JP3512285B2 - 精ヨウ化水素の製造方法 - Google Patents

精ヨウ化水素の製造方法

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JP3512285B2 JP30577295A JP30577295A JP3512285B2 JP 3512285 B2 JP3512285 B2 JP 3512285B2 JP 30577295 A JP30577295 A JP 30577295A JP 30577295 A JP30577295 A JP 30577295A JP 3512285 B2 JP3512285 B2 JP 3512285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料であるヨウ素
を無駄なく反応させ、収率よく粗ヨウ化水素を得て、更
に、この粗ヨウ化水素を精製し、高純度のヨウ化水素を
製造する方法に関する。ヨウ化水素は、各種ヨウ化物の
合成原料、医薬用中間体又は還元剤として用いられ、更
に、最近では半導体の分野におけるエッチング剤として
脚光を浴びている工業的に有用な物質である。エッチン
グ剤としてはハロゲン化水素が広く利用されているが、
その中でもヨウ化水素はそのエッチング性能の高さにお
いて注目されているものである。
【0002】
【従来の技術】最近、特に半導体の分野において、ヨウ
化水素は非常に良好なエッチング性能を有する物質であ
ることが認められている。とりわけ、このような分野に
使用されるヨウ化水素は、通常の化学反応試剤等とは異
なり、リンや硫黄を含む可能性が全くなく、しかも4ナ
イン乃至5ナインのオーダーという極めて高純度のもの
が要求される。
【0003】ところで、通常のヨウ化水素の合成法が、
例えば、J.W.Mellor編、Mellors Comprehensive Treati
se on Inorganic and Theoretical Chemistry,Suppleme
nt2,Part 1,p.170(1960),Longmans 社発行、に開示
されている。しかし、その中、リン又はリン化合物を還
元剤としてヨウ素をヨウ化水素にする方法では、製品中
にリン化合物が混入する恐れがあり、また、水の存在下
硫化水素でヨウ素を還元する方法は、水系の反応なので
大量の水分が混入する欠点がある。その他、次亜リン酸
又は二酸化硫黄−水系でヨウ素を還元する方法(米国特
許第4,089,940号)、ロジウム又はイリジウムを触媒と
してヨウ素を水素添加する方法(特公昭54-43480号公
報)があるが、いずれも水系の反応であり、ヨウ化水素
ガス中に大量の水分が混入する。また、無水系の反応で
はあるが、白金触媒等を用いてヨウ素を接触水素化する
方法( E.R.Caley,M.G.Burforal,Inorganic Synthesis
Vol.1,p.159(1939)、及び上記のJ.W.Mellor編の書
物)では、反応温度が 300〜500℃程度と非常に高温で
あり、しかも反応が遅くヨウ化水素の転化率やその収率
が低い等の欠点があり、工業的なヨウ化水素の製造法と
しては余り適当でない。
【0004】一方、高純度のヨウ化水素を工業的に製造
する方法としては、ヨウ素を有機還元剤により還元する
方法が有望であると考える。従来、テトラヒドロナフタ
レン等の有機還元剤を用いたヨウ化水素の製造法が開示
された文献としては、例えば、C.J.Hoffman,Inorganic
Syntheses CollectiveVol.VII,p.180(1963)がある。
この方法では、テトラヒドロナフタレンに1/37倍当量の
ヨウ素を加え、200℃以上に加熱し反応させることによ
り、90%の収率でヨウ化水素を発生することができると
いうものである。
【0005】しかしながら、本発明者らの研究によれ
ば、この方法では、反応中にその液中からヨウ化水素以
外にヨウ素蒸気も大量に発生するため、原料ヨウ素の損
失を起こしやすいばかりではなく、得られるヨウ化水素
中にヨウ素が混入し、その純度が低下したり、あるいは
工業的なヨウ化水素の製造設備をも考慮した場合、有害
なヨウ素蒸気の系外拡散を防ぐ大がかりな設備が必要と
なる等の問題がある。更には、この反応は気体を発生す
る反応であるため、反応液から発生するヨウ化水素の量
を制御することが非常に困難であり、一時的に大量なヨ
ウ化水素が発生するという問題もある。
【0006】また、この方法では、反応に使用するヨウ
素に対し、37当量倍もの大過剰なテトラヒドロナフタレ
ンを用いるため、反応後では大量の未反応テトラヒドロ
ナフタレンを含む廃液が残る。したがって、これは、大
