JPH08340443A - 偽造可能性情報生成方法及び装置、並びに、それらを利用した機器 - Google Patents

偽造可能性情報生成方法及び装置、並びに、それらを利用した機器

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JPH08340443A
JPH08340443A JP7144725A JP14472595A JPH08340443A JP H08340443 A JPH08340443 A JP H08340443A JP 7144725 A JP7144725 A JP 7144725A JP 14472595 A JP14472595 A JP 14472595A JP H08340443 A JPH08340443 A JP H08340443A
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forgery
image
characteristic pattern
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pattern
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JP7144725A
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Shinya Sonoda
真也 園田
Atsushi Kuno
敦司 久野
Masahito Yanagida
雅仁 柳田
Masahiro Akagi
政弘 赤木
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偽造判定基準となる特徴パターンが改ざんさ
れた場合にも、それが複製禁止画像である場合には、そ
の旨の情報を確実に生成できる。 【構成】 3組のメモリ対(36aと37a、36bと
37b、36cと37c)には、複写禁止原稿に固有な
特徴パターン、その改ざんパターン、一般原稿に固有な
特徴パターンにそれぞれ対応するルールとメンバシップ
関数とが対になって格納されており、ファジイ推論部3
5ではそれらのルール及びメンバシップ関数を用いて、
偽造可能性情報を生成する。この偽造可能性情報は制御
用CPU(30)を介して複写機本体へと送出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複写を禁止されてい
る原稿(例えば、紙幣、有価証券等)の偽造防止に有効
な偽造可能性情報生成方法及び装置、並びに、それらを
利用した機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー複写機の性能向上により、
紙幣、有価証券等の偽造が多発している。その為、この
種のカラー複写機においては、読み取られた画像中に含
まれる照合対象特徴パターン(例えば、複写禁止原稿に
別途付された特定マーク、或いは複写禁止原稿の図柄の
一部それ自体等)を、基準特徴パターンと照合すること
により、偽造可能性情報を生成する回路装置(以下、偽
造可能性情報生成装置と称する)が内蔵されている。そ
して、この偽造可能性情報生成装置にて生成された偽造
可能性情報に基いて偽造可能性が判定される場合には、
当該原稿の複写を禁止したり、或いは黒く塗りつぶして
複写する等のプリント出力制御により、この種の偽造を
防止するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、この
種の偽造可能性情報生成装置における照合基準となる基
準特徴パターンとしては、想定される複写禁止原稿に固
有な特徴パターンと同一の特徴パターンが採用されてい
る。例えば、想定される複写禁止原稿(紙幣、有価証券
等)に固有な特徴パターンが数字の「0」であるとすれ
ば、照合基準となる基準特徴パターンについても「0」
とする、の如くである。
【0004】しかしながら、このような従来装置の場合
には、偽造判定基準となる特徴パターンとして数字の
「0」が使用されていることが見破られ、その特徴パタ
ーンが「9」の如くに改ざんされてしまうと、人間の目
からは何も違和感がないものの、機械の目からは著しく
相違したものとなり、その結果、それが複写禁止原稿で
あると見破ることができず、結果として偽造を許すと言
う問題点があった。
【0005】かかる問題の対策としては、そのような改
ざんを予想して、各基準特徴パターンとの一致度の許容
範囲を広げることも考えられるが、それでは複写を禁止
されていない一般原稿までもが複写禁止原稿であると誤
認される虞れが生じてしまい、反って使い勝手が悪くな
ると言う問題点がある。この発明は、上述の問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、偽
造判定基準となる特徴パターンが改ざんされた場合に
も、それが複製禁止画像である場合には、その旨の情報
を確実に生成できる偽造可能性情報生成方法及び装置を
提供することにある。
【0006】さらに、この発明は、偽造判定基準となる
特徴パターンが改ざんされた場合にも、それが複製禁止
画像である場合には、正常な複写動作、正常なプリント
動作、又は正常な画像データ出力動作を行うことがな
い、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はスキャナを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の偽造可能性情
報生成方法及び装置は、与えられた画像中に含まれる照
合対象特徴パターンを、基準特徴パターンと照合するこ
とにより、偽造可能性情報を生成するにおいて、前記基
準特徴パターンには、複製禁止画像に固有な特徴パター
ンのほかに、当該複製禁止画像に固有な特徴パターンの
改ざん結果に相当する特徴パターンが含まれているこ
と、を特徴とすものである。
【0008】ここで、照合対象特徴パターンとしては、
例えば、複写禁止原稿に別途付された特定マーク、或い
は複写禁止原稿の図柄の一部それ自体等を利用すること
ができる。特に、複写禁止原稿の図柄の一部それ自体等
を利用すれば、それが偽造判定基準となる特徴パターン
であると見破られる虞れが少ない。また、対象原稿画像
中から照合対象特徴パターンを抽出する手法について
は、種々の公知の手法を採用すれば良く、具体的には、
例えば原稿画像中の特定位置に存在するパターンを照合
対象特徴パターンとして抽出したり、或いは本出願人に
より先に特開平6−245064号公報として提案して
いるように、原稿画像中に存在する特定パターンらしき
パターンを検知し、その検知したパターンを照合対象特
徴パターンとして抽出する手法等を採用することができ
る。
【0009】複製禁止画像に固有な特徴パターンの改ざ
ん結果に相当する特徴パターンとしては、一見して無限
の態様が存在するかにも思われるが、実際のところ、そ
の態様には一定の制限があると考えられる。なぜなら、
この種の複写禁止原稿(紙幣、有価証券等)はその流通
に当たって慎重なる目視検査を経るであろうことを考慮
すれば、その偽造行為にあたり機械の目を欺く為に偽造
判定基準となる特徴パターンを原稿上から完全に消し去
ったり或いは完全に塗りつぶす等の改ざん行為は想定し
難く、自からその改ざん態様は、人間の目に違和感を与
えない限りにおいて、機械の目を欺ける範囲に制限され
るであろうからである。その結果、多くの場合には、例
えば、「0」を「9」に改ざんする如く、照合対象特徴
パターンを構成する線や点の全部又は大部分を生かしつ
つ、それに別の線や点を付加する如き改ざん態様に制限
されるであろう。もっとも、各複写禁止原稿に対してど
のような改ざん態様を予想するかは、個々のケース毎に
具体的な事情を考慮して決定されるべき選択事項であ
り、要するに、機械の目を欺ける限りにおいて、人間の
目に違和感を与えない範囲がどこまでかを考慮して決定
されるべきであると考えられる。
【0010】次に、偽造可能性情報をどのような内容と
するかについては、その情報を取り扱う本体装置(複写
機本体、プリンタ本体、ファクシミリ本体、スキャナ本
体等)側の制御処理との関係で、様々な態様が考えられ
る。第1の態様としては、偽造可能性情報として、基準
となる各特徴パターン(改ざん前の基準特徴パターン、
及び/又は、改ざん後の基準特徴パターン)毎に求めら
れた照合対象特徴パターンとの適合度を採用することが
考えられる。尚、このとき、各基準特徴パターンは例え
ばメンバシップ関数の形態にて登録されることとなる。
この場合、本体装置側では改ざん前の基準特徴パター
ン、及び/又は、改ざん後の基準特徴パターンとの適合
度の形で偽造可能性情報を入手できるため、それに基き
任意のアルゴリズムを用いて偽造可能性を判定すること
ができ、本体装置側における設計自由度が著しく高い利
点を有する。
【0011】第2の態様としては、偽造可能性情報とし
て、基準となる各特徴パターン毎に求められた照合対象
特徴パターンとの適合度を所定の閾値を用いて弁別して
得られた弁別結果を採用することが考えられる。この場
合、本体装置側における偽造可能性判定アルゴリズムの
設計自由度はある程度制限されるものの、反面、閾値設
定を適切に行うことにより、その分だけ装置本体側にお
ける適合度弁別処理が省略でき、装置本体側の制御プロ
グラムの簡素化を図ることができる。
【0012】第3の態様としては、偽造可能性情報とし
て、基準となる各特徴パターン毎に求められた照合対象
特徴パターンとの適合度を所定の閾値を用いて弁別して
得られた弁別結果をさらに所定の偽造可能性判断アルゴ
リズムに当て嵌めて求められた演算結果を採用すること
が考えられる。この場合、装置本体側では偽造可能性判
断アルゴリズムに当て嵌めて求められた確度の高い情報
の形態で偽造可能性情報を入手することができ、当該偽
造可能性判断アルゴリズム設定を適切に行うことによ
り、装置本体側の制御プログラムを著しく簡素化するこ
とができる。
【0013】第4の態様としては、前記複製禁止画像、
及び/又は、その改ざん画像に相当する基準パターンと
の適合度を弁別するについては2以上の閾値を用い、そ
れにより偽造可能性情報を多値論理にて生成することが
考えられる。前述したように、偽造可能性情報を基準パ
ターンとの適合度を表す数値等で提供した場合、装置本
体側における偽造可能性判定アルゴリズムの設計自由度
はもっとも高いが、その反面、装置本体側における制御
プログラムの複雑化は避け難い。一方、偽造可能性情報
を単一の閾値を用いた適合度弁別結果として提供した場
合には、装置本体側における適合度弁別処理が省略で
き、装置本体側の制御プログラムの簡素化を図ることが
できるが、その反面、適合度弁別結果は高いか低いかの
2値論理とならざるを得ず、閾値設定を適切に行わない
と、偽造原稿を見逃したり、一般原稿を偽造原稿と誤認
する等の不都合が生じる虞れがある。この第4の態様に
よれば、基準特徴パターンとの適合度を3段階以上に弁
別できるため、例えば、前述した第2の態様に適用した
場合であれば、装置本体側では(1)偽造可能性があ
る、(2)偽造可能性が無い、の他に、(3)偽造可能
性がありそうである、と言った多値論理の形で偽造可能
