JPH08139921A - 特殊原稿判別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特殊原稿の判別精度を向上させる。また，パ
ターン，濃度情報および色情報を総合的に判断して，特
殊原稿の判別精度を向上させる。 【構成】 入力した画像データを濃度情報に応じて高濃
度画像データと低濃度画像データの２種類の画像データ
に分割する画像データ分割部１０６と，画像データ分割
部１０６で分割した高濃度画像データを入力し，高濃度
画像データの内容が特殊原稿であるか否かを判別する高
濃度画像データ判別部１０７と，画像データ分割部１０
６で分割した低濃度画像データを入力し，低濃度画像デ
ータの内容が特殊原稿であるか否かを判別する低濃度画
像データ判別部１０８と，高濃度画像データ判別部１０
７および低濃度画像データ判別部１０８の判別結果を入
力して，スキャナー１０１で入力した画像データの内容
が特殊原稿であるか否かを総合的に判別する特殊原稿判
別部１０９とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，入力した画像データの
内容が，紙幣・有価証券等の複写を禁止された特殊原稿
であるか否かを判別する特殊原稿判別装置に関し，より
詳細には，入力した画像データを高濃度画像データと低
濃度画像データの２種類の画像データに分割することに
より，判別精度の向上を図った特殊原稿判別装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】近年，画像処理技術・画像形成技術の向
上によって，デジタルカラー複写機で複写したコピー紙
幣と実際の紙幣とが容易に区別できないほど精巧に複写
できるようになっている。このため，紙幣・有価証券等
のように複写が禁止されている特殊原稿を判別し，特殊
原稿の場合に違法複写を禁止するようにした画像形成装
置が実用化されている。

【０００３】このような紙幣・有価証券等の特殊原稿を
判別する方法としては，入力した画像データとあらかじ
め登録してある特定画像（パターンデータ）とをパター
ンマッチング法で比較し，特定画像が存在する場合に原
稿が特殊原稿であると判別する方法や，また，特開平４
−５４６８１号公報に示されるように，色相分布による
ヒストグラムの形状を比較して判別する方法等が提案さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら，上記従
来の技術によれば，パターンマッチング法や，色情報
（色相分布によるヒストグラムの形状）等を用いて特殊
原稿であるか否かを判別しているものの，一般原稿の中
には検出しようとする特殊原稿に含まれる特徴を部分的
に保有しているものも多いため，パターンマッチング法
のみや色情報のみによる判別では，必ずしも十分な判別
精度を得られないという問題点があった。

【０００５】また，特殊原稿と一般原稿との違いを正し
く認識するためには，パターン，濃度情報および色情報
を総合的に判断する必要があるが，このなような特殊原
稿判別装置は提供されていなかった。

【０００６】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て，特殊原稿の判別精度を向上させることを目的とす
る。

【０００７】また，本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって，パターン，濃度情報および色情報を総合的に
判断して，特殊原稿の判別精度を向上させることを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに，請求項１に係る特殊原稿判別装置は，入力した画
像データの内容が，紙幣・有価証券等の複写を禁止され
た特殊原稿であるか否かを判別する特殊原稿判別装置に
おいて，前記入力した画像データを濃度情報に応じて複
数の濃度別画像データに分割する分割手段と，前記分割
手段で分割した複数の濃度別画像データ毎に配設され，
それぞれの濃度別画像データの内容が特殊原稿であるか
否かを判別する複数の濃度別画像データ判別手段と，前
記複数の濃度別画像データ判別手段の判別結果を入力し
て，前記入力した画像データの内容が特殊原稿であるか
否かを総合的に判別する判別手段とを備えたものであ
る。

