JPH08128370A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JPH08128370A
JPH08128370A JP6269605A JP26960594A JPH08128370A JP H08128370 A JPH08128370 A JP H08128370A JP 6269605 A JP6269605 A JP 6269605A JP 26960594 A JP26960594 A JP 26960594A JP H08128370 A JPH08128370 A JP H08128370A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレッシャレギュレータを使用した内燃機関
の燃料供給装置において高温再始動時のベーパロックに
よる始動不良を防止する。 【構成】 燃料噴射弁8に供給する燃料圧力をプレッシ
ャレギュレータ2で調節する燃料供給装置において、燃
料タンク1を密閉式にすると共に、プレッシャレギュレ
ータ2を密閉式燃料タンク1内に配置し、プレッシャレ
ギュレータ2の背圧室22に電磁三方切換弁9を介して密
閉式燃料タンク1の内圧Ptか或いは大気圧または吸気圧
とを切り換えて導入可能に構成し、制御手段10によって
内燃機関の温度が所定値未満で再始動された時には電磁
三方切換弁9を大気圧側に切り換え、内燃機関が高温で
再始動された時には電磁三方切換弁9を燃料タンク内圧
力側に切り換えるように制御する。この結果、高温再始
動時、高地高温再始動時のベーパロックが防止されて始
動特性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の燃料供給装置
に関し、特に、内燃機関の温度が高い時に再始動された
場合のベーパロックの発生を防止することができる内燃
機関の燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の内燃機関の燃料供給装置の
構成を示すものである。図7において、1は燃料タン
ク、2はプレッシャレギュレータ、4は燃料ポンプ、5
は燃料フィルタ、6は燃料供給通路、7はデリバリパイ
プ、8は燃料噴射弁、10はECU(エンジン・コント
ロール・ユニット)、30は内燃機関、31は吸気通
路、32は排気通路、33はシリンダボディ、34はピ
ストン、35はサージタンク、36はコールドスタート
噴射弁、37は水温センサ、38は空燃比センサをそれ
ぞれ示している。サージタンク35に設けられたコール
ドスタート噴射弁36からは機関30の冷間始動時に噴
射が行われ、吸気通路31に設けられた各燃料噴射弁8
からは、水温センサ37や空燃比センサ38等による機
関30の運転状態パラメータの検出値に基づいて、EC
U10で演算された燃料噴射量が噴射される。
【0003】燃料タンク1から燃料ポンプ4で吸い上げ
られた燃料は、燃料フィルタ5で濾過された後に燃料供
給通路6を通じてデリバリパイプ6に供給され、このデ
リバリパイプ7から燃料噴射弁8やコールドスタート噴
射弁36に送られる。また、デリバリパイプ7内の燃料
の圧力は、燃料噴射弁8から吸気圧に対して所定の噴射
圧を持って燃料噴射が行われるようにプレッシャレギュ
レータ2によって一定に保たれている。
【0004】プレッシャレギュレータ2は、そのハウジ
ング20の内部がダイヤフラム23によって燃料室21
と背圧室22の2つの部屋に仕切られており、燃料室2
1には燃料入口26と燃料出口27が取り付けられてい
る。ダイヤフラム23の燃料室21側にはバルブ24が
取り付けられており、背圧室22内にはこのダイヤフラ
ム23を燃料室21側に付勢するスプリング25が設け
られている。また、背圧室22には一般に、圧力導入口
28によって内燃機関30の吸気通路31内の吸気圧が
導入されるようになっている。燃料室21内の燃料の圧
力が低い時には、バルブ24はスプリング25の付勢力
