JP3137685B2 - 無端ゴムベルトの加硫装置と加硫方法 - Google Patents

無端ゴムベルトの加硫装置と加硫方法

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JP3137685B2
JP3137685B2 JP22460191A JP22460191A JP3137685B2 JP 3137685 B2 JP3137685 B2 JP 3137685B2 JP 22460191 A JP22460191 A JP 22460191A JP 22460191 A JP22460191 A JP 22460191A JP 3137685 B2 JP3137685 B2 JP 3137685B2
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vulcanization
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、平べルトやVベルト
などの無端のゴムベルトを連続的に加硫するための装置
と、その加硫装置を用いた加硫方法に関するもので、歯
付きベルトの加硫などに最適な加硫装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種の加硫装置の1つに、“ロートキ
ュア”と称される次のような構造の装置がある。すなわ
ち、図9に示すように、一定の間隔をあけて配設された
加硫ドラム32と伸長プーリ30との間に無端のゴムベ
ルト成形体Aを掛け渡し、加硫ドラム32を挟むように
配設された一対のガイドロール33とその中間軸線上に
配設されたテンションロール35とに無端の加圧バンド
41を巻き掛け、テンションロール35にシリンダ39
を介して引張力を与え、加硫ドラム32の周面のゴムベ
ルト成形体A上を加圧バンド41で押圧して加圧し、加
硫ドラム32の内部熱源で周面を加熱しながら加硫ドラ
ム32を回転させる構造である。なお、先行技術文献に
特開昭59−68222号公報があるが、同公報にも図
9と同種の構造の加硫装置が記載されている。
【0003】しかしながら、上記のロートキュアタイプ
の加硫装置では、後述するような問題点があるので、通
常は、図10に示す加硫装置を用いた下記の加硫方法に
より未加硫のゴムベルトを加硫している。すなわち、円
筒状の加硫ドラム50の外周面に、未加硫ゴムシート、
コード、帆布などからなるゴムベルト素材を巻き付けて
成形した後、そのゴムベルト成形体Aの周囲にゴムスリ
ーブ51を被装する。そして、加硫ドラム50をジャッ
キ(図示せず)等で吊り上げて加硫釜52内に挿入し、
蓋52aを閉めた後、蒸気を加硫釜52内に導入して加
圧・加熱することにより、加硫している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のロート
キュアタイプの加硫装置(図9)では、次のような問題
点がある。 それぞれ軸支されている加硫ドラム32と伸長プーリ
30とに対し、無端のゴムベルト成形体Aを掛け渡した
り取り外したりするので、作業が煩雑で手間がかかる。
【0005】加硫ドラム32には、加圧バンド41に
よる一方向からの押圧力しか作用しないので、加硫ドラ
ム32を軸支するための支持装置を大きな軸荷重に耐え
られるように大型化する必要がある。
【0006】図8からも明らかなように、未加硫のゴ
ムベルト成形体Aにおいてその一部分ずつしか加熱・加
圧(加硫)されないので、加硫時間が長くかかるうえ
に、ゴムベルト成形体Aに対する加圧が不十分で空気が
完全には抜け切れず、ゴムベルト成形体Aの内部構成部
材間で剥離したりピンホールが発生したりして製品不良
が生じ易い。
【0007】加硫ドラム32と伸長プーリ30との2
軸に無端のゴムベルト成形体Aを掛け渡して加硫作業を
