JPH08132640A - ラベルプリンタ - Google Patents

ラベルプリンタ

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JPH08132640A
JPH08132640A JP27276794A JP27276794A JPH08132640A JP H08132640 A JPH08132640 A JP H08132640A JP 27276794 A JP27276794 A JP 27276794A JP 27276794 A JP27276794 A JP 27276794A JP H08132640 A JPH08132640 A JP H08132640A
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tank
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head
sub
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雅俊 一方井
Takeshi Mikoshiba
剛 御子柴
Hitoshi Fujimoto
仁志 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェットヘッドを用いたラベルプリン
タにおいて、インクジェットヘッドに関する適切なイン
ク供給系を得る。 【構成】 チューブポンプ209を時計回り方向(C.
W方向)に駆動してサブタンク203からインクジェッ
トヘッド155に強制的にインクを供給する際、バッフ
ァタンク205を介して供給を行うので、チューブポン
プ209の駆動によるインク圧力の脈動は、インクジェ
ットヘッドにまで及ばず、インクジェットヘッドにおけ
る圧力を安定化し、その吐出回復処理を良好に行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ、例えばPO
S,FA,物流等で広く利用されるラベルプリンタに関
し、さらに詳しくは特にインクジェットプリント方式を
用いるラベルプリンタに関するものである。
【0002】
【背景技術】現在まで、インクジェットプリント方式を
利用したラベルプリンタは実用化されていない。一般的
なインクジェット記録の利点としては、プリント媒体に
対し非接触であるために静粛性に優れること、プリント
速度が高いこと、高密度プリントが可能であること、カ
ラー化が容易であること、装置が小型であること等の点
が挙げられる。
【0003】ところで、このラベルプリンタで用いられ
るラベル等の用紙は、通常オフィス等で用いられるA4
サイズ等の用紙より小サイズのものであるため、プリン
トヘッドとしていわゆるフルラインタイプのものを用い
易いという点がある。
【0004】このフルラインタイプのインクジェットヘ
ッドを用いた場合、吐出回復等のためのインク循環やイ
ンク供給の点において、通常のシリアルタイプのヘッド
を用いた場合と異なる特殊な構成がある。また、このよ
うなインク供給系において、その駆動源としてチューブ
ポンプを用いた場合、その駆動制御の簡略化の点から、
派生する問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うなインク供給系において派生する種々の問題を解消す
ることを目的とし、特に、チューブポンプを用いた場合
の問題を解消したラベルプリンタを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
プリント媒体にプリントを行うラベルプリンタにおい
て、インクを吐出してプリントを行うためのインクジェ
ットヘッドと、該インクジェットヘッドに供給するため
のインクを貯留したインクタンクと、該インクタンクか
ら供給されるインクであって前記インクジェットヘッド
に供給するためのインクを一時的に貯留し、かつ大気連
通口を有したサブタンクであって、所定の液位以上のイ
ンクを前記インクタンクへ戻すインク経路を有したサブ
タンクと、前記インクタンクと該タンクに向けて逆方向
のチェック弁を有するインク経路を介して接続し、前記
サブタンクとチューブポンプを有する経路を介して接続
し、および前記インクジェットヘッドと該ヘッドに向け
て順方向のチェック弁を有するインク経路を介して接続
するバッファタンクであって、所定量の液位を保持可能
なバッファタンクと、前記サブタンクの大気連通口を開
閉する開閉手段と、を具えたことを特徴とする。
【0007】好ましくは、前記チューブポンプは該チュ
ーブポンプの押圧ローラがチューブに作用する部分以外
で当該チューブをガイドすることを特徴とする。
【0008】さらに好ましくは、前記インクタンクはカ
ートリッジタイプのタンクであり、および前記サブタン
クにおける前記所定の液位以上のインクを前記インクタ
ンクへ戻すインク経路は、前記インクタンクの装着に伴
なって、当該インクタンク内に連通する針を備えた針ユ
ニットを有し、該針ユニットは前記装着動作によって当
該連通を行う弁を有したことを特徴とする。
【0009】さらに好ましくは、前記インクタンクはカ
ートリッジタイプであり、および前記インクタンクと前
記バッファタンクとの接続するインク経路は、前記イン
クタンクの装着に伴なって当該インクタンク内に連通す
る針を備える針ユニットを有し、該針ユニットは、前記
チューブポンプの駆動によって当該バッファタンクを介
して伝達される負圧により当該連通を行う弁を有したこ
とを特徴とする。
【0010】さらに好ましくは、前記サブタンクの前記
大気連通口を、手動によって閉じる手段をさらに具えた
ことを特徴とする。
【0011】
【作用】以上の構成によれば、サブタンクからインクジ
ェットヘッドにチューブポンプを用いて強制的にインク
を送る場合、バッファタンクを介して送ることになるの