によって常時は燃料室21内の燃料出口27を閉じてい
る。一方、燃料室21内の圧力がスプリング25の設定
圧力を越えると、ダイヤフラム23がスプリング25に
抗して背圧室22側に移動し、バルブ24が燃料出口2
7を開き、燃料室21内の燃料は燃料戻り通路29を通
って燃料タンク1に戻される。この結果、デリパリパイ
プ7内の燃料圧力がスプリング25の設定圧力と吸気圧
との差に保持される。すなわち、背圧室22には吸気通
路31内の吸気圧が導入されており、この吸気圧の大き
さによってバルブ24の開弁圧力が変化するので、デリ
バリパイプ7内の燃料の圧力は、この吸気圧に対して一
定の噴射圧となるように制御される。
【0005】ところで、車両が通常の走行を行った後に
内燃機関が停止されてしばらく停車すると、走行中に発
生した内燃機関の熱が停車中に燃料系に伝わり、内燃機
関の燃料供給装置の温度が上昇して燃料ベーパが発生し
易くなる。このような状態で内燃機関の再始動を行う場
合には、燃料供給装置にベーパロックが発生し易い。特
に、車両が走行後に高地に停車した場合には、大気圧が
低いので燃料ベーパが更に発生し易く、ベーパロックに
よる始動不良が起きやすい。
【0006】このような高地高温再始動時のベーパロッ
クを防止するために、図7で説明したような余剰燃料を
デリバリパイプ7の末端に設置されたプレッシャレギュ
レータ2から燃料タンク1に戻すような内燃機関の燃料
供給装置において、燃料の温度センサで高温再始動時を
検出し、高温再始動時にはデリバリパイプ7とプレッシ
ャレギュレータ2との間の通路を閉塞し、燃料圧力を高
めることにより、車両の停車中に発生したベーパを押し
潰して高温始動性を向上させる装置が提案されている
(実開昭63−174568号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開昭
63−174568号公報に記載の従来技術では、プレ
ッシャレギュレータの他にデリパリパイプ内の燃料圧力
を高めるために丈夫で高価な装置とその装置スペース、
およびその制御装置が必要となり、内燃機関の燃料供給
装置のコストが高くなるという問題があった。
【0008】そこで、本発明は、エンジンルーム内に余
分なスペースを占有することなく、簡単な構成の装置で
高温再始動時のベーパロックによる始動不良を防止する
ことができる内燃機関の燃料供給装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の原理構成は、燃料噴射弁に燃料を供給するデリバリ
パイプと燃料タンクとを連通する燃料供給通路に、この
通路の圧力と背圧室との圧力差が設定値以上になった時
に開弁するプレッシャレギュレータが設けられ、このプ
レッシャレギュレータによって余剰燃料を前記燃料タン
クが戻されると共に、大気圧に対する燃料噴射圧力が一
定に保持されるように構成された内燃機関の燃料供給装
置において、燃料タンクを密閉式の燃料タンクに構成
し、この密閉式燃料タンク内の圧力を、プレッシャレギ
ュレータの背圧室に導入するようにしたことを特徴とし
ている。
【0010】そして、この原理構成に基づく本発明の第
1の形態の内燃機関の燃料供給装置は、プレッシャレギ
ュレータの背圧室に、密閉式燃料タンク内の圧力と燃料
タンクの外の大気圧とを切り換えて導入する導入圧力切
換手段と、内燃機関の温度が所定値以上の高温か否かを
判定する高温判定手段と、内燃機関が再始動されたか否
かを検出する再始動検出手段と、内燃機関の温度が所定
値未満で再始動された時には導入圧力切換手段を大気圧
側に切り換え、内燃機関が高温で再始動された時には導
入圧力切換手段を燃料タンク内圧力側に切り換えるよう
に制御する制御手段とを設けたことを特徴としている。
【0011】また、この原理構成に基づく本発明の第2
の形態の内燃機関の燃料供給装置は、燃料タンク内の媒
体の基準状態からの偏移を検出する偏移検出手段と、検
出された偏移に基づいて燃料噴射弁から噴射される燃料
