JPH08141415A - ドラフトチャンバーのガスバーナー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスバーナー１５の元栓の締め忘れを防止す
る。 【構成】 ドラフトチャンバーは前面を開口し内部に作
業空間２を形成するキャビネット本体１と、このキャビ
ネット本体の作業空間２の上側に設けた高性能フィルタ
６と、この高性能フィルタに空気を圧送する送風機７
と、この送風機の運転をオン・オフする主スイッチと、
前記作業空間の下側に設けた作業台５とが備えられる。
作業空間２内には滅菌用のガスバーナー１５が配置され
る。ガスバーナー１５には電磁弁を有する主炎用の接続
口１７と種火用の接続口１８とが接続される。この電磁
弁はフットスイッチによって開くとともに、主スイッチ
に連動して閉じられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はドラフトチャンバーの
ガスバーナー装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来一般のドラフトチャンバーはクリー
ンな環境の作用空間内で細胞の培養や医薬品等の製造を
行う際に使用するメスやピンセット等の作業器具を消毒
する滅菌用のガスバーナーを作業空間内に配置している
（例えば、特開平３−２１３１５１号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドラフトチャンバーはガスバーナーでメスやピンセット
等の作業器具を滅菌しているため、ガス栓を締め忘れて
作業空間内にガスが充満したりする危険が発生する問題
があった。

【０００４】この発明は上記の問題を解決するもので、
ガスバーナーをドラフトチャンバーの運転開始時に任意
に開き停止時に強制的に閉じるようにしたドラフトチャ
ンバーのガスバーナー装置を提供することを目的とした
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、前面
を開口し内部に作業空間を形成するキャビネット本体
と、このキャビネット本体の作業空間の上側に設けた高
性能フィルタと、この高性能フィルタに空気を圧送する
送風機と、前記作業空間の下側に設けた作業台とを備
え、前記作業空間内に滅菌用のガスバーナーを配置した
ドラフトチャンバーにおいて、前記ガスバーナーに開閉
弁を有する主炎用配管と種火用配管とを設け、この種火
用配管の開閉弁を作動手段によってのみ開き、この作動
手段によって閉じないようにしたものである。

【０００６】請求項２の発明は、前面を開口し内部に作
業空間を形成するキャビネット本体と、このキャビネッ
ト本体の作業空間の上側に設けた高性能フィルタと、こ
の高性能フィルタに空気を圧送する送風機と、この送風
機の運転をオン・オフする運転スイッチと、前記作業空
間の下側に設けた作業台とを備え、前記作業空間内に滅
菌用のガスバーナーを配置したドラフトチャンバーにお
いて、前記ガスバーナーに電磁弁を有する主炎用配管と
種火用配管とを設け、この電磁弁を作動手段によって開
くとともに、運転スイッチに連動して閉じたものであ
る。

【０００７】

【作用】請求項１の発明は上記のように構成したことに
より、作業空間内に設けたガスバーナーの種火用配管に
設けた開閉弁を任意に作動手段によって開け、前記ガス
バーナーに開閉コックを開いただけでは種火用の配管に
ガスが供給されないようにしている。

【０００８】また、請求項２の発明は種火用配管に設け
た電磁弁を運転スイッチに連動して閉じるようにし、開
閉コックの締め忘れによるガス漏れを防止できるように
している。

【０００９】

【実施例】以下この発明を図に基づいて説明する。

【００１０】図１はこの発明の一実施例を示すドラフト
チャンバーの断面図である。図２はこの発明のドラフト
チャンバーにガス配管を接続した状態を示す斜視図であ
る。図３はこの発明のガスバーナーの状態を示す斜視図
である。

【００１１】１はキャビネット本体で、このキャビネッ
ト本体の内部中央には作業用の作業空間２を有し、その
前面には上下方向に開閉自在の透明な扉３が設けられ、
その作業空間２の下側には上面に細胞の培養や医薬品等
を作る物質の検体４を載せる作業台５が設置され、その
上側には循環用の高性能フィルタ６が架設され、その高
性能フィルタ６の上方にはこのフィルタに通風させる送
風機７が設けられている。

【００１２】作業台５の前面側には扉３に沿って空気の
吸込口８が開けられている。作業台５の下側の空間９は
区画壁１０とキャビネット本体１との間の連通路１１を
介して上方の送風機７側の空間１２に連通している。区
画壁１０の下方には作業空間２内と連通路１１とを連通
する空気の吸込口１３が開けられている。