【０００９】また，請求項２に係る特殊原稿判別装置
は，前記分割手段が，前記入力した画像データを，高濃
度画像データと低濃度画像データの２種類の画像データ
に分割し，前記複数の濃度別画像データ判別手段が，高
濃度画像データを判別する高濃度画像データ判別手段お
よび低濃度画像データを判別する低濃度画像データ判別
手段の２種類からなり，前記判別手段が，前記高濃度画
像データ判別手段および低濃度画像データ判別手段でそ
れぞれ判別した判別結果を入力して，前記入力した画像
データの内容が特殊原稿であるか否かを総合的に判別す
るものである。

【００１０】また，請求項３に係る特殊原稿判別装置
は，前記濃度別画像データ判別手段が，濃度情報に基づ
くパターンマッチング，色情報の照合の順番で判別処理
を行なうものである。

【００１１】また，請求項４に係る特殊原稿判別装置
は，前記濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，前記抽出したパターンの
Ｒ（レッド）色，Ｇ（グリーン）色，Ｂ（ブルー）色の
比率と，あらかじめ設定されている該当パターンのしき
い値と比較することにより，特殊原稿であるか否かを判
別するものである。

【００１２】また，請求項５に係る特殊原稿判別装置
は，前記濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，前記抽出したパターンの
明度・彩度・色相の情報を用いて特殊原稿であるか否か
を判別するものである。

【００１３】また，請求項６に係る特殊原稿判別装置
は，前記判別手段が，前記濃度別画像データ判別手段で
それぞれ判別した高濃度画像データの判別結果と低濃度
画像データの判別結果の何れか一方だけが特殊原稿であ
る場合，前記濃度別画像データ判別手段を制御して，特
殊原稿でないと判別された画像データから別のパターン
を抽出し直し，再度判別を実行させるものである。

【００１４】また，請求項７に係る特殊原稿判別装置
は，前記判別手段が，前記濃度別画像データ判別手段に
よる判別処理をあらかじめ設定されているパターンの数
に相当する回数繰り返して実行させるものである。

【００１５】

【作用】本発明の特殊原稿判別装置（請求項１）は，入
力した画像データを分割手段で濃度情報に応じて複数の
濃度別画像データに分割し，分割した複数の濃度別画像
データ毎に配設された複数の濃度別画像データ判別手段
で，それぞれの濃度別画像データの内容が特殊原稿であ
るか否かを判別し，判別手段が該複数の濃度別画像デー
タ判別手段の判別結果を入力して，入力した画像データ
の内容が特殊原稿であるか否かを総合的に判別する。

【００１６】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
２）は，分割手段が，入力した画像データを，高濃度画
像データと低濃度画像データの２種類の画像データに分
割し，高濃度画像データを判別する高濃度画像データ判
別手段および低濃度画像データを判別する低濃度画像デ
ータ判別手段で高濃度画像データおよび低濃度画像デー
タをそれぞれ判別し，判別手段が，それぞれ判別した判
別結果を入力して，入力した画像データの内容が特殊原
稿であるか否かを総合的に判別する。

【００１７】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
３）は，濃度別画像データ判別手段が，濃度情報に基づ
くパターンマッチング，色情報の照合の順番で判別処理
を行なうことにより，パターン，濃度情報および色情報
を用いて総合的に特殊原稿であるか否かを判別する。

【００１８】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
４）は，濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，該抽出したパターンのＲ
（レッド）色，Ｇ（グリーン）色，Ｂ（ブルー）色の比
率と，あらかじめ設定されている該当パターンのしきい
値と比較することにより，パターン，濃度情報および色
情報を用いて総合的に特殊原稿であるか否かを判別す
る。

【００１９】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
５）は，濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，該抽出したパターンの明
度・彩度・色相の情報を用いて特殊原稿であるか否かを
判別することにより，パターン，濃度情報および色情報
を用いて総合的に特殊原稿であるか否かを判別する。

【００２０】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
６）は，判別手段が，濃度別画像データ判別手段でそれ
ぞれ判別した高濃度画像データの判別結果と低濃度画像
データの判別結果の何れか一方だけが特殊原稿である場
合，濃度別画像データ判別手段を制御して，特殊原稿で
ないと判別された画像データから別のパターンを抽出し
直し，再度判別を実行させることにより，判別が困難な
画像データの判別を確実なものにする。また，判別の難
易度に応じて，判別が困難な画像データほど時間を掛け
て確実に判別する。