の噴射時間を補正する補正手段とを設けたことを特徴と
している。
【0012】
【作用】本発明の第1の形態の内燃機関の燃料供給装置
によれば、内燃機関が高温で再始動された時には、プレ
ッシャレギュレータの背圧室に圧力の高い密閉式燃料タ
ンク内の気体の圧力が印加されるので、プレッシャレギ
ュレータの開弁圧力が上昇し、デリパリパイプ内の燃料
圧力が高められるので高温再始動時のベーパロックが防
止される。また、内燃機関の定常運転時にはプレッシャ
レギュレータの背圧室が大気圧側に切り換えられるの
で、定常運転時の燃料圧力を一定に保つことができて精
度良く燃料噴射が行われる。
【0013】本発明の第2の形態の内燃機関の燃料供給
装置によれば、プレッシャレギュレータの背圧室には常
に圧力の高い密閉式燃料タンク内の気体の圧力が印加さ
れているので、デリパリパイプ内の燃料圧力は常に高
く、高温再始動時のベーパロックが防止される。また、
定常運転時は密閉式燃料タンク内の燃料圧力が推定また
は検出され、燃料圧力に応じた燃料噴射時間に補正され
るので、燃料圧力変化に伴う燃料噴射量の精度の悪化が
防止されて適正な燃料噴射が行われる。
【0014】
【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図1(a) は本発明の内燃機関の燃料供給装
置の第1の実施例の構成を示すものであり、図1(b) は
図1(a) のプレッシャレギュレータの構成の一例を示す
ものである。なお、この第1の実施例においては、図7
で説明した従来の内燃機関の燃料供給装置と同じ構成部
材に付いては、同じ符号を付して説明する。従って、図
1(a) において、1は燃料タンク、2はプレッシャレギ
ュレータ、3はサクションフィルタ、4は燃料ポンプ、
5は燃料フィルタ、6は燃料供給通路、7はデリバリパ
イプ、8は燃料噴射弁、10はECU(エンジン・コン
トロール・ユニット)である。また、この実施例では内
燃機関の図示は省略してある。
【0015】この実施例では、燃料タンク1は密閉式の
燃料タンクとなっており、この密閉式の燃料タンクの中
に燃料フィルタ5が設けられている。また、プレッシャ
レギュレータ2はデリバリパイプ7の末端部には設けら
れておらず、燃料フィルタ5と同様に密閉式の燃料タン
ク1の中に設けられている。そして、プレッシャレギュ
レータ2の燃料入口26には燃料フィルタ5の吐出側の
燃料供給通路6が分岐されて接続されており、燃料出口
27は燃料タンク1内に開口している。一方、プレッシ
ャレギュレータ2の圧力導入口28には導入圧力切換手
段である電磁三方切換弁9が接続されており、この電磁
三方切換弁の残りの接続口の一方は密閉式燃料タンク1
の中に開口しており、他方は密閉式燃料タンク1の外部
の大気、或いは吸気通路内に開口している。この電磁三
方弁9は、ECU10からの信号により切り換えられ、
プレッシャレギュレータ2の圧力導入口28を密閉式燃
料タンク1の内部に接続するか、あるいは密閉式燃料タ
ンク1の外部に接続する。また、ECU10には図示し
ないセンサによって検出された大気圧Pa、水温Tw、
および吸気温Ta等が入力されている。
【0016】以上のように構成された内燃機関の燃料供
給装置では、燃料タンク1からサクションフィルタ3を
介して燃料ポンプ4で吸い上げられた燃料は、燃料フィ
ルタ5で濾過された後に燃料供給通路6を通じてプレッ
シャレギュレータ2とデリバリパイプ6に供給され、プ
レッシャレギュレータ2によって圧力が調整された燃料
がデリバリパイプ7を通じて燃料噴射弁8から噴射され
る。
【0017】この実施例において使用されるプレッシャ
レギュレータ2は従来と同じものでよく、そのハウジン
グ20の内部がダイヤフラム23によって燃料室21と
背圧室22の2つの部屋に仕切られており、燃料室21
には燃料入口26と燃料出口27が取り付けられてい
る。ダイヤフラム23の燃料室21側にはバルブ24が
取り付けられており、背圧室22内にはこのダイヤフラ
