JP2003331833A - 鉛蓄電池用鉛粉とその製造法 - Google Patents

鉛蓄電池用鉛粉とその製造法

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JP2003331833A
JP2003331833A JP2002135139A JP2002135139A JP2003331833A JP 2003331833 A JP2003331833 A JP 2003331833A JP 2002135139 A JP2002135139 A JP 2002135139A JP 2002135139 A JP2002135139 A JP 2002135139A JP 2003331833 A JP2003331833 A JP 2003331833A
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lead powder
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water
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Takehiro Sasaki
健浩 佐々木
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御弁式鉛蓄電池をトリクル充電した時のト
リクル電流値のばらつきを抑制し、かつ低減させること
によりトリクル寿命特性に優れた鉛蓄電池を得ること。 【解決手段】 負極活物質用の鉛粉に含まれる水分量を
鉛粉質量に対して0.7質量%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池の活物質製
造に使用する鉛粉とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池の活物質原料に用いる鉛粉の製
造方法としてボ−ルミル式、バートンポット式等が知ら
れている。この中でもボールミル式の鉛粉製造機1は図
1に示した如く、回転するミル2に鉛塊3をミル入口4
より投入し、鉛塊同士を衝突させるとともに、ノズル5
から空気をミル2内に供給する。ミル2内に供給された
空気中に含まれる酸素によって鉛塊表面が酸化して一酸
化鉛が生成し、さらに鉛塊同士の衝突により、鉛塊表面
に生成した一酸化鉛が剥離したり、鉛塊が粉砕されて鉛
粉が生成する。ミル出口6の気圧はミル入口4より負圧
にし、生成した鉛粉をミル出口6へ移動させる。ミル出
口6から搬出された鉛粉はさらに分級機を通り、粒度の
大きい鉛粉は再びミル入口4よりミル2内に戻され、粒
子径が規定以下の鉛粉のみ排出される。
【0003】このようにして生産された鉛粉は一旦貯蔵
タンクに貯蔵されたのち、鉛蓄電池用活物質ぺーストを
混錬するための練合機に供給する。このようにして製造
された鉛粉は一酸化鉛を70質量%〜80質量%、金属
鉛を30質量%〜20質量%含んでいる。鉛粉を貯蔵保
管する間、鉛粉中に含まれる金属鉛が空気中の酸素と化
合して一酸化鉛へと組成変化することによって活物質ペ
ーストの性状、組成をばらつかせたり、鉛粉が空気中の
水分を吸収することによって凝集し、鉛粉の搬送に支障
をきたさないよう、空気あるいは空気中の水分と接触し
ないよう、保管状態への配慮が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、鉛蓄電池は車両
始動用をはじめとして種々の用途に用いられている。そ
の中でも制御弁式鉛蓄電池は数Ah〜数百Ahの広い放
電容量の範囲で他のアルカリ蓄電池等の他の二次電池と
比較して安価なことから、バックアップ電源用に用いら
れている。
【0005】バックアップ電源用の制御弁式鉛蓄電池は
バックアップ放電に備えて常にトリクル充電が行われ
る。このトリクル充電は通常、定電圧充電制御が用いら