【００２１】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
７）は，判別手段が，濃度別画像データ判別手段による
判別処理をあらかじめ設定されているパターンの数に相
当する回数繰り返して実行させることにより，判別が困
難な画像データの判別を確実なものにする。また，判別
の難易度に応じて，判別が困難な画像データほど時間を
掛けて確実に判別する。

【００２２】

【実施例】以下，本発明の特殊原稿判別装置をデジタル
複写機に適用した場合を例として，図面を参照して詳細
に説明する。

【００２３】図１は，本実施例のデジタル複写機の概略
構成を示し，原稿から画像データを読み取るスキャナー
１０１と，スキャナー１０１で読み取った画像データに
γ補正処理，補色生成（ＲＧＢ→ＹＭＣ変換）処理，Ｕ
ＣＲ黒発生処理，階調処理等の各種画像処理を施す画像
処理装置１０２と，画像処理装置１０２で画像処理を施
した後の画像データを記録紙に出力するプリンター１０
３と，入力した画像データの内容が，紙幣・有価証券等
の複写を禁止された特殊原稿であるか否かを判別する特
殊原稿判別装置１０４と，上記各装置を制御するシステ
ムコントローラ１０５とを備えている。

【００２４】特殊原稿判別装置１０４は，入力した画像
データを濃度情報に応じて高濃度画像データと低濃度画
像データの２種類の画像データに分割する画像データ分
割部１０６と，画像データ分割部１０６で分割した高濃
度画像データを入力し，高濃度画像データの内容が特殊
原稿であるか否かを判別する高濃度画像データ判別部１
０７と，画像データ分割部１０６で分割した低濃度画像
データを入力し，低濃度画像データの内容が特殊原稿で
あるか否かを判別する低濃度画像データ判別部１０８
と，高濃度画像データ判別部１０７および低濃度画像デ
ータ判別部１０８の判別結果を入力して，スキャナー１
０１で入力した画像データの内容が特殊原稿であるか否
かを総合的に判別する特殊原稿判別部１０９とから構成
される。

【００２５】なお，高濃度画像データ判別部１０７およ
び低濃度画像データ判別部１０８は，それぞれ高濃度画
像データおよび低濃度画像データを入力すると，あらか
じめ記憶してあるパターンを用いてパターンマッチング
により高濃度画像データおよび低濃度画像データからパ
ターンを抽出し，該抽出したパターンのＲ（レッド）
色，Ｇ（グリーン）色，Ｂ（ブルー）色の比率と，あら
かじめ設定されている該当パターンのしきい値と比較す
ることにより，特殊原稿であるか否かを判別する構成で
ある。

【００２６】以上の構成において，その動作を説明す
る。図２は，特殊原稿判別装置１０４の概略フローチャ
ートを示す。スキャナー１０１で原稿の画像データが読
み込まれると，読み込まれた画像データ（ここでは，Ｒ
ＧＢデータ）は，画像データ分割部１０６で高濃度画像
データと低濃度画像データに分割される（Ｓ２０１）。
具体的には，画像データ分割部１０６は，あらかじめ設
定してある濃度のしきい値（本実施例では，濃度値１．
０，濃度値０．５の２つのしきい値）と入力した画像デ
ータの濃度情報とを比較し，濃度値が１．０以上を高濃
度画像データ，濃度値が０．５以下を低濃度画像データ
として分割する。ここで，高濃度画像データには，線
画，文字，印鑑，グラフィック画像等が含まれる。ま
た，低濃度画像データには，背景，地肌，物体の中間
色，線画に囲まれた中の中間濃度部分等の中間調の画像
が含まれる。

