JPH08137142A - 電子写真用二成分現像剤、及び現像剤を構成するキャリアの製造方法 - Google Patents

電子写真用二成分現像剤、及び現像剤を構成するキャリアの製造方法

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JPH08137142A
JPH08137142A JP6296043A JP29604394A JPH08137142A JP H08137142 A JPH08137142 A JP H08137142A JP 6296043 A JP6296043 A JP 6296043A JP 29604394 A JP29604394 A JP 29604394A JP H08137142 A JPH08137142 A JP H08137142A
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Hitoshi Itabashi
仁 板橋
Yoshinobu Baba
善信 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高画質、高精彩な複写画像を出力することが
出来る電子写真用二成分現像剤の提供、及び該現像剤の
構成成分のキャリアの製造方法を提供。 【構成】 構成成分として、コア材表面の樹脂被覆率が
90%以上のキャリア粒子が全体の80個数%以上、そ
の比抵抗が1012Ωcm以上、平均粒径が100μm以
下、且つ該キャリアの粒径と磁気特性とによって決定さ
れる高画質化パラメータKPが0.08<KP<1.0
emu/cm2の範囲となる様な樹脂被覆キャリアと、
重量平均粒径が8μm以下であり、個数分布変動係数A
が40以下、且つ、体積分布変動係数Bが30以下とな
る様なトナーとを用い、且つ、該トナーによる上記キャ
リアの被覆充填率を30〜100%の範囲とした電子写
真用二成分現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーとキャリアとを
混合してなる静電荷像現像剤及びその現像剤を構成する
キャリアの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法として米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載
されているが、これらの方法は、いずれも光導電層に原
稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成
し、次いで、該静電潜像上にこれとは反対の極性を有す
るトナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像
を現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転
写した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着して
複写物を得るものである。
【0003】上記の静電潜像を現像する工程は、帯電さ
せたトナー粒子を静電潜像上に静電相互作用を利用して
付着させ、静電潜像上に画像形成を行うものであるが、
一般的に、静電潜像をトナーを用いて現像する方法のう
ち、キャリアと呼ばれる媒体にトナーを分散させた二成
分系現像剤を用いる方法が、特に高画質を要求されるフ
ルカラー複写機に好適に用いられている。又、近年、コ
ンピューター、ハイビジョン等の発達により、更に高精
細なフルカラー画像を出力する手段が要求されている
為、フルカラーの複写画像を更に高画質、高精細とし、
銀塩写真の画像水準にまで高品質化するといった努力が
なされている。こうした要求に応じ、従来よりプロセス
及び材料といった種々の観点から検討が加えられてい
る。例えば、電子写真プロセスに関して言えば、画像を
アナログ処理からディジタル処理する方式に変更する方
法、或いは、現像時に交流バイアスを印加し現像剤ブラ
シを細かく振動させる方法等を挙げることが出来る。
又、現像剤等の消耗品に関して言えば、キャリア及びト
ナーの粒径を小さくする方法や、キャリアの磁気力を小
さくする方法等をその代表的なものとして挙げることが
出来る。
【0004】上述した画質向上方法のうち、比較的容易
に明瞭な高画質化を達成することが出来るのは、消耗品
であるトナーの小粒径化である。しかしながら、トナー
の小粒径化では、粉体の取り扱い上の問題が発生してく
る。即ち、小粒径化したトナーを用いるとトナー帯電量
の制御が難しく、トナー飛散やカブリといった不具合が
生じ易い。これに対し、トナー帯電量分布をシャープ化
する為にトナーの含有率を減らすと、画像におけるドッ
トの再現性が劣化してしまうという問題が生じる。又、
従来から、ドット再現性、細線再現性を向上する手段と
して、現像剤におけるトナーの含有率を増すことが行わ
れていたが、これの方法では、トナーの帯電量分布をブ
ロード化してしまう為、環境変化等によるトナー飛散
や、カブリ等の不具合を生じている。
【0005】一方、高画質化を達成する他の手段として
は、現像スリーブ上の現像ブラシを稠密にすることが挙
げられる。現像ブラシの稠密化は現像剤の面から考えれ
ば、使用するキャリア粒子の粒径を小さくすること、或
いは磁気力を低減することによって達成される。具体的
には例えば、特開昭60−131549号公報に微粒子
化したキャリアとトナーとを用いて画像形成する方法が
記載されている。しかし、キャリアを小粒径化すると、
現像スリーブ上でのキャリア粒子の拘束力が低下する為
に、感光ドラム上にキャリアが移行して画像欠陥を発生
させるキャリア付着現象が発生し易くなる。又、高画質
化を達成する目的で、キャリアの磁気特性を低減するこ
とについても従来から検討されており、具体的には例え
ば、特開昭59−104663号公報に、飽和磁化の小
さいキャリアを使用する方法が記載されている。しかし
ながら、飽和磁化の小さなキャリアを使用することによ
って細線の再現性は向上するものの、キャリアを小粒径
化した場合と同様に、現像スリーブ上でのキャリア粒子
の拘束力が低下する為、キャリア付着現象が発生し易く
なる。
【0006】一般に、キャリア付着を改善する為には、
キャリアの高抵抗化が効果があると考えられている。し
かしながら、発生したキャリア付着を改善する為にキャ
リアバルクを高抵抗化したとしても、キャリア付着を改
善し高画質化を達成するには不十分な場合があった。
又、従来より知られている被覆キャリアを得る方法とし
ては、具体的には例えば、特公昭47−20755号公
報、特公昭48−94442号公報、特公昭54−97
354号公報、特開昭56−97354号公報、特開昭
56−113146号公報、特開昭58−202457
号公報、特公昭59−33911号公報、特開昭61−
149296号公報、特開平3−140969号公報等
に記載の方法が知られている。しかしながら、これらの
方法はいずれも、キャリア付着のない高画質な現像剤を
提供する為には十分なものとは言い難い点があった。即
ち、上述した様に、トナー現像画像の高画質化を図る為
に従来より種々の手法が試みられてはいるものの、特
に、トナーの帯電量分布を制御して静電潜像を乱すこと
なく現像を行うことで、キャリア付着のない高画質化を
達成することの出来る有効な手段は現在までのところ得
られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高画質、高精彩なフルカラー複写画像を出力するこ
との出来る電子写真用二成分現像剤を提供することにあ
る。又、本発明の他の目的は、該現像剤の構成成分であ
るキャリアを、効率よく容易に製造し得るキャリアの製
造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、少なくともトナ
ーとキャリアとからなる電子写真用二成分現像剤におい
て、該現像剤を構成するトナーが(1)及び(2)の特
性を有し、 (1)重量平均粒径が8μm以下。 (2)次式(i)で示される個数分布変動係数Aが40
以下であり、且つ次式(ii)で示される体積分布変動係
数Bが30以下。 A=Sn/D1×100 (i) (式中、Snは個数分布の標準偏差、D1は個数平均粒
径(μm)) B=Sw/D4×100 (ii) (式中、Swは体積分布の標準偏差、D4は重量平均粒
径(μm)) 且つ、該現像剤を構成するキャリアが下記の(イ)〜
(ホ)の特性を有し、 (イ)23℃50%RHの条件下における比抵抗が10