性情報を入手することができる。すなわち、この態様に
よれば、予想される改ざん態様の全てに対応して基準パ
ターンを用意せずとも、必要最小限の改ざん態様に対応
する数の基準パターンを用意しておきさえすれば、その
他の多くの改ざん態様については、それに該当する可能
性が高いとの表現によりその旨を認識させることもでき
る。そのため、これに基き、装置本体側においては、
(3)偽造可能性がありそうである、との情報に対応し
て、例えば複写機の場合であれば、当該原稿の複写に際
しては、縮小・拡大処理、色彩変更処理、濃度変更処理
等の加工を加えることにより、文字、図形等の内容情報
については認識可能であっても、実用には供し得ない複
写物が得られるようにする等の特種プリント処理が可能
になる。同様にして、第3の態様に適用した場合であつ
ても、前述の(3)の情報を加味した偽造判定アルゴリ
ズムを採用することにより、より確度の高い偽造可能性
情報の提供が可能となる。尚、この第4の態様では基準
特徴パターンとの適合度を4段階以上に弁別しても良い
ことは勿論であり、その場合には例えば、上述の(3)
偽造可能性がありそうである、の内容をさらに多段階に
弁別することもできる。
【0014】次に、基準特徴パターンとしては、以上説
明した複製禁止画像に固有の特徴パターン、及びその改
ざんされた特徴パターンの他に、複製を許可された一般
画像に固有な特徴パターンを含ませることもできる。こ
こで、一般画像に固有な特徴パターンとは、一見して無
限の数の態様がありそうにも考えられるが、実際には、
複製禁止画像に固有な特徴パターンとしてどのようなパ
ターンを選定するかにより、逆に、一般画像に固有な特
徴パターンを生じさせることができる。例えば、複製禁
止画像と一般画像とを比較した場合に、特定のマーク
(例えば、L字型の折れ線等)の内側隅部領域には一定
サイズ及び太さの数字「10]が複製禁止画像である場
合に限り存在し、一般画像の場合その部分が均一な画素
密度であることが統計的に明らかであれば、この数字
「10」を複製禁止画像に固有な特徴パターンとするこ
とにより、逆にその数字が存在するはずの領域の画素密
度が均一であることをもって一般原稿に固有な特徴パタ
ーンとすることができる。前述のように、複製禁止画像
に固有な特徴パターン及びそれの改ざん結果に相当する
特徴パターンを用いることにより、偽造可能性情報の確
度は著しく高まるとはいえ、改ざんの態様が予想される
ものと幾分かけ離れている場合には、偽造可能性情報の
確度はその分だけ低下せざるを得ないはずである。この
ような場合、偽造可能性情報の生成過程において、上述
した一般画像に固有な特徴パターンとの照合結果を加味
することにより、偽造可能性情報の確度低下を補うこと
ができる。
【0015】次に、前記偽造可能性情報には、前記複製
禁止画像又はその改ざん画像との適合度が一定値を越え
る特徴パターンが与えられた画像中に幾つ又は所定個数
以上含まれているかの情報を付加することもできる。前
述のように、複製禁止画像に固有な特徴パターン及びそ
れの改ざん結果に相当する特徴パターンを用いることに
より、偽造可能性情報の確度は著しく高まるとはいえ、
改ざんの態様が予想されるものと幾分かけ離れている場
合には、偽造可能性情報の確度はその分だけ低下せざる
を得ないはずである。一方、複製禁止原稿(画像)の中
でも紙幣や有価証券に相当する画像に着目すると、偽造
犯の一般的な心理として、複写機の原稿台に複数枚の紙
幣や有価証券を同時に載せて多数複写を行うことが想定
される。このような場合、読み取られた画像中には複製
禁止画像に固有な特徴パターン、及び/又は、それの改
ざん結果に相当する特徴パターンに相当する若しくは相
当するであろう特徴パターンが複数存在するはずである
から、逆にこの情報を加味することにより、偽造可能性
情報の確度低下を補うことができる。
【0016】最後に、以上述べた偽造可能性情報生成装
置は、複写機に限らず、プリンタ、ファクシミリ、スキ
ャナ等のこの種原稿の偽造に関連する種々の機器に組み
込むことができる。
【0017】複写機に組み込まれた場合には、読み取ら
れた画像中に含まれる照合対象特徴パターンは、複製禁
止画像に固有な特徴パターン、及び/又は、当該複製禁
止画像に固有な特徴パターンの改ざん結果に相当する特
徴パターンと照合され、これにより偽造可能性情報が生
成される。そして、この生成された偽造可能性情報に基
いて当該画像のプリント出力が適宜に制御される。この
プリント出力の制御態様としては、例えば、一般原稿の
場合には正常なプリント出力、複製禁止原稿の場合には
プリント禁止又は塗りつぶしプリント等、複製禁止原稿
らしい場合にはサイズ、色彩、粒子、濃度等を変更した
プリント出力、等が考えられる。そして、かかる複写機
によれば、複製禁止画像に固有な特徴パターンが手書き
で改ざんされた原稿に対しても、偽造防止機能を適正に
発揮させることができる。
【0018】プリンタに組み込まれた場合には、入力さ
れた画像中に含まれる照合対象特徴パターンは、複製禁
止画像に固有な特徴パターン、及び/又は、当該複製禁
止画像に固有な特徴パターンの改ざん結果に相当する特
徴パターンと照合され、これにより、偽造可能性情報が
生成される。そして、この生成された偽造可能性情報に
基いて当該画像のプリント出力が適宜に制御される。こ
のプリント出力の制御態様としては、例えば、一般原稿
の場合には正常なプリント出力、複製禁止原稿の場合に
はプリント禁止又は塗りつぶしプリント等、複製禁止原
稿らしい場合にはサイズ、色彩、粒子、濃度等を変更し
たプリント出力、等が考えられる。そして、かかる複写
機によれば、複製禁止画像に固有な特徴パターンが手書
きで改ざんされた原稿のみならず、スキャナで読み取ら
れた後パソコンの画面上で画像編集ソフトを用いて改ざ
んされた原稿に対しても、偽造防止機能を適正に発揮さ
せることができる。
【0019】ファクシミリ又はスキャナに組み込まれた
場合には、読み取られた画像中に含まれる照合対象特徴
パターンは、複製禁止画像に固有な特徴パターン、及び
/又は、当該複製禁止画像に固有な特徴パターンの改ざ
ん結果に相当する特徴パターンと照合され、偽造可能性
情報が生成される。そして、この生成された偽造可能性
情報に基いて当該読み取られた画像データの出力が適宜
に制御される。この画像データの出力制御態様として
は、ファクシミリの場合には、例えば一般原稿の場合に
は正常な伝送出力、複製禁止原稿の場合には伝送禁止又
は塗りつぶし伝送等、複製禁止原稿らしい場合にはサイ
ズ、色彩、粒子、濃度等を変更した伝送出力、等が考え
られ、スキャナの場合には、例えば一般原稿の場合には
正常なデータ出力、複製禁止原稿の場合にはデータ出力
禁止又は塗りつぶしデータ出力等、複製禁止原稿らしい
場合にはサイズ、色彩、粒子、濃度等を変更したデータ
出力、等が考えられる他、このようなデータ出力自体は
正常に行う一方、それに偽造可能性情報を別途付加して
データ出力を行うこと等が考えられる。このようにして
偽造可能性情報を別途付加してデータ出力を行う場合、
偽造防止機能については前述したプリンタ側、或いはプ
リンタとスキャナとの中間に置かれたパソコン側で行う
ことができる。
【0020】
【作用】本発明にあっては、与えられた画像中に含まれ
る照合対象特徴パターンを、基準特徴パターンと照合す
ることにより、偽造可能性情報を生成する場合、前記照
合対象特徴パターンと前記基準特徴パターンとの照合に
は、複製禁止画像に固有な特徴パターンのみならず、当
該複製禁止画像に固有な特徴パターンの改ざん結果に相
当する特徴パターンをもが使用される。その為、複製禁
止画像に固有な特徴パターンを故意に改ざんしても、そ
れにより偽造可能性情報に変動を来すことはない。
【0021】偽造可能性情報としては、基準特徴パター
ンとの適合度(第1の態様)、その適合度の弁別結果
(第2の態様)、各弁別結果を偽造可能性判断アルゴリ
ズムに当てはめて求められた演算結果(第3の態様)、
多値論理弁別結果又はそれを偽造可能性判断アルゴリズ
ムに当てはめて求められた演算結果(第4の態様)を採
用することができる他、基準特徴パターンには(1)複
製禁止画像に固有の特徴パターン、及びその改ざんされ
た特徴パターンの他に、複製を許可された一般画像に固
有な特徴パターンを含ませたり、(2)複製禁止画像又
はその改ざん画像との適合度が一定値を越える特徴パタ
ーンが与えられた画像中に幾つ又は所定個数以上含まれ
ているかの情報を付加することにより、当該偽造可能性
情報を取り扱う本体装置との整合性を満足させつつ、可
能な限り偽造可能性情報の確度を高めることができる。
【0022】さらに、本発明が適用された機器(複写
機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ等)によれば、
それら機器単独で偽造防止機能を発揮することができる
他、スキャナにあっては偽造可能性情報が付加されて画
像データが出力されるため、その後段に配置されたパソ
コンやプリンタにて必要な処理を実行することにより、
偽造防止機能が発揮される。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る偽造可能性情報生成方法
及び装置が組み込まれた画像処理装置300、並びに、
それを利用したフルカラー複写機の好適な実施例を添付
図面を参照して詳述する。本発明の基本的な要旨とする
ところは、与えられた画像中に含まれる照合対象特徴パ
ターンを、基準特徴パターンと照合することにより、偽
造可能性情報を生成するにおいて、前記基準特徴パター
ンには、複製禁止画像に固有な特徴パターンのほかに、
当該複製禁止画像に固有な特徴パターンの改ざん結果に
相当する特徴パターンが含まれていること、を特徴とす
るものである。
【0024】尚、与えられた画像データ中から照合対象
特徴パターンを切り出す手法としては種々の公知の手法
が採用可能であるが、特に以下の実施例では本出願人が
先に特開平6−245064号公報として提案している
手法を採用している。この手法によれば、複写禁止物等
の全体(外形状)の大きさに関係なく、その物体の一部
に有する特定パターン(照合対象特徴パターン)に着目
し、その特定パターンを有するか否かにより検出を行う
ため、使用するメモリ容量が少なくて済み、コスト安と
なることに加え、1回のスキャンによって特定パターン
の検知からその類似度判定までをリアルタイムで行える
為、所謂1回スキャン方式の複写機等においても見落と
し無く高い認識率が得られる他、同公報第13頁第24
欄〜第14頁第25欄に記載の様々な利点を有するもの
である。
【0025】図1に示されるように、複写機のイメージ
センサにより読み取られた画像情報は、画像処理装置3
00の初段を構成する特定パターン(照合対象特徴パタ
ーン)検知手段1に入力される。この画像情報は、CC
D等のイメージセンサによるスキャンが進むにしたがっ
て順次所定の領域分ずつリアルタイムで送られてくるよ
うになっており、具体的なデータとしては、フルカラー
情報であるレッド(R),グリーン(G),ブルー
(B)の各成分のそれぞれについて、400DPIの解
像度となっている。
【0026】画像処理装置300の初段に位置する特定
パターン検知手段1では、入力された画像データを圧縮
