JP3755347B2 - 配電系統解析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、配電系統用の無効電力補償装置の必要設置台数を算出するための配電系統電圧解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量モータ等が接続されている配電系統においては、大容量モータの起動時等に瞬間的に大きな電圧変動が生じる。このような大容量で急変な負荷変動による電圧変動を抑制するのに有効な装置の一つが無効電力補償装置(以下、SVCと称する)であり、系統電圧が低下している場合には進み無効電力負荷として動作し、また、系統電圧が上昇している場合には遅れ無効電力負荷として動作して系統の電圧変動を改善するものである。
【0003】
このSVCの電圧改善能力は上記の瞬間的な電圧変動以外にも定常的な電圧改善にも同様に機能するものである。
【0004】
そして、このSVCを配電系統上のどの地点にどれだけの台数だけ設置すれば必要とする電圧改善を実現できるかを、実際にSVC設置前に事前に検討することが必要である。
【0005】
この検討をSVC設置シミュレーション検討と称し、以下に従来のSVC設置シミュレーション検討を行うための配電系統解析装置について説明する。
【0006】
図6に、従来の配電系統解析装置の構成図を示す。40は系統条件データ入力手段、41は演算手段、42は表示手段である。
【0007】
また図4に、配電系統とその電圧分布グラフを示す。この配電系統図(上方)と電圧分布グラフ(下方)は、横軸方向の相対的な位置が一致するように表現している。
【0008】
送り出し電圧VSSの変電所50に接続される配電系統54は、複数の区間i(i=1,2,・・・)から構成されており、各区間は模擬的に複素線路インピーダンスZi(抵抗Ri成分とリアクタンスXi成分の合成)及び負荷i(容量、力率で、i=1,2,・・・)で表される。
【0009】
この配電系統の末端PはSVC56の設置予定点である。
【0010】
60は、上記の配電系統にSVC56を設置する前後の配電系統の電圧分布を解析した結果の比較グラフである。62はSVC設置前の電圧分布グラフであり、63はSVC設置後の電圧分布グラフである。
【0011】
この場合、SVC設置前の電圧分布グラフ62のP地点でのSVC設置前電圧V1を目標電圧V0に改善する為に必要なSVC設置台数を求める。
【0012】
上記のように構成された従来の配電系統解析装置において、上記配電系統についてその処理をi=1〜5の場合で説明する。
【0013】
まず、オペレータは、配電系統を構成する要素の各種パラメータ(変電所の送り出し電圧VSS、構成区間1から区間5に対する線路インピーダンスZ1〜Z5、負荷特性L1〜L5及び力率改善用高圧コンデンサ容量C3などの情報)を収集し、系統条件データ入力手段40に入力する。
【0014】
これらのパラメータは、標準の配電系統では500個程度になる。
【0015】
次に、演算手段41は電力潮流計算などを使用して、配電系統上の各区間末端の電圧VPiを計算する。
【0016】
演算手段41では、変電所の送り出し電圧VSSを基準電圧として、配電系統を流れる電流及び配電系統のインピーダンスからインピーダンス降下を計算することで、配電系統上の各区間の電圧VPiを計算している。
【0017】
次に、表示手段42は、計算された各区間の電圧VPiを配電系統の電圧分布結果として表示する。
【0018】
オペレータは、系統条件データ入力手段40に入力したパラメータの妥当性を確認する為に、この電圧分布結果が実際の配電系統の実測値に一致するかどうかを目で見て判定し、一致しない場合は、電圧分布が実測値に一致するまで入力パラメータの漏れを再調査したり、パラメータ自体を適切な値に調整して系統条件データ入力手段40に再入力して演算手段41で算出した電圧分布結果を実測値に一致させる。
【0019】
特に、配電系統上で最も電圧が降下する地点がPである場合は、地点Pにおける電圧が実測値であるSVCの設置前電圧V1になるように調整を施す。
【0020】
次に、オペレータは、上記の通り調整した配電系統を構成する各種パラメータと、測定対象地点Pに設置するSVC56の定格無効電力Q0と、SVC56の設置台数n(nは整数)とを系統条件データ入力手段40に入力し、演算手段41にてn台のSVC56を設置後の配電系統の電圧分布を計算する。
【0021】
