JPS597427B2 - マルト−ル類添加によってだし汁、生薬煎じ液およびエキス類の嫌み臭を除去または緩和する方法 - Google Patents

マルト−ル類添加によってだし汁、生薬煎じ液およびエキス類の嫌み臭を除去または緩和する方法

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JPS597427B2
JPS597427B2 JP55154370A JP15437080A JPS597427B2 JP S597427 B2 JPS597427 B2 JP S597427B2 JP 55154370 A JP55154370 A JP 55154370A JP 15437080 A JP15437080 A JP 15437080A JP S597427 B2 JPS597427 B2 JP S597427B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は調理に使用されるだししゃこ(煮干し)やさば
削り節のだし汁の嫌み臭の除去・緩和をはじめ、煮干し
や節類製造時に副生ずる煮汁から製造されるエキス類の
強い魚臭を除去・緩和するために、更には鯨肉エキス、
ビーフエキス、ブロイラーのがらエキス、豚骨エキス、
獣脂油滓抽出エキスなどの強いエキス特有の不快臭を除
去・緩和するためや、またさらに生薬類煎じ液の不快臭
の除去・緩和のためにマルトール、エチルマルトール、
イソマルトールなどのマルトール類の単品もしくはこれ
らの2〜3種類の混合物の溶液あるいはこれらの粉末製
剤を熱油抽出する時に添加するとか、または副生品の煮
汁に添加するとか、さらにまたエキス製造のさいの熱湯
抽出時に添加することによって、嫌み臭の除去・緩和さ
れただし汁、煎じ液またはエキス製品を得る方法に関す
るものである。
本発明者は、先に特許出願公開(昭和55−88677
)によって公開されているように、マルトール類添加に
よる肉類脱臭法を発明したが、その後の研究によってマ
ルトール類は羊肉やイルカ肉など唾乳動物肉の脱臭に効
果があるばかりでなく、鳥類の肝臓、魚肉(イワシ、サ
バ)はもとより、魚肉加工品であるだししゃこ(煮干し
)、さば削り節の煮出し汁や煮干しやかつお節などの製
造時に副生ずる煮汁などの嫌な魚臭をも脱臭するうえに
、さらにげんのしょうこ、じゆうやくなどの生薬類の嫌
な特異臭の除去または緩和にも非常に効果を発揮するこ
とを確めた。
これら一連の実験結果をやや詳細に説明することにする
1)いずれも新鮮なイワシ、サバ、鯨肉、牛肉、マトン
、鶏の肝をしよう油で淡味の煮物とするときに、これら
の材料の特異臭を消すために必要な材料1g当りのマル
トールの量は、イワシで40〜60γ、サバ切身で80
へ鯨肉で24γ、牛肉で87γ、マトンで8.3γ、鶏
の肝で60γであった。
そして、これらの場合いずれも材料の個有臭や勾が全く
消失してしまって、材料の風味がなくなり、眼をつむっ
て食べると何を食べているのか判らないので、マトンを
除いては寧ろマルトール類を上記各量の2/3躯゛らい
添加して材料の個有臭を残す方が好ましいとの意見が多
かつた。
2)さらにだししゃこ(煮干し)25〜50g、さば削
り節30gをそれぞれ1lの1%食塩水で加熱してだし
取りした液の魚臭を除去するには煮干しだし汁で材料1
g当り800〜1,000,γ、さば削り節のだし汁で
材料1g当り830γのマルトールが必要であり、生の
イワシ、サバ切身に比較して約5倍量のマルトールが必
要であった。
3)じゆうやく、げんのしょうこの生薬(いずれも乾燥
品)30gを水1lで煎じた液の嫌み臭の緩和には乾燥
品1g当りじゆうやくではマルトール1,700γ、げ
“んのしようこてはマルトール1,000〜1,200
γが必要であった。
4)以上1)〜3)の実験からマルトールは獣肉類のみ
ならず、鶏の肝、魚類、魚類加工品さらに生薬類などの
嫌み臭を除去することが判るし、その脱臭領域の広いの
にはおどろかされる。
しかしながら、■)〜3)の材料はいずれも複雑な成分
組成を有しており、特に臭気成分は決して単一物質では
なく、また臭気成分は産地、原材料の鮮度その他諸々の
条件によって異るので、マルトール類の脱臭作用はどの
ような機構に依るのか、またどのような臭気に最も効果
があるのかは判明されていない。
勿論、■)〜3)の実験ではマトン臭除去には他の材料
より一桁近くも効果が高いこと及び煮干しや削り節では
マルトールの効果が1/5ぐらいに、乾燥生薬では1/
7〜1/8ぐらいに低下する。
そこで、非常に単純な既知物質のアンモニア水と硫化水
素水の脱臭にマルトールはどの程度の効果を有するか試
験したところ、0.0025係のアンモニア水の脱臭に
はその1 ml当り20γのマルトール、また0.01
%アンモニア水に対しては1ml当り約200γのマル
トールが必要なこと及び0.00014%硫化水素水の
脱臭にはそのITLl当り24γのマルトールが必要な
ことが判明した。
これらの実験はいずれも官能検査法によるもので可成り
の誤差はまぬがれないが、これらの結果から化学量論的
に考察するのに1モルのマルトールは約3.07モルの
アンモニアの臭気を消し、またマルトール1モルは約0
.42モルの硫化水素水の臭気を消すことが推定された
以上、化学量論的な見地からするとマルトールのアンモ