で、チューブポンプによる圧力の脈動がインクジェット
ヘッドにおける圧力変動として影響を及ぼすことを防止
できる。
【0012】また、チューブポンプにおいてその押圧ロ
ーラとチューブとの干渉を避けることができるので、押
圧ローラによるチューブ切断等の弊害を防止できる。
【0013】さらに、着脱自在なカートリッジタイプの
インクタンクの装着に伴なう、該タンクのインク供給系
への接続がインク漏れ等がなく良好に行われる。
【0014】さらに、サブタンクの大気連通口を手動に
よって閉じることができるので、ラベルプリンタの輸送
時等に、上記大気連通口を介してインクが漏れることを
適切に防止できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】なお、以下の実施例では、プリント媒体と
して剥離紙上にラベルを連続配置したロール紙形態の用
紙を用いているが、プリンタに合わせてその形態、種
類、材質はいかなるものであってもよい。例えば、カッ
ト紙をプリント媒体として用いてもよいし、プリント媒
体の材質としてはフィルム、布その他のものであっても
よい。
【0017】また、以下では本発明をラベルプリンタに
適用した場合について説明するが、本発明のプリンタは
切り取り可能にミシン目の入った連続紙や名刺、カード
等をプリント媒体に用いるもの、あるいは券売機形態の
もの等、種々の形態を採り得るのは勿論である。
【0018】図1は本発明の一実施例に係るラベルプリ
ンタの外観を示す斜視図である。
【0019】本実施例のラベルプリンタは剥離紙上にラ
ベルを連続配置したロール紙形態の用紙を用いるもので
あり、その配置構成上ロール紙供給ユニット101、プ
リントヘッド部102およびインクカートリッジ収納部
103の3つの部分に大きく分けることができる。ロー
ル紙供給ユニット101のカバー111は、取外し可能
に設けられており、これにより、新たなロール紙のセッ
ト等が可能となる。ロール紙供給ユニット101に収納
されるロール紙は、図2にて後述されるように、プリン
トヘッド部102とインクカートリッジ収納部103と
の間に構成される用紙搬送機構によって搬送され、この
間に各ラベル上にプリントヘッド部102のプリントヘ
ッドによりプリントが行われ、排紙口114から装置外
へ排紙される。なお、本例のラベルプリンタに対して、
排紙口114から排紙される剥離紙からラベルを剥す装
置を接続することもでき、また、排紙される剥離紙を貼
付されているラベルごと巻き取る等の装置を接続するこ
ともできる。
【0020】プリントヘッド部102は、図2で後述さ
れるように、このヘッド部全体がカートリッジ収納部1
03に対して図中後端部を支持軸として開閉できるよう
に設けられており、これにより、プリントヘッド部10
2のプリントヘッドや、用紙搬送機構等のメンテナンス
やロール紙のセットが可能となる。プリントヘッド部1
02の前端部には、プリンタの各種状態を報知するため
のランプや液晶表示器、また、操作キーを備えた操作部
112が設けられている。
【0021】インクカートリッジ収納部103の前カバ
ー113は、図中左側の端部を回動軸として開閉でき、
これにより、インクカートリッジの交換等の際には、こ
の前カバー113を開けインクカートリッジの着脱をす
ることができる。
【0022】図2は、図1に示したラベルプリンタをロ
ール紙供給ユニット101のカバー111を取外し、ま
た、プリントヘッド部102を上方に回動してこれを開
けた状態で示す斜視図であり、図3はインクカートリッ
ジ部103の前カバー113を開けた状態で示す斜視図
である。
【0023】図2に示すように、ロール紙供給ユニット
101に収納されるロール紙124が巻回されたロール
126は、ユニット101の底部に設けられた2本の駆
動ローラ301(一方は不図示)上に載置され、ロール
126の外周側と駆動ローラとがロール紙の自重による
押圧力を伴なって接触した状態にある。この状態で上記
駆動ローラ301等が不図示のモータの動力を得て回転
することにより、最外周のロール紙124がその内側の
ロール紙と分離して送り出される。このロール紙の供給
は、プリンタヘッド部102とカートリッジ収納部10
3との間におけるロール紙搬送機構104(その詳細は
不図示)による搬送とは実質的に無関係に行われるもの
である。従って、これらの2つの部分の間の搬送を調整
するため、上述したロール紙供給では、そのバッファと
なるループ(たるみ、図2には不図示)を形成するよう
にロール紙の供給を制御する。すなわち、搬送機構10
4における搬送によってループセンサ(不図示)がルー
プを検出しなくなると、上記駆動ローラを駆動してルー
プを形成しつつロール紙供給を行うようにする。
【0024】紙ガイド131は、収納されるロール12
6の幅方向にスライドできるように設けられている。す
なわち、ロール紙を収納する際、紙ガイド131をロー
ル紙124の幅より大きくスライドし、ロール126を
駆動ローラ上に載置した後、紙ガイド131をロール1
26の幅までスライドし、その一部をロール126の芯
材125に突き当てることができる。これにより、ロー
ル紙124が供給される際、その供給方向における駆動
ローラより上流側においてロール紙124が幅方向に振
れるのを、一定の微小な振れを許容して規制することが
可能となる。なお、紙ガイド131には、そのスライド
位置を固定するストッパ316が設けられている。
【0025】ロール紙搬送経路において、搬送機構10
4による搬送路の入口近傍には斜送ユニット128が設
けられる。斜送ユニット128は、ロール紙124の下
面に接触する2つの斜送ローラ(不図示)と、これらロ
ーラに対向するロール紙124の上面に接触する斜送コ
ロ129および130とを有する。2つの斜送ローラ
は、斜送コロ130に対向しかつ搬送機構104側から
