JPH08134503A - ステンレス鋼粉末およびそれを用いる高密度焼結ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼粉末およびそれを用いる高密度焼結ステンレス鋼の製造方法

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JPH08134503A JP6292116A JP29211694A JPH08134503A JP H08134503 A JPH08134503 A JP H08134503A JP 6292116 A JP6292116 A JP 6292116A JP 29211694 A JP29211694 A JP 29211694A JP H08134503 A JPH08134503 A JP H08134503A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度焼結ステンレス鋼製造用のステンレス
鋼粉末およびそれを用いる高密度焼結ステンレス鋼の製
造方法を提供する。 【構成】 ステンレス鋼粉末に、0.25〜4重量%の
各種硼酸類および硼酸塩類から選ばれる少なくとも1種
の化合物からなるフラックスを混合し、あるいはステン
レス鋼粉末を前記フラックスで被覆する。また、前記処
理を施したステンレス鋼粉末を圧粉成形して得た圧粉体
を1100〜1400℃の温度で焼結して高密度焼結ス
テンレス鋼を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼粉末およ
びそれを用いる焼結ステンレス鋼の製造方法に係るもの
である。
【0002】
【従来の技術】焼結ステンレス鋼は、素材としてのステ
ンレス鋼の特性である耐食性、強磁性、非磁性等の性質
を有するとともに、容易にニアネットシェープのものが
得られるので、水道用メカニカルシール、各種流体用ポ
ンプの部品、カメラマウント、時計バンド、自動販売機
のコイン投入口、電磁ソレノイドポンプおよび燃料噴射
ポンプ等の部品、カセットテープレコーダのヘッド、ハ
ードディスク装置のアーム等の広範な分野で使用されて
いる。一般にステンレス鋼は、Crの含有量が多く、脱
酸材としてSiおよびMnをある程度含有しているので、
ステンレス鋼粉末の表面は厚み15nm程度のSiO2
MnO、Cr23およびFe23などの酸化被膜で覆われ
ている。これらのうち、Cr23およびFe23の酸化被
膜は、真空雰囲気あるいは還元ガス雰囲気中で焼結する
ことにより除去することが可能である。しかし、SiO2
およびMnOの酸化被膜は除去が困難であり、粉末表面
の酸化被膜は粉末粒子が相互に拡散接合を行う上で障害
となり、焼結の進行を阻害する。従って、通常の焼結工
程によって高密度の焼結ステンレス鋼を得ることは困難
であり、熱間鍛造もしくはHIP(熱間静水圧圧縮)処
理等を行い緻密化させる必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、通常の焼結工程
で緻密化させる方法として、例えば、金属射出成形で行
なわれているようにきわめて微細な粉末を原料にして大
きな表面エネルギーを利用するか、あるいはSi、Fe−
PまたはFe−Bのような、低融点で共晶液相を生成す
る成分を添加する液相焼結による方法が開発された。し
かし、微細な粉末の製造は製造効率が低くかつ高価であ
る。また、SiおよびFe−Pは多量に添加しなければ
効果がなく、かつ多量に添加するとステンレス鋼の素地
および特性に影響を与える点で問題があった。また、F
e−PやFe−Bの粉末を添加する場合には、それらが硬
いため、ステンレス鋼粉と混合した混合粉末の圧縮性を
低下させたり、成形時の金型を損傷するほか、Fe−P
あるいはFe−Bの粉末が溶け出した後の空隙が焼結後
に残存するなどの点で検討の余地があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものである。すなわち、ステンレ
ス鋼粉末に、0.25〜4重量%のオルト硼酸、メタ硼
酸および次硼酸などの硼酸類および硼酸塩から選ばれる
