JPH08140567A - 魚節または魚節加工品の製造法 - Google Patents
魚節または魚節加工品の製造法Info
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- JPH08140567A JPH08140567A JP6311291A JP31129194A JPH08140567A JP H08140567 A JPH08140567 A JP H08140567A JP 6311291 A JP6311291 A JP 6311291A JP 31129194 A JP31129194 A JP 31129194A JP H08140567 A JPH08140567 A JP H08140567A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 魚節または魚節加工品に存在する苦渋味など
の好ましくない味の発現を抑止し、長期間に亙り好まし
い呈味、香味を安定に保持可能な魚節、魚節加工品を取
得する。 【構成】 魚節または魚節加工品の製造工程において、
遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を有するα
−アミノ酸および糖を含有する混合物を食品の調理条件
下での加熱反応を行い、その加熱生成物を添加する。 【効果】 好ましくない味の発現を抑止し、長期間に亙
り好ましい呈味、香味を安定に保持可能な魚節または魚
節加工品を取得できる。
の好ましくない味の発現を抑止し、長期間に亙り好まし
い呈味、香味を安定に保持可能な魚節、魚節加工品を取
得する。 【構成】 魚節または魚節加工品の製造工程において、
遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を有するα
−アミノ酸および糖を含有する混合物を食品の調理条件
下での加熱反応を行い、その加熱生成物を添加する。 【効果】 好ましくない味の発現を抑止し、長期間に亙
り好ましい呈味、香味を安定に保持可能な魚節または魚
節加工品を取得できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は魚節または魚節加工品の
製造法、詳しくは鰹節を代表とする各種の魚節製品また
はそれらの切削フレーク、破砕篩分品、粉末、顆粒成形
品、調味加工品などの魚節加工品の製造法に関する。
製造法、詳しくは鰹節を代表とする各種の魚節製品また
はそれらの切削フレーク、破砕篩分品、粉末、顆粒成形
品、調味加工品などの魚節加工品の製造法に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、魚節または魚節
加工品中に存在する苦渋味あるいは金属味などの異味を
低減、解消し、良質かつ好ましい呈味性および香味性を
強調すると共にその好ましい呈味性および香味性を長期
間に亙って安定に保持可能な魚節または魚節加工品の製
造法に関するものである。
加工品中に存在する苦渋味あるいは金属味などの異味を
低減、解消し、良質かつ好ましい呈味性および香味性を
強調すると共にその好ましい呈味性および香味性を長期
間に亙って安定に保持可能な魚節または魚節加工品の製
造法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、鰹節、鯖節、鰯節、宗太節、うる
め節などの魚節の基本的な製造法としては、鰹、鯖、
鰯、宗太鰹、潤目鰯などの赤身の鮮魚より肉部を採り、
煮熟後整形し、必要により再整形し、焙乾により乾燥
後、「かび付け」を行い熟成する方法が実施されてき
た。
め節などの魚節の基本的な製造法としては、鰹、鯖、
鰯、宗太鰹、潤目鰯などの赤身の鮮魚より肉部を採り、
煮熟後整形し、必要により再整形し、焙乾により乾燥
後、「かび付け」を行い熟成する方法が実施されてき
た。
【0004】現在でも、この基本的な製造法には変わり
はないが、恒常的に、良質の原料魚は払底傾向にあるた
め、従来に比較して低品位の原料魚をも利用せざるを得
ないのが現状である。従って従来の魚節の製造法を、そ
の侭、低品位の原料魚に適用するときには、低品位の魚
節製品、魚節加工品が齎される結果となっている。
はないが、恒常的に、良質の原料魚は払底傾向にあるた
め、従来に比較して低品位の原料魚をも利用せざるを得
ないのが現状である。従って従来の魚節の製造法を、そ
の侭、低品位の原料魚に適用するときには、低品位の魚
節製品、魚節加工品が齎される結果となっている。
【0005】また、低品位の魚節製品または魚節加工品
の中には、含有する無機成分あるいは特殊なペプチドな
らびに原料特有の成分に由来する苦渋味あるいは金属味
などの異味成分、いわゆる嫌味成分が存在し、魚節製品
または魚節加工品の良質かつ好ましい呈味効果および香
味効果を阻害している場合が多い。
の中には、含有する無機成分あるいは特殊なペプチドな
らびに原料特有の成分に由来する苦渋味あるいは金属味
などの異味成分、いわゆる嫌味成分が存在し、魚節製品
または魚節加工品の良質かつ好ましい呈味効果および香
味効果を阻害している場合が多い。
【0006】魚節製品または魚節加工品の呈味および香
味の改善のために、これらの異味成分を、魚節製品また
は魚節加工品あるいはそれらの原料より分離・除去する
ことも考えられるが、異味を効果的かつ選択的に除去す
ることは相当に困難であり、異味を識別できない程度に
迄除去しようとすると、魚節製品または魚節加工品中の
好ましい呈味成分及び香味成分までも除去され、また、
呈味及び香味を強調する補助成分、いわゆる「こく
味」、「香味」などの微妙なバランスが損なわれてしま
うことが多い。従って、異味成分を魚節製品または魚節
加工品あるいはそれらの原料より分離、除去すること
は、呈味、香味の改善された魚節製品または魚節加工品
の製造法として、必ずしも、適当ではない。
味の改善のために、これらの異味成分を、魚節製品また
は魚節加工品あるいはそれらの原料より分離・除去する
ことも考えられるが、異味を効果的かつ選択的に除去す
ることは相当に困難であり、異味を識別できない程度に
迄除去しようとすると、魚節製品または魚節加工品中の
好ましい呈味成分及び香味成分までも除去され、また、
呈味及び香味を強調する補助成分、いわゆる「こく
味」、「香味」などの微妙なバランスが損なわれてしま
うことが多い。従って、異味成分を魚節製品または魚節
加工品あるいはそれらの原料より分離、除去すること
は、呈味、香味の改善された魚節製品または魚節加工品
の製造法として、必ずしも、適当ではない。
