JPH08130828A - 電力系統の電圧安定度監視方法およびその装置 - Google Patents

電力系統の電圧安定度監視方法およびその装置

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JPH08130828A
JPH08130828A JP6270888A JP27088894A JPH08130828A JP H08130828 A JPH08130828 A JP H08130828A JP 6270888 A JP6270888 A JP 6270888A JP 27088894 A JP27088894 A JP 27088894A JP H08130828 A JPH08130828 A JP H08130828A
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voltage stability
power system
voltage
bus
power
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JP6270888A
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Takaharu Ishida
隆張 石田
Chihiro Fukui
千尋 福井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電圧安定度を監視する電圧安定度監視装置にお
いて、対象系統の負荷母線の電圧安定度を高速に、かつ
容易に判定することを目的とする。 【構成】電力系統中の電圧安定状態を得たい着目負荷母
線に対して、少なくとも2地点の基準母線を基礎とした
潮流計算を行い、それぞれのPVカーブの差分情報か
ら、電圧安定状態を判定する。 【効果】従来の判定方法と地較して、少ない計算量で精
度の高い安定度情報を得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は任意の時間断面の潮流状
態に対する着目負荷母線の電圧安定度を判断する電圧安
定度監視方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
(1)森啓之,田村康男,電力系統における電圧信頼度
のオンライン指標について.電気学会電力技術研究会,
PE85−41(1985),21−29. 電力系統中の各負荷母線の安定度判断の指標に関する公
知例に文献(1)がある。この方法の特徴は着目負荷母
線の電圧安定度の判定に潮流計算を用いるものである。
ここでの電力系統での潮流計算問題は、電圧低め解と電
圧高め解が存在する潮流多根問題である。潮流多根問題
の性質として、着目負荷母線の有効電力量が電圧安定限
界に達したときは、電圧高め解と電圧低め解が一致する
性質がある。さらに、着目負荷母線の有効電力量が電圧
安定限界より減少してゆくに連れて、電圧高め解と電圧
低め解の差が大きくなる性質がある。公知例(1)の電
力系統中の負荷母線の電圧安定度判別は、前記の性質を
利用した指標である。この指標では電圧安定度が悪くな
るほど指標の値が小さくなる特徴がある。
【0003】(2)J. Carpentier,R. Girad,E. Scan
o,Voltage Collaspe Proximity Indicators Computed
from an Optimal Power Flow. Proc. PSCC VIII,Hels
inki,1984,671−678. 本公知例の電圧安定度指標は、各負荷母線で無効電力消
費が微小変化したときに、全発電機からの無効電力発生
量がどの程度変化するかに着目したものである。この方
法で定義した指標の値が大きいほど、負荷の変動に対す
る発電機からの無効電力発生量が大きいことになる。こ
のことは電圧不安定点に近づいていることを示してい
る。電圧安定度限界点ではどんなに無効電力を増加して
も負荷へは到達しないことになる。この指標は、電力系
統中に存在する発電機界磁電流限界に起因して、不連続
かつ急峻な変化を示す特徴がある。
【0004】(3)特開平4−197032号 本公知例では、前記公知例(1)に示した電圧安定度指
標に必要な電圧低め解を求める際に、ノード電圧の差分
値という概念を用いる。すなわち、電力系統の運用状態
から求めた高め解と、需要を変化させたもう一つの高め
解とから各ノードの電圧の差分を求め、正規化した各ノ
ード電圧の変化率をαとして用いて低め解計算用の初期
値を計算する。また、計算対象系統の運用状態のみを入
力とし、任意の運用状態に対して前記公知例(1)の電
