JPH0813538B2 - 密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法 - Google Patents
密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法Info
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- JPH0813538B2 JPH0813538B2 JP3226389A JP22638991A JPH0813538B2 JP H0813538 B2 JPH0813538 B2 JP H0813538B2 JP 3226389 A JP3226389 A JP 3226389A JP 22638991 A JP22638991 A JP 22638991A JP H0813538 B2 JPH0813538 B2 JP H0813538B2
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Description
た両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造
方法に関するものである。本発明法により製造した鋼板
は、各種の缶詰用容器、およびエアゾール缶等の容器用
材料として使用できる。
ラミネート鋼板の製造方法としては、予め製造した熱可
塑性フィルムを加熱した鋼板に熱接着する方法が一般的
である(特開昭58−82717号公報、特開昭61−
20736号公報、特開昭61−149340号公報、
特開昭61−149341号公報、特開平1−2493
31号公報)。
法は予めフィルムを製造することが必要であり、ラミネ
ート鋼板の製造費用が高くなる欠点を有する。また、接
着する際に接着剤が必要であったり、接着剤を使用しな
い場合は、鋼板の温度、ラミネート時のラミネートロー
ル温度等の操業条件を厳しく管理する必要があった。
イ・エクストリュージョン法の場合は設備配置の制約か
ら両面同時ラミネートが難しい。従って、一台の押出機
で先ず片面を、次いでもう一台の押出機でもう一方の面
をラミネートする必要がある。この時、第一回目の押出
機によるエクストリュージョンラミネートでは、鋼板側
の温度を任意に選択することが可能である。しかし、二
回目のエクストリュージョンでは、裏面側に熱可塑性樹
脂がラミネートされているため高温でのラミネートは難
しい。即ち、裏面にラミネートした熱可塑性樹脂の軟化
点以上に鋼板を加熱するとラミネートフィルムが軟化
し、ロール疵が転写されるばかりでなく、熱可塑性ポリ
エステル樹脂の場合は結晶化、熱収縮等の変化がフィル
ムで生ずる。従って、表裏に同種の熱可塑性ポリエステ
ル樹脂をラミネートした場合でも、時として最初にラミ
ネートしたフィルムの加工性、密着性が劣化する等の不
都合が生ずる。
ジョン法で、樹脂ペレットを使用して直接鋼板の両面に
熱可塑性ポリエステル樹脂をラミネートし、両面ともに
密着性、加工性に優れたラミネート鋼板を製造すること
である。
両面に熱可塑性ポリエステル樹脂をTダイ・エクストリ
ュージョン法でラミネートする方法に於いて、片面をラ
ミネートした後、もう一方の面をラミネートする時の鋼
板温度を150℃以下、100℃以上としてTダイ・エ
クストリュージョンラミネートを行い、この両面ラミネ
ート鋼板を160℃以上、230℃以下の温度で2秒以
上、20秒以内の時間再加熱し、直ちに冷却することを
特徴とする密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエ
ステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法である。
150℃以下、100℃以上の温度で行い、しかる後に
再度鋼板を加熱し、所定の温度で一定時間保持した後冷
却することで、所期の性能を持った両面熱可塑性ポリエ
ステル樹脂ラミネート鋼板が得られることが判明した。
設備の一例を示した。捲き戻しリール1から払い出され
た鋼帯2は、先ず加熱ロール3で所定の温度まで加熱さ
れる。次に、TダイI4で片面がラミネートされ、続い
てTダイII5でもう一方の面がラミネートされる。両面
ラミネートされた鋼帯は、誘導加熱装置6で再加熱さ
れ、次いで、冷却槽7で30〜70℃の温水で冷却さ
れ、乾燥炉8で乾燥後、巻き取りリール9で巻き取られ
る。図1には加熱方法および冷却方法の一例を示したの
で、本発明の製造方法に於いて加熱、冷却方法は特に限
定されるものではない。
の内容を詳しく説明する。
器用材料として一般的な電気ぶりき、ティンフリースチ
ール、電気亜鉛めっき鋼板等が使用でき、特に限定する
ものではない。
ト前の鋼帯の加熱温度は特に限定する必要は無いが、余
り高温でエクストリュージョンラミネートすると、次に
もう一方の面がラミネートされるまでの間に、ラミネー
トされた熱可塑性ポリエステル樹脂が結晶化するため、
150℃以下とするのが好ましい。また、この時の鋼板
温度の下限は100℃で、これ未満の温度では鋼板とラ
ミネートフィルムとの密着性が確保できない。
ミネートの温度であるが、この時の鋼板温度は150℃