量なテトラヒドロナフタレンのうち、僅か一部しか消費
されずに極めて容積効率が悪く不経済であり、更に反応
後では、テトラヒドロナフタレンを含む廃液を処理する
必要が不可避であること等から、そのまま工業的にヨウ
化水素を製造する方法として採用することは困難であ
る。これらの製造上の問題が解決されたとしても、得ら
れるヨウ化水素自体は、一般に水分、有機分等の不純物
を少なくとも 0.5%程度含み、このままではとりわけ半
導体分野用の純度としては不充分であり、一層の精製が
必要とされる。
【0007】しかしながら、現在までのところ、ヨウ化
水素中に含まれる不純物を除去し、純度の高いヨウ化水
素を得る技術は全く知られていない。また、ヨウ化水素
以外の工業用ガスの精製法に関して、例えば、次のよう
な方法が開示されているだけである。すなわち、特開昭
61-209902号公報では水素中に含有する窒素を、カルシ
ウムイオン処理をしたモルデナイト型ゼオライトを使用
して除去する方法;米国特許第4,557,921号では四フッ
化ケイ素の精製法で、モルデナイト型ゼオライトを用い
て、不純物の二酸化硫黄やハロゲン化水素を除去する方
法;特開平3-29003号公報では水素化ケイ素の精製法に
関して、5A型ゼオライトを用いた、不純物であるホス
フィンの除去法;米国特許第5,051,117号では水素中に
含有するハロシランをゼオライトによって除去する方
法;特開平4-330916号公報では疎水化処理された合成
ゼオライトを用いて、空気中の有機分を除去する方法;
臭化水素の精製法について、特開平6-32601号公報では
ゼオライトを使用して、不純物である二酸化炭素、塩化
水素、酸素及び窒素を除去する方法が挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヨウ化水素
を製造するに際し、上記した従来に知られる方法におけ
る欠点がない製造方法を提供するとともに、ヨウ化水素
中に含まれる不純物を除去し、半導体分野における使用
をも可能とする、高純度なヨウ化水素を得るための工業
的に適した方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意検討した結果、次のように操作
すること、及びそれらを組み合わせて統合化することが
有効であるという事実を見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、上記した従来の方法のように
ヨウ素とテトラヒドロナフタレンとを一括した混合液又
は懸濁液を用いるのではなく、テトラヒドロナフタレン
にヨウ素又はヨウ素・テトラヒドロナフタレン溶液を連
続的に又は間欠的に添加しながら加熱して反応させるこ
と、また、その際にテトラヒドロナフタレンばかりでは
なく、その他のナフタレンの水素付加物を用いてもよい
こと。上記の反応後の溶液に、更にヨウ素を添加して
反応させても、このヨウ素の量に見合うヨウ化水素が発
生すること。引続いて、この操作を同様に多数回繰り
返した場合でも、得られるヨウ化水素の純度及び収率は
なんら低下せず、仕込み当初のテトラヒドロナフタレン
のほぼ全量をヨウ化水素の製造のために使用できるこ
と。このように製造された、不純物の含まれるヨウ化
水素(主な不純物として、水分、及びテトラヒドロナフ
タレン、ナフタレン等の有機分)を気相にてゼオライト
に接触させた場合には、該ゼオライトに不純物が顕著に
吸着されること。市販のゼオライトをヨウ化水素と予
め接触させると、その中の不純物である硫黄分は硫化水
素に還元され、除去されること。
【0011】換言すれば、本発明は、高純度ヨウ化水素
の製造法に関し、ヨウ素をナフタレンの水素付加物によ
り還元して得られる粗ヨウ化水素を気相でゼオライトと
接触させて製造することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】第一に、粗ヨウ化水素の製造方法
について説明する。一般に、ヨウ素を還元してヨウ化水
素を製造するに際し、テトラヒドロナフタレン等、ナフ
タレンの水素付加物にヨウ素を一括で添加し反応させた
場合は、反応液よりヨウ化水素ガスが激しく発生すると
ともに、該液中よりヨウ素の蒸気も大量に発生する。こ
の現象は、ヨウ素にナフタレンの水素付加物を添加した
場合や、ヨウ素が大量に存在する溶液又は懸濁液にナフ
タレンの水素付加物を添加した場合にもほぼ同様に起こ
る。
【0013】しかしながら、下記する本発明の方法のよ
うに、ヨウ素、又はナフタレンの水素付加物とヨウ素の
溶液を、ナフタレンの水素付加物に連続的に又は間欠的
に添加し、この添加とほぼ同時に反応を開始させる場
合、ヨウ素は速やかに還元されてヨウ化水素を生成し、