ニア臭に対する脱臭効率は硫化水素に対するよりも7倍
も強いことになるが、魚類、肉類などのアンモニア含量
はmJ?係オーダーで含有されており、アンモニア臭の
嗅覚識別濃度は約15ppmと可成り高いが、硫化水素
水のそれは約0. 3 1)l)Illと極めて低いた
めに、これらの点などを考慮すればマルトールは硫化水
素系臭気の脱臭に最も適しているといえそうである。
しかし、現在のところマルトール類の脱臭剤としての利
用開発研究は残念ながら試行錯誤的な方法にたよらざる
をえない。
しかしながら、上記でのべたように、マルトールの脱臭
効果は獣鳥魚類、魚(肉)類加工品および植物の生薬類
にまで及びその範囲の広いには驚かされる。
しかも、マルトール類水溶液をマルトールとして叩m単
位で添加して数分間加熱するという簡単な操作で効果を
発揮するのであるから加熱される食品に対しては全くす
ばらしい品質改良剤ということができる。
以下さらに実施例を記載して説明する。
実施例 1 大鍋に1%食塩水10lとだししゃこ(煮干し)500
gを入れて加熱し、沸とうを始めたならば火力を落して
適量8毬マルトール液(0.5%マルトール液60TL
l)を添加してゆるやかに沸とうを続け8〜10分後に
火を切って煮干しを取り除いてだし汁とする。
このものはマルトールを添加しないものにくらべて魚臭
(嫌み臭)は著しく少く、味も丸味があって非常に重厚
感がある。
マルトールを添加しない場合は、通常は水に対して3〜
4係の煮干しを入れ、加熱時間も沸とう後3〜4分で火
を切る。
それは3〜4分以上加熱すると嫌み臭や味に苦味が出て
くるためである。
本法によると煮干しの量も5係と多く、加熱時間も・2
倍も長いので、旨味成分も充分溶出して非常に美味で重
厚感あるだし汁を得ることができる。
※);適量のマルトール量は予め予備実験を行って計算
によってきめる。
その方法は例えば、片手鍋に水3001′/1lと煮干
し15gを入れて上記と同一条件(マルトールのみ無添
加)で小規模的にだし汁を作り、このだし汁をゆるく沸
とうさせながら加熱を続け、これに0.05%マルトー
ル液4mllスつをメスピペットで添加し、添加の度毎
に充分撹拌して2〜3分間加熱してから毎回少量の液を
味見皿に取って試飲し、マルトールの甘い勾いが僅かに
感ぜられる所でマルトールの添加を止め、この時の量を
計算してマルトールの限度量とする。
そしてこの限度量の70〜80係量を適量として試算に
よって本番のだし汁調製時に添加するわけであり、常時
マルトールの0.5%と0.05%液を作っておくと便
利である。
予備実験には0.05%液を、だし汁調製には0.5%
液を使用する。
実施例 2 乾燥したしゅうやく(生薬)60gを大型土びんに入れ
、水2lを加えて加熱し、ゆるやかに沸とうを続けて3
0〜40分間薬を煎じる。
火を切る直前にo. s %マルトール液(マルトール
の希釈粉末製剤でもよい)14〜16mlを添/’J[
]する。
この場合も実施例1にのべたように予備実験によって、
予め生薬1g当りに対するマルトール液(又は製剤)の
適量を確認しておくのが良い。
またマルトールは揮散性があるので、火を切る直前に添
加するのが好ましい。
マルトールを適量添加したものはじゆうやくの強い特異
臭が除去または緩和されていて、非常に飲みやすい。
実施例 3 新鮮な鶏から100kgに1係食塩水250lを添加し
て加熱し、ゆるやかに沸とうを続けてエキス分の抽出を
2〜3時間続ける。
抽出の終る前に適量の約2/3量ぐらいのマルトール液
を添加し、抽出終了後抽出液を濃縮タンクに移して、減
圧法またはロークーリエバポレーターなどによって濃縮
を行い、ボーメー約15〜20度程度になった所で残り
の1/3量のマルトールを添加してもう一度95〜10
0℃に数分間液温をあげてマルトールを作用させた液の
濃縮工程に入り、エキスに仕上げる。
エキス収量は骨の部位、抽出時間、酵素などの使用有無
、食塩添加量などによって著しくことなるが、ブリツク
ス60度程度(無塩換算)のもので生骨量の6〜16係
えられる。
マルトール処理したエキスはエキス臭が非常にソフトで
、製品のにおいにむらが極めて少いうえに味も丸くて重
厚感がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 獣鳥魚介類の蛋白質組織(骨、鳥のから、魚のあら
    などを含む)やそれらの加工品(副産物を含む)ならび
    に生薬類などを熱湯抽出するさい、または熱湯抽出した
    液にマルトール、エチルマルトール、イソマルトールな
    どのマルトール類の単品あるいはこれらの混合物もしく
    はこれらの製剤を添加して加熱することによって、嫌み
    の臭の除去、緩和された煮出し汁を得る方法およびこの
    煮出し液を濃縮してエキスを得ることを特徴とするだし
    汁および薬草煎じ液調製法ならびにだし汁濃縮エキスあ
    るいは薬草煎じ液濃縮エキスなどの製造法。
JP55154370A 1980-11-01 1980-11-01 マルト−ル類添加によってだし汁、生薬煎じ液およびエキス類の嫌み臭を除去または緩和する方法 Expired JPS597427B2 (ja)

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