JP4813835B2 - ゴムクローラ製造装置 - Google Patents
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Description
上述のゴムクローラにおいては、クローラに極めて大きな応力が作用するので、その応力に耐えうるようゴムクローラの内部にスチールコードなどの芯線が内蔵されている。
しかしながら、上述のゴムクローラの製造方法では、その成形・加硫工程が、長尺物の成形と加硫、および、無端形状への形成と加硫の2つに分かれていたため、成形・加硫工程が複雑になっていた。
そこで、近年においては、成形・加硫工程を簡略化するため、内型上に初めから無端形状のクローラを成形し、内型上でクローラを保持した状態で加硫する製造方法が提案されている(例えば、特許文献3および4参照。)。
本発明のゴムクローラ製造装置は、回転軸線回りに回転駆動され、周囲にゴムクローラが成形される複数の内型と、前記内型の周囲に前記ゴムクローラを成形する成形部と、前記ゴムクローラの外部を覆うとともに前記ゴムクローラに加硫を行う加硫部と、を有し、前記複数の内型が、前記加硫部の周囲に配置されるとともに、前記加硫部が、前記内型に対して離間接近可能に構成され、前記加硫部が、前記複数の内型に成形された前記ゴムクローラのいずれにも加硫を行えるゴムクローラ製造装置であって、前記内型を2つ有するとともに、これら内型は、前記回転軸線が略同一の直線上に乗るように配置され、前記加硫部が、前記2つの内型の間であって前記回転軸線上に並ぶように配置されていることを特徴とする。
複数の内型の間に加硫部が配置されているため、複数の内型に成形されたゴムクローラのいずれを加硫する場合でも、加硫部の移動距離を少なくすることができ、ゴムクローラの製造に要する時間を短縮できる。
加硫部は2つの内型の間であって回転軸線上に配置されているため、加硫部は回転軸線上を一方および他方へ移動することで、一方の内型および他方の内型へ移動することができる。つまり、容易に、加硫部は2の内型に成形されたゴムクローラのいずれにも加硫を行うことができる。
複数の内型が成形部と加硫部との間に配置されているため、複数の内型のいずれかにゴムクローラの成形または成形されたゴムクローラの加硫を行う場合に、内型の移動距離を少なくすることができる。そのため、内型の移動時間を減らすことができ、ゴムクローラ製造装置における製造効率の向上を図ることができる。
内型の回転軸線方向を方向変更部により制御できるため、ゴムクローラの加硫終了後における回転軸線方向を所定方向に制御できる。そのため、加硫終了後のゴムクローラの取り出し位置を常に一定に保つことができる。
成形部と加硫部とがそれぞれ同時に成形および加硫を行うことができるため、ゴムクローラの製造に要する時間を短縮でき、製造効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、内型がターンテーブルに配置されているため、その回転軸線方向が成形部や加硫部の方向へ容易に変更することができる。
複数の内型の回転軸線方向がそれぞれ異なる向きに配置されているため、一の内型の回転軸線を成形部の方向へ、他の内型の回転軸線を加硫部の方向へ向けることができる。
以下、本発明の第1の実施形態に係るゴムクローラ製造装置について図1から図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るゴムクローラ製造装置の概略構成を説明する図である。
ゴムクローラ製造装置1は、図1に示すように、周囲にゴムクローラが成形される内型3A,3Bをそれぞれ有する2つの内型装置5A,5Bと、内型3A,3Bの周囲にゴムクローラをそれぞれ成形する2つの成形部7A,7Bと、ゴムクローラに加硫を行う1つの外型装置(加硫部)9と、加硫されたゴムクローラを取り出す1つの取出し部11とから概略構成されている。
2つの内型装置5A,5Bは、その回転軸15A,15Bの軸線が略同一直線上に乗るように配置されるとともに、互いに内型3A,3Bが向き合うように配置されている。
内型3A,3Bは、図2に示すように、略円環形状を構成する複数の大モールド17および小モールド19から構成されている。小モールド19は、内型3A,3Bの略円環形状が構成された状態から半径方向内側へ移動可能に構成されている。さらに、小モールド19は半径方向内側へ移動した後に、図3に示すように、回転軸15A,15Bの軸線方向へ移動可能に構成されている。一方、大モールド17も、半径方向へ移動可能に構成されている。
