JPH08142097A - ガス注入射出成形のガス注入方法およびその装置 - Google Patents

ガス注入射出成形のガス注入方法およびその装置

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JPH08142097A
JPH08142097A JP28961694A JP28961694A JPH08142097A JP H08142097 A JPH08142097 A JP H08142097A JP 28961694 A JP28961694 A JP 28961694A JP 28961694 A JP28961694 A JP 28961694A JP H08142097 A JPH08142097 A JP H08142097A
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gas
injection
pressure
flow rate
gas injection
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JP28961694A
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Takayoshi Tanaka
隆義 田中
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1732Control circuits therefor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】成形品の外観品質および生産性が向上するガス
注入射出成形のガス注入方法およびその装置の提供。 【構成】ガス注入装置に、高圧のガスを供給する高圧ラ
イン11、この高圧ライン11よりも低圧のガスを供給する
低圧ライン12、および、所定流量のガスを流通させる定
流量弁16〜18を備えた定流量ライン13〜15を設ける。金
型にガスを注入する際に、使用するライン11〜15の組合
せを変え、金型へのガスの圧力・流量を多段階に調節す
る。例えば、ガス注入の開始時には、ライン12, 13で低
圧小流量のガスを注入し、ガスノズル近傍の溶融樹脂が
蜘蛛の巣状になることを防ぎ、脱圧を速やかにするとと
もに、保圧時には、ライン11, 13で高圧のガスを注入
し、保圧力を高め、金型成形面の転写性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス注入射出成形のガ
ス注入方法およびその装置に係り、中空の成形品、特
に、自動車のサイドモール、バンパー、ダッシュボー
ド、ホイールキャップ、および、ドアパネル等、あるい
は、家電製品のケーシング、および、テレビ受信機のバ
ックカバー等の外観品質の要求される中空成形品をガス
注入射出成形するのに好適なガス注入方法およびその装
置に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、軽量にして高剛性な成形品が得
られる射出成形方法として、ガス注入射出成形方法が知
られている。このようなガス注入射出成形方法では、金
型に充填した溶融樹脂内に高圧ガスを注入することによ
り、溶融樹脂の内部にガスチャンネル等の中空部を形成
する。この中空部内の高圧ガスが溶融樹脂を金型の内面
に密着させるので、成形品の表面に「ひけ」等の不具合
の発生が防止される。このため、軽量でありながら充分
な強度および剛性を有するうえ、外観品質が良好な成形
品が得られる。溶融樹脂内に高圧ガスを注入するガス注
入装置としては、窒素ガス等の不活性ガスをコンプレッ
サで圧縮するものが一般的である。このようなガス注入
装置では、ガスの供給流量が変動するとコンプレッサの
吐出圧力も不安定となる。このため、コンプレッサで高
圧に圧縮したガスをリザーバタンクに蓄積し、このリザ
ーバタンク内のガスを減圧弁等で所定の圧力に減圧して
供給することにより、所定圧力の高圧ガスを安定して供