ム23を燃料室21側に付勢するスプリング25が設け
られている。また、背圧室22にはこの実施例では圧力
導入口28によって内燃機関30の吸気通路31内の吸
気圧または密閉式燃料タンク1内の内圧が導入されるよ
うになっている。
【0018】燃料室21内の燃料の圧力が低い時には、
バルブ24はスプリング25の付勢力によって常時は燃
料室21内の燃料出口27を閉じている。一方、燃料室
21内の圧力がスプリング25の設定圧力を越えると、
ダイヤフラム23がスプリング25に抗して背圧室22
側に移動し、バルブ24が燃料出口27を開き、燃料室
21内の燃料は燃料戻り通路29を通って燃料タンク1
に戻される。この結果、デリパリパイプ7内の燃料圧力
がスプリング25の設定圧力と背圧室22内の圧力との
差に保持される。
【0019】よって、この実施例では、背圧室22に吸
気通路31内の吸気圧が導入される場合には、デリバリ
パイプ7内の燃料の圧力はこの吸気圧に対して一定の噴
射圧となるように制御され、背圧室22に燃料タンク1
内の内圧が導入される場合には、燃料タンク1内の内圧
の値(一般に大気圧の絶対値よりも大きい)に応じた高
い噴射圧に制御される。
【0020】図2は図1(a) に示したプレッシャレギュ
レータ(P/R)2の背圧室22に燃料タンク1の内圧
と大気圧(吸気圧)とを切り換えて導入する電磁三方切
換弁9の動作を説明するフローチャートである。まず、
ステップ201では機関の運転状態パラメータとして、
大気圧Pa、水温Tw、吸気温Ta等を読み込み、続く
ステップ202とステップ203で機関が高温であるか
否かを判定する。機関の高温判定は、ステップ202に
おける水温Twが基準値TW1より高いか否かの判定
と、ステップ203における吸気温Taが基準値TA1
より高いか否かの判定によって行う。そして、ステップ
202とステップ203において、Tw>TW1かつT
a>TA1の場合は機関が高温であると判定してステッ
プ208に進み、電磁三方切換弁9を黒−黒側に切り換
えてプレッシャレギュレータ2の背圧室22に燃料タン
ク1内の内圧を導入する。また、ステップ202とステ
ップ203において、Tw≦TW1又はTa≦TA1の
場合は機関が高温でないと判定してステップ204に進
む。
【0021】ステップ204からステップ206は高地
高温条件を判定するものである。この判定は、まず、ス
テップ204では大気圧Paが基準値Poよりも小さい
か否かを判定し、続いてステップ205で水温Twが基
準値TW2(<TW1)よりも大きいか否かを判定し、
ステップ206で吸気温Taが基準値TA2(<TA
1)よりも大きいか否かを判定することによって行われ
る。そして、Pa<PoかつTw>TW2かつTa>T
A2の場合は高地において機関が高温であると判定して
ステップ208に進み、電磁三方切換弁9を黒−黒側に
切り換えてプレッシャレギュレータ2の背圧室22に燃
料タンク1内の内圧を導入する。また、ステップ204
からステップ206において、Pa≧Po又はTw≦T
W2又はTa≦TA2の場合は高地において機関が高温
でないと判定してステップ207に進む。ステップ20
7では電磁三方切換弁9を白−白側に切り換えてプレッ
シャレギュレータ2の背圧室22に大気圧(吸気圧)を
導入する。
【0022】このように、以上説明した第1の実施例で
は、通常はプレッシャレギュレータ2の背圧として大気
圧(吸気圧)が導入され、機関の水温Twが基準値TW
1より高くかつ吸気温Taが基準値TA1より高い高温
時、或いは大気圧Paが基準値Poより低い高地におい
て機関の水温Twが基準値TW2(<TW1)より高く
かつ吸気温Taが基準値TA2(<TA1)より高い高
温の時には、電磁三方切換弁9によってプレッシャレギ
ュレータ2の背圧として密閉式の燃料タンク1内の内圧
を導入するので、燃料噴射圧が増大される。従って、高
温再始動時、および高地における高温始動時に燃料の噴
射圧力が高められるので、ベーパロックの発生を抑える
