JPH08132546A - 無端ベルトの加硫方法とその装置 - Google Patents
無端ベルトの加硫方法とその装置Info
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- JPH08132546A JPH08132546A JP30031894A JP30031894A JPH08132546A JP H08132546 A JPH08132546 A JP H08132546A JP 30031894 A JP30031894 A JP 30031894A JP 30031894 A JP30031894 A JP 30031894A JP H08132546 A JPH08132546 A JP H08132546A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 未加硫ゴムスラブの厚みのばらつきをなく
し、円周方向および長さ方向に均一で、厚さ精度が高
く、加硫後に後加工が不要な無端ゴムベルトの加硫方法
およびその装置を提供する。 【構成】 円筒状に成形されたベルト用未加硫ゴムスラ
ブSを、円筒状の金型4の外周面に巻装し、その金型4
よりも内径が大きく、平滑な内周面を有する円筒体3内
に挿入し、金型4の自重により外周面上の未加硫ゴムス
ラブSを円筒体3の内周面に圧接させ、金型4および円
筒体3の少なくとも一方を介し、未加硫ゴムスラブSを
所定温度にて加熱するとともに、円筒体3を一方向に回
転させることにより、未加硫ゴムスラブSを加硫するも
のである。
し、円周方向および長さ方向に均一で、厚さ精度が高
く、加硫後に後加工が不要な無端ゴムベルトの加硫方法
およびその装置を提供する。 【構成】 円筒状に成形されたベルト用未加硫ゴムスラ
ブSを、円筒状の金型4の外周面に巻装し、その金型4
よりも内径が大きく、平滑な内周面を有する円筒体3内
に挿入し、金型4の自重により外周面上の未加硫ゴムス
ラブSを円筒体3の内周面に圧接させ、金型4および円
筒体3の少なくとも一方を介し、未加硫ゴムスラブSを
所定温度にて加熱するとともに、円筒体3を一方向に回
転させることにより、未加硫ゴムスラブSを加硫するも
のである。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、その製造工程で加硫
工程が必要であり、かつ、高度の厚さ精度が要求される
伝動ゴムベルト、小型搬送ゴムベルトなどのいわゆる無
端ゴムベルト(ベルト内面に連続するV形溝を有するリ
ブドベルトを含む)を加硫する方法とその装置に関する
ものである。
工程が必要であり、かつ、高度の厚さ精度が要求される
伝動ゴムベルト、小型搬送ゴムベルトなどのいわゆる無
端ゴムベルト(ベルト内面に連続するV形溝を有するリ
ブドベルトを含む)を加硫する方法とその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、ゴム伝動ベルトの製造工程の一
つに成形された未加硫ゴムを加硫する工程があるが、こ
の種の加硫には、加硫缶方式とプレス加硫方式が一般に
使用されている。
つに成形された未加硫ゴムを加硫する工程があるが、こ
の種の加硫には、加硫缶方式とプレス加硫方式が一般に
使用されている。
【0003】1)加硫缶方式:図4にその使用中の加硫缶
の断面を表すように、円筒状の未加硫のゴムスラブ21
を内金型22に巻き付け、その外周面にゴムスリーブ2
4で覆い、その内金型22の両端をフランジ25、26
で閉鎖し上下フランジ組み付けてボルト27で締め付け
る。ゴムスラブ21を巻き付けた内金型22を加硫缶2
3の中に保持し、内金型22の内部に蒸気を導入すると
ともに、ゴムスリーブ24の外部にも蒸気を導入して、
ゴムスラブ21を所定温度で、所定時間加熱してゴムス
ラブ21を加硫する。つづいて、蒸気を抜き、内金型2
2を加硫缶より取り出して加硫済みのゴムスラブ21を
内金型2より抜き取る。その加硫済みスラブを一定幅に
輪切りしベルトに仕上げる。
の断面を表すように、円筒状の未加硫のゴムスラブ21
を内金型22に巻き付け、その外周面にゴムスリーブ2
4で覆い、その内金型22の両端をフランジ25、26
で閉鎖し上下フランジ組み付けてボルト27で締め付け
る。ゴムスラブ21を巻き付けた内金型22を加硫缶2
3の中に保持し、内金型22の内部に蒸気を導入すると
ともに、ゴムスリーブ24の外部にも蒸気を導入して、
ゴムスラブ21を所定温度で、所定時間加熱してゴムス
ラブ21を加硫する。つづいて、蒸気を抜き、内金型2
2を加硫缶より取り出して加硫済みのゴムスラブ21を
内金型2より抜き取る。その加硫済みスラブを一定幅に
輪切りしベルトに仕上げる。
【0004】2)プレス方式:図5に示すように、無端状
に一本ずつ成形された未加硫のベルト31を、外側面に
金型を備えた熱板イ32を挟んでプーリ37、38に掛
け渡し、一定の張力を作用させた状態で、その熱板イ3
2の上下面に熱板ロ34および熱板ハ33を押し付け、
加圧、加熱することにより加硫してベルト31を部分的
に加硫し、順次予定長さずつ間欠送りして加硫作業を繰
り返すことにより全体を加硫する。なお、説明は省略す
るが、他のプレス方式にロートプレス方式がある。
に一本ずつ成形された未加硫のベルト31を、外側面に
金型を備えた熱板イ32を挟んでプーリ37、38に掛
け渡し、一定の張力を作用させた状態で、その熱板イ3
2の上下面に熱板ロ34および熱板ハ33を押し付け、
加圧、加熱することにより加硫してベルト31を部分的
に加硫し、順次予定長さずつ間欠送りして加硫作業を繰
り返すことにより全体を加硫する。なお、説明は省略す
るが、他のプレス方式にロートプレス方式がある。
【0005】3)特開平4−303628号公報には、図
6に示すように、内周面が鏡面加工された鋼管42の中
に、無端状(チューブ状)に成形された熱可塑性シート
41を挿入し、その熱可塑性シート41内に加熱荷重ロ
ーラ43を挿入し、上記鋼管42を回転させて厚さの均
一な無端ベルトを製造する方法が記載されている。
6に示すように、内周面が鏡面加工された鋼管42の中
に、無端状(チューブ状)に成形された熱可塑性シート
41を挿入し、その熱可塑性シート41内に加熱荷重ロ
ーラ43を挿入し、上記鋼管42を回転させて厚さの均