少なくとも1種の化合物からなるフラックスを混合する
か、あるいは上記フラックスによりステンレス鋼粉末を
被覆することを特徴とする高密度焼結ステンレス鋼製造
用のステンレス鋼粉末を提供するものである。上記硼酸
塩としては、オルト硼酸塩、二硼酸塩、メタ硼酸塩、四
硼酸塩、五硼酸塩および八硼酸塩などがあり、それらの
塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、カルシウム、バリウム、クロム、鉄、コバル
ト、ニッケル、マンガン、珪素、鉛、銅、チタンおよび
アルミニウムなどの金属の硼酸塩類が例示され、また、
その他の硼化物なども使用することができる。本発明は
これらの例示に限定されるものではない。また、本発明
は、上記ステンレス鋼粉末の圧粉体を、真空雰囲気また
は不活性ガス、窒素ガス、水素ガス、アンモニア分解ガ
スあるいはそれらの混合ガスなどの非酸化性ガスの雰囲
気中において、1100〜1400℃の温度で焼結する
ことを特徴とする高密度焼結ステンレス鋼の製造方法を
提供するものである。
【0005】
【作用】硼酸類および硼酸塩類から選ばれる少なくとも
1種の化合物からなるフラックスとステンレス鋼粉末と
を混合し、または上記フラックスによりステンレス鋼粉
末を被覆して圧粉成形した後に焼結すると、フラックス
は焼結温度より低い融点を有するために、焼結の際の昇
温過程で溶融し、混合粉末の場合にはステンレス鋼粉末
相互の隙間に毛細管現象により入り込んだ後に、また、
被覆粉末の場合には直接に、溶融したフラックスがステ
ンレス鋼粉末の表面を覆う。さらに、その後の温度上昇
により、ステンレス鋼粉末の表面に存在するSiO2とM
nOの酸化被膜がフラックス中に溶解する。これにより
ステンレス鋼粉末の表面が活性になると共に、フラック
スに覆われているので新たな酸化が防止される。続い
て、ステンレス鋼中に固溶しているCr、SiおよびMn
も粒子表面に拡散移動して、フラックスが分解して生成
されたB23と次のような反応を起こす。例えば、硼酸
(オルト硼酸)の場合: 2H3BO3=3H2O+B2
3 硼砂の場合: Na247=Na2O+2B23 の分解反応によりB23を生成し、B23はさらに以下
のように反応する。 3Si+8Cr+2B23=3SiO2+4Cr2B 3Mn+4Cr+B23=3MnO+2Cr2
【0006】この反応の自由エネルギーの変化により、
ステンレス鋼粉中のCr、MnおよびSiは、粒子表面、
すなわち鋼とフラックスの界面まで速やかに拡散するた
めの駆動力を獲得する。通常の焼結における拡散の駆動
力は、表面曲率の差による自由エネルギーの差である
が、化学反応が起こる場合は、界面におけるCr、Mnお
よびSiの化学ポテンシャルが上記反応式で決まるよう
に非常に低くなり、内部から界面への拡散の駆動力が大
きくなる。この化学拡散が焼結の緻密化に寄与する。ま
た、生成物のCr2Bは、ステンレス鋼粉の粒子間で鋼粉
粒子の架け橋となって焼結ネックを形成することによ
り、速やかに焼結が進む起点となる。さらにCr2Bとス
テンレス鋼素地のFeなどが反応し、Fe−Cr−Bを主
とする低融点の液相が発生し、毛細管現象により緻密化
が進行すると共に、気孔が球状化する。一方、フラック
スは焼結後SiO2を主として、MnOおよびNa2Oを含
むガラス成分に近い複合化合物、いわゆるスラグとなり
気孔中に残留する。すなわち、フラックスの添加によ
り、低温における酸化被膜の除去、反応拡散によるネッ
クの急速形成、およびFe−Cr−B系液相発生による毛
細管現象による緻密化などのステップを経て、ステンレ
ス鋼粉末の高密度焼結が可能となる。フラックス添加に
よるFe−Cr−B系共晶液相の発生は、粉末の全表面で
均等に起こり、他方Fe−B粉添加による共晶液相は、
Fe−B粉末粒子だけで起こるために、Fe−B粒子が溶
融して毛細管現象により他の小さな隙間に移動した後に
大きな気孔として残り、消滅させることが困難である。
そのため、フラックス添加の方がFe−B粉添加よりも
有利である。本発明で用いるフラックスとしては、前記
のように各種の硼酸類および硼酸塩類を使用することが
