JPH08134675A - 高純度三フッ化窒素ガスの製造方法 - Google Patents
高純度三フッ化窒素ガスの製造方法Info
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- JPH08134675A JPH08134675A JP6280405A JP28040594A JPH08134675A JP H08134675 A JPH08134675 A JP H08134675A JP 6280405 A JP6280405 A JP 6280405A JP 28040594 A JP28040594 A JP 28040594A JP H08134675 A JPH08134675 A JP H08134675A
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Abstract
物としてイオウ(S)分が20重量ppm以下であるニ
ッケル電極を用いて、酸性フッ化アンモニウムを電解液
とする溶融塩電解法により、高純度の三フッ化窒素ガス
を製造する。 【効果】 SF6の生成を抑え、高純度の三フッ
化窒素ガスを容易に製造することが可能となった。ま
た、所定の電極への変更へ変更することによって従来の
設備を何等変更することなく、実施することが出来る
等、工業的かつ経済的に有利である。
Description
(NF3 )ガスの製造方法に関する。更に、詳しくは、
工業的に、高純度三フッ化窒素ガスを安価に提供する製
造方法に関し、酸性フッ化アンモニウムを電解液とし、
更には陽極及び陰極に所定の純度のニッケル電極を用
い、溶融塩電解法によって電解を行うことを特徴とする
ものであり、更に詳しくは、三フッ化窒素中に含まれる
六フッ化イオウ(SF6)を低減する方法に関する。
尚、本発明における高純度の三フッ化窒素(NF3 )と
は、純度99.99容量%(以下4Nという。)以上の
ものをいう。
向け、特にCVD装置のクリーリングガスとして、また
半導体のドライエッチング剤やTFTの液晶分野での枚
葉式装置のクリーニング用として、近年注目され、その
生産量は著しく伸びている。これらの用途に使用される
NF3 ガスは、近年、益々高純度のものが要求されて来
ている。
法としては、種々の方法が提案されている。例えば、用
いる電極については、工業的には、陽極にニッケルを使
用する方法が不純物分、例えばCF4 を生成しないこと
で広く用いられている。
しては、本出願人による方法;特開平4-56789 号公報記
載のものが、従来技術と比較して、不純物分が少ない点
で好ましい。しかしながら、近年、技術の進歩に伴い、
高純度のNF3 ガスのニーズがあり、更なる、製品ガス
の高純度化が必要であった。
て得られた粗ガス(以下粗ガスという。)を、キャリヤ
ーガスと共に精製装置に導き、例えば、ゼオライト、活
性アルミナ、シリカゲル等による吸着及び/または薬液
洗浄処理及び/またはプラズマ分解及び/または深冷分
離及び/またはガスの液化精留等により精製する方法で
あった。
ガス成分及び水分(H2O)を除いては、亜酸化窒素
(N2O)、二酸化炭素(CO2 )、一酸化炭素(C
O)、二フッ化二窒素(N2F2)、二フッ化酸素(OF
2)、六フッ化硫黄(SF6)、四フッ化炭素(CF4)
などを多く含んでいるため精製が必要であり、前述の精
製装置にて粗ガスの精製を実施していた。
の含有量やバラツキによって、性能をコントロールする
必要があり、例えば吸着剤を用いた場合は、吸着速度、
吸着剤の更新、再生頻度の変更等種々の条件のパラメー
タを変化させる必要があり、その分労力を要すると共
に、得られた精製ガスについても、かなりの頻度で製品
の純度のバラツキを調査する必要がある等の品質管理が
大変であり、その分製造コストの増加を招いていた。
て、従来は問題視されていなかったため、その除去方法
も検討されていなかった。しかし、例えば、4N(純度
99.99容量%)、5N(純度99.999容量%)
あるいはそれ以上の高純度のNF3 ガスを工業的に製造
する場合、粗ガス中の不純物レベル、即ちその含有量が
問題となってくる。粗ガスの精製し、純度を高め、高純
度化を図ることは、該精製を実施する際、装置的にかつ
経済的に限界点があり、高純度のガスを、経済的に製造
することが、実質的に、困難であった。
検討し、先に特願平6−225136号を出願しゼオラ
イトによるSF6の除去方法についての提案を行った。
しかしながら、精製工程において更なる精製処理が必要
であり、従来の装置を何等、変更することなく、不純物
であるSF6を容易に除去する方法についての提案が、
要望されていた。
に鑑み、SF6の発生原因について検討を行った。例え
ば、Journal of Fluorine Chemistry,57(1992) P113-11
9によれば、H2NSO2Fを%オーダーで添加しても得
られる三フッ化窒素ガス中のSF6は痕跡程度である。
即ち、原料である、酸性フッ化アンモニウム中に硫酸分
が入っていても、SF 6は生成しないものと予測され、
その他の原因によって、SF6が生成するものと考えら
れる。
多種多用な不純物を含んでいる。例えば、ニッケルは、
水分や炭素分を含め、微量金属S、Mn、Fe、Si、
Cu、Mo、Cr、P、Al、Ti、Na、K、Co、
W 等の微量成分を含有している。
素ガス中のSF6の発生の主な原因が、電極中に含まれ
る微量のイオウ(S)分に由来することを見いだし、所