13Ωcm以上の値を有する樹脂により被覆されている。 (ロ)平均粒径が100μm以下。 (ハ)比抵抗が1012Ωcm以上。 (ニ)キャリアコア材表面の樹脂被覆率が90%以上の
キャリア粒子が全体のキャリア中の80個数%以上を占
める。 (ホ)次式(iii)で定義されるキャリア高画質化パラ
メーターKPの値が下記の範囲内にある。 KP=I×D (iii) (式中、Iはキャリアに使用される磁性体のemu/c
3単位の磁気力、Dはcm単位のキャリア粒径) 0.08<KP<1.0 (emu/cm2) 更に、上記トナーによる上記キャリアの被覆充填率が3
0%以上100%以下であることを特徴とする電子写真
用二成分現像剤、及び該現像剤を構成するキャリアの製
造方法である。
【0009】
【作用】本発明は、二成分現像剤に使用されるトナー及
びキャリアを夫々改良し、更にトナーのキャリアに対す
る被覆率を限定することによって上述した本発明の目的
を達成するものである。かかる観点から本発明者らが詳
細な検討を行ったところ、ドット再現性、細線再現性、
ベタ部の画像均一性といった画像再現性は、二成分現像
剤の構成成分であるキャリアを、コア材表面の樹脂被覆
率が90%以上のキャリア粒子が全体の80個数%以上
で、その比抵抗が1012Ωcm以上、平均粒径が100
μm以下である樹脂被覆キャリアを用い、且つ該キャリ
アの粒径と磁気特性によって決定される高画質化パラメ
ータKPが0.08<KP<1.0emu/cm2の範
囲となる様に構成し、又、現像剤のもう一つの構成成分
であるトナーを、重量平均粒径が8μm以下であり、個
数分布変動係数Aが40以下であり、且つ、体積分布変
動係数Bが30以下となる様に構成し、更に、該トナー
による上記キャリアの被覆充填率を30〜100%の範
囲とすることによって、画像再現性が飛躍的に改善され
ることを知見して本発明に至った。
【0010】即ち、小粒径キャリア、低磁気力キャリア
等を用いた場合にも、上記の様な構成の二成分現像剤と
することで、キャリア付着を防止し、高画質化を達成す
ることが出来る。又、本発明者らは、上述した様な構成
の現像剤を使用することによって、画質におけるトナー
含有量依存性が少ない安定した画像再現性が達成され、
更に、上記の様な低トナー含有率現像剤を用いても、そ
の高い現像性ゆえに画像濃度低下を引き起こすことがな
いことを明らかにし、本発明に至った。
【0011】本発明者らは鋭意検討の結果、画質を左右
する要素として、現像剤中トナーの粒度分布とその含有
量が重要な意義を有することを見い出した。即ち、トナ
ーの粒度が小さく、分布がシャープであり、且つ、トナ
ー含有量が一定値以下であると、トナー粒子の持つ帯電
量分布がシャープになり、画像再現性がアップするが、
逆に、トナー粒度分布がブロードになったりトナー含有
量が一定量を超えると、トナー帯電量分布もブロード化
し、トナーはキャリアと接触帯電することが出来なくな
り、その時に生ずる不十分な帯電のトナーが飛散やカブ
リ等の原因になり、画質の低下をもたらすものと考えら
れる。又、トナーとキャリアとの混合不良等によるトナ
ー含有率の変動によっても、画質の低下を生じることが
考えられる。
【0012】更に、画質は現像剤の比抵抗に依存してお
り、画像再現性が低下する原因の1つとして、現像剤を
介しての現像スリーブからの感光ドラムへの電荷注入帯
電が考えられる。即ち、感光ドラム上に形成された静電
潜像が現像時にバイアスが印加されると、現像スリーブ
からの電荷注入帯電により潜像の電荷分布が乱され、ド
ットを形成する電位分布がなまってしまい、これによっ
てドット再現性や、細線の再現性低下等を引き起こすも
のと考えられる。
【0013】トナー含有量を増やすことなく現像剤の比
抵抗を上げるには、キャリアを高抵抗樹脂にて被覆する
ことが有効である。しかし、これにより上述の様な電荷
注入帯電を抑えることは可能であるが、その効果は単
に、キャリアバルクの抵抗値よりもむしろ、キャリアの
コア材が高抵抗な樹脂によって被覆される際の被覆率に
大きく依存しているに過ぎないことが判明した。即ち、
粉体の抵抗は一般には、所定の体積に粉体を充填し、所
定の加圧下で電流特性を測定し、その電流値から算出さ
れる為、上述した方法で得られる粉体の体積抵抗は、キ
ャリアコア材上に塗布される被覆樹脂を所定以上に厚く
することによって見かけ上は増加する。しかしながら、
現像剤ブラシが感光体表面に接触する現像プロセスで
は、キャリア表面においてコア材が露出した部分が感光
体に接触することで、感光体への直接的な電荷注入帯電
が引き起こされ、その際に注入された電荷が周囲の静電
潜像を撹乱してしまい、画質低下を引き起こしていた。
【0014】一方、前述した様に現像剤の構成成分であ
るキャリアに、小粒径キャリアや低磁気力キャリアを用
いると、画像再現性は飛躍的に向上するが、キャリア付
着現象が発生し易くなる。キャリア付着は、主として現
像バイアス電圧印加時に現像スリーブからキャリアへの
電荷注入が支配的因子となっており、従来高抵抗とされ
ている樹脂被覆キャリアではその電荷注入を防止するに
は不十分であった。
【0015】以上の考察から本発明者らは、トナーの粒
度分布及び含有量を限定し、且つキャリアの樹脂被覆率
を高めるという本発明の構成によって、トナー帯電量を
制御し、電荷注入を防止することが出来、ひいてはキャ
リア付着のない高画質画像の再現性を達成することが出
来ることを見い出し本発明に至った。即ち、本発明によ
って、上記した様な従来技術の不都合な点を解決し、高
画質で高精彩な画像を得ることが出来る電子写真用二成
分現像剤が提供される。更に、本発明は、上記の優れた
特性を有する現像剤の構成成分の一つであるキャリアの
製造方法を提供するものである。即ち、樹脂被覆キャリ
アにおいて、被覆率を低下させることのない製造方法、
及び樹脂被覆量が少ない場合にも樹脂の均一な表面被覆
が可能な製造方法を提供する。
【0016】
【好ましい実施態様】以下、好ましい実施態様を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明の電子写真用二成
分現像剤は、高度に樹脂被覆されている特定のキャリア
粉体を用い、トナーによるキャリアの被覆充填率が30
以上100%以下であるものを使用することを第一の特
徴とする。即ち、トナーの現像剤中における含有量は、
トナーとキャリアの粒径比によって異なるが、トナーが
キャリア表面に一層だけ充填された状態を被覆充填率1
00%とした場合に、その被覆充填率が100%を超え
ると、トナーとキャリアとが1対1に接触することが出
来ずに未帯電トナーが生じてしまい、その結果として、
トナーの帯電量分布がブロード化し、トナー飛散やカブ
リ等の不具合を生じる場合がある。一方、該被覆充填率
が30%未満である場合には、ハーフトーン部での画像
再現性には問題はないが、高現像率である本発明に使用
されるキャリアを以ってしても画像濃度が不十分となっ
てしまうといった問題が生じる。
【0017】又、本発明の電子写真用二成分現像剤は、
その構成成分であるトナーとして、重量平均粒径が8μ
m以下で、個数分布変動係数Aが40以下で、且つ、体
積分布変動係数Bが30以下である特定のトナーを使用
することによって、優れた効果が得られる。これに対
し、トナーの重量平均粒径が8μmよりも大きいと、感
光体ドラム上のドット画像を構成するトナーの個数が減
少し、高精彩な画像再現性が得られなくなる。更に、個
数分布変動係数Aが40より大きく、且つ、体積分布変
動係数Bが30より大きいと、特に、トナー粒径が7μ
m以下の小粒径トナーにおいては、その帯電量分布がブ
ロードとなり、カブリやトナー飛散、現像効率の低下等
の悪影響を及ぼす。又、トナー粒度分布の選択的現像に
よって、耐久画像劣化の可能性が大きくなる。
【0018】トナーの重量平均粒径は、種々の方法によ
って測定することが出来るが、本発明では、例えば、コ
ールターカウンターを使用して測定する方法が挙げられ
るが、コールターカウンターの具体的な例として、コー
ルターカウンターTA−II型(コールター社製)を挙げ
ることが出来る。又、得られる測定結果は、例えば、個
数分布、体積分布といった特性について解析される。
尚、この際に使用される電解液としては、例えば、1級
塩化ナトリウムを使用して調製した1%塩化ナトリウム
水溶液が挙げられる。尚、具体的測定例については後述
する。
【0019】一方、本発明においては、二成分現像剤の
もう一つの構成成分であるキャリアとして、樹脂による
キャリアコア材表面の被覆率が90%以上である様な樹
脂被覆キャリアがキャリア中に80個数%以上存在して
いるものを使用することが必須であり、更に好ましく
は、被覆率90%以上のキャリアが90個数%以上、及
