JPH08132251A - 亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステム - Google Patents

亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステム

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JPH08132251A
JPH08132251A JP27344694A JP27344694A JPH08132251A JP H08132251 A JPH08132251 A JP H08132251A JP 27344694 A JP27344694 A JP 27344694A JP 27344694 A JP27344694 A JP 27344694A JP H08132251 A JPH08132251 A JP H08132251A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大量生産方式下において、溶接性を改善し、高
い生産性を維持するとともに、工程内品質保証を確実に
し、適応制御による長期間無人化運転を可能とし、併せ
て接合部にシール又は接着の機能を付与する。 【構成】接合面間に接着機能を付与した抵抗増大物質を
配置し、鋼板を一対の溶接電極で加圧する。そして、溶
接電極間に溶接電流を通電する。このとき、通電時間内
における溶接電極間の電気特性を検出し、検出された電
気特性から電極間抵抗値と抵抗値変化特性とを算出す
る。算出された抵抗低変化特性から工程内品質保証を確
実にするとともに、一対の溶接電極による連続打点中、
電極間抵抗値等から充分なナゲットが得られなくなるま
での打点数又は期間を推定し、推定値が予め定めた基準
に達したとき、適応制御を促し、自動的に以後の溶接条
件を変更して安定した打点を続行させる。引き続く塗装
工程で加熱された抵抗増大物質は膨脹し、又は接着力を
増大する。各工程を結ぶ生産ライン全体は、ホストコン
ピュータで一括統合管理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家電品等の分
野において、成形された少なくとも2枚の鋼板からなる
各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を介してスポット溶
接することにより、これらの部材を構造物として組付け
る亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステムに
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電品等の分野における亜鉛め
っき鋼板の使用は益々増加しつつあるが、この亜鉛めっ
き鋼板のスポット溶接については、当初からスポット溶
接機の溶接電極の劣化という問題が指摘されてきた。亜
鉛めっき鋼板のスポット溶接では、裸(非めっき)鋼板
のスポット溶接に比べて、高い溶接電流値と長い溶接時
間(通電時間)とを必要とし、溶接電極の劣化、すなわ
ち溶接電極の変形や亜鉛との合金化を促進してしまう。
溶接電極が劣化すると、溶接結果が不安定となり、つい
にはナゲットが得られなくなる。したがって、頻繁に新
しい溶接電極と交換する必要を生じ、生産ラインの稼働
率の低下を招来する。
【0003】ここで、溶接電極の早期劣化については、
各接合面間の電気抵抗値が小さいことが主原因として考
えられる。この点に注目し、出願人らは、接合しようと
する亜鉛めっき鋼板の各接合面間に抵抗増大物質を配置
し、もって各接合面間の電気抵抗値を高めてスポット溶
接する試みを最近提案した(特開昭64−62284号
公報、特開昭64−62286号公報、特公平5−85
269号公報、UnitedState Patent,Patent Number:4,
922,075、United State Patent,Patent Number:5,075,5
31 )。これにより得られた結果は、亜鉛めっき鋼板の
溶接性を極めて向上させるものであった。すなわち、こ
の溶接法では、接合のための消費エネルギーが少ないこ
とから、電力費の低減、爆飛(スパッタ)や溶接歪の低
減及び圧痕が小さくてバリが発生しないという効果が得
られるとともに、各溶接電極の溶着が起こりにくく、ス
ポット溶接機の小型化を可能とする。
【0004】一方、亜鉛めっき鋼板のスポット溶接につ
いての今一つの問題点は、品質管理が難しい点である。
この点、現在用いられている溶接モニターとしては、溶
接電流、電極間電圧あるいは電極間抵抗の監視装置があ
る。また、溶接部の非破壊検査法としては、いくつかの
方法が提案され、さらにはタガネによる剥離検査が広く
実施されている。
【0005】さらに一方、近年、自動車等の組付けに関
し、接着と溶接とを併用したウェルドボンディング(we
ld-bonding)が注目されるようになり、徐々にその適用
範囲を広げている。従来のスポット溶接は点接合である
が、ウェルドボンディングは面接合となることから、接
合強度及び剛性が向上し、従って車体の軽量化に有効と
され、さらには振動・衝撃特性に優れ、騒音の低減、シ
ール性の確保等、利点が多いとされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、各接合面間に
抵抗増大物質を配置してスポット溶接する溶接法では、
実験室的又は打点数が比較的少ない場合はともかくとし
て、自動車等のように、多種の亜鉛めっき鋼板を使用
し、複雑な形状のものを短時間に多数打点する場合に
は、非能率的であり、生産性が低くなる懸念がある。
【0007】すなわち、この溶接法では、抵抗増大物質
を各接合面上の定位置に正確に配置し、抵抗増大物質の
真上を溶接電極で挟んで通電する必要がある一方、接合
面間にある抵抗増大物質を外から確認することができな
い。さらに、この溶接法では、抵抗増大物質の存在によ
り各接合面の接触状態を良好に確保しにくく、特に溶接
電極が劣化したとき等には通電が不安定化する傾向があ
る。これらはいずれも生産性の低下につながる虞れがあ
り、顕著な溶接性の改善にもかかわらず、この溶接法を
大量生産方式で実用化することが困難であった。
【0008】一方、品質管理の点では、スポット溶接は
自動車の車体等の組付け工程において、極めて多用さ
れ、スポット溶接の良否が車体等の品質を決定するとさ
え言われている。例えば、自動車の車体は、600〜8
00点の部品で構成されるが、これらの部品のほとんど
がスポット溶接によって組み立てられ、打点数は1台当
たり3000〜5000点の多きに達する。そして、製
造工程では、種々の要因により、溶接不良の発生は避け
られないのが現状である。亜鉛めっき鋼板の溶接部の品
質に関しては、ナゲットの形状を始め、圧痕、チリ、割
れ、ピット等が規定されているが、実用上はナゲット径
の確保が最も重要とされる。ナゲット径の不足は、溶接
電極及びケーブルの劣化、溶接電源の変動等による電流
値の低下、各接合面間の合い不良等に起因する。溶接電
源の変動は、複数のスポット溶接機の同時通電、他工場
の電力使用状況、昼夜の違い等に起因する。そして、亜
鉛めっき鋼板ではスポット溶接の適正電流値の範囲が狭
く、僅かな電流値の変化によっても簡単にナゲットが得
られなくなる。ここに、亜鉛めっき鋼板のスポット溶接
において特に品質管理が重視される理由がある。
【0009】この点、上記従来の溶接条件の監視装置で
は、裸鋼板の場合と異なり、亜鉛めっき鋼板については
信頼性に乏しく、結果として誤った判定に導き、あるい
は単に不都合の発生を知らせ、溶接ラインを停止するに
止まる場合も多い。このため、今日の課題である”無人
運転でどれだけ長い時間連続して生産ラインを稼動させ
得るか”という点では甚だ不十分である。また、上記タ
ガネによる剥離検査法は、抜き取り検査が原則であり、
不良が発見されると、それ以前の全製品に対して遡って
検査し、手直しするという処置が取られ、検査に要する
労務費、製品廃却費等は膨大な額にのぼっている。
【0010】かかる状況下、品質は工程内で保証される
のが理想であり、全溶接部を打点と同時にチェックでき
るモニタの開発が待望されている。さらに一方、従来の
ウェルドボンディングにおいても、溶接は通常の場合と
ほぼ同様の溶接条件の下に行われるため、前述した亜鉛
めっき鋼板のスポット溶接で現れる諸問題、すなわち溶
接電極の劣化等に起因する不都合がそのまま依然として
残されている。
【0011】本発明の第1の課題は、抵抗増大物質を用
いて行う亜鉛めっき鋼板のスポット溶接の非能率的な点
を改善し、大量生産方式下において、優れた溶接性と高
い生産性とを維持することにある。本発明の第2の課題
は、従来技術にみられる溶接部の品質管理上の困難性を
解決し、大量生産方式下において、全溶接部を打点と同
時にチェックして工程内品質保証を行うとともに、更に
溶接品質についての不具合の発生を事前に察知すること
により、事前にその解消をはかることにある。
【0012】本発明の第3の課題は、第1、2の課題の
解決に併せて、大量生産方式下において、溶接部にシー
ル又は接着機能を付与し、シール性の確保、剛性の向上
等、付加価値の高い溶接部をコストアップを伴うことな
く形成することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】 (1)請求項1の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組
付けシステムは、成形された少なくとも2枚の鋼板から
なる各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を介してスポッ
ト溶接することにより、これらの部材を構造物として組
付ける亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステ
ムであって、治具に上記部材の一方を固定する固定工程
と、固定された該部材の上記接合面上の定位置に抵抗増
大物質を配置する配置工程と、配置された抵抗増大物質
を挟み、該部材の該接合面とこれに組付けられる他方の
上記部材の上記接合面とを重ね合わせる重合工程と、ス
ポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結ぶ線を該接合
面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位置させ、該各
溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧力で加圧する
加圧工程と、該溶接電極間に溶接電流を所定の通電時間
及び設定電流値の下、通電する通電工程と、該溶接電流
の該通電時間内における該溶接電極間の電気特性を検出
する検出工程と、検出された該電気特性から電極間抵抗
値を算出するとともに、該電極間抵抗値から抵抗値変化
特性を算出する算出工程と、予め設定した基準と該抵抗
値変化特性とを比較し、ナゲットの成否を判定する第1
判定工程と、該第1判定工程の否なる判定により、自動
的に溶接条件を変更してナゲットの形成を補完する第1
補完工程と、該第1補完工程後に、予め設定した基準と
再度算出された抵抗値変化特性とを比較し、該ナゲット
の成否を再度判定する第2判定工程と、該第2判定工程
の否なる判定を記録する判定結果記録工程と、同一の該
溶接電極による連続打点中、該電気特性、該電極間抵抗
値及び該抵抗値変化特性の少なくとも一種を連続的に記
録する連続記録工程と、該連続記録工程の記録により充
分なナゲットが得られなくなるまでの打点数又は期間を
推定する推定工程と、該推定工程の推定値が予め設定し
た基準に達したとき、自動的に以後の該溶接条件を変更
する適応制御工程と、該判定結果記録工程の記録により
又は一連の該工程中の不測の事態により所定のナゲット
が形成されなかった場合、別に設けたバックアップシス
テムの作動を促し、該ナゲットの形成を達成する第2補
完工程と、該各工程間の該部材を搬送する搬送工程と、
を有し、該各工程を結ぶ生産ライン全体をホストコンピ
ュータで一括統合管理することを特徴とする。
【0014】(2)請求項2の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、成形された少なくとも2
枚の鋼板からなる各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を
介してスポット溶接することにより、これらの部材を構
造物として組付ける亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動
組付けシステムであって、治具に上記部材の一方を固定
する固定工程と、固定された該部材の上記接合面上の定
位置に抵抗増大物質を配置する配置工程と、配置された
抵抗増大物質を挟み、該部材の該接合面とこれに組付け
られる他方の上記部材の上記接合面とを重ね合わせる重
合工程と、スポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結
ぶ線を該接合面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位
置させ、該各溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧
力で加圧する加圧工程と、該溶接電極間に溶接電流を所
定の通電時間及び設定電流値の下、通電する通電工程
と、該溶接電流の該通電時間内における該溶接電極間の
電気特性を検出する検出工程と、検出された該電気特性