一な無端ベルトを製造する方法が記載されている。
【0006】4)無端ベルトのプーリに接する面にリブ形
状突起を設けた無端ベルト(リブドベルト)を製造する
には、通常、加硫工程と別の工程において、円筒状に加
硫したスラブを複数軸間に掛け渡し、スラブを回転させ
ながら刃物や研削砥石等により無端ベルトのプーリに接
する面を削り込み、リブ形状突起を形成している。
状突起を設けた無端ベルト(リブドベルト)を製造する
には、通常、加硫工程と別の工程において、円筒状に加
硫したスラブを複数軸間に掛け渡し、スラブを回転させ
ながら刃物や研削砥石等により無端ベルトのプーリに接
する面を削り込み、リブ形状突起を形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の加硫方法(方式)では、次のような点で改良の
余地がある。
た従来の加硫方法(方式)では、次のような点で改良の
余地がある。
【0008】1)加硫缶方式においては、通常、内金型に
巻き付けられた未加硫ベルト材の外周面をゴムスリーブ
(弾性体)で覆って加圧、加熱して加硫するので、未加
硫ゴムベルト材の厚さのバラツキが、そのまま加硫され
たベルトに残され、事務機器用等用途によりベルト全体
の厚さ精度が十分といえない場合がある。
巻き付けられた未加硫ベルト材の外周面をゴムスリーブ
(弾性体)で覆って加圧、加熱して加硫するので、未加
硫ゴムベルト材の厚さのバラツキが、そのまま加硫され
たベルトに残され、事務機器用等用途によりベルト全体
の厚さ精度が十分といえない場合がある。
【0009】2)プレス加硫方式においては、一本ごとに
成形した未加硫ベルトを一定の金型を有するプレスに装
着して加硫するので、ベルトの厚さ精度は比較的高い。
しかし、一回で加硫できるベルト長さは、プレスの熱盤
の長さに制約され、個々のベルト長さに適当なプレス
(熱盤長さ)が必要となり、かつ、一回のプレスごとに
断続的な送り作業が必要となる。また、ロートプレス方
式による場合は、前記のプレス方式に比して連続した操
作ができる特徴があるが、加硫できるベルト長さは、ロ
ートプレス機の寸法に制約される点、同様な問題があ
る。
成形した未加硫ベルトを一定の金型を有するプレスに装
着して加硫するので、ベルトの厚さ精度は比較的高い。
しかし、一回で加硫できるベルト長さは、プレスの熱盤
の長さに制約され、個々のベルト長さに適当なプレス
(熱盤長さ)が必要となり、かつ、一回のプレスごとに
断続的な送り作業が必要となる。また、ロートプレス方
式による場合は、前記のプレス方式に比して連続した操
作ができる特徴があるが、加硫できるベルト長さは、ロ
ートプレス機の寸法に制約される点、同様な問題があ
る。
【0010】3)特開平4−303628号公報に記載の
鋼管と加熱荷重ローラにより熱可塑性シートを軟化し平
滑化する方式においては、外金型である鋼管の内径寸法
に対応する長さの無端ベルトを得ることができるが、ベ
ルトの長さに対応した大きさの鋼管を準備する必要があ
る。熱可塑性シートは、加熱、加重ローラにより、加熱
され柔軟になり鋼管の内周面に圧接されて、鋼管の内周
面長さに圧延される。従って、未加硫ゴムベルト材の中
には、「伸び」がない抗張力体を備えた伝動ベルトの製
造には適用できない。また、内部に支持の無い柔軟性を
有する熱可塑性シートを鋼管内面に装着する際には皺が
入り易く、品質低下の原因になる問題がある。
鋼管と加熱荷重ローラにより熱可塑性シートを軟化し平
滑化する方式においては、外金型である鋼管の内径寸法
に対応する長さの無端ベルトを得ることができるが、ベ
ルトの長さに対応した大きさの鋼管を準備する必要があ
る。熱可塑性シートは、加熱、加重ローラにより、加熱
され柔軟になり鋼管の内周面に圧接されて、鋼管の内周
面長さに圧延される。従って、未加硫ゴムベルト材の中
には、「伸び」がない抗張力体を備えた伝動ベルトの製
造には適用できない。また、内部に支持の無い柔軟性を
有する熱可塑性シートを鋼管内面に装着する際には皺が
入り易く、品質低下の原因になる問題がある。
【0011】4)リブドベルトの製造においては、研削工
程として一つの工程が増えるとともに、この研削では研
削時の発熱等により研削に長時間を要し、かつ、削り代
として材料のロスが多いという不都合がある。
程として一つの工程が増えるとともに、この研削では研
削時の発熱等により研削に長時間を要し、かつ、削り代
として材料のロスが多いという不都合がある。
【0012】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
未加硫ゴムスラブの厚みのバラツキをなくし、円周方向
および長さ方向に厚み精度が高く、加硫後に後加工が不
要な無端ゴムベルトの加硫方法とその装置を提供するこ
とを目的としている。
未加硫ゴムスラブの厚みのバラツキをなくし、円周方向
および長さ方向に厚み精度が高く、加硫後に後加工が不
要な無端ゴムベルトの加硫方法とその装置を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明の無端ベルトの加硫方法は、1)円筒状に成
形されたベルト用未加硫ゴムスラブを、円筒状又は円柱
状金型の外周面に密着させて巻装し、2)その金型よりも
内径が大きく、平滑な内周面を有する円筒体内に挿入
し、前記金型の自重により前記ベルト用未加硫ゴムスラ
ブを、前記円筒体の内周面に圧接させ、3)前記金型およ
び前記円筒体の少なくとも一方を介し、前記ベルト用未
加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱するとともに、前記
円筒体を一方向に回転させることにより、前記ベルト用
未加硫ゴムスラブを加硫するものである。
ために本発明の無端ベルトの加硫方法は、1)円筒状に成
形されたベルト用未加硫ゴムスラブを、円筒状又は円柱
状金型の外周面に密着させて巻装し、2)その金型よりも
内径が大きく、平滑な内周面を有する円筒体内に挿入
し、前記金型の自重により前記ベルト用未加硫ゴムスラ
ブを、前記円筒体の内周面に圧接させ、3)前記金型およ
び前記円筒体の少なくとも一方を介し、前記ベルト用未
加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱するとともに、前記
円筒体を一方向に回転させることにより、前記ベルト用
未加硫ゴムスラブを加硫するものである。
【0014】請求項2記載のように、4)前記金型の外周
面に巻装した未加硫ゴムスラブの両端部に、前記ベルト
用未加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅か薄
い厚みをもつ一定幅のリング体を、前記ベルト用未加硫
ゴムスラブを挟むようにそれぞれ取り付けたのち、5)前
記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱すると
ともに、前記円筒体を一方向に回転させることが好まし
い。
面に巻装した未加硫ゴムスラブの両端部に、前記ベルト
用未加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅か薄
い厚みをもつ一定幅のリング体を、前記ベルト用未加硫
ゴムスラブを挟むようにそれぞれ取り付けたのち、5)前
記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱すると
ともに、前記円筒体を一方向に回転させることが好まし
い。
【0015】請求項3記載のように、6)前記円筒体の内
周面の、前記ベルト用未加硫ゴムスラブに対応する位置
に、リブドベルトのリブに対応するV形断面のリブ山を
設けておき、7)前記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温
度にて加熱するとともに、前記円筒体を一方向に回転さ
せてリブドベルトに成形しながら加硫することができ
る。
周面の、前記ベルト用未加硫ゴムスラブに対応する位置
に、リブドベルトのリブに対応するV形断面のリブ山を
設けておき、7)前記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温
度にて加熱するとともに、前記円筒体を一方向に回転さ
せてリブドベルトに成形しながら加硫することができ
る。
【0016】上記のような本発明の加硫方法に使用され
る本発明の加硫装置は、a)円筒状に成形されたベルト用
未加硫ゴムスラブを巻装可能で且つ平滑な外周面を有す
る円筒状又は円柱状の金型と、b)この金型よりも内径が
大きく且つ平滑な内周面を有する円筒体と、c)この円筒
体を長手方向に沿って水平に且つ回動自在に支持し、そ
の円筒体を回転させる回転支持装置と、d)前記金型およ
び前記円筒体の少なくとも一方を、それぞれの回転を許
容しながら所定温度にて加熱可能な加熱装置とを備えて
いる。なお、回転支持装置には、一定の間隔をあけて平
行する複数の駆動ローラ上に上記円筒体を載置すると
か、平行する複数ローラに支持された円筒体に直接駆動
手段を取り付けるとかの装置を採用し得る。また加熱装
置には、金型および円筒体の何れかまたは両方を、それ
らの内部よりまたは間接的に電熱、蒸気等により加熱す
る構造の装置が使われる。
る本発明の加硫装置は、a)円筒状に成形されたベルト用
未加硫ゴムスラブを巻装可能で且つ平滑な外周面を有す
る円筒状又は円柱状の金型と、b)この金型よりも内径が
大きく且つ平滑な内周面を有する円筒体と、c)この円筒
体を長手方向に沿って水平に且つ回動自在に支持し、そ
の円筒体を回転させる回転支持装置と、d)前記金型およ
び前記円筒体の少なくとも一方を、それぞれの回転を許
容しながら所定温度にて加熱可能な加熱装置とを備えて
いる。なお、回転支持装置には、一定の間隔をあけて平
行する複数の駆動ローラ上に上記円筒体を載置すると
か、平行する複数ローラに支持された円筒体に直接駆動
手段を取り付けるとかの装置を採用し得る。また加熱装
置には、金型および円筒体の何れかまたは両方を、それ
らの内部よりまたは間接的に電熱、蒸気等により加熱す
る構造の装置が使われる。
【0017】請求項5記載のように、e)前記ベルト用未
加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅かに薄い
厚みをもつ一定幅のリング体を、前記金型の、その外周
面に巻装された未加硫ゴムスラブの両端部に接する位置
に、着脱自在に取り付けることが好ましい。なお、ゴム
スラブの両端部のリング体は、未加硫ゴムが加熱され軟
化した時、金型の重さで押されてごく少量のゴムがリン
グ体と円筒体内面との間を流れ出す程度の隙間ができる
寸法、通常0.1〜1.0mm程度をゴムスラブの仕上げ
厚さより減じた突出厚にする。
加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅かに薄い
厚みをもつ一定幅のリング体を、前記金型の、その外周
面に巻装された未加硫ゴムスラブの両端部に接する位置
に、着脱自在に取り付けることが好ましい。なお、ゴム
スラブの両端部のリング体は、未加硫ゴムが加熱され軟
化した時、金型の重さで押されてごく少量のゴムがリン
グ体と円筒体内面との間を流れ出す程度の隙間ができる
寸法、通常0.1〜1.0mm程度をゴムスラブの仕上げ
厚さより減じた突出厚にする。
【0018】請求項6記載のように、f)前記円筒体の内
周面の、前記ベルト用未加硫ゴムスラブに対応する位置
に、リブドベルトのリブに対応して円周方向に連続する
独立のV形断面のリブ山を長手方向に等ピッチで形設す
ることができる。
周面の、前記ベルト用未加硫ゴムスラブに対応する位置
に、リブドベルトのリブに対応して円周方向に連続する
独立のV形断面のリブ山を長手方向に等ピッチで形設す
ることができる。
【0019】
【作用】上記した構成を有する本発明の無端ベルトの加
硫方法によれば、円筒状のベルト用未加硫ゴムスラブを
金型の外周面に巻装した状態で、円筒体の内周面上に挿
入し、この状態の下に円筒体を一方向に回転させること
により、金型の自重により外周面上のベルト用未加硫ゴ
ムスラブが、円筒体の内周面に圧接されながら回転す
る。同時に、前記金型又は前記円筒体の少なくとも一方
を介し、ベルト用未加硫ゴムスラブが所定温度に加熱さ
れるため、スラブが全体的にほぼ均等に加熱されて未加
硫ゴムが軟化し、金型の自重による加圧力を受けて加硫
される。この間、スラブは円筒体の平滑な内周面上を金
型の自重を全体にわたりほぼ均等に受けて回転するの