ヨウ素蒸気の発生を極端に抑制することができる。した
がって、所定量のヨウ素を添加し反応させるだけで、純
度のよいヨウ化水素を収率よく得ることができる。
【0014】本発明の方法で使用するナフタレンの水素
付加物とは、ナフタレンに水素原子が2個又は4個付加
してなる構造のものをいい、具体的には、テトラヒドロ
ナフタレンとジヒドロナフタレンが挙げられる。これら
は一種でもよいし、また二種でも構わない。ここで、テ
トラヒドロナフタレンとは、テトラリン、 1,2,3,4-テ
トラヒドロナフタレン等と呼称される化合物である。ジ
ヒドロナフタレンには、水素の付加位置が 1,2-位及び
1,4-位のものがあり、いずれも本発明の方法に使用でき
る。上記のナフタレンの水素付加物のうちでも、テトラ
ヒドロナフタレンが好ましく用いられる化合物であり、
反応の進行を温度によって制御することがより容易であ
るとともに、ヨウ素の損失を非常に少なくすることがで
き、高純度のヨウ化水素を収率よく得られる等の効果が
極めて顕著である。
【0015】本発明の方法におけるナフタレンの水素付
加物の使用量は、反応に用いるヨウ素に対し当量倍以上
の量であれば充分である。この量が当量倍未満では、反
応時、ナフタレンの水素付加物中に未反応のヨウ素が存
在しやすく、ヨウ化水素以外にヨウ素蒸気が発生する恐
れも多分にあるため好ましくない。また、この量が比較
的多くても、本発明の目的を達成する上では何ら問題は
ない。
【0016】まず、本発明における粗ヨウ化水素の製造
方法では、ナフタレンの水素付加物にヨウ素を添加しな
がら反応させる。その際、反応圧力は常圧でも加圧でも
構わないが、通常は常圧付近が操作上容易であることか
ら多用される。また、反応温度は 120℃〜反応液の沸点
(例えば、ナフタレンの水素付加物がテトラヒドロナフ
タレンである場合は 210℃程度)、好ましくは 150℃〜
反応液の沸点の範囲である。この温度が 120℃未満で
は、反応の進行が極端に遅くなり、また、反応液の沸点
を越えると、常圧下におけるヨウ化水素の製造が非常に
困難となり、更には得られるヨウ化水素もナフタレンの
水素付加物の混入したものとなりやすく、いずれも好ま
しくない。これが反応液の沸点に近い温度では、反応液
からヨウ化水素の発生以外にナフタレンの水素付加物の
蒸発もあるが、発生した混合ガスをコールドトラップに
通気する等、公知の方法によりこれらは充分分離するこ
とができる。
【0017】本発明の方法において、ナフタレンの水素
付加物へのヨウ素の添加は、連続的でも又は間欠的でも
どちらでも構わない。また、その添加速度は、ナフタレ
ンの水素付加物の種類・量、添加方式、反応温度、ヨウ
化水素の生産量、反応容器の形状等に大きく左右され、
一概には決められないが、通常は、反応液上部における
気相の色が褐色乃至は紫色を呈しない速度であれば、本
発明の目的を充分達成することができる。なお、添加す
るヨウ素の形状は粉状、粒状、フレーク状等の固体状で
もよいし、またガス状でナフタレンの水素付加物の液中
に送入してもよい。
【0018】上記のようにヨウ素をナフタレンの水素付
加物に添加した後は、更に反応液を放置し、熟成させて
反応を完結させることが好ましい。この熟成に要する時
間はその温度により変わるが、通常は10分間以上、好ま
しくは1時間以上である。また、この熟成度合いは時間
経過だけではなく、反応液を観察することでも容易に判
断することができる。すなわち、反応液の色が褐色乃至
は紫色をほぼ消滅した時点であれば、熟成が完了したと
して差し支えなく、これ以降はもはやヨウ化水素の発生
がほとんど見られない(実施例1〜6、比較例1 ,
2)。
【0019】次に、本発明における粗ヨウ化水素の製造
方法では、ヨウ素をナフタレンの水素付加物の一部に予
め溶解させた後、この溶液を残りのナフタレンの水素付
加物に添加しながら反応させる。
【0020】この方法では、反応を密閉下で行なうこと
ができるので、空気の混入や反応容器の供給管等へのヨ
ウ素の付着又は閉塞を防止することができることから非
常に好ましい。上記のナフタレンの水素付加物とヨウ素
の溶液中、ヨウ素濃度はヨウ素の飽和溶液(20重量% ,
20℃)又はそれ以下であればよい。なお、この方法にお
いて、反応圧力、反応温度、ナフタレンの水素付加物と
ヨウ素の溶液の添加方式、その添加速度、及び反応液の
熟成については、上記したナフタレンの水素付加物にヨ
ウ素を添加する方法におけるものと同様である。
【0021】更に、本発明における粗ヨウ化水素の製造
方法では、上記のようにナフタレンの水素付加物とヨウ
素の溶液をナフタレンの水素付加物に反応させた後、残
る溶液を二つに分け、この一方の液に別のヨウ素を溶解