から電極間抵抗値を算出するとともに、該電極間抵抗値
から抵抗値変化特性を算出する算出工程と、予め設定し
た基準と該抵抗値変化特性とを比較し、ナゲットの成否
を判定する第1判定工程と、該第1判定工程の否なる判
定により、自動的に溶接条件を変更してナゲットの形成
を補完する第1補完工程と、該第1補完工程後に、予め
設定した基準と再度算出された抵抗値変化特性とを比較
し、該ナゲットの成否を再度判定する第2判定工程と、
該第2判定工程の否なる判定を記録する判定結果記録工
程と、を有することを特徴とする。
【0015】(3)請求項3の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、成形された少なくとも2
枚の鋼板からなる各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を
介してスポット溶接することにより、これらの部材を構
造物として組付ける亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動
組付けシステムであって、治具に上記部材の一方を固定
する固定工程と、固定された該部材の上記接合面上の定
位置に抵抗増大物質を配置する配置工程と、配置された
抵抗増大物質を挟み、該部材の該接合面とこれに組付け
られる他方の上記部材の上記接合面とを重ね合わせる重
合工程と、スポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結
ぶ線を該接合面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位
置させ、該各溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧
力で加圧する加圧工程と、該溶接電極間に溶接電流を所
定の通電時間及び設定電流値の下、通電する通電工程
と、該溶接電流の該通電時間内における該溶接電極間の
電気特性を検出する検出工程と、検出された該電気特性
から電極間抵抗値を算出するとともに、該電極間抵抗値
から抵抗値変化特性を算出する算出工程と、予め設定し
た基準と該抵抗値変化特性とを比較し、ナゲットの成否
を判定する第1判定工程と、該第1判定工程の否なる判
定により、自動的に溶接条件を変更してナゲットの形成
を補完する第1補完工程と、該第1補完工程後に、予め
設定した基準と再度算出された抵抗値変化特性とを比較
し、該ナゲットの成否を再度判定する第2判定工程と、
該第2判定工程の否なる判定を記録する判定結果記録工
程と、同一の該溶接電極による連続打点中、該電気特
性、該電極間抵抗値及び該抵抗値変化特性の少なくとも
一種を連続的に記録する連続記録工程と、該連続記録工
程の記録により充分なナゲットが得られなくなるまでの
打点数又は期間を推定する推定工程と、該推定工程の推
定値が予め設定した基準に達したとき、自動的に以後の
該溶接条件を変更する適応制御工程と、を有することを
特徴とする。
【0016】(4)請求項4の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、請求項1、2又は3記載
のシステムにおいて、第1補完工程における溶接条件の
変更は、溶接電流の通電時間の延長であることを特徴と
する。 (5)請求項5の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組
付けシステムは、請求項2又は3記載のシステムにおい
て、判定結果記録工程の記録により又は一連の工程中の
不測の事態により所定のナゲットが形成されなかった場
合、別に設けたバックアップシステムの作動を促し、該
ナゲットの形成を達成する第2補完工程を有することを
特徴とする。
【0017】(6)請求項6の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、請求項1又は3記載のシ
ステムにおいて、推定工程は、連続打点中、予め設定し
た基準と抵抗値変化特性とを比較することにより、充分
なナゲットが得られなくなるまでの打点数又は期間を推
定し、適応制御工程における溶接条件の変更は、溶接電
極の自動研磨であることを特徴とする。
【0018】(7)請求項7の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、請求項1又は3記載のシ
ステムにおいて、推定工程は、連続打点中、予め設定し
た基準と不規則通電の頻度とを比較することにより、充
分なナゲットが得られなくなるまでの打点数又は期間を
推定し、適応制御工程における溶接条件の変更は、加圧
力の増大であることを特徴とする。
【0019】(8)請求項8の亜鉛めっき鋼板のスポッ
ト溶接自動組付けシステムは、請求項1又は3記載のシ
ステムにおいて、適応制御工程における溶接条件の変更
は、溶接電流の通電時間の延長であることを特徴とす
る。 (9)請求項9の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組
付けシステムは、請求項1又は3記載のシステムにおい
て、適応制御工程における溶接条件の変更は、設定電流
値の増大であることを特徴とする。
【0020】(10)請求項10の亜鉛めっき鋼板のス
ポット溶接自動組付けシステムは、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8又は9記載のシステムにおいて、抵
抗増大物質は、重合工程において、接合すべき鋼板の接
合面間に間隙を確保するスペーサを有するものであるこ
とを特徴とする。 (11)請求項11の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自
動組付けシステムは、請求項10記載のシステムにおい
て、抵抗増大物質は、加圧工程において、各接合面が部
分的に接触すべく、該各接合面間に間隙の一部をスペー
サの周辺に残留させるものであることを特徴とする。
【0021】(12)請求項12の亜鉛めっき鋼板のス
ポット溶接自動組付けシステムは、請求項10記載のシ
ステムにおいて、抵抗増大物質は、加圧工程において、
各接合面が部分的に接触すべく、該各接合面間に間隙の
一部をスペーサの周辺に残留させ、該残留間隙は、通電
時において、溶融又は蒸発した亜鉛が溶接部から外部に
逃出可能な大きさであることを特徴とする。
【0022】(13)請求項13の亜鉛めっき鋼板のス
ポット溶接自動組付けシステムは、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のシ
ステムにおいて、抵抗増大物質は、難導電性粒体群と粘
稠物との混合物であり、該難導電性粒体群はスペーサと
しての機能を有し、該粘稠物は、構造物の塗装乾燥時に
おける加熱等により、発泡し又は接着力が増大するもの
であることを特徴とする。
【0023】(14)請求項14の亜鉛めっき鋼板のス
ポット溶接自動組付けシステムは、請求項1、2、3、
4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載のシ
ステムにおいて、抵抗増大物質は、両面接着穴明きテー
プであることを特徴とする。この研究では、まず本シス
テムに適した抵抗増大物質の開発を試みた。抵抗増大物
質を各接合面間に配置して行うスポット溶接法は、その
優れた溶接法にもかかわらず、実用化、特に大量生産方
式下での実用化が進んでいない。その主な理由は、抵抗
増大物質を工業的に能率よく各接合面間に配置すること
が困難視されて来たことによる。したがって、本研究で
は、各接合面間への配置が容易な抵抗増大物質の開発を
考えた。具体的には、粘稠物にスペーサ、例えばアルミ
ナ粉末を混入し、これを自動塗布機を用いて接合面上の
定位置に必要量を適時に送給し、配置するというもので
ある。また、両面接着穴明きテープも用いることができ
よう。
【0024】一方、本システムで用いる抵抗増大物質
は、第2の課題すなわち工程内品質保証と適応制御によ
る連続自動運転とを達成するため、溶接性に優れ、この
ため長時間にわたる安定した打点が可能であり、かつ抵
抗増大の効果が大きくなくてはならない。抵抗増大の効
果が大きいことがナゲットの形成に伴う電極間抵抗値の
低下量を大きくし、したがってナゲットの成否を正確に
判断できると考えられる。
【0025】さらに、本システムで用いる抵抗増大物質
は、第3の課題である溶接部に接着効果を付与するた
め、第1、2の課題を満足する適切な接着剤を選定する
のは勿論のこと、抵抗増大物質の混入によって接着力又
はシール機能の低下等が起こらないものでなくてはなら
ない。これらの諸点を考慮しながら、本システムとして
好適な抵抗増大物質を求めて、実験的に研究・開発を進
めた。
【0026】本研究において、さらに加えて特筆すべき
は、本システムに組み込まれる検出工程、算出工程、ナ
ゲットの成否を判定する工程、連続記録工程、推定工程
及び適応制御工程からなる適応制御システムである。こ
の適応制御システムでは、大量生産方式下での連続打点
中に起きる溶接電極間の電気特性の変化に注目する。電
気特性の変化としては、例えば電気抵抗値、つまり電極
間抵抗値の変化が考えられる。
【0027】すなわち、検出工程において、溶接電流の
通電時間内における溶接電極間の電気特性を検出する。
そして、算出工程において、検出された電気特性から電
極間抵抗値を算出するとともに、電極間抵抗値から抵抗
値変化特性を算出し、この算出結果から、第1、2判定
工程において工程内品質保証を確実にする。また、連続
記録工程において、電気特性、電極間抵抗値及び抵抗値
変化特性の少なくとも一種の変化を連続打点中、詳細に
記録する。推定工程では、記録されたデータを分析し
て、その結果から溶接電極の劣化に伴ってナゲットの不
形成が始まることを予め察知する。そして、適応制御工
程により溶接条件を変更する。適応制御工程における溶
接条件の変更は、溶接電極の研磨、加圧力の増大、通電
時間の延長又は/及び設定電流値の増大が挙げられる。
これらの制御を自動的に行うことにより、連続打点によ
る高い生産性の維持と健全なナゲットの確保とを可能と
する。
【0028】ここで、電極間抵抗値は、溶接電極と接合
すべき母材間の接触抵抗、各母材の各接合面間の板間抵
抗及び各母材の固有抵抗によって構成され、生産ライン
で溶接中に計測可能な量であるが、ナゲットの形成に関
しては、亜鉛めっき鋼板の場合、何の情報も与えないと
いうのが従来の定説となっていた。すなわち、ナゲット
の形成に伴って板間抵抗は消滅するのであるが、通常の
溶接法では通電時間が長い(厚さ0.8mmの亜鉛めっ
き鋼板2枚合わせの場合は約10サイクルの通電時間を
必要とする)ため、この間に母材の温度上昇があり、こ
れに伴って母材の固有抵抗が増大し、両者が合算されて
現れる電極間抵抗値の変化は必ずしもナゲットの成否を
忠実には示さない。
【0029】一方、各接合面間に抵抗増大物質を塗布し
て行う本システムでは、板間抵抗値そのものが高く、ま
た通電時間が短い(約3サイクル)ため、この間の母材
の温度上昇も少ない。したがって、本システムでは、ナ
ゲットの形成に伴う板間抵抗値の消滅をより効果的に検
出できる可能性がある。これが可能となれば、板間抵抗
値の変化を詳細に検討することができ、これによってナ
ゲットの成否だけでなく、連続打点中の溶接電極の劣化
に伴うナゲットの不形成を予知できることとなり、今日
の要望に沿う適応制御の開発が可能となる。
【0030】ところで、亜鉛めっき鋼板の電極間抵抗値
の変化については、影響する因子が多い。すなわち、亜
鉛めっき鋼板では、溶接電流の通電が始まると、溶接電
極と亜鉛めっき鋼板との間又は亜鉛めっき鋼板の各接合
面間にある亜鉛が、その融点が低いので、まず溶融す
る。接合面についてみれば、溶融した亜鉛は気化・膨張
してナゲットの形成される領域から外部に排除される。
次いで、接合面の温度が他に優先して高くなり、溶融、
混合し、ナゲットが形成される。ナゲットが形成される
と、板間抵抗値は消滅する。
【0031】溶接電極と亜鉛めっき鋼板との間では、亜
鉛の一部が溶融し、銅ないしは銅合金からなる溶接電極
の材料との合金化が起こり、溶接電極が徐々に劣化す
る。一方、亜鉛めっき鋼板では、その固有抵抗のため、
通電時間内には引き続き昇温する。これらの現象は溶接
条件によって進行の度合いがそれぞれ異なるわけであ
り、それに伴って電極間抵抗値も複雑に変化する。溶接
電流の通電時間内において、電極間抵抗値の変化特性に
関与すると見られる具体的な要因としては次のことが考
えられる。
【0032】1.溶接電極の劣化 例えば、溶接電極が劣化すれば、溶接電極と亜鉛めっき
鋼板との合いが悪くなり、溶接電極と母材との間の抵抗
値が変わり、ひいては発熱状況が変化し、それによって
亜鉛の溶融・気化の状況も変わってくる。亜鉛が溶融す
ると、抵抗値は大幅に低下する。これらは相互に影響し
合って電極間抵抗値の変化を複雑にする。
【0033】一方、接合面間では、溶接電極の劣化によ
って、溶接電流の電流密度が低下し、接合面の昇温が遅
れる。 2.接合しようとする亜鉛めっき鋼板の状況 プレス加工品が多いワーク(生産ラインを流れている部
材)では、各接合面の合わせの問題がある。合わせが十
分でないと、接触面積が小さくなる。このため、板間抵
抗値が高く、溶接電流の不通電・不規則通電の原因とな
る。また、溶接電流が局部的に流れるため、ナゲット径
が不十分となったり、爆飛も起こりやすい。
【0034】3.母材又はめっき層の材質と厚さ 母材又はめっき層が厚ければ、昇温が遅れ、電極間抵抗