圧安定度指標を求めるための低め解を計算する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術中、
(1)の指標を求めるためには該当する電力系統の潮流
計算を実行し、必ず電圧低め解を求める必要がある。し
かし、一般的には、電圧低め解を求めるために特別な処
理が必要である。たとえば前記した公知例の特開平4−1
97032号にあるようにノード電圧の差分値を各ノードに
対して求める方法が必要である。あるいは電圧低め解を
求めるために、公知例特開平4−300787 号にあるよう
に、電圧低め解を求めるための初期値として、潮流ヤコ
ビアンの行列式の符号が電圧高め解のそれと異なるよう
な電圧値を用いる方法が必要である。これらの公知例に
よる方法は、電圧低め解を求める処理に計算時間が非常
にかかる問題点がある。また、(2)の指標に関しては
無効電力消費の微小変化をどれだけの程度で行うのか明
確でなく、試行錯誤の上でこの量を決定しなければなら
ない問題点がある。
【0006】これら公知例の電圧安定度指標は系統にお
ける個別母線の負荷を一律増加した場合の安定度指標算
出には時間を要する特徴がある。
【0007】本発明では前記の計算実行のために時間が
かかる電圧安定度指標を高速、かつ容易に判定すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、本発明では潮流計算を実行する際の系統中の基準
母線を選択することによる微妙な潮流分布の変化と、着
目負荷母線電圧の変動を利用する。この方法は前記公知
例(1)に示した電圧低め解を求める必要がない。した
がって、前記公知例特開平4−197032号,特開平4−3007
87号に示してある、求解に時間を費やす電圧低め解を求
める手続きが不必要となる。本発明では電圧低め解を用
いて電圧安定度指標を求める方法に対し、潮流計算実行
時における、基準母線の設定位置による電力系統中の潮
流分布の変化を利用する。すなわち、電圧安定度が低い
負荷母線では、潮流計を実行した後に基準母線の選び方
により、電圧の大きさに変化が生じる性質がある。なぜ
なら、基準母線にしわ寄せされる発電機出力のミスマッ
チ分による潮流分布の変化のためである。この性質を用
いて潮流計算を実行し、電圧高め解の部分だけを対象に
してPVカーブを作成する。
【0009】PVカーブ作成の際の潮流計算実行時に、
基準母線をさまざま変化させて潮流計算を実行する。こ
の変化の方法は、電力系統の特性が明らかである場合に
は任意に設定が可能である。たとえば対象とする電力系
統が放射状系統の場合は、電圧安定度が低い系統の両端
の発電機母線を基準母線に設定するようにする。また、
系統特性が明確でない場合は、まず基準母線を考えられ
る任意の発電機母線に設定して潮流計算を実行し、その
結果をもとにPVカーブを作成する。その後に、着目負
荷母線に対し有効電力の増加分に対して最も電圧降下が
大きい場合に設定した基準母線、最も電圧降下が小さな
場合に設定した基準母線をシステム中の記憶手段に記憶
しておき、次の時間断面における電圧安定度指標計算の
際に用いるようにする。これにより従来の潮流計算と比
較して、短時間で正確な着目負荷母線の電圧変動を検出
することが可能になる。
【0010】さらに、現実の電力系統を対象として本発
明の潮流計算手法を取らず、例えば現実の電力系統状態
を反映させた仮想的な電力系統モデルに対しても本発明
の手法を用いて計算機によるシュミレートを行い、着目
負荷母線の安定状態を得ることが可能になる。
【0011】
【作用】このように本発明によればPVカーブ作成の際
に用いる潮流計算は、対象電力系統の変電所負荷特性な
どのPVカーブ作成に時間がかかる要因は極力排除し、
潮流計算実行モデルを単純化することにより処理の高速
化をはかることが可能である。
【0012】また、本発明によれば、対象とする電力系
統の負荷母線の電圧安定度を直観的,高速、かつ容易に
判定することにより、電圧制御方策が高速にかつ容易に
作成できる電圧安定度監視装置を提供することが可能に
なる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図2を用いて説明する。
【0014】図2は本発明の電力系統監視装置の一実施
例である。本発明は、対象となる電力系統201,該電
力系統より設備データを読み込むデータ読み込み装置2
02,装置202で読み込んだデータをもとに該電力系
統のノードに関する電圧安定度指標を計算する電圧安定
度指標計算装置203,装置203での計算結果を出力
する電圧安定度指標出力装置204からなる。
【0015】次に図2を用いて本発明の電圧安定度監視
装置におけるデータの流れを説明する。電圧安定度指標
計算のために必要な該電力系統201の設備データ、た