して形成したぼかした画像に対して、所定の大きさのマ
スク等を用い、パターンマッチングによりそのエリア内
に照合対象特徴パターンである特定パターン(マークや
模様等)らしい候補パターンがあるか否かをチェックす
るとともに、かかる候補が検出されたなら、そのおおよ
その基準位置(円であれば中心点、矩形状であればコー
ナーの頂点の位置等)を特定し、そのデータを粗検索の
結果として次段の特定パターン切し出し手段2に送るよ
うになっている。
【0027】特定パターン切り出し手段2では、上述の
粗検索により検出された候補パターンを含む上記圧縮す
る前の画像データに基づいて、より正確なある特定位置
たる基準位置の検出を行うとともに、後工程における偽
造可能性情報生成のためのパターンマッチングを行うた
めの照合対象特徴パターンを作成するようにしている。
この特定パターン切り出し手段2には所定の記憶部が設
けられており、この記憶部には候補パターンが一時的に
ストック可能とされている。さらに、この特定パターン
切り出し手段2においても、圧縮前の精密な画像に基づ
いて照合対象特徴パターンである特定パターンらしいか
否かの予備判断を行うようになっている。ここで、特定
パターンらしいと判断された場合には、上記した基準位
置に基づいてその周囲の所定部位のパターンが照合対象
特徴パターンとして切り出され、本発明方法及び装置が
組み込まれた特定パターンマッチング手段3に送られる
ようになっている。
【0028】特定パターンマッチング手段3では、ファ
ジィパターンマッチングにより照合対象特徴パターンの
基準特徴パターンに対する適合度が求められ、この適合
度は偽造可能性情報として複写機本体(PPC)側へと
生成出力される。特に、本実施例では、通常の複写機の
読み取りデータに対し、基準特徴パターンをぼかして作
成されたパターンに基づいてパターンマッチングを行う
ことにより逐次比較的ラフな粗検索を最初に行って基準
特徴パターンらしき候補パターンを抽出し、かかる候補
パターンが検出されたならば、その候補パターンに関す
る情報を記憶部に格納し、格納したデータに対して順次
所定の処理をした後ファジィ推論によるパターンマッチ
ングを行って適合度(偽造可能性情報)を生成するよう
にしている。すなわち、特定パターンマッチング手段3
における比較的原画像に近い精密な画像を用いたパター
ンマッチングを行う前に、粗検索により処理対象の絞り
込み(ぼかした画像データに基づいて行うため、高速か
つ正確に判断できる)を行っているため、パターンマッ
チングに要する一連の処理の高速化が達成される。そし
て、各処理を行っている間も、他の手段、例えば画像の
読取りや、粗検索等の処理は行われているため、適合度
算出処理等を行っている間にも他の処理を一時停止する
必要がなく、リアルタイムでかつ高速に行うことができ
る。
【0029】次に、上記した画像処理装置の各手段の具
体的な構成について説明する。まず、特定パターン検知
手段1は、図2に示すようなブロック構成となってい
る。すなわち、画像情報を平均化処理部10に送り、こ
こにおいてかかる画像情報における小さな画素の所定の
複数個分を1まとめにするとともに、それらの濃度を平
均化してやや大きな画素からなるぼかした濃淡画像デー
タを作成する。
【0030】この平均化処理部10は、例えば図3に示
すブロック図から構成される。すなわち、第1の加算器
12aにはシフトクロックにより同期してデータを順送
り出力する4段に接続されたラッチ11a〜11dの各
出力が入力される。また、1段目のラッチ11aの各入
力端子A,B,C,Dには画像データを構成する各ライ
ンの各画素が1画素ずつ順に入力される。なお、それら
各画素は濃度(階調)を表す多値データであるため、各
ラッチ11a〜11dはその多値データに対応した所定
ビット数構成となされている。
【0031】第1の加算器12aでは、入力される過去
4画素分(主走査方向の4画素分)すなわち、4つのラ
ッチ11a〜11dに格納されている各画素の濃度を示
す値を加算処理し、その加算結果を第2の加算器12b
の一方の入力端子(A)に入力するようになっている。
また、第2の加算器12bの他方の入力端子(B)に
は、第1のラインメモリ13に記憶された過去の1〜3
ライン分の所定画素の濃度の総和がゲート回路14を介
して入力されるようになっている。そして、この第2の
加算器12bにて加算処理された結果が、上記第1のラ
インメモリ13並びに除算器15に与えられるようにな
っている。
【0032】さらに、第2の加算器12bの出力の第1
のラインメモリ13への書き込みは、図外の制御信号に
基づいて、4画素に1回の割合で行われる。すなわち、
処理中のラインの1番目から4番目の画素が第1の加算
器12aに同時に入力されて加算処理されて得られた結
果に基づいて第2の加算器12bでさらに加算処理され
た時に第1のラインメモリ13の1番目に書き込みが行
われ、5番目から8番目の画素が加算された時の処理結
果が第1のラインメモリ13の2番目へ書き込まれる。
以下、それを繰り返し行う。このようにして、第1のラ
インメモリ13には、1ライン目の主走査方向4画素毎
の加算結果が順に格納される。
【0033】そして、2ライン目の処理では、上記と同
様に4つのラッチ11a〜11dと第1の加算器12a
により4画素毎の加算結果が求められるが、これととも
に第1のラインメモリ13に格納された所定の加算結果
が読み出され、第2の加算器12bにて1,2ラインの
対応する4画素分の加算結果同士が加算される。これに
より、上下に隣接する計8画素分の濃度が加算され、そ
の加算結果が、再び第1のラインメモリ13に格納され
る。
【0034】同様に、3ライン目(4ライン目)の処理
では、その前のラインまでの加算処理により求められ
て、第1のラインメモリ13に格納されている1〜2ラ
イン(1〜3ライン)分の所定の画素の濃度の総和との
加算処理が行われる。そして、4ライン目の処理では、
第2の加算器12bの加算結果(4×4の16画素分の
濃度の総和)が次段の除算器15に与えられ、そこにお
いて16で除算することにより平均が求められる。な
お、ゲート回路14に入力される制御信号は、4ライン
に1度「0」となり、第1のラインメモリ13からの読
み出しを禁止して加算値をリセットするようになってい
る。
【0035】なお、ラッチの段数を増減することによ
り、平均化する画素数も増減することができ、段数を増
すことにより解像度が低下した画像となる。また、ラッ
チの段数と、ゲート回路14に入力する制御信号(0)
の入力するタイミングを適宜変更することにより、N×
Mの画素に対する平均を求めることも可能となる。そし
て、いずれの条件にするかは、マッチングをとる(検出
する)画像により適宜設定する。
【0036】そして、この16画素分の平均を新たな画
素単位として構成される濃淡画像データを次段の2値化
処理部16に送り、所定の閾値で2値化データに変換
し、その変換された2値画像は第2の複数のラインメモ
リ17に一旦格納される。この作成画像は、元の画像デ
ータに比べてぼやけた画像となり、細かな模様はなくな
っておおざっぱな形状が現れる。そして、2値化すると
きの閾値を適宜設定することにより、例えば紙幣のコー
ナーやマーク等の特定パターンの内側(紙幣側)がすべ
て黒となるとともに、背景側はすべて白となるようにす
ることができ、しかも、たとえ読み取って入力された原
画像に印刷ずれ等があり、予め記憶設定されている特定
パターンとわずかな相違があったとしても、画像をぼか
した結果、かかる相違が解消(消滅)されてしまう。こ
れにより簡単かつ高速に検出が可能となる。
【0037】さらに、上記2値化処理部16の出力を検
索部18に送り、解像度を低下させたぼかした画像(2
値化データ)中に存在する所定の形状のパターンを検索
するようになっている。すなわち、N×Nのマスク等の
所定の大きさからなる領域内に存在する所定のパターン
を検索するもので、具体的には以下のようになる。すな
わち、この検索部18は、図2に示すように、フリップ
フロップ群18aと、そのフリップフロップ群18aの
出力を受け、照合対象特徴パターンに相当する所定のパ
ターン(候補データ)の位置を特定するためのヒット点
座標を求める座標出力回路18bと、パターンの存在方
向等を特定するデコード回路18cと、それら検出され
た所定のパターン(候補データ)に関するデータを格納
する第3のラインメモリ18dとから構成されている。
【0038】そして、具体的にはフリップフロップ群1
8aは、図4に示すようになっている。すなわち、本例
では主走査3画素×副走査3画素のエリアを処理対象と
するもので、9個(3×3)のフリップフロップFFか
ら構成されている。そして、第2のラインメモリ17に
格納された画像データから、副走査方向に並んだ3画素
WI0,WI1,WI2がシフトクロックSCLKによ
り同期して1段目のフリップフロップF00,F10,F20
に入力される。そして、WI0,WI1,WI2には、
シフトクロックによりタイミングがとられて順次新しい
画素データが入力されると共に、次段のフリップフロッ
プに転送される。また、各フリップフロップの出力端子
Qから、入力された2値画像の画素データQ00,Q01,
Q02,Q10,Q11,Q12,Q20,Q21,Q22が出力され
る。なお、黒画素の時にフリップフロップの出力が1に
なるように設定されている。
【0039】そして、主走査方向の終端まで画素データ
の入力が完了すると、副走査方向に1ラインずらして先
頭から入力を行う。つまり、パターン検知の対象となる
3×3画素のエリア(マスク)が原稿上を移動すること
と等価になる。また、上記各出力Q00,Q01,Q02,Q
10,Q11,Q12,Q20,Q21,Q22は、デコード回路1
8cに入力するようにしている。このデコード回路18
cは、図5に示すようになっており、フリップフロップ
群18aから出力される3×3画素のパターンがHIT
0〜HIT7までの8個のパターンのいずれかの場合に
は、その対応するAND素子の出力がHighになる。すな
わち、デコード回路18cの出力HIT0がHighなら
ば、フリップフロップFF11を中心に左上方向に図柄が
あることがわかり、また、デコード回路18cの出力H
IT4がHighならば、フリップフロップFF11を中心に
上方向に図柄があることがわかる。なお、本例では、コ
ーナーを検出するものであるので、上記8つ以外のパタ
ーンでは、中央の画素は辺の中間であったり或いは図柄
の内部/外部である場合等で、本例における検出対象外
となる。
【0040】さらに、座標出力回路18bは、第2の複
数のラインメモリ17のアドレスに接続され、フリップ
フロップ群18aに入力すべき画像のアドレスを出力す
ると共に、フリップフロップ群18aの中央フリップフ
ロップFF11から出力される画素の座標(XY)を第3
のラインメモリ18dに出力するようになっている。そ
して、第3のラインメモリ18dには、デコード回路1
8cの出力とその時の中心座標XYが格納されるように
なる。そしてこの第3のラインメモリ18dに、数ライ
ン分の特定パターン検知結果が記憶されている。なお、
本例では3×3画素を用いて図柄のコーナー部分を検索
するようにしたため9個のフリップフロップを用意する