【００２７】なお，上記の画像データ分割部１０６によ
る高濃度画像データと低濃度画像データの分割は，画像
データがＲＧＢデータであるため，Ｒ色データ，Ｇ色デ
ータ，Ｂ色データの各色毎にしきい値との比較が行なわ
れ，各色毎にそれぞれ分割される。

【００２８】高濃度画像データ判別部１０７は，画像デ
ータ分割部１０６から高濃度画像データを入力すると
（Ｓ２０２），あらかじめ登録されているパターンの中
から，あらかじめ決められた○１〜○Ｎの順番で所定パ
ターンを選択し，選択したパターンを用いて，パターン
マッチングを行い，高濃度画像データから該当するパタ
ーンの抽出を実行する（Ｓ２０３）。

【００２９】続いて，高濃度画像データから該当するパ
ターンが抽出されたか否かを判定し（Ｓ２０４），該当
するパターン（抽出パターン）が有れば，該当するパタ
ーンの持つＲ，Ｇ，Ｂの比率（パターン中の比率）を算
出し，算出した比率とあらかじめ記憶されている比率と
照合する（Ｓ２０５）。具体的には，ＲＧＢの画素数を
カウントして，各Ｒ，Ｇ，Ｂの比率を算出し，算出した
比率とあらかじめパターン毎に記憶されているしきい値
（比率）とを比較する。ここで，しきい値は，図３に示
すように，各Ｒ，Ｇ，Ｂの画素毎にそれぞれ上限値と下
限値との組み合わせからなる範囲を持った値であり，算
出した比率がこのしきい値の範囲内であるか否かを比較
・照合する。

【００３０】次に，高濃度画像データ判別部１０７は，
ステップＳ２０５による比率の照合結果が，あらかじめ
記憶されている該当パターンのしきい値（比率）の範囲
内であるか否かを判定し（Ｓ２０６），しきい値の範囲
内であれば，高濃度画像データは特殊原稿であると判別
し，判別結果を特殊原稿判別部１０９へ出力する（Ｓ２
０７）。

【００３１】一方，ステップＳ２０４でパターンが抽出
できなかった場合，およびステップＳ２０６でしきい値
の範囲内でない場合には，ステップＳ２０８へ進み，パ
ターンマッチングおよび比率の照合をＮ回実行したか否
かを判定する。ここで，Ｎ回照合していなければ，ステ
ップＳ２０３へ戻り，所定パターンの選択およびパター
ンマッチング以降を繰り返す。

【００３２】また，Ｎ回照合していれば，すなわち，Ｎ
個の所定パターン（○１〜○Ｎ）の全てにおいて『パタ
ーンが抽出でき，かつ，しきい値の範囲内である』とい
う条件が満たされなかった場合であるので，高濃度画像
データは特殊原稿でないと判別し，判別結果を特殊原稿
判別部１０９へ出力する（Ｓ２０９）。

【００３３】一方，低濃度画像データ判別部１０８は，
画像データ分割部１０６から低濃度画像データを入力す
ると（Ｓ２１０），あらかじめ登録されているパターン
の中から，あらかじめ決められた○１〜○Ｎの順番で所
定パターンを選択し，選択したパターンを用いて，パタ
ーンマッチングを行い，低濃度画像データから該当する
パターンの抽出を実行する（Ｓ２１１）。

【００３４】続いて，低濃度画像データから該当するパ
ターンが抽出されたか否かを判定し（Ｓ２１２），該当
するパターン（抽出パターン）が有れば，該当するパタ
ーンの持つＲ，Ｇ，Ｂの比率（パターン中の比率）を算
出し，算出した比率とあらかじめ記憶されている比率と
照合する（Ｓ２１３）。

【００３５】次に，低濃度画像データ判別部１０７は，
ステップＳ２１３による比率の照合結果が，あらかじめ
記憶されている該当パターンのしきい値（比率）の範囲
内であるか否かを判定し（Ｓ２１４），しきい値の範囲
内であれば，低濃度画像データは特殊原稿であると判別
し，判別結果を特殊原稿判別部１０９へ出力する（Ｓ２
１５）。

