック
プレート20が、前記スプールハウジング17の下部開
口端面とリテーナ21との間でその外周部を挟持した状
態で設けられている。
【0023】なお、前記リテーナ21は、その脚片部1
2cの先端部をケース11とスプールハウジング17と
の間に形成された下部環状空間17d内に挿入した状態
で設けられている。
【0024】前記スタッド22とカラー25とでバルブ
ボディを構成するもので、両者は軸方向に対向状に設け
られていて、図5にその分解斜視図を、また、図6に拡
大断面図を示すように、一方のスタッド22の軸心部に
は小径の軸心孔22aが形成され、もう一方のカラー2
5の軸心部には大径の軸心孔25aが形成され、また、
スタッド22の下面中央部には、軸心孔25aとの間に
環状流路25bを残した状態で軸心孔25a内に挿入さ
れたボス部22bが形成されている。そして、スタッド
22の外周縁部には4個所に流路形成用切欠き部22c
が形成されている。
【0025】また、スタッド22とカラー25の対向面
には、流路形成用切欠き部22cと環状流路25bとの
間を連通するための環状溝22dおよび環状段部25c
が形成されている。即ち、スタッド22の環状溝22d
は、ボス部22bの外周に環状の伸側シート面22e
と、外周側に伸側オリフィスプレート26の外周挟持部
(挟持用環状突起)22fとを残し、かつ、外周側を前
記切欠き部22cと連通させた状態で形成されており、
また、カラー25の環状段部25cは、その外周側に伸
側オリフィスプレート26の外周挟持部(挟持用環状突
起)25dを残し、その内周側全体を一段低くしてその
内周側を環状流路25bと連通させた状態で形成されて
いる。
【0026】そして、前記スタッド22とカラー25の
対向面間に前記両環状溝22dと環状段部25cとの間
を閉塞する状態で伸圧兼用の両効きディスクプレート2
4と伸側オリフィスプレート26とが設けられている。
即ち、この伸圧兼用の両効きディスクプレート24と伸
側オリフィスプレート26は環状に形成され、互いに重
ね合わせた状態で設けられるもので、両プレート24,
26は内径同一で、外径は伸側オリフィスプレート26
の方が大径に形成されていて、両効きディスクプレート
24との重ね合わせ部で伸側オリフィスプレート26の
半径方向略中央位置には、カラー25の環状段部25c
と連通する4つの圧側オリフィス孔(貫通孔)26aが
形成されている。
【0027】また、伸側オリフィスプレート26はその
外周側をスタッド22とカラー25との両外周挟持部2
2f,25d間で挟持固定されていて、内周側がカラー
25の環状段部25c方向へ撓み可能な状態に設けられ
ると共に、その上面側に重ね合わされた伸圧兼用の両効
きディスクプレート24の内周縁上面が伸側シート面2
2eに当接した状態で設けられている。
【0028】つまり、前記流路形成用切欠き部22cと
環状溝22dと伸側オリフィス孔26aと環状段部25
cと環状流路25bとで後述のバイパス流路Gの一部を
構成する流路が形成されると共に、この流路が前記伸圧
兼用の両効きディスクプレート24および伸側オリフィ
スプレート26で開閉可能に閉じられた状態となってい
る。即ち、図5の一点鎖線矢印および図6の左側半断面
図に示すように、伸行程における切欠き部22cから環
状流路25b方向への流体の流れに対しては、外周挟持
部25dの内周縁部を支点として伸圧兼用の両効きディ
スクプレート24および伸側オリフィスプレート26の
内周側をカラー25の環状段部25c方向(下方向)へ
撓ませることで流路(バイパス流路G)を開き、また、
図5の二点鎖線矢印および図6の右側半断面図に示すよ
うに、圧行程における環状流路25bから切欠き部22
c方向への流体の流れに対しては、伸側シート面25d
の内周縁部を支点として伸圧兼用の両効きディスクプレ
ート24の外周側をスタッド22の環状溝22d方向
(上方向)へ撓ませることにより圧側オリフィス孔26
aを経由する流路(バイパス流路G)を開いた状態とす
るものである。つまり、伸圧兼用の両効きディスクプレ
ート24の外周縁下面が当接する伸側オリフィスプレー
ト26の上面が圧側シート面を構成している。そして、
環状段部25cが両効きディスクプレート24および伸