とともに図示するようなデコード回路の条件としたが、
検知したい図柄の形状や部分に応じて使用するフリップ
フロップの個数や、デコード回路での条件を適宜設定す
る必要があり、円などを検出することも可能となる。
【0041】ところで、ハードウエアで構成された検索
部18の第3のラインメモリ18dには、次の処理ステ
ップである特定パターン切り出し手段2に送り処理する
必要のないデータが多数含まれているので、その第3の
ラインメモリ18dに格納されたデータを予備判定部1
9に送り特定パターン切り出し手段2での処理の可否を
判定(ヒット点のふるい落とし)するようになってい
る。
【0042】すなわち、本例では、ぼかしたデータに基
づいて粗検索しているため、確実かつ高速に所望の特定
パターンを有する画像データを候補パターンとして検出
することができるが、逆に不要なデータも多数検出して
しまうおそれがある。そこで、周囲の条件から特定パタ
ーンでないと判断できるものは、ここにおいてふるい落
として出力をせず、以後の詳細な判定を行わないように
している。すなわち、正式ヒット点のみを次段の特定パ
ターン切り出し手段2の候補用メモリ21に出力するよ
うなっている。
【0043】そして、この判定処理は、基本的にはまず
第3のラインメモリ18dに格納されたデータの中で、
出力がHighになっているもの(ヒット点)を抽出すると
共に、そのヒット点の周囲に位置する他のヒット点との
相対的位置関係等から、有効なヒット点を検出し、それ
に関する位置情報XYと、方向情報HIT0〜7が候補
用メモリ21に格納される。
【0044】一例を示すと、図柄の種類(形状・大きさ
等)によっては、検出したヒット点の周囲あるいはその
周囲の所定領域中に他のヒット点がある場合には正式な
ヒット点とみなさないようにしたり、或いは、一定の領
域内に複数のヒット点が存在する場合には、周囲のみを
残したり(図6(A))、逆に中央のみを残したり(図
6(B))等、検出するパターンに応じて適宜決定され
る。
【0045】なお、上記した本例では、画像情報を所定
の複数画素を平均化してぼかした画像を作成するに際
し、1回の処理により所定の解像度に変換したが、これ
を複数回に分けて徐々に変換処理を行うようにしてもよ
い。図7は、特定パターン切り出し手段2を中心として
その周辺回路のブロック構成を示している。本手段2は
図示するように、特定パターン検知手段1から2値化す
る前のRGBデータ(濃淡画像)が連続して第1の詳細
メモリ20に格納される。この第1の詳細メモリ20
は、少なくともイメージセンサで現在読み取って得られ
た画素(ライン)から所定距離(検出する特定パターン
の大きさと同じかそれ以上)分後方までの画像データを
記憶保持できるだけの容量を有し、その記憶容量が一杯
になったら、古い(最後方)データを削除し最新のデー
タに書き替えるようにしている。
【0046】また、上述したごとく候補用メモリ21に
は、特定パターン検知手段1の予備判定部19から出力
される正式ヒット点の座標値及び方向が書き込まれるた
め、その格納された座標値が制御用CPU30により読
み出される。そして、この制御用CPU30は、特定パ
ターン切り出し手段2に対して各種の制御信号を送りそ
の動作を制御するようになっており、その制御信号の一
つとして、第1の詳細メモリ20に対し、候補用メモリ
21から読み出した座標値に基づいて、その正式ヒット
点に関するパターンを含む画像データを出力させる制御
命令を発するようにしている。
【0047】そして、この座標が制御用CPU30によ
り読み出され、それに基づいて第1の詳細メモリ20内
に格納された対応する画像データを2値化部22に送
る。ここでRGB画像データは2値化されるのである
が、この2値化するための閾値は、上記特定パターン検
知手段1の2値化処理部16におけるしきい値と必ずし
も同じにする必要はない。すなわち、検知手段1の場合
には、特定パターンらしき候補パターンの有無を検出す
るのを主目的としているため、基本的にはパターンの内
部は全体的にべたになるように調整されるが、本切り出
し手段2では、より正確なヒット点(特定位置)を抽出
したり、後段のパターン認識を行うために各特定パター
ンの特徴を現わす詳細なモザイク模様が現われるように
設定するためである。
【0048】この様にして形成された2値化データが第
2の詳細メモリ24に一時的に格納保持され、順次次段
の位置検出部(CPU)25に与えられ、ここにおい
て、特定パターンマッチング手段3にてマッチング処理
する際の基準点を求める。すなわち、接続されたプログ
ラムROM25aに格納されたデータに基づいて、特定
パターン中のある特定位置、すなわちコーナーの場合に
は、その正確な頂点の位置を求め、マークの場合には正
確な中心位置を求めるようになっている。
【0049】すなわち、この位置検出部25も、基本的
には上記した予備判定部19と同様に、照合対象特徴パ
ターンである特定パターンがコーナーの場合とマークの
場合にそれぞれに応じた処理を行うようになっており、
パターン中のある特定位置、すなわちコーナーの場合に
は、その正確な頂点の位置を求め、マークの場合には正
確な中心位置を求めるようになっている。さらに、この
位置検出部25においても、正確な位置抽出の際に特定
パターンでないと判断されたなら、出力を停止するよう
にしている。そして具体的には、以下のようになってい
る。
【0050】*コーナーの場合 粗検索で大体(ラフ)のコーナーの頂点(ヒット点)並
びにコーナーの向きがわかっているため、図8,図9に
示すように、そのヒット点Hの周囲でコーナーの内部側
所定位置に仮想原点Oを決定する。そして、その仮想原
点Oを通り水平方向に延びるX軸と、仮想原点Oを通り
そのX軸と垂直方向に延びるY軸とを設定する(図9の
ST1,2)。
【0051】次いで、パターンの特定位置検出に必要な
定数を設定し(図9のST3)、X軸に沿って所定のス
テップ幅で移動していき(図中矢印で示す)、その移動
の都度、Y軸と平行で正(上)方向及び負(下)方向に
走査していき、画素の白黒を判断する。そして、白黒の
境目(黒から白に反転した時で、以下「エッジ」と称す
る)を見付け(図9のST4〜ST5)、かかる検出し
たエッジ(図中ハッチング部位)をできるだけ通るよう
な直線をひく。これは、例えば最小二乗法により検出さ
れた複数のエッジを直線近似することにより行なうこと
ができる(図9のST6〜7)。かかる処理を行うこと
により、Y軸を挟んで両側に位置するエッジを結ぶ2本
の直線L1,L2が求められるので、その直線の交点を
求め、その交点を頂点Pとする(図9のST8,9)。
【0052】さらに、上記抽出した1本の直線(辺)の
頂き、或いは2本の直線のなす角を2等分する直線の頂
きから、正確なコーナーの傾きを算出する(図9のST
10)。そして、その頂点の座標並びに傾きを制御用C
PU30に送るようになっている。なお、上記の頂点の
抽出の際に2つの辺が検索できなかったり、また、検出
できたとしてもそのエッジの数が少なかったり、さらに
は、エッジの数は十分検索でき、直線近似により2つの
辺が求められても、2辺のなす角の角度が所定角度から
大きくずれている場合には、そのパターンは求めるコー
ナー(照合対象特徴パターンである特定パターン)では
ないと判断し、出力しないようになっている。
【0053】次に、特定パターンマッチング手段3につ
いて説明する。尚、本発明に係る偽造可能性情報生成方
法及び装置は、この実施例の場合には、特定パターンマ
ッチング手段3の一機能として存在している。すなわ
ち、後述するように、この特定パターンマッチング手段
3においては、与えられた画像中に含まれる照合対象特
徴パターンを、基準特徴パターンと照合することによ
り、偽造可能性情報を生成するにおいて、前記基準特徴
パターンには、複製禁止画像に固有な特徴パターンのほ
かに、当該複製禁止画像に固有な特徴パターンの改ざん
結果に相当する特徴パターン及び一般原稿に固有な特徴
パターンが含まれている。そこで、先ず、複写禁止原稿
(紙幣、有価証券等)に固有な基準特徴パターンとの照
合処理から説明する。
【0054】先ず最初に、図7に示すように、位置検出
部25から照合対象特徴パターンである特定パターンら
しきコーナーの頂点並びに頂きや、マークの中心位置の
座標データが制御用CPU30に与えられる。すると、
その制御用CPU30では、プログラムROM30aに
格納されたデータに基づいて第2の詳細メモリ24に格
納された画像データのうち、読み出すべき画像データを
特定するとともに、その画像データ中のパターンマッチ
ングに必要な領域を求め、その制御用CPU30からの
制御信号に基づいて、かかる領域内の画像データが第2
の詳細メモリ24から推論部35に送られ、そこにおい
て、メモリ36aに格納された特定パターン(複写禁止
原稿に固有な基準特徴パターン)用のルールやメモリ3
7aに格納された特定パターン用のメンバシップ関数等
のファジィ知識に基づいて推論処理が行われ、与えられ
た画像データ(照合対象特徴パターン)と予め設定され
た特定パターン(複写禁止原稿に固有な基準特徴パター
ン)との適合度が判定される(図10参照)。
【0055】具体的には、図11(A)に一例を示すよ
うに、切り出されたぼかす前の画像データのうち、各特
徴量領域(図示の例では水平線パターンL3と垂直線パ
ターンL4とで形成されるL字状折れ線パターンの隅部
内側に設定された正方形領域R0をさらに水平及び垂直
中心線L5,L6により格子状に4分割してなる4つの
領域R1,R2,R3,R4)内にそれぞれ存在する画
素数をカウントすることにより特徴量抽出を行う。尚、
ここで重要なことは、この実施例では、複写禁止原稿
(例えば、紙幣或いは有価証券等)に固有な特徴パター
ンとして、上述のL字状折れ線パターンの隅部内側に設
定された一定サイズの正方形領域R0に略含まれる比較
的に大きく(例えば、1センチメートル四方)かつ太字
にて描かれた数字「10」が選定されていることであ
る。加えて、図19を参照して後に詳細に説明するよう
に、想定される複写物の全てについて経験的に確認され
たところでは、複写を禁止されていない一般原稿の場
合、このようなL字状折れ線パターンの隅部内側に設定
された一定サイズの正方形領域R0について見ると、そ
こに存在する特徴パターンは各特徴領領域R1,R2,
R3,R4の全体に亘って均一な画素数を有するように
なっており、そのため、後述するように、各特徴量領域
R1,R2,R3,R4に含まれる画素数が略同一であ
ることに基いて、当該原稿が一般原稿である可能性が高
いことを判定できるようになっている。これに対して、
複写禁止原稿の場合には、図11(B)に示されるよう
に、第1の特徴量領域R1では画素数は24、第2の特
徴量領域R2では画素数は26、第3の特徴量領域R3
では画素数は30、第4の特徴量領域R4では画素数は
29となり、各画素数は複写禁止原稿に固有な分散傾向
を示すこととなる。
【0056】そして、予め作成されたルール,メッバシ
ップ関数(図12に示す)に従って、抽出した特徴量
(各領域R1〜R4の画素数)を入力としたファジィ推
論をし、基準特徴パターンとの適合度を決定しこれを偽
造可能性情報として生成出力する。なお、図示の例で
は、適合度は0.825となり、適合度判定基準の0.