【００３６】一方，ステップＳ２１２でパターンが抽出
できなかった場合，およびステップＳ２１４でしきい値
の範囲内でない場合には，ステップＳ２１６へ進み，パ
ターンマッチングおよび比率の照合をＮ回実行したか否
かを判定する。ここで，Ｎ回照合していなければ，ステ
ップＳ２１１へ戻り，所定パターンの選択およびパター
ンマッチング以降を繰り返す。

【００３７】また，Ｎ回照合していれば，すなわち，Ｎ
個の所定パターン（○１〜○Ｎ）の全てにおいて『パタ
ーンが抽出でき，かつ，しきい値の範囲内である』とい
う条件が満たされなかった場合であるので，低濃度画像
データは特殊原稿でないと判別し，判別結果を特殊原稿
判別部１０９へ出力する（Ｓ２１７）。

【００３８】特殊原稿判別部１０９は，高濃度画像デー
タ判別部１０７および低濃度画像データ判別部１０８の
両方から判別結果を入力すると，高濃度画像データおよ
び低濃度画像データの判別結果の組み合わせに基づい
て，入力した画像データが特殊原稿であるか否かを総合
的に判別し，最終的な判別結果をシステムコントローラ
１０５へ出力し，処理を終了する（Ｓ２１８）。具体的
には，表１の組み合わせに基づいて，特殊原稿判別部１
０９から判別結果が出力される。本実施例では，高濃度
画像データおよび低濃度画像データの判別結果の何れか
一方または両方が，特殊原稿でない（表１に×で示す）
場合に特殊原稿でないと判別し，両方の判別結果が特殊
原稿である場合にのみ，特殊原稿であると判別する。

【００３９】

【表１】

【００４０】なお，表１において，対応する複写機の動
作（コピー禁止，通常コピー）は，特殊原稿判別部１０
９から判別結果を入力した場合のシステムコントローラ
１０５による制御動作を示している。

【００４１】前述したように本実施例では，スキャナー
１０１から入力した画像データを，高濃度画像データと
低濃度画像データの２種類の画像データに分割し，高濃
度画像データおよび低濃度画像データをそれぞれ別々に
判別した後，それぞれの判別結果の組み合わせに基づい
て，入力した画像データの内容が特殊原稿であるか否か
を総合的に判別するので，特殊原稿の判別精度を極めて
高くすることができる。

【００４２】また，高濃度画像データおよび低濃度画像
データをそれぞれ判別する際に，パターンマッチングに
よって画像の外観を判断し，ＲＧＢの比率によって色情
報を判断するので，パターン，濃度情報および色情報を
総合的に判断して，特殊原稿の判別精度を極めて高くす
ることができる。

【００４３】さらに，高濃度画像データおよび低濃度画
像データをそれぞれ判別する際に，異なるパターンを用
いて複数回（Ｎ回）繰り返して判別を行なうので，判別
精度を向上させることができる。また，このときの繰り
返し回数（すなわち，使用するパターンの数）は，デジ
タル複写機の画像処理時間を考慮してあらかじめ設定し
ておく。

【００４４】なお，一般的に，デジタル複写機等では，
特殊原稿の判別処理に使用する画像データをプレスキャ
ンの時に取り込み，通常コピーのための画像処理（信号
処理）を並行して行なっている。したがって，上記の繰
り返し回数は，通常コピーの処理時間内に押さえておく
ことが望ましい。

【００４５】一方，特殊原稿の判別処理を十分に行なっ
た後，通常のコピーを実行する構成のデジタル複写機で
は，判別のための待ち時間を必要最小限に押さえること
が極めて重要であるが，本発明によれば，特殊原稿であ
ることが明確なものは繰り返し回数が少なく，判定が困
難なものは繰り返し回数が多くなるので，原稿の画像デ
ータを判別する際の難易度に応じて処理時間を節約でき
るため，精度が高く，処理時間の効率が良い。