でき、かつ、前記のような作用機序から、それらの融点
は焼結温度よりも低いことが必要である。
【0007】フラックスの量が0.25重量%よりも少
ないと、上記酸化被膜の除去、反応拡散によるネックの
急速形成およびFe−Cr−B系液相発生による毛細管現
象による緻密化の効果が十分でなく、また4重量%を越
えて添加すると、圧粉体の密度低下の原因となるほか、
ガス雰囲気の場合には、Fe−Cr−B系液相発生により
生じる閉鎖気孔中にガスが閉じこめられた状態となり焼
結後まで残留し、緻密化を阻害する。これらの理由か
ら、フラックスの量は0.25〜4重量%が適当であ
る。
【0008】上記フラックスは、単味で添加しても昇温
過程で溶融し、毛細管現象によりステンレス鋼粉末の表
面を覆うようになるが、あらかじめステンレス鋼粉末の
表面をフラックスで被覆する方がより効果的である。
【0009】また、焼結の雰囲気としては、真空雰囲
気、またはAr、Ne、He等の不活性ガス、H2ガス、N
2ガス、アンモニア分解ガスあるいはそれらの混合ガス
等の非酸化性ガスの雰囲気中であれば、上記反応が生じ
て緻密化を図ることができる。なお、N2ガス雰囲気お
よびアンモニア分解ガス雰囲気中で焼結を行うと、ステ
ンレス鋼が窒化し、耐食性あるいは磁気特性に影響を与
えるため、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、H2ガス雰
囲気中で行うことが望ましい。さらに、真空雰囲気中で
は、Fe−Cr−B液相が発生して閉鎖気孔が生じても、
閉鎖気孔内部にガスが封じ込められていないので、焼結
の進行に従って閉鎖気孔が消滅し、珪酸塩のスラグが残
留するのみとなるのでさらに好適である。
【0010】Cr2Bの生成は800℃付近から始まり、
溶融したフラックスがステンレス鋼粉末の表面の酸化被
膜を除去し、低い温度でも焼結の進行は可能になるが、
γ相の低い温度領域では元素の拡散が遅いため緻密化が
あまり進行せず、1100℃付近でFe−Cr−Bを主と
する金属液相が発生することにより緻密化が急激に進む
ようになる。このような理由から焼結温度は1100℃
以上であることが好ましい。一方、焼結温度が1400
℃を越えると、真空雰囲気の場合、ステンレス鋼の主成
分であるFeやCrの蒸発が著しくなるため、却って緻密
化が阻害される。従って、焼結温度は1100〜140
0℃の範囲が好ましい。
【0011】なお、緻密化があまり要求されない用途の
場合でも、フラックスを添加することにより急速に緻密
化するので、従来に比べて焼結時間を短縮することがで
き、コスト低減の効果が得られる。さらに、閉鎖気孔中
に残留するスラグはガラス質であるから耐食性に悪影響
はなく、適正なフラックスを用いれば、残留したスラグ
が快削成分となり、被削性向上の効果も期待できる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。ステンレス鋼
粉末としてSUS316L粉末を、また、フラックスと
して硼酸(オルト硼酸:H3BO3)および硼砂(Na2
47・10H2O)を準備し、表1および表2に示す割合
で配合した。その混合粉末を、ステアリン酸亜鉛で型壁
潤滑した成形金型に充填し、600MPaの成形圧力で
圧粉成形を行った。次に、これらの圧粉体を500℃×
30minの条件で脱ろうした後、表1および表2に示す
焼結条件で焼結を行った。得られた焼結体について、焼
結体の密度を測定し、SUS316L溶製材の密度(真
密度)に対する密度比を求めた。その結果を表1および
表2に示す。また、密度比と、フラックス添加量、焼結
温度、焼結時間との関係を、それぞれ図1、図2および
図3に示す。
【0013】
【表1】
【表2】
【0014】図1はフラックス添加量と焼結雰囲気が密
度比に及ぼす影響を示すグラフであり、フラックスとし
て硼砂または硼酸を添加することにより、密度比が向上
しており、フラックス添加による緻密化の効果が確認さ
れた。また、フラックス添加量が増加するにつれて密度
比は向上するが、真空雰囲気の場合には、密度比が一定
値まで急激に向上した後に向上が抑制されるのに対し、