【0007】このため、魚節製品または魚節加工品中の
異味を識別できないように、あるいは異味をより好まし
い呈味に変化せしめるために、可食性の成分を添加す
る、いわゆる「マスク」する方法が考えられている。こ
の可食性の成分を添加する方法は、魚節製品または魚節
加工品の本来の呈味成分または香味成分の性質を変化せ
しめることなく、また、呈味成分間、香味成分間のバラ
ンスを損なうこともないので、異味成分を除去する方法
に比較して、はるかに有効、且つ、より実際的な方法と
評価できる。
異味を識別できないように、あるいは異味をより好まし
い呈味に変化せしめるために、可食性の成分を添加す
る、いわゆる「マスク」する方法が考えられている。こ
の可食性の成分を添加する方法は、魚節製品または魚節
加工品の本来の呈味成分または香味成分の性質を変化せ
しめることなく、また、呈味成分間、香味成分間のバラ
ンスを損なうこともないので、異味成分を除去する方法
に比較して、はるかに有効、且つ、より実際的な方法と
評価できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明にあっては、有
効、且つ、実際的な方法により魚節製品または魚節加工
品中に存在する異味を感知ぜず、魚節製品または魚節加
工品中の本来のバランスのとれた好ましい呈味および香
味を有する魚節製品または魚節加工品を製造することを
目的とする。
効、且つ、実際的な方法により魚節製品または魚節加工
品中に存在する異味を感知ぜず、魚節製品または魚節加
工品中の本来のバランスのとれた好ましい呈味および香
味を有する魚節製品または魚節加工品を製造することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題の解決に関し、鋭意、研究を重ねた結果、以下の通り
の(1)〜(3)の知見を得た。
題の解決に関し、鋭意、研究を重ねた結果、以下の通り
の(1)〜(3)の知見を得た。
【0010】(1)魚節製品または魚節加工品中の異味
を識別できないように、あるいは異味をより好ましい呈
味に変化せしめるためには、特定の可食性の成分を添加
する方法が有効である。
を識別できないように、あるいは異味をより好ましい呈
味に変化せしめるためには、特定の可食性の成分を添加
する方法が有効である。
【0011】(2)その可食性の成分としては、魚節製
品または魚節加工品中の呈味成分の呈味性および呈味成
分間のバランスを変化せしめる成分は回避すべきであ
り、すなわち、可食性成分自体の呈味は無味あるいは可
及的低味であるべきである。
品または魚節加工品中の呈味成分の呈味性および呈味成
分間のバランスを変化せしめる成分は回避すべきであ
り、すなわち、可食性成分自体の呈味は無味あるいは可
及的低味であるべきである。
【0012】(3)その可食性成分の有効な添加量に
は、特定の添加量比範囲が存在する。
は、特定の添加量比範囲が存在する。
【0013】さらに、これらの要件に適合する可食性成
分について、広範囲に及ぶ多種類の可食性成分を検索、
検討の結果、以下の(4)の知見を得た。
分について、広範囲に及ぶ多種類の可食性成分を検索、
検討の結果、以下の(4)の知見を得た。
【0014】(4)遊離のアミノ基を複数個ならびに脂
肪族構造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合
物を食品の調理加熱条件下で加熱した反応生成物が最も
適当である。
肪族構造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合
物を食品の調理加熱条件下で加熱した反応生成物が最も
適当である。
【0015】本発明は、これらの知見に基づいて完成さ
れた。
れた。
【0016】すなわち、請求項1に記載の第1発明は、
呈味、香味の改善された魚節の製造法に関し、魚節の製
造工程において、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族
構造を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を食
品の調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物を添加す
ることを特徴とする魚節の製造法である。
呈味、香味の改善された魚節の製造法に関し、魚節の製
造工程において、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族
構造を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を食
品の調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物を添加す
ることを特徴とする魚節の製造法である。
【0017】請求項2に記載の第2発明は、呈味および
香味の改善された魚節の製造法に関し、第1発明におい
て、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有する
α−アミノ酸としてリジン、オルニチン並びにそれらの
無機酸塩および有機酸塩よりなる群から選択されたα−
アミノ酸を用いることを特徴とする魚節の製造法であ
る。
香味の改善された魚節の製造法に関し、第1発明におい
て、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有する
α−アミノ酸としてリジン、オルニチン並びにそれらの
無機酸塩および有機酸塩よりなる群から選択されたα−
アミノ酸を用いることを特徴とする魚節の製造法であ
る。
【0018】請求項3に記載の第3発明は、呈味および
香味の改善された魚節の製造法に関し、第1発明におい
て、糖がモノサッカライド、ジサッカライド、トリサッ
カライド、糖アルコールおよびそれらの混合物よりなる
群から選択された糖を用いることを特徴とする魚節の製
造法である。
香味の改善された魚節の製造法に関し、第1発明におい
て、糖がモノサッカライド、ジサッカライド、トリサッ
カライド、糖アルコールおよびそれらの混合物よりなる
群から選択された糖を用いることを特徴とする魚節の製
造法である。
【0019】請求項4に記載の第4発明は、呈味、香味
の改善された魚節加工品の製造法に関し、魚節加工品の
製造工程において、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪
族構造を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を