この電圧分布結果において、オペレータは、測定対象地点Pの電圧が目標電圧V0になるかどうかを判定し、目標電圧V0になっていない場合は目標電圧V0になるまでSVC56の設置台数を調整する。
【0022】
このように目標電圧V0を満足するSVCの設置台数nを決定して、SVC設置シミュレーション検討を完了する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術で説明した配電系統の電圧を計算する演算手段では、変電所の送り出し電圧VSSを基準電圧として、配電系統を構成する線路のインピーダンス及びその上を流れる電流からインピーダンス降下を計算することで、配電系統上の各区間の電圧VPiを計算している。
【0024】
このため、配電系統上の電圧を計算するには、配電系統上を流れる電流の要因である、配電系統上に接続された負荷や高圧コンデンサなどの情報が必要不可欠である。
【0025】
また、通常の負荷変動により発生する電圧変動は、配電系統の末端に行く程、その変動幅が大きくなる為、SVC設置シミュレーション検討をする場合、配電系統の末端の電圧値が重要となる。
【0026】
しかし、配電系統末端の電圧を計算する場合、上述のように、変電所の地点での電圧(送り出し電圧)を基準電圧とする為、負荷電流に起因する誤差が大きくはたらくので、できるだけ精度の高いSVCシミュレーション検討をするには、配電系統上に接続された負荷や高圧コンデンサなどの情報をできるだけ極め細かく収集する事が必要となる。
【0027】
これらの事から、従来の配電系統解析装置でSVC設置シミュレーション検討をする場合、オペレータは、配電系統を構成する要素の各種パラメータ(変電所の送り出し電圧、構成区間毎の線路インピーダンス、構成区間毎の負荷特性及び構成区間毎の力率改善用高圧コンデンサ容量など)を詳細に調査収集した上で系統条件データ入力手段に入力する必要があり、SVC設置シミュレーション検討に祭し、多大の工数がかかるという問題点があった。
【0028】
また、入力した各種パラメータの妥当性を確認する為に、計算したSVC設置前の電圧分布結果が配電系統の実測値に一致しない場合は、電圧分布が実測値に一致するまで入力パラメータの漏れを再調査したり、パラメータ自体を適切な値に調整する試行錯誤が必要であり、さらにSVC設置シミュレーション検討に要する工数がかかるという問題点があった。
【0029】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、入力するパラメータを減らす事により、配電系統を構成する要素の各種パラメータを詳細に調査収集する必要を無くす事と、SVC設置前の電圧分布の計算結果を配電系統の実測値に一致させる作業を不要とする事で、配電系統上に無効電力解析装置を何台設置すれば、必要とする電圧値を実現できるかの検討に要する工数を大幅に削減できる配電系統解析装置を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の配電系統解析装置の第1手段は、変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第1のデータ入力手段と、前記第1のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置の台数を演算する第1の演算手段とを有するものである。
【0031】
また、第2手段は、変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に接続される特定機器の負荷特性と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第2のデータ入力手段と、前記第2のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記特定機器が接続された時の前記測定対象地点の変動後電圧を考慮した上で前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置の台数を演算する第2の演算手段を有するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
上記目的を達成するために、本発明の配電系統解析装置の第1手段は、変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスZとからなるパラメータを入力する第1のデータ入力手段と、前記第1のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置台数を演算する第1の演算手段を有するものであるため、4つの入力パラメータから、必要な無効電力補償装置の設置台数を算出することができる。