5よりも遥かに大きな値を示すため、この偽造可能性情
報に基いて複写機本体側では偽造可能性が高いとの判断
が可能となる。
【0057】なお、特徴量領域の区分けとしては、本例
では格子状に分けたが、同心円状,矩形状など任意の形
状とすることができる。もっとも、いずれの区分け方法
を採用するとしても、後述する一般原稿に固有な特徴パ
ターンを生じさせる為には、区分けされた各小領域の画
素数が一般原稿の場合には均一になるように、選定する
ことが好ましい。また抽出する特徴量としても、上記し
た画素数に限ることなく、画素の連続/不連続数や方向
などとしても良い。
【0058】さらに本例では、上記のファジィ知識を作
成するに際し、1つの特定パターンから複数種の知識を
作成し、それら複数種の知識を用いて推論処理をするよ
うにしている。すなわち、例えば印刷ずれその他の原因
から、必ずしも読み込んだ画像データは複写禁止原稿に
固有な基準特徴パターンと同一とはならず、所定量位置
ずれしていることがある。また、マークの場合には、回
転角度が不明なことが多い。そこで、予め特定の特徴パ
ターンが位置ずれをした時は、複数の回転角度の時を想
定し、位置ずれ対応の知識を作成し、格納しておく。
【0059】具体的には、コーナーの場合には、図13
(A)に示すように、検出しようとする基準特徴パター
ンを中央に位置合わせした画像(実線で示す)に基づい
て、それを所定の解像度で読み込んで得られるマップデ
ータ(対象となる特定パターンを複写機で読み込んだ時
に、特定パターン切り出し手段2の2値化部24から出
力される画像データに相当)を作成し、同様に、水平移
動させ、左上,右上,左下,右下方向に位置をずらした
画像(図では左上にずらした例を破線で示す)に基づい
てそれぞれマップデータを作成する。そして、それぞれ
についてファジィ知識を作成する。これにより1つのパ
ターン(コーナー)から位置をずらした複数種のファジ
ィ知識が作成される。
【0060】また、マークの場合には、図13(B)に
示すように、検出しようとする特定(基準特徴)パター
ンに対し、回転角度が0度(上下等が正常な状態)の画
像に基づいてそれを所定の解像度で読み込んで得られる
マップデータ(対象となる特定パターンを複写機で読み
込んだ時に、特定パターン切り出し手段2の2値化部2
4から出力される画像データに相当)を作成する。同様
に、回転角度を45度刻みで回転させた画像に基づいて
極座標変換後のマップデータを作成する。そして、それ
ぞれについてファジィ知識を作成する。これにより1つ
のパターン(マーク)から回転角度をずらした複数種の
ファジィ知識が作成される。
【0061】そして、上記のようにして得られた複数の
ファジィ知識をグループ化して知識群を作成し、各知識
群を用いて推論して得られた結果のうち最大適合度をそ
のパターンの認識結果とする。これにより、マークの場
合では回転方向をまたコーナーの場合に配置ずれを考慮
することなく切り出し、それについて推論処理ができ
る。
【0062】なお、このようにグループ化することな
く、位置ずれの画像をすべて統計処理をして、ファジィ
知識を作成するようにしてもよい(この場合には、最終
的な知識は1まとめになっているが、これも1つの基準
パターンに対し回転方向並びに水平方向の位置ずれを考
慮して知識を作成しているため、かかる場合も複数の知
識を有することになる)。そして、両者を比較した場
合、前者(知識群を使用)の場合にはより認識率が高く
なり、一方、後者の場合にはより処理速度が向上すると
いう効果を有するため、適宜選択実施する。
【0063】なお、位置ずれの量が1画素分(或いはそ
の正数倍)である時には、基準となるパターン或いは判
定しようとするパターンの一方を所定方向にずらしなが
ら推論を繰り返し行うアドレッシング処理により、実際
に複数種の知識をメモリに格納しておかなくても複数種
の知識を有していると同等の作用・効果を得、位置ずれ
があっても正確に判定できる。すなわち、本発明でいう
ところの1つの特定パターンから複数種の知識を有する
とは、実際に知識としてメモリに格納保持するのはもち
ろん上記したごとく仮想的に持たせる者の両者を含む広
い概念である。
【0064】そして、上記したように、複数種の知識に
基づいて推論した結果として生成された適合度が制御用
CPU30を介してPPC(複写機)に偽造可能性情報
として出力される。そして、複写機側では、その適合度
がある閾値を越えたら紙幣等の複写禁止物と判断して偽
造防止の所定の処理(複写禁止,全体に黒画面で出力
等)をするようになっている。なお、後に詳細に説明す
るように、かかる紙幣等の複写禁止原稿(複写禁止原稿
に固有な特徴パターン)であるか否かの判断も制御用C
PU30側で行い、その判定結果(停止信号等)をPP
Cへと出力するようにしてもよい。
【0065】次に、複写禁止原稿(紙幣、有価証券等)
に固有な基準特徴パターンを改ざんした結果に相当する
基準特徴パターンとの照合処理について説明する。前述
したように、図11及び図12に示された例において
は、複写禁止原稿(紙幣、有価証券等)に固有な特徴パ
ターンとして、水平線パターンL3と垂直線パターンL
4とで形成されるL字状折れ線パターンの隅部内側に設
定された正方形領域R0に略含まれる比較的に大きく
(例えば、1センチメートル四方)かつ太字にて描かれ
た数字「10」が選定されている。従って、原稿から読
み取られた画像情報中の正方形領域R0に比較的に大き
くかつ太字にて描かれた数字「10」が存在する限り、
制御用CPU30からは偽造可能性が高い旨の偽造可能
性情報が生成出力され、これに基きPPC側では複写禁
止処理等の必要な偽造防止措置を確実に採ることができ
るはずである。
【0066】しかしながら、図16(A)に示されるよ
うに、正方形領域R0に存在する特徴パターンである数
字「10」を構成する「0」が、その外周の左下一部を
削除して内部に横棒を付加することにより「9」に改ざ
んされると、元の数字「10」と改ざん後の数字「1
9」とでは人間の目(乃至心理的)にはさほどの違和感
を与えないものの、機械の目から見た場合には、図16
(B)に示されるように、各特徴量領域の画素数はR1
(23),R2(30),R3(28),R4(16)
となって、図16に示される改ざん前の各値R1(2
4),R2(26),R3(30),R4(29)と大
きく掛け離れてしてしまう。その結果、この改ざん後の
画素数R1(23),R2(30),R3(28),R
4(16)を前述した複製禁止原稿に固有な特徴パター
ンに対応するメンバシップ関数及びルールに当て嵌めて
適合度を求めると、図17に示されるように、適合度は
0.375となって適合度判定基準である0.5を大き
く下回ってしまい、偽造可能性は著しく低いとの誤認が
生じて、複写機本体側で所定の複写禁止措置を採らせる
ことができない。
【0067】その為、この発明では、複製禁止原稿に固
有な特徴パターンに対応するメンバシップ関数及びルー
ルの他に、複製禁止原稿に固有な特徴パターン(図11
に示される)を改ざんした結果(図16に示される)に
相当するルール及びメンバシップ関数(図17に示され
る)を用意して、これを改ざんパターン用ルールメモリ
36b及び改ざんパターン用メンバシップメモリ37b
に予め格納し、複製禁止原稿に固有な特徴パターンに対
応するメンバシップ関数及びルールを用いた適合度算出
に加えて、その改ざん後の特徴パターンに対応するメン
バシップ関数及びルールを用いた適合度算出をも行うよ
うにしている。このようにして、改ざん後の画素数R1
(23),R2(30),R3(28),R4(16)
を改ざん後の特徴パターンに対応するメンバシップ関数
及びルールに当て嵌めて適合度算出を行うと、図18に
示されるように、その適合度は0.925となって適合
度判定基準である0.5を大きく上回ることとなり、こ
のような改ざんが行われた場合であっても、偽造可能性
情報は偽造可能性が著しく高いことを依然として示すこ
ととなり、これに基き複写機本体側で所定の複写禁止措
置を的確に採らせることができる。
【0068】次に、複写を禁止されていない一般原稿に
固有な基準特徴パターンとの照合処理について説明す
る。前述したように、図11及び図12に示された例に
おいては、複写禁止原稿(紙幣、有価証券等)に固有な
特徴パターンとして、水平線パターンL3と垂直線パタ
ーンL4とで形成されるL字状折れ線パターンの隅部内
側に設定された正方形領域R0に略含まれる比較的に大
きく(例えば、1センチメートル四方)かつ太字にて描
かれた数字「10」が選定されている。加えて、複写禁
止原稿(紙幣、有価証券等)に固有な特徴パターンを改
ざんしたパターンとして、図16に示されるような数字
「19」が選定されている。従って、原稿から読み取ら
れた画像情報中の正方形領域R0に比較的に大きくかつ
太字にて描かれた数字「10」若しくはその改ざん結果
に相当する数字「19」が存在する限り、制御用CPU
30からは偽造可能性が高い旨の偽造可能性情報が生成
出力され、これに基きPPC側では複写禁止処理等の必
要な偽造防止措置を確実に採ることができるはずであ
る。
【0069】しかしながら、上記の数字「10」に対す
る改ざんはされているものの、その程度が不十分であっ
たり、或いは改ざんの態様が予想されたものと若干異な
る場合には、改ざん前と改ざん後との2つの基準パター
ンを備えて照合処理を行ったとしても、曖昧な内容の偽
造可能性情報が生成出力される場合も想定される。その
為、この発明では、上述した複製禁止原稿に固有な特徴
パターン及びその改ざんパターンに相当する基準特徴パ
ターン加えて、複製を禁止されていない一般原稿に固有
な特徴パターンに対応するルール及びメンバシップ関数
をも用意し、これをこれを改ざん用ルールメモリ36c
及び改ざん用メンバシップメモリ37cに予め格納し、
複製禁止原稿に固有な特徴パターン及びその改ざんパタ
ーンに対応するメンバシップ関数及びルールを用いた適
合度算出に加えて、一般原稿に対応するメンバシップ関
数及びルールを用いた適合度算出をも行うようにしてい
る。すなわち、想定される複写物の全てについて経験的
に確認されたところでは、複写を禁止されていない一般
原稿の場合、このようなL字状折れ線パターンの隅部内
側に設定された一定サイズの正方形領域R0について見
ると、そこに存在する特徴パターンは図19に示される
ように、均一に配置された小サイズの数字「10」とな
り、各特徴領領域R1,R2,R3,R4の全体に亘っ
て均一な画素数Rn(n=1,2,3,4)=29を有
するようになっている。そのため、複製禁止原稿に固有
な特徴パターン若しくはその改ざんパターンとの照合の
結果、偽造可能性が懸念される場合であっても、各特徴
量領域R1,R2,R3,R4に含まれる画素数がいず
れも29(画素数が中くらい)である場合には、これを
図20に示されるように、一般原稿に対応するメンバシ
ップ関数及びルールに当て嵌めて適合度の算出を行う
と、その適合度は1.0となって制御用CPU30から
は一般原稿である可能性が著しく高い旨の偽造可能性情
報が生成出力され、これに基きPPC側において誤った
複写禁止処理等が採られることを確実に防止することが
できる。
【0070】尚、以上の3種類の適合度の算出に際して
は、制御用CPU30からの信号により切替え部38を
適宜に作動させることにより、特定パターン用メモリ3
6a,37a、改ざんパターン用メモリ36b,37
b、一般原稿用メモリ36c,37cを択一的にファジ
イ推論部35に接続することで行われ、またメモリの切
り替えはスキャン毎に行われる。図7の例では、特定パ
ターン用、改ざんパターン用、一般原稿用にそれぞれ1
種類のメモリが設けられているが、特定パターンの種
類、想定される改ざん方法の種類、一般原稿の特徴の種
類によって、メモリの数は増加することとなる。
【0071】特定パターンマッチング手段にて生成され
た偽造可能性情報である3種類の適合度は推論結果保存
メモリ39に格納され、適当なタイミングにて複写機本
体側へと送信される。この送信方法としては、特定パタ
ーンとの適合度、改ざんパターンとの適合度、一般原稿
との適合度のそれぞれ3系統のハード出力手段を持つ方