給できるようにしている。なお、特開平2-141216号公報
には、コンプレッサのピストンのストロークを可変に
し、吐出圧力や供給流量を変えることのできるガス注入
装置が示されている。このガス注入装置においても、コ
ンプレッサの吐出圧力が脈動するので、所定圧力の高圧
ガスを安定して供給するには、リザーバタンクが必要と
なる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなガス注入
装置を用いてガス注入射出成形を行うにあたり、溶融樹
脂の内部に最初から高圧ガスを大量に注入すると、中空
となるべきでない薄肉の一般部に高圧ガスが流入して中
空となり、一般部を形成する樹脂の厚さが著しく薄くな
って成形品の強度が低下するという問題がある。また、
金型に充填する際に高圧で押し出される溶融樹脂が内部
に流入しないように、高圧ガスを噴射するガスノズルは
内径が小さくなっている。このため、大流量の高圧ガス
を注入すると、その流速がガスノズルの近傍で非常に高
速となり、柔らかい状態にある溶融樹脂を蜘蛛の巣状に
してしまうという問題がある。さらに、ガスノズル近傍
の溶融樹脂が蜘蛛の巣状になると、ガスチャンネル内の
ガスを外部に排出する際に、蜘蛛の巣状の樹脂にガスが
詰まり、ガスを完全に排出できず、脱型時に成形品が破
裂するという問題が生じる。
【0004】以上の問題は、注入するガスの圧力を低圧
にする、あるいは、ガスを注入する時間を短時間にする
ことにより解決できる。しかし、ガスを低圧にすると、
ガスチャンネルの形成に時間がかかり、成形サイクルを
長引かせるだけでなく、その間に金型の樹脂流動末端部
に充填された溶融樹脂の表面を固化させてしまう。この
結果、ガスチャンネル内の高圧ガスが溶融樹脂を押圧し
ても、溶融樹脂の固化した部分が金型の内面に密着しに
くくなるので、当該部分については、金型成形面の転写
が良好に行えない。このため、成形品の外観品質が損な
われるうえ、ガスチャンネルの成形に時間がかかり、成
形品の生産性を損なうという問題が生じる。ガスの注入
時間を短くすると、ガスチャンネルが形成されるにした
がい、ガスが膨張してその圧力が急激に低下するので、
やはり、ガスチャンネルの形成に時間がかかり、前述の
ガスを低圧にした場合と同様の問題が生じる。
【0005】本発明の目的は、成形品の外観品質および
生産性が向上するガス注入射出成形のガス注入方法およ
びその装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のガス注入射出成
形のガス注入方法は、金型内の溶融樹脂の内部にガスを
注入しながら成形を行うガス注入射出成形のガス注入方
法であって、予めガス供給源と前記金型とを複数種類の
ガス供給ラインで連結しておき、前記溶融樹脂の内部に
ガスが注入されていくにしたがい、使用する前記複数の
ガス供給ラインの組合せを順次変えることを特徴とす
る。以上において、前記複数種類のガス供給ラインの各
々に開閉弁を設け、各開閉弁を順次操作することによ
り、使用するガス供給ラインの組合せを変えていくこと
が好ましい。また、前記複数種類のガス供給ラインとし
ては、比較的高圧のガスを供給する高圧ラインと、この
高圧ラインよりも低圧のガスを供給する低圧ラインと、
各々が所定流量のガスを流通させる2本以上の定流量ラ
インとを設けることが望ましい。さらに、前記定流量ラ
インには、所定流量のガスが流通するように開度を自動
的に調節する定流量弁を設けることが好ましい。
【0007】本発明のガス注入射出成形のガス注入装置
は、金型内に充填した溶融樹脂の内部にガスを注入しな
がら成形を行うガス注入射出成形のガス注入装置であっ
て、ガス供給源から前記金型内にガスを導入する複数の
ガス供給ラインと、使用される前記ガス供給ラインの組
合せを変えるライン組合せ手段とを備えたことを特徴と
する。以上において、前記ライン組合せ手段は、各ガス
供給ラインに設けた開閉弁を含んで構成することが望ま
しい。また、前記複数種類のガス供給ラインとしては、
前述の注入方法と同様に、高圧ライン、低圧ライン、お