【００４６】なお，前述した実施例では，色情報として
ＲＧＢの比率を用いたが，例えば，図４に示すように，
色情報として明度・彩度・色相の情報を用いて，抽出し
たパターンの明度・彩度・色相のレベルを求め，求めた
レベルとあらかじめ記憶してあるしきい値（レベルの上
限値と下限値）とを照合して，特殊原稿であるか否かを
判別する方法でも，同様の効果を奏することができる。

【００４７】

【発明の効果】以上説明したように，本発明の特殊原稿
判別装置（請求項１）は，入力した画像データを分割手
段で濃度情報に応じて複数の濃度別画像データに分割
し，分割した複数の濃度別画像データ毎に配設された複
数の濃度別画像データ判別手段で，それぞれの濃度別画
像データの内容が特殊原稿であるか否かを判別し，判別
手段が該複数の濃度別画像データ判別手段の判別結果を
入力して，入力した画像データの内容が特殊原稿である
か否かを総合的に判別するため，特殊原稿の判別精度を
向上させることができる。

【００４８】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
２）は，分割手段が，入力した画像データを，高濃度画
像データと低濃度画像データの２種類の画像データに分
割し，高濃度画像データを判別する高濃度画像データ判
別手段および低濃度画像データを判別する低濃度画像デ
ータ判別手段で高濃度画像データおよび低濃度画像デー
タをそれぞれ判別し，判別手段が，それぞれ判別した判
別結果を入力して，入力した画像データの内容が特殊原
稿であるか否かを総合的に判別するため，特殊原稿の判
別精度を向上させることができる。

【００４９】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
３）は，濃度別画像データ判別手段が，濃度情報に基づ
くパターンマッチング，色情報の照合の順番で判別処理
を行なうため，パターン，濃度情報および色情報を総合
的に判断して，特殊原稿の判別精度をさらに向上させる
ことができる。

【００５０】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
４）は，濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，該抽出したパターンのＲ
（レッド）色，Ｇ（グリーン）色，Ｂ（ブルー）色の比
率と，あらかじめ設定されている該当パターンのしきい
値と比較して特殊原稿であるか否かを判別するため，パ
ターン，濃度情報および色情報を総合的に判断して，特
殊原稿の判別精度をさらに向上させることができる。

【００５１】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
５）は，濃度別画像データ判別手段が，パターンマッチ
ングによりパターンを抽出し，該抽出したパターンの明
度・彩度・色相の情報を用いて特殊原稿であるか否かを
判別するため，パターン，濃度情報および色情報を総合
的に判断して，特殊原稿の判別精度をさらに向上させる
ことができる。

【００５２】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
６）は，判別手段が，濃度別画像データ判別手段でそれ
ぞれ判別した高濃度画像データの判別結果と低濃度画像
データの判別結果の何れか一方だけが特殊原稿である場
合，濃度別画像データ判別手段を制御して，特殊原稿で
ないと判別された画像データから別のパターンを抽出し
直し，再度判別を実行させるため，判別が困難な画像デ
ータの判別を確実なものにすることができる。また，判
別の難易度に応じて，判別が困難な画像データほど時間
を掛けて確実に判別することができる。

【００５３】また，本発明の特殊原稿判別装置（請求項
７）は，判別手段が，濃度別画像データ判別手段による
判別処理をあらかじめ設定されているパターンの数に相
当する回数繰り返して実行させるため，判別が困難な画
像データの判別を確実なものにすることができる。ま
た，判別の難易度に応じて，判別が困難な画像データほ
ど時間を掛けて確実に判別することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のデジタル複写機の概略構成を示す説
明図である。

