JPH08138667A - 鉛蓄電池活物質用鉛粉およびその製造法、鉛蓄電池活物質用鉛粉製造用鉛塊 - Google Patents
鉛蓄電池活物質用鉛粉およびその製造法、鉛蓄電池活物質用鉛粉製造用鉛塊Info
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- JPH08138667A JPH08138667A JP6274138A JP27413894A JPH08138667A JP H08138667 A JPH08138667 A JP H08138667A JP 6274138 A JP6274138 A JP 6274138A JP 27413894 A JP27413894 A JP 27413894A JP H08138667 A JPH08138667 A JP H08138667A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】極板の熟成工程で活物質中に含まれる金属鉛の
酸化が速く進む鉛粉を提供する。また、そのような鉛粉
を製造する。 【構成】高純度の鉛を正三角錐状に鋳造した多数の鉛塊
を回転するドラムに投入し、鉛粉を製造する。この鉛粉
は、ドラムの中で上部まで持ち上げられた後に衝突する
ため鉛塊同士の衝突が激しく起こり、生成した金属鉛粉
は薄片状となる。表面積が広いため、熟成工程で酸化反
応が速く進む。鉛塊の形状は、ほかに、角柱、円錐台、
三角錐台、樋形状等を採用できる。
酸化が速く進む鉛粉を提供する。また、そのような鉛粉
を製造する。 【構成】高純度の鉛を正三角錐状に鋳造した多数の鉛塊
を回転するドラムに投入し、鉛粉を製造する。この鉛粉
は、ドラムの中で上部まで持ち上げられた後に衝突する
ため鉛塊同士の衝突が激しく起こり、生成した金属鉛粉
は薄片状となる。表面積が広いため、熟成工程で酸化反
応が速く進む。鉛塊の形状は、ほかに、角柱、円錐台、
三角錐台、樋形状等を採用できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池極板を製造す
るための活物質用鉛粉に関する。
るための活物質用鉛粉に関する。
【０００２】
【従来の技術】鉛蓄電池のペースト式極板の製造工程に
は、格子体にペースト状活物質を充填した未乾燥の極板
を恒温・恒湿度雰囲気に放置する熟成工程が含まれる。
熟成工程の目的は、活物質粒子同士および活物質と格子
体間の結合を強くし、極板に必要な強度を付与し、ま
た、活物質の多孔度を上げることである。熟成工程は、
電池の寿命や容量を左右する重要な工程となっている。
熟成工程で上記の結合を強くするためには、一酸化鉛を
主体とする活物質用鉛粉に適度な量の金属鉛を残留さ
せ、熟成工程で前記金属鉛を徐々に酸化させるとよいこ
とが知られている。通常、酸化度が７０〜９０％の鉛粉
が活物質用として用いられている。このような鉛粉は、
鉛塊を投入したドラムを、ドラムに空気を送り込みなが
ら回転させ、鉛塊を粉砕して酸化する方法（ボールミル
法）、または、溶融鉛を撹拌翼によって激しく撹拌し飛
散させて酸化する方法（バートンポット法）で製造され
ている。ボールミル法では、高純度の鉛を円柱状に鋳造
した鉛塊を回転するドラムに多数投入し、鉛塊同士が衝
突して生成した鉛粉が回転するドラムの中で徐々に酸化
されていく。
は、格子体にペースト状活物質を充填した未乾燥の極板
を恒温・恒湿度雰囲気に放置する熟成工程が含まれる。
熟成工程の目的は、活物質粒子同士および活物質と格子
体間の結合を強くし、極板に必要な強度を付与し、ま
た、活物質の多孔度を上げることである。熟成工程は、
電池の寿命や容量を左右する重要な工程となっている。
熟成工程で上記の結合を強くするためには、一酸化鉛を
主体とする活物質用鉛粉に適度な量の金属鉛を残留さ
せ、熟成工程で前記金属鉛を徐々に酸化させるとよいこ
とが知られている。通常、酸化度が７０〜９０％の鉛粉
が活物質用として用いられている。このような鉛粉は、
鉛塊を投入したドラムを、ドラムに空気を送り込みなが
ら回転させ、鉛塊を粉砕して酸化する方法（ボールミル
法）、または、溶融鉛を撹拌翼によって激しく撹拌し飛
散させて酸化する方法（バートンポット法）で製造され
ている。ボールミル法では、高純度の鉛を円柱状に鋳造
した鉛塊を回転するドラムに多数投入し、鉛塊同士が衝
突して生成した鉛粉が回転するドラムの中で徐々に酸化
されていく。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記のバートンポット
法で製造された鉛粉は、残留している金属鉛の形状が球
状に近い。ボールミル法による場合でも、表面に凹凸の
ある球に近い形状となっている。このような形状の金属
鉛を熟成工程で酸化し酸化反応を完結させるためには２
４時間程度を要し、製造工程を長くする原因となってい
る。本発明が解決しようとする課題は、熟成工程で金属
鉛の酸化が速く進む活物質用鉛粉を提供することであ
る。また、そのような鉛粉を製造することである。
法で製造された鉛粉は、残留している金属鉛の形状が球
状に近い。ボールミル法による場合でも、表面に凹凸の
ある球に近い形状となっている。このような形状の金属