駆動力を得て駆動される駆動ローラと、斜送コロ129
に対向しかつ駆動力を得ていない従動ローラとからな
り、それぞれのローラはロール紙の搬送方向に対して斜
めに回転する(回転軸が搬送方向と直交する方向から傾
斜している)よう取付けられている。また、斜送コロ1
29および130も、斜送ローラと同様に搬送方向に対
して斜めに取り付けられている。これらの斜送ローラお
よび斜送コロ129および130により、搬送されるロ
ール紙に斜め方向への搬送力を与えて、図中奥側の所定
のガイドに押し当てるよう、作用することができる。こ
の結果、ロール紙124はその搬送方向が一定方向の規
制力を受けて行われるため、搬送方向の振れ等の無い良
好な搬送が可能となる。
【0026】プリントヘッド部102とカートリッジ収
納部103との間に設けられるロール紙搬送機構104
は、図2においてその図示は省略されているが、図中、
ロール紙124の下側に配置される(従って、カートリ
ッジ収納部103の上面に配置される)、搬送方向に延
在する複数本のベルトおよびこれらを駆動するため搬送
方向上流側および下流側に設けられるローラ、およびプ
リントヘッド部102の下面に配置され、上記ベルトの
うちの所定のベルトを介して駆動力を得る拍車141
(図4に図示)等からなる。
【0027】図3において、インクカートリッジ収納部
103は、本例のラベルプリンタで用いる4種類のイン
ク、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)お
よびブラック(Bk)に対応して4つのカートリッジ収
納室140Y,140M,140Cおよび140Bkを
備えている。各カートリッジ収納室の入口近傍には、こ
の収納室内部を略遮蔽するシャッタ142Y,142
M,142Cおよび142Bkが設けられている。これ
らシャッタは、その上部が回動自在に軸支されるもので
あり、ユーザーが誤って収納室内部に手を入れ、インク
供給用針に触れること等を防止するために設けられる。
インクカートリッジの挿入時には、カートリッジ自体が
収納室奥側へ向けてシャッタを押し開けるようにして、
その挿入が行われる。
【0028】図4はプリントヘッド部102の主要機構
であるプリントヘッドステーション151(以下PHS
という)の構成を示す正面図である。
【0029】PHS151は、ロール紙124上に配置
されるラベルに対してプリントを行うべく、ロール紙の
幅方向にラベルの全幅以上の範囲にわたって吐出口を配
列したインクジェットヘッド(以下ヘッドという)15
5Y,155M,155Cおよび155Bkを有してい
る。このヘッドとしては、インクを吐出するために利用
されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生じさせる熱エ
ネルギを発生する素子を有した、いわゆるバブルジェッ
ト方式のものを用いている。また、PHS151は、各
ヘッドに配設されたインク吐出口側より排出されるイン
クの回収手段、ヘッドのインク吐出口近傍の吐出口形成
面上の残インク等を払拭して除去するブレード、および
インク吐出口近傍の乾燥を防止するためのキャップ等を
有した回復系ユニット153を有する。
【0030】PHS151において、各ヘッドを支持す
るヘッドホルダユニット152をロール紙124に対す
るプリント位置から鉛直方向に移動させ、かつ、回復系
ユニット153をロール紙搬送方向に沿って水平に所定
量移動させる駆動系ユニットおよびヘッドを冷却するた
めの冷却ユニット等を有している。
【0031】また、PHS151の下部には、上述した
ように、各ヘッドの両側に拍車141が設けられてい
る。
【0032】なお、上述の説明では、ラベルプリンタを
大きく3つの部分に分けて説明したが、これらの各部に
は、それぞれで説明した要素若しくは機構のみが設けら
れているのでないことは勿論である。それぞれで説明し
た要素に関連する他の要素、あるいは、制御基板、駆動
モータ、インク供給系等が適切に配設されるものであ
り、以下で説明する各要素ないしは機構以外については
公知のものを用いることができるものである。
【0033】図5は、上述したラベルプリンタに設けら
れるインク供給系を示す模式図である。
【0034】本実施例のインク供給系は、各色のインク
カートリッジ201とインクジェットヘッド155との
間にサブタンク203、バッファタンク205および2
07を有し、この系におけるインク供給は、基本的にチ
ューブポンプ209および211によって生じる圧力差
と各要素間の水頭差とによって行われる。なお、図5に
示すサブタンク203、バッファタンク205,20
7、チューブポンプ209,211等は、インクジェッ
トヘッド155、インクカートリッジ201、インク受
け215と同様、各インク毎に設けられることは勿論で
ある。すなわち、図5に示すインク供給系は各色のイン
ク毎に設けられる。
【0035】以下、本実施例のインク供給系における主
要なインク供給モードについて説明する。
【0036】まず、インクカートリッジ201からサブ
タンク203へインクを補給し、サブタンク203の液
位を基準液位S.Lに維持するモードについて説明す
る。このモードでは、ソレノイド227を駆動してサブ
タンク203の大気連通口203Aを栓225によって
閉じ、また、チューブポンプ211のローラによってチ
ューブを潰して閉とする。この状態でチューブポンプ2
09を反時計回り方向(C.C.W)に回転し、これに
よってバッファタンク205内を負圧とする。このと
き、チェック弁219により、ヘッド155側から供給
路237を介したインクの流入はなく、チェック弁21
7が順方向である供給路231を介してインクタンクカ
ートリッジ201のみからバッファタンク205にイン
クが流入する。このインク流入により、インク液位がタ
ンク内の管205Aに達すると、供給路233を介して