ことができ、始動性が向上する。
【0023】更に、第1の実施例では、従来のプレッシ
ャレギュレータ2へのデリバリパイプ7内の高圧燃料を
遮断する構造の遮断弁に比べて、電磁三方切換弁は背圧
の切り換えだけであるのでその構成が簡素であり、ま
た、従来技術では遮断弁が車両のエンジンルームに配置
されているのに対してこの実施例ではプレッシャレギュ
レータ2および電磁三方切換弁9が燃料タンク1内に配
置されているので、車両のエンジンルームに余分なスペ
ースが不要になる。
【0024】図3(a) は本発明の内燃機関の燃料供給装
置の第2の実施例の構成を示す構成図であり、図1(a)
に示した第1の実施例の構成部材と同じ構成部材には同
じ符号を付してある。この第2の実施例が第1の実施例
と異なるのは、密閉式の燃料タンク1内に設けられてい
るプレッシャレギュレータ2の圧力導入口28が燃料タ
ンク1内のみに開口している点と、燃料タンク1内に燃
料温度を検出する温度センサ11が設けられている点の
みである。従って、この第2の実施例ではプレッシャレ
ギュレータ2の背圧室22に常に大気圧(吸気圧)より
も高い燃料タンク1内の内圧が導入されており、燃料の
噴射圧力は燃料タンク1内の温度によって燃料タンク1
内の内圧が上昇すると高くなる。
【0025】そこで、この第2の実施例では燃料タンク
1内の燃料の温度Tfを温度センサ11によって検出
し、検出した燃料温度Tfから燃料タンク1内の圧力を
推定し、推定した燃料タンク内圧力Ptに応じて燃料噴
射量を補正している。図3(b)は燃料タンク1内の燃料
温度Tfに対する燃料タンク1内の圧力Ptの特性を示
す特性図であり、燃料タンク1内の圧力Ptは温度セン
サ11によって検出された燃料温度Tfとこの特性図か
ら推定することができる。この特性図はマップの形でE
CU10内のメモリに記憶しておけば良い。
【0026】図4は第2の実施例において検出した燃料
温度Tfから推定した燃料タンク1内の圧力Ptに応じ
て燃料噴射量を補正する手順を説明するフローチャート
である。まず、ステップ401では機関の運転状態パラ
メータとして、大気圧Pa、水温Tw、吸気温Ta、燃
料温度Tf等を読み込み、続くステップ402において
機関が空燃比フィードバック中か否かを判定する。そし
て、空燃比フィードバック中である時はステップ403
に進んで機関が加速状態や減速状態でなく、定常状態で
運転されているか否かを判定する。
【0027】機関が空燃比フィードバック中で定常運転
されている時には、図示しない別のルーチンで常に計算
されている空燃比フィードバック補正係数FAFの平均
値FAFAVをステップ404において読み込む。そし
て、続くステップ405において噴射燃料圧力の補正係
数の学習値KPFGを式、 KPFG=FAFAV−1.0 によって算出してステップ406に進む。
【0028】一方、ステップ402で機関が空燃比フィ
ードバック制御を実行していないと判定した時、および
ステップ403で機関が定常状態でないと判定した時も
ステップ406に進む。ステップ406では燃料タンク
1内の燃料温度Tfから燃料タンク1内の内圧Ptが図
3(b) に示した特性図から推定演算される。そして、ス
テップ407において、噴射する燃料の圧力の補正係数
KPFがプレッシャレギュレータ2の開弁設定圧をP
r、吸気圧をPaとして、式、 KPF={Pr/( Pr+(Pt−Pa)) }1/2 によって算出される。
【0029】この後、ステップ408において補正燃料
圧力による燃料噴射期間が式、 TAU=TAUP×(KPF−KPFG) によって算出される。ここで、TAUPは基本燃料噴射
パルス幅であり、TAUは補正後の噴射パルス幅であ
る。この噴射パルス幅TAUによって燃料噴射期間が調
整され、燃料噴射弁8から噴射される燃料量が制御され
る。なお、燃料補正係数の学習値KPFGは、燃料の性
状変化を学習するものである。
【0030】この第2の実施例では、燃料タンク1の内