させて新たな溶液とし、この溶液を他方の液に添加しな
がら反応させ、更に引続き上記と同様な操作を繰り返
す。
【0022】この方法では、最初の反応液を(10〜4
0):(90〜60)重量比の範囲で二つに分け、この少量
の方の溶液を 120℃〜沸点(210℃程度)、好ましくは
150℃〜沸点(210℃程度)の範囲に保持しておき、この
中に、他方の溶液にヨウ素濃度20〜40重量%程度(飽和
溶液又はそれ以下の濃度)になるようにヨウ素を溶解さ
せたものを添加する。最初の反応液を分ける割合が上記
の範囲外では、溶解可能なヨウ素量が減少しヨウ化水素
の生産性が悪くなったり、また反応温度を保持すること
が困難となる。
【0023】上記のように反応液を繰り返し多数回使用
して反応させても、添加するヨウ素に対するヨウ化水素
の収率及びその純度が低下することは非常に少なく、ま
た仕込み当初のナフタレンの水素付加物のほぼ全量を有
効にヨウ化水素製造のために用いることができる(実施
例7 ,8)。
【0024】第二に、粗ヨウ化水素の精製方法について
説明する。本発明の方法で使用するゼオライトの種類と
しては、例えば、A型、モルデナイト型が挙げられ、ま
た、これらには、粉末状、球状、ペレット状等、各種の
形状のものがあるが、いずれでもよい。ゼオライトに
は、例えば、モレキュラーシーブス(商品名、米国ユニ
オンカーバイド社製)として市販されているものがあ
り、その中、A型である3A、4A、5A;モルデナイ
ト型であるAW-300 等が挙げられる。
【0025】本発明の方法において、ゼオライトは、予
めその使用前に 200〜400℃の範囲にて、好ましくは減
圧下で加熱処理し活性化しておき、その後は大気との接
触を避けるようにすることが必要である。なぜなら、加
熱処理後のゼオライトは大気と接触すると吸湿してしま
い、ヨウ化水素中の不純物を吸着する能力が著しく損な
われるからである。通常、加熱処理後におけるゼオライ
トの取り扱いは、窒素等の不活性ガス中で行なわれる。
【0026】まず、本発明における粗ヨウ化水素の精製
方法では、ゼオライトの前処理として、上記のゼオライ
トを粗ヨウ化水素と予め接触させることにより、該ゼオ
ライト中の不純物である硫黄分を硫化水素に転化し、除
去する。粗ヨウ化水素とゼオライトが特に 50℃以上の
高温で接触すると、ヨウ化水素の強い還元力によってゼ
オライト中の硫黄分が硫化水素に転化し、得られるヨウ
化水素中にそれを含むということが分かった。
【0027】そこで、上記のゼオライトの前処理法にお
いて、接触圧力は常圧〜20気圧、接触温度は 50〜500
℃、好ましくは 80〜200℃、及び空間速度(以下、SV
と略する。)は 300〜1500 hr-1(乾燥窒素とヨウ化水
素の混合ガス基準)の範囲で操作する。また、通すヨウ
化水素の量は充填するゼオライトに対して 1/3(重量
比)以上、好ましくは 1/2(重量比)以上である。この
量が 1/3(重量比)未満では、ゼオライト中の硫黄分が
充分除去されない恐れがある(実施例9〜12、比較例
3)。更に、粗ヨウ化水素をゼオライトに接触させる方
式は、特に限定されないが、通常は、ゼオライトを充填
した塔又はカラムを用い、この中に粗ヨウ化水素を気相
にて通す。
【0028】次に、本発明における粗ヨウ化水素の精製
方法では、上記のように前処理したゼオライトに粗ヨウ
化水素を接触させることにより、粗ヨウ化水素中の不純
物である水分や有機分を除去する。その際、ゼオライト
を充填した塔又はカラムを用い、接触圧力は常圧〜20気
圧、接触温度は−30〜100℃、好ましくは−30〜50℃、
及びSVは 300〜1500 hr-1(乾燥窒素とヨウ化水素の
混合ガス基準)、好ましくは 500〜1000 hr-1の範囲で
操作する。接触圧力や接触温度が上記の範囲外の場合、
ゼオライトによる不純物の吸着効率が低下するために好
ましくない。
【0029】本発明の方法では、粗ヨウ化水素中に含ま
れる水分、有機分等の不純物を充分除去することがで
き、例えば、水分は1ppm 容量以下、有機分は 0.5 ppm
容量以下にすることができる。更に、ゼオライトとして
平均細孔径が3〜5オングストロームのA型ゼオライトを用い
ると、粗ヨウ化水素中の水分は1ppm 容量以下、また、
平均細孔径が4オングストローム のA型ゼオライトでは、水分
が 0.1 ppm容量以下となる(実施例14〜17)。
【0030】上記した粗ヨウ化水素の精製法によりゼオ
ライトを破過点まで使用した後は、それを加熱法、圧力
再生法、パージガスストリッピング法、ディスプレース
メント(置換)法等、公知の方法により再生することが
できるが、一般的には加熱法が採用される。
【0031】更に、本発明における粗ヨウ化水素の精製