食品の調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物を添加
することを特徴とする魚節加工品の製造法である。
の改善された魚節加工品の製造法に関し、魚節加工品の
製造工程において、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪
族構造を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を
食品の調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物を添加
することを特徴とする魚節加工品の製造法である。
【0020】請求項5に記載の第5発明は、第4発明を
特定する関係を有する発明であり、第4発明において、
遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有するα−
アミノ酸としてリジン、オルニチン並びにそれらの無機
酸塩及び有機酸塩よりなる群から選択されたα−アミノ
酸を用いることを特徴とする魚節加工品の製造法であ
る。
特定する関係を有する発明であり、第4発明において、
遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有するα−
アミノ酸としてリジン、オルニチン並びにそれらの無機
酸塩及び有機酸塩よりなる群から選択されたα−アミノ
酸を用いることを特徴とする魚節加工品の製造法であ
る。
【0021】請求項6に記載の第6発明は、第4発明を
特定する関係を有する発明であり、第4発明において、
糖としてモノサッカライド、ジサッカライド、トリサッ
カライド、糖アルコール及びそれらの混合物よりなる群
から選択された糖を用いることを特徴とする魚節加工品
の製造法である。
特定する関係を有する発明であり、第4発明において、
糖としてモノサッカライド、ジサッカライド、トリサッ
カライド、糖アルコール及びそれらの混合物よりなる群
から選択された糖を用いることを特徴とする魚節加工品
の製造法である。
【0022】
【作用】第1発明〜第6発明のいずれにおいても、使用
する添加物は遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造
を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を食品の
調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物である。
する添加物は遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造
を有するα−アミノ酸と糖とを含有する混合物を食品の
調理加熱条件下で加熱して得た反応生成物である。
【0023】遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造
を有するα−アミノ酸としては、特にリジン、オルニチ
ン並びにそれらの無機酸塩および有機酸塩よりなる群か
ら選択されたα−アミノ酸が好ましいアミノ酸として選
択される(第2発明および第5発明)。
を有するα−アミノ酸としては、特にリジン、オルニチ
ン並びにそれらの無機酸塩および有機酸塩よりなる群か
ら選択されたα−アミノ酸が好ましいアミノ酸として選
択される(第2発明および第5発明)。
【0024】これらのアミノ酸は特に高純度の標品を選
択する必要はないが、遊離のアミノ基を複数個並びに脂
肪族構造を有するα−アミノ酸群以外の他のアミノ酸群
に属するアミノ酸を、可及的に混入していない標品を使
用するとよい。他のアミノ酸群に属するアミノ酸あるい
はペプチド類などを高濃度に混入している混合物に由来
する加熱反応生成物は、本発明で使用する添加物として
は好ましくない。
択する必要はないが、遊離のアミノ基を複数個並びに脂
肪族構造を有するα−アミノ酸群以外の他のアミノ酸群
に属するアミノ酸を、可及的に混入していない標品を使
用するとよい。他のアミノ酸群に属するアミノ酸あるい
はペプチド類などを高濃度に混入している混合物に由来
する加熱反応生成物は、本発明で使用する添加物として
は好ましくない。
【0025】また、これらのアミノ酸のアミドあるいは
エステルと糖とを含有する混合物の加熱反応生成物のな
かには、魚節または魚節加工品の添加物としては好まし
くない呈味、香味を有する生成物も存在する場合があ
る。
エステルと糖とを含有する混合物の加熱反応生成物のな
かには、魚節または魚節加工品の添加物としては好まし
くない呈味、香味を有する生成物も存在する場合があ
る。
【0026】これらのアミノ酸の無機酸塩または有機酸
塩としては、リジン塩酸塩、オルニチン琥珀酸塩などが
例示される。
塩としては、リジン塩酸塩、オルニチン琥珀酸塩などが
例示される。
【0027】なお、蛋白質の加水分解物をイオン交換樹
脂処理などの方法により処理した分画区分、すなわち、
遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を有するα
−アミノ酸を高濃度に含有する分画区分、例えば精製乳
製カゼインの酸加水分解物をアニオン交換樹脂、カチオ
ン交換樹脂および脱色樹脂により処理して取得するリジ
ン高濃度分画区分は、本発明のα−アミノ酸原料として
有用である。
脂処理などの方法により処理した分画区分、すなわち、
遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を有するα
−アミノ酸を高濃度に含有する分画区分、例えば精製乳
製カゼインの酸加水分解物をアニオン交換樹脂、カチオ
ン交換樹脂および脱色樹脂により処理して取得するリジ
ン高濃度分画区分は、本発明のα−アミノ酸原料として
有用である。
【0028】糖としては多糖以外の各種の糖が使用され
る。特に、モノサッカライド、ジサッカライド、トリサ
ッカライド、糖アルコールおよびそれらの混合物よりな
る群から選択される糖を用いることが好ましい(第3発
明および第6発明)。
る。特に、モノサッカライド、ジサッカライド、トリサ
ッカライド、糖アルコールおよびそれらの混合物よりな
る群から選択される糖を用いることが好ましい(第3発
明および第6発明)。
【0029】より具体的には、モノサッカライドとし
て、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロ
ース、およびリボースが、ジサッカライドとして、サッ