なお、大モールド17および小モールド19の移動については、変位用シリンダなどの公知の駆動機構を用いることができ、特に限定するものではない。
外型装置9は、2つの内型装置5A,5Bの間であって、その回転軸線上に並ぶように配置されている。外型装置9は、上記回転軸線に沿って一方の内型装置5Aおよび他方の内型装置5Bへ移動可能に配置されている。
外型装置9には、ゴムクローラを内型3Aまたは内型3Bとの間に挟んで押圧する外型21が設けられている。外型21は、図4に示すように、円環形状を構成する複数のモールド23から構成されている。モールド23は、円環形状が構成された状態から半径方向外側へ移動可能に構成されている。
取出し部11には、加硫されたゴムクローラをつかむ爪部25が一方向に向かって取り付けられている。爪部25が一方向に向かって取り付けられているため、取出し部11は、爪部25が一方の内型3Aおよび他方の内型3Bの方向に向くように回転可能に構成されている。
まず、一方の内型3Aが駆動部13Aにより回転制御されるとともに、成形部7Aからゴム層やエンドレスな芯線が供給され、ゴムクローラが成形される。
外型装置9の移動終了後に、モールド23は半径方向内側へ移動して、略円環形状の外型21を形成するとともに、内型3との間にゴムクローラを挟み込んで加圧する。そして、通常の加硫機における加硫工程と同様に、内型3および外型21に設けられた加熱蒸気供給路(図示せず)に加熱蒸気を流してゴムクローラを加熱して加硫を行う。
この際に、内型3Bにおけるゴムクローラの成形が終了している場合には、外型装置9は内型3Bまで移動して、上述と同様の加硫を行う。一方、内型3Bにおけるゴムクローラの成形が終了していない場合には、一度、外型装置9は、内型3Aおよび内型3Bの中間領域で待機し、内型3Bにおけるゴムクローラの成形が終了した後に内型3Bまで移動する。
そして、内型3Aの小モールド19が半径方向内側へ移動するとともに、回転軸15の軸線方向へ移動する。また、大モールド17も半径方向内側へ移動する。
ほぼ同時に、取出し部11の爪部25がゴムクローラの内側に差し込まれ、ゴムクローラを内側から支持する。取出し部11はゴムクローラを支持した後、内型3Aからゴムクローラと取り出す。
なお、この間に内型3Bにおいてはゴムクローラの加硫が同時進行で行われている。
次に、本発明の第2の実施形態について図5から図8を参照して説明する。
本実施形態のゴムクローラ製造装置の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、成形部や外型装置などの配置位置や内型装置の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図5から図8を用いて構成要素の配置や内型装置の構成のみを説明し、外型装置の詳細な構成等の説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るゴムクローラ製造装置の全体構成を説明する図である。
ターンテーブル111は、図5に示すように、その上に内型装置105A,105Bを載せる円板部113と、円板部113を回転または回動可能に支持する軸部115と、円板部113の回動または回転をガイドするガイド部117と、円板部113の回動または回転を制御する制御部119とから概略構成されている。
制御部119は、図6および図7に示すように、円板部113の側面に巻きつけられるベルト121と、ベルト121を介して円板部113の回転位相を制御する駆動部123とから概略構成されている。
ガイド部117は、円板部113下面の円周部に沿って設けられた円環状の凹部125と、凹部125内に回転可能に配置されたガイドローラ127と、から構成されている。ガイド部117は、凹部125とガイドローラ127により円板部113の回転または回動をガイドしている。
ターンテーブル111の制御部119は、内型装置105A,105Bの内型3A,3Bがそれぞれ成形、加硫される位置に配置されるように、ターンテーブル111の回転位相を制御する。
外型装置9は、加硫工程が行われる位置に静止した内型装置105A,105Bの回転軸15A,15Bの軸線に沿って移動できるように構成されている。
成形部107は、成形工程が行われる位置に静止した内型装置105A,105Bの内型3A,3Bの半径方向外側に配置されている。
取出し部11は、成形工程が行われる位置に静止した内型装置105A,105Bの回転軸15A,15Bの軸線方向上に配置され、上記軸線に沿って移動できるように配置されている。