サブタンク203内に流れ込む。このインク流入によ
り、サブタンク内のインク液位が基準液位S.Lとなる
と、それ以上のインク流入があっても、インクは供給路
235を介してカートリッジ201内に流れ込み基準液
位S.Lが維持されることになる。
【0037】すなわち、このインク補給モードは、ヘッ
ド155からインク吐出を行うプリント動作時以外に適
切なタイミングでチューブポンプ209を一定時間駆動
して行われるものであり、プリンタ制御部は、この駆動
タイミングと駆動時間を制御することのみで、サブタン
クにおける基準液位を維持することができる。この基準
液位S.Lは、ヘッド155に対して適切な水頭の範囲
にあり、これによりインク吐出時のインク供給を良好に
行うことができる。
【0038】なお、サブタンク203に設けられるセン
サ223は、インクの有無を検知するためのものであ
り、上述のように、チューブポンプ209を一定時間駆
動したにもかかわらず、センサ223によってインクの
有りを検出しない場合には、カートリッジタンク201
内にインクが無くなったことを知るために用いられるも
のである。
【0039】次に、インクジェットヘッドにおけるイン
ク吐出時の供給モードについて説明する。
【0040】このモードでは、サブタンク203の大気
連通口203Aを開放状態とするとともに、チューブポ
ンプ209および211では、そのローラによってチュ
ーブを押し潰さない状態、つまり、いわゆるスルー状態
とする。この状態でインクジェットヘッド155で吐出
を行うと、サブタンク203とヘッド155との間の水
頭差によってサブタンク203のインクは、2系統の供
給路223,237および241,239を介してヘッ
ド155に供給される。
【0041】第3番目に説明するモードは、インクジェ
ットヘッド155の吐出回復処理の1つとして行われる
インク循環時の供給モードである。このモードではサブ
タンク203の大気連通口203Aを開放状態とし、2
つのチューブポンプ209および211を時計回り方向
(C.W方向)に回転する。これにより、サブタンク2
03から供給路233,237を介してヘッド155に
インクが流れ込むとともに、ヘッド155から供給路2
39,241を介してサブタンク203にインクが流れ
込む。このようなインク循環によって、ヘッド155内
に滞留する主に気泡をインクとともにサブタンク203
に集め、最終的に大気連通口203Aを介して大気中に
放出することができる。
【0042】ところで、上述したインク循環の際、ヘッ
ド155内の圧力は、大気圧よりわずかに大きい圧力に
維持されることが望ましい。このようにすることによ
り、循環の際にインク吐出口を介してインクが漏れ出す
ことを極力防止できるからである。しかしながら、本実
施例のインク供給系は、その供給動力としてチューブポ
ンプを用いているため圧力の脈動が大きく、しかも2つ
のチューブポンプ209と211の位相同期制御は行っ
ていないため、循環を行う間のヘッド155内の脈動が
さらに大きくなるおそれがある。
【0043】そこで、本実施例では、バッファタンク2
05および207をヘッド155とチューブポンプ20
9および211との間にそれぞれ設けることにより、各
チューブポンプによる脈動をこれらバッファタンクで吸
収し、これによりインク循環時におけるヘッド内圧力を
適切な一定の値に維持している。
【0044】さらに他のインク供給モードとして、上記
と同様、吐出回復処理の1つとして行われる加圧回復時
の供給モードがある。このモードでは、大気連通口20
3Aは開放とし、チューブポンプ211はそのローラで
チューブを潰した状態とする。この状態でチューブポン
プ209を時計回り方向(C.W方向)に駆動すると、
供給路233,237を介してサブタンク203からヘ
ッド155にインクが供給される。この供給時の圧力
は、チューブポンプ211の駆動が行われないので、上
述したインク循環時よりも大きくなり、このため、ヘッ
ド内のインクは吐出口を介してインク受け215に排出
される。この排出に伴なって、ヘッド内の増粘インク等
を排出することができる。
【0045】上記排出インクや同様に吐出回復処理の1
つとして行われるいわゆる予備吐出による吐出インクを
受けるインク受け215中のインクは、チューブポンプ
213により供給路243を介してインクカートリッジ
201の廃インク貯留部に導かれる。
【0046】図6(A)は、図5に示したインク供給系
で用いられるチューブポンプ209(211)の詳細を
示す正面図であり、同図(B)は一従来例に係るチュー
ブポンプを示す同様の図である。
【0047】図6(A)に示すように、本実施例のチュ
ーブポンプは、その支持部材をなすチューブ押え212
に半円状の凹部が形成され、この半円状部分に沿うよう
にチューブ245が配置される。そして、上記半円の中
心からオフセットされた位置にその回動軸を有するロー
ラ回転部が配設される。ローラ回転部には押圧ローラ2
09A,209B,209Cおよび209Dが設けられ
(他の要素は不図示)、ローラ回転部の回転により、各
ローラはチューブ245を押し込んで行き、図中最下点
の前後約65°の範囲でチューブを押し潰した状態にす
る。
【0048】一方、チューブ押え212はばね216に
よってカム218に対して押圧されており、図6(A)
に示す状態にあるが、チューブ245を非押圧状態、い
わゆるスルー状態とするときは、カム218を回転させ
て、軸220を支点に図中左方へチューブへ回動させ
る。
【0049】ところで、本実施例のチューブポンプ(図
6(A)参照)と従来例のチューブポンプ(図6(B)
参照)とが異なる点は、従来例にあっては、チューブガ
イド214がチューブ245が沿う半円部全体に沿って
設けられているのに対し、本実施例にあっては、半円部
を除き、これに隣接する部分にのみガイド210が設け