カロース(蔗糖)、セロビオース、ラクトース、マルト
ース、およびトレハロースが、トリサッカライドとし
て、マルトトリオースが、糖アルコールとして、ソルビ
トール、マンニトール、エリスリトール、およびグリセ
リンが、また、それらの混合物として、高濃度フルクト
ース含有転化液糖シロップ(HFS)が、各々、例示さ
れる。
て、グルコース、フルクトース、ガラクトース、キシロ
ース、およびリボースが、ジサッカライドとして、サッ
カロース(蔗糖)、セロビオース、ラクトース、マルト
ース、およびトレハロースが、トリサッカライドとし
て、マルトトリオースが、糖アルコールとして、ソルビ
トール、マンニトール、エリスリトール、およびグリセ
リンが、また、それらの混合物として、高濃度フルクト
ース含有転化液糖シロップ(HFS)が、各々、例示さ
れる。
【0030】なお、これらの糖は特に高純度の標品を選
択する必要はないが、可及的に糖以外の物質を混入して
いない標品を使用するとよい。例えばラクトースを使用
する場合、乳蛋白、乳脂肪の混入した糖の標品およびα
−アミノ酸を含有する混合物の加熱反応生成物には、チ
ーズ様あるいは洋菓子様の香気が生成するので、かかる
生成物は魚節または魚節加工品に対する添加物としては
適当でない。
択する必要はないが、可及的に糖以外の物質を混入して
いない標品を使用するとよい。例えばラクトースを使用
する場合、乳蛋白、乳脂肪の混入した糖の標品およびα
−アミノ酸を含有する混合物の加熱反応生成物には、チ
ーズ様あるいは洋菓子様の香気が生成するので、かかる
生成物は魚節または魚節加工品に対する添加物としては
適当でない。
【0031】α−アミノ酸に対する糖の混合比は、当量
または当量以上の範囲から選択される。但し、糖が大過
剰の場合には加熱反応生成物にカラメル様の香気が強調
され過ぎるので適当でない。
または当量以上の範囲から選択される。但し、糖が大過
剰の場合には加熱反応生成物にカラメル様の香気が強調
され過ぎるので適当でない。
【0032】遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構
造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物は、
通常の食品の調理加熱条件下に加熱される。すなわち、
解放系または半解放系で加熱される。具体的には50℃
以上105℃以下の温度範囲が選択される。
造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物は、
通常の食品の調理加熱条件下に加熱される。すなわち、
解放系または半解放系で加熱される。具体的には50℃
以上105℃以下の温度範囲が選択される。
【0033】密閉加圧系における加熱、例えばオートク
レーブ内での高温加熱下では、所期の性質を有する加熱
反応生成物は生成しないので、かかる加熱条件は本発明
の方法にあっては適当でない。
レーブ内での高温加熱下では、所期の性質を有する加熱
反応生成物は生成しないので、かかる加熱条件は本発明
の方法にあっては適当でない。
【0034】通常の食品の調理加熱条件下の加熱は、1
0分以上12時間程度の範囲で行われる。通常、加熱は
均一、且つ、徐々におこなわれ、必要により、湯煎など
の間接加熱を行ってもよい。
0分以上12時間程度の範囲で行われる。通常、加熱は
均一、且つ、徐々におこなわれ、必要により、湯煎など
の間接加熱を行ってもよい。
【0035】加熱反応時のpHもまた、通常の食品の調
理条件の範囲から選択される。すなわち、弱酸性より弱
塩基性の範囲、より具体的にはpH2〜8の範囲が選択
される。
理条件の範囲から選択される。すなわち、弱酸性より弱
塩基性の範囲、より具体的にはpH2〜8の範囲が選択
される。
【0036】なお、混合した香味の加熱反応生成物を魚
節または魚節加工品に添加する場合には、選択した特定
の組み合わせのα−アミノ酸および糖よりなる混合物を
加熱反応せしめて取得する個別の反応生成物を、他の加
熱反応生成物と混合して添加すべきである。加熱以前の
α−アミノ酸を混合し加熱反応する場合には、所期の香
気が発現しない場合が多い。また、発現しても該加熱反
応物には、その特徴とする香気の冴えが失われることが
多い。
節または魚節加工品に添加する場合には、選択した特定
の組み合わせのα−アミノ酸および糖よりなる混合物を
加熱反応せしめて取得する個別の反応生成物を、他の加
熱反応生成物と混合して添加すべきである。加熱以前の
α−アミノ酸を混合し加熱反応する場合には、所期の香
気が発現しない場合が多い。また、発現しても該加熱反
応物には、その特徴とする香気の冴えが失われることが
多い。
【0037】本発明における遊離のアミノ基を複数個な
らびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸および糖を含有
する混合物の加熱反応物は、快い刺激味および食肉加工
品様の香味を有し、魚節または魚節加工品中に存在する
嫌味成分を「マスク」する効果ならびに魚節または魚節
加工品の呈味および香味の保存安定化効果を有する。ま
た、本加熱反応物には魚節または魚節加工品の「こく
味」を増強し、魚節または魚節加工品の有する燻製様香
味を強調する効果もある。
らびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸および糖を含有
する混合物の加熱反応物は、快い刺激味および食肉加工
品様の香味を有し、魚節または魚節加工品中に存在する
嫌味成分を「マスク」する効果ならびに魚節または魚節
加工品の呈味および香味の保存安定化効果を有する。ま
た、本加熱反応物には魚節または魚節加工品の「こく
味」を増強し、魚節または魚節加工品の有する燻製様香
味を強調する効果もある。
【0038】第1発明における魚節としては、鰹節、鯖
節、鰯節、宗太節、うるめ節などが挙げられる。すなわ
ち、鰹、鯖、鰯、宗太鰹、潤目鰯などの赤身の鮮魚より
肉部を採り、煮熟後整形し、必要により再整形し、焙乾
により乾燥後、「かび付け」を行い熟成する方法により
製造される魚節である。但し、原料魚あるいは製造方法
は上記の方法、工程に限定されるものではなく、種々の
変更があり得る。
節、鰯節、宗太節、うるめ節などが挙げられる。すなわ
ち、鰹、鯖、鰯、宗太鰹、潤目鰯などの赤身の鮮魚より
肉部を採り、煮熟後整形し、必要により再整形し、焙乾
により乾燥後、「かび付け」を行い熟成する方法により
製造される魚節である。但し、原料魚あるいは製造方法
は上記の方法、工程に限定されるものではなく、種々の