び/又は被覆率95%以上のキャリアが60個数%存在
している樹脂被覆キャリアを使用する。被覆率が90%
以上のキャリアが80個数%未満のキャリアを使用した
場合には、十分に現像剤ブラシの高抵抗化、絶縁化が達
成されず、潜像の乱れを十分に抑制することが出来ず、
更には、キャリア付着を防止することも出来ない。尚、
本発明で使用するキャリアの樹脂被覆率及び、現像剤の
トナー被覆充填率の測定方法としては後述する。
【0020】更に、本発明で使用されるキャリアは、5
×104V/mの電界強度における比抵抗が1012Ωc
m以上の値を有することが必須である。即ち、1012Ω
cmよりも比抵抗が低いキャリアを用いると、キャリア
付着及び画像の低画質化が著しく、高画質及び高精彩な
画像を得るという本発明の目的を達成することが出来な
い。尚、本発明で使用するキャリア粉体の抵抗測定につ
いては後述する。
【0021】本発明の電子写真用二成分現像剤に使用さ
れるキャリアの粒径と磁気力は、高画質化といった観点
からは共に出来るだけ小さくすることを要する。かかる
観点から、本発明で好ましく使用されるキャリアは、小
粒径キャリアであって、且つ低磁気力のキャリアである
ことが要求される。その様な範囲にあるものとしては、
高画質化パラメーターKPの値が、0.08<KP<
1.0emu/cm2であるキャリアを使用する。更
に、高画質化、或いはキャリア付着を防止するといった
観点からは、0.1<KP<0.8emu/cm2の範
囲のキャリアを用いるのが好適である。ここで示される
キャリア高画質化パラメーターKPは、一般的なキャリ
アにおいても使用することが出来るパラメーターである
が、キャリア高画質化パラメーターKPが0.08より
小さくなると、キャリアの高被覆率化を図ったとしても
キャリア付着を防止することが出来なくなってしまう。
一方、キャリア高画質化パラメーターが1.0を超える
と、磁気ブラシが粗くなり、高画質化という本発明の目
的を達成することが出来なくなってしまう。本発明にお
いて、磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場
型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行った。
尚、測定条件の具体例及び本発明で使用したキャリア粒
径の測定方法は後述する。
【0022】本発明に使用することの出来るキャリアの
コア材としては、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性
体金属及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金
類;ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェ
ライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグ
ネシウム系フェライト、リチウム系フェライト等のソフ
トフェライト;銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化
物及びそれらの混合物を挙げることが出来る。更に又、
その他の鉄系合金、例えば、鉄−シリコン系、鉄−アル
ミニウム系、鉄−シリコン−アルミニウム系、パーマロ
イ合金等を用いることが出来る。本発明において特に好
ましいキャリアコア材としては、フェライトであって、
且つ該フェライト粒子が、周期律表IA、IIA、III
A、IVA、VA、VIA、IB、IIB、IVB、VB、VI
B、VIIB、VIII族の中から選ばれる元素を少なくとも
1種類以上含有しており、且つその他の元素の含有量が
1質量%未満であるキャリアを用いる。
【0023】本発明で使用されるキャリアは、上記した
様なキャリアコア材を用いて、焼結法、アトマイズ法等
の製造方法によって製造することが可能であるが、必要
に応じて、磁性体粒径分布をシャープにして造粒した
り、焼結温度、昇温速度、加熱保持時間等をコントロー
ルすることによって本発明で使用される特有の磁気特性
を有するキャリアコアを製造するとが出来る。又、キャ
リアコアの比抵抗としては所望の磁気特性を満足するも
のであればいかなるものでも使用することが出来るが、
通常は、105Ωcm〜1010Ωcmの範囲のフェライ
ト若しくはマグネタイトが好適に使用される。
【0024】本発明で使用することの出来るキャリア
は、前述した様なキャリアコア上に樹脂を被覆すること
によって得られる。この際の被覆材の被覆量としては、
一般的には0.5〜15質量%の範囲とするのが好適で
あり、更には0.6〜10質量%の範囲であることが最
も好適である。即ち、被覆量が0.5質量%未満ではキ
ャリアコア材を十分に被覆することが困難であり、結果
的に比抵抗の低いキャリア粒子しか得られず、一方、被
覆量が15質量%を超えると樹脂被覆量が多過ぎる為、
比抵抗は所望の範囲とすることが出来るものの流動性が
低下したり、耐久画像特性が劣化するといった点で好ま
しくない。尚、本発明において樹脂被覆量は、熱天秤
(TGA:パーキンエルマー社製TGA−7型)を使用
してその質量減少率から定量を行った。本発明で使用し
たキャリアコアの被覆樹脂による被覆率の定量化の詳細
については後述する。
【0025】本発明で使用することの出来るキャリア被
覆用の樹脂としては、樹脂の比抵抗が23℃、50%R
Hの条件下で1013Ω・cm以上の絶縁性樹脂を好適に
使用することが出来るが、本発明の目的の為に使用され
る絶縁性樹脂としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
のいずれであっても好ましく使用することが出来る。熱
可塑性の樹脂としては、具体的には例えば、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート及びスチレン−アクリル
酸共重合体等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フル
オロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶
性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹
脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシメチルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等
のセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエ
チレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ
アリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂及びポリエーテルケトン樹脂
等を挙げることが出来る。
【0026】又、熱硬化性樹脂としては、具体的には例
えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン
樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無
水マレイン酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合
によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエ
ン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、
アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹
脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等
を挙げることが出来る。上述したこれらの樹脂は、単独
でも使用することが出来るが、夫々を混合して使用して
もよい。又、熱可塑性樹脂に硬化剤等を混合し硬化させ
て使用することも出来る。尚、被覆樹脂の比抵抗の測定
方法は後述する。
【0027】本発明で使用される樹脂被覆キャリアを好
ましく製造する方法としては、上記の様な各種材料を用
い、キャリアコア材を浮遊流動させながら被覆樹脂溶液
をスプレーし、コア材表面に被覆膜を形成させる方法、
及びスプレードライ法が挙げられる。流動床被覆装置を
使用する場合には、特に、流動層の形成状態及び被覆樹