で、円周方向および長さ方向にわたって均一な厚みに仕
上げられる。
硫方法によれば、円筒状のベルト用未加硫ゴムスラブを
金型の外周面に巻装した状態で、円筒体の内周面上に挿
入し、この状態の下に円筒体を一方向に回転させること
により、金型の自重により外周面上のベルト用未加硫ゴ
ムスラブが、円筒体の内周面に圧接されながら回転す
る。同時に、前記金型又は前記円筒体の少なくとも一方
を介し、ベルト用未加硫ゴムスラブが所定温度に加熱さ
れるため、スラブが全体的にほぼ均等に加熱されて未加
硫ゴムが軟化し、金型の自重による加圧力を受けて加硫
される。この間、スラブは円筒体の平滑な内周面上を金
型の自重を全体にわたりほぼ均等に受けて回転するの
で、円周方向および長さ方向にわたって均一な厚みに仕
上げられる。
【0020】また、ベルト用未加硫ゴムスラブは、予め
金型に巻装されて円筒体内に挿入されるので、挿入作業
においてゴムスラブに皺が入る等の支障がないうえに、
加熱した際に未加硫ゴムが軟化するにも拘らず、回転開
始時等の皺入り、傷つき等の問題も起こらない。なお、
対象とする未加硫ゴムスラブは加圧下で加熱により加硫
する、いわゆる熱硬化性エラストマであり、加硫完了後
は高温のままで取り出すことができ、熱可塑性エラスト
マを使用する場合に必要な金型を冷却する工程を要しな
い。また、装置自体を取り上げても、金型、円筒体、回
転支持装置および加熱装置で構成され、装置点数が少な
くしかも構造が簡単である。
金型に巻装されて円筒体内に挿入されるので、挿入作業
においてゴムスラブに皺が入る等の支障がないうえに、
加熱した際に未加硫ゴムが軟化するにも拘らず、回転開
始時等の皺入り、傷つき等の問題も起こらない。なお、
対象とする未加硫ゴムスラブは加圧下で加熱により加硫
する、いわゆる熱硬化性エラストマであり、加硫完了後
は高温のままで取り出すことができ、熱可塑性エラスト
マを使用する場合に必要な金型を冷却する工程を要しな
い。また、装置自体を取り上げても、金型、円筒体、回
転支持装置および加熱装置で構成され、装置点数が少な
くしかも構造が簡単である。
【0021】請求項2記載の加硫方法によれば、スラブ
の厚さが両端のリング体の厚みとほぼ同じ厚さになるま
で、余分な未加硫ゴムが軟化した際にリング体下を通っ
て流出し、厚み精度が一層高いスラブが加硫される。ま
た、金型の外周面に巻装されたスラブの無用なゴム分の
流出がリング体で規制されるため、金型の荷重を重くし
ても厚み精度の高いスラブに加硫される。したがって、
金型の重量の調整が容易である。
の厚さが両端のリング体の厚みとほぼ同じ厚さになるま
で、余分な未加硫ゴムが軟化した際にリング体下を通っ
て流出し、厚み精度が一層高いスラブが加硫される。ま
た、金型の外周面に巻装されたスラブの無用なゴム分の
流出がリング体で規制されるため、金型の荷重を重くし
ても厚み精度の高いスラブに加硫される。したがって、
金型の重量の調整が容易である。
【0022】請求項3記載の加硫方法によれば、請求項
2記載の加硫方法において金型の外周面上の未加硫ゴム
スラブが加熱され、軟化した状態で円筒体の内周面のリ
ブ山上を金型の自重下で回転することにより、スラブの
外周面に連続するV形溝が成形される。そして、スラブ
は加硫されることにより、V形溝形状が保持される状態
に硬化し、リブドベルトが成形される。このため、従来
と違って加硫後にV形溝を加工するなどの後加工が一切
不要になる。
2記載の加硫方法において金型の外周面上の未加硫ゴム
スラブが加熱され、軟化した状態で円筒体の内周面のリ
ブ山上を金型の自重下で回転することにより、スラブの
外周面に連続するV形溝が成形される。そして、スラブ
は加硫されることにより、V形溝形状が保持される状態
に硬化し、リブドベルトが成形される。このため、従来
と違って加硫後にV形溝を加工するなどの後加工が一切
不要になる。
【0023】上記した構成を有する本発明の無端ベルト
の加硫装置によれば、下部を回転支持装置で水平に支持
し、円筒体を安定した状態で任意の速度で回転させるこ
とができる。円筒体内に水平方向に挿入された金型は、
外周面に未加硫ゴムスラブを巻装した状態で、円筒体の
回転に伴って金型の自重下に一方向に回転するので、そ
の未加硫ゴムスラブは、円周方向および長さ方向に均一
に円筒体の内周面上に圧接される。そして、この状態の
下に円筒体又は金型の少なくとも一方を介し、未加硫ゴ
ムスラブが均一に加熱されることにより、加熱されて軟
化し、金型外周面と円筒体内周面との間で全周にわたり
均等に圧延され、厚さが全周にわたって均一になる。こ
の状態を一定時間継続することにより、ゴムスラブの加
硫作業が完了する。
の加硫装置によれば、下部を回転支持装置で水平に支持
し、円筒体を安定した状態で任意の速度で回転させるこ
とができる。円筒体内に水平方向に挿入された金型は、
外周面に未加硫ゴムスラブを巻装した状態で、円筒体の
回転に伴って金型の自重下に一方向に回転するので、そ
の未加硫ゴムスラブは、円周方向および長さ方向に均一
に円筒体の内周面上に圧接される。そして、この状態の
下に円筒体又は金型の少なくとも一方を介し、未加硫ゴ
ムスラブが均一に加熱されることにより、加熱されて軟
化し、金型外周面と円筒体内周面との間で全周にわたり
均等に圧延され、厚さが全周にわたって均一になる。こ
の状態を一定時間継続することにより、ゴムスラブの加
硫作業が完了する。
【0024】請求項5記載の加硫装置によれば、ベルト
用未加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅かに
薄い厚みをもつ一定幅のリング体が、前記金型の、その
外周面に巻装された未加硫ゴムスラブの両端部に接する
位置に取り付けられている。円筒体が回転され、金型が
未加硫ゴムスラブとともに回転し、未加硫ゴムスラブが
加熱され軟化することにより、余分なゴム分がリング体
と円筒体内周面との間から流出する。そして両端のリン
グ体の間で未加硫ゴムスラブの厚みが全体にわたり均一
に整えられ、高い厚み精度のスラブに加硫される。この
加硫作業の間にリング体は、未加硫ゴムスラブの厚みを
最終仕上げ厚さに整えると同時に、軟化した未加硫ゴム
スラブが必要以上に流出するのを阻止する。これによ
り、金型が回転することにより多少の振動が発生して