よび、2本以上の定流量ラインを設け、各定流量ライン
には、所定流量のガスが流通するように開度を自動的に
調節する定流量弁を設けることが好ましい。
【0008】
【作用】このような本発明では、複数種類のガス供給ラ
インとして、比較的高圧のガスを供給する高圧ライン、
この高圧ラインよりも低圧のガスを供給する低圧ライ
ン、および、所定流量のガスを流通させる定流量ライン
等を設ければ、前記溶融樹脂の内部にガスを注入するに
あたり、使用する前記複数種類のガス供給ラインの組合
せを順次変えることにより、金型に供給するガスの圧力
および流量を多段階に調節できる。例えば、前述のガス
供給ラインのうち、低圧ラインと一本の定流量ラインと
を組み合わせれば、低圧小流量のガスが供給可能とな
り、高圧ラインと二本の定流量ラインとを組み合わせれ
ば、高圧大流量のガスが供給可能となる。このため、溶
融樹脂内に形成される中空部の形成状況等に応じて、注
入するガスの圧力および流量を適切に調節することが可
能となる。例えば、ガス注入の開始時には、低圧小流量
のガスを供給し、ガスノズルの近傍部分の溶融樹脂を移
動して当該部分を中空にした後、大流量のガスを供給す
れば、ガスノズル近傍の溶融樹脂が蜘蛛の巣状にならな
いうえ、中空部を速やかに完成させることが可能とな
る。また、注入するガスの圧力を上昇することが可能と
なるので、中空部の完成後、ガスの圧力を昇圧させれ
ば、溶融樹脂が多少固化しても、高圧のガスが溶融樹脂
の表面を確実に金型の内面に密着させるので、金型成形
面の転写が良好に行え、成形品の外観品質が向上され、
これにより前記目的が達成される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1には、本実施例に係るガス給排気装置1が
示されている。ガス給排気装置1は、図示しない金型に
高圧ガスを供給するガス注入装置2と、金型内の溶融樹
脂の内部に注入した高圧ガスを外部に排気するための排
気装置3と、これらのガス注入装置2および排気装置3
を制御する制御装置4とを含んで構成されたものであ
る。ガス注入装置2は、高圧ガスを発生させるガス供給
源である高圧ガス発生装置10と、この高圧ガス発生装置
10および前記金型を相互に連結する複数種類のガス供給
ライン11〜15と、これらのガス供給ライン11〜15の組合
せを変えるライン組合せ手段であるライン切替装置20と
を備えたものである。なお、ガス供排気装置1には、ガ
ス注入装置2等の他に、ヘッダ5が設けられている。ヘ
ッダ5には、ガス注入装置2のガス供給ライン13〜15、
金型から延びてくる配管6、および、排気装置3から延
びてくる配管7が接続されている。
【0010】ガス注入装置2の高圧ガス発生装置10は、
図に示してはないが、窒素ガス等の不活性ガスを圧縮す
るコンプレッサと、コンプレッサで圧縮したガスを蓄積
するリザーバタンクとを備えた一般的なものである。リ
ザーバタンクには、二つのガス供給口が備えられてい
る。各供給口には、それぞれ減圧弁が備えられ、一方の
供給口の減圧弁は、他方よりも高圧に設定されている。
ガス供給ライン11は、高圧ガス発生装置10の高圧側の供
給口に接続される高圧ラインとなっている。ガス供給ラ
イン12は、高圧ガス発生装置10の低圧側の供給口に接続
される低圧ラインとなっている。ガス供給ライン13〜15
の各々は、所定流量のガスが流通するように開度を自動
的に調節する定流量弁16〜18を有する定流量ラインとな
っている。ガス供給ライン11, 12と、ガス供給ライン13
〜15とは、ライン切替装置20を介して相互に組合せ可能
とされている。
【0011】ライン切替装置20は、ガス供給ライン11〜
15の各々に設置した開閉弁21〜25と、これらの開閉弁21
〜25を介してガス供給ライン11〜15が接続されたヘッダ
26とを有するものである。各開閉弁21〜25は、ソレノイ
ド、電動機、および、エアモータ等の駆動機構を有する
自動開閉弁であり、制御装置4の信号によりそれぞれ単
独に開閉動作をするようになっている。開閉弁21〜25の