変更があり得る。
【0039】例えば、原料魚の一部を白身の魚に置換え
る、肉部の採取を省略し魚体全部を利用する、焙乾ある
いは「かび付け」に要する時間を短縮する、あるいはそ
れらの工程を省略するなどの変更を採用し得る。従っ
て、「かび付け」工程を省略して製造する「煮干し」、
「焼干し」などの魚節類似品も亦、本発明の対象に含ま
れる。
る、肉部の採取を省略し魚体全部を利用する、焙乾ある
いは「かび付け」に要する時間を短縮する、あるいはそ
れらの工程を省略するなどの変更を採用し得る。従っ
て、「かび付け」工程を省略して製造する「煮干し」、
「焼干し」などの魚節類似品も亦、本発明の対象に含ま
れる。
【0040】第1発明の方法において、遊離のアミノ基
を複数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸およ
び糖を含有する混合物の加熱反応物の添加は、魚節の製
造工程中、任意の工程において実施される。また、添加
は複数の工程において、各工程共、複数回の添加、すな
わち分割しての添加も可能である。一般に、初期の工程
において所定量の加熱反応物の大部分を高濃度に添加す
ると好結果を得る。
を複数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸およ
び糖を含有する混合物の加熱反応物の添加は、魚節の製
造工程中、任意の工程において実施される。また、添加
は複数の工程において、各工程共、複数回の添加、すな
わち分割しての添加も可能である。一般に、初期の工程
において所定量の加熱反応物の大部分を高濃度に添加す
ると好結果を得る。
【0041】加熱反応物の添加には、魚節の製造工程中
で加熱反応物の顆粒、粉末、粘質物あるいは濃縮物を散
布、添加する、加熱反応物の高濃度水性溶液を噴霧、添
加する、採取した魚肉原料あるいは中間原料に加熱反応
物の顆粒、粉末あるいは濃縮物をまぶすなど、任意の添
加方法が採用される。
で加熱反応物の顆粒、粉末、粘質物あるいは濃縮物を散
布、添加する、加熱反応物の高濃度水性溶液を噴霧、添
加する、採取した魚肉原料あるいは中間原料に加熱反応
物の顆粒、粉末あるいは濃縮物をまぶすなど、任意の添
加方法が採用される。
【0042】さらに魚節の製造工程中、原料または中間
原料が加熱を受ける場合には、加熱反応物を添加するこ
となく、遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を
有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物を添加
し、原料または中間原料中あるいはそれらの表面上で加
熱反応物を生成せしめ、加熱反応物を添加した場合と同
等の効果を得ることも出来る。
原料が加熱を受ける場合には、加熱反応物を添加するこ
となく、遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構造を
有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物を添加
し、原料または中間原料中あるいはそれらの表面上で加
熱反応物を生成せしめ、加熱反応物を添加した場合と同
等の効果を得ることも出来る。
【0043】いずれの場合にあっても、加熱反応物の添
加終了時には加熱反応物が魚節の原料あるいは中間原料
中に均一に分布していることが望ましい。
加終了時には加熱反応物が魚節の原料あるいは中間原料
中に均一に分布していることが望ましい。
【0044】加熱反応物の添加量は、魚節の製品重量比
0.1〜5%程度が適当である。この添加量範囲以下で
は、加熱反応物の添加効果は明瞭でない。一方、この添
加量範囲を越える場合には、加熱反応物に由来する香
味、カラメル臭、ときには焦臭に類する異臭が強調され
過ぎ適当でない。
0.1〜5%程度が適当である。この添加量範囲以下で
は、加熱反応物の添加効果は明瞭でない。一方、この添
加量範囲を越える場合には、加熱反応物に由来する香
味、カラメル臭、ときには焦臭に類する異臭が強調され
過ぎ適当でない。
【0045】第4発明における魚節加工品としては、魚
節の切削フレーク、破砕篩分品、粉末、顆粒成形品、調
味加工品、うま味調味料との混合顆粒成形品、「ふりか
け」食品、即席「おすまし」食品などが挙げられる。ま
た、それらの多くは乾燥品または半乾燥品であるが、
「鰹節抽出液体だし」などの液状品、あるいは「鰹せん
じ」、「アンチョビ・ペースト」などのペースト状品も
また、魚節加工品に含まれる。
節の切削フレーク、破砕篩分品、粉末、顆粒成形品、調
味加工品、うま味調味料との混合顆粒成形品、「ふりか
け」食品、即席「おすまし」食品などが挙げられる。ま
た、それらの多くは乾燥品または半乾燥品であるが、
「鰹節抽出液体だし」などの液状品、あるいは「鰹せん
じ」、「アンチョビ・ペースト」などのペースト状品も
また、魚節加工品に含まれる。
【0046】第4発明の方法において、遊離のアミノ基
を複数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸およ
び糖を含有する混合物の加熱反応物の添加は魚節加工品
の製造工程中、任意の工程において実施される。すなわ
ち、原料魚節への添加および混合、魚節の切削工程、破
砕工程、粉砕工程で使用する調湿水性溶液への添加、造
粒工程で使用する調湿あるいは粒子結着溶液への添加、
調味工程で使用する調味液への添加、調理工程で使用す
る調味液への添加、ペースト状品の製造時における混練
工程での添加などの方法で添加する。
を複数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸およ
び糖を含有する混合物の加熱反応物の添加は魚節加工品
の製造工程中、任意の工程において実施される。すなわ
ち、原料魚節への添加および混合、魚節の切削工程、破
砕工程、粉砕工程で使用する調湿水性溶液への添加、造
粒工程で使用する調湿あるいは粒子結着溶液への添加、
調味工程で使用する調味液への添加、調理工程で使用す
る調味液への添加、ペースト状品の製造時における混練
工程での添加などの方法で添加する。
【0047】また、添加は複数の工程において、各工程
共、複数回の添加すなわち分割しての添加が可能であ
る。一般に、初期の工程において所定量の加熱反応物の
大部分を高濃度に添加すると好結果を得る。
共、複数回の添加すなわち分割しての添加が可能であ
る。一般に、初期の工程において所定量の加熱反応物の
大部分を高濃度に添加すると好結果を得る。