圧Ptをプレッシャレギュレータ2の背圧室22に導入
することにより、従来の吸気圧をプレッシャレギュレー
タ2の背圧室22に導入する内燃機関の燃料供給装置に
比べて、応答遅れによる制御性悪化の問題が改善でき
る。また、密閉式燃料タンク1のタンク内圧Ptをプレ
ッシャレギュレータ2の背圧とするため、大気圧低下等
の影響を受けず、高地高温始動時の燃料絶対圧力を確保
することができ、ベーパ発生が抑制されて再始動性が向
上する。また、燃料タンク1の内圧Ptの変化を燃料温
度Tfを検出することによって推定し、燃料噴射量の補
正を行うことで空燃比制御性も確保することができる。
【0031】図5は本発明の内燃機関の燃料供給装置の
第3の実施例の構成を示す構成図であり、図1(a) およ
び図3(a) に示した第1、第2の実施例の構成部材と同
じ構成部材には同じ符号を付してある。この第3の実施
例の構成は前述の第2の実施例と殆ど同じであり、異な
る点は、第2の実施例が温度センサ11によって燃料温
度Tfを検出した後に燃料タンク1内の内圧Ptを推定
していたのに対し、第3図の実施例は燃料タンク1内に
内圧を検出可能な圧力センサ12を設けた点のみであ
る。従って、この第3の実施例でもプレッシャレギュレ
ータ2の背圧室22に常に大気圧(吸気圧)よりも高い
燃料タンク1内の内圧が導入されており、燃料の噴射圧
力は燃料タンク1内の温度によって燃料タンク1内の内
圧が上昇すると高くなる。
【0032】そして、この第3の実施例では燃料タンク
1内の圧力を直接圧力センサ12によって検出し、検出
した燃料タンク内圧力Ptに応じて燃料噴射量を補正し
ている。図6は第3の実施例において検出した燃料タン
ク1内の圧力Ptに応じて燃料噴射量を補正する手順を
説明するフローチャートである。
【0033】まず、ステップ601では燃料タンク1の
内圧Ptを読み込み、続くステップ602において、噴
射する燃料の圧力の補正係数KPFがプレッシャレギュ
レータ2の開弁設定圧をPr、吸気圧をPaとして、
式、 KPF={Pr/( Pr+(Pt−Pa)) }1/2 によって算出される。
【0034】この後、ステップ603において補正燃料
圧力による燃料噴射期間が式、 TAU=TAUP×KPF によって算出される。ここで、TAUPは基本燃料噴射
パルス幅であり、TAUは補正後の噴射パルス幅であ
る。この噴射パルス幅TAUによって燃料噴射期間が調
整され、燃料噴射弁8から噴射される燃料量が制御され
る。
【0035】この第3の実施例でも、燃料タンク1の内
圧Ptをプレッシャレギュレータ2の背圧室22に導入
することにより、従来の吸気圧をプレッシャレギュレー
タ2の背圧室22に導入する内燃機関の燃料供給装置に
比べて、応答遅れによる制御性悪化の問題が改善でき
る。また、密閉式燃料タンク1のタンク内圧Ptをプレ
ッシャレギュレータ2の背圧とするため、大気圧低下等
の影響を受けず、高地高温始動時の燃料絶対圧力を確保
することができ、ベーパ発生が抑制されて再始動性が向
上する。また、燃料タンク1の内圧Ptの変化を直接検
出して燃料噴射量の補正を行うことで空燃比制御性も確
保することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の形
態の内燃機関の燃料供給装置によれば、内燃機関の定常
運転時にはプレッシャレギュレータの背圧室が大気圧側
に接続されるので、定常運転時の燃料圧力を一定に保つ
ことができて精度良く燃料噴射が行われると共に、内燃
機関が高温で再始動された時には、プレッシャレギュレ
ータの背圧室が密閉式燃料タンク内に接続されるので、
プレッシャレギュレータの開弁圧力が上昇し、デリパリ
パイプ内の燃料圧力が高められるので高温再始動時のベ
ーパロックが防止されるという効果がある。
【0037】また、本発明の第2の形態の内燃機関の燃
料供給装置によれば、プレッシャレギュレータの背圧室
には常に圧力の高い密閉式燃料タンク内の気体の圧力が
印加されており、定常運転時は密閉式燃料タンク内の燃