脂を溶解した樹脂溶液の噴霧形式が重要となる。流動層
の形成状態としては、キャリア粒子の凝集が起こらず且
つ効率よく被覆膜を形成させるのが好ましいが、この為
の方法としては、流動層内に回転式底板ディスクと撹拌
羽根を設け、旋回流を形成させながら被覆を行なう方式
が好ましい。具体的には、下記の要件を具備する本発明
のキャリアの製造方法によって製造される。 (1)流動層を円筒の管体内を上昇する気体流によって
形成し、(2)被覆樹脂溶液を流動層の移動方向に対し
て垂直方向から供給し、(3)且つ樹脂溶液の噴霧圧が
1.5kg/cm2以上でスプレー塗布する。 上記した本発明方法によれば、前述した様な本発明の二
成分現像剤に使用される特定の物性を有する樹脂被覆キ
ャリアを効率よく製造することが出来る。
【0028】本発明で使用する樹脂被覆キャリアは、上
記の方法に限定されず剪断応力を加えながら溶媒を徐々
に揮発させるといった他の被覆方法によっても製造する
ことが出来る。かかる方法としては具体的には、被覆樹
脂のガラス転移点以上で溶媒揮発後に固着したキャリア
を解砕する方法、互いに溶解することのない溶媒を用い
キャリアコア表面に塗布することが可能な被覆樹脂で多
層被覆する方法、或いは、剪断応力を加えつつ被膜を硬
化、解砕する方法等によっても容易に製造される。
【0029】本発明に使用されるトナーは、従来公知の
ものと同様に少なくとも結着樹脂と着色剤とからなる
が、この際に使用される結着剤樹脂としては、具体的に
は例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、
ポリビニルトルエンといったスチレン及びその誘導体か
ら得られる高分子化合物、スチレン−p−クロルスチレ
ン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチ
レン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−インデン共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、
シリコーン樹脂、脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカル
ボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジアルコール類、
ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として
有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロ
インデン樹脂、石油樹脂、架橋剤によって架橋したスチ
レン系樹脂及び架橋したポリエステル樹脂等を挙げるこ
とが出来る。
【0030】スチレン−アクリル系共重合体に使用され
る重合可能な単量体としては、具体的には例えば、アク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル及びアクリルアミドといった
エチレン性二重結合を有するアクリル酸エステル類、例
えば、マレイン酸、マレイン酸ブチルといったマレイン
酸のハーフエステル及びジエステル類;酢酸ビニル、塩
化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテルと
いったビニルエステル類;ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン、ビニルヘキシルケトンといったビニルケ
トン類等を挙げることが出来る。
【0031】上述した架橋剤としては、主として不飽和
結合を2個以上有する化合物を挙げることが出来、具体
的には例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレートといっ
た不飽和結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニ
ルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、
ジビニルスルホン等のジビニル化合物;不飽和結合を3
個以上有する化合物を単独で若しくは混合して使用する
ことが出来る。上述の架橋剤は、結着剤樹脂に対して、
0.01〜10質量%であり、好ましくは0.05〜5
質量%で使用する。
【0032】トナーの製造方法として加圧定着方式を用
いる場合には、圧力定着トナー用結着剤樹脂を使用する
ことが可能であり、具体的には例えば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラスト
マー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合
体、線状飽和ポリエステル、パラフィン及び他のワック
ス類を挙げることが出来る。
【0033】本発明に使用されるトナーには、荷電制御
剤をトナーに配合して使用することも出来る。この様な
荷電制御剤の添加により現像システムに応じた最適の帯
電量とすることが出来る。この際に使用される正荷電制
御剤としては、ニグロシン及びその脂肪酸金属塩誘導
体;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウム
テトラフロロボレートといった4級アンモニウム塩;ジ
ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジ
シクロヘキシルスズオキサイドといったジオルガノスズ
オキサイド;ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシ
ルスズボレートといったジオルガノスズボレート等を、
単独で或いは2種以上組み合わせて用いることが出来
る。上述した荷電制御剤のうち特に、ニグロシン系、4
級アンモニウム塩といった荷電制御剤が好適に用いられ
る。
【0034】又、本発明に使用されるトナーには負荷電
制御剤を使用することも出来、有機金属錯体、キレート
化合物が有効であり、具体的には例えば、アルミニウム
アセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナー
ト、3,5−ジターシャルブチルサリチル酸クロム等を
挙げることが出来る。特に、アセチルアセトンの金属錯
体(モノアルキル置換体及びジアルキル置換体を包含す
る)、サリチル酸系金属錯体(モノアルキル置換体及び
ジアルキル置換体を包含する)又はそれらの塩が好まし
く用いられ、特に、サリチル酸系金属塩が好適である。
上述の荷電制御剤をトナーに添加する際の添加量は、結
着剤樹脂に対して0.1〜20質量部であり、より好ま
しくは0.2〜10質量部で使用される。特に、カラー
画像形成に使用される場合には、無色若しくは淡色の荷
電制御剤を使用することが好ましい。
【0035】更に、本発明に使用されるトナーには、シ
リカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレ
ン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン及びシリコーンといった微粉末を添
加するのが好適である。トナーに対してこれらの微粉末
を添加することによって、トナーとキャリア、或いはト
ナー相互間に微粉末が存在することとなる為、現像剤の
流動性を向上させることが出来、得られる画像の高画質
化が達成されると同時に、現像剤の寿命も向上する。こ
の結果、この様なトナーを使用すれば、複数枚の複写に
おいても高画質な画像を安定して提供することが出来る
様になる。上述した様な微粉末の表面積としては、BE
T法による窒素吸着による比表面積が、30m2/g以
上のものが好ましく、特に、50〜400m2/gの範
囲のものを添加した場合に良好な結果が得られる。かか
る微粉末の添加量は、トナーに対して0.1〜20質量
%で使用するのが好適である。
【0036】本発明で使用されるトナーに添加すること
が出来る着色剤としては、従来知られている公知の染料
及び顔料をいずれも好ましく使用することが出来る。具
体的には例えば、カーボンブラック、マグネタイト、フ
タロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネント
レッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエ
ロー、パーマネントイエロー及びベンジジンイエロー等
を使用することが出来る。その際の添加量としては、結
着剤樹脂に対して0.1〜20質量%、好ましくは0.