アルゴンガス雰囲気の場合には、硼砂の添加量が1重量
%のときをピークとして密度比は徐々に低下し、4重量
%添加では、フラックスを添加しない場合と同程度まで
低下する。これらの現象は以下のように考えられる。す
なわち、液相発生により閉鎖気孔が生じるが、真空雰囲
気の場合には、閉じこめられるガスが存在しないので、
閉鎖気孔の消滅が進行し、焼結体の気孔中には低密度の
スラグのみが残留する。したがってフラックス添加量が
多くなると残留するスラグの量も多くなるため、密度比
の上昇が抑えられる。一方、アルゴンガス雰囲気の場合
は、閉鎖気孔中に閉じこめられたガスが閉鎖気孔の消滅
を阻害するため、緻密化が進行しないことに加えて、フ
ラックス添加量の増加につれて残留する低密度のスラグ
の量が多くなるため密度比が却って減少することにな
る。以上の結果から、フラックス添加の効果を得るため
のフラックス添加量は、焼結雰囲気に関係なく、0.2
5〜4重量%が好ましいことが確認された。また、上記
範囲内であれば、アルゴンガス雰囲気でもフラックス添
加の効果が得られ、真空雰囲気を用いれば、さらに好適
であることが確認された。
【0015】図2は焼結温度が密度比に及ぼす影響を示
すグラフであり、硼砂2重量%添加と硼酸1重量%添加
のいずれの場合も、焼結温度が1000℃以下では密度
比はあまり向上しないが、1100℃付近を越えると密
度比が向上し、1200℃以上では急激に向上する傾向
を示す。また密度比は1350〜1370℃付近で最大
となり、それ以上の温度では密度比がやや減少してい
る。硼酸の融点は184℃であるが、硼酸は300℃以
上で水を失って酸化硼素(B23)となる。酸化硼素の
融点は450℃である。また硼砂の融点は745℃であ
る。従って、焼結温度が800〜1000℃の状態では
硼砂および硼酸の何れも溶融しステンレス鋼粉末の表面
を覆って、ステンレス鋼粉末表面の酸化被膜を除去し、
フラックスとステンレス鋼粉が反応してCr2Bが析出し
た状態となっている。そのため焼結の進行は可能である
が、温度が低く、元素の拡散が遅いため、焼結は速やか
に進行せず、密度比があまり向上しないと考えられる。
一方、1100℃付近を越えると、金属の液相の発生が
始まるため、毛細管現象による緻密化が生じ、密度比は
急激に上昇して、1350〜1370℃程度で最大とな
る。しかし、それ以上の温度では、真空中でステンレス
鋼の主成分であるFeやCrの蒸発が著しくなるために、
却って緻密化が妨害され、密度比がやや減少するものと
考えられる。
【0016】さらに、これらの試料について、金属組織
の観察およびEPMA分析を行ったところ、800℃の
試料でCrとBの化合物を確認することができた。Cr2
Bは1200℃までは析出量が増加するが、それ以上で
は析出相が急激に減少し、金属の液相が発生している。
この液相にはCr、Fe、Bの他にMo、Niも検出される
ため、Fe−Cr−Bを主とする共晶液相であると考えら
れる。また、フラックス中のBは液相発生後に減少して
消滅し、代わりにSiとMnの酸化物が増加している。こ
れは、ステンレス鋼粉末の表面の酸化膜がフラックスに
溶け、さらにフラックスが鋼中に固溶しているSi、Mn
と反応するためであると考えられる。
【0017】以上のことから、フラックスの添加による
低温における酸化被膜の除去、反応拡散によるネックの
急速形成、そしてFe−Cr−B系液相発生による毛細管
現象による緻密化のステップで進行するフラックス添加
の効果が確認され、それと共に焼結温度は1100〜1
400℃が好ましいことが確認された。
【0018】図3は焼結時間が密度比に及ぼす影響を示
すグラフである。焼結温度が1350℃の場合、焼結温
度までの昇温過程で既に液相が発生することにより、か
なりの緻密化が生じていることが判る。また焼結温度が
1250℃の場合において、20分の焼結でも60分の
焼結と比べて得られる密度比に大差がないことから、焼
結による緻密化に対する要求が高くない場合にも、フラ
ックスを添加することにより、従来の方法に比べて焼結
時間を短縮する効果が得られることが判る。
【0019】
【発明の効果】以上のように、ステンレス鋼粉末に0.