値が異なって現れる。 4.亜鉛めっき鋼板の重ね枚数 3枚以上の亜鉛めっき鋼板を重ね打ちする場合は、2つ
以上の接合面でそれぞれ時間的に異なってナゲットが形
成され、電極間抵抗値も変化する。
【0035】5.溶接電流 溶接電流の設定電流値が低い場合と高い場合とでは、通
電中の電極間抵抗値も異なって現れる。 以上のように、亜鉛めっき鋼板の電極間抵抗値の変化に
ついては、影響する因子が多い。このため、多様な部材
からなる工業製品の製造、特に大量生産方式による製造
にあたっては、個々のケースについて、ナゲット径と電
極間抵抗値の変化をより的確に関連付ける必要がある。 (実験例)本システムの研究にあたっては、まず本シス
テムに好適な抵抗増大物質を開発し、次いで一例として
自動車車体の組立ラインへの適用を考え、予め実際の生
産ラインを流れている組付けようとするパネルと同じ板
合わせの短冊形試験片についての定置式溶接機による溶
接試験を行い、次いでワークを用いてガントラ付ロボッ
トによる溶接試験を行うことにより、板合わせの異なる
個々のケースについて、電極間抵抗値の変化とナゲット
の成否との関係を明らかにした。
【0036】〔溶接条件の選定〕スポット溶接における
溶接条件は、通電時間、溶接電流値、加圧力がある。抵
抗増大物質を用いて行う溶接法の特長を生かすためには
通電時間はなるべく短いことが望ましい。本実験では特
にことわりのない限り3サイクル(60Hz)の通電時
間をもって原則とした。
【0037】溶接電流値は3サイクルの通電時間で十分
なナゲットの得られる値を個々の部材の組合せについて
求め、これをもって基準とした。本システムによる溶接
は各接合面間に抵抗増大物質を配した後、加圧して、母
材の一部接触を確保して行われるが、ともすれば抵抗増
大物質の存在により、十分な母材の接触が得られず、そ
のため不規則通電さらには不通電を起こすことがある。
このことは歪みを持つワークの接合面において特に厄介
な問題となる。
【0038】加圧力を増せばこの問題は解消する方向に
あるが、加圧力が大きくなると電極間抵抗値が小さくな
り、十分なナゲットを形成するためには大電流を必要と
し、溶接電極の劣化を早める。図1は、一例として自動
車ボデーを構成する板合わせのうち、ダッシュパネル
(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.65mm、目付
量:45/45(両面とも1m2 当たり45gのめっき
付着量。以下同様。))とカウルインナパネル(合金化
溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.55mm、目付量:45
/45)とカウルアウタパネル(合金化溶融亜鉛めっき
鋼板、t:0.6mm、目付量:45/45)との3枚
からなる板合わせについて、ワークを用いて加圧力と各
母材間の接触面積との関係、及び加圧力と電極間抵抗値
との関係を示した。用いた抵抗増大物質は、本研究で開
発した構造用接着剤に平均粒径100μmのアルミナ粉
末を15重量%(以下、wt.%)混入したものであ
る。
【0039】スポット溶接機としてはガントラ付ロボッ
トを使用し、1kA(交流)の電流を1サイクル通電し
て電極間抵抗値を測定した。図1にみられるように、加
圧力が低くなると、接触面積が小さくなり、不規則通電
が発生する。この板合わせの場合、一定水準の母材間の
接触面積を確保し、したがって安定した通電を保証する
一方、加圧力は過大とならないよう240kgf〔23
52N〕を原則として採用した。
【0040】ここでいう不規則通電とは1サイクル目の
電極間抵抗値が異常に高くあらわれる場合であり、不規
則通電か正常通電か否かの判定方法としては、1サイク
ル目の電極間抵抗値が一定レベルを越える場合として定
めることができる。また、不規則通電の場合、通電開始
直後の測定電流値が正常の場合より小さく、その後、こ
の反動として著しく高い電流が流れるという機能をもっ
た溶接電流制御装置が一般に用いられている。この種の
制御装置を用いる場合は、通電中の各サイクルの測定電
流値の最大値又は最小値によって不規則通電か否かの判
別をすることもできる。
【0041】〔抵抗増大物質〕本研究で開発した抵抗増
大物質は市販の構造用接着剤に平均粒径100μmのア
ルミナ粉末を15wt.%混入したものである。接着剤
に混入するアルミナ粉末については、粒径があまり小さ
すぎると溶接性向上の効果が少なく、粒径があまり大き
すぎると不規則又は不通電を起こしやすい。一方、アル
ミナ粉末の量についても、これが少なすぎると効果が小
さく、これが多すぎるとやはり不通電やスパッタを発生
しやすく、また接着強度という点からは接着力の低下等
の悪影響が考えられる。
【0042】図2は、一般に市販されている通常の接着
剤に粒径の異なるアルミナ粉末を種々の割合で混入して
得た抵抗増大物質を用い、混入されたアルミナ粉末の粒
径及び量の溶接性に及ぼす効果を調べたものである。試
験片は溶融亜鉛めっき鋼板(t:0.8mm)の2枚板
合わせであり、これら試験片の接合面間に抵抗増大物質
を塗布し、設定電流値9kA、通電時間2サイクル、加
圧力200kgf〔1960N〕で溶接試験を行った。
測定値は試験片3個の平均値である。
【0043】平均粒径が15μm(micron)の場
合、かなり多量のアルミナ粉末を用いてもナゲット形成
についての効果はほとんどなく、一方アルミナ粉末の量
が72wt.%に達したときに不規則通電が発生した。
また、平均粒径が30μmで若干の効果がみられ、50
μmになると量が多い場合に直径約3mmのナゲットが
形成された。平均粒径が100μmになると、僅か18
wt.%のアルミナ粉末の量でほぼ直径3mmのナゲッ
トができた。
【0044】ここで、平均粒径100μmのアルミナ粉
末についてみられる顕著な溶接性の向上は、通電初期の
電極間抵抗値の急激な増大によると思われる。この現象
は抵抗増大物質を用いて行った本溶接法特有の現象であ
り、通電時間が短いこととも相まって本システムの特徴
である抵抗値変化特性を通じて行う溶接部の品質保証を
可能とする。
【0045】なお、平均粒径が30μmの場合はアルミ
ナ粉末の量が57wt.%で、平均粒径が50μmの場
合はアルミナ粉末の量が50wt.%で、平均粒径が1
00μmの場合はアルミナ粉末の量が36wt.%で通
電が不規則になった。したがって、本システムでは、抵
抗増大の効果が著しい平均粒径100μmのアルミナ粉
末を用いた。
【0046】図3は、抵抗増大物質に十分な接着機能を
与える目的の下、市販の構造用接着剤に平均粒径100
μmのアルミナ粉末を種々の割合に混入した場合のナゲ
ット形成についての効果を示す。試験片は合金化溶融亜
鉛めっき鋼板(t:1.6mm)の2枚板合わせであ
り、これら試験片の接合面間に抵抗増大物質を塗布し、
通電時間3サイクル、加圧力325kgf〔3185
N〕で溶接試験を行った。
【0047】溶接性向上についての効果は著しいものが
あるが、10wt.%アルミナ粉末を混入したものは、
15、20wt.%混入したものと比較して、かなり劣
る結果となった。一方、15、20wt.%混入したも
のについては効果にほとんど差異がない。表1は、図3
に示した抵抗増大物質を用い、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板(t:0.8mm、目付量60/60)と、合金化溶
融亜鉛めっき鋼板(t:1.6mm、目付量60/6
0)と、裸鋼板(t:0.8mm)と、合金化溶融亜鉛
めっき鋼板(t:0.8mm、目付量60/60)との
4枚からなる板合わせについての通電性を調べた結果で
ある。新品電極又は中古電極を用い、それぞれ加圧力を
変えて通電性(不規則通電の起きた打点数/試験した打
点数)を調べた。
【0048】溶接条件は、設定電流値12kA、通電時
間3サイクルである。なお、用いた中古電極は設定電流
値12kA、加圧力200kgf〔1960N〕、通電
時間12サイクルで合金化溶融亜鉛めっき鋼板(t:
0.8mm)を150打点した後のものである。
【0049】
【表1】 溶接電極が新しい場合は、15、20wt.%の抵抗増
大物質いずれについても通電性に問題はないが、中古電
極を用いた場合、加圧力が低くなると20wt.%の抵
抗増大物質において不規則通電が発生した。
【0050】本システムでは、同一電極による連続打点
が行われるので、溶接電極が劣化しても不規則通電の起
こりにくい15wt.%が優れているといえる。接着剤
中のアルミナ粉末の量は、スパッタ、接着力、抵抗増大
物質の接合面への送給等からも、少ない方がよいと考え
られるため、本実験で用いる抵抗増大物質としては、構
造用接着剤に平均粒径100μmのアルミナ粉末を15
wt.%混入して用いることとした。
【0051】図4は、従来技術と本システムとによって
製作した溶接継手についての片振剪断疲労試験結果を示
す。本システムによる場合、ナゲット内とその周辺には
アルミナ粉末が残存している。残存アルミナ粉末の疲労
強度に対する影響及び接着剤中へのアルミナ粉末の混入
による接着強度上の影響を調べたものである。従来技術
は、抵抗増大物質を配置することなく、通電時間12サ
イクルで通常の単点スポット溶接を重ね代の中央部に施
したものである。一方、本システムは、抵抗増大物質を
40mm×25mmの面積で塗布し、3サイクルで同じ
く単点スポット溶接を施したものである。従来技術及び
本システムに共通して、試験片は200mm×40mm
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(t:0.8mm)であ
り、加圧力は200kgf〔1960N〕、設定電流値
11kAである。また、本システムによる試験片は、溶
接後180℃×30分の加熱によって硬化処理が施され
ている。生産ラインでは、ホワイトボデーは塗装時の乾
燥工程で自動的に180℃×30分間加熱され、この間
に硬化する。
【0052】図4にみられるように、本システムによる
継手は従来技術による継手と比較して、著しく高い疲労
強度を示した。主として接着効果によると思われる。こ
のことから、残存アルミナ粉末による強度低下及び混入
したアルミナ粉末による接着力の低下はあるとしても、
実用上支障ないことがわかった。本研究で用いた構造用
接着剤は、室温で流動性を示し、これに平均粒径100
μmのアルミナ粉末を15wt.%混入した抵抗増大物
質は適度の粘性を有し、自動塗布機を用いて接合面に容
易に塗布することができる。また、気温の低い時、ある
いは室温変動が抵抗増大物質の粘性に影響して自動塗布
機による塗布がスムーズに行われない時等は、抵抗増大
物質を加熱して一定温度に保つ等して支障なく作業を進
めることができる。
【0053】〔電極間抵抗値の変化とナゲット形成との
関係〕図5及び図6は、開発した抵抗増大物質を用い、
亜鉛めっき鋼板の2枚合わせについて行った実験結果を
示した。2枚の亜鉛めっき鋼板は、パネルサイドアウタ
(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.7mm、目付
量:30/60)と、リーンフォースロッカパネル(合
金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.8mm、目付量:6
0/60)とである。
【0054】加圧力は200kgf〔1960N〕、通
電時間は3サイクルとして実験を行った。上図は設定電
流値とナゲット径との関係を示す。下図は3サイクルの
通電時間中の各サイクル毎について、上段で電極間抵抗
値の変化を示し、下段で測定電流値の変化を示した。な
お、図中の電極間抵抗値は、各サイクル後半の電極間電
流及び電極間電圧のそれぞれの平均値から求めた値であ
る。この研究ではこの値をもって各サイクルの電極間抵
抗値とした。測定電流値は測定された電流値の各サイク
ル毎の実効値である。
【0055】図5は短冊形試験片を用いて行った定置式
溶接機による試験結果であり、図6は同じ板合わせのワ
ークについて、ガントラ付ロボットによる試験結果であ
る。溶接電極はいずれも新品を用いた。図5で見られる
ように、十分なナゲットが形成されると、電極間抵抗値
は著しく低下する。また、図6に示すロボットによる打
点では、ナゲットの形成が始まる測定電流値が高くなっ
ている。この原因としては溶接電流の分流が考えられ
る。しかしながら、ナゲットの形成と電極間抵抗値の低
下量との間にはこの場合も明瞭な関係が見られる。
【0056】図7及び図8は、一方が亜鉛めっき鋼板、
他方が裸普通鋼板の2枚合わせについての実験結果を示
した。亜鉛めっき鋼板はパネルサイドアウタ(合金化溶
融亜鉛めっき鋼板、t:0.7mm、目付量:30/6
0)であり、裸普通鋼板はレールルーフサイドインナ
(裸普通鋼板、t:0.65mm)である。加圧力は1
90kgf〔1862N〕である。短冊形試験片を用い
て行った定置式溶接機による図7でもナゲットの形成、
不形成は明瞭に区別される。しかしながら、この場合は
単純な低下量だけでは不十分である。すなわち、設定電
流値の低い4kAでは低下量は60μΩ(micro
ohm)あり、これは十分なナゲットのできた7kAの
低下量とほぼ同じ値である。設定電流値が低い場合の電
極間抵抗値の大幅な低下は亜鉛の溶融のみが主として起
こったためと考えられる。したがって、この板合わせで
は低下量だけでなく、3サイクル通電後の電極間抵抗値
を参考としてナゲットの成否を判定する方法が考えられ
る。図8に示すロボットによってワークを打点した場合
でも同様な結果が見られる。
【0057】図9及び図10は、亜鉛めっき鋼板の3枚
合わせについての実験結果を示した。亜鉛めっき鋼板の