行うので、小サイズのゴムベルト成形体は加硫できな
い。
【0008】無端のゴムベルト成形体Aの着脱作業を
容易にするため、加硫ドラム32は片持ち支持(軸支)
されることが多いが、加硫ドラム32が片持ち支持の場
合、加硫ドラム32が加圧バンド41で一方向へ押圧さ
れて軸方向に撓むので、ゴムベルト成形体Aに対する加
圧が不均一になる。
【0009】また、図10に示す加硫装置を用いた従来
の加硫方法では、次のような問題点がある。 加硫釜52内への加硫ドラム50の搬入と加硫釜52
からの加硫ドラム50の搬出に、作業者の手作業による
部分が多く、自動化が困難であり、また人手不足の折り
から労働力の確保が難しい。
【0010】1台の加硫釜52で加硫工程の全てを行
うので、作業がバッチ方式となり、加硫時間が長くかか
り、生産効率が悪い。
【0011】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、無端のゴムベルト成形体の着脱作業が容易であり、
加硫ドラムに対する偏荷重がなく、その支持用軸径を小
さくして小型化が図れ、大サイズだけでなく小サイズの
ゴムベルト成形体についても連続的な加硫が可能な加硫
装置と、同加硫装置を用いて連続的に加硫する方法とを
提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ためにこの発明の加硫装置は、a)搬送機構上に着脱自
在且つ回転自在に支持され、未加硫のゴムベルト素材を
巻き付けて成形するための円筒状の加硫ドラムと、b)
前記加硫ドラムを中心に対向して配設され、その周面の
相対向する部位を円弧状に取り巻いて押圧可能な一対の
無端の加圧バンドとを備え、c)前記加硫ドラムの周面
を内部から加熱するとともに、加硫ドラムに対し各加圧
バンドを相対向して押圧した状態で、各加圧バンドをそ
れぞれ同期させて所定方向に回転させることにより、前
記加硫ドラムが回転して未加硫のゴムベルト成形体が連
続的に加硫されるように構成している。
【0013】請求項2に記載のように、d)前記加硫ド
ラムの周面を押圧する各加圧バンド上に、加圧ロールを
それぞれ相対向して進退可能に設けてもよい。
【0014】この発明の加硫方法は、A)円筒状の加硫
ドラムの外周面に、未加硫のゴムシート、コード、帆布
などからなるゴムベルト素材を巻き付けて成形した後、
そのゴムベルト成形体を加硫する方法において、B)加
硫工程を複数に分割し、この分割した各加硫工程に前記
加硫ドラムを順次移動させて一定時間ずつ保持するとも
に、C)第1の加硫工程で、加硫ドラム上のゴムベルト
成形体に対し、一対の対向するゴムロール又は円弧状に
取り巻き可能な一対の対向する無端の加圧バンドを押し
付けて回転することにより加硫ドラムを回転させ、同時
に加硫ドラムの内部を加熱し、D)第2〜最終前の各加
硫工程で、加硫ドラム上のゴムベルト成形体に対し円弧
状に取り巻き可能な一対の無端の加圧バンドを押し付け
て回転することにより加硫ドラムを回転させ、同時に加
硫ドラムの内部を加熱した後、E)最終工程で、加硫ド
ラムを加熱室内に搬入して周囲から加熱するものであ
る。
【0015】請求項4に記載のように、E)前記第1加
硫工程および第2加硫工程前半までの加熱温度を100〜1
30℃にし、前記第2加硫工程後半以降の加熱温度を150
〜180℃にするのが好ましい。
【0016】
【作用】上記構成を有する本発明の加硫装置によれば、
未加硫のゴムベルト素材を周面に巻き付けて成形した前
記加硫ドラムを回転自在に支持し、その加硫ドラム上の
ゴムベルト成形体の相対向する部位に加圧バンドを円弧
状に押し当てることにより加圧する。この状態で、例え
ば蒸気を加硫ドラムの内部に導入することによってゴム
ベルト成形体を加熱し、同時に各加圧バンドを同期させ