側オリフィスプレート26の内周部の撓みを規制するリ
フト規制用リテーナの役目をなし、また、環状溝22d
の底部が両効きディスクプレート24の外周部の撓みを
規制するリフト規制用リテーナの役目をなしている。
【0029】前記スプールハウジング17には、環状突
出部17bを挟んで上下に上部環状空間17cとスプー
ル穴17a間を連通する複数の伸側ポート17eおよび
下部環状空間17dとスプール穴17a間を連通する複
数の圧側ポート17fが形成されている。そして、前記
スプール穴17a内には、その上下両面側に伸側受圧室
1 および圧側受圧室D2 を画成してスプール31が上
下方向摺動可能に設けられている。
【0030】従って、伸側受圧室D1 には、バイパス孔
2a,中央孔12a,切欠環状孔14a,長穴15b,
切欠き部15c(伸側カット用絞りb1 ),中央孔15
a,中央孔16aを巡る伸側伝達路Mを経由して上部室
A側の流体圧が伝達可能となっている。一方、圧側受圧
室D2 には、軸心孔25a,軸心孔22a,圧側カット
用絞りb2 を巡る圧側伝達路Nを経由して下部室B側の
流体圧が伝達可能となっている。なお、伸側受圧室D1
の流体は、円形弁部14cの開弁により15aを経由し
て速やかに上部室A側に戻すことができ、また、圧側受
圧室D2 の流体は、円形弁部20cの開弁により19a
を経由して速やかに上部室A側に戻すことができるよう
になっている。
【0031】前記スプール31の外周面には、スプール
31の中立位置で前記両ポート17e,17fを連通す
る環状溝31aが形成されており、この環状溝31aの
上縁側と伸側ポート17eとで伸側可変絞りHが形成さ
れ、また、環状溝31aの下縁側と圧側ポート17fと
で圧側可変絞りKが形成されている。
【0032】即ち、バイパス孔2a,上部環状空間17
c,伸側ポート17e,伸側可変絞りH,環状溝31
a,圧側可変絞りK,圧側ポート17f,下部環状空間
17d,切欠き部22c,環状溝22d,両効きディス
クプレート24および/または伸側オリフィスプレート
26,環状段部25c,環状流路25bを巡って上部室
Aと下部室Bとを連通するバイパス流路Gが形成されて
いる。従って、このバイパス流路Gは、スプール31の
摺動により伸側可変絞りH、または、圧側可変絞りKの
いずれかが絞られて流路断面積が狭められる構成となっ
ている。なお、前記スプール31は、上下のセンタリン
グスプリング32,33により両可変絞りH,Kが共に
全開状態となる中立位置に弾性的に保持されている。
【0033】以上のように、リテーナ12からリテーナ
21までの間の部材で周波数感応部材Sを構成し、ま
た、スタッド22からカラー25までの間の部材で低減
衰力発生部材Tを構成させている。
【0034】次に、実施例の作用について説明する。ピ
ストン3がストロークすると、両室A,B間で流体が流
通し、その際に、両減衰バルブ3a,3bを経由するこ
とや、バイパス流路Gを流体が流通する際に各可変絞り
H,K、伸圧兼用の両効きディスクプレート24および
/または伸側オリフィスプレート26を経由することで
その流通が制限され、これにより減衰力を発生させる。
【0035】そして、この減衰力特性は、バイパス流路
Gの流体流通量により、即ち、スプール31の位置によ
り変化する。即ち、上部室Aおよび下部室Bの流体圧
は、伸側伝達路Mおよび圧側伝達路Nを介して、伸側受
圧室D1 および圧側受圧室D2に伝達することができ
る。
【0036】従って、スプール31は両室の流体圧差に
よりストロークし、それにより、バイパス流路Gの途中
に形成される可変絞りH,Kの断面積が変化して減衰力
特性が変化する。即ち、図1に示すように、スプール3
1が中立位置である時には、両可変絞りH,Kが共に全
開状態となっていて、この時に伸行程側では図6の左半
断面図に示すように、バイパス流路Gを通り伸圧兼用の
両効きディスクプレート24および伸側オリフィスプレ
ート26の内周縁部を開弁し、または、圧行程側では図
6の右半断面図に示すように、両効きディスクプレート
24の外周縁部を開弁して流体が流通することで、最も
低い減衰力特性となる。そして、スプール31が上下い