各々の開閉状態を適宜設定し、ガス供給ライン11〜15の
組合せを変えることにより、複数種類のガス経路が構成
される。例えば、開閉弁22, 23を開放状態とし、他の開
閉弁21,24,25を閉鎖状態とすれば、低圧側のガスを供給
するライン12と一本の定流量ライン13とが組み合わさ
れ、低圧小流量のガスが供給可能なガス経路が形成され
る。また、開閉弁21,23,24,25 を開放状態とし、開閉弁
22を閉鎖状態とすれば、高圧側のライン11と三本の定流
量ライン13,14,15とが組み合わされ、高圧大流量のガス
が供給可能なガス経路が形成される。さらに、開閉弁2
1,23,24を開放状態とし、開閉弁22, 25を閉鎖状態とす
れば、高圧側のライン11と二本の定流量ライン13, 14と
が組み合わされ、ガス流量が前述の二つの状態の中間の
流量となった高圧ガスが供給可能なガス経路が形成され
る。
【0012】排気装置3は、金型内の溶融樹脂の内部に
注入した高圧ガスを徐々に排気する減圧ライン31と、金
型の内部と大気とを直接連通させることが可能な脱圧ラ
イン32とを有するものである。減圧ライン31は、制御装
置4の信号により開閉動作をする開閉弁33と、所定流量
のガスが流通するように開度を自動的に調節する定流量
弁34とを有するものである。なお、開閉弁33は、前述の
開閉弁21〜25と同様の自動開閉弁である。脱圧ライン32
は、制御装置4の信号により開閉動作をする開閉弁35を
有するものである。なお、開閉弁35は、減圧ライン31の
開閉弁33と同様の弁である。以上において、先に減圧ラ
イン31を用いて所定の圧力まで徐々に排気し、この後、
脱圧ライン33を用いて排気することにより、金型内の成
形品に形成された中空部分の内圧を急激に低下させず、
当該成形品に歪みなどが生じないようになっている。制
御装置4は、タイマー等の時限装置を有し、時間の経過
に従ってガス供給装置2の開閉弁21〜25および排気装置
3の開閉弁33, 35に対して開閉信号を送信するものであ
る。
【0013】次に、本実施例のガス給排気装置1の動作
について説明する。なお、ガス注入射出成形を行う前
に、予め高圧ガス発生装置10の減圧弁、および、ライン
13〜15, 31の定流量弁16〜18, 34の設定値を調整し、ラ
イン11, 12が供給するガスの圧力、ライン13〜15が供給
するガスの流量、および、減圧時の排気流量を所望の大
きさに設定しておく。この際、各定流量弁16〜18の流量
設定値は、ライン13〜15の組合せを変えることにより、
所望の流量が多段階に得られるように設定する。本実施
例では、流量を三段階に調節できればよいので、定流量
弁16〜18の流量設定値を全て等しくする。なお、四段階
以上に流量を増加する場合には、定流量弁16〜18の流量
設定値を異ならせればよい。定流量弁16〜18の流量設定
値を全て異ならせれば、最大七段階に流量を変化させる
ことができる。
【0014】ガス注入射出成形の準備が完了したら、ガ
ス注入装置2の高圧ガス発生装置10を起動し、コンプレ
ッサで圧縮したガスをリザーバタンクに蓄積し、所定圧
力の高圧ガスを供給できるようにした後に、ガス注入射
出成形機に金型をセットし、金型内への溶融樹脂の充填
を開始する。次いで、金型に充填した溶融樹脂の内部へ
のガスの注入が開始される。ガス注入の開始時には、開
閉弁22, 23が開放状態とされ、他の開閉弁21,24,25が閉
鎖状態とされる。これにより、低圧側のライン12と一本
のライン13とが組み合わされ、低圧小流量のガスが注入
される。これにより、金型のガスノズル近傍に充填され
た溶融樹脂が蜘蛛の巣状になることが防止されるととも
に、溶融樹脂内に形成される中空部が徐々に拡大する。
そして、溶融樹脂内に形成された中空部がある程度大き
くなったら、ガスの流量が段階的に増加される。すなわ
ち、開閉弁24が開き、ガスの流量が一段階増大される。
この後、溶融樹脂内に形成された中空部がかなり拡大さ
れ、中空部の拡大速度が低下するので、開閉弁25が開い
てガスの流量をさらに増大させる。