とえば送電線の抵抗分,誘導分,容量分の定数,発電機
の有効電力出力,負荷母線の有効電力負荷,無効電力負
荷,調相設備の使用量,変圧器のタップ比等の情報は端
末の電力機器,センサにより通信線251を通じてデー
タ読み込み装置202に送られる。装置202で読み込
んだデータは通信線252を通じて装置203の電圧安
定度指標計算装置に送られる。装置203での計算結果
は通信線253を通じて電圧安定度指標出力装置204
に送られる。
【0016】次に図2中の電圧安定度指標計算装置20
3の詳細について図3を用いて説明する。
【0017】本装置はデータ読み込み装置202,基準
母線設定装置302,負荷増加条件設定装置303,潮
流計算実行装置304,不安定母線判定装置305,電
圧安定度指標出力装置204から構成される。
【0018】次に本発明の電力系統監視装置のデータの
流れについて説明する。電圧安定度を判定しようとする
任意の時間断面における電力系統のデータは、データ読
み込み装置202を通じて読み込まれる。
【0019】ここでのデータ読み込み形式の一例を図4
に示す。
【0020】図4中の401は対象系統の送電線のブラ
ンチ定数,送電線の抵抗分,誘導分,容量分,変圧器タ
ップ比からなる。また、図4の402は発電機の出力デ
ータ,負荷の有効電力,無効電力,母線電圧からなるデ
ータである。このデータは図3中の通信線351を通じ
て基準母線設定装置302に送られる。基準母線設定装
置302では、対象となる任意の電力系統の中で、PV
カーブ作成に際して、基準母線として設定可能な母線
(通常は発電機母線)中任意の発電機母線を選択する。
その選択結果を通信線351を通じて基準母線設定装置
302中に入力された系統データに追加する。こうして
作成された系統データは、通信線352を通じて負荷増
加条件設定装置303に入力される。負荷増加条件設定
装置303では、PVカーブを作成するための潮流計算
の実行条件を設定する。具体的には各変電所,発電所の
有効電力,無効電力の変化量を設定し、任意の潮流条件
を作成する。ここで作成された潮流条件は通信線353
を通じて潮流計算実行装置304に送られる。潮流計算
実行装置304では通常一般的に用いられているNewton
Raphson 法を用いて交流法潮流計算を実行する。潮流
計算実行終了後、その結果は、通信線354を通じて不
安定母線判定装置305に送られる。潮流計算実行に用
いたデータは、通信線356を通じて再び負荷増加条件
設定装置303に送られる。そこで負荷条件を変更し、
潮流計算の実行後に、該データは再び通信線353を通
じて潮流計算実行装置に送られ、PVカーブ作成のデー
タを作成する。ある一つの基準母線に対するPVカーブ
の作成が完了すると、潮流計算実行装置304で用いた
潮流条件データは通信線357を通じて基準母線設定装
置302に送られる。ここでは、まだ選択されていない
発電機母線を基準母線に設定し、PVカーブ作成を繰り
返す。
【0021】次に、基準母線設定装置302の詳細につ
いて、その一例を図5を用いて説明する。
【0022】本基準母線設定方法はあらかじめ代表的な
潮流状態を示すデータを用いてオフラインで実行してお
くことが望ましい。まず本基準母線設定方法を実行する
ための変数の初期化を手段501にて行う。次に集合N
に基準母線として設定可能な母線を登録する。ここで対
象となる母線は、通常電力系統中に存在する発電機母線
であるが、設定により電力系統中の任意の母線を選択す
ることが可能である。集合Nにはこの段階で昇順に番号
が振られる。次に潮流計算実行手段503で潮流計算を
実行する。ここでは集合Nに登録されている中から最も
小さな番号が振られている発電機母線を、基準母線に設
定して潮流計算を実行する。この結果をもとに基準母線
格納手段504にて、基準母線を変化させたときの母線
電圧の最大値と最小値、その時の基準母線についてそれ
ぞれ変数Vmax,Vmin,Smax,Smin に格納する。そ
の後に対象基準母線設定変更手段505にて、潮流計算
実行に用いた基準母線を集合Nより取り除く。対象基準
母線設定変更手段505の操作を実行した後に、集合N
が空集合になるまで基準母線となりうる母線発電機母線
を変更して潮流計算を繰り返す。空集合判定手段506
で集合Nが空集合になったら変数初期化手段507にて
基準母線の選択を評価するための変数Diffを初期化す
る。次に変数初期化手段508にて変数Mに該電力系統
中のノード数を設定する。続く基準母線設定手段509
にて基準母線格納手段504にて求めた各ノードの電圧
の最大値と電圧の最小値の差を求める。カウンタ51
0,比較手段511を通じてこの差が最も大きいときに