られる(ガイドは図中、チューブ245に関して裏側に
も対称的に設けられる)。
【0050】本実施例の上記ガイドの構造によれば、ガ
イド210は押圧ローラ209A〜209Dがチューブ
245を押圧する部分以外の押圧部近傍でチューブ24
5を拘束するのみである。これに対し、図6(B)に示
す従来例にあっては、ローラによる押圧部を含めて全体
的にチューブ245をガイドするものであるため、チュ
ーブ245が何らかの原因でガイド214の上に乗り上
げたときに、押圧ローラによってチューブが切断される
等のおそれがある。
【0051】このように本実施例によれば、押圧ローラ
209A〜209Dが作用する部分にはガイドが存在し
ないため上記のように、大きなチューブの振れ等が生じ
ても切断等が生じるおそれがない。
【0052】図7(A)および(B)は、図5に示した
サブタンク203の詳細な形状およびその大気連通口2
03Aの開放機構を示す正面図であり、同図(A)は大
気連通口203Aを閉とした状態、同図(B)は開とし
た状態をそれぞれ示す。
【0053】大気連通口203Aの開放機構は次のよう
に構成されている。密閉レバー247は、その支軸24
9において回動自在に軸支され、その一端には大気連通
口203Aの開口端に当接する栓225が設けられ、一
方、他端部はソレノイド227のプランジャーと回動自
在に接続する。ここで、ソレノイド227は、いわゆる
ラッチソレノイドであり、通電がなく、かつ一定の位置
ではプランジャーの位置を保持するものである。また、
密閉レバー247は、その栓225が設けられる近傍で
引張りばね255と接続し、このばね255の他端は本
例プリンタの外装部材をなすカバー253と接続する。
さらに、密閉レバー247には操作レバー251が一体
に固定されている。
【0054】以上の開閉機構において、図5において述
べたように、各インク供給のモードに応じてソレノイド
227への通電を制御して作動部材を動作させるととも
にばね225の作用により、密閉レバー247を回動
し、これにより、栓225を大気連通口203Aの開口
端に当接または非当接させて大気連通口203Aを開閉
することができる。
【0055】開閉機構のこのような動作に加え、ラベル
プリンタの出荷のための輸送時や載置する場所の移動時
等には、図7(B)に示すように、操作レバー251を
矢印方向に操作し、同図(A)に示す閉状態とすること
ができる。これにより、上記輸送時等において振動等を
受けた場合にも大気連通口203Aからインクが漏れる
のを良好に防止できる。
【0056】図8は図5に示したインクカートリッジの
詳細を示す三面図であり、その側面を断面で示す図であ
る。
【0057】断面図に示すように、インクカートリッジ
201は、インク貯留室257と廃インク貯留室260
とからなる。インク貯留室257の端部には後述される
インク供給針を貫通させるためのゴム栓265が2ケ所
に設けられ、同様に、廃インク貯留室260にもゴム栓
が1ケ所に設けられる。これらのゴム栓265は針の貫
通部を除き、カートリッジのケース部材とインク吸収体
263およびゴム栓押え267とによって挟まれる構造
となっている。この構造により、インクカートリッジを
ラベルプリンタから取外すとき、カートリッジから抜け
るインク供給針に付着するインクをインク吸収体263
によって除去することができ、供給針に付着したインク
がプリンタ内部を汚染したり、供給針自身に目詰まりを
生じたりすることを未然に防止できる。
【0058】廃インク貯留室260は、一端で連通する
2層の貯留部からなり、上記インク供給針が貫通する部
位は下層の貯留部に対応して設けられる。すなわち、廃
インク貯留室260には、図5に示した供給路243に
接続する供給針が貫通し、これにより吐出回復処理等で
排出された廃インクが、廃インク貯留室260の下層部
内に流入する。廃インク貯留室260の略全体には吸収
体259が充填されており、下層部に流入した廃インク
は下層部の吸収体259によって吸収される。廃インク
の流入に従って、吸収体259のうち廃インクを保持す
る領域は徐々に上層部の吸収体259まで広がり、これ
とともに廃インクの一部は吸収体外へ滲み出す。一方、
上層部の廃インク吸収体259の端部に隣接して隔壁2
60Aが設けられており、これにより、廃インク量が吸
収体の保持能力を越えないうちは上述の滲み出したイン
クは隔壁260Aによって、その右側の吸収体の無い部
分へ移動できない状態にある。累積的に流入した廃イン
ク量が吸収体の保持能力を越えて始めて、滲み出した廃
インクは隔壁260Aから溢れて右側の室に移り、その
液位を高くして行き、廃液検知電極269に触れるに至
る。この結果、廃インク貯留室260が廃インクで満た
されたことを検知でき、インクカートリッジ201の交
換等を促すことが可能となる。
【0059】廃インク貯留室260の内部は、外部との
間に設けられたミクロテックス(商品名:日東電工)を
介して外部と連通でき、これにより、廃インクの漏れを
防止できるとともに廃インク中の水分等の蒸発が可能と
なる。
【0060】インクカートリッジ201の上面部には貯
留されるインクの種類を識別するための識別シール27
3が貼付されており、また、前端部にはカートリッジの
装着およびそのインクの種類を電気的に検知するための
抵抗シール271が貼付されている。
【0061】図9は、インクカートリッジ201をラベ
ルプリンタに装着した状態を示す図である。すなわち、
各インク供給用の針がインクカートリッジのゴム栓に貫
通した状態を示す。
【0062】図9に示す供給針ユニット275は、サブ
タンク203から循環するインクの供給経路235(図
5参照)と接続するものであり、カートリッジの非装着
時にはバルブ275Aはばね(不図示)によって図中左
方に付勢され、接続管275Dと針275Cとの間は非
連通状態にある。カートリッジが装着されると、図15