3枚は、ダッシュパネル(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、
t:0.65mm、目付量:45/45)、カウルイン
ナパネル(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.55m
m、目付量:45/45)、カウルアウタパネル(合金
化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.6mm、目付量:45
/45)である。
【0058】加圧力は240kgf〔2352N〕であ
る。この場合、接合面は2つあり、それぞれ若干ナゲッ
ト径が異なる傾向にある。しかしながら、図9に示す定
置式溶接機で短冊形試験片を溶接した場合と、図10に
示すロボットでワークを溶接した場合とも、十分なナゲ
ットが形成されるようになると、この差も小さくなり、
かつ電極間抵抗値の変化も明瞭に区別できる。
【0059】図11及び図12は、3枚合わせで、真中
の1枚が比較的厚い裸高張力鋼板の場合についての実験
結果を示した。亜鉛めっき鋼板は、パネルサイドアウタ
(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.7mm、目付
量:30/60)と、ピラーセンタボデーインナロア
(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.7mm、目付
量:30/60)とであり、裸高張力鋼板はリーンフォ
ースベルトアンカツーセンタピラー(裸高張力鋼板、
t:1.6mm)である。
【0060】加圧力は245kgf〔2401N〕であ
る。図11に示すように、定置式溶接機で短冊形試験片
を溶接した場合は、電極間抵抗値の低下量によるナゲッ
ト成否の判別というより、3サイクル通電後の電極間抵
抗値を参考にするのも一方法と考えられる。一方、図1
2に示すように、ロボットでワークを溶接する場合で
は、2つある接合面でのナゲット径の差が著しいが、十
分なナゲットのできる14kA以上とそれ以下とでは低
下量において明瞭な区別ができる。
【0061】図13及び図14は、4枚合わせについて
の実験結果を示した。板合わせは、上から、パネルサイ
ドアウタ(合金化溶融亜鉛めっき鋼板、t:0.7m
m、目付量:30/60)、リーンフォースフロントボ
デーピラーアッパインナ(裸高張力鋼板45kgf級、
t:1.2mm)、ピラーフロントボデーアッパインナ
(裸普通鋼板、t:0.8mm)、レールルーフサイド
インナ(裸普通鋼板、t:0.65mm)である。
【0062】加圧力は230kgf〔2254N〕であ
る。定置式溶接機で短冊形試験片を溶接した図13で
は、*印で示した試験片について不規則通電が起こっ
た。このものでは電極間抵抗値の低下量だけではナゲッ
トの成否の判断基準となり難い。しかしながら、3サイ
クル通電後の電極間抵抗値については、ナゲットのでき
ているものと、できていないものの間で明瞭な差がみら
れる。このことから不規則通電の起こったものについて
は、低下量に加えて溶接電流通電終了時の電極間抵抗値
を参考にしながらナゲットの成否を判定することができ
る。
【0063】図15〜20は、成形した亜鉛めっき鋼板
3枚合わせ(ダッシュパネル、カウルインナパネル、カ
ウルアウタパネル)について、実際の生産ラインの一部
を模して構築したパイロットラインを用い、同一電極に
よる連続打点中の電極間抵抗値の低下量の変化とナゲッ
ト径との関係を調べた結果の一部について示した。この
パネルでは打点数は18ある。用いたパネルは330セ
ットである。パイロットラインの詳細については実施例
で述べるが、要点は次の通りである。
【0064】(1)ダッシュパネルを治具にセット (2)ダッシュパネルの接合面に抵抗増大物質を自動塗
布 (3)カウルインナパネルを治具にセット (4)カウルインナパネルの接合面に抵抗増大物質を自
動塗布 (5)カウルアウタパネルを治具にセット (6)ロボットによるスポット溶接 (7)パネルを治具から取り外す この間、設定電流値は12〜16kA、通電時間は2〜
4サイクル、加圧力は240〔2352N〕〜270k
gf〔2646N〕と適宜変えて連続打点した。したが
って、図中に示す溶接条件、実験結果は溶接電極の劣化
が打点数を目安とする一定レベルにある場合についての
データとなる。
【0065】図15ないし17は、平均的成績を示した
特定部位(部位A)について、打点数とナゲット径、電
極間抵抗値の低下量、電極間抵抗値の変化パターンとの
関係をそれぞれ示した。変化パターンは各打点付近での
代表的事例についてのみ示した。図中の電極間抵抗値の
低下量(Δr)とは、1〜3サイクルの各サイクル毎の
電極間抵抗値の最大値から最小値を差し引いた値を示
す。変化パターンによって電極間抵抗値の低下量Δrの
求め方は異なり、試験開始直後に見られる1〜2〜3サ
イクルにかけて電極間抵抗値が低下する単調減少パター
ンでは、1サイクル目から3サイクル目を差し引いた値
を示す。1500〜4000点の間に現れる凸型パター
ンでは、2サイクル目から3サイクル目を差し引いた値
を示す。また、4000点以降に現れる凹型パターンで
は、1サイクル目から2サイクル目を差し引いて電極間
抵抗値の低下量を示した。なお、図中の○印は1〜2〜
3サイクルにかけて電極間抵抗値の低下が見られず、電
極間抵抗値が単調に増加する場合であり、値はその増加
量を示す。鋼板3枚合わせであるので、ナゲット径は同
一打点に対して2つある。
【0066】図15に示す設定電流値12kA、通電時
間3サイクルの場合、打点数2000点付近で電極間抵
抗値の低下量Δrは急激に減少した。パターンはこの段
階では凸型が続き、4000点付近から凹型に変わっ
た。一方、ナゲット径は3000点付近から減少し、4
000点付近で4t1/2 (t:最小母材板厚、この場合
0.55mm)を割り込み、以後減少を続け6000点
付近でナゲットは形成されなくなった。したがって、こ
の組合せの場合、十分なナゲットを余裕をもって保証す
るには、電極間抵抗値の変化が急激に起こる2000点
までをもって寿命とし、したがって、例えば電極間抵抗
値の低下量が30μΩより大きいとき、ナゲットは十分
であるとして合格とし、30μΩ未満の場合に不合格と
して適応制御の対象とすることが考えられる。
【0067】また、図15において、1サイクル目の電
極間抵抗値に注目すると、試験開始当初約160μΩあ
った電極間抵抗値が以後徐々に低下し、ナゲット径が減
少し始める3000点付近において約130μΩになっ
た。このように、連続打点中の1サイクル目の電極間抵
抗値を監視し、その値の低下量によって残存寿命を推定
することもできる。
【0068】さらに、3サイクル目の電極間抵抗値に注
目すると、電極間抵抗値の低下量Δrが急激に減少する
2000点付近以降で、その値が上昇している。このよ
うに、連続打点中の3サイクル目(通電終了時)の電極
間抵抗値を用いて、残存寿命を推定することも可能であ
る。一方、一定の規格値、例えば4t1/2 を満足すれば
良しとする場合は、電極間抵抗値の低下量というより
は、パターンが凸型から凹型に変わる打点数をしてパタ
ーン認識を通じて寿命を推定し、例えば本実験の場合、
4000点付近をもって適応制御の対象とすることも可
能である。
【0069】ここで注目すべきは、従来技術では、確か
な品質保証を得られず、打点数も1000打点程度で溶
接電極の交換を必要としたのに対し、本システムでは、
一対の溶接電極で約4000打点まで工程内品質保証を
確実にしながら、安定した打点が遂行されたことであ
る。図16は、溶接電流12kA、通電時間4サイクル
で打点した場合である。図15に示した12kA、3サ
イクルの試験中に適宜通電時間を1サイクル延長し、そ
の効果を調べた。1サイクルの通電時間の延長により、
ナゲット径、電極間抵抗値の低下量ともに回復した。
【0070】図17は同様にして14kA、3サイクル
で随時打点した場合であり、設定電流値の増大によって
も、ナゲット径、電極間抵抗低下量ともに回復した。こ
れらの実験結果よりナゲット径の不足が予想される場
合、設定電流値又は通電時間、さらには両者を併せて増
大することが十分なナゲットを保証するに有効であるこ
とが分かる。
【0071】ここで、通電時間の延長ないしは設定電流
値を上げた場合、その電極間抵抗値の低下量Δrは、図
16及び図17でみられるように、30μΩを若干割り
込むものがある。一方、ナゲット径はこれらのものにつ
いて十分確保されている。何らかの制御、例えば加圧力
の増大、通電時間の延長、設定電流値の増大等によって
溶接条件が変更された後の打点については、そのナゲッ
トの判定基準として例えばΔRp≧15μΩ又はパター
ンが凸型であるとする等が考えられる。
【0072】図18〜20は、ナゲットの形成が不出来
であった特定の部位(部位B)についての結果を示し
た。電極間抵抗値の低下量Δrについてみれば、この部
位では約1100打点で既に基準30μΩを割り込ん
だ。ナゲット径についても約2700打点で減少の傾向
がみられる。一方、パターンについては凸型から凹型に
変わる間にあらわれたやや不明瞭な凸型を示す領域が特
徴的である。
【0073】図19は、12kA、4サイクル、すなわ
ち通電時間を1サイクル延長した効果を示した。これに
よってナゲット径、低下量Δr共にかなり回復した。図
18でパターンが凸ないしは不明瞭な凸型とした打点域
では、すべて完全に回復した。しかしながら、図18で
凹型のパターンを示した打点域ではナゲット径は依然と
して不十分であり、低下量Δrも低く止まった。
【0074】一方、図20に示すように、設定電流値を
14kAに増大し、さらに通電時間を1サイクル延長し
て4サイクルとすれば、ナゲット径、Δr値ともに完全
に回復した。図18〜20に示した結果は、溶接結果が
不十分な場合でも、低下量Δr又はパターン認識を通じ
て制御が可能であることを示すものである。
【0075】ここで、同一パネルでありながら図15〜
17と、図18〜20とに示すように、打点部位によっ
て溶接の成績が異なる点については、その1つの原因と
して溶接電流の分流が考えられる。図15〜20に示す
ように、連続打点によって電極の老化が進んだ状態にお
いても、また分流等の攪乱要因を伴った実際の生産ライ
ンに近い状況の下にあっても、電極間抵抗値の変化とナ
ゲット形成の間には明確な関係が認められる。
【0076】なお、図1〜20に示した実験結果は交流
溶接機を用いて得られたものである。スポット溶接機に
はこの他にインバータ式と直流方式がある。これらにつ
いては通電時間を細かく分割し、分割された各通電時間
中の電極間抵抗値を求め、その値を通電時間中記録し
て、全通電時間中の抵抗変化を知ることができる。した
がってインバータ、直流の各方式についても図1〜20
で述べたと同様の効果、つまり電極間抵抗値の変化特性
をみてナゲットの成否を判定することができる。
【0077】また、本実験結果は3サイクルの通電時間
を基本として述べているが、通電時間が3サイクル以外
の場合でも、所定の期間の電極間抵抗値から電極間抵抗
値の低下量、電極間抵抗値の変化パターンを認識し、3
サイクルの場合と同じく残存寿命を推定し適応制御を行
うことができる。実験を通じ、本システムの課題は全て
解決され、その実用化も何ら支障なく実施できることが
わかった。すなわち、本実験によって開発された抵抗増
大物質は、接合面への送給と配置とが容易であり、かつ
溶接性の著しい向上と高い接着力とを維持することが確
認された。一方、この抵抗増大物質を用いて行う本シス
テムの溶接法により、溶接中の板間抵抗の消滅すなわち
ナゲットの形成が明確に検出でき、工程内品質保証を確
実にするとともに、さらには連続打点中の溶接電極の劣
化に伴う電極間抵抗値の変化も正確に記録され、この記
録からナゲットが不形成となる打点数ないしは時期を効
果的に推定でき、適応制御による自動運転も可能である
ことが明らかとなった。
【0078】請求項1のシステムは実際の大規模の製造
ラインでそのまま適用可能なものである。請求項2のシ
ステムは小規模の製造ラインでそのまま適用可能なもの
である。請求項3のシステムは中規模の製造ラインでそ
のまま適用可能なものである。請求項4のシステムで
は、ナゲット判定結果が否の場合、自動的に通電時間を
延長し、ナゲットの形成を達成する。
【0079】請求項5のシステムでは、請求項2、3の
システムにナゲットの形成の第2の補完を組み込んだも
のである。請求項6のシステムでは、抵抗値変化特性に
より推定される推定値(残存寿命)が一定値に達したと
き、自動的に電極を研磨し、チップの形状を劣化前の状
態に修復する。
【0080】請求項7のシステムでは、不規則通電の頻
度により推定される残存寿命が一定値に達したとき、自
動的に加圧力を増大し、安定した打点に回復する。請求
項8のシステムでは、残存寿命が一定値に達したとき、
自動的に通電時間を延長し、ナゲットの形成を維持す
る。請求項9のシステムでは、残存寿命が一定値に達し
たとき、自動的に設定電流値を増大し、ナゲットの形成
を維持する。
【0081】請求項10のシステムは重合工程における
抵抗増大物質の機能を詳述したものである。請求項11
のシステムは加圧工程における抵抗増大物質の機能を詳
述したものである。請求項12のシステムは加圧工程、
通電工程、第1補完工程、第2補完工程及び適応制御工
程における抵抗増大物質の機能を詳述したものである。
【0082】請求項13のシステムでは、溶接性を高め
かつ接着機能を有する抵抗増大物質を効率よく接合面に
塗布できるため、生産性の向上を果たすとともに、溶接
部に接着ないしはシール機能を付与し、付加価値の高い