【0048】更に魚節加工品の製造工程中、原料または
中間原料が加熱を受ける場合には、加熱反応物を添加す
ることなく、遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構
造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物を添
加し、原料または中間原料中あるいはそれらの表面上で
加熱反応物を生成せしめ、加熱反応物を添加した場合と
同等の効果を得ることも出来る。
中間原料が加熱を受ける場合には、加熱反応物を添加す
ることなく、遊離のアミノ基を複数個ならびに脂肪族構
造を有するα−アミノ酸および糖を含有する混合物を添
加し、原料または中間原料中あるいはそれらの表面上で
加熱反応物を生成せしめ、加熱反応物を添加した場合と
同等の効果を得ることも出来る。
【0049】加熱反応物の添加量は、魚節加工品の製品
重量比0.1〜5%程度が適当である。この添加量範囲
以下では、加熱反応物の添加効果は明瞭でない。一方、
この添加量範囲を越える場合には、加熱反応物に由来す
る好ましからざる呈味あるいは香味、すなわち、苦味、
カラメル臭、ときには焦臭に類する異臭が強調され過ぎ
るので適当でない。
重量比0.1〜5%程度が適当である。この添加量範囲
以下では、加熱反応物の添加効果は明瞭でない。一方、
この添加量範囲を越える場合には、加熱反応物に由来す
る好ましからざる呈味あるいは香味、すなわち、苦味、
カラメル臭、ときには焦臭に類する異臭が強調され過ぎ
るので適当でない。
【0050】加熱反応物の添加方法としては、顆粒状あ
るいは粉末を原料魚節あるいは加工処理中の中間原料に
散布、添加する、加工処理中に加熱反応物の高濃度水性
溶液を噴霧、添加するなど、任意の添加方法が採用され
る。何れの場合にあっても、添加終了時に加熱反応物が
魚節加工品の原料あるいは中間原料中に均一に分布して
いることが望ましい。
るいは粉末を原料魚節あるいは加工処理中の中間原料に
散布、添加する、加工処理中に加熱反応物の高濃度水性
溶液を噴霧、添加するなど、任意の添加方法が採用され
る。何れの場合にあっても、添加終了時に加熱反応物が
魚節加工品の原料あるいは中間原料中に均一に分布して
いることが望ましい。
【0051】以下、実施例により本発明の方法について
説明する。なお、これらの実施例は本発明を限定するも
のではない。実施例の記載中、特記の無い限り、「部」
は重量部を、「%」は(重量/重量)%を示す。
説明する。なお、これらの実施例は本発明を限定するも
のではない。実施例の記載中、特記の無い限り、「部」
は重量部を、「%」は(重量/重量)%を示す。
【0052】
(実施例1)=加熱反応物の調製= 表1に示す組み合わせの特定された遊離のアミノ基を複
数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸と糖とを
含有する混合物を、還流解放下、沸騰水浴上6時間加熱
反応せしめ、4種類の加熱反応物A〜Dを取得した。
数個ならびに脂肪族構造を有するα−アミノ酸と糖とを
含有する混合物を、還流解放下、沸騰水浴上6時間加熱
反応せしめ、4種類の加熱反応物A〜Dを取得した。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例2)=「荒節」の製造およびその
抽出「だし」の評価= 新鮮なホンガツオより採肉した原料魚肉を煮熟し「身割
り」した魚肉を、実施例1で調製した加熱反応物A〜D
を各15%含有し25℃に保持した酸性水溶液に10分
間、浸漬した。
抽出「だし」の評価= 新鮮なホンガツオより採肉した原料魚肉を煮熟し「身割
り」した魚肉を、実施例1で調製した加熱反応物A〜D
を各15%含有し25℃に保持した酸性水溶液に10分
間、浸漬した。
【0055】浸漬後、浸漬液の滴下を待って、焙乾用の
スノコに配列し、送風室温下、室内で30分間乾燥し
た。この浸漬操作および風乾操作により、何れも「身割
り」魚肉比3%の加熱反応物溶液が付着したことを認め
た。これは製品「荒節」に対し0.7%の加熱反応物の
添加に相当する。該「身割り」魚肉を焙乾風炉中で、3
日間、連続して焙乾し、使用した加熱反応物、A〜Dに
対応する4種類の製品、「荒節A」乃至「荒節D」を取
得した。
スノコに配列し、送風室温下、室内で30分間乾燥し
た。この浸漬操作および風乾操作により、何れも「身割
り」魚肉比3%の加熱反応物溶液が付着したことを認め
た。これは製品「荒節」に対し0.7%の加熱反応物の
添加に相当する。該「身割り」魚肉を焙乾風炉中で、3
日間、連続して焙乾し、使用した加熱反応物、A〜Dに
対応する4種類の製品、「荒節A」乃至「荒節D」を取
得した。
【0056】なお、焙乾処理中、身割り」魚肉を登載し
たスノコの上下位置を3回変更し、均一な焙乾を計っ
た。製品「荒節」の原料魚肉に対する歩留は15%、ま
た、その水分含量は8〜12%、粗脂肪含量は6〜10
%であった。
たスノコの上下位置を3回変更し、均一な焙乾を計っ
た。製品「荒節」の原料魚肉に対する歩留は15%、ま
た、その水分含量は8〜12%、粗脂肪含量は6〜10
%であった。
【0057】また、加熱反応物を含有しない同様の酸性
水溶液に、同一条件下に浸漬処理を行い、以下、同様に
処理した対照「荒節」を製造した。対照「荒節」の歩
留、水分含量および粗脂肪含量は、製品「荒節」のそれ
らと、ほぼ、同一であった。
水溶液に、同一条件下に浸漬処理を行い、以下、同様に
処理した対照「荒節」を製造した。対照「荒節」の歩
留、水分含量および粗脂肪含量は、製品「荒節」のそれ
らと、ほぼ、同一であった。
【0058】製品「荒節A」乃至「荒節D」ならびに対
照「荒節」を各1本宛、和紙を用いて包装し、温度25
℃、相対湿度60%に維持した環境下に保存した。製品
「荒節」および対照「荒節」各1本を、製造直後、1週
間後、3月後および6月後に取り出し、家庭用の鰹節削
り鉋器を使用して「荒節」の長手方向に全面にわたるよ
うに、その略半分を削りおろした。
照「荒節」を各1本宛、和紙を用いて包装し、温度25
℃、相対湿度60%に維持した環境下に保存した。製品
「荒節」および対照「荒節」各1本を、製造直後、1週
間後、3月後および6月後に取り出し、家庭用の鰹節削
り鉋器を使用して「荒節」の長手方向に全面にわたるよ
うに、その略半分を削りおろした。
【0059】取得した削りフレークを秤量し、その10
0gを耐熱ガラス・ポット中に入れ500mLのイオン
交換樹脂処理水を注ぎいれた。 該フレーク分散液を室
温より沸騰に至るまで10分間、沸騰下に5分間保持し