選んだ二つの発電機母線を格納し、後の電圧安定度指標
算出のための基準母線として用いる。
【0023】なお、ここでの基準母線選択の方法は、あ
らかじめ対象とする電力系統の特性が判明していて、基
準母線として選択すべき発電機母線が自明である場合
は、その発電機母線を基準母線として選択してもよい。
【0024】また、一度設定した基準母線についても、
例えば対象とする電力系統に対して、新たな発電所等の
電力設備が付加することにより、電力系統の全体特性が
変わってしまうような場合には、その都度、対象とする
基準母線を再計算して新たに選択するようにしても良
い。
【0025】次に負荷増加条件設定装置303の詳細に
ついて図6を用いて説明する。
【0026】負荷増加条件設定装置303はPVカーブ
を作成する際の負荷増加分を設定する装置である。本実
施例では対象系統の全系の負荷を一律に増加する際の方
法について述べる。
【0027】増加方法のフローチャートを図6に示す。
【0028】増加方法はまず、初期時点での全系の負荷
をα倍にして潮流計算を実行する。この倍率αで負荷を
その都度増加させて、潮流計算が収束しなくなるまで負
荷増加率設定手段601の手続きを繰り返す。負荷増加
率設定手段601での潮流計算が非収束となった場合
に、負荷増加率設定手段602の負荷増加方法に移る。
負荷増加率設定手段602の負荷増加方法は負荷増加率
設定手段601とほとんどが同じであるが、増加の倍率
を負荷増加率設定手段601で設定した倍率の10分の
1の値に設定する。負荷増加率設定手段602での増加
方法で潮流計算が非収束となった場合は負荷増加率設定
手段603の増加方法で負荷増加率を変更する。負荷増
加率設定手段603での負荷増加方法も、負荷増加率設
定手段601,602と同じであるが、ここでは負荷増
加率を負荷増加率設定手段601での負荷増加率の100
分の1に設定する。負荷増加率設定手段603での実行
方法も負荷増加率設定手段601,602と同様であ
る。負荷増加率設定手段603で潮流計算が収束しなく
なった時点は、有効電力増加の限界に達したとみなす。
【0029】次に潮流計算実行装置304の詳細につい
て説明する。潮流計算実行装置304はNewton Raphson法
に代表される方法を用いて潮流計算を実行する装置であ
る。この方法については以下の公知例に詳しく記述され
ている。
【0030】W. F. Tinney,C. E. Hart, Power Flow So
lution by Newton's Method. IEEETrns. PAS,86
(1967),1449−1460. 実際の潮流計算の実例を以下に示す。なお、この計算手
法については、次の文献に示されている。
【0031】電力系統工学. コロナ社,1979. 求める母線電圧を数1の様に表わすと、Newton Raphson
法の修正方程式は以下の数1で表わされる。
【0032】
【数1】
【0033】e:電圧の実軸成分 f:電圧の虚軸成分
【0034】
【数2】
【0035】ただし、数2の右辺のヤコビアンの各要素
の値はe1 ,f1 ,e2▲N▼,f2▲N▼,...,e
n▲N▼,fn▲N▼に対する値である。これを解いて修
正量Δek▲N▼,Δfk▲N▼を求めればより真値に近
い以下の数3,数4に示す近似値が求められる。以上を
もとにした計算例を示す例題系統を図7に示す。
【0036】
【数3】
【0037】
【数4】
【0038】潮流計算実行のため、アドミタンス行列を
図7の系統中に書き込まれているブランチ定数から求め
る。アドミタンス行列は対角要素が対応するノードに接
続するすべてのブランチのアドミタンスの和であり、非
対角要素が対応するノード間を直接つなぐブランチのア
ドミタンス値の符号を逆にしたものであることより、数
5になる。
【0039】
【数5】
【0040】例題系統の運転条件を swing bus :A,V1=0.55p.u. 発電所母線:B P2=1.5p.u. V2=0.525p.u 変電所母線:D P3=−1.5p.u. 遅れ=0.8p.u. 変電所母線:F P4=−1.0p.u. 遅れ=0.9p.u. 変電所母線:H P5=−1.5p.u. 遅れ=0.8p.u. とすると、数2の初期値に対する各母線の有効電力,無
効電力は前記のアドミタンスマトリクスの結果を用い、
以下に示す数6〜数9のようになる。
【0041】
【数6】
【0042】
【数7】
【0043】
【数8】
【0044】
【数9】
【0045】これらと、前記運転条件より設定される値
との誤差、すなわち右辺のベクトルを数10〜数17に
示す。
【0046】
【数10】
【0047】
【数11】
【0048】
【数12】
【0049】
【数13】
【0050】
【数14】