【0033】
また、SVC設置前の電圧分布の計算結果を配電系統の実測値に一致させることを不要とすることで、SVC設置シミュレーション検討に要する工数を削減することができる。
【0034】
また、第2手段は、変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に接続されて前記測定対象地点の電圧を変動させる要因となる特定機器の負荷特性と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第2のデータ入力手段と、前記第2のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記特定機器が接続された時の前記測定対象地点の変動電圧を考慮した上で前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧V0にするために必要な設置する無効電力補償装置台数を演算する第2の演算手段を有するため、5種の入力パラメータから、新規に接続する特定機器の影響を考慮して必要な無効電力補償装置の設置台数を算出することができる。このため、SVC設置シミュレーション検討に要する工数を削減することができる。
【0035】
また、SVC設置前の電圧分布の計算結果を配電系統の実測値に一致させることを不要とすることで、SVC設置シミュレーション検討に要する工数を削減することができる。
【0036】
以下、本発明の請求項1の実施の形態を図1、図3及び図4に基いて説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態を示す配電系統解析装置の説明図、図3はフローチャート、図4は配電系統の説明図である。
図1において、10〜16の各ブロックはコンピュータシステム上のプログラムまたはファイルとして実現する。
【0038】
10はオペレータから各種演算に必要なデータを入力する為の第1の演算条件データ入力手段である。
【0039】
11は第1の演算条件データ入力手段10で入力されたデータを入力して演算を行う第1の演算手段で、SVCをn台設置した場合の測定対象地点の電圧及びSVC設置必要台数を演算する。
【0040】
13は第1の表示手段で、第1の演算手段11から出力された演算結果及び第1の演算条件データ入力手段10から出力されたデータを表示装置に表示してオペレータに入力データ及び演算結果を知らせる。
【0041】
15は報告書17に記載する付帯項目のデータをオペレータから入力させる印刷付帯項目データ入力・保存手段で、入力した結果をファイル16に保存する。付帯項目としては、報告書を作成した日付け、報告書の作成者情報などがある。
【0042】
14は第1の印刷手段で、第1の演算手段11から出力された演算結果及び第1の演算条件データ入力手段10から出力されたデータ及びファイル16の保持データをもとに、SVC設置シミュレーションの報告書を自動作成し、報告書17を出力する。
【0043】
上記のような構成において、図4(上方)の配電系統上の測定対象地点PにSVC56を設置することで、測定対象地点Pの電圧を目標電圧V0以上にしたい場合のSVCの必要設置台数を計算する動作を以下に説明する。
【0044】
まず、第1の演算条件データ入力手段10は、オペレータとの対話処理形式で変電所50から測定対象地点Pまでの各区間の累積線路インピーダンスZと、SVC設置前の電圧V1と、目標電圧V0と、設置するSVCの定格値としてのSVC1台当りの定格無効電力Q0とを演算条件データとして入力する(図3のS30)。
次に、第1の演算手段11は、入力した演算データに基き測定対象地点Pにおいて、SVC56をn台(n=1,2,・・・の整数であり、以降nは同様の値を意味する)設置後の測定対象地点Pの3相相間電圧VSnを(数1の)▲3▼式
【0045】
【数1】
【0046】
X:変電所から測定対象地点までの線路インピーダンスZのリアクタンス成分。
【0047】
V1:SVC設置前の地点Pの3相相間電圧。
【0048】
VSn:SVCをn台設置後の測定対象地点Pの3相相間電圧。
【0049】
Q0:SVC1台当りの定格無効電力(遅れの電力を正とする)。
【0050】
但し、SVCの定格電圧は6600[V]とする。