まず、一方の内型3Aが駆動部13Aにより回転制御されるとともに、成形部107からゴム層やエンドレスな芯線が供給され、ゴムクローラが成形される。
ゴムクローラが成形されると、ターンテーブル111の制御部119がターンテーブル111を略180°回転駆動する。なお、この際、ゴムクローラと成形部107とが干渉しないように、あるいは、内型3Bと成形部107とが干渉しないように、成形部107が退避するように構成されていてもよい。
一方、内型3Aにおいて加硫が行なわれている間に、他方の内型3Bにおいてゴムクローラの成形が成形部107により行われる。なお、この内型3Bにおけるゴムクローラの成形は、内型3Aにおける成形と同様であるのでその説明を省略する。
その後、ターンテーブル111の制御部119は、再び、ターンテーブル111を略180°回転駆動する。なお、この際には、内型3Bにおけるゴムクローラの成形は終了している。
一方、内型3Aにおいてゴムクローラの取出しおよび新たなゴムクローラの成形が行われている間に、同時に、内型3Bにおける加硫が行われている。
2つの内型3A,3Bが成形部107と外型装置9との間に配置されているため、2つの内型3A,3Bのいずれかにゴムクローラの成形または成形されたゴムクローラの加硫を行う場合に、内型3A,3Bの移動距離を少なくすることができる。そのため、内型3A,3Bの移動時間を減らすことができ、ゴムクローラ製造装置101における製造効率の向上を図ることができる。
内型3A,3Bの回転軸線方向をターンテーブル111の回転により制御できるため、ゴムクローラの加硫終了後における回転軸線方向を所定方向に向けることができる。そのため、加硫終了後のゴムクローラの取り出し位置を常に一定に保つことができ、ゴムクローラの取り出しよう容易にすることができる。
なお、上述のように、ターンテーブル111上にそれぞれ駆動部13A,13Bを備える内型装置105A,105Bを配置してもよいし、図8に示すように、一つの駆動部163を配置し、駆動ベルト165を介して駆動部163の回転駆動力を回転軸15A,15Bに伝達してもよい。なお、各駆動ベルト165と駆動部163との間には、回転駆動力の伝達を制御するクラッチ(図示せず)が配置されている。
このような構成にすることで、内型装置105A,105Bの駆動部13A,13Bの一方を省略することができ、ゴムクローラ製造装置101の小型化を図ることができる。
3A,3B 内型
7A,7B,107 成形部
9 外型装置(加硫部)
111 ターンテーブル(方向変更手段)
Claims (3)
- 回転軸線回りに回転駆動され、周囲にゴムクローラが成形される複数の内型と、
前記内型の周囲に前記ゴムクローラを成形する成形部と、
前記ゴムクローラの外部を覆うとともに前記ゴムクローラに加硫を行う加硫部と、を有し、
前記複数の内型が、前記加硫部の周囲に配置されるとともに、前記加硫部が、前記内型に対して離間接近可能に構成され、
前記加硫部が、前記複数の内型に成形された前記ゴムクローラのいずれにも加硫を行えるゴムクローラ製造装置であって、
前記内型を2つ有するとともに、これら内型は、前記回転軸線が略同一の直線上に乗るように配置され、
前記加硫部が、前記2つの内型の間であって前記回転軸線上に並ぶように配置されていることを特徴とするゴムクローラ製造装置。 - 回転軸線回りに回転駆動され、周囲にゴムクローラが成形される複数の内型と、
前記内型の周囲に前記ゴムクローラを成形する成形部と、
前記ゴムクローラの外部を覆うとともに前記ゴムクローラに加硫を行う加硫部と、を有し、
前記成形部および前記加硫部が、前記複数の内型の周囲に配置され、
前記複数の内型をその上に乗せて回転または回動する方向変換部が設けられているゴムクローラ製造装置であって、
前記内型を2つ有するとともに、これら内型は、前記回転軸線方向が略平行となりかつ前記方向変換部の回転中心または回動中心を挟んで反対側に配置され、
前記成形部と前記加硫部とが、それぞれ一方の内型および他方の内型に対して同時に成形および加硫が行える位置に配置され、
前記方向変換部が、前記回転中心または前記回動中心まわりに略180°回転させることができることを特徴とするゴムクローラ製造装置。 - 前記方向変換部がターンテーブルであって、
前記複数の内型が、これら内型の前記回転軸線が略同一の直線上に乗らないように配置されていることを特徴とする請求項2記載のゴムクローラ製造装置。
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