て所定方向に回転させる。これにより、加硫ドラム上の
ゴムベルト成形体は、加硫ドラムと共に回転して次第に
加硫され、加硫ドラムが1〜数回転することにより完全
に加硫される。加硫ドラムには、一対の加圧バンドによ
る相対向する方向からの加圧力(負荷)が作用するの
で、加硫ドラムの軸方向に沿った荷重の偏りがなく、そ
の支持部には負荷がほとんどかからない。また加硫ドラ
ム上のゴムベルト成形体は、その内部から全体に均一に
加熱されると共に、ゴムベルト成形体の大部分が加圧バ
ンドで取り巻かれて加圧されるので、ゴムベルト成形体
の加硫が全体にわたり均等に行われる。
【0017】請求項2に記載の加硫装置によれば、加硫
ドラム上のゴムベルト成形体は加圧バンドで加圧された
うえに、加圧バンド上から加圧ロールでも加圧されるの
で、周面に歯型を設けた加硫ドラムを用いて歯付きゴム
ベルトを形成する場合にも、ゴムベルト成形体の各構成
部材間から完全に空気が抜けるとともに、歯が確実に形
成される。
【0018】上記構成を有する本発明の加硫方法によれ
ば、例えば歯付きゴムベルトの4つに分割した加硫にお
いて、ゴムベルト素材が周囲に巻き付けられて成形され
た加硫ドラムが、第1加硫工程に搬送される。そして、
この第1加硫工程で、一対のゴムロール又は一対の加圧
バンドによりゴムベルト成形体が加圧され、同時に加硫
ドラム内からの熱で加熱されることにより、ゴムベルト
成形体が予熱され、続いて歯付けを含む製品としての型
付け作業が行われる。
【0019】この後、加硫ドラムは、第2加硫工程へ搬
送され、そこで、一対の加圧バンドによりゴムベルト成
形体が加圧され、同時に加硫ドラム内からの熱で加熱さ
れることにより、前記工程における製品としての型付け
作業が継続して行われ、続いてゴムベルト成形体の各構
成部材(帆布やコードなど)を未加硫ゴム部を架橋させ
ながら、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布やコード
など)を一体に接合化(複合化ともいう)する作業が行
われる。
【0020】さらに、加硫ドラムは、第3加硫工程へ搬
送され、第2加硫工程と同様に、そこで、一対の加圧バ
ンドによりゴムベルト成形体が加圧され、同時に加硫ド
ラム内からの熱で加熱されることにより、ゴムベルト成
形体の各構成部材(帆布やコードなど)を未加硫ゴムを
架橋させながら、ゴムベルト成形体の各構成部材(帆布
やコードなど)を複合化する作業が継続して行われる。
【0021】加硫ドラムは、最終の加硫工程へ搬送さ
れ、加熱室内に搬入されて、加硫ドラム上のゴムベルト
成形体が周囲から加熱されることにより、前記第3加硫
工程に引き続いて未加硫ゴムを架橋させ、ゴムベルト成
形体の各構成部材(帆布やコードなど)を複合化する作
業が行われる。このようにして加硫作業が全て終了する
と、加硫ドラムは、次工程に搬送され、そこで冷却され
ることになる。
【0022】請求項4に記載の加硫方法によれば、第1
加硫工程および第2加硫工程前半での温度設定(100〜1
30℃)により、ゴムベルト成形体中のゴムの粘度が下が
り、流動性が向上して、型付けに最適な状態になる。そ
して、第2加硫工程後半以降の温度設定(150〜180℃)
により、ゴムベルト成形体中のゴムが、帆布やコードな
ど各構成部材の複合化および架橋に最適な状態になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の加硫装置の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0024】図1は加硫作業時における実施例にかかる
加硫装置の概要を示す平面図、図2および図3は図1の
II−II線断面図で、図2は加硫作業の状態、図3は加硫
作業前の状態を示す。図4は図3の加硫装置を方向をか
えて見た断面図である。