5〜20質量部、更に、トナー像のOHPフィルム透過
性を考慮すると、12質量%以下の範囲で使用されるの
が好ましく、通常、0.5〜9質量%であるのが最も好
適である。
【0037】本発明で使用されるトナーには、更に熱ロ
ール定着時の離型性を向上させる目的で、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、マイクロクリスタリングワック
ス、カルナバワックス、サゾールワックス及びパラフィ
ンワックス等のワックス成分を添加することも出来る。
【0038】上記した様な組成を有するトナーは、例え
ば、ビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂等の結着剤樹
脂、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤を混合機によ
り十分に混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクス
トルーダーといった混練機を用いて溶融、混練して樹脂
類を十分に混合し、その中に、着色剤である顔料、若し
くは染料を分散させる。これを冷却後、粉砕分級を行っ
てトナー粒子を得ることが出来る。この様にして得られ
るトナー粒子は、そのままで使用することも出来るが、
必要に応じた種類及び量の微粉体を外添して使用するこ
とも出来る。かかる微粉体の外添処理は、ヘンシェルミ
キサーといった混合機を使用して行うことが出来る。
【0039】本発明の電子写真用二成分現像剤は、この
様にして作製されたトナーと前述した特定のキャリア粒
子とを混合することによって作製される。かかる二成分
現像剤の摩擦帯電量としては、5〜100μC/gの範
囲であるのが好適であり、更に好ましくは、摩擦帯電量
が5〜60μC/gの範囲となる様にする。尚、本発明
で使用した摩擦帯電量の測定条件については後述する。
【0040】以下に本発明で用いた種々の測定方法を記
載する。先ず、本発明で使用されるキャリアの比抵抗の
測定方法について説明する。図1は、本発明で使用され
るキャリアの比抵抗の測定装置の概略構成を示す断面図
である。セルCにキャリア7を充填し、該充填キャリア
に接する様に下部電極1及び上部電極2を配し、該電極
間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定するこ
とにより比抵抗を求める方法を用いた。上記の測定方法
においては、キャリアが粉末である為に充填率に変化が
生じ、それに伴い比抵抗が変化する場合があり注意を要
する。尚、本発明における比抵抗の測定条件は、充填キ
ャリアと電極との接触面積S=約2.3cm2、厚みd
=約1mm、上部電極2の荷重180g、印加電圧10
0Vとする。
【0041】次に、本発明で用いたキャリアの粒径の測
定方法について説明する。本発明におけるキャリアの粒
径は、光学顕微鏡を使用してランダムに300個以上の
粒子を抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理回解析装置
Luzex3を用いて測定した水平方向フェレ径の値を
以てキャリア粒径とする。
【0042】以下に、本発明で使用したキャリアの樹脂
被覆率の定量方法について説明する。本発明において、
被覆されたキャリア粒子の樹脂被覆率は、2,000倍
に拡大した走査型電子顕微鏡による写真画像を画像処理
解析装置Luzex3(ニレコ社製)を用いて測定す
る。即ち、キャリア粒子1個について垂直上部からキャ
リアを顕微鏡で観測し、キャリア粒子表半球について、
二次元的に樹脂被覆部分の面積とキャリアコア面積とを
ディジタル化することによって画像解析から夫々の面積
を求め、キャリア粒子面積に対する樹脂被覆部分の面積
比率を樹脂被覆率として算出した。本発明においては、
ランダムに300個以上のキャリアを抽出してこの操作
を行い、平均化処理をして樹脂被覆率を得た。
【0043】同様に、トナーによるキャリアの被覆充填
率の測定方法についても、500倍に拡大した走査型電
子顕微鏡による写真画像を画像処理解析装置Luzex
3(ニレコ社製)を用いて測定する。即ち、キャリア粒
子1個について垂直上部からキャリアを顕微鏡で観測
し、キャリア粒子表半球について二次元的にトナーによ
る被覆部分の面積と、キャリア表面の露出した部分の面
積をディジタル化することによって、画像解析から夫々
の面積を求め、トナーと混合状態にあるキャリア粒子の
表面積に対するトナーの被覆部分の面積比率をトナー被
覆充填率として算出した。本発明においては、ランダム
に50個以上のキャリアを抽出してこの操作を行い、こ
れらの平均化処理をしてトナー被覆充填率を求める。
【0044】次に、本発明で用いたトナー粒径測定の具
体例を示す。例えば、前記した様な1%塩化ナトリウム
水溶液からなる電解質溶液100〜150mlに、界面
活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を
0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg
添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜
3分間分散処理して、前述したコールターカウンターT
A−II型により100μmのアパーチャーを用いてトナ
ーの体積及び個数を測定して2〜40μmの粒子の体積
分布と個数分布とを算出した。そして、本発明にかかる
ところの、体積分布から求めた重量基準の重量平均径
(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とす
る。)及びその標準偏差、個数分布から求めた個数基準
の長さ平均粒径及びその標準偏差を求めた。
【0045】次に、本発明で用いた磁気特性の測定方法
について説明する。キャリアの粉体の磁気特性値は±
1,000ガウスの磁場を作り、その時のヒステリシス
カーブより磁場1,000ガウスの時の磁化を求めた。
サンプルは、円筒状のプラスチック容器にキャリアを十
分密になる様にパッキングした状態となるよう作製し
た。この状態で磁化モーメントを測定し、この値から単
位体積当たりの磁化の強さを求めた。
【0046】次に、本発明に用いたキャリアコア表面に
設けられた樹脂被膜の比抵抗の測定方法について説明す
る。樹脂の比抵抗の測定に当たっては、先ず、被測定樹
脂の20%溶液を作製し、その後、0.2mm厚のアル
ミシートにワイヤーバーを使用して5μmの樹脂被膜を
形成する。形成した被膜を乾燥後、表面を金蒸着して電
極を形成し、印加電圧5Vの条件の下で電流を測定して
抵抗を求める。
【0047】次に、本発明で用いた摩擦帯電量の測定方
法について説明する。トナーとキャリアとをトナーによ
るキャリアの被覆充填率が90%となる様に混合し、タ
ーブラミキサーで60秒間混合する。得られた現像剤を
底部に500メッシュの導電性スクリーンを装着した金