【００１３】作業空間２内には高性能フィルタ６を介し
て送風機７で圧送された空気が上方から下方に向かって
吹き出している。また、送風機７から圧送された空気の
一部はキャビネット本体１の上方に設けられた排気用の
高性能フィルタ１４を介してキャビネット本体１外部に
排気され、キャビネット本体１内の汚染された空気がこ
のキャビネット本体外に排出されないようにしている。
高性能フィルタ６は送風機７から圧送された空気を通過
させることにより、キャビネット本体１の外部より作業
空間２内の圧力が低くなるようにしている。排気用の高
性能フィルタ１４から排気された空気と同量の空気が矢
印のように扉３の開口部から送風機７によって作業空間
２内に供給される。

【００１４】１５は作業空間２内に配置された滅菌用の
ガスバーナーで、このガスバーナーはキャビネット本体
１の外部のガスボンベ１６に接続されてこのキャビネッ
ト本体に作業空間２内に臨んで設けられた主炎用の接続
口１７と種火用の接続口１８とにホース１９を介して接
続されている。ガスボンベ１６と主炎用及び種火用の接
続口１７，１８との間には開閉コック２０と主炎用の電
磁弁２１と種火用の電磁弁２２とが設けられている。

【００１５】ガスバーナー１５は図３に示すように、主
炎バーナー２３と、このバーナーの炎の調整用コック２
４と、主炎用の接続口１７にホース２５を介して接続さ
れる主炎用のガス流入口２６と、主炎バーナー２３に点
火する種火バーナー２７と、このバーナーの炎の調整用
コック２８と、種火用の接続口１８にホース２９を介し
て接続される種火用のガス流入口３０とで構成されてい
る。

【００１６】図４はこの発明の操作回路で、この操作回
路は電源３１に主スイッチ３２を介して送風機７が接続
されている。送風機７にはフットスイッチ３３、主炎用
の電磁弁２１と種火用の電磁弁２２との直列回路が接続
されている。フットスイッチ３３と主炎用の電磁弁２１
とには並列に種火用の電磁弁２２の自己保持回路３４が
接続されている。

【００１７】このように構成されたドラフトチャンバー
のガスバーナー装置において、主スイッチ３２を投入し
て送風機７を駆動させることにより、空間１２内の空気
は吸引され圧送される。この圧送された空気は循環用の
高性能フィルタ６と排気用の高性能フィルタ１４とに分
かれて流れる。そして、循環用の高性能フィルタ６を通
過する空気は清浄にされ、作業空間２内を上方から下方
に向かって流れ、作業台５に載せられた検体４の雰囲気
をクリーンにする。また、排気用の高性能フィルタ１４
を通過する空気は検体４で汚染された物質を取り除きク
リーンになった空気をキャビネット本体１外に排出する
ようにしている。

【００１８】作業空間２内の空気は送風機７の吸引によ
って作業台５の吸込口８及び区画壁１０の吸込口１３か
ら作業台５の下方の空間９内に流出し、区画壁１０の連
通路１１を通って送風機７側の空間１２に到達する。

【００１９】作業空間２は排気用の高性能フィルタ１４
を介して送風機７で吸引された空気の一部をキャビネッ
ト本体１外に排出されることにより、循環用の高性能フ
ィルタ６に送風される空気量が減少し、作業空間２内の
圧力の低下が図られている。そして、作業空間２は扉３
の下側の開口から外気をキャビネット本体１内に導入す
ることにより、作業台５に載せられた検体４を汚染した
空気が開口から外部に排出されないようにしている。

【００２０】また、検体４はガスバーナー１５で滅菌処
理されたメスやピンセット等の作業器具２１で作業され
ている。

【００２１】ガスバーナー１５は主スイッチ３２が投入
された後、開閉コック２０、主炎バーナー用調整コック
２４及び種火用調整コック２８を開く。そして、フット
スイッチ３３を踏み込むと、主炎用の電磁弁２１と種火
用の電磁弁２２とが開放され、種火バーナー２７に点火
し、この種火バーナーで主炎バーナー２３が点火され
る。種火用の電磁弁２２はフットスイッチ３３で最初に
励磁されると、自己保持回路３４がオンされて自己保持
され、通電状態に保持される。

【００２２】主炎用の電磁弁２１はフットスイッチ３３
を踏み込む毎にオン・オフされてガスの流れを遮断する
ようにしている。

【００２３】電磁弁２１，２２は主スイッチ３２を投入
してドラフトチャンバー１が運転状態になった後、作業
者によってフットスイッチ３３を踏み込んでオン状態に
することにより、ドラフトチャンバー１が運転状態にな
って開閉コック２０を開らいてもガスバーナー１５にガ
スが供給されないようにしている。また、電磁弁２１，
２２は主スイッチ３２が投入されていないと、通電状態
にならないので、開閉コック２０や調整用コック２４，
２８を締め忘れてもガスが作動空間２内に漏れるのを防
止できるようにしている。