ずれかの方向にストロークすると、伸側可変絞りH(ま
たは圧側可変絞りK)が閉じられることで、バイパス流
路Gの流体流通が完全に停止され、これにより、圧側高
減衰バルブ3aまたは伸側高減衰バルブ3bを開弁して
流体が流通することで最も高い減衰力特性となる。
【0037】なお、両伝達路M,Nの途中にはカット用
絞りb1 ,b2 が形成されているため、低周波振動時に
は上述の流体圧の伝達が成され、これにより、スプール
31をストロークさせて高減衰力特性への変更が成され
るが、高周波振動時には、このカット用絞りb1 ,b2
で流体圧の伝達がカットされることから、スプール31
のストロークが停止され、これにより、低減衰力特性状
態に維持される。
【0038】以上説明してきたように、実施例の周波数
感応型緩衝器は、バルブボディを構成するスタッド22
とカラー25との対向面にそれぞれ形成された環状溝2
2dおよび環状段部25cにより、両効きディスクプレ
ート24および伸側オリフィスプレート26のリフト量
の規制が行なわれるもので、このため、別にリフト支点
決定用ワッシャやリフト量規制用リテーナ等の部品を設
ける必要がなく、また、軸心孔22a,切欠き部22
c,環状溝22d,環状段部25c,軸心孔25a等も
面倒な加工を必要とすることなく容易に形成できるた
め、部品点数の削減および構造の簡略化によってコスト
を低減することができるようになるという特徴を有して
いる。
【0039】また、伸側の低減衰力特性が両効きディス
クプレート24と伸側オリフィスプレート26で決定さ
れるのに対し、圧側の低減衰力特性は、両効きディスク
プレート24のみで決定されるため、従来例と同様に低
減衰力特性を伸側と圧側で独立して設定することができ
る。
【0040】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成は、この実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計
変更等があっても本発明に含まれる。
【0041】例えば、実施例では、伸圧兼用の両効きデ
ィスクプレート24と伸側オリフィスプレート26をそ
れぞれ一枚のディスクバルブで構成させたが、一方また
は両方を複数枚で構成させることもできる。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の周波
数感応型緩衝器にあっては、バルブボディが、軸方向に
対向すると共に軸心部には下部室側に連通していて前記
周波数感応部材に下部室側の流体圧を伝達するための軸
心孔を有する上側環状部材と下側環状部材とで構成さ
れ、上側環状部材の対向面には、外周側に挟持用環状突
起が形成され、内周側には挟持用環状突起より低い環状
シート面が形成され、環状突起と環状シート面との間に
は環状シート面よりさらに低い環状溝が形成され、上側
環状部材の外周部には環状溝と前記バイパス流路との間
を連通する軸方向切欠き部が形成され、下側環状部材の
対向面には、外周側に挟持用環状突起が形成され、内周
側には挟持用環状突起より低い環状段部が形成され、前
記伸側低減衰バルブおよび圧側低減衰バルブが、外周側
を上側環状部材と下側環状部材の両挟持用環状突起間に
挟持固定されていて半径方向略中間部には軸方向に貫通
する貫通孔を有する環状の大径ディスクプレートと、該
大径ディスクプレートの内周側上面に重ねることで貫通
孔を塞いだ状態で設けられると共に内周側上面が環状シ
ート面に当接する環状の小径ディスクプレートとで構成
されている手段としたことで、従来例と同様に低減衰力
特性を伸側と圧側で独立して設定することができると共
に、低減衰力発生部材の部品点数の削減と構造の簡略化
が可能で、コストを低減することができるようになると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の周波数感応型緩衝器を示す要部
断面図である。
【図2】伸側チェックプレートを示す平面図である。
【図3】伸側コンスタントプレートを示す平面図であ
る。
【図4】図1のP部拡大図である。
【図5】低減衰力発生部材部分を示す分解斜視図であ
る。
【図6】低減衰力発生部材部分の作用を説明するための