【0051】
n:SVCの設置台数。
【0052】
ΔVSn:SVCをn台設置後の測定対象地点Pの3相相間改善電圧(昇圧を正とする)
よりそれぞれ求める(S31)。
【0053】
▲1▼式では、測定対象地点Pでの改善電圧ΔVSnがSVC56から供給される電流(Q0/6600)に比例することを意味する。
【0054】
その時、SVC56から配電系統に供給する電流がSVC設置点の電圧VSnに依存することを考慮して、測定対象地点Pでの改善電圧ΔVSnが電圧VSnに依存することを表現している。
【0055】
よって、▲3▼式で演算した電圧VSnは、SVC56からの出力無効電力が設定点電圧に依存しないで、常に一定であるとして演算する場合よりも高精度で演算される。
【0056】
次に、上記のVSnと、測定対象地点Pでの目標電圧V0を比較して、目標電圧V0を満足する最小のSVC設置台数N(N=1,2,・・・の整数)を決定する(S32)。
【0057】
例として、目標電圧V0=6600[V]、実測電圧V1=6300[V]、X=4.356[Ω]、Q0=300[kvar]の時に、SVCを1台設置時の測定対象地点Pの電圧VS1は、▲3▼式に上記のパラメータとn=1とを代入して、VS1=6315[V]と計算される。SVCを2台設置時の測定対象地点Pの電圧VS2は、▲3▼式に上記のパラメータとn=2とを代入して、VS2=6702[V]と計算される。これらのケースでは、SVC設置台数2台の時の電圧であるVS2が目標電圧V0(6600[V])以上に電圧改善がはかられる事から、必要SVC台数Nを、N=2台として決定する。
【0058】
尚、上記説明では、測定対象地点PへのSVCの設置台数を順番に計算した後で必要なSVC56の台数を決定したが、▲3▼式からVSnが目標電圧V0以上となる条件の不等式を解くことで、必要なSVC台数n(実数値)が計算され、そのnを整数値に切り上げることで直接的にSVCの設置必要台数を求めることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態における配電系統解析装置では、電圧制御したい測定対象地点Pに着目する。
【0060】
そして、測定対象地点PのSVC設置前の電圧V1を基準にして、▲3▼式より、測定対象地点Pに接続したSVCにより発生する測定対象地点Pにおける電圧改善分ΔVSn66のみを計算する。
【0061】
このため、従来のようにSVC設置前の配電系統全体の電圧分布を求める必要がなくなると共に、従来入力していた配電系統を構成する区間のパラメータ全て(500個程度)を入力する必要は無くなり、僅か4個の配電系統パラメータのみを入力するだけで良くなり、多数のデータ収集作業も不要となる。
【0062】
また、基準となるSVC設置前の測定対象地点Pの電圧V1に実測値を適用することで、SVC設置前の配電系統の電圧分布計算結果を実際の配電系統の実測値に一致させる作業を不要とすることができる。
【0063】
すなわち、入力パラメータを減らし、さらに、SVC設置前の電圧分布結果を配電系統の実測値に一致させることを不要とし、SVC設置シミュレーション検討に要する工数を削減することができる。
【0064】
次に、第1の表示手段13は、第1の演算条件データ入力手段10で入力された変電所から測定対象地点Pまでの各区間の累積線路インピーダンスZ、SVC設置前の電圧V1、目標電圧V0、設置するSVCの定格値としてSVC1台当りの定格無効電力Q0、第1の演算手段で演算した測定対象地点Pの改善電圧Vn、及び測定対象地点Pでの目標電圧V0を満足できる最小のSVC設置台数Nを表示装置に表示する。(S33)
この時、SVC設置前の電圧V1と目標電圧V0の大小関係に対応させて、P点の電圧が昇圧されるのかそれとも降圧されるのかを、例えば図4を簡略化したような、電圧改善イメージ図として表示装置に表示させることで、オペレータは直感的に電圧改善状況を把握できる。
【0065】
また、印刷付帯項目データ入力・保存手段15は、オペレータとの対話処理で報告書作成日付、報告書作者の情報などの報告書の付帯項目データを入力し、ファイル16として保存する。(S33)
そして、第1の印刷手段は、第1の表示手段で表示する内容に加えて、ファイル16に保存された付帯項目データを盛り込んだ報告書を自動作成し、印刷装置に出力する。
【0066】
この報告書自動作成機能により、第1の演算条件データ入力手段10でデータを入力するだけで需要家向けに報告書17を即座に出力可能な為、SVCの営業活動面で即時引合い対応可能となる効果がある。