方法では、ゼオライトと活性炭を組み合わせ、粗ヨウ化
水素をこれらと接触させることにより、ヨウ化水素中の
有機分を一層低下することができる(有機分 0.2 ppm容
量以下)(実施例18)。活性炭に関しても、ゼオライト
と同様に、ヨウ化水素と活性炭が接触すると、活性炭中
の硫黄分がヨウ化水素によって還元され、硫化水素が生
成する。そこで、活性炭の前処理として、市販の活性炭
を粗ヨウ化水素と予め接触させ、活性炭中の硫黄分を除
去する。その際の操作条件は、上記したゼオライトの前
処理の場合と同じでよい。すなわち、それらは塔又はカ
ラムを用い、接触圧力が常圧〜20気圧、接触温度が 50
〜500℃、好ましくは 80〜200℃、SVが 300〜1500 hr
-1(乾燥窒素とヨウ化水素の混合ガス基準)、及びヨウ
化水素/活性炭(重量比)が1/3以上、好ましくは1/
2以上である(実施例13)。
【0032】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を詳
細に説明する。その際に、「粗ヨウ化水素の製造」は実
施例1〜8と比較例1, 2に、「粗ヨウ化水素によるゼ
オライト又は活性炭の前処理」は実施例9〜13と比較例
3に、及び「粗ヨウ化水素の精製」は実施例14〜18にそ
れぞれ記述する。以下において、「%」は重量基準であ
り、また、「ppm 」は容量基準である。なお、ヨウ化水
素の収率は、それの生成反応時に新たに使用したヨウ素
量を基準として、算出した値であり、また、ヨウ化水素
中、水分は露点湿度計により、有機分は高速液体クロマ
トグラフィー(HPLC)により、硫化水素はガス検知
管により、それぞれ測定した。
【0033】実施例1 500 mlのフラスコにテトラヒドロナフタレン 100gを入
れ、撹拌下 210℃に加熱し、この温度を維持しながらこ
れにフレーク状の固体ヨウ素 20.0gを1時間かけ、連
続的に添加し反応させた。反応に伴ない発生するガス
は、−30℃及び−60℃以下に冷却されたコールドトラッ
プを通し固化させ、粗ヨウ化水素を得た。ヨウ素の添加
終了後、反応液を 210℃で15分間放置し熟成させた。そ
の間紫色であった反応液の色は消え、ほぼ全量のヨウ素
が消費されていることを確認した。得られた粗ヨウ化水
素は 19.7gであり、その純度は 99.5%以上、及びその
収率は 97.8%であった。これらの結果を表1にまとめ
る。
【0034】実施例2 100 mlのフラスコにフレーク状の固体ヨウ素 20.0gを
入れ 120℃に加熱しながらガス状のヨウ素を発生させ
た。500 mlのフラスコにテトラヒドロナフタレン100g
を入れ、撹拌下 200℃に加熱し、この温度を維持しなが
らこれにガス状のヨウ素を2時間かけ、連続的に導入し
反応させた。反応に伴ない発生するガスは、−30℃及び
−60℃以下に冷却されたコールドトラップを通し固化さ
せ、粗ヨウ化水素を得た。ヨウ素の導入終了後、反応液
を 200℃で15分間放置し熟成させた。得られた粗ヨウ化
水素は 19.8gであり、その純度は 99.5%以上、及びそ
の収率は 98.0%であった。これらの結果を表1にまと
める。
【0035】実施例3 実施例1において、反応温度、及び反応液の熟成温度を
それぞれ 200℃に変える以外全く同様に操作して、粗ヨ
ウ化水素を得た。この粗ヨウ化水素は 19.8gであり、
その純度は 99.5%以上、及びその収率は 98.0%であっ
た。これらの結果を表1にまとめる。
【0036】実施例4 500 mlのフラスコ中、テトラヒドロナフタレン 100gに
フレーク状の固体ヨウ素 20.0gを 40℃にて溶解し、ヨ
ウ素のテトラヒドロナフタレン溶液を調製した。500 ml
のフラスコにテトラヒドロナフタレン 100gを入れ、撹
拌下 200℃に加熱し、この温度を維持しながらこれに上
記のヨウ素溶液を2時間かけ、連続的に添加し反応させ
た。反応に伴ない発生するガスは、−30℃及び−60℃以
下に冷却されたコールドトラップを通し固化させ、粗ヨ
ウ化水素を得た。ヨウ素溶液の添加終了後、反応液を 2
00℃で15分間放置し熟成させた。得られた粗ヨウ化水素
は19.8gであり、その純度は 99.5%以上、及びその収
率は 98.0%であった。これらの結果を表1にまとめ
る。
【0037】実施例5 実施例1において、固体ヨウ素 20.0gを連続的に添加
するのに変えて、4.0gずつを5回に分け、間欠的に添
加すること以外全く同様に操作して、粗ヨウ化水素を得
た。この粗ヨウ化水素は 19.6gであり、その純度は 9
9.5%以上、及びその収率は 97.2%であった。これらの
結果を表1にまとめる。
【0038】
【表1】