等で後述されるようにその装着動作に伴なう不図示のレ
バーの作用によって上記付勢力に逆らってバルブ275
Aを開け針275Cと接続管275Dとの間を連通状態
とする。
【0063】供給針ユニット277は、バッファタンク
205(図5参照)へインク供給を行うための供給路2
31(図5参照)に接続するものであり、インクカート
リッジ201の装着、非装着にかかわらず、通常の状態
では図10(A)に示すように、ばね277Bによりバ
ルブ277Aは左方に付勢され、接続管277Dと針2
75Cとの間は非連通状態にある。
【0064】連通状態となるのは次の場合である。図5
にて説明したように、サブタンクへのインク供給モード
においてチューブポンプ209を反時計回り方向に駆動
すると、バッファタンク205を介して、接続管277
D側が負圧となり、これにより、図10(B)に示すよ
うにバルブ277Aはばね277Bの付勢力に逆らって
右方に変位し、接続管277Dと針277Cとの間は連
通するとともに、インクカートリッジ201内のインク
はバッファタンク205へ供給される。このように、供
給針ユニット277は、図5に示したチェック弁217
の機能を果すものである。
【0065】供給針ユニット279は、廃インクの供給
経路243(図5参照)と接続するものであり、接続管
279Dと針279Cとの間は常に連通状態にある。
【0066】図11〜図13は、図3にて説明したカー
トリッジ収納室140のシャッタ142の詳細な構造お
よびカートリッジ収納室へのカートリッジの挿入動作を
示す図である。
【0067】これら図に示すようにシャッタ142は、
収納室上フレーム140Uの所定の位置で回動自在に軸
支されるとともに、ストッパレバー142Aの一端と所
定範囲で摺動可能に係合する。一方、ストッパレバー1
42Aはシャッタ142が軸支される点よりも前方の点
で同様に軸支され、これとともにばね142Bにより前
方に付勢されるとともにストッパ142Cによってその
前方への回動が規制されている。以上の構成により、シ
ャッタ142を前方へ引いて開けようとしても、これが
阻止される。
【0068】インクカートリッジ201の挿入時には、
図12に示すようにカートリッジ201の前端の肩をシ
ャッタ142に突き当てながら押し込み、これにより、
最終的に収納室下フレーム140Lに設けられたストッ
パ140Sに突き当たり図13に示す装着状態となる。
このとき、カートリッジ201の上面に設けられた前述
の抵抗シールは本体側電極281と接触し、また、廃イ
ンク検出用電極269も本体側電極282と接触する。
このとき、シャッタ142の先端部は図3に示したよう
にその大部分が切り欠かれているためシャッタは抵抗シ
ールに接触しないようにすることができる。
【0069】図14は上述した収納室下フレーム140
Lの全体を示す模式的縦断面図である。
【0070】下フレーム140Lは、図に示すように桶
状をなし、この中にカートリッジ収納室や図5に示した
他のインク供給系が配設される。このような構成とする
ことにより、インク供給系等から万一インクが漏れた場
合でも、そのインクは下フレーム140Lの外には漏れ
ず、しかも、下フレームは、図に示すように、奥側(図
中右側)に向かって傾斜しており、その最下点近傍に
は、漏れて留まったインクを検出するためのセンサ28
3が配設されている。これにより、一定量の漏れたイン
クがあることを検知できる。
【0071】図15〜図17は、図9に示した供給針ユ
ニット275の針275Cとインクカートリッジ201
との装着時の位置関係を説明する図である。
【0072】まず、カートリッジの装着に伴なってカー
トリッジ201のゴム栓265と針275Cとが接触す
る直前は、レバー275Dには何ら力が及ばないのでバ
ルブ275Aはばね275Bに付勢されて連通路を閉状
態としている。
【0073】次に、カートリッジ201の挿入がさらに
進んで、図16に示すように、供給針ユニット275の
レバー275Dがカートリッジ201の一部と当接関係
に至った時点では、針275Cの先端の連通口を有した
部分は既にゴム栓を貫通してカートリッジ内にある。一
方、このとき、レバー275Dはカートリッジの一部と
当接したばかりであるので、これに対してカートリッジ
からの押圧力は働き始めようとするところである。従っ
て、この時点でバルブ275Aは連通路の閉状態を維持
したままである。
【0074】次に、図17に示すように、カートリッジ
201の挿入がさらに進むと、カートリッジ201から
の押圧力がレバー275Dに作用してこれを押圧し、こ
れにより、連結レバー275Eは一端を支点として、図
中右方へ変位させられる。この結果、この連結レバー2
75Eと接続するバルブ275Aは、ばね275Bの付
勢力に逆らって右方へ変位し、接続管275Dと針27
5Cの連通口との間を連通状態とする。
【0075】以上、図15〜図17の説明から明らかな
ようにサブタンクからインクカートリッジへのインク循
環用の供給針ユニット275は、インクカートリッジ2
01の挿入動作に伴なって、まず、針275Cの連通口
部分がカートリッジ内に入り、その後、バルブ275が
開く構成となっている。換言すれば、レバー275Dの
長さと針275Cの長さとの関係が上記のような一連の
動作を確保するように定められている。
【0076】このような構成によれば、例えば、針がカ
ートリッジに挿入される前にバルブ275Aが開き、サ
ブタンク側からのインクが針275Cの連通口を介して
装置内に漏れる等の問題を未然に防止できる。
【0077】図18(A)および(B)は、図5に示し
たインク供給経路の一部に設けられ、供給管の接続を行
うヘッドコネクタおよびその中継ステーションをそれぞ
れ示す図である。
【0078】本実施例では、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C)およびブラック(Bk)の4種類