属製の容器内に入れ、吸引機で吸引し、吸引前後の質量
差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位か
ら摩擦帯電量を求めた。この際、吸引圧を250mmH
gとする。摩擦帯電量Qは下記式を用いて算出する。 Q(μC/g)=(C×V)/(W1−W2) (式中W1は吸引前の質量、W2は吸引後の質量、Cはコ
ンデンサーの容量及びVはコンデンサーに蓄積された電
位である。)
【0048】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら制
限されるものではない。実施例1 二成分現像剤に使用するキャリアを下記の様にして作製
した。先ず、Fe23=50モル%、CuO=25モル
%、ZnO=25モル%になる様に秤量し、ボールミル
を用いて混合を行った。次に、得られた混合物を仮焼し
た後、ボールミルにより粉砕を行い、更に、スプレード
ライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、更に分級
してキャリアコア粒子を得た。この様にして得られたキ
ャリアコア粒子の比抵抗を測定したところ、4×108
Ω・cmであった。
【0049】次に、得られたキャリアコア粒子の表面に
共重合比:45/45/10のスチレン−メタクリル酸
メチル−メタクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体か
らなる樹脂を、下記の方法で被覆した。即ち、上記の共
重合体を用い、被覆樹脂量が2質量%になる様にトルエ
ンを溶媒として10質量%のキャリア被覆溶液を作製し
た。得られたキャリア被覆溶液を、流動床内に回転式底
板ディスクと撹拌羽根が設けられている旋回流を形成さ
せながら被覆を行う被覆装置を使用して、上述のキャリ
アコア材表面に塗布した。上記のキャリア被覆樹脂溶液
は、流動床の装置内での移動方向に対して垂直な方向か
ら噴霧し、又、該樹脂溶液の噴霧圧は4kg/cm2
した。更に、得られた表面にキャリア被覆樹脂溶液が塗
布されたキャリアコアを、流動床中で温度80℃で1時
間乾燥して溶剤を除去して樹脂被覆キャリア粒子を得
た。得られたキャリア粒子の粒径は42μmであった。
又、このときキャリア高画質化パラメーターKPは0.
21であった。
【0050】得られた樹脂被覆キャリア粒子の樹脂被覆
率を走査型電子顕微鏡及び画像処理解析装置Luzex
3により測定した結果、被覆率90%以上のキャリア粒
子は全体の96個数%であり、樹脂被覆率が95%以上
であるキャリア粒子は68個数%であった。又、得られ
たキャリア粒子の比抵抗を測定したところ、6×1014
Ω・cmであった。更に、キャリア粒子表面に被覆した
樹脂の被覆量を熱天秤(TGA−7:パーキンエルマー
社製)により測定したところ、2.0質量%であった。
又、キャリア粒子の磁気特性を測定した結果、磁気特性
はσ1000=49emu/cm3であった(試料のパッキ
ング密度3.45g/cm3)。
【0051】一方、本発明の二成分現像剤を構成するも
う一つの構成成分であるトナーは、先ず、下記に挙げた
成分を秤取り十分に予備混合を行った後、溶融混練し、
冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗
粉砕した。 ・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得られたポリエステル 樹脂 100質量部 ・銅フタロシアニン顔料 5質量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4質量部 次いで、エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し
た。更に、得られた微粉砕物をエルボウジェット分級機
を用いて分級し、個数平均粒径が5.2μm、重量平均
粒径が6.4μmで、個数分布の標準偏差(Sn)は
2.0、個数分布変動係数(A)は38.5であり、体
積分布の標準偏差(Sw)は1.9、体積分布変動係数
(B)は29.7である負帯電性のシアン色微粉体を得
た。
【0052】次に、上記で得られたシアン色微粉体10
0質量部と、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理した
シリカ微粉体0.7質量部と、アルミナ微粉体0.3質
量部とをヘンシェルミキサーにより混合して、シアント
ナーを調製した。上記の様にして夫々得られたキャリア
及びトナーとを、トナー濃度が4.0質量%となる様に
混合して本発明の電子写真用二成分現像剤を得た。この
とき、トナーによるキャリアの被覆充填率は90%であ
った。又、トナーの帯電量平均は−40μC/gであっ
た。
【0053】又、この現像剤をキヤノン製フルカラーレ
ーザー複写機CLC−500改造機に搭載して画像出し
試験を行った。このとき、現像器の現像剤担持体(現像
スリーブ)と現像剤規制部材(磁性ブレード)との距離
を600μm、現像スリーブと静電潜像担持体(感光ド
ラム)との距離を450μm、又、現像スリーブと感光
ドラムとの周速比が1.5:1、現像スリーブの現像極
の磁場が1,000ガウス、更に、現像条件は、交番電
界1,800VP-P、周波数2,000Hzとなる様に
設定した。尚、本実施例の現像剤の物性値及び検討条件
をまとめて表1及び表2に記載した。
【0054】この結果、現像スリーブ上における現像剤
の供給も十分であり、ベタ画像の濃度が高く、又、電荷
のリークに起因するドットのガサツキもなく、ハーフト
ーン部の再現性、ライン画像の再現性も良好な画像が得
られた。更に、キャリア飛散及びキャリアが現像される
等によって生じる画像部、非画像部へのキャリア付着現
象も認められなかった。
【0055】実施例2 実施例1で用いたと同様のキャリアコア粒子に、共重合
比=40:10:50、ヒドロキシル価(KOHmg/
g)=35のスチレン−アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル−メタクリル酸メチル共重合体樹脂を被覆して本実
施例で使用する樹脂被覆キャリア粒子を得た。即ち、上
記したスチレン系共重合体を、被覆樹脂量が2質量%に
なる様、トルエンを溶媒として10質量%のキャリア被
覆樹脂溶液を作製した。この被覆樹脂溶液を用い、実施
例1と同様の方法でキャリアコア材表面に樹脂被覆を行
い、本実施例で使用するキャリア粒子を得た。得られた
キャリア粒子の粒径は41μmであった。又、得られた
キャリア粒子は、樹脂による被覆率90%以上のものが
90個数%であり、且つ樹脂被覆率95%以上のものが
64個数%存在するものであった。キャリア粒子の比抵
抗は5×1014Ω・cmであり、且つ樹脂被覆量は、
2.0質量%であった。又、磁気特性σ1000=49em
u/cm3であった(尚、試料のパッキング密度は3.