【0039】実施例6 実施例1において、テトラヒドロナフタレンをジヒドロ
ナフタレンに代える以外全く同様に操作して、粗ヨウ化
水素を得た。この粗ヨウ化水素は 19.7gであり、その
純度は 99.5%以上、及びその収率は 97.7%であった。
これらの結果を表2にまとめる。
【0040】比較例1 500 mlのフラスコ中、テトラヒドロナフタレン 100gに
フレーク状の固体ヨウ素 20.0gを 40℃にて溶解し、ヨ
ウ素のテトラヒドロナフタレン溶液を調製した。このヨ
ウ素溶液を 210℃まで昇温し1時間反応させ、発生する
ガスは、−30℃及び−60℃以下に冷却されたコールドト
ラップを通し固化させ、粗ヨウ化水素を得た。この反応
中、発生するガスは紫色であり、それに同伴するヨウ素
が見られ、また、ガス導出管内にはヨウ素が付着すると
ともに閉塞も起こりがちであった。得られた粗ヨウ化水
素は 14.2gであり、その純度は 82.5%以上、及びその
収率は 70.3%であった。これらの結果を表2にまとめ
る。
【0041】比較例2 実施例4において、200℃に維持したテトラヒドロナフ
タレンに 40℃のヨウ素・テトラヒドロナフタレン溶液
を添加するのではなく、逆にヨウ素・テトラヒドロナフ
タレン溶液を 160〜200℃に維持しながら、その溶液に
室温のテトラヒドロナフタレンを10回に分けて間欠的に
添加する以外、全く同様に操作して、反応させ、粗ヨウ
化水素を得た。この反応中、発生するガスに同伴するヨ
ウ素が見られ、また、ガス導出管内にはヨウ素が付着す
るとともに閉塞も起こりがちであった。得られた粗ヨウ
化水素は 16.0gであり、その純度は 85.5%以上、及び
その収率は 79.4%であった。これらの結果を表2にま
とめる。
【0042】実施例7 まず、500 mlのフラスコ中、テトラヒドロナフタレン 1
60gにフレーク状の固体ヨウ素 40gを 40℃にて溶解
し、ヨウ素のテトラヒドロナフタレン溶液を調製した。
500 mlのフラスコにテトラヒドロナフタレン 40gを入
れ、撹拌下 200℃に加熱し、この温度を維持しながらこ
れに上記のヨウ素溶液を2時間かけ、連続的に添加し反
応させた。反応に伴ない発生する粗ヨウ化水素ガスは、
10%水酸化ナトリウム水溶液 1lit 中に導入しその全
量を吸収させた。この水溶液の重量変化を経時的に測定
し、その変化のなくなったところで第1回目の反応の終
点とした。この粗ヨウ化水素の収率は 94.6%であり、
その純度は 99.5%以上、それに含まれる有機分は 200
ppm 及び水分は 30 ppm であった。また、反応後に残
った溶液濃度は、テトラヒドロナフタレンが 94.1%、
及びナフタレンが 5.2%であった。これらの結果を表2
と表3にまとめる。次に、第2回目の反応として、上記
の第1回反応後に残った溶液を1:4(重量比)の二部
に分け、この少量分の方は 200℃に保持し、これに、も
う一方の溶液に新たな固体ヨウ素 40gを溶解させたも
のを2時間かけ、連続的に添加し反応させた。発生する
ヨウ化水素ガスは第1回目の反応時と全く同様に操作
し、その収率を求め、また、この反応後に残った溶液濃
度を測定した。これらの結果を表3にまとめる。更に、
以下同様に繰り返して、反応後に残る溶液を用い、第3
〜第8回目の反応を行なった。得られた粗ヨウ化水素の
収率、及び反応後に残った溶液濃度を表3にまとめる。
【0043】実施例8 実施例7において、反応温度 200℃を 170℃に変える以
外全く同様に操作して、第1〜第8回目の反応を行なっ
た。得られた粗ヨウ化水素の収率、及び反応後に残った
溶液濃度を表3にまとめる。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】 表中、実施例7の結果を左欄に、実施例8の結果を右欄にそれぞれ示す。
【0046】実施例9 粗ヨウ化水素は、実施例7の第1回目反応で得たもの
(純度 99.5%以上 ,有機分 200 ppm、水分 30 ppm
)、ゼオライトは、モレキュラーシーブス4A(商品
名、ユニオン昭和社製)を乾燥したものを用いる。ま
た、ゼオライト 20gを充填したガラス製カラム(内径
25mm )、及び純水 400 ml を入れた吸収ビンを直列に
設ける。まず、このカラムに、温度 100℃及びSV=30
0 hr-1にて、粗ヨウ化水素 10g(粗ヨウ化水素/ゼオラ
イト=1/2重量比)を通気した。その後、乾燥窒素の
バブリングによって吸収ビン中の水溶液に溶存するガス
を追い出し、ガス採取袋(1 lit)に捕集した。得られ
た混合ガス中、硫化水素濃度は粗ヨウ化水素基準にて 1
20 ppmであった。次に、上記のように粗ヨウ化水素を通