のインクを用いているためインク供給経路も4系統存在
する。従って、各ヘッドコネクタとインクの種類が対応
し、それらが中継ステーション285の対応する位置に
セットされる必要がある。
【0079】このため、図18(A)に示すように、プ
リンタ組立時におけるヘッドコネクタ287はその両側
に4個づつのボスを有しており、これらのボスを組立の
過程で各インクの種類に対応した位置のボスを切除する
ことで組立後のヘッドコネクタ289を形成する。
【0080】一方、中継ステーションの各インクの種類
に対応したセット位置では、上述の切除位置に対応する
位置に2個のボス285Aが対角関係で設けられてい
る。
【0081】以上の構成によれば、誤った位置にヘッド
コネクタがセットされることがなく、これによりインク
の混色といった問題を未然に防止することができる。
【0082】図19は、図1等に示したプリントヘッド
部102の一部を示す図である。
【0083】各インクジェットヘッド155には、図2
0にも示されるように、ヘッドの長手方向全体にわたっ
て、複数のフィン291が設けられている。そして、こ
れらのフィンの長手方向に空気流を生じさせるためのフ
ァン293が設けられる。ファン293は不図示のモー
タにより駆動されるものであり、このファン293の前
後にはダクト295Aおよび295Bが設けられる。ダ
クト295Aは、カバー部材114の一部に形成された
ルーバー297を介して外気と連通し、これにより、プ
リント外の比較的低温の空気を取り込むことができる。
【0084】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、上記のようなラベルプリンタ等の記録装置にお
いて優れた効果をもたらすものである。かかる方式によ
れば記録の高密度化,高精細化が達成できるからであ
る。
【0085】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0086】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0087】さらに、上記実施例のように、記録装置が
記録できる記録媒体の最大幅に対応した長さを有するフ
ルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に
適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録
ヘッドの組合せによってその長さを満たす構成や、一体
的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれ
でもよい。
【0088】加えて、シリアルタイプのものでも、装置
本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着
されることで装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインク
タンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを
用いた場合にも本発明は有効である。
【0089】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0090】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録装
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0091】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0092】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、サブタンクからインクジェットヘッドにチュ
ーブポンプを用いて強制的にインクを送る場合、バッフ
ァタンクを介して送ることになるので、チューブポンプ
による圧力の脈動がインクジェットヘッドにおける圧力
変動として影響を及ぼすことを防止できる。
【0094】また、チューブポンプにおいてその押圧ロ
ーラとチューブとの干渉を避けることができるので、押
圧ローラによるチューブ切断等の弊害を防止できる。
【0095】さらに、着脱自在なカートリッジタイプの
インクタンクの装着に伴なう、該タンクのインク供給系
への接続がインク漏れ等がなく良好に行われる。
【0096】さらに、サブタンクの大気連通口を手動に
よって閉じることができるので、ラベルプリンタの輸送
時等に、上記大気連通口を介してインクが漏れることを
適切に防止できる。
【0097】この結果、良好なインク供給を行い得るイ
ンク供給系を具えたラベルプリンタを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るラベルプリンタを示す
外観斜視図である。
【図2】図1にラベルプリンタを、そのケースカバー等
を取外した状態で示す斜視図である。
【図3】同様に前カバーを開けた状態で示す斜視図であ
る。
【図4】上記ラベルプリンタのプリントヘッドステーシ
ョンの機構を示す正面図である。
【図5】上記ラベルプリンタのインク供給系を示す模式
図である。
【図6】(A)および(B)はインク供給系で用いられ
るそれぞれ本実施例および従来例のチューブポンプを示
す正面図である。
【図7】(A)および(B)は、図5に示したインク供
給系で用いられるサブタンクおよびその大気連通口の開
閉機構を示す正面図である。
【図8】上記実施例で用いられるインクカートリッジの
断面図である。
【図9】上記インクカートリッジとインク供給針ユニッ
トとの関係を示す図である。
【図10】(A)および(B)は、インク供給針ユニッ
トの詳細を示す断面図である。