【0015】中空部が完成したら、中空部内のガスの圧
力を保ちながら溶融樹脂を冷却・固化させる保圧工程を
開始する。この際、溶融樹脂内に形成すべき中空部の形
状および容積に応じて、ガスの圧力が昇圧される。例え
ば、形成すべき中空部の容積が大きく、かつ、成形品の
全体に広がる場合には、開閉弁22,24,25を閉じるととも
に、開閉弁21, 23が開き、中空部内のガスの圧力を上昇
させる。この後、中空部内のガスの圧力が所定の圧力ま
で上昇したら、開閉弁21, 23が開じられ、ガス圧力を維
持しながら保圧工程を継続する。一方、形成すべき中空
部が、成形品に設けたリブ状の厚肉部の内部のみに形成
される小容積のガスチャンネルである場合には、ガスの
圧力を上昇させずに、ガス注入装置2のすべての開閉弁
21〜25が閉鎖され、中空部内のガスの圧力を維持しなが
ら保圧工程を継続する。
【0016】樹脂が充分に冷却・固化したならば、排気
装置3の開閉弁33を開け、減圧ライン31を用いて中空部
内のガスを排気する。ここで、減圧ライン31には定流量
弁34が設けられているので、排気されるガスの流量が所
定量に抑制され、当該ガスの圧力は徐々に減圧される。
中空部内のガスの圧力が1〜2MPa 程度に減圧された
ら、排気装置3の開閉弁33が閉じるとともに、開閉弁35
が開く。これにより、中空部内のガスの圧力を完全に脱
圧し、この後、金型を開いて成形品を取り出して成形を
完了する。この際、ガスノズル近傍の溶融樹脂が蜘蛛の
巣状にならないことから、金型の開ける前に、中空部内
の高圧ガスが完全に脱圧されるようになり、中空部内の
ガスが急激に膨張して成形品が破裂することがない。
【0017】前述のような本実施例によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、高圧のガスを供給するガス供
給ライン11, 低圧のガスを供給するガス供給ライン12、
および、所定流量のガスを流通させる三本のガス供給ラ
イン13〜15を含む複数種類のガス供給ラインを設けたの
で、溶融樹脂の内部にガスを注入するにあたり、使用す
るガス供給ライン11〜15の組合せを順次変えることが可
能となり、金型に供給するガスの圧力および流量を多段
階に調節することができる。
【0018】また、供給するガスの圧力および流量を多
段階に調節できることから、ガス注入開始時には、ガス
供給を低圧小流量にすることができ、ガスが金型のガス
ノズル近傍の溶融樹脂を蜘蛛の巣状にすることを未然に
防止できる。さらに、ガスノズル近傍の溶融樹脂が蜘蛛
の巣状にならないことから、金型を開放する前に、中空
部内の高圧ガスを完全かつ速やかに脱圧できるようにな
り、金型の開放時における成形品の破裂を未然に防止で
きるうえ、成形サイクルを短縮できる。
【0019】また、溶融樹脂内に中空部がある程度形成
されれば、溶融樹脂が蜘蛛の巣状とならないので、低圧
小流量のガスを注入する時間は短時間で済み、その後、
ガスの流量を増大するようにしたため、溶融樹脂を蜘蛛
の巣状にすることなく、中空部を速やかに完成でき、こ
の点からもガス注入射出成形の成形サイクルを短縮でき
る。さらに、中空部の完成後、ガスの圧力を昇圧させる
ことにより、溶融樹脂が多少固化しても、高圧のガスが
溶融樹脂の表面を確実に金型の内面に密着させるので、
金型成形面の転写を良好にすることができる。従って、
成形品の破裂を未然に防止できるとともに、ガス注入射
出成形の成形サイクルを短縮できることから、成形品の
生産性を向上できるうえ、金型成形面の転写が良好とな
るので、成形品の外観品質を向上できる。
【0020】また、注入するガスの圧力および流量は、
互いに相関関係があるうえ、溶融樹脂内に形成中の中空
部の容積にも影響される。このため、一般的には、注入
するガスの圧力等に基づいてガスの圧力および流量を、
中空部の成形状況に応じて制御することは非常に困難と
なる。しかし、本実施例によれば、ガス供給ライン11〜
15の組合せを変えることにより、ガスの圧力および流量
を多段階に調節するので、当該調節を確実に行うことが