れる。このトリクル充電時における充電電流(以下、ト
リクル電流)は過大になると正極格子の腐食が促進され
るので電池の寿命は低下する。
【0006】このようにトリクル電流値は電池寿命に大
きく影響するものの、その値は同一電池でもある程度の
範囲でばらつくことがあった。このトリクル電流値のば
らつく要因が検討されてきたが、依然としてその要因を
解明するにいたらなかった。
【0007】しかしながら、本発明の発明者らはこのト
リクル電流値がばらつく要因を鋭意検討してきた結果、
鉛粉への吸着水分量がある閾値を超えるとトリクル電流
値が急激に増加することを見出した。
【0008】本発明は活物質原料としての鉛粉の吸着水
分量を厳密に規定することによって、トリクル電流値の
ばらつきを抑制し、安定したトリクル寿命を有する制御
弁式鉛蓄電池を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために本発明の請求項1に係る発明は、一酸化鉛を主成
分とする鉛蓄電池用鉛粉において、鉛粉中の水分量を鉛
粉質量に対して0.7質量%以下としたことを特徴とす
る鉛蓄電池用鉛粉を示すものである。
【0010】本発明の請求項2に係る発明は、鉛塊をミ
ルで粉砕しながらこのミル内に空気を供給することによ
って一酸化鉛を主成分とする鉛粉を得る鉛蓄電池用鉛粉
の製造法であって、ミル内に供給する空気の相対湿度を
30RH%以下とすることによって鉛粉中の水分量を
0.7質量%以下に規定する鉛蓄電池用鉛粉の製造法を
示すものである。
【0011】本発明の請求項3に係る発明は、請求項2
の鉛蓄電池用鉛粉の製造方法において、ミル内の温度を
180℃以上とすることを特徴とする鉛蓄電池用鉛粉の
製造法を示すものである。
【0012】本発明の請求項4に係る発明は、請求項2
で得た鉛粉に水もしくは水および硫酸で混練した活物質
ペーストを負極に用いたことを特徴とする制御弁式鉛蓄
電池の製造方法を示すものである。
【0013】さらに本発明の請求項5に係る発明は、請
求項3の制御弁式鉛蓄電池において、正極活物質の理論
容量よりも負極活物質の理論容量を小に構成したことを
構成上の特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0015】本発明の鉛蓄電池用鉛粉は一酸化鉛を主成
分とし、残部が金属鉛で構成される。本発明では一酸化
鉛と金属鉛の組成比を限定するものではないが、ボール
ミル式鉛粉の場合、従来より知られているように、80
〜70質量%の一酸化鉛、20〜30質量%の金属鉛で
構成される。ここで、本発明においてはこの鉛粉中の水
分量を鉛粉質量に対して0.7質量%以下とする。
【0016】鉛粉中の水分量を0.7質量%以下とした
本発明の鉛粉を用いて定法により、水もしくは水および
希硫酸で混練した活物質ペーストを負極に用いることに
よって負極板を作成する。この負極板と定法による正極
板およびガラスマット等のリテーナとを組み合わせて本
発明の制御弁式鉛蓄電池を得ることができる。
【0017】このような本発明の構成により、トリクル
充電時におけるトリクル電流値を低下させ、正極格子体
の腐食を抑制することによって、電池のトリクル寿命特
性を改善することができる。
【0018】また、本発明の効果をより顕著に得るため
に、電池の単一セルを構成する正極活物質の理論容量よ
りも負極活物質の理論容量を少なく構成することが好ま
しい。このような構成の電池では負極活物質の特性によ
ってトリクル電流が支配されるためである。
【0019】鉛粉中の水分量を規定する手段としては、
図1に示したようなボールミル式鉛粉の製造方法におい
て、ミル2内に供給する空気の相対湿度を除湿装置等の
湿度制御手段を用いて30RH%以下に制御する。この
ミル内への供給空気の湿度を30RH%以下とすること
によって、ミル2から排出される鉛粉中の水分量を0.