鉛を熟成工程で酸化し酸化反応を完結させるためには２
４時間程度を要し、製造工程を長くする原因となってい
る。本発明が解決しようとする課題は、熟成工程で金属
鉛の酸化が速く進む活物質用鉛粉を提供することであ
る。また、そのような鉛粉を製造することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る活物質用鉛粉は、一酸化鉛と金属鉛を主
成分とし、金属鉛が薄片状であることを特徴とする。ま
た、本発明に係る製造法は、三角錐形状に鋳造した多数
の鉛塊を回転するドラムに投入し、鉛塊同士を衝突させ
て鉛粉を生成させることを特徴とする。鉛塊の形状は、
角柱、円錐台、三角錐台、樋形状から選ばれる形状であ
ってもよい。
の本発明に係る活物質用鉛粉は、一酸化鉛と金属鉛を主
成分とし、金属鉛が薄片状であることを特徴とする。ま
た、本発明に係る製造法は、三角錐形状に鋳造した多数
の鉛塊を回転するドラムに投入し、鉛塊同士を衝突させ
て鉛粉を生成させることを特徴とする。鉛塊の形状は、
角柱、円錐台、三角錐台、樋形状から選ばれる形状であ
ってもよい。
【０００５】
【作用】極板の熟成工程における金属鉛の酸化反応は、
下記の（化１）に示す工程を経て進む。この酸化反応
は、固体（Ｐｂ）、液体（Ｈ2Ｏ）、気体（Ｏ2）の三相
間で起こるため、固体の表面積が大きいほど反応面積が
増加し、酸化反応が短時間で完結することになる。本発
明に係る鉛粉は、金属鉛が薄片状であるので表面積が広
くなり、酸化反応が短時間で完結する。本発明に係る方
法によれば、鉛塊が三角錐形状であるために鉛塊の中に
角部がたくさん存在し鉛塊同士の衝突が激しく起こり、
生成した金属鉛粉は薄片状となる。
下記の（化１）に示す工程を経て進む。この酸化反応
は、固体（Ｐｂ）、液体（Ｈ2Ｏ）、気体（Ｏ2）の三相
間で起こるため、固体の表面積が大きいほど反応面積が
増加し、酸化反応が短時間で完結することになる。本発
明に係る鉛粉は、金属鉛が薄片状であるので表面積が広
くなり、酸化反応が短時間で完結する。本発明に係る方
法によれば、鉛塊が三角錐形状であるために鉛塊の中に
角部がたくさん存在し鉛塊同士の衝突が激しく起こり、
生成した金属鉛粉は薄片状となる。
【０００６】
【化１】
【０００７】
【実施例】高純度の鉛を正三角錐状に鋳造した多数の鉛
塊を回転するドラムに投入し、鉛粉を製造した。この鉛
粉は、ドラムの中で上部まで持ち上げられた後に衝突す
るため鉛塊同士の衝突が激しく起こる。衝突した鉛塊の
角部で削られて生成した金属鉛粉は薄片状となる。図１
（ａ）は、生成した鉛粉を樹脂に埋め込み研磨して断面
を観察し、金属鉛粉だけを取り出してその形状を模式的
に示したものである。また、図１（ｂ）は、高純度の鉛
を円柱状に鋳造した多数の鉛塊を回転するドラムに投入
して製造した鉛粉（従来例）において、図１（ａ）と同
様に金属鉛粉だけを取り出してその形状を模式的に示し
たものである。図１（ａ）および（ｂ）の比較から、本
発明に係る鉛粉は金属鉛粉が薄片状であることを理解で
きる。上記実施例の鉛粉と従来例の鉛粉をそれぞれ原料
としてペースト状活物質を調製し、これを格子体に充填
して、２４時間熟成した極板と６時間熟成した極板を製
造した。熟成の雰囲気条件は、３５℃、９８％Ｒ．Ｈ．
である。極板製造条件を表１にまとめて示した。
塊を回転するドラムに投入し、鉛粉を製造した。この鉛
粉は、ドラムの中で上部まで持ち上げられた後に衝突す
るため鉛塊同士の衝突が激しく起こる。衝突した鉛塊の
角部で削られて生成した金属鉛粉は薄片状となる。図１
（ａ）は、生成した鉛粉を樹脂に埋め込み研磨して断面
を観察し、金属鉛粉だけを取り出してその形状を模式的
に示したものである。また、図１（ｂ）は、高純度の鉛
を円柱状に鋳造した多数の鉛塊を回転するドラムに投入
して製造した鉛粉（従来例）において、図１（ａ）と同
様に金属鉛粉だけを取り出してその形状を模式的に示し
たものである。図１（ａ）および（ｂ）の比較から、本
発明に係る鉛粉は金属鉛粉が薄片状であることを理解で
きる。上記実施例の鉛粉と従来例の鉛粉をそれぞれ原料
としてペースト状活物質を調製し、これを格子体に充填
して、２４時間熟成した極板と６時間熟成した極板を製
造した。熟成の雰囲気条件は、３５℃、９８％Ｒ．Ｈ．
である。極板製造条件を表１にまとめて示した。
【０００８】
【表１】
【０００９】これら極板を用いて組み立てた鉛蓄電池
（Ａ〜Ｄ）のサイクル寿命特性を調べた結果を図２に示
す。試験は、１．５Ａ（２．４５Ｖ制限）で２０時間充
電し、１．２５Ａで終止電圧１．７Ｖまで放電する繰返
しを行ない、放電容量を測定するものである。図２から
明らかなように、実施例の鉛粉を活物質に用いた極板
は、熟成工程の時間が短くても、熟成工程が長い場合と
同等の寿命性能を備えている。
（Ａ〜Ｄ）のサイクル寿命特性を調べた結果を図２に示
す。試験は、１．５Ａ（２．４５Ｖ制限）で２０時間充
電し、１．２５Ａで終止電圧１．７Ｖまで放電する繰返
しを行ない、放電容量を測定するものである。図２から
明らかなように、実施例の鉛粉を活物質に用いた極板
は、熟成工程の時間が短くても、熟成工程が長い場合と
同等の寿命性能を備えている。
【００１０】上記実施例では、ボールミル法による鉛粉