溶接部を実現できる。請求項14のシステムでは、両面
接着穴明きテープが両面接着機能を有するため、構造物
の塗装工程に先立つ洗浄工程において、抵抗増大物質が
流出することなく、また溶接部からはみ出す等の不具合
を回避するに効果的である。
【0083】
【作用】亜鉛めっき鋼板の連続的なスポット溶接におけ
る生産性の向上と工程内品質保証及びそのための適応制
御とは、いずれも強く求められながら未だ達成されてい
ない技術である。抵抗増大物質を用いて行う溶接におい
ても、生産性の向上という点では改善の余地が大きく、
また従来のナゲット成否に関するモニターにしても、ご
く限られた溶接条件、例えば溶接電流を監視し、それが
設定範囲を外れると、単にそのことを知らせる異常信号
を発し、生産ラインを止めるというものであった。
【0084】一方、本発明のシステムでは、大量生産方
式下において、優れた作業性及び溶接性が得られるとと
もに、溶接品質の不具合の発生を事前に察知し、直ちに
溶接条件を自動的に修正して、不具合の発生を未然に回
避する工程内適応制御を可能とし、生産ラインを止める
のではなく、動かすという思想ないしは手段を実現し、
もって大量生産方式下での高い生産性を維持し生産ライ
ンの自動化を達成した。また、本システムでは、併せて
工程内品質保証を全打点について確実にし、さらに抵抗
増大物質にシール又は接着機能を持たせることによっ
て、強度、剛性の向上等、付加価値の高い溶接部をコス
トアップを伴うことなく実現した。
【0085】
【実施例】以下、実施例1〜3を図面等を参照しつつ説
明する。 (実施例1)実施例1は、本システムの自動車車体の組
付けラインへの適用を考え、成形した亜鉛めっき鋼板の
適応制御によるスポット溶接自動組付けシステムに関す
る。すなわち、この実施例1は、図21に示すように、
自動車の組立ラインの一部を模して構築したパイロット
ラインにより、プレス成形したダッシュパネル10a、
カウルインナパネル10b及びカウルアウタパネル10
cの接合組立について、請求項6、14を除く各請求項
のシステムを具体化している。
【0086】一般に、自動車の組み立ては、ボデー・パ
ネル等を設計した後、プレス加工工程において、亜鉛め
っき鋼板等が数多くのパネルに成形される。その後、溶
接組付け工程において、各パネルを主にスポット溶接に
より、ボデーに組み立てる。次いで、ボデーは、塗装工
程において、洗浄・電着塗装・乾燥・中塗・上塗り・乾
燥・仕上げがなされる。この後、艤装品組み付け工程に
おいて、エンジン、シート等の部品が取付けられ、自動
車が完成する。
【0087】図21に示すパイロットラインでは、プレ
ス加工により成形された3枚の各パネル10a〜10c
における亜鉛めっき層を介した各接合面間に、抵抗増大
物質塗布ロボット12により抵抗増大物質を塗布し、溶
接ロボット13により各接合面をスポット溶接し、ボデ
ー(サブアッシー)11とする。抵抗増大物質塗布ロボ
ット12は、塗布ロボット制御盤14に接続され、塗布
ロボット制御盤14は工程制御盤15に接続されてい
る。また、溶接ロボット13は溶接ロボット制御盤16
に接続され、溶接ロボット制御盤16も工程制御盤15
に接続されている。溶接ロボット13には、加圧力の選
択数だけバルブ及びレギュレタ(加圧力調整機器)が設
けられており、それらのなかから所望の加圧力を付与し
うるようになされている。工程制御盤15はパネルセッ
ト治具17、塗布装置制御盤18及び溶接電流制御装置
19に接続されている。
【0088】塗布装置制御盤18は抵抗増大物質が貯溜
されたタンクと、このタンクと接続された圧送ポンプ2
0とに接続され、圧送ポンプ20と接続されたホース2
1はノズル22に接続され、ノズル22は抵抗増大物質
塗布ロボット12に保持されている。タンク内には本研
究によって開発した抵抗増大物質が貯溜されている。こ
の抵抗増大物質は、構造用接着剤に平均粒径100μm
のアルミナ粉末を15wt.%混入したものである。ま
た、ホース21は、温度によって粘性が変化する抵抗増
大物質を安定して供給するため、一定温度に保たれてい
る。
【0089】また、溶接電流制御装置19は溶接電流ケ
ーブル23を介して溶接ガン24に接続され、溶接ガン
24は溶接ロボット13に保持されている。溶接ガン2
4には、電極間電圧測定用の端子が取り付けられ、電極
間電圧モニタ線27を介して溶接電流制御装置19に接
続されている。また、溶接トランス25の二次側にはト
ロイダルコイルが設けられており、溶接電流モニタ線2
6を介して溶接電流制御装置19に接続されている。こ
れらにより溶接電極間に通電したときの電極間電圧値及
び電極間電流値が測定できるようになっている。つま
り、電極間電圧及び電極間電流の波形が、電極間電圧モ
ニタ線27と溶接電流モニタ線26を介して溶接電流制
御装置19に取り込まれ、溶接電流制御装置19に内蔵
されるコンピュータで実効値、平均値等に換算されると
ともに電極間抵抗値rが計算される。このとき、交流溶
接電源を用いているため、各通電サイクル後半における
電極間電圧及び電極間電流の平均値によって、電極間抵
抗値rが求められる。そして、溶接電流制御装置19は
溶接品質管理モニタ(ホストコンピュータ)28に接続
されている。
【0090】各パネル10a〜10cはコンピュータを
利用して設計されている。したがって、パネル10a〜
10cの形状、スポット溶接の打点位置等は、コンピュ
ータにデータとして蓄積されているため、このデータを
溶接ロボット13のティーチング作業に使うことも可能
である。上記のように構成されたパイロットラインで
は、工程制御盤15により図22のメインフローチャー
トに従って処理がなされる。 「搬送工程」まず、ステップS100において、設計
後、亜鉛めっき鋼板をプレス加工で成形することにより
得たダッシュパネル10a、カウルインナパネル10b
及びカウルアウタパネル10cが図示しない搬送装置に
より搬送される。なお、搬送の一部又は全部を作業者が
行うこともできる。 「固定工程」そして、ステップS101において、ダッ
シュパネル10aがパネルセット治具17に固定され
る。このとき、ダッシュパネル10aには図示しない基
準穴が設けられ、パネルセット治具17にも図示しない
基準ピンが設けられているため、基準穴に基準ピンを入
れることによってダッシュパネル10aの位置が決定さ
れる。ダッシュパネル10aがパネルセット治具17の
所定位置に固定されれば、パネルセット治具17に設け
られたセンサが固定を検知し、固定完了信号がパネルセ
ット治具17から工程制御盤15に送られる。 「配置工程」次いで、ステップS102において、工程
制御盤15から塗布ロボット制御盤14及び塗布装置制
御盤18に抵抗増大物質塗布の命令が出される。ノズル
22をもった抵抗増大物質塗布ロボット12は、塗布ロ
ボット制御盤14によって制御されることにより、ノズ
ル22を所定の位置に移動させる。
【0091】抵抗増大物質塗布ロボット12がノズル2
2を所定の位置に到達させた信号は塗布ロボット制御盤
14から工程制御盤15に送られ、工程制御盤15は塗
布装置制御盤18に抵抗増大物質の吐出開始の信号を送
る。塗布装置制御盤18は圧送ポンプ20を作動させ、
同時にノズル22を開く。これにより、抵抗増大物質
は、タンクからホース21を通ってノズル22によって
ダッシュパネル10aに塗布され始める。
【0092】一方、抵抗増大物質塗布ロボット12は、
抵抗増大物質の吐出が開始すると、予め教示された軌跡
をたどって動作し、抵抗増大物質が所定の接合面に塗布
される。抵抗増大物質塗布ロボット12が抵抗増大物質
の塗布終了位置まで到達すると、圧送ポンプ20からの
抵抗増大物質の供給が停止すると共に、ノズル22が閉
じられ、抵抗増大物質塗布ロボット12は原位置に戻
る。
【0093】なお、この間、抵抗増大物質が途中で途切
れることなく、一定量が安定して塗布されていることを
確認するために、抵抗増大物質塗布ロボット12には図
示しない監視カメラが設けられており、画像認識又は作
業者によるモニタ画面を通しての確認が行われている。 「搬送工程・重合工程・配置工程」抵抗増大物質がダッ
シュパネル10aに塗布された後、ステップS103に
おいて、搬送装置によりダッシュパネル10a上にカウ
ルインナパネル10bが重ね合わされる。カウルインナ
パネル10bにもダッシュパネル10aと同様に図示し
ない基準穴が設けられており、カウルインナパネル10
bもダッシュパネル10aの図示しない基準ピンに合わ
せて固定される。これにより、抵抗増大物質がダッシュ
パネル10aとカウルインナパネル10bとの間に挟ま
れる。
【0094】次いで、カウルインナパネル10bの接合
面にも、ダッシュパネル10aと同様に、抵抗増大物質
塗布の作業を繰り返す。 「搬送工程・重合工程」さらに、ステップS104にお
いて、搬送装置により、カウルインナパネル10b上に
カウルアウタパネル10cが重ね合わされる。これによ
り、抵抗増大物質がカウルインナパネル10bとカウル
アウタパネル10cの間に挟まれる。 「溶接条件設定工程」各パネル10a〜10cの各接合
面間の重ね合わせが完了すれば、クランプ完了信号がパ
ネルセット治具17から工程制御盤15に送られる。
【0095】これにより、工程制御盤15は、パネルセ
ット及び抵抗増大物質塗布の完了を検知する。そして、
ステップS105において、スポット溶接する際の溶接
条件を選定する。つまり、自動車の車体を構成する実際
のワークは、複数のパネルによって構成されているた
め、スポット溶接する部位によって、板合わせは様々に
変化する。また、パネルの種類としては、裸軟鋼板、裸
高張力鋼板、亜鉛めっき軟鋼板、亜鉛めっき高張力鋼板
等があり、さらにそれらの板厚もおよそ0.5〜3(m
m)の範囲にわたっている。そのため、溶接部位によっ
て、設定電流値、通電時間、加圧力等の溶接条件を変化
させる必要がある。溶接電流制御装置19は、これらの
溶接条件を記憶し、個々の溶接部位に応じた溶接条件を
適宜選択し、起動できるようになっている。 「加圧工程」そして、ステップS106において、工程
制御盤15からスポット溶接開始信号が溶接ロボット制
御盤16に送られる。
【0096】これにより、溶接ロボット13は、まず、
第1点目の部位に溶接ガン24を移動させる。このと
き、溶接ガン24の両溶接電極の中心を結ぶ線は、各接
合面間にある抵抗増大物質のほぼ中央に位置される。第
1点目に溶接ガン24が到達すれば、その信号が溶接ロ
ボット制御盤16から工程制御盤15に送られる。そし
て、工程制御盤15から溶接電流制御装置19に溶接起
動の開始信号が送られる。
【0097】溶接電流制御装置19が起動すると、溶接
ロボット13が保持する溶接ガン24のバルブ及びレギ
ュレタが作動し、パネル10a〜10cの第1点目の溶
接部位を溶接ガン24の一対の溶接電極が挟持する。こ
れにより、パネル10a〜10cを一対の溶接電極が設
定加圧力により加圧する。このとき、抵抗増大物質は、
各接合面が部分的に接触すべく、各接合面間に間隙を残
留させる。 「通電工程」この後、ステップS107において、設定
電流値で3サイクル通電し、スポット溶接を行う。 「検出工程」また、ステップS108において、溶接電
極を通じ、各サイクル毎の両電極間の電圧及び電流が検
出される。 「推定工程(不規則通電)」そして、ステップS200
では、図23に示す不規則通電ルーチンS200に従
い、不規則通電があったか否かの信号処理を行う。
【0098】まずステップS201では、溶接電流制御
装置19によって各サイクルの溶接電流実効値iを算出
する。次いで、ステップS202において、算出された
溶接電流実効値iが正常電流範囲内であるか否かによ
り、通電された溶接電流が正常であったか、不規則であ
ったかを判定する。ステップS202において、連続打
点中に不規則通電がなければ、ステップS202でYE
Sとなり、メインルーチンにリターンする。ステップS
202において、NOであれば、連続打点中に不規則通
電があり、不規則通電の回数がステップS203でカウ
ントされる。 「適応制御工程(不規則通電)」ステップS203でカ
ウントされた頻度は、ステップS204で予め設定した
基準と比較される。ステップS204において、基準よ
りカウントされた頻度が少なければ、メインルーチンに
リターンする。ステップS204において、基準よりカ
ウントされた頻度が多ければ、ステップS205に進
む。
【0099】ここで、頻度が多いということは、同一溶
接条件(ここでは加圧力)では充分なナゲットが得られ
にくくなっていると推定され、ここまでの打点数又は期
間が同一溶接条件の限界の推定値となる。よって、ステ
ップS205では、次の打点から加圧力を増大させるべ
く、バルブ及びレギュレタを選択し、メインルーチンに
リターンする。これにより、母材間の接触を十分確保す
ることによって、安定した溶接を続行することができ
る。 「算出工程」また、溶接電流制御装置19に内蔵される
コンピュータは、図22に示すステップS300におい
て、図24に示す算出等ルーチンS300を実行する。
【0100】実施例1で用いた一つの抵抗値変化特性は
パターン認識である。このため、溶接電流制御装置19
に内蔵されるコンピュータは、各電極間抵抗値rにより
変化パターンを算出する。まず、ステップS301で
は、各サイクルの電極間抵抗値rにより電極間抵抗値の
低下量Δr(抵抗値変化特性)を算出する。つまり、溶
接電流制御装置19によって各サイクル毎の電極間抵抗
値rが計算される。ここで、1サイクル目の電極間抵抗
値をr1 、2サイクル目の電極間抵抗値をr2 、3サイ
クル目の電極間抵抗値をr3 とする。
【0101】そして、ステップS302において、電極