【0067】
(実施の形態2)
以下、本発明の請求項2及び請求項3の実施の形態を図2、図3及び図5に基いて説明する。
【0068】
実施の形態1では、配電系統上の各区間の負荷の影響で、測定対象地点Pが既に定常状態の電圧V1となっている場合に、その電圧V1を目標電圧V0に改善する為に必要なSVCの台数を算出することを目的とした。
【0069】
一方、実施の形態2では、配電系統上の各区間の負荷の影響で、測定対象地点Pが既に定常状態の電圧V1となっている状態に、測定対象地点Pに、新規設備としての負荷として、特定機器を接続した時のSVC設置シミュレーション検討を想定する。
【0070】
この場合、新規の負荷は系統上に未接続である為、実施の形態1のようにSVC設置前の測定対象地点Pの電圧が実測できない。
このため、新規の負荷が未接続である定常状態の実測電圧V1を基準にして、新規の負荷が接続された時に測定対象地点Pの電圧がどの程度変動(降下)するかを予測計算した上で、測定対象地点Pの電圧を目標電圧V0に改善する為に必要となるSVCの設置台数を算出することを目的とする。
【0071】
図2は本発明の実施の形態を示す配電系統解析装置の説明図、図3はフローチャート、図5は配電系統の説明図である。
【0072】
図5は、配電系統とその電圧分布グラフを示しており、この配電系統図と電圧分布グラフは横軸方向の相対的な位置が一致するように表現している。
【0073】
図2において、実施の形態1と同じ構成については同じ符号を付与し、その説明を省略する。
【0074】
20〜25の各ブロックはコンピュータシステム上のプログラムまたはファイルとして実現する。
【0075】
20はオペレータから各種演算に必要なデータを入力する為の第2の演算条件データ入力手段である。
【0076】
21は第2の演算条件データ入力手段20で入力されたデータを入力して演算を行う第2の演算手段で、特定機器70が測定対象地点に接続された時の測定対象地点の電圧と、その状態でのSVCをn台設置した場合の測定対象地点の電圧と、SVC設置必要台数とを演算する。
【0077】
23は第2の表示手段で、第2の演算手段21から出力された演算結果及び第2の演算条件データ入力手段20から出力されたデータを表示装置に表示してオペレータに入力データ及び演算結果を知らせる。
【0078】
24は第2の印刷手段で、第2の表示手段21から出力された演算結果及び第2の演算条件データ入力手段20から出力されたデータ及びファイル16の保持データをもとに、SVC設置シミュレーションの報告書を自動作成し、報告書25を出力する。
【0079】
上記のような構成において、図5(上方)の配電系統上の測定対象地点Pに特定機器70を接続した上で、SVCを測定対象地点Pに設置することで測定対象地点Pの電圧を目標電圧V0以上にしたい場合のSVC設置台数を計算する動作を以下に説明する。
【0080】
ここで、図5の配電系統では、図4で表示した配電系統上の各区間の負荷iの表示を省略したが、図4と同様に各区間の負荷は存在しているものとする。
まず、第2の演算条件データ入力手段20は、オペレータとの対話処理形式で変電所50から測定対象地点Pまでの線路インピーダンスZと、測定対象地点Pでの特定機器接続前かつSVC設置前の電圧V1と、目標電圧V0と、設置するSVCの定格値としてSVC1台当りの定格無効電力Q0と、特定機器70の特性として定格電圧(6600V)での皮相電力QLと力率cosΦとを演算条件データとして入力する(図3のS30)。
【0081】
上記の状態は、図5において、特定機器接続前・SVC設置前の電圧分布71に対応する。
【0082】
次に、第2の演算手段21は、入力した演算データに基き測定対象地点Pに特定機器が接続された時の測定対象地点Pの3相相間電圧VS0を、▲6▼式にn=0を代入することにより計算する。
【0083】
上記の状態は、図5において、特定機器接続時・SVC設置前の電圧分布72に対応する。
【0084】
次に、SVC56をn台(n=1,2,・・・の整数であり、以降nは同様の値を意味する)設置後の測定対象地点Pの3相相間電圧VSnを(数2の)▲6▼式
【0085】
【数2】
【0086】
X:変電所から測定対象地点までの線路インピーダンスZのリアクタンス成分。
【0087】
R:変電所から測定対象地点までの線路インピーダンスZの抵抗成分。
【0088】
V1:特定機器接続前かつSVC設置前の測定対象地点Pの3相相間電圧。
【0089】