【0025】これらの図に示すように、装置本体1の中
心部に加硫ドラム2が配置され、その両側において、加
硫ドラム2を挟んで一対のガイドロール3、3が配置さ
れ、また加硫ドラム2の中心軸線上で加硫ドラム2側か
ら加圧ロール4およびテンションロール5が順に、それ
ぞれ相対向して配置されている。なお、各ロール3〜5
は軸受を介して回転自在に支持されている。
【0026】各ガイドロール3および加圧ロール4は加
硫ドラム2に対し接離可能に、またテンションロール5
は加硫ドラム2の中心軸線上で移動自在に、それぞれ装
置本体1に配設されている。
【0027】図2のように、加圧ロール4はガイド部材
6を介して加硫ドラム2の中心軸線上で移動するが、そ
の移動は装置本体1の支持部材1aに固定された油圧シ
リンダ7のピストンロッド7aの伸縮動によって行われ
る。また、テンションロール5もガイド部材8を介して
移動するが、その移動も装置本体1の支持部材1bに固
定された油圧シリンダ9のピストンロッド9aの伸縮動
によって行われる。各テンションロール5には、その駆
動モータ10が歯付きベルト10aによって接続されて
いるが、駆動モータ10も前記ピストンロッド9aの伸
縮動によってテンションロール5と共に移動する。な
お、図示は省略するが、ガイドロール3の移動は送りネ
ジ機構を用いて行なったり、他のロール4、5と同様に
油圧シリンダを用いて行なったりする。
【0028】両側の一対のガイドロール3、3およびテ
ンションロール5には一連に無端の加圧バンド11が巻
き掛けられている。加圧バンド11には、平ゴムバンド
やスチールバンドなどが用いられるが、加硫ドラム2の
サイズ(外径)が小さいときには、可撓性に優れた平ゴ
ムバンドが好適である。
【0029】前記加硫ドラム2は、上下両端の中央部に
開口2b、2cを設けた円筒体からなる一種の金型で、
加硫ドラム2の周面には歯型2a(図1)が円周方向に
等間隔に形成されている。加硫ドラム2は、図4のよう
に、装置本体1の中央部を直交する方向に一対のチェー
ン12により搬送されるチャック台(搬送台)13上
に、軸受13aを介して回転自在にかつ着脱自在に載置
されている。なお、チャック台13の中央部には、開口
13bが開設されている。
【0030】そして、装置本体1の中心部の下方および
上方に、チャック台13上の加硫ドラム2を固定するた
めの機構14・15がそれぞれ昇降可能に配備されてい
る。下側の固定機構14は、複数(例えば4本)の油圧
シリンダ14aにより昇降される固定部材14bを備
え、この固定部材14bの中心部に蒸気排出管16が上
方に延び、回動自在に装着されている。上側の固定機構
15は、複数(例えば4本)の油圧シリンダ15aによ
り昇降され、ベアリング15bを介して水平方向に回転
自在に支持された押圧部材15cと、油圧シリンダ15
dにより昇降される固定部材15eを備え、この固定部
材15eの中心部に蒸気導入管17が下方に延び、回動
自在に装着されている。
【0031】図2の状態から、シリンダ14a、15a
および15dを伸長させることにより、加硫ドラム2の
下端開口2cに蒸気排出管16が、また上端開口2bに
蒸気導入管17がそれぞれ接続され、また加硫ドラム2
の上端面が押圧部材15cで押圧され、加硫ドラム2が
装置本体1の中央部に固定される。排出管16の下端お
よび導入管17の上端に、ロータリージョイント19、
20が接続され、下方のロータリージョイント19には
蒸気排出用ホース21が、また上方のロータリージョイ
ント20には蒸気導入用ホース22が接続されている。
【0032】次に、上記の構成からなる実施例の加硫装
置についてその動作を説明する。加硫ドラム2の搬送時
には、図5(a)に示すように、ガイドロール3、3およ
び加圧ロール4はそれぞれ加硫ドラム2から離れ、また