間抵抗値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1 −r2
が0以上であり、かつ電極間抵抗値r2 と電極間抵抗値
3との差(r2 −r3 )が0以上であるか否かを判断
する。ステップS302で、YESであれば、単調減少
パターンであり、ステップS303に進む。ステップS
303では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r3 との
差(r1 −r3 )を低下量Δrとする。
【0102】ステップS302でNOであれば、ステッ
プS304に進み、電極間抵抗値r 1 と電極間抵抗値r
2 との差(r1 −r2 )が正であり、かつ電極間抵抗値
2と電極間抵抗値r3 との差(r2 −r3 )が負であ
るか否かを判断する。ステップS304で、YESであ
れば、凹型パターンであり、ステップS305に進む。
ステップS305では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗
値r2 との差(r1 −r2 )を低下量Δrとする。
【0103】ステップS304でNOであれば、ステッ
プS306に進み、電極間抵抗値r 1 と電極間抵抗値r
2 との差(r1 −r2 )が負であり、かつ電極間抵抗値
2と電極間抵抗値r3 との差(r2 −r3 )が正であ
るか否かを判断する。ステップS306で、YESであ
れば、凸型パターンであり、ステップS307に進む。
ステップS307では、電極間抵抗値r2 と電極間抵抗
値r3 との差(r2 −r3 )を低下量Δrとする。
【0104】ステップS306でNOであれば、単調増
加パターンであり、ステップS308に進む。 「連続記録工程」また、ステップS303では、単調減
少パターンと各電極間抵抗値Δrとを記録する。ステッ
プS305では、凹型パターンと各電極間抵抗値Δrと
を記録する。ステップS307では、凸型パターンと各
電極間抵抗値Δrとを記録する。ステップS308で
は、単調増加パターンと各電極間抵抗値Δrとを記録す
る。 「第1判定工程」ナゲットの形成に伴って電極間抵抗値
rは低下する。このため、算出工程において、それぞれ
の変化パターンに応じて電極間抵抗値の低下量Δrが求
められた後、ステップS309において、予めコンピュ
ータに蓄積されたナゲット判定のための基準ΔR(例え
ば、30μΩ)と比較する。ステップS309でYES
であれば、ナゲット良好と判定され、メインルーチンに
リターンする。
【0105】つまり、ステップS309において電極間
抵抗値の低下量Δrが基準ΔR以上であれば、十分なナ
ゲットの形成が保証される。一方、ステップS309で
NOであれば、ナゲット径不足と判定される。また、ス
テップS207の単調増加パターンでは、電極間抵抗値
の低下量の算出は行わず、ナゲット径不足と判定され
る。
【0106】つまり、ステップS309において電極間
抵抗値の低下量Δrが基準ΔR未満、またステップS3
08の単調増加パターンでは、十分なナゲットの形成の
保証が不確実である。このため、ステップS309でN
Oである場合又はステップS308の後、図25に示す
通電時間延長ルーチンS400を実行する。 「第1補完工程」まず、ステップS401において、通
電時間を1サイクル延長する。これにより、ナゲットの
形成が補完される。なお、延長の電流値を高くしておく
と、より確実に補完できる。 「推定工程(通電延長)」次いで、ステップS402で
は、溶接電流制御装置19によって4サイクル目の電極
間抵抗値r4 が計算される。そして、ステップS403
で通電延長の回数がカウントされる。 「適応制御工程(通電延長)」ステップS403でカウ
ントされた頻度は、ステップS404で予め設定された
基準と比較される。ステップS404において、予め設
定された基準よりカウントされた頻度が多ければ、ステ
ップS405に進む。
【0107】ここで、頻度が多いということは、同一溶
接条件(ここでは電流値)では充分なナゲットが得られ
にくくなっていると推定され、ここまでの打点数又は期
間が同一溶接条件の限界の推定値となる。よって、ステ
ップS405では、次の打点から設定電流値を一定の値
だけ増大する。これにより、高い設定電流値で安定した
溶接を続行することができる。そして、リターンする。 「第2判定工程」ステップS404において、基準より
カウントされた頻度が少なければ、またステップS40
5の後、ステップS406に進む。ステップS406で
は、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1
−r2 )が0以上であり、かつ電極間抵抗値r2 と電極
間抵抗値r3 との差(r2 −r3 )が0以上であるか否
かを判断する。ステップS406でYESであればステ
ップS500に進み、図26に示す単調減少パターンル
ーチンS500に従って信号処理を行う。
【0108】まず、ステップS501では、電極間抵抗
値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r3 −r4 )が0以
上であるか否かを判断する。ステップS501でYES
であれば、ステップS502に進む。ステップS502
では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r4 との差(r
1 −r4 )を低下量Δrpとする。ステップS501で
NOであれば、ステップS503に進む。ステップS5
03では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r3 との差
(r1 −r3 )を低下量Δrpとする。
【0109】そして、ステップS502、S503の
後、図25のステップS901にリターンする。ステッ
プS406でNOであれば、ステップS407に進む。
ステップS407では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗
値r2 との差(r1 −r2 )が正であり、かつ電極間抵
抗値r2 と電極間抵抗値r3 との差(r2 −r3 )が負
であるか否かを判断する。ステップS407でYESで
あれば、ステップS600に進み、図27に示す凹型パ
ターンルーチンS600に従って信号処理を行う。
【0110】まず、ステップS601では、電極間抵抗
値r1 と電極間抵抗値r3 との差(r1 −r3 )が0以
上であるか否かを判断する。ステップS601でYES
であれば、ステップS602に進む。ステップS602
では、電極間抵抗値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r
3 −r4 )が0以上であるか否かを判断する。ステップ
S602でYESであれば、ステップS603に進む。
ステップS603では、電極間抵抗値r2 と電極間抵抗
値r4 との差(r2 −r4 )が0以上であるか否かを判
断する。ステップS603でYESであれば、ステップ
S604に進む。ステップS604では、電極間抵抗値
1 と電極間抵抗値r4 との差(r1 −r4 )を低下量
Δrpとする。
【0111】ステップS603でNOであれば、ステッ
プS605に進む。ステップS605では、電極間抵抗
値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1 −r2 )を低下
量Δrpとする。ステップS602でNOであれば、ス
テップS606に進む。ステップS606においても、
電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1 −r
2 )を低下量Δrpとする。
【0112】ステップS601でNOであれば、ステッ
プS607に進む。ステップS607では、電極間抵抗
値r1 と電極間抵抗値r4 との差(r1 −r4 )が0以
上であるか否かを判断する。ステップS607でYES
であれば、ステップS608に進む。ステップS608
では、電極間抵抗値r2 と電極間抵抗値r4 との差(r
2 −r4 )が0以上であるか否かを判断する。ステップ
S608でYESであれば、ステップS609に進む。
ステップS609では、電極間抵抗値r3 と電極間抵抗
値r4 との差(r3 −r4 )を低下量Δrpとする。
【0113】ステップS608でNOであれば、ステッ
プS610に進む。ステップS610では、電極間抵抗
値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1 −r2 )が電極
間抵抗値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r3 −r4
以上であるか否かを判断する。ステップS610でYE
Sであれば、ステップS611に進む。ステップS61
1では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗値r2 との差
(r1 −r2 )を低下量Δrpとする。
【0114】ステップS610でNOであれば、ステッ
プS612に進む。ステップS612では、電極間抵抗
値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r3 −r4 )を低下
量Δrpとする。ステップS607でNOであれば、ス
テップS613に進む。ステップS613では、電極間
抵抗値r1 と電極間抵抗値r2 との差(r1 −r2 )を
低下量Δrpとする。
【0115】そして、ステップS604、S605、S
606、S609、S611、S612、S613の
後、図25のステップS901にリターンする。ステッ
プS407でNOであれば、ステップS408に進む。
ステップS408では、電極間抵抗値r1 と電極間抵抗
値r2 との差(r1 −r2 )が負であり、かつ電極間抵
抗値r2 と電極間抵抗値r3 との差(r2 −r3 )が正
であるか否かを判断する。ステップS408でYESで
あれば、ステップS700に進み、図28に示す凸型パ
ターンルーチンS700に従って信号処理を行う。
【0116】まず、ステップS701では、電極間抵抗
値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r3 −r4 )が0以
上であるか否かを判断する。ステップS701でYES
であれば、ステップS702に進む。ステップS702
では、電極間抵抗値r2 と電極間抵抗値r4 との差(r
2 −r4 )を低下量Δrpとする。ステップS701で
NOであれば、ステップS703に進む。ステップS7
03では、電極間抵抗値r2 と電極間抵抗値r3 との差
(r2 −r3 )を低下量Δrpとする。
【0117】そして、ステップS702、S703の
後、図25のステップS901にリターンする。ステッ
プS408でNOであればステップS800に進み、図
29に示す単調増加パターンルーチンS800に従って
信号処理を行う。まず、ステップS801では、電極間
抵抗値r3 と電極間抵抗値r4 との差(r3 −r4 )が
0以上であるか否かを判断する。ステップS801でY
ESであれば、ステップS802に進む。ステップS8
02では、電極間抵抗値r3 と電極間抵抗値r4 との差
(r3 −r4 )を低下量Δrpとする。
【0118】ステップS801でNOであれば、ステッ
プS803に進む。ステップS803では、0を低下量
Δrpとする。そして、ステップS802、S803の
後、図25のステップS901にリターンする。以上の
ように各パターンによって第1補完工程後の算出方法は
異なり、各パターンルーチンでは各パターンに応じてΔ
rpを算出する。この後、ステップS901でナゲット
再判定が行われる。ここでは、低下量Δrpと、予めコ
ンピュータに蓄積されたナゲット再判定のための基準Δ
Rp(例えば、30μΩ)とを比較する。
【0119】ステップS901でYESであれば、ナゲ
ット径良好と再判定され、メインルーチンにリターンす
る。ステップS901でNOであれば、ナゲット径不足
と再判定され、ステップS902へ進む。 「判定結果記録工程」ステップS902では、スポット
溶接した溶接部位を記録する。そして、ステップS10
00に進む。 「第2補完工程」ステップS1000では、第2判定工
程においてナゲット不足と判定された部位を再打点等に
よって最終補完を行う。
【0120】第2補完工程は、ナゲット不足と判定され
たその場で再打点する方法、後工程に設置されたバック
アップロボットがナゲット不足と記録された部位に適し
たガンを自動的に選択し、再打点する方法、また後工程
で作業者が再打点ないしはアーク溶接によって補修する
方法等がある。以後、加圧力の増大、通電時間の延長、
設定電流値の増大の適応制御を繰り返しながら、連続し
て打点が進められる。
【0121】なお、電極間抵抗値をモニタしながら行う
本システムでは、ロボットの誤作動によって正規の打点
位置をスポット溶接できなかった場合や、電極間電圧モ
ニタ線が断線するといった不測の事態が生じた場合で
も、電極間抵抗値から異常を検知し、第2補完工程にて
補修することが可能となる。以上のように、一連の工程
でいずれの基準をも満たさないナゲットが発生しても、
確実にナゲットの形成が保証される。 {結果}実施例1によって得られた結果の一部を図30
〜33に示した。ここで採用した溶接条件、ナゲット判
定方法及び適応制御の基準は次の通りである。用いたパ
ネル(ワーク)は図15〜17及び図18〜20に示し
たものと同じであり、打点数は18である。