法(空間分割送信方式)と、ハード出力手段は1系統で
あるが、適合度の区分用に識別コードを付加して伝送す
る方法(時分割送信方式)とが考えられる。また、制御
用CPU30には複製禁止原稿に固有な特徴パターン、
及び/又は、その改ざんパターンが画像全体の中に幾つ
存在したかをカウントする機能が内蔵されており、この
カウント値についても複写基本体へと送信される。
【0072】さらに、図16〜図20の例にあっては、
照合用の辞書をファジイ関数の形で登録しているので、
メンバシップ関数の形状とルールによって複写禁止原
稿、改ざんされた複写禁止原稿、一般原稿の区分が行わ
れているが、これら3種類の原稿はその他様々な特徴か
ら区分することもでき、特定パターン検知手段1におけ
る2値化の閾値(色の改ざん検知)や図5のデコード回
路18c(形状の改ざん検知)を変更することも考えら
れる。
【0073】図14,図15は、実際に複写機に上記装
置を組み込んだ例を示している。図示するように、原稿
台50上に載置された原稿51にランプ52から出射さ
れた光を照射し、その反射光を光学系53を介してイメ
ージセンサであるCCD54にて検出させて原稿の画像
を読み取る。なお、ランプ52並びに光学系53を構成
する平面鏡等は所定速度で移動してスキャンしていき、
原稿51の所定部位をCCD54にて逐次読み取り、信
号処理部55に画像データ(R・G・B)を送るように
なっている。
【0074】この信号処理部55には、図15に示すよ
うに、通常の色処理回路56と、上述した特定パターン
検知手段1、特定パターン切り出し手段2、及び特定パ
ターンマッチング手段3を有する画像処理装置57(3
00)とが実装され、上記画像データは、色処理回路5
6と画像処理装置57とに並列に送られるようになって
いる。そして、色処理回路56では、受光された光をマ
ゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)並びにブ
ラック(BK)の各成分に分解し、印刷手段58に出力
する。そして、実際には4回スキャンし、1回のスキャ
ンにともない上記4つの成分(M,C,Y,Bk)のう
ち一つの成分を印刷手段58の入力側に配置されたレー
ザドライバ59に出力し、レーザ光を感光ドラム60の
所定位置に照射するようになっている。そして、4回の
スキャン終了後、コピー紙に対して複写処理を行い複写
物61を出力するようになっている。なお、具体的な複
写処理をする機構については従来のものと同様であるた
め、その説明は省略する。
【0075】一方、画像処理装置57では、上記色処理
回路56における信号処理を行っている間にそれと平行
して上記した処理を行い読み取り最中の画像データ中の
パターンの特定(基準)パターンに対する適合度を求
め、その読み取り処理中の原稿51が、紙幣等の複写禁
止物の場合には、上記レーザドライバ59の出力を停止
する制御信号を発したり、或いは、色処理回路56に対
し制御信号を送り、例えば複写画面全面を黒画像にする
等種々の複写禁止処理を行うようになる。
【0076】なお、本例では、1回のスキャンによりリ
アルタイムで判定処理が行えるため、搭載した複写機が
1回スキャン方式のものでも対応することができる。ま
た複数回スキャン方式のものに対しても対応できるのは
いうまでもなく、かかる方式のものに対しては、例えば
図2に示すように制御用CPU30から特定パターン検
知手段1に対して制御信号を送るようにし、各スキャン
時に異なる特定パターンの検知を行えるようにしてもよ
い。
【0077】すなわち、上記の例では1回のスキャンで
複数の特定パターンの検出が行えるため、1回目のスキ
ャン終了後2回目のスキャンに移動する前に、制御用C
PU30から検知手段1に対し各処理部のパラメータ
(2値化の閾値等)の変更命令を送り、書き替えること
によりさらに異なる複数の特定パターンの検出が可能と
なる。従って、かかる構成にすることにより非常の多数
種の特定パターン、すなわち、紙幣等の複写禁止対象物
の偽造防止に対応できる。そして、紙幣全体ではなくそ
の一部の特定パターン部位を検出し、パターンマッチン
グを行うため、各種の記憶容量も少なくて済み、たとえ
上記のように多種類の偽造防止に対応するようにしても
全体としてさほど大きなメモリ容量は不要となる利点が
ある。
【0078】次に、複写禁止原稿に固有な特徴パター
ン、その改ざんパターン、及び一般原稿に固有な特徴パ
ターンとの適合度を生成してこれを偽造可能性情報とし
て複写機本体側に提供した場合、この情報に基いて複写
機本体側ではどのようなアルゴリズムに基いてプリント
制御が行われるかの一例を図21のフローチャートを参
照して説明する。
【0079】この複写機には、偽造可能性情報として与
えられる3種類の適合度をそれぞれ弁別する為に所定数
の閾値が用意されている。ここで、一般原稿との適合度
については単一の閾値0.8が設けられているが、特定
パターン(複写禁止原稿に固有な特徴パターン)との適
合度については、0.8,0.7,0.6からなる3個
の閾値が、また改ざんパターンとの適合度についても、
0.9,0.8,0.6からなる3個の閾値が用意され
ている。加えて、この複写機には、偽造可能性情報とし
て与えられる特定パターン或いは改ざんパターンの個数
を弁別するために単一の閾値3が設けられている。
【0080】従って、一般原稿との適合度ADPT
(A)については、ADPT(A)≧0.8又はADP
T(A)<0.8の2値論理で弁別されるのに対して、
複写禁止原稿との適合度ADPT(B)については、A
DPT(B)≧0.8、0.8>ADPT(B)≧0.
7、0.7>ADPT(B)≧0.6、又は0.6>A
DPT(B)の4値論理で弁別され、さらに改ざん複写
禁止原稿との適合度ADPT(C)については、ADP
T(C)≧0.9、0.9>ADPT(C)≧0.8、
0.8>ADPT(C)≧0.6、又は0.6>ADP
T(C)の4値論理で弁別されることとなる。加えて、
特定パターン或いは改ざんパターンの個数mについて
は、m≧3かm<3かの2値論理にて弁別される。
【0081】そして、それらの弁別結果を以下の偽造可
能性判定アルゴリズムに当て嵌めることにより、偽装防
止のためのプリント制御が行われる。すなわち、ADP
T(A)≧0.8の場合には、偽造可能性なしと判定さ
れて、通常のプリントアウト制御が行われる(ステップ
ST1YES、ステップST2)。
【0082】また、ADPT(A)<0.8でかつAD
PT(B)≧0.8の場合には、偽造可能性が高いと判
定されて、プリントアウトを黒く塗りつぶす制御が行わ
れる(ステップST1NO、ST3YES、ST4)。
この場合、複写された結果物は実用に供し得ないことは
勿論のこと、その原稿に含まれている情報内容さえも判
別不能となる。
【0083】また、ADPT(A)<0.8でかつ0.
8>ADPT(B)≧0.7の場合には、偽造された疑
いがあると判定されて、70%に縮小されたプリントア
ウトが行われる(ステップST1NO、ST3NO、S
T5YES、ST6)。この場合、複写された結果物は
実用に供し得ないが、その原稿に含まれている情報内容
については判別可能となる。従って、万が一複写禁止原
稿でないものを誤認した場合でも、複写したユーザーの
被害を最小限に抑えることができる。
【0084】また、ADPT(A)<0.8で0.7>
ADPT(B)≧0.6であり、かつm≧3の場合に
は、特定パターンとの適合度から見ると偽造された疑い
は低いものの、特定パターンの個数(一般に、偽造犯は
紙幣等を同時に多数複写する)から見ると偽造可能性が
高いと判定されて、80%に縮小されたプリントアウト
が行われる(ステップST1NO、ST3NO、ST5
NO、ST7YES、ST8)。この場合にも、複写さ
れた結果物は実用に供し得ないが、その原稿に含まれて
いる情報内容については判別可能となる。従って、万が
一複写禁止原稿でないものを誤認した場合でも、複写し
たユーザーの被害を最小限に抑えることができる。
【0085】また、ADPT(A)<0.8で0.6>
ADPT(B)であり、かつADPT(C)≧0.9の
場合には、偽造可能性が高いものと判定されて、プリン
トアウトを黒く塗りつぶす制御が行われる(ステップS
T1NO、ST3NO、ST5NO、ST7NO、ST
9YES、ST10)。この場合、複写された結果物は
実用に供し得ないことは勿論のこと、その原稿に含まれ
ている情報内容さえも判別不能となる。
【0086】また、ADPT(A)<0.8で0.6>
ADPT(B)でありかつ0.9>ADPT(C)≧
0.8の場合には、偽造された疑いがあると判定され
て、70%に縮小されたプリントアウトが行われる(ス
テップST1NO、ST3NO、ST5NO、ST7N
O、ST9NO、ST11YES、ST12)。この場
合、複写された結果物は実用に供し得ないが、その原稿
に含まれている情報内容については判別可能となる。従
って、万が一複写禁止原稿でないものを誤認した場合で
も、複写したユーザーの被害を最小限に抑えることがで
きる。
【0087】また、ADPT(A)<0.8、0.6>
ADPT(B)でかつ0.8>ADPT(C)≧0.6
の場合には、改ざん特定パターンとの適合度から見ると
偽造された疑いは低いものの、改ざん特定パターンの個
数から見ると偽造可能性が高いと判定されて、80%に
縮小されたプリントアウトが行われる(ステップST1
NO、ST3NO、ST5NO、ST7NO、ST9N
O、ST11NO、ST13YES、ST14)。
【0088】さらに、ADPT(A)<0.8で0.6
>ADPT(B)でありかつ0.6>ADPT(C)で
あってm<3である場合には、偽造可能性は著しく低い
ものと判定されて、通常のプリントアウト制御が行われ
ることとなる(ステップST1NO、ST3NO、ST
5NO、ST7NO、ST9NO、ST11NO、ST
13NO)。
【0089】このように、複写機本体側では、与えられ
た偽造可能性情報を構成する3種類の適合度ADPT
(A),ADPT(B),ADPT(C)及び特定パタ
ーン若しくは改ざんパターンの個数mを、所定個数の閾
値にて弁別し、それらの弁別結果を所定の偽造可能性判
定アルゴリズムに当て嵌めることによって、適切なるプ
リントアウト制御を行っている。
【0090】尚、以上の例では、画像処理装置側の制御
用CPU30から複写機本体側へと3種類の適合度AD
PT(A),ADPT(B),ADPT(C)及び特定
パターン若しくは改ざんパターンの個数mの形で偽造可
能性情報を提供し、それら適合度及びパターン個数の弁
別やその弁別結果を所定アルゴリズムに当て嵌めて行う
偽造可能性の判定については複写機本体側に全て委ねて
いるが、これはあくまでも本発明の一実施例にすぎない
ものであり、適合度及びパターン個数の弁別について
も、或いはその弁別結果を所定アルゴリズムに当て嵌め
て行う偽造可能性の判定についても、画像処理装置側に
て行い、それらの結果を複写機本体側へと提供してもよ
いことは、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0091】すなわち、複写機本体側に与えられるべき
偽造可能性情報をどのような内容とするかについては、
その情報を取り扱う複写機本体側の制御処理との関係
で、様々な態様が考えられる。
【0092】第1の態様としては、上記の実施例と同様
に、偽造可能性情報として、基準となる各特徴パターン
(改ざん前の基準特徴パターン、改ざん後の基準特徴パ
ターン、及び/又は、一般原稿の基準特徴パターン)毎
に求められた照合対象特徴パターンとの適合度を採用す
ることが考えられる。この場合、複写機本体側では改ざ
ん前の基準特徴パターン、改ざん後の基準特徴パターン
と、及び/又は、一般原稿の基準特徴パターンとの適合
度の形で偽造可能性情報を入手できるため、それに基き
任意の弁別閾値及びアルゴリズムを用いて偽造可能性を
判定することができ、本体装置側における設計自由度が
著しく高い利点を有する。
【0093】第2の態様としては、偽造可能性情報とし
て、基準となる各特徴パターン毎に求められた照合対象
特徴パターンとの適合度を所定の閾値を用いて弁別して