以下、好ましくは130℃以下、100℃以上とする必
要がある。鋼板温度が150℃超の場合は、第一回目の
押出機でラミネートされたフィルムが軟化し、ラミネー
トロールの模様が転写され、その後の熱処理でも発生し
た模様(ロールの模様とは、ラミネートロールの研磨目
および摺り疵跡がフィルム面に転写されたものを言う)
が消えず、製品外観として好ましくない他、若干ではあ
るが樹脂組成によっては結晶化が進行し、熱処理後でも
この結晶化を軽減できず、ラミネート鋼板の密着性、加
工性が劣化する等の問題が生ずる。このため、150℃
以下、好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂が結晶化し
ない130℃以下で第二回目のエクストリュージョンラ
ミネートを行う。また、100℃以上としたのは、この
温度未満ではラミネートフィルムと鋼板との一次密着性
が確保されず、再加熱までの通板の間に剥離する恐れが
あるためである。
トリュージョンラミネートされた鋼板は、160℃以
上、230℃以下の温度で2〜20秒間保持された後、
冷却される。これは、エクストリュージョンラミネート
されたフィルムと鋼板との密着性の向上を図り、絞り加
工等の加工性を確保することが目的である。160℃未
満、また、2秒未満の加熱では密着性が確保されないこ
とから下限値が限定される。一方、230℃を越えた温
度で加熱した場合はフィルムの一部が溶融し、鋼板との
間にボイドを生じるため、加熱は230℃以下で行う必
要がある。また、20秒を越えた時間、特に160〜2
00℃で鋼板を保持した場合、熱可塑性ポリエステル樹
脂の結晶化が進み、鋼板とフィルムとの密着性が確保さ
れないばかりか、加工性が劣化する。このため、鋼板の
温度保持は20秒以下とする必要がある。
本発明では特に限定するものではないが、上記した通
り、160〜200℃で20秒超保持した場合、熱可塑
性ポリエステル樹脂の結晶化が進むので、できるだけ速
やかに冷却する必要がある。調査結果では、1℃/秒以
上の速度で冷却すれば結晶化も小さく、密着性、加工性
に優れた両面ラミネート鋼板が得られることを確認して
いる。通常の冷却方法(大気中で放冷)で1℃/秒程度
の冷却速度の確保は可能であり、冷却速度については特
に規定しないが、図1に示した如く、温水で冷却するの
が温度履歴を制御する上で好ましい方法である。
としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主
成分とし、若干の変成、およびブレンド、アロイ化等を
行ったものが使用できる。即ち、純粋なPETの場合、
結晶化速度が速く、鋼板との密着性が劣る。これらPE
Tの欠点を補う方法として、エチレングリコールに代え
てプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の
グリコール成分を使用したり、またイソフタール酸に代
えてアジピン酸、セバシン酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸等の酸成分を使用した共重合PETが使用可
能である。純粋なPETとPI(ポリエチレンイソフタ
レート)とをブレンドした混合組成のポリエステル樹
脂、一部エステル置換したアロイ化樹脂等も使用可能で
ある。更に、上記した樹脂組成物にポリエチレン、ポリ
プロピレン樹脂をアロイ化した樹脂も使用可能である。
即ち、目的に応じてPETを主成分とした変成ポリエス
テル樹脂が使用可能であり、特に、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂の成分について限定するものではない。
チール(Cr付着量80mg/m2 )に、先ず、鋼板温
度を変化させて、Tダイ・エクストリュージョン法によ
って、ポリエチレン・テレフタレート・イソフタレート
共重合体樹脂(イソフタレート/テレフタレート比は1
/4(テレフタレート成分が80%))を30μの厚み
でラミネートした。次いで、同じ樹脂成分に酸化チタン
を重量比で15%混入した白色の熱可塑性ポリエステル
樹脂を、Tダイ・エクストリュージョン法でもう一方の
面に30μの厚みでラミネートした。
ネート鋼板を加熱した後60℃の温水で冷却、温風で乾
燥後、製品とした。これら製品のサンプルを、容器材料
としての各種特性について調査した。結果を表1に整理
した。尚、表1の評価項目の内*1Tピール強度、*2
カップ絞り後塗膜欠陥、およびラミネート面の外観につ
いては第一回目ラミネート面で評価し、*3耐糸錆性に
ついては第二回目ラミネート面について評価した。
チール(Cr付着量80mg/m2 )に、鋼板温度13
0℃で、Tダイ・エクストリュージョン法によって各種
熱可塑性ポリエステル樹脂を30μの厚みでラミネート
した。次いで、特に鋼板を冷却または加熱することな
く、第一回目Tダイ・エクストリュージョンと同じ樹脂
成分に酸化チタンを重量比で15%混入した白色の熱可
塑性ポリエステル樹脂を、Tダイ・エクストリュージョ
ン法でもう一方の面に30μの厚みでラミネートした。
この時の鋼帯温度は130〜110℃であった。
0秒加熱した。次いで60℃の温水で冷却、温風で乾燥