【0122】〔溶接条件〕 加圧力:P=240kgf〔2352N〕(加圧力増大
の場合20kgf増) 通電時間:T=3サイクル(通電時間延長の場合1サイ
クル増) 設定電流値:I=12kA(電流値増大の場合1kA
増) 〔ナゲット判定〕 通常のナゲット判定の基準〔1〕:ΔR≧30μΩ 通電時間、設定電流値及び加圧力制御後のナゲット判定
の基準〔2〕:ΔRp≧15μΩ、凸型パターン 不規則通電時のナゲット判定の基準〔3〕:3サイクル
通電後の電極間抵抗値r3 ≦100μΩ 〔適応制御判定基準〕 通電延長の基準〔4〕:3サイクル通電後のナゲット判
定が否の場合 電流値増大の基準〔5〕:通電延長の発生頻度…10点
/連続18点 加圧力増大の基準〔6〕:不規則通電の発生頻度…5点
/連続18点 図30〜33にも示されるように、打点数が少ない間
は、全打点について電極間抵抗値の低下量はΔr≧30
μΩであり、ナゲット径も十分であった。打点が進み8
46点に達したとき、Δr<30μΩのものがあらわれ
た。このものについては、ナゲット判定の基準〔1〕に
より1サイクルの通電時間延長が自動的に加えられた。
その結果、制御(通電延長)後のナゲット判定の基準
〔2〕を満足し、ナゲット径も十分であった。
【0123】なお、図中の各電極間抵抗値の低下量Δr
は図中に示した打点区域内の全打点について示してあ
る。また、低下量Δrは3サイクル通電後の値であり、
通電時間延長後のΔrp値は示していない。1500打
点付近になると、電極間抵抗値の低下量Δrは全体的に
小さくなり、Δr<30μΩの打点数もかなり多くなっ
た。これらについては、いずれも通電延長の処置が自動
的に講じられ、Δrp値は基準〔2〕をいずれも満足し
た。
【0124】2300点付近になると、通電延長の頻度
が高くなり、充分なナゲットが得られなくなるまでの打
点数又は期間が少なくなったと推定される。したがっ
て、電流値増大の基準〔5〕により設定電流値が自動的
に13kAに上昇した。これによって通電延長の頻度は
小さくなった。打点数が2832点で不規則通電が発生
した。このものについてはナゲット判定の基準〔3〕に
より判定された。
【0125】打点数が3400点付近では、通電延長の
頻度が再び大きくなり、設定電流値は自動的に15kA
に上昇した(図示していないが、3200点付近ですで
に電流値は14kAに上昇している。)。3740点付
近で電流値は更にアップして16kAとなり、4450
打点付近では不規則通電が多く現れるようになり、した
がって加圧力増大の基準〔6〕により、加圧力が自動的
に260kgf〔2548N〕に上昇した。
【0126】かくして適応制御により人手を加えること
なく、5400打点まで十分なナゲットを確保し、かつ
工程内品質保証を実現しながら打点が完遂された。ちな
みに、打点数5400点はパネル300セット、自動車
300台分であり、平均的な自動車製造ラインの一日の
仕事量に相当する。なお、図33に示したナゲット径
は、母材3枚合わせであるので、各打点に対し2つあ
る。それらはいずれもほぼ同じ値を示したが、図中には
2つのうち小さい方の値を示した。
【0127】ここで基準は満たすものの、Δr値の特に
小さいもの、不規則通電が発生したものについては、全
数調査を行ったが、いずれもナゲット径は十分であっ
た。さらに、本例では、適応制御による電流値の増大は
一定の打点数で一斉に行われる。しかしながら、同一の
パネルにおいて部位A、Bで示すように各打点位置によ
ってナゲット形成の難易度が異なる。したがって、個々
の打点位置に対し、又は難易度別に分類した各グループ
について、電流値増大の処置を個別に又はグループ毎に
実施することも考えられる。これによって、溶接電極の
寿命の延長が可能となる。
【0128】また、本例では、試験開始時の溶接条件は
各パネルの全打点について一定とした。試験開始時の溶
接条件についてもナゲット形成の難易度によって個々に
又はグループ毎に違えて、開始することも考えられる。
これによっても、溶接時の不必要な加熱を防ぎ、溶接電
極の寿命の延長を図ることができる。 {強度試験}従来技術によって組付けた自動車ホワイト
ボデーと、これと同じ部材を用い、サイドメンバーのう
ちドア開口部のみ実施例1のシステムで打点し、他は従
来技術で組付けたホワイトボデーとについて、車体の曲
げ剛性を比較した。結果を図34に示す。
【0129】ここで、ドア開口部の打点数は従来技術で
は164打点あるが、本システムによる場合は71打点
と削減した。打点数削減率は57%である。なお、実施
例のシステムによる溶接部は打点後、180℃×30分
の加熱による硬化処理が施されている。図34にみられ
るように、本システムによって組付けられたボデーの曲
げ剛性は打点数の大幅な削減にもかかわらず、従来に劣
らない高い値を示した。主として、本システムの接着効
果によるものである。 {価値分析}従来技術に代えて本システムを大量生産方
式による自動車ボデーの組付け工程に導入した場合の価
値分析は、以下の通りである。 A.利点 1.板間抵抗値の増大による接合エネルギーの低減に由
来する事項 a)消費電力の節約(消費電力は従来技術の約1/3) b)ガントラ付ロボットの小型化又は溶接機の空冷化
(設備費の低減) c)スパッタの低減(設備保全費の低減) d)バリが発生しない(仕上げ工数の低減) e)溶接歪の低減(手直し工数の低減) f)圧痕が小さい(見栄え向上) g)溶接電極の長寿命化(安定打点、溶接電極費の低
減) h)電極の溶着の低減(ラインストップの防止) i)溶接熱影響部が狭い(母材の変質の防止) 2.電極間抵抗値の変化とナゲット成否との関係を明確
にしたことに由来する事項 a)工程内品質保証の達成(全打点に対する確実な保
証)。したがって、抜き取り検査(タガネチェック)の
廃止 b)適応制御によるFA化の達成(人件費の削減) 3.抵抗増大物質の接着効果に由来する事項 a)継手のシール性(水密性の確保) b)車体剛性の向上(車体の軽量化、操縦安定性の向
上) c)接合強度の向上(安全性の向上) d)振動特性の向上(操縦安定性及び乗り心地の向上) e)騒音の低減(快適性の向上) f)衝撃特性の向上(安全性の向上) B.欠点 a)生産ラインに適数個の自動塗布機の導入が必要(追
加設備費が必要) b)モニタ用機器の導入(追加設備費が必要) c)塗布工程の増加 d)抵抗増大物質(接着剤)のコスト C.比較 従来技術に代えて本システムを導入した場合、コストア
ップの要因は小さく、全体としてはコストダウンの可能
性を含みながら、一方で前述した種々の利点について効
果又は利益を得ることができる。
【0130】また、接合にウェルドボンディングを既に
採用している場合は、本システムの導入による一層のコ
ストダウン効果とともに、溶接性の著しい改善と工程内
品質保証とが得られる。 (実施例2)実施例2では、図21に示す自動電極研磨
機29を用い、請求項6のシステムを具体化している。
つまり、「適応制御工程」において、図23に示すステ
ップS205における加圧力の増大の代わりに、溶接電
極の自動研磨を行う。他の構成・作用は実施例1と同一
である。
【0131】このシステムでは、「推定工程」におい
て、連続打点中に不規則通電の頻度が基準より多けれ
ば、溶接電極の再研磨が自動的に行われる。この場合、
次回の打点から設定電流値が初期設定値にリセットさ
れ、溶接を継続することが可能である。 (実施例3)実施例3では、図35に示すように、抵抗
増大物質として穴明きテープを用いた場合であり、請求
項14のシステムを具体化している。他の構成・作用は
実施例1と同一である。
【0132】このシステムでは、両面接着穴明きテープ
30が両面に接着力を有し、図示しない貼付装置により
一方のパネル31に貼付された後、もう一方のパネルが
セットされ、スポット溶接される。この時、溶接ロボッ
ト13は両溶接電極32を結ぶ中心線が穴明きテープ3
0の穴30aの中心にほぼ一致するようにコンピュータ
によって制御される。
【0133】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜14の
システムでは、各請求項記載の構成を採用しているた
め、大量生産方式下において、溶接性を改善し、高い生
産性を維持することができる。また、請求項1〜14の
システムでは、各請求項記載の構成を採用しているた
め、大量生産方式下において、全溶接部を打点と同時に
チェックして工程内品質保証を行うとともに、更に溶接
品質についての不具合の発生を事前に察知することによ
り、事前にその解消をはかることができる。
【0134】したがって、本システムは、品質保証に対
する要求の高まりを受け、今日の課題に沿うものとして
期待される。また、請求項13、14のシステムでは、
請求項13、14の構成を採用しているため、大量生産
方式下において、生産性の向上と工程内品質保証と適応
制御による長時間無人化運転とを可能としながら、併せ
て接合部にシール又は接着機能を付与し、シール性の確
保、剛性の向上等、付加価値の高い接合部を形成するこ
とができる。
【0135】さらに、本システムの導入にあたっては、
従来の接合方式に比べてコストダウンの可能性が大き
い。なお、各請求項記載の発明は、その趣旨を逸脱しな
い範囲で、種々の変形、改良を施した態様で実施しうる
ものである。例えば、第1補完工程における通電時間の
延長とともに、自動的に設定電流値を増大し、再度通電
してナゲットの形成を達成することもできる。また、適
応制御工程における溶接電極の自動研磨、加圧力の増
大、通電時間の延長及び設定電流値の増大を少なくとも
1種以上で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークを用いた加圧力と電極間抵抗値との関係
及び加圧力とパネル間の接触面積との関係を示すグラフ
である。
【図2】接着剤中のアルミナ粉末の量とナゲット径との
関係を示すグラフである。
【図3】設定電流値とナゲット径との関係を示すグラフ
である。
【図4】負荷の繰り返し数と引張剪断負荷荷重との関係
を示すグラフである。
【図5】合金化溶融亜鉛めっき鋼板2枚合わせの場合の
電流値とナゲット径並びに電極間抵抗値との関係を示
し、定置式溶接機で短冊形試験片を溶接した場合のグラ
フである。
【図6】図5と同一の関係を示し、ガントラ付ロボット
でワークを溶接した場合のグラフである。
【図7】合金化溶融亜鉛めっき鋼板と裸普通鋼板の2枚
合わせの場合の電流値とナゲット径並びに電極間抵抗値
との関係を示し、定置式溶接機で短冊形試験片を溶接し
た場合のグラフである。
【図8】図7と同一の関係を示し、ガントラ付ロボット
でワークを溶接した場合のグラフである。
【図9】合金化溶融亜鉛めっき鋼板3枚合わせの場合の
電流値とナゲット径並びに電極間抵抗値との関係を示
し、定置式溶接機で短冊形試験片を溶接した場合のグラ
フである。
【図10】図9と同一の関係を示し、ガントラ付ロボッ
トでワークを溶接した場合のグラフである。
【図11】合金化溶融亜鉛めっき鋼板、裸高張力鋼板と
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の3枚合わせの場合の電流値
とナゲット径並びに電極間抵抗値との関係を示し、定置
式溶接機で短冊形試験片を溶接した場合のグラフであ
る。
【図12】図11と同一の関係を示し、ガントラ付ロボ
ットでワークを溶接した場合のグラフである。
【図13】合金化溶融亜鉛めっき鋼板、裸高張力鋼板、
裸普通鋼板と裸普通鋼板の4枚合わせの場合の電流値と
ナゲット径並びに電極間抵抗値との関係を示し、定置式
溶接機で短冊形試験片を溶接した場合のグラフである。
【図14】図13と同一の関係を示し、ガントラ付ロボ
ットでワークを溶接した場合のグラフである。
【図15】成形した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(ワー
ク)3枚合わせについて、同一電極による連続打点中の
電極間抵抗値の低下量の変化とナゲット径との関係を示
し、溶接電流12kA、通電時間3サイクルの場合のグ
ラフである。
【図16】図15と同一の関係を示し、溶接電流12k
A、通電時間4サイクルの場合のグラフである。
【図17】図15と同一の関係を示し、溶接電流14k
A、通電時間3サイクルの場合のグラフである。
【図18】成形した合金化溶融亜鉛めっき鋼板(ワー
ク)3枚合わせについて、同一電極による連続打点中の
電極間抵抗値の低下量の変化とナゲット径との関係を示
し、溶接電流12kA、通電時間3サイクルの場合のグ
ラフである。
【図19】図18と同一の関係を示し、溶接電流12k
A、通電時間4サイクルの場合のグラフである。
【図20】図18と同一の関係を示し、溶接電流14k
A、通電時間3サイクルの場合のグラフである。
【図21】実施例1のパイロットラインを示す模式構成
図である。
【図22】実施例1のパイロットラインにおけるメイン
フローチャートである。
【図23】実施例1のパイロットラインにおける不規則
通電ルーチンのフローチャートである。
【図24】実施例1のパイロットラインにおける算出等
ルーチンのフローチャートである。
【図25】実施例1のパイロットラインにおける通電時
間延長ルーチンのフローチャートである。
【図26】実施例1のパイロットラインにおける単調減
少パターンルーチンのフローチャートである。
【図27】実施例1のパイロットラインにおける凹型パ
ターンルーチンのフローチャートである。
【図28】実施例1のパイロットラインにおける凸型パ
ターンルーチンのフローチャートである。
【図29】実施例1のパイロットラインにおける単調増
加パターンルーチンのフローチャートである。