41g/cm3であった。)。
【0056】この様なキャリアを用い、実施例1で用い
たと同様のトナーと混合して、トナー被覆充填率90%
で実施例1と同様にして試験を行ったところ、実施例1
と同様に良好な結果が得られた。尚、本実施例で使用し
た現像剤の物性値及び検討条件を表1及び表2に記載す
る。
【0057】実施例3 実施例の二成分現像剤に用いるトナーとして、実施例1
と同様な組成で、エルボウジェット分級機による分級条
件のみを変えた微粉体であって、個数平均粒径が6.3
μm、重量平均粒径が7.5μmで、個数分布の標準偏
差(Sn)が2.2、個数分布変動係数Aは34.9で
あり、体積分布の標準偏差(Sw)は2.1、体積分布
変動係数Bは28.0である負帯電性のシアン色微粉体
を得た。更に、上記の様なシアン色微粉体100質量部
と、疎水化処理した酸化チタン微粉体1.0質量部とを
ヘンシェルミキサーで混合して、シアントナーを調製し
た。
【0058】実施例1で用いたと同様のキャリアと上記
で得られたトナーとを用い、トナー濃度が3.5質量%
となる様に混合して本実施例の電子写真用二成分現像剤
を得た。このとき、トナーによるキャリアの被覆充填率
は90%であり、トナーの帯電量平均は−33μC/g
であった。この様にして得られた本実施例の現像剤を実
施例1と同様にして画出し試験したところ、実施例1と
同様に良好な結果が得られた。又、1万枚の耐久試験を
行ったところ、初期画像と耐久後の画像とはほぼ同等の
画質であった。尚、本実施例で使用した現像剤の物性値
及び検討条件を表1及び表2に記載する。
【0059】実施例4 実施例1で用いたキャリアとトナーとを用いて、トナー
濃度が3.0質量%となる様に混合し現像剤を得た。こ
のとき、トナーによるキャリア被覆充填率は50%であ
った。又、この本実施例の現像剤をキヤノン製フルカラ
ーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出
しを行った。実施例1と同様にして試験を行ったとこ
ろ、ハーフトーン部のドット画像も乱れることなく、
又、ベタ部の濃度も十分であり、且つ、キャリア付着の
ない高画質な画像が得られた。尚、本実施例で使用した
現像剤の物性値及び検討条件を表1及び表2に記載す
る。
【0060】実施例5 実施例1で用いたと同様のキャリアコア材に、シリコー
ン樹脂を用い、被覆樹脂量が2質量%になる様、トルエ
ンを溶媒として3質量%のキャリア被覆溶液を作製し
た。この被覆溶液を、流動床内に回転式底板ディスクと
撹拌羽根が設けられた旋回流を形成させながら被覆を行
う被覆装置を使用して、上記のキャリアコア材表面に塗
布した。この際、樹脂被覆溶液は、流動床の装置内での
移動方向に対して垂直な方向から噴霧し、又、該樹脂溶
液の噴霧圧を4kg/cm2とした。次に、得られたキ
ャリア被覆溶液が表面に塗布されたキャリア粒子を流動
床中で温度120℃で1時間乾燥して溶剤を除去して、
樹脂被覆キャリア粒子を得た。得られたキャリア粒子の
粒径は42μmであり、高画質化パラメーターKPは
0.21であった。
【0061】又、得られたキャリア粒子の樹脂被覆率を
電子顕微鏡により測定した結果、被覆率90%以上のキ
ャリア粒子は全体の87個数%であり、樹脂被覆率が9
5%以上であるキャリア粒子は62個数%であった。
又、キャリア粒子の比抵抗を測定したところ7×1014
Ω・cmであった。更に、キャリア粒子表面に被覆され
た樹脂の被覆量を熱天秤(TGA−7:パーキンエルマ
ー社製)により測定したところ、2.1質量%であっ
た。又、キャリア粒子の磁気特性を測定した結果、その
ときの磁気特性はσ1000=49emu/cm3であった
(試料のパッキング密度は3.44g/cm3であっ
た)。又、上記で得られたキャリアと実施例1で用いた
トナーとを混合して本実施例の二成分現像剤を作製し
て、実施例1と同様にして画像出しを行ったところ、実
施例1と同様に良好な結果が得られた。尚、本実施例で
使用した現像剤の物性値及び検討条件を表1及び表2に
記載する。
【0062】実施例6 本実施例の二成分現像剤に使用するキャリアは、Fe2
3=54モル%、CuO=26モル%、ZuO=20
モル%となる様に秤量し、ボールミルを用いて混合を行
い、これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、
更にスプレードライヤーにより造粒を行った後、これを
焼結し、更に分級して平均粒径63μmのキャリアコア
粒子を得た。得られたキャリアコア粒子の比抵抗を測定
したところ、1.8×108Ω・cmであった。
【0063】上記の様にして得られたキャリアコア粒子
の表面に、実施例1で使用したと同様の被覆樹脂を用
い、被覆量が1.7質量%となる様に実施例1と同様な
方法で被覆してキャリア粒子を得た。得られたキャリア
粒子の粒径は、64μmであった。又、得られたキャリ
ア粒子の樹脂による被覆率は被覆率90%以上のものが
97個数%であり、被覆率95%以上のものが70個数
%であった。又、キャリア粒子の比抵抗は1×1015Ω
・cmであった。更に、熱天秤によって被覆量は1.7
質量%であった。又、磁気特性はσ1000=51emu/
cm3であった(試料のパッキング密度は3.50g/
cm3であった。)。
【0064】上記の様にして得られたキャリアと実施例
1で用いたトナーとをトナー濃度3.0質量%となる様
に混合して本実施例の現像剤を得た。このとき、トナー
によるキャリアの被覆充填率は約90%であった。この
得られたキャリアを実施例1と同様にして試験を行った
ところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。尚、
本実施例で使用した現像剤の物性値及び検討条件を表1
及び表2に記載する。
【0065】比較例1 実施例1で用いたキャリアコア粒子の表面に、実施例1
で用いたと同様の被覆樹脂を、被覆樹脂量が1質量%に
なる様にトルエンを溶媒として5質量%のキャリア被覆
溶液を作製し、この被覆溶液を剪断応力を連続して印加
しつつ溶媒を揮発させることによって、キャリアコア粒
子表面に塗布した。これを150℃で1時間乾燥し、解
砕した後100メッシュの篩で分級してキャリア粒子を
得た。得られたキャリア粒子の粒径は43μmであっ
た。又、得られたキャリア粒子の樹脂による被覆率は、
樹脂被覆率が90%以上のものが43個数%であり、樹
脂被覆率が95%以上のものが6個数%であった。又、
高画質化パラメーターKPは0.20であった。又、キ
ャリア粒子の比抵抗を測定したところ2×109Ω・c
mであった。更に、樹脂被覆量は1.0質量%であっ
た。磁気特性はσ1000=47emu/cm3であった
(試料のパッキング密度は3.30g/cm3であっ
た)。
【0066】この得られたキャリアを、実施例1と同様
のトナーと混合して本比較例の現像剤を作製し、これを
用いて実施例1と同様にして試験したところ、現像スリ
ーブ上における現像剤の供給も十分であり、ベタ画像の
濃度も十分であったが、電荷のリークに起因するドット
のガサツキが激しく、ハーフトーン部の再現性及びライ
ン画像の再現性が著しく低下した画像が得られた。更
に、キャリアに対して電荷が注入されることによる非画
像部へのキャリア付着が著しく、劣悪な画像コントラス
トの画像しか得られなかった。尚、本比較例で使用した
現像剤の物性値及び検討条件を表1及び表2に記載す
る。
【0067】比較例2 実施例1で用いたと同様のキャリア粒子と実施例1で用
いたトナーとを、トナー濃度7.0質量%となる様に混