【0051】
【数15】
【0052】
【数16】
【0053】
【数17】
【0054】数2のヤコビアンの各要素の値を求める一
例を数18に示す。
【0055】ただし、以下の設定とする。
【0056】Gkm:ノードkとノードm間のコンダクタ
ンス Bkm:ノードkとノードm間のサセプタンス
【0057】
【数18】
【0058】同様に他の要素も計算すると、繰り返し計
算1回目のヤコビアンは数18となる。
【0059】
【数19】
【0060】数10〜数17,数19からなる連立一次
方程式を解くと、Δek,Δfkは、以下のように求ま
る。
【0061】ΔeB=0 ΔfB=−0.00248 ΔeD=0.03821 ΔfD=−0.06760 ΔeF=0.07880 ΔfF=−0.01858 ΔeH=0.03951 ΔfH=−0.07935 以上の計算を収束判定基準(たとえば希望の誤差許容範
囲)を満たすまで計算を繰り返す。
【0062】次に不安定母線判定装置305の実施例に
ついて説明する。
【0063】本装置における処理の流れの詳細を図8を
用いて説明する。
【0064】不安定母線判定装置ではまず、装置701
にて、電圧不安定母線かどうかを判定する着目負荷母線
を決定する。この決定は装置を使用する人間が任意に選
ぶか、あるいは想定故障計算の結果などを用いて決定す
る。その後、図3の通信線354を通じて得た潮流計算
結果を用いて、装置702において着目負荷母線のPV
カーブを作成する。PVカーブ作成のための各ノードの
負荷増加に対する電圧値は図3中の負荷増加条件設定装
置303,潮流計算実行装置304にて求めてあるの
で、装置702では図1グラフ表示100に示すように
得られた結果に対してそれぞれの点をプロットすればよ
い。本実施例では図5に示した方法、あるいは前記公知
例の方法をもとに、負荷増加量の限界点までのPVカー
ブを電圧高め解の範囲についてのみ作成する。装置70
2で作成するPVカーブは図3の基準母線設定装置30
2中で設定した基準母線の数だけ作成する。前記した図
5の方法を用いて予め二つの母線を基準母線として選択
した場合の一例を図1グラフ表示100に示す。グラフ
表示100は系統図10に示した6母線系統にて、母線
Cに関するPVカーブを基準母線をそれぞれA,Bに設
定して作成した例である。電圧降下率が小さいPVカー
ブの一例101が母線Bを基準母線にPVカーブを作成
した場合、電圧降下率が大きいPVカーブの一例102
が母線Aを基準母線に設定した場合のPVカーブであ
る。
【0065】次に図8の装置702で作成したPVカー
ブをもとに、装置703で安定判別対象母線に対してP
Vカーブ差分曲線を作成する。本装置では図3の基準母
線設定装置302,負荷増加条件設定装置303で作成
したPVカーブ中、2種類以上の基準母線を設定するこ
とが可能であるが、その場合には、その中で有効電圧の
増加に対し最も電圧降下率が小さいPVカーブの一例1
01と、有効電力の増加に対し最も電圧降下率が大きい
PVカーブの一例102を選択する。ここで求めた2種
類のPVカーブの差分量を求め、PVカーブ差分曲線の
一例103を作成する。この様子を図1中のグラフ表示
110に示す。グラフ表示110のPVカーブ差分曲線
の一例103が求めたPVカーブ差分曲線である。な
お、PVカーブの表示を必要としない場合は単なる数値
計算を実行し、PVカーブ差分曲線の一例103に関す
る数値データを電子計算機の記憶装置に保存すればよ
い。
【0066】グラフ表示110中の電圧差分値104
は、PVカーブ差分曲線の最大差を示している。電圧安
定判別装置804にて、この数値をもとに対象とする負
荷母線の電圧安定度を判定する。正常状態で電力系統を
運用する場合には各母線電圧の変動幅、あるいは電圧観
測器の観測誤差は1(%)以下であると言われている。
この現象をもとにPVカーブ差分曲線装置で得た差分曲
線最大差104が1(%)以下に収まっているかどうかを
もとに、対象とした負荷母線が電圧の面からの安定,不
安定を判定する。
【0067】この判定後、更に判定すべき負荷母線があ
るかどうかを装置705で判定し、なければ不安定母線
判定装置305の処理を終了し、結果を電圧安定度指標
出力装置204に出力する。更に判定すべき負荷母線が
あれば装置701に戻り処理を続行する。
【0068】また図2電圧安定度指標出力装置の一実施
例を図9に示す。
【0069】図9は電力系統を運用、あるいは監視する
画面構成の一例である。画面は電圧安定度監視対象とな
る変電所名を縦軸に、横軸にこれから変動しうる変電所
の有効電力を示す先に求めた電圧安定度指標を各有効電
力に対して求める。指標の表示方法は図9に示すように
棒グラフで行う。表示は指標より安定であると判定され