できるうえ、ガス注入装置2の構造を簡単にでき、その
メンテナンスを容易とすることができる。
【0021】次に、本発明の効果を具体的な実験例に基
づいて説明する。 〔実験例〕本実験例は、前記実施例のガス給排気装置1
を用いてガス注入射出成形を行う実験である。本実験例
では、原料樹脂としてメルトインデックスMIが10g/10
分(230℃,2.16kgf) のポリプロピレンを用いる。なお、
本実験例で成形する成形品は、図2に示されるように、
四角形の板状成形品8である。成形品8の内部には、全
体に広がった中空部8Aが設けられている。成形品8の短
辺側の端面の中央には、溶融樹脂内にガスを注入した跡
であるゲート8Bが形成されている。また、成形品8の各
寸法は、幅寸法Wが700mm、奥行き寸法Dが100m
m、厚さ寸法tが25mmとなっている。 〔射出条件〕本実験例では、以下のような射出条件でガ
ス注入射出成形を行う。 射出条件 成形温度 : 200 ℃ 金型温度 : 30 ℃ ガス注入圧力(低圧側): 3 MPa ガス注入圧力(高圧側): 10 MPa
【0022】〔開閉弁の開閉手順〕以下に、本実験例で
は、以下のような手順で開閉弁21〜25を開閉することに
より、ガス注入射出成形を行う。 ガス注入の開始時には、開閉弁22, 23を開き、開閉弁
21,24,25を閉じ、金型に低圧小流量のガスを1秒間供給
する。 溶融樹脂内に形成された中空部8Aがある程度大きくな
ったら、開閉弁24を開き、ガスの流量を増大し、この状
態でガスを2秒間供給する。 次いで、開閉弁25を開き、ガスの流量をさらに増大
し、この状態でガスを2秒間供給する。 中空部8Aが完成したら、開閉弁22,24,25を閉じるとと
もに、開閉弁21, 23を開き、中空部8A内に高圧側のガス
を2秒間注入し、中空部8A内のガスの圧力を所定の圧力
まで上昇させる。 続いて、開閉弁21, 23を開じ、中空部8A内のガス圧力
を維持する。 〔実験結果〕本実験例では、成形品8のゲート8Bの近傍
が蜘蛛の巣状にならず、脱圧が完全に行えたことから、
成形品8が破裂することがなかったうえ、金型の成形面
の転写も良好に行え、外観品質の優れたものが得られ
た。
【0023】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、複数種類の
ガス供給ラインとしては、前記実施例で示した高圧のガ
スを供給するガス供給ライン11, 低圧のガスを供給する
ガス供給ライン12、および、所定流量のガスを流通させ
る三本のガス供給ライン13〜15に限らず、これらのうち
の一本を省略してもよい。また、ガス供給ライン11およ
びガス供給ライン12の中間圧力、あるいは、その間から
外れた圧力のガスを供給するもの、並びに、所定流量の
ガスを流通させるガス供給ライン等を追加してもよく、
ガス供給ラインの種類と数は実施にあたり適宜設定すれ
ばよい。
【0024】また、成形品としては、内部が全体的に中
空にされた板状の成形品8Aに限らず、自動車のサイドモ
ール、バンパー、ダッシュボード、ホイールキャップ、
および、ドアパネル等、あるいは、家電製品のケーシン
グ、および、テレビ受信機のバックカバー等、リブ状の
厚肉部内に形成される中空のガススチャンネルを有する
立体的な成形品でもよい。
【0025】さらに、制御装置としては、タイマー等に
より時間の経過に従って開閉弁の開閉信号を送信するも
のに限らず、溶融樹脂の内部に注入にされたガスの積算
流量に従って開閉弁の開閉信号を送信するものでもよ
い。なお、ガスの積算流量を検出するにあたり、高圧ガ
ス発生装置のコンプレッサにガスを供給するガスボンベ
の重量の変化等を利用してもよい。
【0026】
【発明の効果】前述のように本発明によれば、成形品の
外観品質および生産性を向上することができる。しか
も、成形品の大小、形状、樹脂の種類等が大幅に変わる
場合においても、ガス注入条件を幅広く変更可能なた
め、最適条件での成形を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体を示す概略構成図であ