【００２４】図５は種火用の電磁弁２２と同様な働きの
ある電磁弁３５を共通の配管３６に設けたものである。

【００２５】

【発明の効果】以上のように請求項１の発明によれば、
前面を開口し内部に作業空間を形成するキャビネット本
体と、このキャビネット本体の作業空間の上側に設けた
高性能フィルタと、この高性能フィルタに空気を圧送す
る送風機と、前記作業空間の下側に設けた作業台とを備
え、前記作業空間内に開閉コックを有する滅菌用のガス
バーナーを配置したドラフトチャンバーにおいて、前記
ガスバーナーに開閉弁を有する主炎用配管と種火用配管
とを設け、この種火用配管の開閉弁を作動手段によって
のみ開き、この作動手段によって閉じないようにしたの
で、前記ガスバーナーにガスを供給する開閉弁を作動手
段で開け、この作動手段で主炎用配管の開閉弁が閉じら
れても。種火用配管の開閉弁が閉じられないようにで
き、ガスの元栓が締め忘れてあっても作業者がガスバー
ナーを使用するためのスイッチを入れない限り、前記ガ
スバーナーにガスが供給されるのを防止できる。

【００２６】請求項２の発明は、前面を開口し内部に作
業空間を形成するキャビネット本体と、このキャビネッ
ト本体の作業空間の上側に設けた高性能フィルタと、こ
の高性能フィルタに空気を圧送する送風機と、この送風
機の運転をオン・オフする運転スイッチと、前記作業空
間の下側に設けた作業台とを備え、前記作業空間内に滅
菌用のガスバーナーを配置したドラフトチャンバーにお
いて、前記ガスバーナーに電磁弁を有する主炎用配管と
種火用配管とを設け、この電磁弁を作動手段によって開
くとともに、運転スイッチに連動して閉じたので、ガス
の元栓が締め忘れてあっても運転スイッチを切ることに
より、電磁弁が閉じられ、ガスの元栓の締め忘れによる
ガス漏れ事故を防止できるようにしたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すドラフトチャンバー
の断面図である。

【図２】この発明のドラフトチャンバーにガス配管を接
続した状態を示す斜視図である。

【図３】この発明のガスバーナーの状態を示す斜視図で
ある。

【図４】この発明のガスバーナーの操作回路図である。

【図５】この発明の他の実施例を示すガス配管の斜視図
である。

【符号の説明】

１ キャビネット本体 ２ 作業空間 ５ 作業台 ６ 高性能フィルタ ７ 送風機 １５ ガスバーナー １７ 主炎用の接続口 １８ 種火用の接続口 ２０ 開閉コック ２１ 主炎用の電磁弁 ２２ 種火用の電磁弁 ３２ 主スイッチ ３３ フットスイッチ ３４ 自己保持回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前面を開口し内部に作業空間を形成する
   キャビネット本体と、このキャビネット本体の作業空間
   の上側に設けた高性能フィルタと、この高性能フィルタ
   に空気を圧送する送風機と、前記作業空間の下側に設け
   た作業台とが備えられ、前記作業空間内に滅菌用のガス
   バーナーが配置されたドラフトチャンバーにおいて、前
   記ガスバーナーには開閉弁を有する主炎用配管と種火用
   配管とが設けられ、この種火用配管の開閉弁は作動手段
   によってのみ開けられ、この作動手段にって閉じられな
   いようにしたことを特徴とするドラフトチャンバーのガ
   スバーナー装置。
2. 【請求項２】 前面を開口し内部に作業空間を形成する
   キャビネット本体と、このキャビネット本体の作業空間
   の上側に設けた高性能フィルタと、この高性能フィルタ
   に空気を圧送する送風機と、この送風機の運転をオン・
   オフする運転スイッチと、前記作業空間の下側に設けた
   作業台とが備えられ、前記作業空間内に滅菌用のガスバ
   ーナーが配置されたドラフトチャンバーにおいて、前記
   ガスバーナーには電磁弁を有する主炎用配管と種火用配
   管とが設けられ、この電磁弁は作動手段によって開かれ
   るとともに、運転スイッチに連動して閉じられることを
   特徴とするドラフトチャンバーのガスバーナー装置。