テンションロール5には油圧シリンダ8の引張力は作用
していない。この状態で、例えば歯付き伝動ベルトの製
造工程では、帆布、コード、未加硫ゴムシートなどから
なるゴムベルト素材が周面に巻き付けられ成形された加
硫ドラム2が、チャック台13上に回動自在に載置さ
れ、チェーン12により装置本体1の中央部に搬送され
て停止する。
【0033】前記各シリンダ14a、15aおよび15
dが伸長され、加硫ドラム2が固定されるとともに、下
端開口2cに蒸気排出管16が、また上端開口2bに蒸
気導入管17がそれぞれ接続される(図2参照)。
【0034】ここで、加硫ドラム2の両側の一対のガイ
ドロール3、3を送りネジ機構(図示せず)などにより
一斉に加硫ドラム2に向かって移動させ、図5(b)のよ
うに加硫ドラム2の周面のゴムベルト成形体A上の相対
向する部位を、加圧バンド11により円弧状に取り囲
む。そして、油圧シリンダ9(図1)により両側のテン
ションロール5を加硫ドラム2から遠ざかる方向にそれ
ぞれ引っ張り、加圧バンド11に引張力を作用させて加
硫ドラム2上のゴムベルト成形体Aを加圧する。また油
圧シリンダ7(図1)により両側の加圧ロール4を加硫
ドラム2に向けてそれぞれ移動させ、加圧バンド11上
からゴムベルト成形体Aに線圧を加える。
【0035】この状態で加硫ドラム2内に蒸気を導入
し、ゴムベルト成形体Aを加熱する。同時に、両側の加
圧バンド11を駆動モータ10によりそれぞれ時計方向
に同期させてゆっくりと回転させる。この結果、加硫ド
ラム2の周囲のゴムベルト成形体Aは、加硫ドラム2と
共に回転して加硫ドラム2が少なくとも1回転する間に
完全に加硫される。また加硫ドラム2上のゴムベルト成
形体Aは加圧バンド11で加圧されたうえに、加圧バン
ド11上からも加圧ロール4によって線状に加圧される
ので、加硫ドラム2の周面の歯型2a(図1)に対応す
る歯がゴムベルトに確実に形成される。
【0036】ところで、上記実施例の加硫装置では、歯
付きゴムベルトを製造するために歯型2aを周面に設け
た加硫ドラム2を使用すると共に、加圧力を高めて歯を
確実に形成できるようにするために加圧ロール4を相対
向して配備しているが、歯を具備しない平ベルトやVベ
ルトを製造する場合には、平坦な周面をもつ加硫ドラム
を使用するのは当然のことであるが、加圧ロール4を省
くこともできる。
【0037】上記実施例に示した加硫装置だけを用いて
上記のように未加硫のゴムベルト成形体Aを完全に加硫
することができるが、次に、上記加硫装置を加硫設備の
一部に用いた、さらに好ましい本発明の加硫装置を用い
た加硫方法について実施例を挙げて説明する。
【0038】本発明の加硫方法では、加硫工程を複数
(本実施例では4工程)に分割している。すなわち、図
6(a)に示すように、ゴムベルト成形体Aの予熱および
最終製品(ゴムベルト)の基本的形態を作る型付けから
なる第1工程、第1工程に継続する型付けおよびゴムベ
ルト成形体Aの各構成部材(ゴムシートや帆布やコー
ド)の一体接合化(複合化)からなる第2工程、第2工
程に継続するゴムベルト成形体Aの各構成部材の複合化
からなる第3工程、ゴムベルト成形体Aの架橋化からな
る第4工程に分割している。また、第1加硫工程および
第2加硫工程前半でのゴムベルト成形体Aの加熱温度を
100〜130℃に設定し、また第2加硫工程後半以降での加
熱温度を150〜180℃に設定している。
【0039】上記のように分割した各加硫工程の加硫設
備に、チャック台13上に回動自在に支持した加硫ドラ
ム2を、チェーン12で順次移動させて各加硫工程で一
定時間ずつ保持する。図6(b)に示す加硫方法では、第
1工程の加硫設備に、上記実施例に示した加硫装置を用
い、第2および第3工程に上記実施例の加硫装置におい
て加圧ロール4を省いた装置を用い、第4工程の加硫設
備には、図7に示すように、開閉扉25aを備えたオー