も、未加硫ゴムスラブの端部に異常な加圧力が作用し
て、端部のゴムが余分に流出して部分的に薄くなること
がない。また、金型の荷重をかなり重くしても、リング
体がこれを支持し、未加硫ゴムが無制限に押し広げられ
ることを防止する。
用未加硫ゴムスラブの仕上げ厚さと同一もしくは僅かに
薄い厚みをもつ一定幅のリング体が、前記金型の、その
外周面に巻装された未加硫ゴムスラブの両端部に接する
位置に取り付けられている。円筒体が回転され、金型が
未加硫ゴムスラブとともに回転し、未加硫ゴムスラブが
加熱され軟化することにより、余分なゴム分がリング体
と円筒体内周面との間から流出する。そして両端のリン
グ体の間で未加硫ゴムスラブの厚みが全体にわたり均一
に整えられ、高い厚み精度のスラブに加硫される。この
加硫作業の間にリング体は、未加硫ゴムスラブの厚みを
最終仕上げ厚さに整えると同時に、軟化した未加硫ゴム
スラブが必要以上に流出するのを阻止する。これによ
り、金型が回転することにより多少の振動が発生して
も、未加硫ゴムスラブの端部に異常な加圧力が作用し
て、端部のゴムが余分に流出して部分的に薄くなること
がない。また、金型の荷重をかなり重くしても、リング
体がこれを支持し、未加硫ゴムが無制限に押し広げられ
ることを防止する。
【0025】請求項6記載の加硫装置によれば、加熱に
より軟化した未加硫ゴムスラブが金型の重量により円筒
体内周面のリブ形溝内に押し込まれて、ゴムスラブの全
周面にリブが形成され、同時に加硫されることにより、
研削などの後加工を必要とせず、一工程でリブベルトを
成形、加硫することができる。
より軟化した未加硫ゴムスラブが金型の重量により円筒
体内周面のリブ形溝内に押し込まれて、ゴムスラブの全
周面にリブが形成され、同時に加硫されることにより、
研削などの後加工を必要とせず、一工程でリブベルトを
成形、加硫することができる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の無端ベルトの製造方法およ
び製造装置を、図1〜図3により説明する。
び製造装置を、図1〜図3により説明する。
【0027】図1は本発明の実施例にかかる無端ベルト
の加硫装置を概略的に示す斜視図、図2は図1の加硫装
置のX−X線断面図である。
の加硫装置を概略的に示す斜視図、図2は図1の加硫装
置のX−X線断面図である。
【0028】図1および図2に示すように、本例の加硫
装置1は、無端ベルト用の円筒状の未加硫ゴムスラブS
を加硫するためのもので、ゴムスラブSが巻装される金
型4は円筒状であり、この金型4の外周面は平滑に加工
されている。また、金型4は未加硫ゴムスラブSに自重
で加圧力を作用する役目を有するため、加硫に必要な重
さを備えている。図示は省略するが、本例では、金型4
の周壁にサーモスタット付きの電気ヒータが内蔵されて
おり、金型4を介して外周面のゴムスラブSを所定温度
に加熱する。
装置1は、無端ベルト用の円筒状の未加硫ゴムスラブS
を加硫するためのもので、ゴムスラブSが巻装される金
型4は円筒状であり、この金型4の外周面は平滑に加工
されている。また、金型4は未加硫ゴムスラブSに自重
で加圧力を作用する役目を有するため、加硫に必要な重
さを備えている。図示は省略するが、本例では、金型4
の周壁にサーモスタット付きの電気ヒータが内蔵されて
おり、金型4を介して外周面のゴムスラブSを所定温度
に加熱する。
【0029】金型4の長さは、ゴムスラブSの長さに後
述するリング体2の2個分の幅を加えた長さを少なくと
も有し、金型4の両端部に一定幅のリング体2がそれぞ
れ止ネジ(図示せず)により着脱自在に取り付けられ
る。また、各リング体2の厚みは、加硫後の製品として
の予定厚みに設定され、金型4の両端部にリング体2を
取り付けた状態あるいは一端部にだけにリング体2を取
り付けた状態で、ゴムスラブSが巻装される。他端部の
リング体2は、巻装後に取り付けられる。また、最初に
巻装されるゴムスラブSの厚みは、リング体2より僅か
に厚くなるように設定されている。
述するリング体2の2個分の幅を加えた長さを少なくと
も有し、金型4の両端部に一定幅のリング体2がそれぞ
れ止ネジ(図示せず)により着脱自在に取り付けられ
る。また、各リング体2の厚みは、加硫後の製品として
の予定厚みに設定され、金型4の両端部にリング体2を
取り付けた状態あるいは一端部にだけにリング体2を取
り付けた状態で、ゴムスラブSが巻装される。他端部の
リング体2は、巻装後に取り付けられる。また、最初に
巻装されるゴムスラブSの厚みは、リング体2より僅か
に厚くなるように設定されている。
【0030】金型4が挿入される円筒体3は、金型4よ
りも内径が大きく、長さは金型4と同じかそれよりもや
や長くしてある。円筒体3の内周面は、金型4の表面と
同様に平滑に仕上られている。円筒体3は、回転支持装
置としての一対のローラ5上に載置され、水平に保持さ
れる。ローラ5は円筒体3の外径よりよりやや狭き間隔
をあけて平行に且つ回動自在に配設される。本例では、
一対のローラ5は、共通の駆動モータ6により同一方向
に回転するように構成されている。このため駆動モータ
6と各ローラ5とは、ベルトやギヤなどの伝達機構で接
続されている。本例では、円筒体3の周壁にもサーモス
タット付きの電気ヒータが内蔵されており、その内周面
に圧接されるゴムスラブSを加熱する。
りも内径が大きく、長さは金型4と同じかそれよりもや
や長くしてある。円筒体3の内周面は、金型4の表面と
同様に平滑に仕上られている。円筒体3は、回転支持装
置としての一対のローラ5上に載置され、水平に保持さ
れる。ローラ5は円筒体3の外径よりよりやや狭き間隔
をあけて平行に且つ回動自在に配設される。本例では、
一対のローラ5は、共通の駆動モータ6により同一方向
に回転するように構成されている。このため駆動モータ
6と各ローラ5とは、ベルトやギヤなどの伝達機構で接
続されている。本例では、円筒体3の周壁にもサーモス
タット付きの電気ヒータが内蔵されており、その内周面
に圧接されるゴムスラブSを加熱する。
【0031】上記した構成からなる本実施例の加硫装置
1を用いて、未加硫ゴムスラブSを加硫する方法につい
て説明する。つまり、本発明の無端ベルトの加硫方法で
は、金型4の外周面にゴムスラブSを巻装し、その両端