定の純度の電極を用い、不純物レベルとして、S分が2
0重量ppm以下であれば、生成するSF6を大幅に低
減することが可能となり、高純度の三フッ化窒素ガス
(NF3)を容易に製造せしめることが出来ることを見
いだしたものである。
酸性フッ化アンモニウムを電解液とする溶融塩電解法に
よる、高純度の三フッ化窒素ガスの製造方法において、
該ニッケル電極の純度が、98.5重量%以上でかつ、
不純物としてイオウ(S)分が20重量ppm以下であ
ることを特徴とする高純度の三フッ化窒素ガスの製造方
法である。
用いる電極としてのニッケル(Ni)の純度としては、
98.5重量%以上でかつ、不純物としてイオウ(S)
分が20重量ppm以下であることが、好ましい。
あるいは/または不純物としてのイオウ(S)分が20
重量ppm以上であれば、得られる、三フッ化窒素の純
度4N以上の高純度品を得ることが、難しくなり、好適
でない。
ニッケル(Ni)としての純度を示し、不純物分である
イオウ(S)分はイオウ(S)としてのニッケル中に含
まれる割合をいう。
のではないが、フッ酸ガスとアンモニアガスより得えら
れたものが、経済的であり工業的には好ましい。
る図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施に
好適な一実施態様のフローシートを示す図である。
F)及びアンモニアガス(NH3 )を、原料調合槽へ供
給し、酸性フッ化アンモニウムを生成させ、該酸性フッ
化アンモニウムを電解槽へ供給し、溶融塩電解法によっ
て電極の陽極側に、NF3 ガスを生成せしめる。尚、原
料調製槽は適量の窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス等にて外気の影響を受けない目的でシールすることが
好ましい。
は、一般向けの工業グレードの無水フッ酸をガス化させ
たもので充分であり、純度としては99.5重量%程度、用
いるアンモニアガス(NH3 )としては一般向けの工業
ク゛レート゛の液化アンモニアをガス化させたものでよく、純
度として99.O重量%程度であれば特に限定はない。
極めて速やかに進むため、特に充分な撹拌等も不要で、
フッ酸ガスとアンモニアガスが接触出来るものであれば
特に限定はない。また、反応条件としては、HF/NH
4 Fモル比として1.5〜2.0程度が好適である。
窒素の純度への影響は、異なるが、本発明者等の研究に
よれば、電極として用いるニッケルの純度及び不純物分
が、本発明の記載の範囲内であれば、得られた粗ガス
を、従来と同様の精製装置に導くことで、高純度の三フ
ッ化窒素を容易に得ることが出来る。。
置へ導き微量の不純物を除去せしめ高純度の三フッ化窒
素を得る。
図である。図2において、反応せしめた酸性フッ化アン
モニウムを電解槽本体1に導き、電解液2とする。電解
液の供給は、連続式あるいは回分式いずれでもかまわな
いが、連続的に一定量の三フッ化窒素を得ようとした場
合、連続式が好ましい。電解槽本体1は、陽極室3と陰
極室5に隔板7にて、仕切られている。陽極室3には、
純度98.5重量%以上、不純物としてイオウ分20重量ppm
以下のニッケル陽極4があり、陰極室5には陽極4と同
等の陰極6が取り付けられている。尚、電解槽本体1
は、陽極及び陰極が複数個からなるものでも特に問題は
なく、工業的には、生産効率等から複数個の構成が一般
的である。
塩電解法として温度110〜140℃程度に保持し、電
解槽本体1にある電極4及び6に直流の電流を通電して
溶融塩電解を行う。電解時の電圧は5〜10V、電流密
度は1〜15A/dm2 程度で実施される。
F3 ガスが、また陰極からはH2 ガスが発生する。尚、
電解槽1には発生したNF3 ガスとH2 ガスの混合を避
けるために陽極4と陰極6の間に隔板7が設けてある。
は混合しないようにそれぞれ個別の導管8及び9にて取
り出される。導管8にて取り出された粗NF3 ガスは精
製装置へ導かれる。また、陰極6から発生したH2 ガス
は、除外装置等を経て、大気中に放出される。
より一般的に使用されている薬液洗浄によるガス洗浄装
置、吸着剤を用いた吸着塔及び精留塔等からなる精製装
置で良い。
進行させるためと、陽極室3及び陰極室5の圧力を出来
るだけ均一に維持する目的で窒素ガス、アルゴンガス、
ヘリウムガスなどのガスをキャリアーガスとしてそれぞ
れ適量、陽極室3及び陰極室5へ導管10及び11を通
して導く。
3 の純度に影響を与えない純度が好ましく、本発明者等
の研究では、純度4N以上が好ましく、6N以上が好適
である。該キャリアーガスとしては、工業的には、安価
でかつ高純度品を容易に入手可能な、窒素ガスの使用
が、好ましい。
する。
塩電解法によりNF3の製造をおこなった。
99.98 %)をガス化させフッ酸ガスとし、該フッ酸2.00k
g/hr と工業用液体アンモニア(純度99.0〜99.3%)を
ガス化させアンモニアガスとし、該アンモニアガス0.71
kg/hr とをSS-400にフッ素樹脂ETFEをライニングした5
00Lの反応器にて、純度99.9999 容量%のN2ガスのシ
ール下で反応させ、HF/NH4 Fのモル比が1.7モ
ルの酸性フッ化アンモニウムを得た。
ングした容量450Lの電解槽(電極が3セットあり)に酸
性フッ化アンモニウムを連続的に供給しながら、122
℃の温度に調整した。つぎに、陽極室に純度99.9999容
量%のN2ガスをキャリアーガスとして0.1L/minの流量
で導入しながら陽極から陰極に電圧7.0ボルト(V)