料圧力が推定されて燃料噴射時間が補正されて適正な燃
料噴射が行われると共に、内燃機関が高温で再始動され
た時には高圧の燃料を噴射できるので、高温再始動時の
ベーパロックが防止されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の内燃機関の燃料供給装置の第1
の実施例の構成を示す構成図、(b) は(a) のプレッシャ
レギュレータの構成の一例を示す断面図である。
【図2】図1(a) に示したプレッシャレギュレータの背
圧室に燃料タンク内圧と大気圧とを切り換えて導入する
導入圧力切換手段の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図3】(a) は本発明の内燃機関の燃料供給装置の第2
の実施例の構成を示す構成図、(b) は燃料温度に対する
燃料タンク内の圧力の特性を示す特性図である。
【図4】図3の実施例において推定した燃料タンク内の
圧力に応じて燃料噴射量を補正する手順を示すフローチ
ャートである。
【図5】本発明の内燃機関の燃料供給装置の第3の実施
例の構成を示す構成図である。
【図6】図5の実施例において検出した燃料タンク内の
圧力に応じて燃料噴射量を補正する手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】従来の内燃機関の燃料供給装置の全体構成を説
明する構成図である。
【符号の説明】
1…密閉式燃料タンク 2…プレッシャレギュレータ 4…燃料ポンプ 6…燃料供給通路 7…デリバリパイプ 8…燃料噴射弁 9…三方切換弁(導入圧力切換手段) 10…ECU 11…温度センサ 12…圧力センサ 21…燃料室 22…背圧室 23…ダイヤフラム 24…バルブ 25…スプリング 26…燃料入口 27…燃料出口 28…圧力導入口 29…燃料戻り通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁に燃料を供給するデリバリパ
    イプと燃料タンクとを連通する燃料供給通路に、この通
    路の圧力と背圧室との圧力差が設定値以上になった時に
    開弁するプレッシャレギュレータが設けられ、このプレ
    ッシャレギュレータによって余剰燃料が前記燃料タンク
    に戻されると共に、大気圧に対する燃料噴射圧力が一定
    に保持されるように構成された内燃機関の燃料供給装置
    において、 前記燃料タンクを密閉式の燃料タンクに構成し、 この密閉式燃料タンク内の圧力を、前記プレッシャレギ
    ュレータの前記背圧室に導入するようにしたことを特徴
    とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装
    置であって更に、 前記プレッシャレギュレータの前記背圧室に、前記密閉
    式燃料タンク内の圧力と前記燃料タンクの外の大気圧と
    を切り換えて導入する導入圧力切換手段と、 内燃機関の温度が所定値以上の高温か否かを判定する高
    温判定手段と、 内燃機関が再始動されたか否かを検出する再始動検出手
    段と、 内燃機関の温度が前記所定値未満で再始動された時には
    前記導入圧力切換手段を大気圧側に切り換え、内燃機関
    が前記高温で再始動された時には前記導入圧力切換手段
    を燃料タンク内圧力側に切り換えるように制御する制御
    手段とを設けたことを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装
    置であって更に、 前記燃料タンク内の媒体の基準状態からの偏移を検出す
    る偏移検出手段と、 検出された偏移に基づいて前記燃料噴射弁から噴射され
    る燃料の噴射時間を補正する補正手段とを設けたことを
    特徴とするもの。
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