にリング体2を取り付けた状態で、ローラ5上の円筒体
3の内周面上に挿入される。この状態で、駆動モータ6
を始動し、ローラ5を一方向に回転させることにより、
円筒体3が一方向に回転し、円筒体3内の金型4が回転
する。同時に、円筒体3および金型4が所定温度に加熱
される。この状態で、金型4の外周面上の未加硫ゴムス
ラブSは、金型4の自重による加圧力を受け、円筒体3
の内周面上に圧接されるとともに、加熱される。これに
より、ゴムスラブSは一旦軟化したのち加硫され、製品
としてのベルトの硬度まで硬化する。この間、ゴムスラ
ブSは、金型4の荷重による加圧力を受け、円筒体3の
内周面上を転がるように回転するので、金型4の円周方
向および長さ方向に沿って全体的に均一な厚みに整えら
れ、加硫作業が終了する。
1を用いて、未加硫ゴムスラブSを加硫する方法につい
て説明する。つまり、本発明の無端ベルトの加硫方法で
は、金型4の外周面にゴムスラブSを巻装し、その両端
にリング体2を取り付けた状態で、ローラ5上の円筒体
3の内周面上に挿入される。この状態で、駆動モータ6
を始動し、ローラ5を一方向に回転させることにより、
円筒体3が一方向に回転し、円筒体3内の金型4が回転
する。同時に、円筒体3および金型4が所定温度に加熱
される。この状態で、金型4の外周面上の未加硫ゴムス
ラブSは、金型4の自重による加圧力を受け、円筒体3
の内周面上に圧接されるとともに、加熱される。これに
より、ゴムスラブSは一旦軟化したのち加硫され、製品
としてのベルトの硬度まで硬化する。この間、ゴムスラ
ブSは、金型4の荷重による加圧力を受け、円筒体3の
内周面上を転がるように回転するので、金型4の円周方
向および長さ方向に沿って全体的に均一な厚みに整えら
れ、加硫作業が終了する。
【0032】特に本例では、金型4の両端部にリング体
2を取り付けているので、ゴムスラブSの端部に偏って
荷重が作用することがなく、したがって、ゴムスラブS
の端部が他の部分に比べて薄くなるのが防止される。ま
た、リング体2がゴムスラブSの無用な流出を規制する
ので、厚さ精度の高い加硫されたスラブが得られる。な
お、得られたスラブは、所定長さごとに輪切りし、最終
製品としての無端ベルトに仕上げられる。
2を取り付けているので、ゴムスラブSの端部に偏って
荷重が作用することがなく、したがって、ゴムスラブS
の端部が他の部分に比べて薄くなるのが防止される。ま
た、リング体2がゴムスラブSの無用な流出を規制する
ので、厚さ精度の高い加硫されたスラブが得られる。な
お、得られたスラブは、所定長さごとに輪切りし、最終
製品としての無端ベルトに仕上げられる。
【0033】ところで、上記実施例では、金型4の両端
部にリング体2を取り付けて加硫する場合を示したが、
リング体2を取り外した状態でも、ほぼ同様に未加硫ゴ
ムスラブSを加硫することができることはいうまでもな
い。この場合には、未加硫ゴムスラブSに金型4の荷重
が直接的に作用するので、金型4の重量を未加硫ゴムス
ラブSの加硫に必要な加圧力が得られるように、正確に
調整する必要がある。
部にリング体2を取り付けて加硫する場合を示したが、
リング体2を取り外した状態でも、ほぼ同様に未加硫ゴ
ムスラブSを加硫することができることはいうまでもな
い。この場合には、未加硫ゴムスラブSに金型4の荷重
が直接的に作用するので、金型4の重量を未加硫ゴムス
ラブSの加硫に必要な加圧力が得られるように、正確に
調整する必要がある。
【0034】また、未加硫ゴムスラブSの外径が小さい
ときには、金型4を円柱体の中実構造にして加硫に必要
な荷重が得られるようにすることができる。
ときには、金型4を円柱体の中実構造にして加硫に必要
な荷重が得られるようにすることができる。
【0035】図3は本発明の他の実施例としてリブドベ
ルトの成形・加硫装置を説明する概要断面図で、図2の
A−A線断面に対応する図である。本実施例の加硫装置
1’が、上記実施例と相違するところは次の点である。
すなわち図3に示すように、円筒体3の内周面の、金型
4のゴムスラブSに対応する位置に、成形・加硫しよう
とするリブドベルトのリブ溝に対応する円周方向に連続
する独立(スパイラルでない)のV形断面のリブ山7
を、長手方向に等ピッチで形設したこと、金型4の加熱
装置を蒸気に変更し、円筒状の金型4の両端面を蓋材
(図示せず)で閉塞し、蓋材の中央部にロータリジョイ
ント8を装着し、一方の配管8aによりロータリジョイ
ント8を介して蒸気を導入し、他方の配管8bから余分
な蒸気を排出するようにしたこと、また、配管8a・8
bにより蒸気の供給あるいは排出を行うほか、金型4を
円筒体3内の定位置に保持して回転させるようにしたこ
と、円筒体3を回転させる駆動用ローラ5と、自由回転
自在のローラ5’とを設けたこと、である。なお、図中
の符号9は円筒体3に内蔵されたヒータ、9aはその配
線を示す。
ルトの成形・加硫装置を説明する概要断面図で、図2の
A−A線断面に対応する図である。本実施例の加硫装置
1’が、上記実施例と相違するところは次の点である。
すなわち図3に示すように、円筒体3の内周面の、金型
4のゴムスラブSに対応する位置に、成形・加硫しよう
とするリブドベルトのリブ溝に対応する円周方向に連続
する独立(スパイラルでない)のV形断面のリブ山7
を、長手方向に等ピッチで形設したこと、金型4の加熱
装置を蒸気に変更し、円筒状の金型4の両端面を蓋材
(図示せず)で閉塞し、蓋材の中央部にロータリジョイ
ント8を装着し、一方の配管8aによりロータリジョイ
ント8を介して蒸気を導入し、他方の配管8bから余分
な蒸気を排出するようにしたこと、また、配管8a・8
bにより蒸気の供給あるいは排出を行うほか、金型4を
円筒体3内の定位置に保持して回転させるようにしたこ
と、円筒体3を回転させる駆動用ローラ5と、自由回転
自在のローラ5’とを設けたこと、である。なお、図中
の符号9は円筒体3に内蔵されたヒータ、9aはその配
線を示す。
【0036】続いて、上記した構成からなる本実施例の
加硫装置1’を用いて、未加硫ゴムスラブSを加硫する
方法について説明する。図3に示すように、円筒体3を
回転させることにより、金型4を円筒体3の内周面上の
定位置で一方向に回転させ、同時に配管8a・8bによ
り金型4内に蒸気を供給して、外周面上のゴムスラブS