た領域、すなわち、図1の電圧差分値が1(%)以下の
領域と、不安定であると判定された領域、すなわち図1
の電圧差分値が1(%)以上の領域を違う色を用いて表
示する。このように一目で安定,不安定がわかるように
表示を行うことにより、電力系統を運用する人間が現時
点での電圧安定度の把握の支援を行うことが可能にな
る。
【0070】以上、本発明の一実施例を説明したが、上
述した本発明の実施にあたっては種々の構成を取ること
が可能である。例えば基準母線設定装置302,負荷増
加条件設定装置303等の装置を独立した機器として備
え、各機器を通信線を介して接続するシステム構成を取
っているが、これらの装置機能をソフトウェア的な処理
手段に置き換えて、単体のコンピュータシステム中でそ
れらの処理動作を行い、結びつけるようにしても良い。
【0071】また、本発明は現実の電力系統のみを対象
とせずに、例えば予め準備しておいた実際の電力系統状
態を反映させた仮想的な電力系統データを使用して潮流
計算を行うことによっても同様の効果が得られる。
【0072】さらに、実施例では潮流計算にあたり電圧
高め解のみを使用しているが、この手段が複雑になり時
間がかってしまうが、電位低め解を求めるようにするこ
とによっても同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、従来の電力系統の母線
安定度判断手段と比較して、計算量を少なくしながら、
目的とする負荷母線の電圧安定度を高速に、かつ容易に
判定することができる。
【0074】さらに特定の負荷母線の電圧安定度を判断
するにあたって、前もって基準となる母線を認識してお
くことにより、さらに計算量を少なくしながら同様に判
定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の特徴を表わす図。
【図2】本発明を電圧安定度監視装置に適用した場合の
構成図。
【図3】本発明を電圧安定度監視装置に適用した場合の
処理の流れ図。
【図4】データ読み込み装置で読み込むデータ種類の一
例。
【図5】基準母線設定装置の詳細を示す図。
【図6】負荷増加率設定装置の詳細を表わす図。
【図7】潮流計算例の対象系統図。
【図8】電圧安定度指標計算装置の詳細図。
【図9】電圧安定度指標表示装置の一実施例。
【符号の説明】
10…対象とする電力系統、100,110…グラフ表
示、101…電圧降下率が小さいPVカーブの一例、1
02…電圧降下率が大きいPVカーブの一例、103…
PVカーブ差分曲線の一例、104…電圧差分値、20
1…対象とする電力系統、202…データ読み込み装
置、203…電圧安定度指標計算装置、204…電圧安
定度指標出力装置、251,252,253,351,
352,353,354,355,356,357…通
信線、302…基準母線設定装置、303…負荷増加条
件設定装置、304…潮流計算実行装置、305…不安
定母線判定装置、401…系統定数読み込みの例、40
2…発電機出力,母線負荷データベース読み込みの例、
501…変数初期化手段、502…基準母線初期設定手
段、503…潮流計算実行手段、504…基準母線格納
手段、505…対象基準母線設定変更手段、506…空
集合判定手段、507,508…変数初期化手段、50
9…基準母線設定手段、510…カウンタ、511…比
較手段、601,602,603…負荷増加率設定手段、8
01…安定判定対象母線選択装置、802…PVカーブ
作成装置、803…PVカーブ差分曲線作成装置、80
4…電圧安定判別装置、805…安定判定続行決定装
置、901…変電所名、902…電圧安定指標表示棒グ
ラフ、903…安定領域を示す色、904…不安定領域
を示す色。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象電力系統の系統状態データを読み込む
    こと、前記電力系統の特定の着目負荷母線に対し、前記
    電力系統中の第一の基準母線に基づいた第一の電圧安定
    度指標を求めること、前記着目負荷母線に対し、前記電
    力系統中の第二の基準母線に基づいた第二の電圧安定度
    指標を求めること、前記第一の電圧安定度指標および第
    二の電圧安定度指標を比較することを特徴とする電力系
    統の電圧安定度監視方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記特定の着目負荷母線に対して潮流計算をした場合
    に、電圧の最大値と最小値との幅が最大になる母線をそ
    れぞれ前記第一,第二の基準母線と設定することを特徴