VSn:特定機器接続後かつSVCをn台設置後の測定対象地点Pの3相相間電圧。
【0090】
Q0:SVC1台当りの定格無効電力(遅れの無効電力をを正とする)。
【0091】
但し、SVCの定格電圧は6600[V]とする。
【0092】
n:SVCの設置台数(0〜5)。
【0093】
QL:特定機器の定格電圧(6600V)での皮相電力。
【0094】
cosΦ:特定機器の力率。
【0095】
ΔVSn:特定機器接続後かつSVCをn台設置後の測定対象地点Pの3相相間の改善電圧(昇圧を正とする)
よりそれぞれ求める(S31)。
【0096】
▲4▼式では、測定対象地点Pでの改善電圧ΔVSnが特定機器70及びSVC56から供給される電流に比例することを意味する。
【0097】
その時、上記電流がSVC設置点の電圧VSnに依存することを考慮して、測定対象地点Pでの改善電圧ΔVSnが電圧VSnに依存することを表現している。よって、▲6▼式で演算した電圧VSnは、特定機器70及びSVC56からの出力電流が設定点電圧に依存しないで、常に一定であるとして演算する場合よりも高精度で演算される。
【0098】
次に、上記のVSnと、測定対象地点Pでの目標電圧V0を比較して、目標電圧V0を満足する最小のSVC設置台数N(N=1,2,・・・の整数)を決定する(S32)。
【0099】
例として、目標電圧V0=6600[V]の時に、実施の形態1の時と同じように、SVC設置台数が0台、1台、2台とした場合に、測定対象地点Pの電圧がVS0=6200[V]、VS1=6315[V]、VS2=6650[V]であれば、目標電圧V0が6600[V]であることから、必要なSVC設置台数Nが、N=2台として決定する。
【0100】
上記の目標電圧V0を満足する状態は、図5において、特定機器接続時・SVC設置後の電圧分布73に対応する。
【0101】
尚、上記説明では、測定対象地点PへのSVCの設置台数を順番に計算した後で必要なSVC56の台数を決定したが、▲6▼式からVSnが目標電圧V0以上となる条件の不等式を解くことで、必要なSVC台数n(実数値)が計算され、そのnを整数値に切り上げることで、直接的にSVCの設置必要台数を求めることができる。
【0102】
また、特定機器70の負荷特性として、上記説明では、皮相電力と力率の組み合せを入力したが、有効電力と力率、有効電力と無効電力など、負荷の容量と力率の情報からなる、他の組み合せで入力しても良い。
【0103】
以上のように、本実施の形態における配電系統解析装置では、実施の形態1と同様に、電圧制御したい測定対象地点Pに着目する。
【0104】
そして、測定対象地点PのSVC設置前の電圧V1を基準にして、▲6▼式より、測定対象地点Pに接続した特定機器70の影響を考慮して、SVC56により発生する測定対象地点Pにおける電圧改善分ΔVSn66のみを計算する。
【0105】
このため、従来のように、SVC設置前の配電系統全体の電圧分布を求める必要がなくなると共に、従来入力していた配電系統を構成する区間のパラメータ全て(500個程度)を入力する必要は無くなり、僅か6個の配電系統パラメータのみを入力するだけで良くなり、多数のデータ収集作業も不要となる。
【0106】
また、電圧計算時の基準となる、測定対象地点Pの電圧V1に実測値を適用することで、配電系統の電圧分布計算結果を実際の配電系統の実測値に一致させる作業を不要とすることができる。
【0107】
すなわち、入力パラメータを減らし、さらに、特定機器やSVCの設置前の電圧分布結果を配電系統の実測値に一致させることを不要とし、SVC設置シミュレーション検討に要する工数を削減することができる。
【0108】
また、測定対象地点に、新規に特定機器が接続されることにより、測定対象地点の電圧が変動する場合にも、その変動した電圧を考慮した上で、測定対象地点の電圧を目標電圧にするために必要なSVCの台数を演算することができる。
【0109】
次に、第2の表示手段23は、第2の演算条件データ入力手段20で入力された変電所から測定対象地点Pまでの各区間の累積線路インピーダンスZ、SVC設置前の電圧V1、目標電圧V0、設置するSVCの定格値としてSVC1台当りの定格無効電力Q0、第2の演算手段で演算した特定機器が接続された場合の測定対象地点Pの変動後電圧VS0、第2の演算手段で演算した測定対象地点PのSVCを設置することによる改善電圧VSn(nは1〜5)、及び測定対象地点Pでの目標電圧V0を満足できる最小のSVC設置台数Nを表示装置に表示する。(S33)