を内側から加熱し、また円筒体3のヒータ9によっても
ゴムスラブSを外側から加熱する。これにより、ゴムス
ラブSは金型4の荷重を受けて円筒体3の内周面の連続
するリブ山7に押圧され、ゴムスラブSの外周面にV形
溝が成形され、加硫される。したがって、従来のように
加硫後に研削などの加工を行う必要がなく、一工程でリ
ブドベルトが成形、加硫される。
加硫装置1’を用いて、未加硫ゴムスラブSを加硫する
方法について説明する。図3に示すように、円筒体3を
回転させることにより、金型4を円筒体3の内周面上の
定位置で一方向に回転させ、同時に配管8a・8bによ
り金型4内に蒸気を供給して、外周面上のゴムスラブS
を内側から加熱し、また円筒体3のヒータ9によっても
ゴムスラブSを外側から加熱する。これにより、ゴムス
ラブSは金型4の荷重を受けて円筒体3の内周面の連続
するリブ山7に押圧され、ゴムスラブSの外周面にV形
溝が成形され、加硫される。したがって、従来のように
加硫後に研削などの加工を行う必要がなく、一工程でリ
ブドベルトが成形、加硫される。
【0037】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の無端ベルトの加硫方法とその装置には、次の効
果がある。
本発明の無端ベルトの加硫方法とその装置には、次の効
果がある。
【0038】(1) 従来の加硫缶方式においては、内金型
に巻き付けられた未加硫ベルト材の厚さ精度が修正され
ず加硫されるため、素材としてのゴムシートの厚さのバ
ラツキ、巻き付け成形時の条件等による厚さのバラツキ
が、加硫されたベルトにそのまま残されていたが、本発
明によるとゴムスラブの厚みが円周方向および長さ方向
にわたり均等化され、全体的に厚さ精度が向上して、品
質の高い無端ベルトに加硫される。
に巻き付けられた未加硫ベルト材の厚さ精度が修正され
ず加硫されるため、素材としてのゴムシートの厚さのバ
ラツキ、巻き付け成形時の条件等による厚さのバラツキ
が、加硫されたベルトにそのまま残されていたが、本発
明によるとゴムスラブの厚みが円周方向および長さ方向
にわたり均等化され、全体的に厚さ精度が向上して、品
質の高い無端ベルトに加硫される。
【0039】(2) 従来のプレス加硫方式に比して工数が
少なく、かつ、サイズごとに必要とされたプレス機を必
要とせず、一つの金型で厚みあるいは長さの異なる複数
種類の無端ベルトを加硫することができる。
少なく、かつ、サイズごとに必要とされたプレス機を必
要とせず、一つの金型で厚みあるいは長さの異なる複数
種類の無端ベルトを加硫することができる。
【0040】(3) 請求項2記載の加硫方法では、スラブ
の厚さが両端のリング体の厚みとほぼ同じ厚さになるま
で、余分な未加硫ゴムが軟化した際にリング体下を通っ
て流出し、厚み精度が一層向上する。また、金型の外周
面に巻装されたスラブの無用なゴム分の流出がリング体
で規制されるため、金型の荷重を重くしても厚み精度の
高いスラブに加硫されるから、金型の重量の調整が容易
である。
の厚さが両端のリング体の厚みとほぼ同じ厚さになるま
で、余分な未加硫ゴムが軟化した際にリング体下を通っ
て流出し、厚み精度が一層向上する。また、金型の外周
面に巻装されたスラブの無用なゴム分の流出がリング体
で規制されるため、金型の荷重を重くしても厚み精度の
高いスラブに加硫されるから、金型の重量の調整が容易
である。
【0041】(4) 請求項3記載の加硫方法では、リブド
ベルトが成形されるのと同時に加硫されるため、従来と
違って加硫後にV形溝を加工するなどの後加工が一切不
要になる。したがって、加硫工程によりリブドベルトが
成形でき、しかも、削り代としての材料ロスもなく、コ
ストダウンが図れる。
ベルトが成形されるのと同時に加硫されるため、従来と
違って加硫後にV形溝を加工するなどの後加工が一切不
要になる。したがって、加硫工程によりリブドベルトが
成形でき、しかも、削り代としての材料ロスもなく、コ
ストダウンが図れる。
【0042】(5) 本発明の加硫装置は上記した加硫方法
を確実に実施できるうえに、金型、円筒体、回転支持装
置および加熱装置で構成され、装置点数が少なく設備費
が安く、しかも構造が簡単で、長期間安定して加硫作業
が行える。
を確実に実施できるうえに、金型、円筒体、回転支持装
置および加熱装置で構成され、装置点数が少なく設備費
が安く、しかも構造が簡単で、長期間安定して加硫作業
が行える。
【0043】(6) 請求項5記載の加硫装置では、両端の
リング体の間で未加硫ゴムスラブの厚みが全体にわたり
均一に整えられ、高い厚み精度のスラブに加硫される。
加硫作業の間に、リング体が軟化した未加硫ゴムスラブ
が必要以上に流出するのを阻止するから、多少の振動が
発生しても未加硫ゴムスラブの端部が薄くなることがな
い。また金型の荷重をかなり重くしても、リング体が支
持し、未加硫ゴムスラブに大きな荷重が作用して無制限
なゴムの流出を防止する。
リング体の間で未加硫ゴムスラブの厚みが全体にわたり
均一に整えられ、高い厚み精度のスラブに加硫される。
加硫作業の間に、リング体が軟化した未加硫ゴムスラブ
が必要以上に流出するのを阻止するから、多少の振動が
発生しても未加硫ゴムスラブの端部が薄くなることがな
い。また金型の荷重をかなり重くしても、リング体が支
持し、未加硫ゴムスラブに大きな荷重が作用して無制限
なゴムの流出を防止する。
【0044】(7) 請求項6記載の加硫装置では、加熱に
より軟化した未加硫ゴムスラブが金型の重量により円筒
体内周面のリブ形溝内に押し込まれて、ゴムスラブの全
周面にリブが形成され、同時に加硫されることにより、
研削などの後加工を必要とせず、一工程でリブベルトを
成形、加硫することができる。
より軟化した未加硫ゴムスラブが金型の重量により円筒
体内周面のリブ形溝内に押し込まれて、ゴムスラブの全
周面にリブが形成され、同時に加硫されることにより、
研削などの後加工を必要とせず、一工程でリブベルトを
成形、加硫することができる。
【図1】本発明の実施例にかかる無端ベルトの加硫装置
を概略的に示す斜視図である。
を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の加硫装置のX−X線断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示すリブドベルトの成形