合し、比較例2の二成分現像剤を得た。該現像剤は、ト
ナーによるキャリアの被覆充填率が100%より大き
く、キャリアに付着しきれないトナー粒子も多数見受け
られた。この現像剤をキヤノン製フルカラーレーザー複
写機CLC−500改造機を用い、実施例1と同様に画
像出しを行った。このとき、トナーの帯電量は−32μ
C/gであり、分布はブロードであった。更に、上記で
得られた比較例の現像剤を実施例1と同様にして試験し
たところ、ハーフトーン部のドット再現性はよく、キャ
リア付着のない画像が得られたが、非画像部へのカブリ
が激しく、又、ベタ画像部では濃度が出過ぎてしまう等
の不具合が生じた。尚、本比較例で使用した現像剤の物
性値及び検討条件を表1及び表2に記載する。
【0068】比較例3 実施例1で用いたトナーの代わりに、以下の物性値を有
するトナーを用いる以外は実施例1と同様にして二成分
現像剤を作製し、その評価を同様に行った。即ち、本比
較例で用いたトナーの個数平均粒径は6.2μm、重量
平均粒径が7.8μmで、個数分布の標準偏差(Sn)
は2.8、個数分布変動係数(A)は45.1であり、
体積分布の標準偏差(Sw)は2.5、体積分布変動係
数(B)は32.1であった。その結果、ハーフトーン
部のドット再現性はよく、キャリア付着のない画像が得
られたが、非画像部へのカブリ及びベタ画像部での濃度
低下が生じた。尚、本比較例で使用した現像剤の物性値
及び検討条件を表1及び表2に記載する。
【0069】比較例4 実施例1で用いたキャリアコア粒子の表面に、実施例1
で用いたと同様のキャリア被覆用樹脂を、被覆樹脂量が
2質量%となる様トルエンを溶媒として5質量%のキャ
リア被覆溶液を作製し、この被覆溶液を流動床式塗布装
置スピラコーター(岡田精工社製)を用いて塗布した
後、このキャリア粒子を140℃で1時間流動床中で乾
燥して本比較例で使用するキャリアを得た。得られたキ
ャリア粒子の粒径は、43μmであった。又、得られた
キャリア粒子の樹脂による被覆率は、樹脂被覆率90%
以上のものが55%であり、樹脂被覆率95%以上のも
のが47個数%であった。又、キャリア粒子の比抵抗は
9×1019Ω・cmであった。更に、キャリアの樹脂被
覆量は2.0質量%であった。又、磁気特性はσ1000
49emu/cm3であった(試料のパッキング密度は
3.32g/cm3であった)。
【0070】上記で得られたキャリアとトナーとをトナ
ー濃度4.0質量%となる様に混合して本比較例の現像
剤を得た。このとき、トナーによるキャリアの被覆充填
率は90%であった。この現像剤をキヤノン製フルカラ
ーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出
しを行った。又、得られたキャリアを実施例1と同様に
して試験したところ、ベタ画像の濃度が不十分であり、
電荷のリークに起因するドットのガサツキも激しく、ハ
ーフトーン部の再現性及びライン画像の再現性が著しく
低下した画像が得られた。更に、非画像部へのキャリア
付着が著しく、劣悪な画像コントラストの画像しか得ら
れなかった。
【0071】
【0072】
【0073】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電子写真用
二成分現像剤によれば、現像剤に含まれるトナーの粒径
及び粒度分布、及びキャリアに対する被覆充填率を制御
することで、帯電量分布をシャープ化することが出来、
更に、該キャリアの樹脂被覆率を向上させることで、感
光体上への注入帯電及びキャリアへの電荷注入を低減す
ることが出来る為、これらにより画像再現性及びキャリ
ア付着の防止を同時に満足することが出来る。即ち、本
発明によれば、トナー含有量の変動によらず、高画質及
び高精彩で、ドット再現性、ハーフトーン部の再現性及
び細線再現性が良好であり、十分なベタ画像濃度を有
し、且つキャリア付着のない複写画像が得られる二成分
現像剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用したキャリアの比抵抗の測定装置
の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】 1:下部電極 2:上部電極 3:絶縁物 4:電流計 5:電圧計 6:定電圧装置 7:キャリア 8:ガイドリング C:セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/107 G03G 9/08 372 374 9/10 321

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともトナーとキャリアとからなる
    電子写真用二成分現像剤において、該現像剤を構成する
    トナーが(1)及び(2)の特性を有し、 (1)重量平均粒径が8μm以下。 (2)次式(i)で示される個数分布変動係数Aが40
    以下であり、且つ次式(ii)で示される体積分布変動係
    数Bが30以下。 A=Sn/D1×100 (i) (式中、Snは個数分布の標準偏差、D1は個数平均粒
    径(μm)) B=Sw/D4×100 (ii) (式中、Swは体積分布の標準偏差、D4は重量平均粒
    径(μm)) 且つ、該現像剤を構成するキャリアが下記の(イ)〜
    (ホ)の特性を有し、 (イ)23℃50%RHの条件下における比抵抗が10
    13Ωcm以上の値を有する樹脂により被覆されている。 (ロ)平均粒径が100μm以下。 (ハ)比抵抗が1012Ωcm以上。 (ニ)キャリアコア材表面の樹脂被覆率が90%以上の
    キャリア粒子が全体のキャリア中の80個数%以上を占
    める。 (ホ)次式(iii)で定義されるキャリア高画質化パラ
    メーターKPの値が下記の範囲内にある。 KP=I×D (iii) (式中、Iはキャリアに使用される磁性体のemu/c
    3単位の磁気力、Dはcm単位のキャリア粒径) 0.08<KP<1.0 (emu/cm2) 更に、上記トナーによる上記キャリアの被覆充填率が3
    0%以上100%以下であることを特徴とする電子写真
    用二成分現像剤。
  2. 【請求項2】 無機微粒子及び/又は有機微粒子を含有
    してなる請求項1記載の現像剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の現像剤を構成するキャ
    リアの製造方法において、 (1)流動層を円筒の管体内を上昇する気体流によって
    形成し、 (2)更に被覆樹脂溶液を流動層の移動層の移動方向に
    対して垂直方向から供給し、 (3)且つ樹脂溶液の噴霧圧が1.5kg/cm2以上
    でスプレー塗布することを特徴とするキャリア製造方
    法。
JP6296043A 1994-11-07 1994-11-07 電子写真用二成分現像剤、及び現像剤を構成するキャリアの製造方法 Pending JPH08137142A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006023351A (ja) * 2004-07-06 2006-01-26 Canon Inc トナー
JP2008281860A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Kao Corp 二成分現像剤

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