気したカラムに、常温及びSV=300 hr -1にて、粗ヨウ
化水素 10gを再び通気し、乾燥窒素のバブリングによ
って吸収ビン中の水溶液に溶存するガスを追い出し、混
合ガスを捕集した。このガス中、硫化水素濃度は粗ヨウ
化水素基準にて1 ppm 以下であった。なお、上記のよ
うに粗ヨウ化水素により処理したゼオライトは、実施例
14と実施例18においてそれぞれ用いられる。
【0047】実施例10〜13 実施例9において、ゼオライトの種類をモレキュラーシ
ーブス3A(商品名、ユニオン昭和社製)(実施例1
0)、モレキュラーシーブス5A(同上)(実施例11)
若しくはAW-300(同上)(実施例12)に、又はゼオラ
イトを活性炭(商品名:4GS-S, ツルミコール社
製)(実施例13)に代える以外全く同様に操作し、2×
4種類の混合ガスを捕集した。これらの混合ガス中、硫
化水素濃度は粗ヨウ化水素基準にて、実施例10では、13
0 ppm , 1 ppm 以下;実施例11では、120 ppm , 1 pp
m 以下;実施例12では、150 ppm , 1 ppm 以下;実施
例13では、250 ppm , 1 ppm 以下であった。なお、上
記のように処理した3種類のゼオライト及び1種類の活
性炭は、実施例15〜18において、それぞれ用いられる。
【0048】比較例3 実施例9において、粗ヨウ化水素の量を5g、すなわち
粗ヨウ化水素/ゼオライト=1/4(重量比)に変える以
外全く同様に操作し、2種類の混合ガスを捕集した。こ
れらの混合ガス中、硫化水素濃度は粗ヨウ化水素基準に
て、120 ppm,15 ppm であった。
【0049】実施例14〜17 粗ヨウ化水素は、実施例7の第1回目反応で得たもの
(純度 99.5%以上 ,有機分 200 ppm ,水分 30 ppm
)、ゼオライトは、実施例9〜12にて粗ヨウ化水素に
より処理したものを用いる。また、ゼオライト 50gを
充填したガラス製カラム(内径 25mm )、及び純水 400
ml を入れた吸収ビンを直列に設ける。このカラムに、
温度30℃、圧力常圧及びSV=600 hr-1にて、乾燥窒素
に同伴させて粗ヨウ化水素 20g(粗ヨウ化水素/ゼオラ
イト=2/5重量比)を通気した。その間、カラム出口
において、不純物(有機分、水分)の濃度は粗ヨウ化水
素基準にて次のとおりである。すなわち、実施例14で
は、有機分が 0.5 ppm以下、及び水分が 0.1 ppm以下;
実施例15〜17では、有機分が 0.5 ppm以下、及び水分が
1 ppm以下であった。
【0050】実施例18 粗ヨウ化水素は、実施例7の第1回目反応で得たもの
(純度 99.5%以上 ,有機分 200 ppm ,水分 30 ppm
)、ゼオライトは、実施例9にて粗ヨウ化水素により
処理したもの、活性炭は実施例13にて粗ヨウ化水素によ
り処理したものを用いる。また、ゼオライト 50gを充
填した第一段のガラス製カラム(内径 25mm )、活性炭
10gを充填した第二段のガラス製カラム(内径 25mm
)、及び純水 400 ml を入れた吸収ビンを直列に設け
る。第一段のカラム入口に、温度30℃、圧力常圧及びS
V=600 hr-1にて、乾燥窒素に同伴させて粗ヨウ化水素
20g(粗ヨウ化水素/ゼオライト=2/5重量比、粗ヨ
ウ化水素/活性炭=1/5重量比)を通気した。その間、
第二段のカラム出口において、不純物の濃度は粗ヨウ化
水素基準にて有機分が 0.2 ppm以下、及び水分が 0.1 p
pm以下であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、まず、粗ヨウ化水素の
合成法について、一回通過時にて未反応のナフタレンの
水素付加物を多量に含む反応液を繰り返し多回数使用し
ても粗ヨウ化水素を高収率で得ることができるので、初
期仕込みのナフタレンの水素付加物を有効に使用でき
る。また、この反応液を一旦貯蔵し、必要時に容易に再
使用することができる。次に、この粗ヨウ化水素の精製
法では、不純物である有機物は 0.2 ppm容量以下、水分
は 0.1 ppm容量以下という非常に高純度の精ヨウ化水素
を得ることができる。したがって、両者を組み合わせた
方法は工業的に精ヨウ化水素を製造するに際し最適なも
のである。また、この精ヨウ化水素は、とりわけ半導体
や液晶で代表される電子デバイスの分野で、ドライエッ