【図11】上記実施例におけるインクカートリッジの挿
入過程を示す説明図である。
【図12】同じく挿入過程を示す説明図である。
【図13】同じく挿入過程を示す説明図である。
【図14】上記実施例におけるインクカートリッジ収納
室のケース下フレームを示す断面図である。
【図15】上記実施例におけるインクカートリッジと供
給針ユニットとの関係を説明する説明図である。
【図16】同じく関係を説明する説明図である。
【図17】同じく関係を説明する説明図である。
【図18】(A)および(B)は、上記実施例における
インク供給系のヘッドコネクタのセットを説明する図で
ある。
【図19】上記実施例におけるヘッド冷却フィンとファ
ンとの関係を示す図である。
【図20】上記フィンとこれを取付けたインクジェット
ヘッドを示す側面図である。
【符号の説明】
140L 収納下フレーム 142 シャッタ 155 インクジェットヘッド 203 サブタンク 205,207 バッファタンク 209,211,211 チューブポンプ 210 チューブガイド 215 インク受け部材 247 密閉レバー 251 操作レバー 257 インク貯留室 260 廃インク貯留室 263 インク収納体 265 ゴム栓 269 廃液検知電極 271 抵抗シール 275,277,279 インク供給針ユニット 275D レバー 287 ヘッドコネクタ 291 フィン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント媒体にプリントを行うラベルプ
    リンタにおいて、 インクを吐出してプリントを行うためのインクジェット
    ヘッドと、 該インクジェットヘッドに供給するためのインクを貯留
    したインクタンクと、 該インクタンクから供給されるインクであって前記イン
    クジェットヘッドに供給するためのインクを一時的に貯
    留し、かつ大気連通口を有したサブタンクであって、所
    定の液位以上のインクを前記インクタンクへ戻すインク
    経路を有したサブタンクと、 前記インクタンクと該タンクに向けて逆方向のチェック
    弁を有するインク経路を介して接続し、前記サブタンク
    とチューブポンプを有する経路を介して接続し、および
    前記インクジェットヘッドと該ヘッドに向けて順方向の
    チェック弁を有するインク経路を介して接続するバッフ
    ァタンクであって、所定量の液位を保持可能なバッファ
    タンクと、 前記サブタンクの大気連通口を開閉する開閉手段と、 を具えたことを特徴とするラベルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記インクジェットヘッドとインク経路
    を介して接続し、かつ前記サブタンクと第2のチューブ
    ポンプを有するインク経路を介して接続し、所定量の液
    位を保持可能な第2のバッファタンクをさらに具えたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記チューブポンプは該チューブポンプ
    の押圧ローラがチューブに作用する部分以外で当該チュ
    ーブをガイドすることを特徴とする請求項1または2に
    記載のラベルプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記インクタンクはカートリッジタイプ
    のタンクであり、および前記サブタンクにおける前記所
    定の液位以上のインクを前記インクタンクへ戻すインク
    経路は、前記インクタンクの装着に伴なって、当該イン
    クタンク内に連通する針を備えた針ユニットを有し、該
    針ユニットは前記装着動作によって当該連通を行う弁を
    有したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載のラベルプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記インクタンクの装着時における該イ
    ンクタンクと前記針ユニットとの前記装着動作に係る位
    置関係は、当該針の連通口が前記インクタンク内に入っ
    た後、前記弁を開くものであることを特徴とする請求項
    4に記載のラベルプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記インクタンクはカートリッジタイプ
    であり、および前記インクタンクと前記バッファタンク
    との接続するインク経路は、前記インクタンクの装着に
    伴なって当該インクタンク内に連通する針を備える針ユ
    ニットを有し、該針ユニットは、前記チューブポンプの
    駆動によって当該バッファタンクを介して伝達される負
    圧により当該連通を行う弁を有したことを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれかに記載のラベルプリンタ。
  7. 【請求項7】 前記サブタンクの前記大気連通口を、手
    動によって閉じる手段をさらに具えたことを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載のラベルプリンタ。
  8. 【請求項8】 前記インクジェットヘッドは、熱エネル
    ギーを利用してインクに気泡を生じさせ該気泡の生成に
    よってインクを吐出するものであることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載のラベルプリンタ。
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Cited By (10)

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