及び200アンペア(A)の電流を流して電解を行っ
た。このとき、陽極及び陰極は純度99.0重量%、不純物
分としてのイオウ分15重量ppmのニッケル製とした。
製造は連続3000時間実施した。
ソーダ及び水酸化カリウムの薬液洗浄によるガス洗浄装
置、天然ゼオライトを充填した吸着塔及び精留塔とから
なる精製装置に送り、該装置出口ガスメーターにより生
成ガス量を測定した。また出口ガス純度分析は、オンラ
インのガスクロマトグラフィー用いて分析した。その結
果、生成ガス量としては平均10〜11L/minあ
り、得られたNF3 ガスの純度及びSF6含有量は表1
の通りであった。
イオウ分10重量ppmとした以外は実施例1と同じ条件と
した。得られたNF3 の純度及びSF6含有量を分析し
たところ、表2に示す結果が得られた。尚、製造は約
2、000時間行った。
オウ分14重量ppmとした以外は、実施例1と同じ条件に
て実施した。得られたNF3の純度及びSF6含有量を分
析したところ、表3に示す結果となり、純度4Nを下回
った。尚、得られた製品純度が低いため製造は、約90
0時間で停止した。
オウ分25重量ppmとした以外は、実施例1と同じ条件に
て実施した。得られたNF3 の純度及びSF6含有量を
分析したところ、表4に示す結果となり、純度4Nを下
回った。尚、得られた製品純度が低いため製造は約60
0時間で停止した。
工業的に、高純度の三フッ化窒素(NF3 )を安価に製
造する方法において、酸性フッ化アンモニウムを電解液
とし、陽極及び陰極に所定のニッケル電極を用い、溶融
塩電解法によって電解を行うという極めて簡単な方法で
ある。
が困難であった高純度のNF3 の製造を、本発明の方法
によってSF6の生成を抑え、容易に実施することが可
能となり、その意義は大きいものがある。
変更することによって従来の設備を何等変更することな
く、本発明の効果を容易に受けることが出来る等、本発
明の工業的かつ経済的効果は極めて、大なるものがあ
る。
を示す図
図
Claims (1)
- 【請求項1】 ニッケル電極を用いて、酸性フッ化ア
ンモニウムを電解液とする溶融塩電解法による、高純度
三フッ化窒素ガスの製造方法において、該ニッケル電極
の純度が、98.5重量%以上でかつ、不純物としてイ
オウ(S)分が20重量ppm以下であることを特徴と
する高純度三フッ化窒素ガスの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6280405A JP3043243B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 高純度三フッ化窒素ガスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6280405A JP3043243B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 高純度三フッ化窒素ガスの製造方法 |
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---|---|
JPH08134675A true JPH08134675A (ja) | 1996-05-28 |
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Family
ID=17624582
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6280405A Expired - Lifetime JP3043243B2 (ja) | 1994-11-15 | 1994-11-15 | 高純度三フッ化窒素ガスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3043243B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG87196A1 (en) * | 1999-12-21 | 2002-03-19 | Mitsui Chemicals Inc | Electrode and electrolyte for use in preparation of nitrogen trifluoride gas, and preparation method of nitrogen trifluoride gas by use of them |
WO2007083740A1 (ja) * | 2006-01-20 | 2007-07-26 | Toyo Tanso Co., Ltd. | フッ素又は三フッ化窒素を製造するための電解装置 |
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---|---|---|---|---|
US7413722B2 (en) | 2005-08-04 | 2008-08-19 | Foosung Co., Ltd. | Method and apparatus for manufacturing nitrogen trifluoride |
-
1994
- 1994-11-15 JP JP6280405A patent/JP3043243B2/ja not_active Expired - Lifetime
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