チング剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝重 直樹 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化 学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−205304(JP,A) 特開 平6−73588(JP,A) 特開 平1−171624(JP,A) 特開 昭51−149499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 7/00 - 11/24 B01D 53/34 B01J 20/18 C23F 4/00 H01L 21/3065

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め粗ヨウ化水素で前処理したゼオライ
    トと粗ヨウ化水素を気相で接触させることを特徴とする
    精ヨウ化水素の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗ヨウ化水素が、ヨウ素をナフタレンの
    水素付加物により還元して得られるものであることを特
    徴とする請求項1に記載の精ヨウ化水素の製造方法。
  3. 【請求項3】 ヨウ素をナフタレンの水素付加物により
    還元する際に、ヨウ素をナフタレンの水素付加物に連続
    的に又は間欠的に添加しながら反応させることを特徴と
    する請求項2に記載の精ヨウ化水素の製造方法。
  4. 【請求項4】 ヨウ素をナフタレンの水素付加物により
    還元する際に、ヨウ素の全部をナフタレンの水素付加物
    の一部に予め溶解させ、この溶液をナフタレンの水素付
    加物の残りに、連続的に又は間欠的に添加しながら反応
    させることを特徴とする請求項2に記載の精ヨウ化水素
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 反応後に残る溶液を二つに分け、この一
    方の液に別のヨウ素を溶解させて新たな溶液とし、この
    溶液を他方の液に連続的に又は間欠的に添加しながら反
    応させ、更に引き続き上記と同様な操作を繰り返すこと
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の精ヨウ化水
    素の製造方法。
  6. 【請求項6】 ナフタレンの水素付加物が1,2,3,
    4−テトラヒドロナフタレン及び又はジヒドロナフタレ
    ンであることを特徴とする請求項2に記載の精ヨウ化水
    素の製造方法。
  7. 【請求項7】 ゼオライトが、それを粗ヨウ化水素と予
    め接触させることにより、その中の不純物である硫黄分
    を硫化水素に添加し、該硫黄分が除去されたものである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の精ヨウ
    化水素の製造方法。
  8. 【請求項8】 ゼオライト中の硫黄分を除去する際に、
    ゼオライトの量に対し粗ヨウ化水素の量が少なくとも1
    /3(重量比)であることを特徴とする請求項7に記載
    の精ヨウ化水素の製造方法。
  9. 【請求項9】 ゼオライトがA型ゼオライトまたはモル
    デナイト型であることを特徴とする請求項7に記載の精
    ヨウ化水素の製造方法。
  10. 【請求項10】 該A型ゼオライトがその平均細孔径に
    おいて3オングストローム、4オングストローム又は5
    オングストロームのものであることを特徴とする請求項
    9に記載の精ヨウ化水素の製造方法。
  11. 【請求項11】 ゼオライトと予め粗ヨウ化水素で前処
    理した活性炭を組み合わせ、粗ヨウ化水素をこれらと接
    触させることを特徴とする請求項10に記載の精ヨウ化
    水素の製造方法。
  12. 【請求項12】 活性炭が、それを粗ヨウ化水素と予め
    接触させることにより、その中の不純物である硫黄分を
    硫化水素に添加し、該硫黄分が除去されたものであるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の精ヨウ化水素の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 活性炭中の硫黄分を除去する際に、ゼ
    オライトの量に対し粗ヨウ化水素の量が少なくとも1/
    3(重量比)であることを特徴とする請求項12に記載
    の精ヨウ化水素の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項2に記載の精ヨウ化水素水素を
    用いることを特徴とする半導体や液晶の電子デバイス分
    野におけるエッチング剤。
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