後、製品とした。これら製品のサンプルを、容器材料と
しての各種特性について調査した。結果を表2に整理し
た。尚、表1同様に、*1、*2の評価については第一
回目ラミネート面、*3の評価については第二回目ラミ
ネート面について実施した。
後、Tピール強度を測定した。熱融着は、240℃で1
0秒間、加圧(5kg/cm2 )で行った。熱融着後の
試料を室温まで冷却してTピール強度を測定した。
×30mm高さのカップ絞りを行った。このカップに
1.5%NaCl溶液を入れ、次いで中央に陰極を入
れ、この電極とカップの間に6.0Vの電圧をかけた。
電極とカップ間に流れる電流を測定した。
ミネート面の樹脂層にクロスカットを入れ、この試料を
3時間塩水噴霧試験した。塩水試験後のサンプルを50
℃、相対湿度80%の雰囲気で一箇月間経時した。経時
後の糸錆の発生状況を、標準サンプルと比較評価し、5
(良)←→(不良)の五段階評価した。
た両面ラミネート鋼板は優れた密着性と加工性を有して
いる。一方、ラミネート時の鋼板温度またはラミネート
後の熱処理条件が不適当なものは、ラミネート面の外観
が悪かったり、密着性、加工性に劣った。
熱可塑性ポリエステル樹脂に適用可能であり、密着性、
加工性に優れた両面ラミネート鋼板の製造技術として優
れたものである。
た両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板を容易
に製造できる。
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板の両面に熱可塑性ポリエステル樹脂
をTダイ・エクストリュージョン法でラミネートする方
法に於いて、片面をラミネートした後、もう一方の面を
ラミネートする時の鋼板温度を150℃以下、100℃
以上としてTダイ・エクストリュージョンラミネートを
行い、この両面ラミネート鋼板を160℃以上、230
℃以下の温度で2秒以上、20秒以内の時間再加熱し、
直ちに冷却することを特徴とする密着性、加工性に優れ
た両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226389A JPH0813538B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226389A JPH0813538B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0542650A JPH0542650A (ja) | 1993-02-23 |
JPH0813538B2 true JPH0813538B2 (ja) | 1996-02-14 |
Family
ID=16844362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3226389A Expired - Fee Related JPH0813538B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 密着性、加工性に優れた両面熱可塑性ポリエステル樹脂ラミネート鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813538B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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AU687079B2 (en) * | 1993-08-04 | 1998-02-19 | Toyo Kohan Co. Ltd. | Laminated plate and method of manufacturing the same |
WO1996009169A1 (en) * | 1994-09-23 | 1996-03-28 | Eastman Chemical Company | Extrusion coating process for making amorphous polyester layers on metal foil substrates |
NL1006109C2 (nl) * | 1997-05-22 | 1998-11-25 | Hoogovens Staal Bv | Werkwijze voor met thermoplastisch bekledingsmateriaal bekleden van een metallisch substraat. |
EP1023175B1 (en) | 1997-05-30 | 2006-02-15 | Alcoa Inc. | Method for coating aluminum metal strip |
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1991
- 1991-08-13 JP JP3226389A patent/JPH0813538B2/ja not_active Expired - Fee Related
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