抽出した。熱時、抽出液、すなわち、各々の「だし」
を、予め充分に水洗してある濾紙を載置した濾斗上に注
下し、フレークを分離、除去した製品「荒節A」乃至
「荒節D」の「だし」ならびに対照「荒節」の「だし」
を取得した。
0gを耐熱ガラス・ポット中に入れ500mLのイオン
交換樹脂処理水を注ぎいれた。 該フレーク分散液を室
温より沸騰に至るまで10分間、沸騰下に5分間保持し
抽出した。熱時、抽出液、すなわち、各々の「だし」
を、予め充分に水洗してある濾紙を載置した濾斗上に注
下し、フレークを分離、除去した製品「荒節A」乃至
「荒節D」の「だし」ならびに対照「荒節」の「だし」
を取得した。
【0060】これらの「だし」を室温(25℃)まで放
冷し、直ちに、5名のパネラーによる官能試験に付し
た。この試験は製品「荒節」の「だし」および対照「荒
節」の「だし」について、対照「だし」を明示し対照と
の比較による差異識別の有無ならびに呈味の好ましさお
よび香味の好ましさについて最高点を5点とする5点法
による採点評価を問う試験である。
冷し、直ちに、5名のパネラーによる官能試験に付し
た。この試験は製品「荒節」の「だし」および対照「荒
節」の「だし」について、対照「だし」を明示し対照と
の比較による差異識別の有無ならびに呈味の好ましさお
よび香味の好ましさについて最高点を5点とする5点法
による採点評価を問う試験である。
【0061】製品「荒節」の「だし」および対照「荒
節」の「だし」について、各保存期間経過後における判
別結果をまとめて、表2に示す。
節」の「だし」について、各保存期間経過後における判
別結果をまとめて、表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示す通り、製品「荒節A」乃至「荒
節D」の「だし」ならびに対照「荒節」の「だし」との
間には、何れの保存期間の場合にあっても、呈味および
香味について明瞭な相違が認められ、何れの場合にあっ
ても加熱反応物含有溶液処理を行った製品「荒節」の
「だし」を好ましいとするパネラーが多かった。この人
数の相違は有意義と認められる。
節D」の「だし」ならびに対照「荒節」の「だし」との
間には、何れの保存期間の場合にあっても、呈味および
香味について明瞭な相違が認められ、何れの場合にあっ
ても加熱反応物含有溶液処理を行った製品「荒節」の
「だし」を好ましいとするパネラーが多かった。この人
数の相違は有意義と認められる。
【0064】また、「荒節」の保存期間が長期に亙るに
従って、製品「荒節」の「だし」と対照「荒節」の「だ
し」との間の呈味および香味の相違は、より判然とする
傾向が認められた。
従って、製品「荒節」の「だし」と対照「荒節」の「だ
し」との間の呈味および香味の相違は、より判然とする
傾向が認められた。
【0065】すなわち、加熱反応物含有溶液処理は「荒
節」の「だし」の呈味および香味を改善し、また、好ま
しい呈味および香味を長期間に亙って安定に保存する効
果のあることが認められた。
節」の「だし」の呈味および香味を改善し、また、好ま
しい呈味および香味を長期間に亙って安定に保存する効
果のあることが認められた。
【0066】(実施例3)=「鰹節フレーク」の製造お
よびそれらの抽出「だし」の評価= 市販の中位の大きさの高知県産「亀節」を各1本宛、和
紙を用いて包装し、温度25℃、相対湿度60%に維持
した環境下に、1週間、保存した。
よびそれらの抽出「だし」の評価= 市販の中位の大きさの高知県産「亀節」を各1本宛、和
紙を用いて包装し、温度25℃、相対湿度60%に維持
した環境下に、1週間、保存した。
【0067】1週間後に取り出し、家庭用の鰹節削り鉋
器を使用して「亀節」の長手方向に魚体の背部及び腹部
の全面にわたるようにその略半分を削りおろした。取得
した削りフレークを秤量し、その100gを和紙上に約
30cm角に拡散した後、実施例1で調製した加熱反応
物A〜Dを各15%含有する酸性水溶液10mLを、製
パン用噴霧器を使用して、万遍なく散布した。
器を使用して「亀節」の長手方向に魚体の背部及び腹部
の全面にわたるようにその略半分を削りおろした。取得
した削りフレークを秤量し、その100gを和紙上に約
30cm角に拡散した後、実施例1で調製した加熱反応
物A〜Dを各15%含有する酸性水溶液10mLを、製
パン用噴霧器を使用して、万遍なく散布した。
【0068】散布後、和紙ごと、大型のデシケーターに
収容し、減圧下25℃に2時間保持し乾燥した。常圧に
復帰後、直ちに10g宛、ポリプロピレン製の透明袋に
分包し、開口部を加熱封鎖して、使用した加熱反応物A
〜Dに対応する4種類の製品「鰹節フレークA」乃至
「鰹節フレークD」を取得した。また、同様にして加熱
反応物を含有しない酸性水溶液10mLを同様に散布
後、乾燥し分包して「対照鰹節フレーク」を取得した。
収容し、減圧下25℃に2時間保持し乾燥した。常圧に
復帰後、直ちに10g宛、ポリプロピレン製の透明袋に
分包し、開口部を加熱封鎖して、使用した加熱反応物A
〜Dに対応する4種類の製品「鰹節フレークA」乃至
「鰹節フレークD」を取得した。また、同様にして加熱
反応物を含有しない酸性水溶液10mLを同様に散布
後、乾燥し分包して「対照鰹節フレーク」を取得した。
【0069】これらの袋入り「鰹節フレーク」を室温に
保存した。「鰹節フレークA」乃至「鰹節フレークD」
および「対照鰹節フレーク」、各1袋を、製造直後、1
週間後、3月後および6月後に取り出し、開封後、袋内
のフレーク全量を耐熱ガラス・ポット中に入れ、100
mLのイオン交換樹脂処理水を注ぎいれた。これらのフ
レーク分散液を室温より沸騰に至るまで10分間、沸騰
下に5分間保持し抽出した。熱時、抽出液、すなわち
各々の「だし」を、予め充分に水洗してある濾紙を載置
した濾斗上に注下し、フレークを分離、除去した「鰹節
フレークA」乃至「鰹節フレークD」の「だし」および
「対照鰹節フレーク」の「だし」を取得した。
保存した。「鰹節フレークA」乃至「鰹節フレークD」
および「対照鰹節フレーク」、各1袋を、製造直後、1
週間後、3月後および6月後に取り出し、開封後、袋内
のフレーク全量を耐熱ガラス・ポット中に入れ、100
mLのイオン交換樹脂処理水を注ぎいれた。これらのフ
レーク分散液を室温より沸騰に至るまで10分間、沸騰
下に5分間保持し抽出した。熱時、抽出液、すなわち
各々の「だし」を、予め充分に水洗してある濾紙を載置
した濾斗上に注下し、フレークを分離、除去した「鰹節
フレークA」乃至「鰹節フレークD」の「だし」および
「対照鰹節フレーク」の「だし」を取得した。