ブンタイプの加熱室25を用いている。
【0040】図6(c)に示す加硫方法では、第1工程お
よび第2工程の加硫設備に、上記実施例に示した加硫装
置を用い、第3工程および第4工程の加硫設備に、オー
ブンタイプの加熱室25を用いている。
【0041】図6(d)に示す加硫方法では、第1工程の
加硫設備に、図8に示すように、上記実施例の加硫装置
における加圧バンド11に代えて、油圧シリンダ27で
進退可能な対向する一対の軟質ゴムロール26を用い、
第2工程に上記実施例の加硫装置を用い、第3工程の加
硫設備に、上記実施例の加硫装置において加圧ロール4
を省いた装置を用い、第4工程の加硫設備に、オーブン
タイプの加熱室27を用いている。
【0042】加硫方法として3つの例を示したが、いず
れの方法を選択するかは、加硫しようとするゴムベルト
の厚みや形状などに基づいて適宜決定すればよい。ゴム
ベルトのサイズからいうと、図6(c)が小サイズ、図6
(b)が中サイズ、図6(d)が大サイズに適するが、とく
に限定するものではない。また、各加硫工程の加硫設備
への加硫ドラム2の移動を、各加硫設備間の距離を等し
くし、加硫ドラム2を搬送するチャック台13を設備間
の距離をあけて順次連結しておけば、複数の加硫ドラム
2を1つの操作(ステップ)で同時に搬送できる。さら
に、上記実施例では、加圧バンド11の回転により加硫
ドラム2を回転させるようにしたが、加圧バンド11の
回転に同期して加硫ドラム2を駆動装置により回転させ
るようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の加硫装置および加硫方法には次のような効果が
ある。
【0044】(1) 本発明の加硫装置では、無端のゴムベ
ルト成形体を交換する際に加硫ドラムごと交換できるの
で、ゴムベルト成形体を2軸間に張り渡して取り付ける
従来の装置に比べてゴムベルト成形体の着脱作業が容易
である。
【0045】(2) 加硫ドラム上の未加硫のゴムベルト成
形体を加圧するための加圧バンドを相対向させて設けた
ので、加硫ドラムに対する偏荷重がなく、その支持用軸
径を小さくできて、容易に小型化が図れる。
【0046】(3) ゴムベルト成形体を加硫ドラムの外周
面に装着するようにしたので、小サイズのゴムベルト成
形体の加硫が可能になる。
【0047】(4) 加硫ドラム上のゴムベルト成形体は、
その内部から全体に均一に加熱するとともに、ゴムベル
ト成形体の大部分が加圧バンドで取り巻いて加圧するよ
うにしたので、ゴムベルト成形体の加硫が均等に且つ効
率よく行われ、品質の高いゴムベルトが得られる。
【0048】(5) 請求項2に記載の加硫装置は、加硫ド
ラム上のゴムベルト成形体を、加圧バンドと共に加圧ロ
ールでも加圧できるので、歯付きゴムベルトを製造する
場合に歯を確実に形成できる。
【0049】(6) 本発明の加硫方法は、加硫作業の自動
化が図れるので、作業者の負担を軽減でき、また作業人
数を大幅に減らすことができる。
【0050】(7) 加硫工程を複数に分割したので、1工
程当たりの加硫時間が従来の方法に比べて大幅に短縮さ
れる。したがって、加硫前の成形工程や加硫後の冷却工
程の作業時間に、分割した1工程の作業時間を合わせる
ことが可能になり、前後の工程を含めて加硫作業を連続
的に行える。このため、ゴムベルトの生産効率が向上
し、コストダウンが容易に達成できる。
【0051】(8) 第1加硫工程および第2加硫工程前半
での温度設定により、ゴムベルト成形体中のゴムの流動
性が向上して、型付けに最適な状態になり、また第2加
硫工程後半以降の温度設定により、ゴムベルト成形体中
の各構成部材の一体化および架橋に好適な状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる加硫装置の概要を示す
斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図で、加硫作業の状態を示
す。
【図3】図1のII−II線断面図で、加硫作業前の状態を
示す。
【図4】図3の加硫装置を方向をかえて見た断面図であ
る。
【図5】図5(a)および(b)はそれぞれ図1の加硫装置
の各ロールの移動状態を示す平面図である。
【図6】本発明の加硫方法の実施例に関するもので、図
6(a)は分割した各加硫工程の温度条件と機能を示す図
面、図6(b)〜(d)はそれぞれ加硫設備を示す平面図で
ある。
【図7】オーブンタイプの加熱室からなる加硫装置を示
す斜視図である。
【図8】ゴムロールを備えた加硫装置を示す斜視図であ
る。
【図9】従来の2軸式加硫装置の概要を示す平面図であ
る。
【図10】従来の一般的な加硫釜を用いた加硫方法を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 装置本体 2 加硫ドラム 3 ガイドロール 4 加圧ロール 5 テンションロール 7・9 油圧シリンダ 10 駆動モータ 11 加圧バンド 13 チャック台(搬送台) A ゴムベルト成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 35/00 - 35/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送機構上に着脱自在且つ回転自在に支
    持され、未加硫のゴムベルト素材を巻き付けて成形する
    ための円筒状の加硫ドラムと、 前記加硫ドラムを中心に対向して配設され、その周面の
    相対向する部位を円弧状に取り巻いて押圧可能な一対の
    無端の加圧バンドとを備え、 前記加硫ドラムの周面を内部から加熱するとともに、加
    硫ドラムに対し各加圧バンドを相対向して押圧した状態
    で、各加圧バンドをそれぞれ同期させて所定方向に回転
    させることにより、前記加硫ドラムを回転して未加硫の
    ゴムベルト成形体を連続的に加硫することを特徴とする
    無端ゴムベルトの加硫装置。
  2. 【請求項2】 前記加硫ドラムの周面を押圧する各加圧
    バンド上に、加圧ロールをそれぞれ相対向して進退可能
    に設けた請求項1記載の無端ゴムベルトの加硫装置。
  3. 【請求項3】 円筒状の加硫ドラムの外周面に、未加硫
    のゴムシート、コード、帆布などのからなるゴムベルト
    素材を巻き付けて成形した後、そのゴムベルト成形体を
    加硫する方法において、 加硫工程を複数に分割し、この分割した各加硫工程に前
    記加硫ドラムを順次移動させて一定時間ずつ保持すると
    もに、 第1の加硫工程で、加硫ドラム上のゴムベルト成形体に
    対し、一対の対向するゴムロール又は円弧状に取り巻き
    可能な一対の対向する無端の加圧バンドを押し付けて回
    転することにより加硫ドラムを回転させ、同時に加硫ド
    ラムの内部を加熱し、 第2〜最終前の各加硫工程で、加硫ドラム上のゴムベル
    ト成形体に対し円弧状に取り巻き可能な一対の無端の加
    圧バンドを押し付けて回転することにより加硫ドラムを
    回転させ、同時に加硫ドラムの内部を加熱し、 最終工程で、加硫ドラムを加熱室内に搬入して周囲から
    加熱することを特徴とする無端ゴムベルトの加硫方法。
  4. 【請求項4】 前記第1加硫工程および第2加硫工程前
    半までの加熱温度を100〜130℃にし、前記第2加硫工程
    後半以降の加熱温度を150〜180℃にした請求項3記載の
    無端ゴムベルトの加硫方法。
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