る。
【図2】前記実施例の成形品を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 ガス注入装置 10 ガス供給源としての高圧ガス発生装置 11 高圧ラインであるガス供給ライン 12 低圧ラインであるガス供給ライン 13〜15 定流量ラインであるガス供給ライン 20 ライン組合せ手段としてのライン切替装置 21〜25 開閉弁 16〜18 定流量弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内の溶融樹脂の内部にガスを注入しな
    がら成形を行うガス注入射出成形のガス注入方法であっ
    て、 予めガス供給源と前記金型とを複数種類のガス供給ライ
    ンで連結しておき、前記溶融樹脂の内部にガスが注入さ
    れていくにしたがい、使用する前記複数のガス供給ライ
    ンの組合せを順次変えることを特徴とするガス注入射出
    成形のガス注入方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のガス注入射出成形のガス
    注入方法において、前記複数種類のガス供給ラインの各
    々に開閉弁を設け、各開閉弁を順次操作することによ
    り、使用するガス供給ラインの組合せを変えていくこと
    を特徴とするガス注入射出成形のガス注入方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のガス注入射出成形のガス
    注入方法において、前記複数種類のガス供給ラインとし
    ては、比較的高圧のガスを供給する高圧ラインと、この
    高圧ラインよりも低圧のガスを供給する低圧ラインと、
    各々が所定流量のガスを流通させる2本以上の定流量ラ
    インとが含まれていることを特徴とするガス注入射出成
    形のガス注入方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のガス注入射出成形のガス
    注入方法において、前記定流量ラインには、所定流量の
    ガスが流通するように開度を自動的に調節する定流量弁
    が設けられていることを特徴とするガス注入射出成形の
    ガス注入方法。
  5. 【請求項5】金型内に充填した溶融樹脂の内部にガスを
    注入しながら成形を行うガス注入射出成形のガス注入装
    置であって、 ガス供給源から前記金型内にガスを導入する複数のガス
    供給ラインと、 使用される前記ガス供給ラインの組合せを変えるライン
    組合せ手段と、を備えたことを特徴とするガス注入射出
    成形のガス注入装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のガス注入射出成形のガス
    注入装置において、前記ライン組合せ手段は、各ガス供
    給ラインに設けた開閉弁を含んで構成されていることを
    特徴とするガス注入射出成形のガス注入装置。
  7. 【請求項7】請求項5に記載のガス注入射出成形のガス
    注入装置において、前記複数種類のガス供給ラインとし
    ては、比較的高圧のガスを供給する高圧ラインと、この
    高圧ラインよりも低圧のガスを供給する低圧ラインと、
    各々が所定流量のガスを流通させる2本以上の定流量ラ
    インとが含まれていることを特徴とするガス注入射出成
    形のガス注入装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のガス注入射出成形のガス
    注入装置において、前記定流量ラインには、所定流量の
    ガスが流通するように開度を自動的に調節する定流量弁
    が設けられていることを特徴とするガス注入射出成形の
    ガス注入装置。
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