得られた弁別結果を採用することが考えられる。この場
合、本体装置側における偽造可能性判定アルゴリズムの
設計自由度はある程度制限されるものの、反面、閾値設
定を適切に行うことにより、その分だけ装置本体側にお
ける適合度弁別処理が省略でき、複写機本体側の制御プ
ログラムの簡素化を図ることができる。
【0094】第3の態様としては、偽造可能性情報とし
て、基準となる各特徴パターン毎に求められた照合対象
特徴パターンとの適合度を所定の閾値を用いて弁別して
得られた弁別結果をさらに所定の偽造可能性判断アルゴ
リズムに当て嵌めて求められた演算結果を採用すること
が考えられる。この場合、複写機本体側では偽造可能性
判断アルゴリズムに当て嵌めて求められた確度の高い情
報の形態で偽造可能性情報を入手することができ、当該
偽造可能性判断アルゴリズム設定を適切に行うことによ
り、装置本体側の制御プログラムを著しく簡素化するこ
とができる。
【0095】第4の態様としては、前記複製禁止画像、
及び/又は、その改ざん画像に相当する基準パターンと
の適合度を弁別するについては2以上の閾値を用い、そ
れにより偽造可能性情報を多値論理にて生成することが
考えられる。前述したように、偽造可能性情報を基準パ
ターンとの適合度を表す数値等で提供した場合、装置本
体側における偽造可能性判定アルゴリズムの設計自由度
はもっとも高いが、その反面、装置本体側における制御
プログラムの複雑化は避け難い。一方、偽造可能性情報
を単一の閾値を用いた適合度弁別結果として提供した場
合には、装置本体側における適合度弁別処理が省略で
き、装置本体側の制御プログラムの簡素化を図ることが
できるが、その反面、適合度弁別結果は高いか低いかの
2値論理とならざるを得ず、閾値設定を適切に行わない
と、偽造原稿を見逃したり、一般原稿を偽造原稿と誤認
する等の不都合が生じる虞れがある。この第4の態様に
よれば、基準特徴パターンとの適合度を3段階以上に弁
別できるため、例えば、前述した第2の態様に適用した
場合であれば、複写機本体側では(1)偽造可能性があ
る、(2)偽造可能性が無い、の他に、(3)偽造可能
性がありそうである、と言った多値論理の形で偽造可能
性情報を入手することができる。すなわち、この態様に
よれば、予想される改ざん態様の全てに対応して基準パ
ターンを用意せずとも、必要最小限の改ざん態様に対応
する数の基準パターンを用意しておきさえすれば、その
他の多くの改ざん態様については、それに該当する可能
性が高いとの表現によりその旨を認識させることもでき
る。そのため、これに基き、複写機本体側においては、
(3)偽造可能性がありそうである、との情報に対応し
て、例えば複写機の場合であれば、当該原稿の複写に際
しては、縮小・拡大処理、色彩変更処理、濃度変更処理
等の加工を加えることにより、文字、図形等の内容情報
については認識可能であっても、実用には供し得ない複
写物が得られるようにする等の特種プリント処理が可能
になる。同様にして、第3の態様に適用した場合であつ
ても、前述の(3)の情報を加味した偽造判定アルゴリ
ズムを採用することにより、より確度の高い偽造可能性
情報の提供が可能となる。尚、この第4の態様では基準
特徴パターンとの適合度を4段階以上に弁別しても良い
ことは勿論であり、その場合には例えば、上述の(3)
偽造可能性がありそうである、の内容をさらに多段階に
弁別することもできる。
【0096】次に、本発明にかかる偽造可能性情報生成
装置を組み込んだ画像処理装置を複写機以外の画像関連
機器(プリンタ、スキャナ、ファクシミリ等)に適用し
た例を図22〜図26を参照して説明する。尚、念のた
め繰り返せば、ここで言う画像処理装置とは図1に示さ
れた、特定パターン検知手段1、特定パターン切り出し
手段2、及び特定パターンマッチング手段3を備えたも
のであり、本発明にかかる偽造可能性情報生成方法及び
装置は上記の特定パターンマッチング手段3の一機能と
して実現されているものである。
【0097】ところで、複写機の機能を分解すれば、画
像を読み取る手段若しくは画像を読み取って伝送する手
段、読み取られた画像をプリンアウトする手段、これら
両手段を互いに関連付ける手段とに分けることができ、
さらにこれらの各手段をそれぞれ専用機器に対応させる
とすれば、画像を読み取る手段若しくは画像を読み取っ
て伝送する手段はスキャナ若しくはファクシミリに、画
像をプリンアウトする手段はプリンタに、さらに両手段
を互いに関連付ける手段はパソコン等のコンピュータに
それぞれ対応させることができると考えられる。
【0098】従って、図22に示されるように、スキャ
ナ100と、コンピュータ110と、プリンタ120と
からなるシステム、或いは図示しないが、ファクシミリ
と伝送相手方ファクシミリ若しくはコンピュータを経由
したプリンタとからなるシステムにおいても、同様な特
徴パターンの改ざんによる偽造行為が十分に可能である
と考えられる。
【0099】すなわち、図示の例では、スキャナ100
の制御用CPU101では、読み取り部(例えば、フル
カラー読み取り部)102を介して原稿から生成された
画像データをインタフェース部103を介してコンピュ
ータ110側へと送出する。コンピュータ110のCP
U111では、スキャナ100から送られてくる画像デ
ータを受けとると共に、この画像データをそのまま、或
いはこれに画像編集ソフトウェア114を用いて適宜な
改ざんを加えた後、その画像データをインタフェース部
113を介してプリンタ120側へと送出する。プリン
タ120の制御用CPU121では、コンピュータ11
0から送られてくる画像データをインタフェース部12
2を介して受け取ると共に、これを印刷部(例えば、フ
ルカラー印刷部)123を介して印刷するようになされ
ている。
【0100】このようなシステムにおいて、例えばスキ
ャナ100にて読み取られるべき原稿に直接に改ざんが
加えられたり、或いは原稿自体には改ざんは加えられな
いものの、コンピュータ110の例えばCRT画面上に
おいて画像編集ソフトを用いて改ざんが行われば、複写
機の場合と全く同様な偽造行為が可能となる。
【0101】そこで、図23〜図25に示される例で
は、本発明の偽造可能性情報生成機能を内蔵する画像処
理装置200をそれらの機器に組み込むことにより、か
かる偽造行為の防止を図っている。
【0102】すなわち、図23の例では、スキャナ10
0に画像処理装置200を組み込むことにより、偽造行
為の防止を図っている。同図において、画像処理装置2
00から出力される偽造可能性情報は、スキャナ100
の制御用CPU101に送信される。制御用CPU10
1は、この偽造可能性情報に基いて偽造可能性を判定
し、偽造可能性ありと判定される場合には、インタフェ
ース部103に対して画像変更命令を出力する。インタ
フェース部103は、画像変更命令に応じて、コンピュ
ータ110へ送出されるべき画像データに対して所定の
変更処理(黒く塗りつぶしたり、縮小したりする処理)
を加える。その結果、最終的にプリンタ120からは実
用に供し得ない状態で印刷物が得られる。
【0103】図24の例では、コンピュータ110に画
像処理装置200を組み込むことにより、偽造行為の防
止を図っている。同図において、画像処理装置200か
ら出力される偽造可能性情報は、コンピュータ110の
CPU111に送信される。CPU111は、この偽造
可能性情報に基いて偽造可能性を判定し、偽造可能性あ
りと判定される場合には、インタフェース部113に対
して画像変更命令を出力する。インタフェース部113
は、画像変更命令に応じて、プリンタ120へ送出され
るべき画像データに対して所定の変更処理(黒く塗りつ
ぶしたり、縮小したりする処理)を加える。その結果、
最終的にプリンタ120からは実用に供し得ない状態で
印刷物が得られる。
【0104】図25の例では、プリンタ120に画像処
理装置200を組み込むことにより、偽造行為の防止を
図っている。同図において、画像処理装置200から出
力される偽造可能性情報は、プリンタ120制御用のC
PU121に送信される。制御用CPU121は、この
偽造可能性情報に基いて偽造可能性を判定し、偽造可能
性ありと判定される場合には、印刷部123に対して画
像変更命令を出力する。印刷部123は、画像変更処理
(黒く塗りつぶしたり、縮小したりする処理)を行う。
その結果、最終的にプリンタ120からは実用に供し得
ない状態で印刷物が得られる。
【0105】以上の各例の中で、特に、図24及び図2
5の例では、画像編集ソフトを用いた改ざんにも大きな
効果を上げることができる。図26に示されるように、
この種のシステムにおいては、直接原稿に改ざんを加え
なくとも、コンピュータのCRT表示画面上において画
像編集ソフト114を用いて画像データに改ざんを加え
ることにより、この種の偽造行為を成し遂げることがで
きる。しかしながら、これらの例にあっては、編集後の
画像データをプリンタ120へと送出する際に、その画
像データに基いて偽造可能性の有無がチェックされるた
め、ビデオインタフェース115を通してCRT表示器
に表示される画像データに改ざんを加えることはできて
も、その改ざん後の画像データを後段のプリンタ120
にて正常にプリントさせることはできず、その結果、プ
リントアウトされた印刷物が悪用される虞れを未然に防
止することができる。
【0106】尚、ファクシミリの場合には、図23に示
されるスキャナ100に画像処理装置200を組み込ん
だ例と同様に考えることができ、送信される画像データ
に対して画像変更処理(黒く塗りつぶしたり、縮小した
りする処理)を行えばよい。この場合、遠隔地に存在す
る相手方ファクシミリ或いはパソコンを経由するプリン
タ等に正常な画像が送られなくなり、その結果、プリン
トアウトされた印刷物が悪用される虞れを未然に防止す
ることができる。
【0107】また、画像変更処理は行なわず、単に偽造
可能性情報を付加してデータ送信を行ない、相手方機器
にて画像変更処理を行なわせてもよい。
【0108】
【発明の効果】以上の説明により明らかなように、本発
明にあっては、与えられた画像中に含まれる照合対象特
徴パターンを、基準特徴パターンと照合することによ
り、偽造可能性情報を生成する場合、前記照合対象特徴
パターンと前記基準特徴パターンとの照合には、複製禁
止画像に固有な特徴パターンのみならず、当該複製禁止
画像に固有な特徴パターンの改ざん結果に相当する特徴
パターンをもが使用される。その為、複製禁止画像に固
有な特徴パターンを故意に改ざんしても、それにより偽
造可能性情報に変動を来すことはない。
【0109】偽造可能性情報としては、基準特徴パター
ンとの適合度(第1の態様)、その適合度の弁別結果
(第2の態様)、各弁別結果を偽造可能性判断アルゴリ
ズムに当てはめて求められた演算結果(第3の態様)、
多値論理弁別結果又はそれを偽造可能性判断アルゴリズ
ムに当てはめて求められた演算結果(第4の態様)を採
用することができる他、基準特徴パターンには(1)複
製禁止画像に固有の特徴パターン、及びその改ざんされ
た特徴パターンの他に、複製を許可された一般画像に固
有な特徴パターンを含ませたり、(2)複製禁止画像又
はその改ざん画像との適合度が一定値を越える特徴パタ
ーンが与えられた画像中に幾つ又は所定個数以上含まれ
ているかの情報を付加することにより、当該偽造可能性
情報を取り扱う本体装置との整合性を満足させつつ、可
能な限り偽造可能性情報の確度を高めることができる。
【0110】さらに、本発明が適用されたシステム(複
写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ等)によれ
ば、それら機器単独で偽造防止機能を発揮することがで
きる他、スキャナやファクシミリにあっては偽造可能性
情報が付加されて画像データが出力されるため、その後
段に配置されたパソコンやプリンタにて必要な処理を実
行することにより、偽造防止機能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽造可能性情報が特定パターンマ
ッチング手段の一機能として組み込まれた画像処理装置