の製造に、鉛塊として図３（ａ）に示すような三角錐形
状のものを用いたが、（ｂ）に示した角柱、（ｃ）に示
した円錐台、（ｄ）に示した三角錐台、（ｅ）に示した
樋形状など、多くの角を有する形状の鉛塊を用いること
により同等の効果を得ることができる。
の製造に、鉛塊として図３（ａ）に示すような三角錐形
状のものを用いたが、（ｂ）に示した角柱、（ｃ）に示
した円錐台、（ｄ）に示した三角錐台、（ｅ）に示した
樋形状など、多くの角を有する形状の鉛塊を用いること
により同等の効果を得ることができる。
【００１１】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る鉛粉は、金
属鉛粉が薄片状であるため、この鉛粉を活物質とした極
板の熟成工程において、金属鉛粉の酸化が速く進み、熟
成工程を短くすることができる。熟成工程を短くしても
電池性能は低下することなく、熟成工程の時間を長くと
った従来の鉛蓄電池と同等の性能を保持している。本発
明に係る方法によれば、薄片状金属鉛粉を含む鉛粉を容
易に製造することができる。
属鉛粉が薄片状であるため、この鉛粉を活物質とした極
板の熟成工程において、金属鉛粉の酸化が速く進み、熟
成工程を短くすることができる。熟成工程を短くしても
電池性能は低下することなく、熟成工程の時間を長くと
った従来の鉛蓄電池と同等の性能を保持している。本発
明に係る方法によれば、薄片状金属鉛粉を含む鉛粉を容
易に製造することができる。
【図１】本発明に係る実施例の鉛粉と従来の鉛粉におけ
る金属鉛粉の形状を示す模式図である。
る金属鉛粉の形状を示す模式図である。
【図２】本発明に係る実施例の鉛粉と従来の鉛粉を活物
質に用いた鉛蓄電池のサイクル寿命特性を示す曲線図で
ある。
質に用いた鉛蓄電池のサイクル寿命特性を示す曲線図で
ある。
【図３】本発明に係る鉛粉製造用の鉛塊の例を示す斜視
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項１】一酸化鉛と金属鉛を主成分とし、金属鉛が
薄片状である鉛蓄電池活物質用鉛粉。 - 【請求項２】三角錐、角柱、円錐台、三角錐台、樋形状
から選ばれる形状に鋳造した多数の鉛塊を回転するドラ
ムに投入し、鉛塊同士を衝突させて鉛粉を生成させるこ
とを特徴とする鉛蓄電池活物質用鉛粉の製造法。 - 【請求項３】三角錐、角柱、円錐台、三角錐台、樋形状
から選ばれる形状であることを特徴とする鉛蓄電池活物
質用鉛粉製造用鉛塊。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27413894A JP3511695B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鉛蓄電池活物質用鉛粉の製造法および鉛蓄電池活物質用鉛粉製造用鉛塊 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27413894A JP3511695B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鉛蓄電池活物質用鉛粉の製造法および鉛蓄電池活物質用鉛粉製造用鉛塊 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08138667A true JPH08138667A (ja) | 1996-05-31 |
| JP3511695B2 JP3511695B2 (ja) | 2004-03-29 |
Family
ID=17537557
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27413894A Expired - Fee Related JP3511695B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 鉛蓄電池活物質用鉛粉の製造法および鉛蓄電池活物質用鉛粉製造用鉛塊 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3511695B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011187387A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-09-22 | Gs Yuasa Corp | 鉛蓄電池用負極板 |
-
1994
- 1994-11-09 JP JP27413894A patent/JP3511695B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011187387A (ja) * | 2010-03-10 | 2011-09-22 | Gs Yuasa Corp | 鉛蓄電池用負極板 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3511695B2 (ja) | 2004-03-29 |
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