【図２】本実施例の特殊原稿判別装置の概略フローチャ
ートである。

【図３】各Ｒ，Ｇ，Ｂの画素毎にそれぞれ上限値と下限
値との組み合わせからなるしきい値を示す説明図であ
る。

【図４】色情報として明度・彩度・色相を用いた場合の
しきい値（上限値と下限値との組み合わせ）を示す説明
図である。

【符号の説明】

１０１ スキャナー １０２ 画像
処理装置 １０３ プリンター １０４ 特殊
原稿判別装置 １０５ システムコントローラ １０６ 画像
データ分割部 １０７ 高濃度画像データ判別部 １０８ 低濃
度画像データ判別部 １０９ 特殊原稿判別部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 9061−5Ｈ Ｇ０６Ｆ 15/70 ３１０ C3,C4 9061−5Ｈ ４６０ Ｄ (72)発明者 福田 晴彦 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中村 仁 東京都大田区中馬込１丁目３番６号 株式 会社リコー内

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力した画像データの内容が，紙幣・有
   価証券等の複写を禁止された特殊原稿であるか否かを判
   別する特殊原稿判別装置において，前記入力した画像デ
   ータを濃度情報に応じて複数の濃度別画像データに分割
   する分割手段と，前記分割手段で分割した複数の濃度別
   画像データ毎に配設され，それぞれの濃度別画像データ
   の内容が特殊原稿であるか否かを判別する複数の濃度別
   画像データ判別手段と，前記複数の濃度別画像データ判
   別手段の判別結果を入力して，前記入力した画像データ
   の内容が特殊原稿であるか否かを総合的に判別する判別
   手段とを備えたことを特徴とする特殊原稿判別装置。
2. 【請求項２】 前記分割手段は，前記入力した画像デー
   タを，高濃度画像データと低濃度画像データの２種類の
   画像データに分割し，前記複数の濃度別画像データ判別
   手段は，高濃度画像データを判別する高濃度画像データ
   判別手段および低濃度画像データを判別する低濃度画像
   データ判別手段の２種類からなり，前記判別手段は，前
   記高濃度画像データ判別手段および低濃度画像データ判
   別手段でそれぞれ判別した判別結果を入力して，前記入
   力した画像データの内容が特殊原稿であるか否かを総合
   的に判別することを特徴とする請求項１記載の特殊原稿
   判別装置。
3. 【請求項３】 前記濃度別画像データ判別手段は，濃度
   情報に基づくパターンマッチング，色情報の照合の順番
   で判別処理を行なうことを特徴とする請求項１または２
   記載の特殊原稿判別装置。
4. 【請求項４】 前記濃度別画像データ判別手段は，パタ
   ーンマッチングによりパターンを抽出し，前記抽出した
   パターンのＲ（レッド）色，Ｇ（グリーン）色，Ｂ（ブ
   ルー）色の比率と，あらかじめ設定されている該当パタ
   ーンのしきい値と比較することにより，特殊原稿である
   か否かを判別することを特徴とする請求項１，２または
   ３記載の特殊原稿判別装置。
5. 【請求項５】 前記濃度別画像データ判別手段は，パタ
   ーンマッチングによりパターンを抽出し，前記抽出した
   パターンの明度・彩度・色相の情報を用いて特殊原稿で
   あるか否かを判別することを特徴とする請求項１，２ま
   たは３記載の特殊原稿判別装置。
6. 【請求項６】 前記判別手段は，前記濃度別画像データ
   判別手段でそれぞれ判別した高濃度画像データの判別結
   果と低濃度画像データの判別結果の何れか一方だけが特
   殊原稿である場合，前記濃度別画像データ判別手段を制
   御して，特殊原稿でないと判別された画像データから別
   のパターンを抽出し直し，再度判別を実行させることを
   特徴とする請求項３，４または５記載の特殊原稿判別装
   置。
7. 【請求項７】 前記判別手段は，前記濃度別画像データ
   判別手段による判別処理をあらかじめ設定されているパ
   ターンの数に相当する回数繰り返して実行させることを
   特徴とする請求項６記載の特殊原稿判別装置。