7質量%以下とすることができる。
【0020】
【実施例】図1に示したようなボールミル式の鉛粉を作
成した。なお、鉛粉に含まれる水分量を種々に変化させ
た。また、ミル内の温度を180℃とした。ここで本発
明の発明者らはミル2内に供給する空気の相対湿度とミ
ルから排出される鉛粉中に含まれる水分量との関係を予
め測定した。その結果を図2に示す。図2に示したよう
に、供給空気の相対湿度によって鉛粉中の水分量が決定
されることがわかる。本実施例においてはこの供給空気
の相対湿度を種々の水分量の鉛粉を作成した。
【0021】これらの鉛粉にカーボン、リグニンおよび
硫酸バリウムを添加して混合した後、水を添加する水練
り、そして希硫酸を滴下しながら硫酸練りを行った後、
仕上げ練りを行い、鉛蓄電池用負極ペーストとした。こ
の負極ペーストをPb−0.08質量%Ca合金格子に
充填して熟成乾燥を行い、未化成の負極板とした。
【0022】表1に示したように、これらの未化成の負
極板とガラスマットセパレータおよび定法による正極板
とを組み合わせて公称電圧2V、10時間率定格容量1
200Ahの制御弁式鉛蓄電池(以下、電池)を作成し
た。また、正極活物質の理論容量C+と負極活物質の理
論容量C-の比率(C-/C+)を0.8、1.0および
1.1に変化させた。
【0023】
【表1】
【0024】表1に示したそれぞれの電池について60
℃中気相雰囲気下でトリクル寿命試験を実施した。試験
条件は、2.25Vの定電圧充電を1ヶ月連続して行
い、容量試験を行った後、再び前記した2.25V定電
圧充電を繰返して行い、電池容量が初期の50%以下に
なった時点で電池寿命とした。また、充電中の充電電流
(トリクル電流)も合せて測定した。これらの結果を図
3に示す。
【0025】図3に示したように、負極活物質に用いる
鉛粉中に含まれる水分量を0.7質量%以下とすること
により、トルクル寿命期間が急激に改善できることがわ
かる。このとき、トリクル電流は急激に減少している。
寿命終了した電池を分解調査したところ、鉛粉中の水分
量が0.7質量%を超えた電池は正極格子体の腐食が著
しく進行していた。これらのことから、鉛粉中の水分量
を0.7質量%以下とすれば、トリクル電流は減少し、
結果として正極格子体の腐食が抑制されることによって
トリクル寿命が伸長すると推測される。
【0026】また特に、正極活物質の理論容量C+と負
極活物質の理論容量C-の比率(C-/C+)を0.8、
1.0にした電池については該比率を1.1にした電池
に比較してトリクル寿命の改善程度が大きい。
【0027】トリクル電流値は正・負極活物質の量、比
表面積等によって影響を受けるが、C-<C+とした場
合、負極の活物質特性がトリクル電流値に大きく影響す
ることから本発明の効果が顕著に奏されるものと推測さ
れる。C->C+とした場合にはトリクル電流値に対する
負極活物質の影響が低下する。したがって、本発明の効
果をより顕著に得るためには正極活物質の理論容量C+
に対して負極活物質の理論容量C-を小にした電池に本
発明を適用することが好ましい。
【0028】また、本発明の鉛粉を正極に用いることも
もちろん可能であるが、正極に用いた場合には負極で用
いた場合のようなトリクル電流を低下させる効果は殆ど
得られない。
【0029】
【発明の効果】前記したように本発明によれば、制御弁
式鉛蓄電池においてトリクル充電時におけるトリクル電
流を減少させることによって良好なトリクル寿命特性を
有する電池を提供できることから、工業上極めて有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボールミル式鉛粉製造の概略を示す図
【図2】ミルへの供給空気の相対湿度と鉛粉中の水分量
との関係を示す図
【図3】実施例における供試電池のトリクル寿命特性を
示す図
【符号の説明】
1 鉛粉製造機 2 ミル 3 鉛塊 4 ミル入口 5 ノズル 6 ミル出口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化鉛を主成分とする鉛蓄電池用鉛粉
    であって、前記鉛粉中の水分量を鉛粉質量に対して0.
    7質量%以下としたことを特徴とする鉛蓄電池用鉛粉。
  2. 【請求項2】 鉛塊をミルで粉砕しながらこのミル内に
    空気を供給することによって一酸化鉛を主成分とする鉛
    粉を得る鉛蓄電池用鉛粉の製造法であって、前記空気の
    相対湿度を30RH%以下とすることによって請求項1
    記載の鉛粉を得る鉛蓄電池用鉛粉の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の鉛粉に水もしくは水およ
    び硫酸で混練した活物質ペーストを負極に用いたことを
    特徴とする制御弁式鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 請求項2で得た鉛粉に水もしくは水およ
    び硫酸で混練した活物質ペーストを負極に用いたことを
    特徴とする制御弁式鉛蓄電池の製造法。
  5. 【請求項5】 正極活物質の理論容量よりも負極活物質
    の理論容量を小に構成した請求項3に記載の制御弁式鉛
    蓄電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007095626A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Furukawa Battery Co Ltd:The 鉛蓄電池の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007095626A (ja) * 2005-09-30 2007-04-12 Furukawa Battery Co Ltd:The 鉛蓄電池の製造方法

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