【0070】これらの「だし」を室温(25℃)まで放
冷し、直ちに5名のパネラーによる製品の「だし」およ
び対照の「だし」について、対照「だし」を明示し対照
との比較による差異識別の有無、呈味の好ましさおよび
香味の好ましさについて最高点を5点とする5点法によ
る採点評価を問う官能試験に付した。製品の「だし」お
よび対照の「だし」について、各保存期間経過後におけ
る判別結果をまとめて表3に示す。
冷し、直ちに5名のパネラーによる製品の「だし」およ
び対照の「だし」について、対照「だし」を明示し対照
との比較による差異識別の有無、呈味の好ましさおよび
香味の好ましさについて最高点を5点とする5点法によ
る採点評価を問う官能試験に付した。製品の「だし」お
よび対照の「だし」について、各保存期間経過後におけ
る判別結果をまとめて表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表3に示す通り、製品の「だし」と対照の
「だし」との間には、何れの保存期間の場合にあって
も、呈味および香味について明瞭な相違が認められ、何
れの場合にあっても加熱反応物含有溶液を散布した製品
の「だし」を好ましいとするパネラーが多かった。この
人数の相違は有意義と認められる。また、袋入り「鰹節
フレーク」の保存期間が長期に亙るに従って、製品の
「だし」と対照の「だし」との間の呈味および香味の相
違は、より判然とする傾向が認められた。即ち、加熱反
応物含有溶液の散布は袋入り「鰹節フレーク」の「だ
し」の呈味および香味を改善し、また、好ましい呈味お
よび香味を長期間に亙って安定に保存する効果のあるこ
とが認められた。
「だし」との間には、何れの保存期間の場合にあって
も、呈味および香味について明瞭な相違が認められ、何
れの場合にあっても加熱反応物含有溶液を散布した製品
の「だし」を好ましいとするパネラーが多かった。この
人数の相違は有意義と認められる。また、袋入り「鰹節
フレーク」の保存期間が長期に亙るに従って、製品の
「だし」と対照の「だし」との間の呈味および香味の相
違は、より判然とする傾向が認められた。即ち、加熱反
応物含有溶液の散布は袋入り「鰹節フレーク」の「だ
し」の呈味および香味を改善し、また、好ましい呈味お
よび香味を長期間に亙って安定に保存する効果のあるこ
とが認められた。
【0073】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による魚
節および魚節加工品の製造法には、通常の魚節および魚
節加工品に、屡々、存在する苦渋味あるいは金属味など
の異味の発現を抑止することができ、長期間に亙り好ま
しい呈味および香味を安定に保存できるという効果を有
する。
節および魚節加工品の製造法には、通常の魚節および魚
節加工品に、屡々、存在する苦渋味あるいは金属味など
の異味の発現を抑止することができ、長期間に亙り好ま
しい呈味および香味を安定に保存できるという効果を有
する。
Claims (6)
- 【請求項1】 魚節の製造工程において、遊離のアミノ
基を複数個並びに脂肪族構造を有するα−アミノ酸と糖
とを含有する混合物を食品の調理加熱条件下で加熱して
得た反応生成物を添加することを特徴とする魚節の製造
法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の魚節の製造法におい
て、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有する
α−アミノ酸として、リジン、オルニチン並びにそれら
の無機酸塩および有機酸塩よりなる群から選択されたα
−アミノ酸を用いることを特徴とする魚節の製造法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の魚節の製造法におい
て、糖として、モノサッカライド、ジサッカライド、ト
リサッカライド、糖アルコール及びそれらの混合物より
なる群から選択された糖を用いることを特徴とする魚節
の製造法。 - 【請求項4】 魚節加工品の製造工程において、遊離の
アミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有するα−アミノ
酸と糖とを含有する混合物を食品の調理加熱条件下で加
熱して得た反応生成物を添加することを特徴とする魚節
加工品の製造法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の魚節加工品の製造法に
おいて、遊離のアミノ基を複数個並びに脂肪族構造を有
するα−アミノ酸として、リジン、オルニチン並びにそ
れらの無機酸塩及び有機酸塩よりなる群から選択された
α−アミノ酸を用いることを特徴とする魚節加工品の製
造法。 - 【請求項6】 請求項4に記載の魚節加工品の製造法に
おいて、糖として、モノサッカライド、ジサッカライ
ド、トリサッカライド、糖アルコール及びそれらの混合
物よりなる群から選択された糖を用いることを特徴とす
る魚節加工品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311291A JPH08140567A (ja) | 1994-11-22 | 1994-11-22 | 魚節または魚節加工品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6311291A JPH08140567A (ja) | 1994-11-22 | 1994-11-22 | 魚節または魚節加工品の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08140567A true JPH08140567A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=18015370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6311291A Pending JPH08140567A (ja) | 1994-11-22 | 1994-11-22 | 魚節または魚節加工品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08140567A (ja) |
-
1994
- 1994-11-22 JP JP6311291A patent/JPH08140567A/ja active Pending
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