【図30】実施例1によって得られた打点数と電極間抵
抗値の低下量との関係を示すグラフである。
【図31】実施例1によって得られた打点数と電極間抵
抗値の低下量との関係を示すグラフである。
【図32】実施例1によって得られた打点数と電極間抵
抗値の低下量との関係を示すグラフである。
【図33】実施例1によって得られた打点数とナゲット
径との関係を示すグラフである。
【図34】実施例1によって得られた車体と従来技術に
よって得られた車体との曲げ剛性値を示すグラフであ
る。
【図35】実施例2のパイロットラインの一部を示し、
(a)は斜視図、(b)は要部模式断面図である。
【符号の説明】
10a:ダッシュパネル 10b:カウルイ
ンナパネル 10c:カウルアウタパネル 11:ボデー(サ
ブアッシー) 12:抵抗増大物質塗布ロボット 13:溶接ロボッ
ト 14:塗布ロボット制御盤 15:工程制御盤 16:溶接ロボット制御盤 17:パネルセッ
ト治具 18:塗布装置制御盤 19:溶接電流制
御装置 20:圧送ポンプ 21:ホース 22:ノズル 23:溶接電流ケ
ーブル 24:溶接ガン 25:溶接トラン
ス 26:溶接電流モニタ線 27:電極間電圧
モニタ線 28:溶接品質管理モニタ(ホストコンピュータ) 29:自動電極研磨機 30:穴明きテー
プ 31:パネル 32:溶接電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 11/24 398 11/25 512 37/00 F G06F 17/60 (72)発明者 祖父江 直 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形された少なくとも2枚の鋼板からなる
    各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を介してスポット溶
    接することにより、これらの部材を構造物として組付け
    る亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステムで
    あって、 治具に上記部材の一方を固定する固定工程と、 固定された該部材の上記接合面上の定位置に抵抗増大物
    質を配置する配置工程と、 配置された抵抗増大物質を挟み、該部材の該接合面とこ
    れに組付けられる他方の上記部材の上記接合面とを重ね
    合わせる重合工程と、 スポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結ぶ線を該接
    合面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位置させ、該
    各溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧力で加圧す
    る加圧工程と、 該溶接電極間に溶接電流を所定の通電時間及び設定電流
    値の下、通電する通電工程と、 該溶接電流の該通電時間内における該溶接電極間の電気
    特性を検出する検出工程と、 検出された該電気特性から電極間抵抗値を算出するとと
    もに、該電極間抵抗値から抵抗値変化特性を算出する算
    出工程と、 予め設定した基準と該抵抗値変化特性とを比較し、ナゲ
    ットの成否を判定する第1判定工程と、 該第1判定工程の否なる判定により、自動的に溶接条件
    を変更してナゲットの形成を補完する第1補完工程と、 該第1補完工程後に、予め設定した基準と再度算出され
    た抵抗値変化特性とを比較し、該ナゲットの成否を再度
    判定する第2判定工程と、 該第2判定工程の否なる判定を記録する判定結果記録工
    程と、 同一の該溶接電極による連続打点中、該電気特性、該電
    極間抵抗値及び該抵抗値変化特性の少なくとも一種を連
    続的に記録する連続記録工程と、 該連続記録工程の記録により充分なナゲットが得られな
    くなるまでの打点数又は期間を推定する推定工程と、 該推定工程の推定値が予め設定した基準に達したとき、
    自動的に以後の該溶接条件を変更する適応制御工程と、 該判定結果記録工程の記録により又は一連の該工程中の
    不測の事態により所定のナゲットが形成されなかった場
    合、別に設けたバックアップシステムの作動を促し、該
    ナゲットの形成を達成する第2補完工程と、 該各工程間の該部材を搬送する搬送工程と、を有し、該
    各工程を結ぶ生産ライン全体をホストコンピュータで一
    括統合管理することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のスポ
    ット溶接自動組付けシステム。
  2. 【請求項2】成形された少なくとも2枚の鋼板からなる
    各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を介してスポット溶
    接することにより、これらの部材を構造物として組付け
    る亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステムで
    あって、 治具に上記部材の一方を固定する固定工程と、 固定された該部材の上記接合面上の定位置に抵抗増大物
    質を配置する配置工程と、 配置された抵抗増大物質を挟み、該部材の該接合面とこ
    れに組付けられる他方の上記部材の上記接合面とを重ね
    合わせる重合工程と、 スポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結ぶ線を該接
    合面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位置させ、該
    各溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧力で加圧す
    る加圧工程と、 該溶接電極間に溶接電流を所定の通電時間及び設定電流
    値の下、通電する通電工程と、 該溶接電流の該通電時間内における該溶接電極間の電気
    特性を検出する検出工程と、 検出された該電気特性から電極間抵抗値を算出するとと
    もに、該電極間抵抗値から抵抗値変化特性を算出する算
    出工程と、 予め設定した基準と該抵抗値変化特性とを比較し、ナゲ
    ットの成否を判定する第1判定工程と、 該第1判定工程の否なる判定により、自動的に溶接条件
    を変更してナゲットの形成を補完する第1補完工程と、 該第1補完工程後に、予め設定した基準と再度算出され
    た抵抗値変化特性とを比較し、該ナゲットの成否を再度
    判定する第2判定工程と、 該第2判定工程の否なる判定を記録する判定結果記録工
    程と、を有することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のスポ
    ット溶接自動組付けシステム。
  3. 【請求項3】成形された少なくとも2枚の鋼板からなる
    各部材の各接合面間に亜鉛めっき層を介してスポット溶
    接することにより、これらの部材を構造物として組付け
    る亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステムで
    あって、 治具に上記部材の一方を固定する固定工程と、 固定された該部材の上記接合面上の定位置に抵抗増大物
    質を配置する配置工程と、 配置された抵抗増大物質を挟み、該部材の該接合面とこ
    れに組付けられる他方の上記部材の上記接合面とを重ね
    合わせる重合工程と、 スポット溶接機の一対の溶接電極の中心を結ぶ線を該接
    合面間にある該抵抗増大物質のほぼ中央に位置させ、該
    各溶接電極によりこれらの部材を所定の加圧力で加圧す
    る加圧工程と、 該溶接電極間に溶接電流を所定の通電時間及び設定電流
    値の下、通電する通電工程と、 該溶接電流の該通電時間内における該溶接電極間の電気
    特性を検出する検出工程と、 検出された該電気特性から電極間抵抗値を算出するとと
    もに、該電極間抵抗値から抵抗値変化特性を算出する算
    出工程と、 予め設定した基準と該抵抗値変化特性とを比較し、ナゲ
    ットの成否を判定する第1判定工程と、 該第1判定工程の否なる判定により、自動的に溶接条件
    を変更してナゲットの形成を補完する第1補完工程と、 該第1補完工程後に、予め設定した基準と再度算出され
    た抵抗値変化特性とを比較し、該ナゲットの成否を再度
    判定する第2判定工程と、 該第2判定工程の否なる判定を記録する判定結果記録工
    程と、 同一の該溶接電極による連続打点中、該電気特性、該電
    極間抵抗値及び該抵抗値変化特性の少なくとも一種を連
    続的に記録する連続記録工程と、 該連続記録工程の記録により充分なナゲットが得られな
    くなるまでの打点数又は期間を推定する推定工程と、 該推定工程の推定値が予め設定した基準に達したとき、
    自動的に以後の該溶接条件を変更する適応制御工程と、
    を有することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のスポット溶
    接自動組付けシステム。
  4. 【請求項4】第1補完工程における溶接条件の変更は、
    溶接電流の通電時間の延長であることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自
    動組付けシステム。
  5. 【請求項5】判定結果記録工程の記録により又は一連の
    工程中の不測の事態により所定のナゲットが形成されな
    かった場合、別に設けたバックアップシステムの作動を
    促し、該ナゲットの形成を達成する第2補完工程を有す
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の亜鉛めっき鋼
    板のスポット溶接自動組付けシステム。
  6. 【請求項6】推定工程は、連続打点中、予め設定した基
    準と抵抗値変化特性とを比較することにより、充分なナ
    ゲットが得られなくなるまでの打点数又は期間を推定
    し、適応制御工程における溶接条件の変更は、溶接電極
    の自動研磨であることを特徴とする請求項1又は3記載
    の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステム。
  7. 【請求項7】推定工程は、連続打点中、予め設定した基
    準と不規則通電の頻度とを比較することにより、充分な
    ナゲットが得られなくなるまでの打点数又は期間を推定
    し、適応制御工程における溶接条件の変更は、加圧力の
    増大であることを特徴とする請求項1又は3記載の亜鉛
    めっき鋼板のスポット溶接自動組付けシステム。
  8. 【請求項8】適応制御工程における溶接条件の変更は、
    溶接電流の通電時間の延長であることを特徴とする請求
    項1又は3記載の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組
    付システム。
  9. 【請求項9】適応制御工程における溶接条件の変更は、
    設定電流値の増大であることを特徴とする請求項1又は
    3記載の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付システ
    ム。
  10. 【請求項10】抵抗増大物質は、重合工程において、接
    合すべき鋼板の接合面間に間隙を確保するスペーサを有
    するものであることを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8又は9記載の亜鉛めっき鋼板のスポ
    ット溶接自動組付システム。
  11. 【請求項11】抵抗増大物質は、加圧工程において、各
    接合面が部分的に接触すべく、該各接合面間に間隙の一
    部をスペーサの周辺に残留させるものであることを特徴
    とする請求項10記載の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接
    自動組付システム。
  12. 【請求項12】抵抗増大物質は、加圧工程において、各
    接合面が部分的に接触すべく、該各接合面間に間隙の一
    部をスペーサの周辺に残留させ、該残留間隙は、通電時
    において、溶融又は蒸発した亜鉛が溶接部から外部に逃
    出可能な大きさであることを特徴とする請求項10記載
    の亜鉛めっき鋼板のスポット溶接自動組付システム。
  13. 【請求項13】抵抗増大物質は、難導電性粒体群と粘稠
    物との混合物であり、該難導電性粒体群はスペーサとし
    ての機能を有し、該粘稠物は、構造物の塗装乾燥時にお
    ける加熱等により、発泡し又は接着力が増大するもので
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9、10、11又は12記載の亜鉛めっき鋼板
    のスポット溶接自動組付システム。
  14. 【請求項14】抵抗増大物質は、両面接着穴明きテープ
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10、11又は12記載の亜鉛めっき
    鋼板のスポット溶接自動組付システム。
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