25〜4重量%のフラックスを添加して混合した粉末を
圧粉成形した成形体を、1100〜1400℃の温度で
焼結する本発明の製造方法により、高密度焼結ステンレ
ス鋼を製造することが可能となった。また、本発明によ
り、従来よりも焼結時間を短縮することが可能となっ
た。フラックスとしては、前記のようにオルト硼酸、メ
タ硼酸および次硼酸などの硼酸類およびリチウム、ナト
リウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウ
ム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、珪
素、鉛、銅、チタンおよびアルミニウムなどの金属の硼
酸塩を使用することができ、また、焼結は各種の非酸化
性ガス雰囲気中で行なうことができるが、真空雰囲気中
で焼結することが好ましい。従って、本発明は、高価な
薬剤を使用したり、煩雑な処理を行なうことなく、短い
時間で容易に実施することができるので、産業上有益で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】フラックス添加量および焼結雰囲気が密度比に
及ぼす影響を示すグラフである。
【図2】焼結温度が密度比に及ぼす影響を示すグラフで
ある。
【図3】焼結時間が密度比に及ぼす影響を示すグラフで
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼粉末に、0.25〜4重量
    %のオルト硼酸、メタ硼酸および次硼酸などの硼酸類お
    よび硼酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物からな
    るフラックスを混合したことを特徴とする高密度焼結ス
    テンレス鋼製造用のステンレス鋼粉末。
  2. 【請求項2】 ステンレス鋼粉末の表面を、0.25〜
    4重量%のオルト硼酸、メタ硼酸および次硼酸などの硼
    酸類および硼酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物
    からなるフラックスで被覆したことを特徴とする高密度
    焼結ステンレス鋼製造用のステンレス鋼粉末。
  3. 【請求項3】 前記硼酸塩が、リチウム、ナトリウム、
    カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、クロ
    ム、鉄、コバルト、ニッケル、マンガン、珪素、鉛、
    銅、チタンおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも
    1種の金属の硼酸塩であり、かつ焼結温度以下の融点を
    有するものである請求項1または2に記載の高密度焼結
    ステンレス鋼製造用のステンレス鋼粉末。
  4. 【請求項4】 前記硼酸がオルト硼酸であり、硼酸塩が
    硼砂である請求項1から3のいずれかに記載の高密度焼
    結ステンレス鋼製造用のステンレス鋼粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のステ
    ンレス鋼粉末の圧粉体を、1100〜1400℃の温度
    で焼結することを特徴とする高密度焼結ステンレス鋼の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記焼結を、真空雰囲気あるいは不活性
    ガス、水素ガス、窒素ガス、アンモニア分解ガスもしく
    はそれらの混合ガスの雰囲気中において行うことを特徴
    とする請求項5に記載の高密度焼結ステンレス鋼の製造
    方法。
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