    とする電力系統の電圧安定度監視方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記第一,第二の基準母線の設定を行う前記特定の着目
    負荷母線に対する潮流計算を予め行うことを特徴とする
    電力系統の電圧安定度監視方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記第一の電圧安定度指標および第二の電圧安定度指標
    を比較する毎に、前記第一,第二の基準母線の設定を行
    う前記特定の着目負荷母線に対する潮流計算を行うこと
    を特徴とする電力系統の電圧安定度監視方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記電力系統の系統状態データを前記電力系統からリア
    ルタイムで読み取ることを特徴とする電力系統の電圧安
    定度監視方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記電力系統の系統状態データは前記電力系統を反映し
    た仮想の系統状態データであることを特徴とする電力系
    統の電圧安定度監視方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項の電力系統の電圧安
    定度監視方法において、 前記電力系統の系統状態データは前記電力系統を反映し
    た仮想の系統状態データであることを特徴とする電力系
    統の電圧安定度監視方法。
  8. 【請求項8】任意の時間断面における電力系統状態デー
    タを読み込むデータ読み込み手段,前記電力系統におけ
    る基準母線を設定する基準母線設定手段,電力系統の各
    母線での有効電力と電圧の関係を求める潮流計算手段,
    該潮流計算に応じて母線の電圧特性が不安定状態である
    を出力する不安定母線情報出力手段を備えたことを特徴
    とする電圧安定度監視装置。
  9. 【請求項9】請求項8の電圧安定度監視装置において、 前記潮流計算手段は基準母線設定装置にて設定した各基
    準母線、および前記電力系統の負荷を増加させる条件に
    より潮流計算を実行し、 前記不安定母線情報出力手段は対象系統中の着目負荷母
    線に対して作成した複数のPV曲線中、電圧の有効電力
    の増加に対して最も電圧の低下率が大きくなるように基
    準母線を設定したPV曲線と、有効電力の増加に対して
    最も電圧の低下率が小さくなるように基準母線を設定し
    たPV曲線との電圧の差分量をもとに、不安定母線を判
    定することを特徴とする電圧安定度監視装置。
  10. 【請求項10】請求項9の電圧安定度監視装置におい
    て、 前記基準母線設定手段は電力系統中の設定可能な任意の
    母線を基準母線として設定し、それぞれの場合に対して
    作成したPV曲線の電圧の差分量をもとに、着目母線に
    対する電圧安定度を判断することを特徴とする電圧安定
    度監視装置。
  11. 【請求項11】請求項10の電圧安定度監視装置におい
    て、 前記基準母線設定手段は対象とする電力系統中のあらか
    じめ設定した特定の2地点の母線を基準母線として設定
    し、それぞれの場合に対して作成したPV曲線の電圧の
    差分量をもとに、着目母線に対する電圧安定度を判断す
    ることを特徴とする電圧安定度監視装置。
  12. 【請求項12】請求項11の電圧安定度監視装置におい
    て、 前記電力系統状態データは任意の時間断面における電力
    系統の負荷量ならびに発電量,該時間断面での系統定数
    を含むことを特徴とする電力系統の電圧安定度監視装
    置。
  13. 【請求項13】請求項11の電圧安定度監視装置におい
    て、 前記電力系統の系統状態データは前記電力系統を反映し
    た仮想の系統状態データであることを特徴とする電力系
    統の電圧安定度監視方法。
  14. 【請求項14】請求項13の電圧安定度監視装置におい
    て、 前記電力系統状態データは電力系統の負荷量ならびに発
    電量,電力系統の系統定数を含むことを特徴とする電力
    系統の電圧安定度監視装置。
  15. 【請求項15】請求項11の電圧安定度監視装置におい
    て、 不安定母線情報出力手段は求めた電圧安定度指標をあら
    かじめ決定した基準により安定,不安定に分類し、それ
    ぞれを色わけして、電圧安定度と負荷の増加の関係を前
    記の色を用いた棒グラフで表わすことを特徴とする電圧
    安定度監視装置。
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