・加硫装置の概要断面図で、図2のA−A線断面に対応
する図である。
・加硫装置の概要断面図で、図2のA−A線断面に対応
する図である。
【図4】従来の加硫缶方式による加硫缶の断面図であ
る。
る。
【図5】従来のプレス加硫方式におけるプレス機の側面
を表す。
を表す。
【図6】特開平4−303628号公報記載の中間転写
無端ベルトの製造装置の断面図である。
無端ベルトの製造装置の断面図である。
1・1’ 加硫装置 2 リング体 3 円筒体 4 金型 5 ローラ 6 駆動モータ 7 リブ山 8 ロータリジョイント 9 ヒータ(加熱装置) S 未加硫ゴムスラブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 29:00 (72)発明者 長井 正一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 円筒状に成形されたベルト用未加硫ゴム
スラブを、円筒状又は円柱状金型の外周面に密着させて
巻装し、 その金型よりも内径が大きく、平滑な内周面を有する円
筒体内に挿入し、前記金型の自重により前記ベルト用未
加硫ゴムスラブを、前記円筒体の内周面に圧接させ、 前記金型および前記円筒体の少なくとも一方を介し、前
記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱すると
ともに、前記円筒体を一方向に回転させることにより、
前記ベルト用未加硫ゴムスラブを加硫することを特徴と
する無端ゴムベルトの加硫方法。 - 【請求項2】 前記金型の外周面に巻装した未加硫ゴム
スラブの両端部に接して、前記ベルト用ゴムスラブの仕
上げ厚さと同一もしくは僅か薄い厚みをもつ一定幅のリ
ング体を、前記ベルト用未加硫ゴムスラブを挟むように
それぞれ取り付けたのち、 前記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱する
とともに、前記円筒体を一方向に回転させる請求項1記
載の無端ゴムベルトの加硫方法。 - 【請求項3】 前記円筒体の内周面の、前記ベルト用未
加硫ゴムスラブに対応する位置に、リブドベルトのリブ
に対応するV形断面のリブ山を設けておき、 前記ベルト用未加硫ゴムスラブを所定温度にて加熱する
とともに、前記円筒体を一方向に回転させてリブドベル
トに成形しながら加硫する請求項1または請求項2記載
の無端ゴムベルトの加硫方法。 - 【請求項4】 円筒状に成形されたベルト用未加硫ゴム
スラブを巻装可能で且つ平滑な外周面を有する円筒状又
は円柱状の金型と、 この金型よりも内径が大きく且つ平滑な内周面を有する
円筒体と、 この円筒体を長手方向に沿って水平に且つ回動自在に支
持し、その円筒体を一方向に回転可能な回転支持装置
と、 前記金型および前記円筒体の少なくとも一方を、それぞ
れの回転を許容しながら所定温度にて加熱可能な加熱装
置とを備えたことを特徴とする無端ゴムベルトの加硫装
置。 - 【請求項5】 前記ベルト用未加硫ゴムスラブの仕上げ
厚さと同一もしくは僅かに薄い厚みをもつ一定幅のリン
グ体を、前記金型のその外周面に巻装した未加硫ゴムス
ラブの両端部に接する位置に、着脱自在に取り付けた請
求項4記載の無端ゴムベルトの加硫装置。 - 【請求項6】 前記円筒体の内周面の、前記ベルト用未
加硫ゴムスラブに対応する位置に、リブドベルトのリブ
に対応して円周方向に連続する独立のV形断面のリブ山
を長手方向に等ピッチで形設した請求項4又は5記載の
無端ゴムベルトの加硫装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30031894A JPH08132546A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 無端ベルトの加硫方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30031894A JPH08132546A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 無端ベルトの加硫方法とその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132546A true JPH08132546A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=17883344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30031894A Pending JPH08132546A (ja) | 1994-11-08 | 1994-11-08 | 無端ベルトの加硫方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08132546A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130729A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 円筒状加硫装置 |
WO2020105286A1 (ja) * | 2018-11-22 | 2020-05-28 | バンドー化学株式会社 | 伝動ベルトの製造方法 |
-
1994
- 1994-11-08 JP JP30031894A patent/JPH08132546A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130729A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 円筒状加硫装置 |
JP4492301B2 (ja) * | 2004-11-04 | 2010-06-30 | 横浜ゴム株式会社 | 円筒状加硫装置 |
WO2020105286A1 (ja) * | 2018-11-22 | 2020-05-28 | バンドー化学株式会社 | 伝動ベルトの製造方法 |
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