この時、SVC設置前の電圧V1と目標電圧V0の大小関係に対応させて、P点の電圧が昇圧されるのかそれとも降圧されるのかを、例えば図4を簡略化したような、電圧改善イメージ図として表示装置に表示させることで、オペレータは直感的に電圧改善状況を把握できる。
【0110】
また、印刷付帯項目データ入力・保存手段15は、オペレータとの対話処理で報告書作成日付、報告書作者の情報などの報告書の付帯項目データを入力し、ファイル16として保存する。
【0111】
そして、第2の印刷手段24は、第2の表示手段で表示する内容に加えて、ファイル16に保存された付帯項目データを盛り込んだ報告書を自動作成し、印刷装置に出力する。(S33)
この報告書自動作成機能により、第2の演算条件データ入力手段20でデータを入力するだけで需要家向けに報告書17を即座に出力可能な為、SVCの営業活動面で即時引合い対応可能となる効果がある。
【0112】
なお、本実施の形態1及び2では、設置するSVCの1台当りの定格値(定格無効電力)を1種類として説明したが、異なる定格値(定格無効電力)のSVCを複数種類選択可能な場合は、選択可能なSVCの組み合せについて、SVC設置後の電圧改善値を計算すれば良い。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力するパラメータを減らす事ができ、配電系統を構成する要素の各種パラメータを詳細に調査収集する必要が無く、SVC設置前の電圧分布の計算結果を、配電系統の実測値に一致させる作業も不要であるため、配電系統上に無効電力解析装置を何台設置すれば、必要とする電圧改善を実現できるかの検討に要する工数を大幅に削減することができる。
【0114】
また、測定対象地点に、新規に特定機器が接続されることにより、測定対象地点の電圧が変動する場合にも、その変動した電圧を考慮した上で、測定対象地点の電圧を目標電圧にするために必要な無効電力解析装置の設置台数を演算可能な配電系統解析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の実施の形態1における配電系統解析装置の構成図
【図2】本発明2の実施の形態2における配電系統解析装置の構成図
【図3】同実施の形態1のフローチャート
【図4】同実施の形態1の配電系統の説明図
【図5】同実施の形態2の配電系統の説明図
【図6】従来の配電系統解析装置の構成図
【符号の説明】
10 第1の演算条件データ入力手段
11 第1の演算手段
12 第1の表示手段
14 第1の印刷手段
15 印刷付帯項目データ入力・保存手段
16 印刷付帯項目データ保存ファイル
20 第2の演算条件データ入力手段
21 第2の演算手段
22 第2の表示手段
24 第2の印刷手段
Claims (3)
- 変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第1のデータ入力手段と、前記第1のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置の台数を演算する第1の演算手段とを有した配電系統解析装置。
- 変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に接続される特定機器の負荷特性と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第2のデータ入力手段と、前記第2のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記特定機器を接続した時の前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置の台数を演算する第2の演算手段とを有した配電系統解析装置。
- 変電所に接続された配電系統上の測定対象地点の電圧と目標電圧と前記測定対象地点に接続された特定機器に電源が供給された状態の負荷特性と前記測定対象地点に設置する無効電力補償装置の定格値と前記変電所から前記測定対象地点迄の線路インピーダンスとからなるパラメータを入力する第2のデータ入力手段と、前記第2のデータ入力手段で入力されたパラメータを入力して、前記特定機器をに電源を供給したときの前記測定対象地点の電圧を前記目標電圧にするために必要な設置する無効電力補償装置の台数を演算する第2の演算手段とを有した配電系統解析装置。
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