の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】特定パターン検知手段の内部構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】特定パターン検知手段を構成する平均化処理部
の内部構成を示すブロック図である。
【図4】特定パターン検知手段を構成するフリップフロ
ップ群の内部構成を示すブロック図である。
【図5】特定パターン検知手段を構成するデコード回路
の内部構成を示すブロック図である。
【図6】特定パターン検知手段を構成する予備判定部の
作用を説明する図である。
【図7】特定パターン切り出し手段及び特定パターンマ
ッチング手段の内部構成を示すブロック図である。
【図8】位置検出部におけるコーナー検出の作用を示す
図である。
【図9】位置検出部におけるコーナー検出の機能を示す
フローチャートである。
【図10】特定パターンマッチング手段の機能を示すフ
ローチャートである。
【図11】特定パターンマッチング手段において複写禁
止原稿に固有な特徴パターンから各特徴量領域の画素数
を抽出した結果を示す図である。
【図12】特定パターンマッチング手段において、複写
禁止原稿に固有な特徴パターンに対応してルールメモリ
及びメンバシップ関数メモリに格納されるルール及びメ
ンバシップ関数の一例を示す図である。
【図13】特定パターンマッチング手段で用いるファジ
イ知識の自動作成を説明する図である。
【図14】本発明に係る複写機の構造の一例を示す図で
ある。
【図15】本発明に係る複写機の回路構成の一例を示す
図である。
【図16】特定パターンマッチング手段において複写禁
止原稿に固有な特徴パターンが改ざんされた結果として
のパターンから各特徴量領域の画素数を抽出した結果を
示す図である。
【図17】特定パターンマッチング手段において、複写
禁止原稿に固有な特徴パターンが改ざんされたパターン
に対応してルールメモリ及びメンバシップ関数メモリに
格納されるルール及びメンバシップ関数の一例を示す図
である。
【図18】特定パターンマッチング手段において、複写
禁止原稿に固有な特徴パターンが改ざんされたパターン
に対応してルールメモリ及びメンバシップ関数メモリに
格納されるルール及びメンバシップ関数を使用してマッ
チングを行った結果を示す図である。
【図19】特定パターンマッチング手段において一般原
稿に固有な特徴パターンから各特徴量領域の画素数を抽
出した結果を示す図である。
【図20】特定パターンマッチング手段において、一般
原稿に固有な特徴パターンに対応してルールメモリ及び
メンバシップ関数メモリに格納されるルール及びメンバ
シップ関数を使用してマッチングを行った結果を示す図
である。
【図21】本発明に係る偽造可能性情報生成装置が組み
込まれた画像処理装置から提供された偽造可能性情報に
基く、複写機本体の動作の一例を示す図である。
【図22】スキャナ、コンピュータ、プリンタを組み合
わせた画像複製システムの基本構成を示すブロック図で
ある。
【図23】本発明に係る偽造可能性情報生成装置が組み
込まれた画像処理装置を、スキャナ、コンピュータ、プ
リンタを組み合わせた画像複製システムの特にスキャナ
に内蔵させた例を示すブロック図である。
【図24】本発明に係る偽造可能性情報生成装置が組み
込まれた画像処理装置を、スキャナ、コンピュータ、プ
リンタを組み合わせた画像複製システムの特にコンピュ
ータに内蔵させた例を示すブロック図である。
【図25】本発明に係る偽造可能性情報生成装置が組み
込まれた画像処理装置を、スキャナ、コンピュータ、プ
リンタを組み合わせた画像複製システムの特にプリンタ
に内蔵させた例を示すブロック図である。
【図26】本発明に係る偽造可能性情報生成装置が組み
込まれた画像処理装置を、スキャナ、コンピュータ、プ
リンタを組み合わせた画像複製システムの特にコンピュ
ータに内蔵させた場合の作用を説明するためのブロック
図である。
【符号の説明】
1 特定パターン検知手段 2 特定パターン切り出し手段 3 特定パターンマッチング手段 30 制御用CPU 35 ファジイ推論部 36a 特定パターン用ルールメモリ 36b 改ざんパターン用ルールメモリ 36c 一般原稿用ルールメモリ 37a 特定パターン用メンバシップ関数メモリ 37b 改ざんパターン用メンバシップ関数メモリ 37c 一般原稿用メンバシップ関数メモリ 38 切り替え部 39 推論結果保存メモリ R1〜R4 特徴量領域 100 スキャナ 110 コンピュータ 120 プリンタ 200,300 画像処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤木 政弘 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 オ ムロン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 与えられた画像中に含まれる照合対象特
    徴パターンを、基準特徴パターンと照合することによ
    り、偽造可能性情報を生成する偽造可能性情報生成方法
    において、 前記基準特徴パターンには、複製禁止画像に固有な特徴
    パターンのほかに、当該複製禁止画像に固有な特徴パタ
    ーンの改ざん結果に相当する特徴パターンが含まれてい
    ること、を特徴とする偽造可能性情報生成方法。
  2. 【請求項2】 前記偽造可能性情報は、基準となる各特
    徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの適
    合度であること、を特徴とする請求項1に記載の偽造可
    能性情報生成方法。
  3. 【請求項3】 前記偽造可能性情報は、基準となる各特
    徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの適
    合度を所定の閾値を用いて弁別して得られた弁別結果で
    あること、を特徴とする請求項1に記載の偽造可能性情
    報生成方法。
  4. 【請求項4】 前記偽造可能性情報は、基準となる各特
    徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの適
    合度を所定の閾値を用いて弁別して得られた弁別結果を
    さらに所定の偽造可能性判断アルゴリズムに当て嵌めて
    求められた演算結果であること、を特徴とする請求項1
    に記載の偽造可能性情報生成方法。
  5. 【請求項5】 前記複製禁止画像、及び/又は、その改
    ざん画像に相当する基準パターンとの適合度を弁別する
    については2以上の閾値が用いられ、それにより偽造可
    能性情報は多値論理にて生成されることを特徴とする請
    求項3若しくは請求項4に記載の偽造可能性情報生成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記基準特徴パターンには、複製を許可
    された一般画像に固有な特徴パターンがさらに含まれて
    いること、を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか
    に記載の偽造可能性情報生成方法。
  7. 【請求項7】 前記偽造可能性情報には、前記複製禁止
    画像又はその改ざん画像との適合度が一定値を越える特
    徴パターンが与えられた画像中に幾つ又は所定個数以上
    含まれているかの情報が付加されていること、を特徴と
    する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の偽造可能性
    情報生成方法。
  8. 【請求項8】 与えられた画像中に含まれる照合対象特
    徴パターンを、基準特徴パターンと照合することによ
    り、偽造可能性情報を生成する偽造可能性情報生成装置
    において、 前記基準特徴パターンには、複製禁止画像に固有な特徴
    パターンのほかに、当該複製禁止画像に固有な特徴パタ
    ーンの改ざん結果に相当する特徴パターンが含まれてい
    ること、を特徴とする偽造可能性情報生成装置。
  9. 【請求項9】 前記偽造可能性情報は、基準となる各特
    徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの適
    合度であること、を特徴とする請求項8に記載の偽造可
    能性情報生成装置。
  10. 【請求項10】 前記偽造可能性情報は、基準となる各
    特徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの
    適合度を所定の閾値を用いて弁別して得られた弁別結果
    であること、を特徴とする請求項8に記載の偽造可能性
    情報生成装置。
  11. 【請求項11】 前記偽造可能性情報は、基準となる各
    特徴パターン毎に求められた照合対象特徴パターンとの
    適合度を所定の閾値を用いて弁別して得られた弁別結果
    をさらに所定の偽造可能性判断アルゴリズムに当て嵌め
    て求められた演算結果であること、を特徴とする請求項
    8に記載の偽造可能性情報生成装置。
  12. 【請求項12】 前記複製禁止画像、及び/又は、その
    改ざん画像に相当する基準パターンとの適合度を弁別す
    るについては2以上の閾値が用いられ、それにより偽造
    可能性情報は多値論理にて生成されることを特徴とする
    請求項10若しくは請求項11に記載の偽造可能性情報
    生成装置。
  13. 【請求項13】 前記基準特徴パターンには、複製を許
    可された一般画像に固有な特徴パターンがさらに含まれ
    ていること、を特徴とする請求項8〜請求項12のいず
    れかに記載の偽造可能性情報生成装置。
  14. 【請求項14】 前記偽造可能性情報には、前記複製禁
    止画像又はその改ざん画像との適合度が一定値を越える
    特徴パターンが与えられた画像中に幾つ又は所定個数以
    上含まれているかの情報が付加されていること、を特徴
    とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の偽造可
    能性情報生成装置。
  15. 【請求項15】 読み取られた画像中に含まれる照合対
    象特徴パターンを、複製禁止画像に固有な特徴パター
    ン、及び/又は、当該複製禁止画像に固有な特徴パター
    ンの改ざん結果に相当する特徴パターンと照合すること
    により、偽造可能性情報を生成する偽造可能性情報生成
    装置を内蔵し、該偽造可能性情報生成装置にて生成され
    た偽造可能性情報に基いて当該画像のプリント出力を適
    宜に制御することを特徴とする複写機。
  16. 【請求項16】 入力された画像中に含まれる照合対象
    特徴パターンを、複製禁止画像に固有な特徴パターン、
    及び/又は、当該複製禁止画像に固有な特徴パターンの
    改ざん結果に相当する特徴パターンと照合することによ
    り、偽造可能性情報を生成する偽造可能性情報生成装置
    を内蔵し、該偽造可能性情報生成装置にて生成された偽
    造可能性情報に基いて当該画像のプリント出力を適宜に
    制御することを特徴とするプリンタ。
  17. 【請求項17】 読み取られた画像中に含まれる照合対
    象特徴パターンを、複製禁止画像に固有な特徴パター
    ン、及び/又は、当該複製禁止画像に固有な特徴パター
    ンの改ざん結果に相当する特徴パターンと照合すること
    により、偽造可能性情報を生成する偽造可能性情報生成
    装置を内蔵し、該偽造可能性情報生成装置にて生成され
    た偽造可能性情報に基いて当該読み取られた画像データ
    の出力を適宜に制御することを特徴とするファクシミリ
    又はスキャナ。
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