拡大断面図である。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 S 周波数感応部材 T 低減衰力発生部材 G バイパス流路 1 シリンダ 2 ピストンロッド 3 ピストン 3a 圧側高減衰バルブ 3b 伸側高減衰バルブ 11 ケース 11a 大径穴(中空部) 17 スプールハウジング 22 スタッド(バルブボディを構成する上側環状部
材) 22a 軸心孔 22c 切欠き部 22d 環状溝 22e 伸側シート面 22f 外周挟持部(挟持用環状突起) 24 両効きディスクプレート(小径ディスクプレー
ト) 25 カラー(バルブボディを構成する下側環状部材) 25a 軸心孔 25c 環状溝 25d 外周挟持部(挟持用環状突起) 26 伸側オリフィスプレート(大径ディスクプレー
ト) 26a 圧側オリフィス孔(貫通孔) 31 スプール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を上部室と下部室に画成する
    ピストンがピストンロッドの先端に固定され、該ピスト
    ンには伸行程時に開弁して両流体室間を連通可能な伸側
    高減衰バルブおよび圧行程時に開弁して両流体室間を連
    通可能な圧側高減衰バルブが設けられ、前記ピストンの
    下部に設けられた筒状ケース内には前記両高減衰バルブ
    をバイパスして両流体室間を連通可能なバイパス流路の
    一部を構成する中空部が形成され、該中空部内には、両
    流体室間の流体圧差および周波数に感応してハウジング
    内を摺動して前記バイパス流路の断面積を変更するスプ
    ールを含む周波数感応部材と、伸行程時に開弁して両流
    体室間を連通可能な伸側低減衰バルブおよび圧行程時に
    開弁して両流体室間を連通可能な圧側低減衰バルブがそ
    れぞれ設けられたバルブボディを含む低減衰力発生部材
    とが直列に組み込まれた周波数感応型緩衝器であって、 前記バルブボディが、軸方向に対向すると共に軸心部に
    は下部室側に連通していて前記周波数感応部材に下部室
    側の流体圧を伝達するための軸心孔を有する上側環状部
    材と下側環状部材とで構成され、 上側環状部材の対向面には、外周側に挟持用環状突起が
    形成され、内周側には挟持用環状突起より低い環状シー
    ト面が形成され、環状突起と環状シート面との間には環
    状シート面よりさらに低い環状溝が形成され、上側環状
    部材の外周部には環状溝と前記バイパス流路との間を連
    通する軸方向切欠き部が形成され、 下側環状部材の対向面には、外周側に挟持用環状突起が
    形成され、内周側には挟持用環状突起より低い環状段部
    が形成され、 前記伸側低減衰バルブおよび圧側低減衰バルブが、外周
    側を上側環状部材と下側環状部材の両挟持用環状突起間
    に挟持固定されていて半径方向略中間部には軸方向に貫
    通する貫通孔を有する環状の大径ディスクプレートと、
    該大径ディスクプレートの内周側上面に重ねることで貫
    通孔を塞いだ状態で設けられると共に内周側上面が環状
    シート面に当接する環状の小径ディスクプレートとで構
    成されていることを特徴とする周波数感応型緩衝器。
JP14901594A 1994-06-30 1994-06-30 周波数感応型緩衝器 Pending JPH0814307A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112081856A (zh) * 2019-06-12 2020-12-15 株式会社万都 频敏型减震器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112081856A (zh) * 2019-06-12 2020-12-15 株式会社万都 频敏型减震器
CN112081856B (zh) * 2019-06-12 2023-06-13 汉拿万都株式会社 频敏型减震器

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